NC750S/X/INTEGRA(RC70/72/71) -since 2014-

NC750シリーズ

750ccとなった二代目のNCことNC750シリーズ。

ボアを4mm拡大してバランサーを一軸から二軸に変更し振動をさらに低減させました。二軸バランサーって普通高級バイクにしか付けないんだけどね。ホンダで言えばCBR1100XXとか。

一番大きいのはハイギアードでしょうか。700はレッドが6500rpmでトルクフルなのにも関わらずローギアードだったので簡単にレッドに当たる部分を持ってました。それが今回の結構なハイギアード化で解消されたというわけ。まあハイorローは一長一短ではありますが。

NC700の時はエンジンの話ばっかりしてしまって肝心のX、S、INTEGRAの三車種に全く触れてませんでしたスイマセン。

日本で一番最初に発売され、一番人気なのがクロスオーバーコンセプトのNC700X(RC63)そしてNC750X(RC72)です。

NC700X/750X

少しアップ気味なシートポジションでアドベンチャーの空気を醸し出してるモデル。ちなみに似たような車種としてVFR800XとVFR1200Xがありますね。

クロスオーバーコンセプト

ホンダはクロスオーバー出しすぎな気もしますがホンダとしてはこういう住み分けの模様です。

でも正直日本でV4クロスオーバーって車格的にもスペック的にもオーバーで必要性が・・・いやなんでもないです。

次はネイキッドスタイルのNC700S(RC61)そしてNC750S(RC70)です。

NC750S

非常にオーソドックスで外装も必要最低限のモデル。これとクロスオーバーのXは何が違うのかと言えばシート高が違います。Xが830mmなのに対しSは790mmと低め。

安心の足付きで街乗り特化モデル。

NC750教習車

実は教習車としてCB750の後釜になってたりします。こんな新しいバイクで教習できるなんて最近の教習生は羨ましいですね。昔はポンコツの・・・いや、コレもやめておきましょう。

そして最後はINTEGRA(RC63)と750ccになっても変わらずINTEGRA(RC72)です。

INTEGRA

日本でNC700Xが先行発売されたのとは対照的に欧州で先行発売されたスクータータイプ。

欧州市場において打倒TMAX、そしてC650を始めとした相次ぐライバルに対抗するために生み出されました。向こうではこのクラスはMAXIスクーターとか言われています。

RC72

ただ当たり前の様に原付すら抑えて年間販売台数1位を取るTMAXの牙城は厚すぎたのか、2014年モデルではインテグラだけ特別にアルミスイングアームが奢られる厚遇っぷり。欧州ではこのクラスは日常の足で中々な台数が出るから出来るんでしょうね。日本でいう250ビッグスクーターみたいなもんです。

ちなみに国によってはNC700DとかNC750Dという名前だったりします。

さて、NCシリーズといえばメットイン機能を備えているという武器があります。

NC700Xメットイン

通常なら燃料タンクがある部分がパコンと開いてフルフェイスヘルメットを収納できるほどのスペースが設けられているわけです。ちなみに燃料タンクはシート下で給油口はタンデムシートの下。

タンデムシートの下に燃料タンクを設置するというのは、荷物をシートに積んだ状態で給油が出来ず一旦降ろさないといけない手間が掛かるという諸刃の剣なんだけど、NCの場合は驚異的な燃費だからその手間もほとんど要らないから理が大きいね。

ちなみに同じシート下給油が仇となってる車種として有名なのがVmax。

Vmax1200

燃費悪い(10km/L)、ガソリン入らない(15L)、給油口はタンデムシート下、でもう大変。ツーリングに最も向かないバイクと言われてたりするのはコレが理由。まあそもそもアレはドラッガーでツーリングするバイクじゃないしね。

また話がそれました。

インテグラメットイン

ちなみにインテグラも勿論スペースが設けられています。流石にレイアウトの都合でSやXほどのスペースはありませんが、そのぶんだけ足付きが良くなってる。

バイクに乗る人間ならこのスペースのありがたさは痛いほど分かるので力説する事もないでしょう。こういう部分もTake Mid Easyと呼ばれる根拠だったりするわけですね。

