CBR400R(NC56) -since 2019-

CBR400R/NC56

「MOVE YOUR HEART」

2019年からのCBR400Rと400XのNC56型。

最初にCBR400Rから書いていくと、何よりもまず更にアグレッシブな見た目に変貌した事。

CBR400Rコンセプトデザイン

CBR250RRとCBR650Rを足して2で割った様なデザインで、本来ならばインナー(アッパーカウルの裏側)に備え付けられるカウルを表にまで出してアクセントにしてるのが非常にカッコいい。

CBR400Rアッパーカウル

ホンダのデザイナーの方がバイクのデザインについて

「車と違ってバイクはインテリアが無いんですよ、全てがエクステリアなんです。」

と言っていたのを思い出したんですが、まさにそれを匠に表現してる感じですね。

ただ変更はデザインだけではなく中身もそうで色々と変わっています。

CBR400Rトップブリッジ

アルマイト加工のフォークキャップや新設計のフルデジタルメーターも目立つのですが、それよりもハンドルをトップブリッジ上から下に変更しポジションを少し前傾気味になりました。

CBR400Rポジション

更にエンジンにも変更が加わっているんですが、これがまたなかなか硬派な内容。

まずカムを変更しバルブリフト量を上げつつ開口時間を少し狭めてあります。加えてバッテリーをワンサイズ落とす事で吸気レイアウトに自由度を持たせて抵抗の少ないストレート構造へと変更。

CBR400Rエアフロー

そして面白いのが燃料を吹くインジェクションで、エンジンの回転数を検知するクランク角センサーを従来の2.6倍へと細分化すると同時に従来の拡散型から収束型に変更していること。

フューエルインジェクションの変更

細かく吹いて空気と綺麗に混ぜる事が大事と言われている時代で収束噴射というのは何とも逆行しているように思えるのですが、何でもこれは吸気が弱い中低速でもちゃんと燃料を燃焼室まで届けるためとの事。

要するにこれらの狙いが何かというと

『中低速域における燃焼の安定』

というもの。

これのおかげでNC56型は中低速トルクの厚みが増し、最大馬力は上がっていないもののピークを500rpm下に持ってくる形になってる。

NC56パワーカーブ

これは先代の街乗りからツーリングまで何にでも使える使い勝手の良さが非常に評価されている事を鑑みてでしょうね。

スリッパークラッチの採用による負担の軽減とミッションの見直しによるフィーリングの向上、そしてサスペンションが良いものに変更されたものの決して硬すぎない事から見ても

CBR400R/NC56壁紙

「使い勝手はそのままにもっと元気に走れる様に」

という意図があるものかと。

ちなみにマフラーも実質緩和に近い新規制に合わせ、ストレート管が追加された非常に良い音を出す物に変更されています。

400X
(NC56)
-since 2019-

400X/NC56

「Tough and Wild」

アドベンチャーモデルとなる400Xも合わせてモデルチェンジとなり型式は同じNC56型。

装備やエンジン関係はいま紹介したCBR400Rと同じなので省きますが、こちらはCBR400Rとは対照的に結構思い切った変更がされました。

何が思い切ってるかというともちろんフロントホイールが19インチに変更されたこと。

400Xポジション

フロントホイール径を上げるとどうなるのか簡単に言うと、走破性と直進安定性が増します。大きいコマほどジャイロ効果が増してなかなか倒れないのと同じ原理。

オフロードを走るバイクが大きなフロントホイールを履いているのはこのためなんですが、つまり17インチだった先代までの400Xがスポーツとアドベンチャーの良いとこ取りだったのに対して、NC56型はそれをやめてアドベンチャーとして大きく傾いたという事。

400X/NC56リアビュー

もう少し上の排気量であるNC750Xですら17インチなのを見れば如何に思い切った変更なのかが分かるかと。

分かりやすく言うと未舗装路も走れるバイクから

400X壁紙

「未舗装路で輝くバイク」

に変わったという話。

副産物と言って良いのか分かりませんが19インチに合わせてラジエーターの大型化やロングスクリーンなど、フロントのボリュームをホイールだけでなくボディ全体で増す変更が加えられているのでインパクトも増大しています。

