FZ8&FAZER8(39P/59P&42P/1BD) -since 2011-

FZ8

開発コンセプト「Best active middle sports」
ベースはFZ1だから本来ならFZ1の方に載せるべきなんだろうけど、FZ6の後釜的な立ち位置なのでコッチに載せようかと。

エンジン・フレーム共にFZ1ベースなんだけどコッチはFZ1にはない他社とは違いリニア制御ABSという優秀な無段階ABSモデルもラインナップ。

FZ1より設計が新しいから当たり前というか比べるのは酷な話だけど、FZ1でネガだった部分も見直されたりして共通部品が多い中にも、地味に部品がFZ8専用になって改善されてたりする。(あくまでもFZ1の弟分で値段も抑えてるから少しコストカットは見受けられるけどね)

ハーフカウルの付いたモデルは名前が今までとちょっと変わってFAZER8になった。

FAZER8

実はこのハーフカウルの付いたFAZER8って北米では売ってないんですね。無印のネイキッドは売ってます。その代わりFZ1が無くてFZ1FAZERが売ってる。何とも不思議なラインナップ・・・

在り来りだけど総括としてはXJ6とFZ1の間でちょっとFZ1寄りなただのスケールダウンじゃないFAZERという感じかな?でも日本にはあんまり入ってきてないんですよね。

ご存知の方も多いと思いますが、今のFZ1とR1のエンジンは別物です。いやもうエンジンだけに留まらずFZSの頃から比べると共通点は少ないです。
アレだけ売りにしていた5バルブも今じゃFZ1とTDM900だけで、FZ1ベースのFZ8ですら4バルブ。これがどういう事を言うのかというと・・・

FZ1

「もしかしてFZ1ってフェード・アウトしちゃうんじゃないの?」

とちょっと思ってしまうわけです。

2016年から125cc以上のバイクのABS義務化が始まります。XJ6やFZ8はそれに先立ってABSを搭載してきたわけですけどFZ1は一向に装着しないんですよね。

しかも欧州では車体価格や保険料の関係からFZ1よりFZ8の方が売れてる。もしかしたらFZ8がFZシリーズのトップモデルになる日は遠くないかも知れないですね。

WPG50周年記念モデル

というかWGP50thモデルがFZ1じゃなくFZ8だった時点でそういうことですよね。

※2016年追伸

FZ1/FZ1FAZERは欧州では義務化に合わせABSを装着したモデルがありましたが、相変わらず日本では未発売。

そしてFZ8が次のヤマハネイキッドの主役と予想しましたが、結果は御存知の通りMTがヤマハの新しいネイキッドシリーズに。誤記に加え全く予想が当たってなくてお恥ずかしい限りです。

ヤマハも放置しているFZシリーズ今後どうなるんでしょうね・・・

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1065mm
[2140/770/1225mm]
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 211kg(装)
[215kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 779cc
最高出力 106ps/10000rpm
最高トルク 8.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-50まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ525|リンク122
車体価格 860,000円(税別)
[910,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER8
※ABSモデル(59P/1BD)は+5kg&50,000円
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

【関連車種】
CB650F/CBR650Fの系譜GSX-S750の系譜Ninja650/Z650の系譜空冷MONSTERの系譜

FZ6-N/R(1B3/5VX) -since 2004-

FZ6N

開発コンセプト「Next Generation Fazer」

日本でフェーザーと言えばFZ1だけど、メインの欧州でフェーザーと言えば600。年号を辿ると分かるけどFZ6の派生がFZ1という立ち位置になる。

向こうは125cc以上の排気量制限が無いから日本で例えるなら欧州のCB400SFといった所かな。

特筆すべきはヤマハの十八番であるCFアルミダイキャスト技術で作られたフレームだろう。R1やR6のスイングアームなどに使われている製法で、簡単に言うと大きい物も鋳造で作る事が出来る技術。

R1やR6などのフラッグシップモデルでさえスイングアーム止まりな製法なんだけど、FZ6はなんとメインフレームをアルミダイキャストで作ってる。

CFアルミ ダイキャストフレーム

溶接跡の無い綺麗なダイヤモンドフレームが実に美しい。
このメインフレームをアルミダイキャストで作っているバイクは当時としてはこのFZ6とTMAXだけ。ちなみにTMAXも欧州では既に五万台以上売れてる超売れ筋モデル。