主要諸元
全長/幅/高 2210/840/1285mm
<LD:2195/840/1285mm>
[2195/780/1130mm]
{2195/810/1440mm}
シート高 830mm
<LD:800mm>
{[790mm]}
車軸距離 1540mm
<LD:1525mm>
{[1525mm]}
車体重量 217kg(装)
[214kg(装)]
{237kg(装)}
燃料消費率 28.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 745cc
最高出力 54ps/6250rpm
最高トルク 6.9kg-m/4750rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
または
電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後160/60R17(69W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IFR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量3.7L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L
または
【全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
※DCTモデル/INTEGRA】
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 668,000円(税別)
[619,000円(税別)]
{830,000円(税別)}
※スペックはNC750X(RC72)
※[]内はNC750S(RC70)
※{}内はINTEGRA(RC71)
※ABSモデルは+2kg
※DCTモデルは+12kg
系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

NC700S/X/INTEGRA(RC61/63/62) -since 2012-

NC700X

「New Mid Concept」

ホンダが考えた新しい感動を具現化したバイク。

ニューミッドコンセプト

270度パラツインエンジンを前傾に62°と大きく傾けてスチールパイプフレームに搭載。

非常に低重心なのが写真を見ても分かりますね。

NC700プラットフォーム

このプラットフォームをベースにクロスオーバーのNC700X、ネイキッドのNC700S、スクータータイプのINTEGRAの3バリエーションで展開。

NC700シリーズ

これが出た時

「インテグラと言えば車だ。カッコインテグラ!」

なんて言われたけど、元々インテグラはバイク(1982年CBX400Fインテグラ)が始まりなので返してもらったと言ったほうが正しいです。

カッコインテグラ

・・・というかカッコインテグラとか言っても今時の人は分からないか。ホンダのスポーツカーで昔インテグラっていうのがあったんです。

カッコインテグラ

その車のキャッチコピーが「カッコインテグラ」で車も言葉も大ヒットしました。・・・って車の話はどうでもいい。

このNC700の特徴としてまず挙げられるのが低価格だということ。

日本はNC700X(欧州はインテグラ)が先行発売されたんですが、発売当時649,950円と700ccの大型なのにCB400より安いと大きく話題になりました。

どうしてこんなに安いのかと言えば約四割の部品を海外調達しているからですが、それだけでこれだけ価格が抑えられるなら苦労しない。最初に紹介した通り3モデルというバリエーション展開もコストを下げるため。工業製品の製造コストと言うのは出る数で決まりますから。

もちろん単純なコストカットだけでなくコスト節約のための工夫が随所に見受けられます。

例えばブレーキローターの部分。

NC700プラットフォーム

NC700シリーズのフロントディスクローターって大径で中がスカスカだと思いませんか?

実はこれ、一枚からフロントローターもリアローターも取るっていう一枚で二度美味しい的な事をやってるから。

ディスクローター

思わずナルホドと唸りますね。NC700のフロントローターがコスパと言う割に大きい物を付けてるのはこれが理由。

部品の海外調達もただ海外で作ってるというわけではなく、例えばフレームはインドで材料を調達して、フィリピンで加工して、日本(熊本製作所)で作ってる多国籍フレーム。

熊本工場

ちなみにこのバイクをタイなどのアジアで作っているという勘違いを見たりしますが作ってるのは熊本製作所ですし、エンジンに至っては完全国内生産です。

2016年4月の熊本大地震でこの製作所も被害を受けたようです。ここはホンダの国内二輪を一手に担う工場であり、世界各地にあるホンダ工場の中心マザーファクトリーでもある。だから熊本製作所は勿論のこと、被害に遭われた皆様の一日でも早い復興を祈っています。

さてまた話をNCにもどして・・・このNC700のエンジンはフィットのエンジンを半分にした物っていう逸話が有名ですね。

最近になって少し変わってきましたがそれでもバイクはずっと高馬力でナンボ、高回転でナンボ的な考えが当たり前で燃費の方はメーカーもライダーも関心がない。

2012NC700S

しかしこのNC700のコンセプトは「Take Mid Easy」です。

つまりいつでも気軽に乗れるミドルクラス。気軽に何処へでも乗って行くなら燃費も大事という事で低燃費エンジンを作ろうと決まりました。会社からは「低価格の大型バイク」という要望だけで燃費については何も言われなかったそうですが、ただ低価格なだけのバイクなんてツマラナイとして燃費も追求するようにしたそうです。

が、先に言ったように今まで二輪で燃費なんて大して考えてこなかっただけあり、どうすれば燃費が良くなるのかサッパリで頓挫。

そんなこんなで行き詰った中での飲み会で

「フィットのエンジンを半分にして載せちゃえば、直列2気筒の670ccになりますね」

と、酔った勢いの冗談で言った一言が引き金に。すぐにフィットの開発陣に頭を下げて低燃費技術を乞い行ったそうです。

フィットL13A型

だから出来たエンジンのボアストロークはフィット(L13A型)とほぼ一緒。ストロークが数mm違うだけ。

実は二輪部門の人間と四輪部門の人間が接触して技術提供するのはホンダにとっては異例な事だそうです。同じホンダなのに大きい会社というのは違いますね。

そんなFITを参考に作ったエンジンですが、一風変わった作りをしていることをご存知でしょうか?