400X壁紙2

だからそういう場所に停めるだけでも絵になる役得感があるっていう。

最後に余談。

このCBR400R/400Xには海外向けに500のモデルがあります。

2019CBR500R/500X

そういう場合って物理的に仕方ないんですが

『大きい海外仕様がベースで小さい日本仕様はストローク下げただけ』

というのがお決まりのパターン。

つまりこのCBR400R/400Xも同じ様に500のストロークダウンモデルになっている・・・わけじゃないんですねこれが。

そもそも

「400と500って排気量近すぎ」

と思いませんか。国内向け400の海外仕様って600とか650がメジャーですよね。

なのにこのモデルは100しか、もっと言うとストロークが10mmほど違うだけで正確には72ccしか差がない。

これが何故かと言うと、実はこのモデルはもともと

『400として開発されていたモデル』

なんです。

エンジンレイアウト

初代(NC47)の総責任者はNCシリーズも担当された青木さんという結構有名な方なんですが、この400を開発していたところ

「排気量上げたモデルも造れ」

と後から無理を言われて開発されたのが500なんです。

恐らく欧州で2013年からのA2免許制度が理由だと思われるんですが、400として開発していたもんだから出来ることは本当に限られていて

「主要部品を4つ変更するだけで全高は上げず対応させた」

という旨の話をされていました。その結果が72ccという僅かな差を持った500という話。

※Bikers Station/No.310のインタビューより

つまりこの400って大型のお下がりモデルじゃないんですよ。

2019年式CBR400R/400X

『最新の400専用設計車』

と言えるバイクだったりするんです。

国内で非常に高い評価を獲得している理由もここら辺にあるんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2080/755/1145mm
[2140/825/1380mm]
シート高 785mm
[800mm]
車軸距離 1410mm
[1435mm]
車体重量 192kg(装)
[196kg(装)]
燃料消費率 28.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 16.0L
[17.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 399cc
最高出力 46ps/9000rpm
最高トルク 3.9kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58W)
後160/60-17(69W)
[前110/80-19(59H)
後160/60-17(69H)]
バッテリー YTZ8V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 808,500円(税込)
[826,100円](税込)
※[]内は400X
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400R/400X(NC47後期) -since 2016-

NC47後期

「AGGRESSIVE SPEED SHAPE」

そのコンセプト通り見た目が大変貌したCBR400R/NC47後期。

マフラー形状を含む吸排気系統の見直しとフロントフォークやブレーキレバーのアジャスターを新設など使い勝手と心地よいサウンドへの変更。

シフトフィーリングも改善されたとのことです・・・が、まあそんなことよりデザインですよね。

2016CBR400R

LEDヘッドライトとテールライトで保守的な傾向が強いホンダらしからぬ攻撃的なデザイン。

CBRシリーズで一番カッコイイんではなかろうか。

こちらは400Xの方は継続。

2017年式400X

コチラもかなり攻撃的。

ちなみに上の写真はステップホルダーが付いてアンダーカウルを外した2017年モデル。

この新型を見て

「カッコイイな~欲しいな~」

って思ってる人も多いと思うので更に背中を押すことを言うと、このCBR400Rの海外版であるCBR500Rは欧米で非常に高評価を得ています。

NC47

Motorcycle.comで2014年のベストモーターサイクル10選のコストパフォマンス部門で佳作に選ばれ、MCNなどでも非常に高い評価。

何と言われていたかというとこんな感じ。

”恐らく多くの購入者がまずこのバイクを選択肢から外すだろう。理由は数々の記録を残したRC213Vに使われているホンダテクノロジーが何も入っていないからだ。
もし貴方がマルケス(MotoGP王者)並の走りが出来るなら話は別だが、そうでなければそれは大きな間違いと言える。
このCBR500Rは街乗りでもツーリングでも峠でも高速道路でも貴方の要求に全て応えてくれる。それは初心者に限った話ではなく経験豊富なベテランライダーでも。
「私はこんなバイクに乗る人間じゃない」
という人こそ乗るべきだ。そうすれば貴方はCBR500Rの燃費の良さというホンダテクノロジーに感謝することになるだろう。”

