RS125 (SF0/SF1) -since 1999-

SF型

目まぐるしく変わるRS125の中で最も長寿なSF型。

型式としてSF0とSF1と二種類あります。これには理由がありまして・・・

まずSF0(1999-2003)の方から。MP型の後継として登場したわけですが、大きな変更点は先代まで使われていたビッグキャブ(32mm)が28mmの小径に変えられ若干マイルドになりました。まあそれでもピーキーなのは相変わらずですが。

そして問題はSF1型(2003-2005)の方。

SFF

SF1型は2003年後半以降のモデルの事なんですが、何で分けられてるのかというと厳しくなった排ガス規制(EURO2)に対応するために、触媒入りチャンバー&エンジンヘッドの変更で馬力が28馬力にまで抑えられてるんです。それがSF1型です。

キャブを大径にしてCDIをゴニョゴニョすればパワーが上がるとか。まあ28馬力あれば十分な気もするけどね。

エンジン:水冷2サイクルピストンリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
34ps/11000rpm
最大トルク:
2.5kg-m/9000rpm
車両重量:115kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

RS125 (MP) -since 1995-

MP型

実質的に二代目となるRS125のMP型。

少しややこしい事に、見た目が新しくなったMPだけど二年後の1997年モデルからエンジンが新しいもの(ロータックス123からカセット式ミッションの122)へと変わりました。

スペック的には変わりがないんだけどあまりにもピーキー過ぎる特性が少しだけ緩和されています。いや少しですけどね。

さて少し余談をすると、この頃アプリリアはWGP(世界レース)の125と250で他を寄せ付けない圧倒的な速さを誇っていました。そんなアプリリアのWGP黄金時代で欠かせない人物と言えばレースを知らない人でも知ってるバレンティーノ・ロッシ選手。

ロッシ125

彼が初めて優勝したのは1995年でこのRS125レーサーによるもの。翌1996年には年間チャンピオンにまでなっています。

このあとWGP250そして500(現MotoGP)にステップアップしていったんだけど優勝を記念してロッシカラーのモデルが出たりしました。そんな歴史があるせいかアプリリアは「ロッシはアプリリアで育った」と自負してます。

坂田選手

ちなみにロッシだけでなく日本人ライダーでも坂田和人選手がいました。

彼もなんとWGP125においてRS125で二度の世界チャンピオンに。125でこの人の右に出る日本人は居ないんではなかろうか。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
34ps/11000rpm
最大トルク:
2.5kg-m/9000rpm
車両重量:115kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

RS125 (GS) -since 1991-

GS型

初代RS125のGS型。

といってもAF-1からフレーム、ROTAXエンジン、スイングアームといった基本的な構造は受け継いだモデル。ただスペックを見れば分かるけど125なのに34馬力というとんでもないパワーを持ってる。これは2stワークスレーサーに迫るほどのパワー。

市販車としては最高馬力になるんじゃないかな?

市販といえるのか微妙だけどね。だってこれは本当に公道の事なんて全く考えられてないホモロゲーションモデルみたいなものだから。

エクストリーマカタログ

その申し分ないポテンシャル故にRS125のこの基本設計は2st最終となるRM型まで変わる事なく使われました。

ただそんなRS125の中で最もピーキーなモデルはどれかと言われれば間違いなくこのGS型。カート用のエンジンがベースなだけの事はあります。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
34ps/11000rpm
最大トルク:
2.5kg-m/9000rpm
車両重量:115kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

AF-1 125 (AF-1) -since 1986-

AF-1 125

「PROJECT 108」

日本でアプリリアといえばRSV4よりも有名だろうRS125(RS4)の始まりとなるバイクがこのAF-1 125。

ROTAX社製のエンジンを積んだ123ccのスーパースポーツ。

イタリアで125ccというのは日本でいう原付一種と同じ扱いなこともありカジバやデルビなどと共に争いを繰り広げていました。更に言うなれば国際レース(WGP125)まであったのでレース大好きイタリア人にとっては日本でいう1000や600と同レベルのカテゴリ。

カジバやデルビなどと切磋琢磨してたんですがそんな中でオフ車メインだったアプリリアがオンロードにも販路を開こうとして作ったロードレーサーがAF-1。そしてそのAF-1のレプリカモデルがAF-1 125というわけ。少しややこしいですが。