NC700のエンジン

一見するとなんてこと無い270度クランク(Vのツインの様な特性)のパラツインに見えますが、面白いことに吸排気系がほぼ一本化されている作りをしています。要するにツインエンジンなのにシングルエンジンみたいな吸排気レイアウトをしている。

それがよく見て取れるのが吸気ポート。吸気の分岐がシリンダーヘッド内で行われてるんです。

インテーク

皆さんご存知のように普通はもっと前の段階で気筒ごとにマニホールド(筒)で分けられています。何故ならそうしないと圧による吸気干渉を起こしてしまうから。要するに他のシリンダーの吸気動作を邪魔してしまって思い切り吸えなくなっちゃう。

しかしNCではそれを逆手に取って”敢えて”吸気干渉を起こし不規則な燃焼、つまり計算された干渉を起こし鼓動感を出してるわけです。CB1100なんかでもやってる技術ですが、コッチの場合は一本化した上でやってるから更に凄い。

カムシャフト

コレはバルブを動かすカムシャフトで、(写真だと分かりにくいのですが)吸気干渉を計算して右と左でカムプロフィール(山の形)を変えてるんです。

他にも色々とあるんですがまとめると・・・

二輪初の軽量アルミロッカーアームを始めとした技術でフリクションロスを極限まで減らしつつ、意図的な吸気干渉で左右の燃焼に変化を起こし鼓動感を演出しつつ、吸気干渉による発熱差から来る歪みをアルミでも起こさせない設計をしつつ、アイドリングからストイキ(理想空燃比)に張り付く燃焼効率と排気脈動の最適化で41.0km/Lを実現しているわけです。

エンジンスケッチ

そのせいか特許の数も他の車種とは比べ物にならないほどあります。少しは凄さが伝わったでしょうか。

どうしても”低燃費”と聞くと四輪の影響もあって、薄く退屈な特性というイメージが湧いてしまう人が多いと思いますが、そういうわけじゃないという事だけでも伝わってれば幸いです。

NC700Xフルオプション

実際このバイクが出た時に凄く不評というか批判を受けていたのを思い出しますが、実は開発段階でも社内から懐疑的な声がかなり聞こえていたそうです。

しかし絶対的な自信を持っていた開発主査の青木さんはそれらを黙らせる為に、当時のホンダ社長であり、バイク大好きであり、同時にバイクにとてもうるさい伊東前社長が自ら行う市販予定車試乗テストにNC700を紛れ込ませた。

伊東前社長

そしたら「今までにない挑戦的で面白い大型バイクだ」と数ある試作車の中でも大絶賛。

この一件以降はそれまであった反対の声がウソのように鎮まるどころか、「あの社長がベタ褒めしたバイクを俺にも乗せてくれ」と社内一の人気試作車になったそうです。

一般ライダーにはどうだったのかといえば、販売台数を見れば好評なのは一目瞭然ですね。

DCT

最後になりましたが、少し遅れてDCTモデルも追加されました。

主要諸元
全長/幅/高 2210/830/1285mm
[2195/760/1130mm]
{2195/790/1440mm}
シート高 830mm<LD:800mm>
[790mm]
{775mm}
車軸距離 1540mm
{[1525mm]}
車体重量 214kg(装)
[211kg(装)]
{238kg(装)}
燃料消費率 41.0km/L
[41.5km/L]
[38.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 669cc
最高出力 50ps/6250rpm
最高トルク 6.2kg-m/4750rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
または
電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後160/60R17(69W)
バッテリー YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IFR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量3.7L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L
または
【全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
※DCTモデル/INTEGRA】
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 619,000円(税別)
[598,500円(税別)]
{770,000円(税別)}
※スペックはNC700X(RC63)
※[]内はNC750S(RC61)
※{}内はINTEGRA(RC62)
※ABSモデルは+4kg
※DCTモデルは+12kg
系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

LEAD125(JF45) -since 2013-

JF45

「STYLISH SEDAN SCOOTER」

生産国が中国からベトナムになり、これまた大幅に生まれ変わったリード125(JF45)

PCX等のコミューターがベトナムに移管された事がキッカケでしょうね。

(Todayやカブ110なんかでもそうですが中国工場ってよっぽど何かあるんでしょうね。)