2016NC47

比較的辛口なコメントが当たり前で、イタ車ばかりが褒められ日本車は貶されるのが常なアメリカのバイク情報誌でホンダのバイクがこれほど褒められる事なんて中々ないことです。

主要諸元
全長/幅/高 2080/750/1145mm
[2085/830/1335mm]
シート高 785mm
[795mm]
車軸距離 1410mm
車体重量 192kg(装)
[194kg(装)]
燃料消費率 28.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 16L
[17L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 399cc
最高出力 46ps/9500rpm
最高トルク 3.8kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58W)
後160/60-17(69W)
バッテリー YTZ10S
または
FTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 699,840円(税込)
[709,560円](税込)
※[]内は400X仕様
※ABS仕様は+2kg&50,760円
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400R(NC47前期) -since 2013-

NC47

「Super Sports DNA」

約30年ぶりに復活したCBR400RのNC47型。

パラツインということもあってCBR250R同様まあ様々な意見がありましたが、CBR250Rと決定的に違うのは対象国で、CBR250Rは途上国向けがメインなのに対しCBR400(500)は先進国のエントリーユーザーとダウンサイジングを望むベテランライダーがメインだということ。

CB400F

こちらはネイキッド版

「Modern & European Naked」

がコンセプトとなるCB400F。

バーハンドル化と専用タンクシュラウドが特徴的ですが、面白いのがマフラー下にあるキャタライザーのカバー。

打って凹ませないようにするのと防熱の為にあるんですが、これをアンダーカウルとして魅せるという面白いアクセントになってる。

更にこのモデルはもう一台バリエーションがあります。

CB400X

「Modern & Stylish」

というコンセプトのクロスオーバータイプになる400X。

時代の移り変わりなのかコレが一番人気でした。

デザインコンセプト

それでこの400が何を目指したのかというと

「Affordable & Attractive Cool Style」

と言われても分からないので自己解釈を交えて噛み砕いて言うと

400シリーズ

「スタイルに根ざしたFUN出来る400」

という事。

普段遣いで美味しい部分を使えるように低・中速を重視しつつ実燃費で30km/Lを切らない低燃費性を持った新設計の水冷エンジン。

CB400バリエーション

とはいえ何気に46馬力と結構なパワーを9500rpmで発生させるので速いっていう。

更には贅沢にもプロリンクのサスペンションを奢り、フレームはスチール製のダイヤモンドフレーム。

このスチールフレームなんですが、最近のスチール回帰の流れを見てると400のスチール採用は本当に先見の明があったなと思います。

CB400フレーム

なんでスチールに回帰しているのか、なんでこの400はスチールになったのかって話なんですが、もちろんコストの問題もあるんですが狙いはそれだけではなく、簡単に言うとアルミだと勢いよく捻れが戻ってしまうのに対してスチールだと戻る時も緩やかなんですね。

だからマシンの状態を把握しやすく、マシンに拒絶されるように弾かれる事もない。

結局コレは気難しさを与えないためで、バリエーションが3パターンもあるものソコに根ざしているから。

CB400バリエーション

ワインディングからサーキットまでマルチに楽しむR、タウンユースで足つきや取り回しを考えたF、長距離ツーリングなどを考えたX。

全てはユーザーに自分にあった使い方で気軽に自然に400楽しんでもらうためにあるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2075/740/1145mm
[2085/830/1235mm]
{2075/780/1060mm}
シート高 785mm
[795mm]
{785mm}
車軸距離 1410mm
車体重量 192kg(装)
[194kg(装)]
{192kg(装)}
燃料消費率 28.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 15L
[17L]
{15L}
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 399cc
最高出力 46ps/9500rpm
最高トルク 3.8kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58W)
後160/60-17(69W)
バッテリー YTZ10S
または
FTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 699,840円(税込)
[709,560円(税込)]
{648,900円(税込)}
※[]内は400X仕様
※{}内はCB400F
※ABS仕様は+2kg&49,350円
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400RR(NC29) -since 1990-