主要諸元
全長/幅/高 2095/755/1085mm
[2095/750/1215mm]
シート高 795mm
車軸距離 1440mm
車体重量 200kg(装)
[207kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 19.4L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 600cc
最高出力 98ps/12000rpm
最高トルク 6.44kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-40まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.5L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|リア46
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格 800,000円(税別)
[830,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はFAZER(5VX)
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZS600FAZER(5DM/5RT) -since 1998-

FZS600FAZER

日本に限って言えばFZ400の方がピンとくる人が多いと思うFZS600FAZER(欧州名FZ-S600 FAZER)はFZ400の逆車的な存在の元祖FAZER
フェーザーの元祖は85年のFZ250フェーザーでは・・・と思うかもしれないけどアッチは「PHAZER」なんです。

エンジンは先代の物を引き継いだ物で、欧州ではこの位のミドルバイクが今も昔も非常に人気があった。

XJ900

日本ではあまり馴染みのない空冷のXJ600DまたはXJ900(ディバージョンモデル)が80年台後半からロングセラーの大ヒットを続けてて、その後釜を引き継ぐ意図もありました。

というのもFZS600果てはFZ6はヨーロッパヤマハの発案なんですよ。とはいってもこっちはよりスポーツ寄りで95馬力と性能は相当なモノ。

FZ-S600

2000年(5RT)にマイナーチェンジが入り現代的なフェーザー顔に。

残念ながらボディもエンジンも同じ国内向けのFZ400は続きませんでした。

何故欧州だけなのかといえばFZS600は欧州を中心に三年ほどで累計8.3万台も売れた大ヒット車だからです。

主要諸元
全長/幅/高 2080/710/1180mm
[2080/710/1170mm]
シート高 790mm
車軸距離 1415mm
車体重量 210kg(装)
[214kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 18.0L
[22.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/10000rpm
最高トルク 6.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70ZR17(54W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E/CR8E/CR9E
または
U22ESR-N/U24ESR-N/U27ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ
SAE 10W-30から20W-50まで
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前15|リア48
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
※[]内は後期モデル(5RT)
系譜図
FZS6001998年
FZS600 FAZER
(5DM/5RT)
FZ62004年
FZ6-N/R
(1B3/5VX)
FZ6S22006年
FZ6-N S2
(13B/5S5)
FZ6FAZER S2
(5S2/4S8)
XJ6/FZ6R2009年
XJ6N/D/F
(20S/36B/36C/36D/1CW/1DG)
FZ8/FAZER82011年
FZ8
(39P/59P)
FAZER8
(42P/1BD)

FZ1&FAZER(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)-since 2008-

国内仕様FZ1

「1:1(ワン・バイ・ワン)」

実は2006年にフルモデルチェンジして2007年に逆車取扱終了となってしまったFZ1とFAZER。つまり一年しか正規逆輸入車が入ってきていない。

流石にデビューしたてのホヤホヤ新設計なもんだから国内仕様が出ることは大方の予想がついてた。しかも自主馬力規制が撤廃された年だから何馬力になるのかという期待もあった。
でも蓋を開けてみたら何とビックリ自主規制の100馬力どころか94馬力しかない。

FZ1F

これについてヤマハの弁解を個人的に解釈すると
欧州ではアクセルを捻った以上の加速する感覚が好まれる。でも日本ではそういう環境がなく低速がメイン。
そういう環境だとデメリットが多いから低速での扱いやすさを優先した。捻ったら捻った分だけリニアに加速する順応なレスポンス。

それが「1:1(ワン・バイ・ワン)」

テンプレートの様な謳い文句に正直ただ規制で骨抜きにしただけなんじゃないかと思ってた。
でも翌年に国内仕様のR1が145馬力という初代R1なみの馬力で規制をクリアし登場したことを考えると、言い訳ではなく本当に馬力よりも乗り易さを優先・・・したんだろうけど、突っ込みどころがある。