それにしてもリードのフルスケール125ccなんて1982年以来、実に30年ぶりですよ。

エンジンはPCXと同じホンダ渾身のグローバルエコエンジンであるeSP。

eSPengine

どんな走り方をしても40km/Lを切らないというニワカには信じがたいエンジン。

ちなみにeSPとはenhanced(強化された) Smart(高精度な) Power(動力)という意味。

ラジエーターが一体化してるのが特徴ですね。

外見も大きく変わりました。

リード125LED

ひと目でリード125だと分かるV字クロームメッキとLEDポジションランプ。(何でV字なのかは分かりませんが)

でも実はLEAD125は内装(インパネ)にも拘ってます。

リード125メーター

液晶付きメーターは勿論のこと、可能な限りインパネもメタリック塗装しプラスチッキーさを抑えてる。

でもそんな事よりリードといえばやっぱり・・・

リード125メットインスペース

ヘルメットが2つ入る程の大容量ラゲージスペースですよね。コチラも健在・・・というかコレじゃなきゃリードとは言えない。

さてさて・・・

リードの魅力を考えてみると速いわけでも最先端を行く様なデザインでも無い。最上位スクーターという地位もPCXに譲った。

挙げるとするならラゲージスペースを始めとした積載性くらいで、こう言っちゃアレだけどどちらかというと華がない。

でもそれこそがリードの魅力なんじゃないのかと思うわけです。

一人でも二人でも乗れるちょうどいいサイズで、メットインスペースが豊富で足場もフラットで広く、リアキャリアもしっかり付いてる。

スタイリッシュ セダン スクーター

オーソドックスといえばオーソドックスだけど、価格や奇抜さといった飛び道具に頼るわけでもなく王道をいってるのって今やリードくらいなんですよね。

流行に流されない大人のスクーター。

コンセプトで”セダン”と用いてるのもこういう所から来てるんじゃないかな。

主要諸元
全長/幅/高 1835/685/1125mm
[1840/680/1130mm]
シート高 760mm
車軸距離 1275mm
車体重量 113kg(装)
[114kg(装)]
燃料消費率 51.0km/L
[52.2km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 6.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8500rpm
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90R12(44J)
後100/90R10(56L)
バッテリー YTZ7S
[GTZ8V]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ
Vベルト 23100-KZR-601
車体価格 272,000円(税別)
[287,000円(税別)]
※[]内は17年以降モデル
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD/EX(JF19) -since 2008-

JF19

実に五年ぶりに復活したLEAD。

残念なことに50ccモデルは廃止となり110一本で名前もLEADだけになった。

FIの水冷OHCエンジンを積んでいる。

このモデルから生産国が中国に変更・・・というより正しく言うなら中国で既に作ってアジア全般に売っていたSCR110(ほぼ同一車)を日本向けに調整し発売というのが実際の所。

「なんだじゃあ別のバイクじゃん」

と思う事なかれ。 リード110メットインスペース

見てくださいこの大容量35Lのラゲージスペース。

このサイズでフルフェイスヘルメットが2つも入る。これぞリードたる証。

さてさて、そんなリード110ですがデビュー時はもの凄く叩かれました。

リード110スペシャルカラー

何故かといえば今ひとつパッとしない性能に対し車体価格が当時27万3000円と高かったからです。

当時はコストパフォーマンスならアドレスV125で22万円、質感とスペックで言えばシグナスXで32万円という状況。

もともとリードは大人の原付という立場だったのですが、ホンダの最上位原二という事から許せない人が多かったんでしょう。

と言っても通勤需要もあってコンスタントに年間10000台強も売ってたので十分ヒットと言えるんですけどね。

ただそんな状況をみたのかホンダは値下げに踏み切りました。

2010 LEAD・EX

リード110スペシャルカラー

後期モデルになるリードEX、型式は変わらずJF19。

基本はそのままにブレーキ周りの変更(2potから3potへ、それに伴いローターも変更)をした上で先代から2万円ほど値下げ。

よく前期モデル乗りから苦情が来なかったな・・・。

後継の生産地がベトナム産になった事もあってしばらくの間は併売されてました。

主要諸元
全長/幅/高 1835/665/1125mm
[1835/675/1125mm]
シート高 740mm
車軸距離 1275mm
車体重量 114kg(装)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.5L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.0ps/7500rpm
最高トルク 0.95kg-m/6250rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90R12(44J)
後100/90R10(56L)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EH-9/CR8EH-9
または
U22EPR9/U24FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.7L
スプロケ
Vベルト 23100-GFM-890
(23100-GFM-901)
車体価格 260,000円(税別)
[238,000円(税別)]
※[]内はEX
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD/100(AF48/JF06) -since 1998-