1990CBR400RR

「高次元ヒューマン・フィッティング」

CBR400RRの後期になるNC29型。

二年先を行く設計を開発目標に

・アッパーケース一体型新エンジン
・新開発VP型フラットバルブキャブ
・吸排気を全て見直し
・LCGフレーム
・F17、R18インチから前後17インチへの変更
・6本スポーク化
・PGMイグニッション
・専用水冷式オイルクーラー
・新設計の3ピースガルアーム
・バッテリー容量の削減

などなどとなっています。

LCGフレーム

中でも特徴的なのがLCGフレームですが、LCG(Low Center of Gravity=低重心)という名前からも分かる通り重心を下げるために編み出されたフレーム。

こうすることで安定性を確保しつつも寝かし込みからの切り返しなど車体を起こしやすくしている。

NC29

それに加えてシャープなハンドリングのためエンジンを剛性メンバーとして積極的に活用するために前方がエンジンを拾うように伸び、結果このような形になっているという話。

さて・・・話が少し戻るんですが、ホンダはVFR400とCBR400の二大看板で400レースに挑むことになったものの、レースではVFR(RVF)がファクトリーマシンで85年から三連覇していたので人気は圧倒的にVFR400でした。

そんなV4一辺倒にの流れに対して市場や社内からの突き上げられた事で登場したのがCBR400RRという話を先代でしましたが、そう考えていたのは市販車部門だけでなくレース部門のHRCもそうだったんですね。

それが形となったのが1988年CBR400RRの発売年と同時に登場したRCB400/NX0型。

RCB400

世界耐久レースで圧倒的な速さを見せつけ無敵艦隊との異名をとったRCBと同じ名前を冠している事からも分かるようにHRCファクトリーゔチューンのCBR400RR。

RVFのピストンやバルブといったヘッド周りを流用し86.6馬力を叩き出すアイドリング回転数8000rpmのエンジンに、直四の横幅を解消するためセミモノコックフレーム。

このマシンに前年RVFでチャンピオンに輝いていた田口さん乗せて参戦させた。

そう、つまりHRCも

「直四でもやれる」

という事を証明しにかかったんです・・・が、そこはさすが最高潮に盛り上がっていたレースというか、宿敵ヤマハが大幅に性能を上げてきた事で初戦を明け渡してしまうんです。

年間王者が絶対だった状況で初戦を落としてしまうという事態にホンダは大きく揺れてしまい、結果として二戦目からは熟成の域に達していたRVFに変更。

NC29/CBR400RR

このCBR400RRというレーサーレプリカにはそんな背景があるんです。

しかも何のめぐり合わせというか運命のいたずらというか、このCBR400RRの開発責任者はRVF750レプリカでお馴染みVFR750R/RC30の本多さんっていう。

そしてRACERS/29のインタビューに対し、RCB400のライダーだった田口さん、モノコックフレームを造った有馬さん、エンジンを造った岡野さん。

皆が口をそろえて

「もう少しRCB400でやりたかった」

という名残惜しさを仰っていました。実際に勝負は出来ていたわけですからね。

NC29カタログ写真

直四でもやれる事を証明するために誕生したCBR400RRとRCB400。

レーサーレプリカという時代が生み、レーサーレプリカという絶対勝利が義務付けれられていた時代が止めたワンレースのレーサーレプリカでした。

主要諸元
全長/幅/高 1990/670/1080mm
シート高 750mm
車軸距離 1365mm
車体重量 179kg(装)
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/13000rpm
[53ps/13000rpm]
最高トルク 4.0kg-m/10000rpm
[3.6kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60-17(55H)
後150/60-17(66H)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L
スプロケ 前15|後39
チェーン サイズ525|リンク102
車体価格 699,000円(税込)
※[]内は93年以降モデル
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400RR(NC23) -since 1987-

