メグロ ジュニアシリーズ -since 1950-

メグロジュニアS3

日本車初となる250ccのオートバイだったのがメグロのジュニアシリーズ。

リジッドのJから始まり、J2、S1~8/SGと続いた目黒製作所にとって500に次ぐ成功を収めたモデル。今でこそ250と言えばエントリークラスや小排気量クラスと言われるけど当時は250でも十分に大排気量のビッグバイクでした。ちなみに上の写真はジュニアシリーズの中でも人気が高かった1956年からのS3モデル。三年間で販売台数3万台を記録するベストセラーモデルでした。

kawasaki

そんな目黒製作所だったのですが、ホンダやヤマハやスズキなどの新興メーカーの快進撃により経営が傾き、ビッグバイクのノウハウを欲しがっていたカワサキに買収され傘下となったわけです。

しかしカワサキもこの250シリーズは大事に思っていたようで、最後にメグロと名前を付けられたバイクもこの250SGでした。見て分かる通りエストレヤのデザインベースですね。

更に少しメグロジュニアの話をすると、ジュニアSシリーズの中でも特にSGTと呼ばれるモデルはクラシカル路線だったメグロらしからぬスポーツルックモデルでした。

メグロ250SGT

どうしてそれまでのクラシックスタイルを捨て、スポーツモデルにしたというとコレもホンダを始めとした後発メーカーがスポーツモデルを打ち出しヒットしていたからです。

カワサキもメグロもあの手この手で色々やったんだけど結局人気が回復することはなく、カワサキに完全に吸収される形で名前も無くなりました。

まあライバルに比べ価格が高かったってのも大きかったかな。

主要諸元
全長/幅/高 2115/880/1035mm
シート高
車軸距離 1380mm
車体重量 182kg(乾)
燃料消費率 52.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量
エンジン 空冷4サイクルOHV単気筒
総排気量 248cc
最高出力 12.5ps/5400rpm
最高トルク 1.85kg-m/4000rpm
変速機 4段変速
タイヤサイズ 前3.00-18
後3.25-18
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
※スペックはジュニアS8
系譜図
BJ250B1950年
メグロ ジュニアシリーズ
BJ250B1992年
ESTRELLA
(BJ250B)
BJ250C1995年
ESTRELLA
CUSTOM/RS CUSTOM
(BJ250C/D/E/G/H)
BJ250F2002年
250TR
(BJ250F)
BJ250K2007年
250TR
(BJ250K)
BJ250J2007年
ESTRELLA
(BJ250J)
BJ250L2014年
ESTRELLA
(BJ250L)

MAJESTY250(4D9後期) -since 2012-

DT-1

現行の4D9後期

ものすごく釣り上がった眼は影を潜めブラックアウトされた比較的大人しめな二眼に戻った。
アジャスターレバーになったこと以外は機能的に目立った変更点はなく、その分うなぎ登りだった価格も据え置き。ビッグスクーターブームが去った事の影響かな?

先述の4D9前期からそうだけどマジェスティは他社のビッグスクーターに比べ非常に地味なメーターをしてる。

メーター周り

若くなりすぎた客層年齢を上げる目的だろう。元々がマジェスティは「大人のスポーツセダン」というコンセプトだったしね。

でもまあ、だとすると個人的に解せない部分がある。それはマフラー。

現行マジェスティ

もうなんか「自分で好きなのに換えてね」って言ってるような原付並みの貧弱さ。グラマラスなボディに対しマッチしてない・・・

ビッグスクーターが他のバイク乗りに嫌われる原因はATだからとかじゃなく、JMCA非認定マフラーを始めとする違法改造率の高さだと個人的には思う。

爆発的に人口が増えモラルハザードが起こってしまったのは仕方のない事なのかもしれない。
でもその問題に対しホンダもヤマハもスズキも販売優先で見て見ぬふりをしてきた感は否めない。(警察もそうけどね)
そんな違法マフラー問題を放棄してると言われても仕方ない作り。
少なくともビッグスクーターのパイオニアであるマジェスティがすることじゃないと思うんだけどなあ。コストの兼ね合いもあるんだろうけど、もうちょっと何とかならなかったものか。