YSP限定カラー

まず第一の突っ込み所としてサスペンションがタダでさえ硬すぎると評判である逆車セッティングのままだということ。
アウトバーンも余裕で走れると謳っている強靭な足だが日本にそんな道は無いし、むしろ飛び跳ねまくって乗り易さもクソも無い話。
国内の公道向けなら少しくらい柔らかくセッティングして出してくれてもバチは当たらないでしょうに・・・(勿論自分で調整は出来る。)
フレームも150馬力に耐えられる高剛性だから尚の事。オマケに元はエクストリームバイクなのでシートも結構固め。

FZ1エンジン

そして二点目は単純に上が無いエンジン特性。
これは国内仕様全般でFZ1に限った話じゃないんだけど、本当に高回転域が回るだけで加速しない。ある意味で不思議な感覚。

FZ1のエンジンは前も言ったけど、SSの中でも最もショートストロークで高回転が美味しいR1のエンジンなんだから高回転が無くなったら元も子もない。

でも幸いな事にFZ1は一昔前の国内仕様の様に配線や吸気口などをチョチョイとするだけで簡単にセミフルパワー位にはなるみたい。(細部が違うのでフルパワーの150馬力まではいかない)
150馬力の逆車は正規で扱ってないのでレッドバロンや並列輸入取扱店などでしか買えない。

国内仕様は逆車より安く、一昔前みたいに国内と逆車どっちも味わえるというメリットがあるし、逆車より乗り易くもあるから悩ましい選択ですね。

主要諸元
全長/幅/高2140/770/1060mm [2140/770/1205mm]
シート高815mm
車軸距離1460mm
車体重量219kg(装) [225kg(装) ]
燃料消費率21.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量18.0L
エンジン水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量998cc
最高出力94ps/9500rpm
{94ps/9000rpm}
最高トルク8.2kg-m/7500rpm
変速機常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリーYTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
{CR9E}
推奨オイルヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ前17|リア45
チェーンサイズ530|リンク122
車体価格997,500円(税別)
[1,050,000円(税別)]
※価格は08モデル
※[]内はFZ1FAZER
※{}内は2012年以降モデル(1EC/2DV)
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

【関連車種】
VTR1000の系譜GSX-S1000/Fの系譜Z1000/Ninja1000の系譜

FZ1FAZER(3C3) -since 2006-

FZ1FAZER

R1のエンジンを使っているということはR1と運命共同体なわけで、R1がモデルチェンジする度にFZS1000もモデルチェンジの噂が絶えなかったけど、R1が五代目に差し掛かろうとする頃になってモデルチェンジ。

開発コンセプトは「MONOLITE」~様々なパーツを組み合わせて一つの塊にするという造語~

先代は2001年のR1の5JJベースだったのに対し、2004年の四代目R1の5VYというクラス1のショートストロークエンジンを搭載。それを待望のアルミ製ダイヤモンドフレームに積んで、倒立サスやR1と同じ軽量5本スポークホイールを採用。

そしてR1が5バルブを諦めたのに対し現役で5バルブ。ヤマハはどんだけ5バルブにこだわるんだ・・・

FZ1北米仕様

FZ1&FAZERのデザインコンセプト「獰猛なR1」で、デザインにおいて一番気をつけた事は「隙間を作らない事」
インジェクションやタンク下、ラジエーター裏などに向こう側が見えるような隙間があると貧弱に見えてしまう。(90年前後の古いキャブ車や小型車が正にそう)

だから隙間を作らないためにダイヤモンドフレームはタンクを鷲掴みしたような形でFI周りを隠し、タンク形状も前方が盛り上がった特殊な形でヘッド周りを隠し、ラジエーターサイドカバーも干渉しないギリギリを沿った形の物にしてラジエーター周りを隠した。

FZ1コンセプト

デビュー当時ちょっと話題になった独特なヘキサゴンマフラーはマスの集中化とバンク角を取るために考えだされた画期的なマフラー形状だとヤマハは自慢してる。けど、その割にはFZ1以外に採用されていないような・・・

そんなこだわりの中でも一番アッパレなのはエキゾーストパイプ。

エキパイ

一番と四番のエキゾーストパイプが先代と比べ大きく湾曲している。これも上記と同じく凝縮感、肉厚感、骨太感を出すために行った演出。
コストが嵩むだろうに細部の細かい造形まで手を抜かず、全体を綺麗に纏める辺りはさすがデザインのヤマハと言われる所為だね。整備泣かせとも言えるけど。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1205mm
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 199kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク122
車体価格 1,050,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