JF05

2st最後のリードとなる三代目のLEAD(AF48)と10ccアップしたLEAD100(JF06)。

1998年製ながらマフラーに触媒を入れ、初めて排ガス規制をクリアしたバイクだったりする。

他にも前後連動ブレーキのコンビブレーキやイグニッション、メットイン、ハンドルロックの機能を一つのシリンダーに集約したり(後期のみ)、イモビアラームのOPを用意していたりと今でこそ比較的当たり前な装備を二周も三周も先取りしていた。

そのおかげかこの三代目も人気が出た・・・んだけど、ホンダのスクーター4st化計画と排ガス規制強化に伴って2003年で生産終了となりました。

主要諸元
全長/幅/高 1795/680/1060mm
シート高 660mm
車軸距離 1255mm
車体重量 91kg(装)
[99kg(装)]
燃料消費率 46.2km/L
[43.1km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[101cc]
最高出力 5.9ps/6750rpm
[9.3ps/6750rpm]
最高トルク 0.65kg-m/6750rpm
[1.0kg-m/6750rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.5-10(41J)
[前後100/90-10(56J) ]
バッテリー FT4L-BS
[FTX5L-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR6HSA
[BR6HSA-9]
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量
スプロケ
Vベルト 23100-GCS-003
[23100-KFH-003]
車体価格 199,000円(税別)
[229,000円(税別)]
※[]内はリード100(JF06)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD/90(AF20/HF05) -since 1988-

HF05

「ゆとりのボディサイズ」

初めてのフルモデルチェンジを迎えLEAD(AF20)とLEAD90(HF05)の二台体制になった二代目リード。
顔とボディのバランスが取れてなかったのをホンダも気付いたのか顔をシェイプアップしボディとのバランスがとれた。

リードの特徴であり武器となる大きめのメットインスペースとインナーボックスを採用したのはこのモデルから。

使い勝手の良さから人気が出て、90の方は「リーキュー」の愛称で親しまれてました。

ホンダの最上位原付ってことで当時の値段でも22万5000円と決して安くは無かったんですが。

LEAD50

ゴツいトレーリングリンク式フロントサスペンションが特徴的ですね。

そういえば雨上がり決死隊の蛍原さんがLEAD90の大ファンというかマニアみたいで今でも壊れる度にLEAD90を買い直してるという有名な話がありますね。

芸能人なら新型の原付くらい簡単に買えそうなものですが、愛称で親しまれるくらいなので惹かれる物があるのでしょう。

余談ですが

スーパーリード

コチラは韓国で発売されたSUPER LEADというLEADのパチも・・・というわけではなく、当時技術提供していた韓国のDM社から出た外装がちょっと違うだけで中身は一緒のLEADです。

主要諸元
全長/幅/高 1755/715/1060mm
シート高 735mm
車軸距離 1235mm
車体重量 83kg(装)
[85kg(装)]
燃料消費率 58.1km/L
[54.1km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.2L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[89cc]
最高出力 6.4ps/6500rpm
[8.4ps/6500rpm]
最高トルク 0.73kg-m/6000rpm
[1.0kg-m/4000rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.5-10-2PR
[前後100/90-10(56J) ]
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP6HSA
[BPR6HSA]
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量
スプロケ
Vベルト 23100-GW2-013
[23100-GW3-013]
車体価格 195,000円(税別)
[225,000円(税別)]
※[]内はリード90(HF05)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD50/80/125(AF01~10/HF01~4/JF01) -since 1982-

HF01

ホンダのご長寿スクーターとしてお馴染みのリード。

その一番最初のモデルとなったのはリード50(AF01)と80(HF01)

HY戦争の象徴とも言われたタクトというスクーターの上位モデル的な位置づけてデビュー。
当時から大柄な車体に広い乗車スペースが売りのスクーターGT。

更に実は、半年後には既に125ccモデルも登場していた。

LEAD125(JF01)

リード125

新設計の5ポートシリンダーにトルセン付きVマチックで前後油圧式ダンパーとキャストホイール。

とってもハイテクで贅沢な作り。値段も50の二倍近い24万円という高級原二。でも売れなかったのかホンダの方針なのか分からないけど125ccはスペイシーで行くことになって僅か一年しか売ってないレアなリード。