と、まあ個人的見解はここまでにして。最後に数字で語るとマジェスティはもはや後から追ってきたフォルツァに販売台数で負けてしまっています。

ヤマハはビッグスクーターというジャンルを生み出したマジェスティをどうするでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2175/770/1185mm
シート高 700mm
車軸距離 1550mm
車体重量 188kg(装)
燃料消費率 37.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 19ps/6500rpm
最高トルク 2.2kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-13(55P)
後140/70-12(65L)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 4D9-17641-00
車体価格 669,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

【関連車種】
フォルツァの系譜スカイウェイブ250の系譜

MAJESTY250(4D9前期) -since 2007-

DT-1

フルモデルチェンジし四代目となったマジェスティ4D9の前期。

強化された排ガス規制に対応するためにFI化したんだけど、それだけじゃなくてメッキシリンダーやアルミ鍛造ピストンなどを採用した新設計エンジンを積んでる。

ところが実は馬力が先代から3馬力下がって19馬力。メーカーは「カタログスペックよりも街中キビキビを取った」とのこと。

更に電子制御トランスミッションのYCC-AT(Yamaha Chip Controlled-Automatic Transmission)を搭載。
これは要するに最近では珍しくなくなったモード切替スイッチで、ノーマルモードとエンブレが強くなる(若干引っ張るような)モードと、それに自動変速を加え加速を速くするモード。

プロジェクター式

外見もエアロデザインを進化させ、ライトがプロジェクター式になった。ツリ目って言っていいのかいいのか分からないくらいツリ目に。

どこかで見たことあると思ったらプロジェクターは同年代のYZF-R1(4C8)と同じものなんだね。そしてこの顔でもR1同様に賛否両論あった。

まあそれより何よりビッグスクーターブームが既に去リつつある中で、希望小売価格が70万2450円と高くなっちゃったもんだからどんどん販売台数は落ちていった。

主要諸元
全長/幅/高 2175/780/1185mm
シート高 700mm
車軸距離 1550mm
車体重量 188kg(装)
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 19ps/6500rpm
最高トルク 2.2kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-13(55P)
後140/70-12(65L)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 4D9-17641-00
車体価格 669,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

GRAND MAJESTY250(5VG) -since 2004-

グラマジェ

先に紹介した5SJと併売する形で登場したグランドマジェスティ250
ベースは欧州向けのMAJESTY400で250までスケールダウンした水冷DOHCエンジンをクラス初のアルミフレームに積んだ大人のマジェスティ。

既にマジェスティ(250)が居たんだけど、若者に人気が出過ぎて本来のターゲットであったハズの30歳オーバーのライダーが離れていっていた。
ホンダのフォルツァに流れていったと言った方が正しいか。

それに歯止めをかけるためにヤマハとしては異例の2モデルラインナップだったんだけど残念ながら歯止めは掛からなかった。
後に400cc版のグランドマジェスティ400も追加したんだけど思惑通りにはいかなかったみたい。

このグランドマジェスティ250は2007年の排ガス規制強化により終了しちゃったんだけど、同エンジンを積んだマグザムが今もなお存続中。

マグザム

ロー&ロングがコンセプトの言ってしまえば現代版フュージョン・・・フォルツァというマジェスティのパクリを出されたからやり返したんじゃないかと邪推してしまう。
ただこっちはグランドマジェスティやフュージョンと違いモロ若者向け。ヤマハはこういうの考えるの上手いな・・・

ヤマハの資料を読む限りグラマジェ250を三代目マジェスティとしている。若者向けをマグザムに託しマジェスティは30歳オーバー向けのビッグスクーターへと原点回帰させる思惑だったのかもしれない。