FZS1000FAZER(5LV/1C2) -since 2001-

FZS1000

史上最強の『普通のバイク』・・・なんて的を得たキャッチコピーなんだろう。

98年にR1で世界でセンセーショナルを巻き起こしたのは有名で、数年は各社R1を追い掛けてた。そんな中でヤマハが何してたかというとこの隠し球を作ってた。
R1で一気にトレンドとなったツリ目二眼のハーフカウルを付けたネイキッドFZS1000FAZER(北米ではこの頃からFZ1で売ってた。)

FZS1000S

よくフェザー、フェザーと言われるけど正しい読みは「フェザー」じゃなくて「フェーザー」もしくは「フェイザー」
まあでもFAZERって単語はヤマハの造語で、ヤマハ自身はフェザーでもフェーザーでもどっちでも構わないみたい。(と思ってましたがやっぱりフェーザーが正しいようです。)

FZS1000カタログ写真

当時のネイキッドはスペック命な欧州人にとってニッチな部門で、ハイスペックなバーハンバイク欲しくても無かったから、SSのカウルを剥いでバーハンにするのが流行りだしてた。それに目付けた欧州ヤマハからの要請が始まり。
エンジン以外にもR1の物と思わせる使い回しが見て取れる点から、R1のコストを分散させたかった意図が汲み取れますね。

しかしこれは言い換えるとローコストハイパフォーマンス。

この読みが当たりイギリスを中心に欧州で年間10000台を売り上げる大ヒット。各社がR1に対抗出来るSSを躍起になって作ってる中でこの成功だからヤマハは笑いが止まらなかっただろうなあ。

FZS1000FAZER

もちろん低速寄りにデチューンしてる。それでもネイキッドで143馬力は圧巻の一言。ただちょっと納得行かないのはオーソドックスな鉄のダブルクレードルフレーム。

コストカットで正立にするのもスイングアームを棒状の物にするのも分かるけど、モノサスなのにダブルクレードルフレームって重くなるし、レイアウトがモロに初代バンディットのGSF1200と被ってる。ただコッチは纏まって見える不思議。

主要諸元
全長/幅/高 2125/765/1190mm
シート高 820mm
車軸距離 1450mm
車体重量 231kg(装)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 143ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後180/55ZR17
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|リア44
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 980,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

TL1000R(VT52A)-since 1998-

TL1000R

「Super V-Twin, Unleashed」

TL1000といえばコッチを思い浮かべる人が多いと思うTL1000R。

これは先に述べた通りレースに出場するために生み出されたスーパースポーツバージョン。

レース仕様

Sと違ってレース前提だから更に剛性を上げたツインスパーフレームにデュアルインジェクション、更に足回りを硬めに調整。

正にホモロゲという感じだけど、TL1000Sから一年の猶予があった事でSと比べるとこう見えて(Sよりは)乗りやすい。

だから一般用途でTL買うならストリート向けのSよりレース向けのRと言われる面白い逆転現象に。

ただこれまた残念なことに肝心のレースがどうだったかというと・・・散々な結果に終わってしまいました。

スズキTL1000R

原因は何と言っても「ロータリーダンパー」です。

日進月歩で改良は進んでいたんですが、結局FIの熟成が進んだとしてGSX-R750に取って代わられ2003年モデルをもってSと一緒に生産終了となりました。

TL1000R レース仕様

TL1000S/Rは本当に独創的でネタに事欠かないバイク。

それはいま話したロータリーダンパーも勿論そうだしセミカムギアトレインやオフセットシリンダーヘッドといった速さとコンパクトさを求めたどり着いた独創的なVツインエンジンなどもそう。

「とにかく馬力を出せばいいと思った。他所のVツインは一切見なかった。」

と開発陣も言っている通り、とにかく意欲に満ちたというか、意欲に満ちすぎているバイク。

TL1000Rカタログ写真

ただこれには実は初代GSX-R750などにも携わった田所さんが開発責任者だった大きく関わっています。

TL1000の当時インタビューで田所さんはこう言っていました。

田所秀敏

”TL1000の開発で幸運だったのは若手のトライアンドエラーに茶々を入れる年寄りが居なかった事。何故なら一番の年寄りがそれを許さない私だったからです。

バイク作りにおいて会社に入って何年目かなんて関係ない。大切なのはキャリアなどではなく他にない新しい物を作ろうという熱意です。

そういう熱意が込められたバイクこそが歴史に名を残すんです。”