1988CBR400RR

「DIRECTOR RR」

復刻して欲しいバイクとして今も人気なヨンダボことCBR400RRの前期であるNC23型。

直打式バルブ駆動のエンジンヘッドへ変更しコンパクトに収めたのに加え、フレームを五角目の字断面化による剛性アップ。

更にホイールはもちろんマフラーもアルミ(量販車初)とアルミだらけの贅沢な一台。

NC23諸元

ちなみにRRの元祖といえばCBR900RRというイメージがありますが、一番最初にRRと銘打たれて出たCBRはこのモデルです。

これはFireBladeの生みの親である馬場さんいわく開発は900が先だったんだけど、セールスの関係で400を先に発売する事になったからなんだそう。

CBR400RR/NC23

先代のフルカバードカウルからレーサーレプリカチックなフルカウルになった事で大きな反響を生み、また人気も爆発。

鈴鹿四耐でデビュー・トゥ・ウィンを飾った事も人気の一因でした。

しかしながら先代でも話しましたが

「レースはV4(VFR)じゃなかったの」

と思われている方も多いと思います。

NC23カタログ

一体なぜCBR400RRが登場したのかと言うと、一番はホンダの直四レーサーレプリカを市場が求めたから。

他にもモリワキを始めとしたホンダ車で戦う非ワークス勢がずっとやってきてノウハウがある直四を好んだことも関係しています。

しかしCBR400RRの誕生にはもう一つ理由があります。

それはホンダ社内で

「直四を蔑ろにしてはいけない」

という声がRVFの活躍とともに大きくなっていった事。

V4推しのホンダと言えどCB750やRCB1000やCBX400など直四で一世を風靡した時代があったから、直四をレースと無縁な存在にすることに不満を持つ人達が社内にも多くいた。

CBR400RRカタログ

CBR400RRが造られた理由、VFRとの二大看板となった理由はここにあるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2020/690/1110mm
シート高 765mm
車軸距離 1370mm
車体重量 179kg(装)
燃料消費率 38.1km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12500rpm
最高トルク 4.0kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60-17(55H)
後150/60-18(67H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク106
車体価格 699,000円(税込)
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400R(NC23) -since 1986-

CBR400R

「MAN & MACHINE INTERACTION」

フルカウルブーム及びレーサーレプリカブームに伴いFからRへとモデルチェンジされたCBR400RのNC23型。

カムギアトレーンの水冷エンジンという非常に贅沢な専用エンジンを奢られ、フレームもアルミツインチューブで乾燥重量165kgという10kg近い軽量化。

NC23エンジン

走行性能に更に磨きがかった・・・んですが見て分かるようにとてもレーサーに見えませんよね。

当時ホンダが推していたフルカバードエアロとよばれるフレームまでも覆うカウルでどちらかというとツアラーっぽい。

NC23カタログ写真

でもこれにはわけがあるんです・・・というのもちょうどこの頃にホンダは

「サーキットはV4、ストリートはL4」

という方針を打ち出したから。

だから今でこそCBRといったらレーサーだけど、当時はストリートスポーツの代名詞にする狙いがあったんです。

NC23

だから性能に反して安定的な乗り味とともに快適なアクセサリーも充実。

先代よりこっちの方がCBR400Fと言ったほうがシックリ来ますよね。

ただ重ねて言いますが当時は如何にレーサーに近いかが大事だった時代だったので、万能というメリットが理解される事はなくわずか数年でモデルチェンジとなりました。

主要諸元
全長/幅/高 2015/685/1095mm
シート高 765mm
車軸距離 1380mm
車体重量 184kg(装)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12500rpm
最高トルク 3.8kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-18(63H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前15|後44
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 669,000円(税込)
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CBR400F/ENDURANCE/FORMULA-3(NC17) -since 1983-