主要諸元
全長/幅/高 2230/780/1380mm
シート高 750mm
車軸距離 1565mm
車体重量 210kg(装)
燃料消費率 39.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 24ps/6500rpm
最高トルク 2.5kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前120/80-14(58S)
後150/70-12(64S)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.5L
フィルター交換時1.7L
スプロケ
Vベルト 5VG-17641-00
[1B7-17641-00※06以降]
車体価格 589,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

MAJESTY250/C/ABS(5SJ) -since 2002-

DT-1

マイナーチェンジと共にABSモデルとカスタムモデルのCが追加された5SJ型。
ご存知の通りこのモデルで1988年のCBR250R(MC17)以来となる年間販売台数二万台越えの大ヒットとなる。更にはマジェスティの対抗馬として登場したフォルツァまでもが二万台突破。

厳密に言うとこの中でもショートスクリーンやメッキバーハンドル等、ビッグスクーター定番のカスタムを施したC型が若者の間で沸々と沸き立っていたカスタムブームを一気に加熱させた。

どれだけこのブームが凄かったかというと、ピークの2005年には販売車種の実に50%をビッグスクーターが占めた。

YP250C

そもそも何故若者を中心としたビッグスクーターブームが起きたのか?
ちなみにビッグスクーターブームが起こる前はトラッカーブームで、発端は木村拓哉さん主演のドラマが事の発端。
じゃあビッグスクーターは何が発端かというと・・・諸説ある。

その一
楽チンで維持費も安い、言わば軽自動車の下位互換

その二
流行に敏感だったトリッカー乗りがビッグスクーターに乗り換えた(ビッグスクーターが売れだすとトリッカーが失速した)

その三
所ジョージさんの「世田谷ベース」という番組で当時マイナーだったビグスク(TMAX)のカスタムが企画&放送された事から

個人的には多分これら複合的要因が重なって最後は「みんな乗ってるから」になったと思うのですが、面白いのは欧州と日本のブームの違い。

というのも実は日本だけでなく欧州でも同年代にビッグスクーターブームは起きました。
ただ上記のようにアメリカンに近いカスタムが日本で流行ったのとは対照的に、欧州では初代マジェスティが国内でプチ成功を収めた40代前後の層への「快適・快速」によるもの。

MAXIスクーター

日本がショートスクリーンやメッキパーツやロンスイ等のカスタム系なのに対し、防風性の高いロングスクリーンやハンドルカバー&ヒーターやキャリアボックスなど完全な実用主義。(まあ向こうでも日本風なカスタムをする流行も少しあったみたいだけど)

文化の違いか環境の違いかは分かりませんが同じバイクでこうも対極的なのは考え深い物がありますね。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1350mm
シート高 700mm
車軸距離 1535mm
車体重量 166kg(装)
[178kg(装)]
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12(64L)
後130/70-12(62L)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 5CG-17641-00
車体価格 559,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はABSモデル
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