AF-1カタログ

これが大反響で、これ以降125スーパースポーツの熱が一気に加熱する事になりました。

これは欧州での出来事ですが、日本メーカーも躍起になって参入してました。この波に乗り遅れまいとNSR125やTZR125などで打って出たわけですね。

ちなみにAF-1は毎年のようにモデルチェンジしていて、晩年はアルミフレーム片持ちスイングアームという非常に美しい造形となりました。

AF-1FUTURA

そのルックスから

「これは125ccのRC30(VFR750R)だ」

という評判を得るにまで至ったみたい。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:123cc
最高出力:
25ps/10000rpm
最大トルク:
1.8kg-m/8000rpm
車両重量:120kg(乾)

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

TORNADO3 零50 -since 2004-

トルネード3

Tornado3だけどトルネード四代目にあたるトルネード3 零-50。

これはヨシムラ創立50周年を記念して発売されたコンプリートマシン。

トルネード3諸元

2003年式GSX-R1000をベースに50年の集大成として持ちうる技術のすべてを注ぎ込んだキットフル装備モデルです。

下回り

限定5台800万円という歴代最高額と最小台数。まず見ることは無いと思います。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量
燃料消費率
燃料容量
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量
最高出力 後軸170ps以上
最高トルク
変速機
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後190/50ZR17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 8,000,000円(税別)
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

TORNADO S-1 -since 2001-

トルネードS1

トルネードの三代目にあたるS-1。

JSB参戦を機に2002年式GSX-R1000をベースにキットパーツが組み込まれています。

ST-1カムシャフト
削出SUSコッター
強化バルブスプリング
ヘッド面研/専用ガスケット
オリジナルオイルパンSET
EMS(3ポジションマップ切替スイッチ(FUEL+IGN)、オートシフター、シフトタイミングライト

トライオーバルチタンサイクロン(2年間転倒修理補償付!)

オリジナルカウル一式

オリジナルアルミタンク
レーシングフィラーキャップ

OHLINSサスペンション&ステアリングダンパー
削出しオリジナルステアリングステム
オリジナルリヤサスペンションリンクセット
オリジナルスイングアーム

フロントディスクインナーハブ
SUSフローティングピン
オリジナルブレーキパッド
オリジナル加工フロントキャリパー
ラジアルポンプブレーキマスター
Speed Flowブレーキホース

HIDヘッドライト

公道対応レーシングステップ

BBSアルミ削り出しホイール

AFAMスプロケット

シリアルナンバープレート
オーナーブック
スナップオン製専用工具
専用バイクカバー

限定50台でお値段は378万円。

やっぱり高いけどヨシムラのノウハウが詰まったレース車両が手に入ると考えれば安いか。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 170kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 988cc
最高出力 170ps/12000rpm
最高トルク 11.0kg-m/10000rpm
変速機
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 3,780,000円(税別)
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

隼 X1 -since 2000-

ハヤブサX1

全日本選手権Xフォーミュラクラスのシリーズクラスチャンピオンを記念して発売された隼X-1

Xフォーミュラクラスというのはリッターオーバー要するにメガスポによるプライベーター限定のレースです。今はもうありません。

アルミタンクを含むオリジナル外装、
Φ81ハイコンプピストン
ヨシムラ製ST-1カム
バルブ研磨&すり合わせ
EMS(三段階モード切替)
トライオーバルチタンサイクロンマフラー
バックステップ
チューニングサスペンション
灯火系統の変更などなど

HAYABUSA X1

限定100台で256万円と初代トルネードよりはお求めやすい(?)価格になってるせいか一ヶ月かからずに完売したそうです。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 198kg(乾)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量
最高出力 193ps/10000rpm
最高トルク 14.5kg-m/8000rpm
変速機
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 2,560,000円(税別)
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

TORNADO1200BONNEVILLE -since 1987-

ヨシムラ1200ボンネビル

吉村秀雄の話で終わる予定だったのですが、コンプリートマシンのリクエストがあったので一緒に掲載しておきます。

YOSHIMURAが一番最初に出した公道用コンプリート車両がトルネード1200ボンネビル。
ヨシムラのTT-F1で培ったチューニングのノウハウが詰まったキットパーツをフル装備したスペシャルマシン。

1200ボンネビル

初期型GSX-R1100をベースにボアアップ、ミクニ製マグネシウムキャブ、ヨシムラ製カムシャフト、ポートをコンマ00レベルまで揃える研磨、ヨシムラチューニングのショーワサスにマルケジーニとニッシンキャリパー、そしてマフラーはもちろんヨシムラのチタンサイクロン。