TL1000SとR

お世辞にも成功したとは言えないにも関わらず20年以上が経った今もTL1000S/Rに魅了される人が耐えないのは、その熱意が余すことなく詰め込まれているからなんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2100/740/1120mm
シート高 825mm
車軸距離 1395mm
車体重量 192kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 996cc
最高出力 135ps/9500rpm
最高トルク 10.5kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ530|リンク104
車体価格 1,199,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

GSX-R600(L1~)-since 2011-

2011年式GSX-R600

2011年に登場したL1は汗水涙を流して作り上げたバイクだと関係者が言っていた。
話を聞くとハーネス線の長さを1ミリ単位で削るまでもの軽量化を実施したとの事。

よっぽど自信があるのか事細かに詳細が書いてある。

GSX-R600透視図

新設計のフレームで1,350g
スイングアームで900g
フロントブレーキbrembo化で405g、
リアブレーキの小型化で262g、
フットペダルで53g
アクスルシャフトの小径化で46g、
ピストン四本で78g、
エキゾーストパイプとチャンバーで900g、
マフラーで800g

計4794gの軽量化・・・などなど。

2012GSX-R600

一つだけ残念な事があるとするなら、GSXシリーズはSSの定番カスタムであるシングルシートカウルがタンデムシートの形状がアレだったせいか最初から付いているという大盤振る舞いだったのだが、タンデムシートのデザインがマトモになったこのモデルから他社同様にOP扱いになってしまった。

良かったのか悪かったのか・・・

主要諸元
全長/幅/高 2030/710/1385mm
シート高 810mm
車軸距離 1385mm
車体重量 163kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 126ps/13500rpm
最高トルク 6.8kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,200,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)

【関連車種】
CBR600RRの系譜YZF-R6の系譜GSX-R750の系譜ZX-6Rの系譜DAYTONA675の系譜

GSX-R600(K8/K9/L0)-since 2008-

2008年式GSX-R600

一気に様変わりしハンサム化したK8
性能として一番のアピールポイントは出力特性を選べるS-DMS(Suzuki Drive Mode Selector)だろう。

その他にいたっては微調整でお茶を濁してる感がある。最新技術を惜しみなく投入し続け、トップをひた走っていたGSXだからもうやることが無いのだろう・・・

2009GSX-R600

個人的にこのモデルはR600の中でも印象が強い。というのも顔つきが従来の菱形ライトで頬からエアを吸うレイアウトを辞め、角の生えたような刺々しい三眼デザインで顎から吸気する形になったから。

K8フェイス

サイドから見るとハンサムな印象を受けるものの正面から見るとヒールさがかなり増している。
でも旧来からのGSXオーナーにとっては唯我独尊が売りであるスズキが他社に感化された感じがして不評な声も少なからずあった。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1125mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 165kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 121ps/12400rpm
最高トルク 6.9kg-m/11200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,160,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)

GSX-R600(K6/K7)-since 2006-

2006年式GSX-R600

初めてのフルモデルチェンジを行ったR600。シリーズ一との呼び声も高いモデル。というのもこのモデルで750と600の立場が逆転したから。

それまでは750のスケールダウンエンジンで戦ってきたけど、フルモデルチェンジに伴い600に適正化。SSとしては主流の三角形三軸レイアウトでエンジンがコンパクトになり、車体も一回り小型になった。

GSX-R600カウルレス

R750(R1000もそうだが)に最適化されたエンジンを使って第一線で戦うだけでなく勝っていたとは改めてスズキのSSの技術力には感服せざるを得ない。

ただデザインは別。

サイドカウルの造形といいマフラーのデザインといい纏まっていて非常にカッコいい。今でも人気が高いもの納得な話。

・・・ただタンデムシートがそれを全て壊す。

GSX-R600

取ってつけた座布団のようなシート・・・シングルシートカウルが付いているのがせめてもの救いか。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1125mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 161kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 126ps/12000rpm
最高トルク 6.9kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,060,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)