MAJESTY250(5GM) -since 1999-

5GM

記憶に新しい一大ビッグスクーターブームを引き起こした二代目の通称SG03

全てが新設計でスポーツ性が向上し、メットインスペースも量販車初となるフルフェイスタイプが二個収容可能な大容量に。

ビッグスクーターといえばガラパゴス的な印象を持つ人も居るかもしれないけどそれは大間違いで欧州でも大好評。

ちなみに日本では「ビッグスクーター」ですが欧州では「MAXI SCOOTER」や「MAXI ROLLER」と呼ばれています。

主要諸元
全長/幅/高 2140/780/1350mm
シート高 700mm
車軸距離 1535mm
車体重量 168kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12(64L)
後130/70-12(62L)
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 5CG-17641-00
車体価格 549,000円(税別)
[599,000円(税別)]
※[]内はABSモデル
系譜図
SG01J 1995年
マジェスティ
(4HC)
SG03J前期 2000年
マジェスティ
(5GM)
SG03J 2002年
マジェスティ/C/ABS
(5SJ)
SG15J 2004年
グランドマジェスティ
(5VG)
SG20J前期 2007年
マジェスティ
(4D9前期)
SG20J現行 2012年
マジェスティ
(4D9後期)
SG01J 1995年
マジェスティ
(4HC)
SG03J前期 2000年
マジェスティ
(5GM)
SG03J 2002年
マジェスティ/C/ABS
(5SJ)
SG15J 2004年
グランドマジェスティ
(5VG)
SG20J前期 2007年
マジェスティ
(4D9前期)
SG20J現行 2012年
マジェスティ
(4D9後期)

MAJESTY/SV/ABS(4HC)-since 1995-

初代マジェスティ250

マジェスティの初代モデルになる4HC型。

当時ビッグスクーターというカテゴリは存在せず、似たようなバイクといえば86年に出たユッタリマッタリがコンセプトのフュージョンくらいだった。

そんな中で出たマジェスティは高剛性フレームにハイパワーなエンジンという走りを意識したモデル。そしてそれを覆うエアロデザイン。

それまでのビッグスクーターのデカくて遅くて野暮ったいという概念を覆し、快適かつ快速なバイクとして国内軽二輪部門(~249cc)では売上第一位の年間一万台、世界累計では10万台という販売台数を記録。

4HCカタログ

ただ、このヒットを支えたのはヤマハの読み通り30歳オーバーのライダー達のセカンドバイク的な立ち位置で、後に訪れるビッグスクーターブームはまた別の話。

二年後には前後ディスクブレーキを採用したSV、さらにその一年後にはこのクラスとしては珍しくABS仕様のモデルが登場。

実は毎年のように細かいマイナーチェンジを繰り返していたんですよ。

主要諸元
全長/幅/高 2110/765/1330mm
シート高 700mm
車軸距離 1500mm
車体重量 147kg(乾)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/6500rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前110/90-12
後130/90-12
バッテリー GT7B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/ベーシック
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時1.2L
スプロケ
Vベルト 4HC-17641-00
車体価格 479,000円(税別)
系譜図
SG01J1995年
マジェスティ(4HC)
SG03J前期2000年
マジェスティ(5GM)
SG03J2002年
マジェスティ/C/ABS(5SJ)
SG15J2004年
グランドマジェスティ(5VG)
SG20J前期2007年
マジェスティ(4D9前期)
SG20J現行2012年
マジェスティ(4D9後期)

VTR(JBK-MC33後期) -since 2013-

2013VTR

「Urban Sport Style」

サスセッティングとマッピング見直しによる低域レスポンスの改善が行われたJBK-MC33の後期・・・いや後期って分かりやすくするために勝手に言ってるだけですけどね。