リード125カタログ

写真だと分かり難いんですがボディに対して頭が馬鹿みたいに大きく、もの凄くチグハグ感があり、可愛くもあったりします。

激レアなリードと言えばもうひとつ。

それは一年遅れの1983年に登場した

LEADER(AF03)

リーダー

リードの派生車として登場。

50ccながらなんとスクーター初の液晶式メーターを装備。

リーダー液晶メーター

ガソリンメーターやスピードメーターは勿論のこと、(無駄に)タコメーターまでしかもデジタルで付いてるという豪華っぷり。

リーダー50

激レアと上で言ってる通り売れなかった。

いや売れなかったというよりリードも売ってたし、リードはスポーツ性を高めたSやSS、豪華装備のSDX(スーパーデラックス)なんかも出しててモロ被りだったから。

リードR

終いにはリードRというスポーティどころかスポーツなモデルまで出す始末。

この時ホンダの50ccスクーターの車種数はタクトやリードやスカッシュなど全て含めるとなんと11車種。

なんでそんな乱発したのかと言えばそれはHY戦争だったからとしか言いようがありません。

リード125カタログ

そう考えるとリードもタクトと同じくHY戦争の申し子なんですよね。

(HY戦争についてはコチラ)

主要諸元
全長/幅/高 1675/665/1070mm
{1750/645/1090}
シート高
車軸距離
車体重量 70kg(装)
[72kg(装)]
{91kg(装)}
燃料消費率 75.0km/L
[78km/L]
{55.0km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 5.3L
{7.0L}
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[89cc]
{124cc}
最高出力 5.0ps/7000rpm
[8.4ps/6500rpm]
{10ps/6500rpm}
最高トルク
[-]
{1.3kg-m/4000rpm}
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.00-10-2PR
[前後3.50-10-4PR]
{前後3.50-10-4PR}
バッテリー YB4L-B
[FB5L-B]
{FB5L-B}
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP6HS
[BP6HS]
{BP6HSA}
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量 1.3L
{-}
スプロケ
Vベルト
車体価格 139,000円(税別)
[172,000円(税別)]
{238,000円(税別)}
※スペックは50(AF01)
※[]内はリード90(HF05)
※{}内はリード125(JF01)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

FORZA(MF13) -since 2018-

MF13

「NEW STYLISH SPORT」

初代と全く同じコンセプトで登場した六代目フォルツァのMF13型。

ビッグスクーターブームが完全に去った今になって何故こんなモデルを出したのか疑問に思いますが理由は主に二つ。

・グローバルモデル(海外向け300)になったこと

・FORZA125が欧州で好調なこと

です。

コンセプトスケッチ

見た目からも分かる通り小排気量ながら郊外から市街地まで幅広くカバーできる事で評価されてるフルスペック125のFORZA125をそのまま250にスライドした形で相変わらず装備も豪華。