馬力は160馬力で最高時速は291km/hで車重は僅か179kg。

お値段500万・・・RC30が148万だったのを考えると凄い。でも3台製造されたとか。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 179kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1108cc
最高出力 160ps/10500rpm
最高トルク 13.0kg-m/7500rpm
変速機
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

Panigale V4 -since 2018-

パニガーレV4

遂にというか、とうとうV4となったパニガーレV4。

エンジンの名前は『デスモセディチ・ストラーダレ』

デスモセディチストラーダレ

デスモ=デスモドロミック

セディチ=16(4気筒×4バルブ)

ストラーダレ=公道向け

という意味。

面白い事に70°という変則的なクランクだから点火タイミングは0-90-290-380-720という360°に近いけどちょっと違う形。

70°位相V4

360°はタイヤを落ち着かせる270°の間隔が2つあるからトラクションが有利というのはVFR400/NC30かで話したと思うんですが、ドゥカティは更に大きな340°の間隔を設けることでトラクション性を高めたわけですね。

ホンダと同じカタチは取らないというプライドでしょうか。

もう一つ面白いのが逆回転クランクを採用したこと。

逆回転ギア

これは簡単な話、前方へ回るホイールとは逆方向にエンジン(クランク)を回すことで起きようとするジャイロ効果を打ち消すのが狙い。

MotoGPではメジャーな手法でアイドラギアという転換用のギアによる損失が生まれてしまうんだけど、それでも逆回転クランクは手放せないほどの効果があるんだとか。

パニガーレV4エンジン

可変ファンネルを装備しているとはいえそんな損失を組み込んでおきながら市販車トップとなる215馬力を発揮するんだから凄いんですが・・・ってH2に続いて楕円排気ポートになっていますね。

H2で担当された恵上さんいわくコチラのほうが排気効率が良いんだそう。そのかわりコスト云々。

車体の方はフレームがモノコックタイプからツインスパーの様なフロントフレームと呼ばれる物に。

パニガーレV4車体

本来ならばタンクのある位置にはバッテリーや電装系で、ガソリンタンクはシート下。これもMotoGP技術で慣性モーメントの低減というか要するにマスの集中化が狙い。

ちなみにエンジン重量も二気筒から四気筒になったのに僅か2.2kg増、車体全体で見ても5.5kgしか増えていないっていう恐ろしさ。

LではなくVなので散々言われていた前輪荷重問題もなく、またスイングアームも長く取ることが出来たので現代的なSSとなりました。

ケーシー・ストーナー

テストPVではケーシー・ストーナー・・・って、RC213V-Sもそうだったし凄いですねケーシー。

レースに対する情熱が戻ったら是非とも復帰してほしいものです。

最後に懲りずに偉いそうに言うと、このパニガーレV4ですが本当にドゥカティは考えたなと思います。

パニガーレV4ネイキッド

というのもドゥカティは2003年からMotoGPをV4のデスモセディチで戦っていました。

何故V4にしたのかといえばボアの最大直径がレギュレーション(現在は81mm以下)で定められていたから。

更に2008年にはその公道版であるデスモセディチRRを限定1500台/787万円ながら発売。

デスモセディチRR

そしてこのパニガーレの後継ですと言わんばかりのデザインをしたパニガーレV4の登場・・・何が言いたいのかというと、MotoGPに参戦した時点でV4は既定路線だったんだろうなって話。

かといって(1198辺りで言いましたが)何の脈略もなくいきなりV4なんかにしたら波風が立つ。

だからまずMotoGPでレギュレーションを理由にV4のキッカケを作り、更にデスモセディチRRで公道版V4の布石を置き、そして非常に評価が高いパニガーレ系デザインをV4に被せる。

パニガーレV4の顔

パニガーレV4をデザインされたジュリアン・クレメンさんが

「コンペでのテーマは『パニガーレに見えること』だった」

と仰っていたのを見ても、その戦略の強かさが伺えます。

そして市場での反応を見るにその戦略は見事に決まったようですね。

パニガーレV4

だって誰もV4になった事へ違和感を覚えず、誰もがこれをスーパーバイクの後継として受け入れているんですから。

そうなればもうコッチのもの。良く回るLツインを2つ積んだかのうような速く美しく気高いスーパーバイクでしかない。

エンジン:水冷4サイクルDOHC四気筒
排気量:1103cc
最高出力:214ps/13000rpm
最大トルク:12.6kg-m/10000rpm
車体重量:175[174]kg(乾)
※[]内は前後オーリンズのSモデル