ブラックアウト化されたエンジンが特徴的なんですが、それよりも重要なのがハーフカウルを纏ったVTR-Fが追加というか復活したこと。

VTR-F

これが出た時ちょっと話題になりましたけど、初代のVT250Fが話題になることはありませんでしたね。

この系譜を辿ってもらうと分かるようにVTの始まりはこのメーターバイザーならぬビキニカウルが始まりなので、何も不思議ではない話。

VTRF

そしてこのモデルがVTシリーズのラストモデルとなったわけで・・・初代に通ずるモデルで最後を迎えたと思うとセンチメンタルな気分になりますね。

厳密に言うと2014年のラジアルタイヤ化がラストモデルとなるわけですが、ラジアルタイヤに変更した理由がこれまた面白い。

なんでラジアルタイヤにしたのかっていうと、スポーツ走行への対応はもちろんなんですが、低扁平化で足付きを更に良くするため。

ラジアルタイヤモデル

もう十分だろうと思うシート高から更に15mm下げられて740mmという低さになりました。

もちろんラジアル化によるグリップ力の上昇に合わせてブレーキやサスペンション、果てはギア比まで見直す細かい改良も加えられています。

VTR広告

ところでVTRっていうと

「バイク便御用達バイク」

っていうイメージを持っている人が多いと思います。そして何故かこれを悪いイメージと捉えてる人が多い。

バイク便

何故バイク便の人たちの多くがVTRを買うか考えた事があるでしょうか。

「取り回しが優れているから」

「振動が少ないVツインだから」

「燃費が良いから」

「頑丈だから」

色々あります・・・

VTRF

が、結局これらを纏めると一つなんです。

「最も贅沢な250ccだから」

という事です。

VTRのエンジン

ブームだったからこそ許された専用設計エンジンを積んでます。

VTRのフレーム

ブームとは無縁になったから許されたオーダーメイドスーツの様なトラスフレームを持っています。

大量に売れるからこそ許される心臓と、大量に売れないからこそ許される骨格。VTRはその両方を持っているんです。

これは長い歴史を持っているからこそ出来た芸当であり、造れたバイク。

Vツインエンジン

もう二度とこんな贅沢な250は出ないでしょうね。

※2017年をもって生産終了

主要諸元
全長/幅/高 2080/725/1055<1045>mm
[2080/725/1115mm]
シート高 760mm
{755<745>mm}
車軸距離 1405mm
車体重量 161kg (装)
[164kg (装)]
{160kg(装)}
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 30ps/10500rpm
最高トルク 2.2kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
{前110/70-17(54H)
後140/60-17(63H)}
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH9
または
U24FER9
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 540,000円(税別)
[560,000円(税別)]
{554,000円(税別)}
<564,000円(税別)>
※[]内はVTR-F
※{}内は14年7月以降モデル
※<>内はType LD(Low Down)
系譜図
VT250F1982年
VT250F
(MC08前期)
MC08後期1984年
VT250F/Z
(MC08後期)
MC151986年
VT250F/Z
(MC15)
MC201988年
VT250SPADA
(MC20)
MC251991年
XELVIS
(MC25)
BA-MC33前期1997年
VTR
(BA-MC33前期)
BA-MC33後期2002年
VTR
(BA-MC33後期)
JBK-MC33前期2009年
VTR
(JBK-MC33前期)
JBK-MC33後期2013年
VTR
(JBK-MC33後期)