・電動スクリーン

・フルLED灯火

・ABS&トラコン

・スマートキー

・グリップヒーター

などなど最新の大型ツアラーかと思うような装備の数々。遂にトラコンがビッグスクーターにも採用されるとは。

MF13メーター周り

メーター周りも凄くお金がかかっています。

更に中身の方もフルスペック化に合わせて大きく変わりました。

新設計となったフレームは実質的な先代にあたるSiと比較すると分かるのですが、アンダーボーン部を太くして剛性を上げてキビキビ系にしている意図が見て取れます。

MF13フレーム

一見すると重くなってるように感じるのですが、こう見えて20%の減量に成功。

エンジンの方も冷却周りを大きく変えてコンパクト化し、合わせて静寂性も向上させたもの。

MF13エンジン

オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどは先代から引き続き採用。

簡単に言うとPCX等に積まれているeSPエンジンの250cc版ですね。ただSiから馬力が1ps上がっています。

纏めるとMF13型は先代から大幅なダイエット(8kg減)をしている事やハンドル位置が少し下げられた事からも分かる通りスポーツ性に舵を切ったモデルとなりました。

欧州向けMF13

少し小言を言わせてもらうとフォルツァといえば2000年代半ばに起こったビッグスクーターブームの代表格で一時期は年間2万台以上も売れた車種です。

それに対しこのMF13型は初年度で約2400台と1/10程度・・・しかしブームが去ったジャンルでこの台数はかなり多い。

これはストリートカスタムという本来とは違う方向でブームによりボヤけてしまっていたコンセプトが落ち着いた事で鮮明に見えるようになったからではないかと。

フォルツァMF13

もともと90年代末に誕生したビッグスクーターの本来のコンセプトは

『スポーツサルーンのバイク版』

で、そしてそれが受け入れられたからヒットした。

つまりブームが去ったいまMF13が売れているのはその本来あるべきコンセプトに習ったビッグスクーターだから。

フォルツァ

「良識ある大人の為のスポーツサルーン」

という本来の立ち位置を20年の歳月の後にやっと手に入れたフォルツァのMF13型。

決して安くないコレを欲しいと思ってる人、そして実際に買って乗ってる人こそ本来のビッグスクーター層なんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2140/750/1355mm
シート高 780mm
車軸距離 1510mm
車体重量 184kg(装)
燃料消費率 33.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 11L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 24ps/7500rpm
最高トルク 2.4kg-m/6250rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前120/70-15(56P)
後140/70-14(62P)
バッテリー FTZ10S
または
YTZ10
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.2L
フィルター交換時1.4L
スプロケ
Vベルト
車体価格 599,000円(税別)
系譜図
スペイシー250フリーウェイ1984年
SPACY250FREEWAY
(MF01/03)
フュージョン1986年
Fusion
(MF02)
フォーサイト1997年
FORESIGHT
(MF04)
初代2000年
FORZA/S
(MF06)
二代目2004年
FORZA/Z
(MF08)
三代目2007年
FORZA X/Z
(MF10)
フェイズ2009年
FAZE/S
(MF11)
タイ2013年
FORZA Si
(MF12)
MF132018年
FORZA
(MF13)

FORZA Si(MF12) -since 2013-

FORZA Si

「JUST FIT! DYNAMIC ALMIGHTY COMMUTER」

タイで新たに作られたフォルツァ。日本においては三代目と併売しているので四代目と言っていいのか微妙なラインなんだけど。多分そのうちZも無くなってSi一本になるんだろうね。

タイで作られている事から分かる通りこのフォルツァは三代目と違ってグローバルモデル。海外ではFORZA300またはNSS300FORZAとして売られています。

フォルツァ300

海外モデルはキャリパーが赤塗装されてないのが特徴。欧米人からしたらこれがコマジェ(MAJESTY125)くらいになるんだろうね。

エンジンのベースは欧州でヒットを飛ばしているSHシリーズの長男SH300iのものを使ってる。

SH300

フレームも別だし基本的にそれまでのフォルツァとは名前以外に繋がりがない。

ただちゃんと住み分けされてて、このフォルツァSiはSマチック(擬似MT)とかキーレスとかの+α的な快適装備をほぼ全て無くして車体価格を抑えている。更に省いたおかげでZより10kg軽い。

Si

プレミアムのZ、コスパのSiといった所でしょうか。実際Zより15万円以上安いっていう。Xより安くFAZE並にコンパクトだから両車が無なるのも無理もない話ですね。

実際このSiモデルですが日本では好評なようで、販売台数もビッグスクーターブームが去った現代においても唯一辛うじてランクインしているビッグスクーター。といってもビッグスクーターブーム時の1/10以下だけどね。

FORZA Si

言い忘れてましたがSiとはSports Internationalの頭文字から取ったそうです。

そうそう系譜とは関係ないですがFORZAといえば125も欧州で出ましたね。

フォルツァ125

PCXと同じESPエンジンを搭載しフロント15インチ。ウィンカーまでフルLEDのゴージャス仕様で他の125スクーターとは一線を画する125。

でもその分、値段もPCXの二倍近い60万円弱・・・。

主要諸元
全長/幅/高 2165/755/1185mm
シート高 715mm
車軸距離 1545mm
車体重量 192kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 23ps/7500rpm
最高トルク 2.3kg-m/6000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前120/70-14(55P)
後140/70-13(61P)
バッテリー FTZ12S
または
YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.2L
フィルター交換時1.4L
スプロケ
Vベルト 23100-K04-931
車体価格 514,000円(税別)
※ABSは+3kg&47,000円
系譜図
スペイシー250フリーウェイ1984年
SPACY250FREEWAY
(MF01/03)
フュージョン1986年
Fusion
(MF02)
フォーサイト1997年
FORESIGHT
(MF04)
初代2000年
FORZA/S
(MF06)
二代目2004年
FORZA/Z
(MF08)
三代目2007年
FORZA X/Z
(MF10)
フェイズ2009年
FAZE/S
(MF11)
タイ2013年
FORZA Si
(MF12)
MF132018年
FORZA
(MF13)