種類一覧
ドゥカティ851シリーズ1988年
851 SERIES
ドゥカティ888シリーズ1991年
888 SERIES
ドゥカティ916シリーズ1993年
916 SERIES
ドゥカティ996シリーズ1999年
996 SERIES
ドゥカティ998シリーズ2002年
998 SERIES
ドゥカティ999シリーズ2003年
999 SERIES
ドゥカティ1098シリーズ2007年
1098 SERIES
ドゥカティ1198シリーズ2009年
1198 SERIES
1199パニガーレ2012年
1199Panigale
1299パニガーレ2015年
1299Panigale
パニガーレV42018年
Panigale V4

【関連車種】
CBR1000RRの系譜YZF-R1の系譜GSX-R1000の系譜ZX-10Rの系譜

1299series -since 2015-

1299パニガーレ

モデルチェンジで1299となったパニガーレ。

1299(1285cc)ってSBKのレギュレーションをオーバーしているのでは・・・と思いますが、SBK用のホモロゲモデルはPanigale R(1198cc)として切り離される形となりました。

先代が好評で気を良くしたのか、凄い軽いモデル1299スーパーレッジェーラも登場。

1299スーパーレッジェーラ

なんとスイングアームとホイールがカーボンに。

そのためお値段もグッと上がって900万円。

にしても市販モデルがレースモデルを追い越してしまうというスーパーバイク初の珍事なんですが、何をしたのかといえば相変わらずボアアップ。

先代から更に4mmボアを拡大し116mmとなりました・・・ドゥカティはボアの限界に挑戦しているんでしょうかね。

1299ピストン

もうアレですよ、CD/DVD並のサイズですよ。

ボアは一般的に100mmが現実的な限界と言われています。

この理由の一つはボアが大きくなるという事はバルブも大きくする必要があり重くなるから。

じゃあなんでドゥカティのスーパーバイクが100mm超えを平然とやってのけるのかというと、それはもちろんデスモドロミック機構によるもの。

パニガーレ1299

デスモドロミックだから多少バルブが重くなろうがカムプロファイルを尖らせようが、バルブサージングやジャンプといった問題が起こらない。

ただし、それでも避けられないのが火炎伝播の問題。

これは要するにプラグから燃え広がる膨張が(ボアが広すぎて)間に合わなくなる。どうなるかと言うと、熱損失になる。

ビッグVツインが熱い熱い言われるのはこれが大きな理由。回転数が高くなれば流速が増すので問題にはならないんですが・・・

1299顔

まあスーパーバイクなんだから

「求めるは高みのみ」

って事なんでしょうね。

また性懲りもなく小言を言わせてもらうと、パニガーレを見て思うのは

「SBKって本当にもうセールスに関係ないんだな」

って事です。

DUCATI2012

最初にも言いましたがドゥカティがSBKに血眼になっていたのはそれが生き残るための道だったから。

しかしリーマンショックで撤退し、その後どうかと言うとワークス参戦していた頃ほどの成績は残せていないのが実情。

まあそれは当たり前なんですが、じゃあSBKで大戦果を挙げているZX-10RやRSV4が成績に見合うほど人気で売れてるかといえば売れてない。

ドゥカティ

つまりドゥカティがSBKからMotoGPにスイッチした事や、そのMotoGPフィードバックでパニガーレを造り1299というレギュレーションを無視するモデルチェンジをした事。

これらから察するにもはやドゥカティにとってSBKは生き残るための手段では無くなったんだろうなと。

1299パニガーレファイナルエディション

まあ良く言えばパニガーレがそんな事を吹き飛ばすほどカッコいいデザインで不動の人気を獲得したからってのもあるんでしょうけどね。

相変わらずトリコローレがよく似合う。

エンジン:水冷4サイクルDOHC L型二気筒
排気量:1285cc
最高出力:209ps/10500rpm
最大トルク:14.5kg-m/9000rpm
車体重量:166kg(乾)
※スペックはEU仕様

種類一覧
ドゥカティ851シリーズ1988年
851 SERIES
ドゥカティ888シリーズ1991年
888 SERIES
ドゥカティ916シリーズ1993年
916 SERIES
ドゥカティ996シリーズ1999年
996 SERIES
ドゥカティ998シリーズ2002年
998 SERIES
ドゥカティ999シリーズ2003年
999 SERIES
ドゥカティ1098シリーズ2007年
1098 SERIES
ドゥカティ1198シリーズ2009年
1198 SERIES
1199パニガーレ2012年
1199Panigale
1299パニガーレ2015年
1299Panigale
パニガーレV42018年
Panigale V4