VTR(JBK-MC33前期) -since 2009-

2009年式VTR

「The V-Twin Quarter」

厳しくなった排ガス規制に対応するためFI(電子制御燃料噴射装置)を装備したJBK-MC33前期。

ちょっと言いそびれていたので補足。

キャブ時代のBA、そしてFIとなったJBK、これは何処までの排ガス規制を通しているのかを表す国土交通省が設けてある型式の事。

BAだと2006年の排ガス規制までで、JBKなら2016年の排ガス規制までクリア出来ていますよって意味。

旧型と新型

ホンダの場合は認定型式がメジャーだからFI化されてもMC33のままで混乱するからワザと付けています。

ちなみにホンダの系譜だけ前期/後期という分け方が多いのもこれが理由。

型式については

『車名に続く記号について~認定型式と通称型式~|バイクのはてな』

をどうぞ。

話をVTRに戻しますが・・・”FI化”と簡単に言いましたが、これがまた簡単じゃない。

新型

まず高性能なECUを積まないといけない上に、消費電力も増すのでジェネレーターもレギュレーターもワンクラス上の物に。

そしてエンジンが今どういう状況か細かく監視しないといけないのでクランクセンサーも精密化。

そんなの知ったことではないって話ですが、実はこれらによって吹け上がりが段違いに良くなっていたりします。

新型クランクセンサー

もう一つは見て分かる通りフレームを含むシート周りを一から作り直したわけですが、コレがまた非常に良く考えれられている。

まずただでさえ良かった足つきが冗談かと思うほど更に良くなりました。

新型シート

ただ恐らくこう書くと

「背が低い人向けで窮屈そう」

と思うかも知れないけど、そうじゃないのがVTRのシートの凄いところ。

写真では分かりにくいのですが先代よりもシート後方が若干ワイドハイになってるんです。

新型シート

これ何のためかと言えば平均的なライダーのため。

”敢えて”後方を膨らませる事で普通の人が乗ると自然と最適なスポーツポジションを取ってしまう。

JBK-MC33

という何ともニクらしい改良となっているわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2080/725/1055mm
シート高 760mm
車軸距離 1405mm
車体重量 161kg (装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 30ps/10500rpm
最高トルク 2.2kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH9
または
U24FER9
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 530,000円(税別)
※スタイルIIは+10000円
系譜図
VT250F1982年
VT250F
(MC08前期)
MC08後期1984年
VT250F/Z
(MC08後期)
MC151986年
VT250F/Z
(MC15)
MC201988年
VT250SPADA
(MC20)
MC251991年
XELVIS
(MC25)
BA-MC33前期1997年
VTR
(BA-MC33前期)
BA-MC33後期2002年
VTR
(BA-MC33後期)
JBK-MC33前期2009年
VTR
(JBK-MC33前期)
JBK-MC33後期2013年
VTR
(JBK-MC33後期)

VTR(BA-MC33後期) -since 2000-

キャブVTR後期

「V-Twin Playtime!」

排ガス規制に伴い二次エアシステム(エアインジェクション)導入の他、ハンドルのメッキ加工やケースカバーなどをシルバー化した後期モデル。

スペック的なところでは車重が+1kgとなっただけ。

この後期モデルで最大の特徴となるのが

外装×フレーム×ホイール

の色を選べるカラーオーダープランを始めたこと。最初はカラーも豊富で組み合わせは全部で106通りもありました。

VTRカラーバリエーション

いくら何でも多すぎたのか二年後からは54パターンに減りましたがそれでも多い。

でも結局みんな選ぶのはオーソドックスなカラーパターンっていう・・・。

キャブVTRカタログ写真

ちなみにこの2002年モデルからはサスペンションとシート形状を見直したローダウンモデルも追加されています。

ちょっと小言。

VTRでよく言われているのが

「MONSTERとそっくり」

というやつ。

VTRとMONSTER

MONSTERが出たのが1993年、VTRが出たのが1997年です。

コレについて

「ミゲール(MONSTERのデザイナー)がホンダ時代に残したデザインを元に造った」

という説が広まっているんですが・・・実はこれ間違い。VTRのデザイナーである澤田さんがキッパリと否定しています。

VTRのコンセプトスケッチ

左が初期のコンセプトスケッチで右が最終スケッチ。もし本当にモンスターが元なら最初からトラスフレームにしますよね。

あと付け加えるなら同じトラスフレームと言っても、形はモンスターというよりVTR1000Fに近いんですけどね。

こう言われるようになったのはMONSTERが

『Vツイン×トラスフレーム×ネイキッド』

として初めて成功したというかDucati史上最大のヒットとなり、市場に強いインパクトを与えたからかと。

主要諸元
全長/幅/高 2040/720/1050mm
シート高 780mm
車軸距離 1410mm
車体重量 154kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 32ps/10500rpm
最高トルク 2.4kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH9(標準)/CR9EH9
または
U24FER9(標準)/U27FER9
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 439,000円(税別)
※カラーオーダーは+15000円
系譜図
VT250F1982年
VT250F
(MC08前期)
MC08後期1984年
VT250F/Z
(MC08後期)
MC151986年
VT250F/Z
(MC15)
MC201988年
VT250SPADA
(MC20)
MC251991年
XELVIS
(MC25)
BA-MC33前期1997年
VTR
(BA-MC33前期)
BA-MC33後期2002年
VTR
(BA-MC33後期)
JBK-MC33前期2009年
VTR
(JBK-MC33前期)
JBK-MC33後期2013年
VTR
(JBK-MC33後期)