FAZE/S(MF11) -since 2009-

FAZE

「My Personal Comfortable Mover」

コンパクトでフォルツァより安価というフォルツァとは少し違うタイプのビッグスクーターとして登場したFAZE。

基本はフォルツァですがコンパクトなフレームに搭載した軽量スポーツビッグスクーター。

フェイズ&フォルツァ

後半のシートフレームを絞ることでコンパクト化してるわけですね。

クラス最軽量の180kgということで当然ながらフォルツァよりキビキビ走る。

フェイズはコンパクトな250ccスクーターを求める層に対する商品だったと思うのですが、デザインのせいか値段のせいかサイズのせいか分かりませんがあまりウケが良くなかったようで販売台数も伸びず、生産終了予定との事。

フェイズ

半年後にはフォルツァZに積まれているSマチックEvoを搭載したSモデルも発売となりました。

さて、ちょっと書くことも無いのでまたまた少し話がソレますが、ここでビッグスクーターのジレンマについて少し。

意外に思う方が居るかもしれませんがビッグスクーターというのは一般的なオートバイに比べスペースが非常に限られています。スペースとの戦いが全てと言っていいほどなレベル。
何故ならばビッグスクーターの場合は普通のオートバイと違い「シート下の収納スペース」が必須だからです。

ここでもう一度スクーターの構造を見てみましょう。エンジンは基本的に駆動まで一体となったスイングユニット式が一般的です。

ESPエンジン

これはフォルツァもマジェスティもスカイウェイブも一緒です。

違うのはTMAXとかインテグラとかの大型ビッグスクーターくらい。シルバーウィング400もちょっと違いますね。でもスクーターと言えば基本はこの形。何度も言いますが何故ならメットインスペースを稼げるからです。

ではフォルツァを例に取ってどういう感じになっているか説明すると。

ビッグスクーター

こういう感じです。(我ながらやっつけだなー)

わかりますかね。足元には燃料タンク、シート下はメットインスペース、そして間に駆動系とあるわけです。

さてさて、ではここで

「メットインのスペースをもっと大容量にしよう!」

と思ったらどうしましょう?

もうシートを更に高くするしか無いですよね。

ハイシート

でもそうするとただでさえ悪い足付きが更に悪くなります。こんなの足届きません。幅もあるぶんオフ車も顔真っ青な高さ。

じゃあ逆に

「足付きを良くしよう!」

と思ったら?

フォルツァMF11

シートを低くするしかないですね。

ただそうするとメットインスペースが無くなってしまう。フュージョンやマグザムのメットインスペースが少ないのもこのせい。

他にも例えばタイヤは安定性を増すためにも本当はもっと大きいのを履かせたいとメーカーは思ってるはずです。みなさんもビッグスクーターって車格の割にはタイヤが小さいと思いませんか。

FAZEタイヤ

でもこのレイアウトで大径タイヤ履かせたら小径ホイールで何とかしていた(メットインスペースを稼ぐための)足つきの悪さが顕著に現れてしまう。更にはリアタイヤに至ってはメットインスペースを圧迫してしまう。

基本的にメットインスペースと足つき性を確保したまま大径タイヤをつけようとした場合、方法は一つしか有りません。

ロンスイ

街中でたまに見かけたりしますよね。ロンスイというかロンホイというか。あれも実は非常に理に適った方法だったり・・・いや理に適ってるっていうのはちょっと違うか。保安基準で言えばアウトだろうし。フェンダー付けて申請すればOKなのかもしれないけど。

フェイズS

まあとにかく何が言いたいかというと、ビッグスクーターというのはメットインスペースに笑い、メットインスペースに泣いているんです。

因果なものですねえ。

主要諸元
全長/幅/高 2180/750/1150mm
シート高 755mm
車軸距離 1540mm
車体重量 180kg(装)
[185kg(装)]
燃料消費率 41.0km/L
[43.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 23ps/7500rpm
最高トルク 2.3kg-m/6000rpm
変速機 Vマチック
[MTモード付きVマチック]
タイヤサイズ 前110/90-13(55P)
後140/70-13(61P)
バッテリー FTZ12S
または
YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ
Vベルト 23100-KVZ-631
車体価格 550,000円(税別)
[605,000円(税別)]
※[]内はType-S
※ABSは+3kg&50,000円
系譜図
スペイシー250フリーウェイ1984年
SPACY250FREEWAY
(MF01/03)
フュージョン1986年
Fusion
(MF02)
フォーサイト1997年
FORESIGHT
(MF04)
初代2000年
FORZA/S
(MF06)
二代目2004年
FORZA/Z
(MF08)
三代目2007年
FORZA X/Z
(MF10)
フェイズ2009年
FAZE/S
(MF11)
タイ2013年
FORZA Si
(MF12)
MF132018年
FORZA
(MF13)
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