NC17

「TUNE-UP WITH CIRCUIT SPIRIT」

盛り上がりを見せていた400ccレースの次世代を担うバイクとして造られたCBR400F。

実質的にCBX400Fの後継モデルでCBX400Fのエンジンをベースにオイルクーラーを装備し、回転数に応じて2バルブと4バルブ切り替え機能。

REVシステム

『REV(Revolution Modulated Valve Control)』

この可変バルブというかバルブ休止システムは今でもHYPER VTECとして受け継がれていますね。

REVのメカニズム

ただCB400の直打式VTECと違ってコッチはロッカーアーム式で二つのバルブを連結させることで4バルブするタイプ。

CBのVTECについてはコッチをどうぞ

この童心をくすぐる機能により空冷ながらクラストップとなる58馬力を叩き出すエンジンになった事で、1984年には年間販売台数24,728台という今では考えられない爆発的な人気となりました。

CBR400Fエンデュランス

ちなみにこれはカウルが解禁になった事から半年遅れで登場した耐久レーサーをイメージさせるCBR400F ENDURANCEというモデル。

更には数ヶ月遅れでカウルが完全解禁となった事を機にフルカウルモデルを限定4,000台で発売。

CBR400FエンデュランスF3

ここで一つ注意しないといけないのが、このモデルは『F-3』とサイドに入っているんですがF3ではありません。

「CBR400FのF3」

と呼ばれるモデルは別にあります。

発売から二年半が経った頃にCBR400F/エンデュランスは

・アルミキャストホイール

・アルミスイングアーム

・一本出し集合管マフラー

・REVのリセッティング

・2kgの軽量化

という大掛かりなマイナーチェンジを行いました。

CBR400Fエンデュランス

その際に、限定5,000台で発売されたのが俗言うF-3こと

「CBR400F FORMULA-3」

と呼ばれるスペシャルモデル。

CBR400Fフォーミュラ3

シングルシートに樹脂レンズ、専用設計のハンドルとジュラルミン製バックステップを採用したモデル。

ただ読まれてる方の中には

「そもそもF3って何」

と思われている方も多いので説明させてもらうと、この頃からTT-F3という全国規模の市販車レースが始まったんです。

レギュレーションは4st400ccか2st250cc。

CBR400FENDURANCE

つまりこのCBR400Fというのはそんな市販車レースに勝つために造られた面が大きいバイクなんです。

主要諸元
全長/幅/高 2035/710/1075mm
[2035/720/1200mm]
{2045/700/1200mm}
シート高 790mm
[790mm]
{780mm}
車軸距離 1390mm
車体重量 191kg(装)
[198]kg(装)
{195}kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 58ps/12300rpm
最高トルク 3.6kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/90-18(61H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.2L
フィルター交換時2.3L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク106
車体価格 539,000円(税込)
[598,000円(税込)]
{615,000円(税込)}
※[]内はエンデュランス
※{}内はフォーミュラ3
※後期モデルは-2kg
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

CB250R(MC52) -since 2018-

CB250R/MC52

「SPORTS ROADSTER」

新世代CBことCB-Rの250版として登場したCB250RのMC52型。

ただのネオレトロ250と思いきや長男坊であるcbr250rに負けないどころか勝ってるほど凄まじいので長々と。

コンセプトデザイン

エンジンは従来の水冷単気筒エンジンをほぼそのまま使っているものの車体回りは完全新設計。

何よりも目につくのはもちろん足回りでフロントフォークはCBR600RRに使われた物をベースとした軽量かつ超高剛性な250にあるまじき極太の倒立フォーク。

CB250R足回り

加えてラジアルマウント対向4POTキャリパーを装備。

リアの方もスイングアームは伝家の宝刀への字形状のガルアームを採用。

ガルアーム

そしてガス別室式の上等なリアサスペンションもCB-Rシリーズらしくダイレクト感重視のリンクレス。

ただこのCB250Rの場合フレームにダイレクトマウントするのではなくプレートに備え付けている面白い構造をしています。

フレーム

言うなればユニットプロリンクレス・・・なんか日本語がおかしいですね。

それよりも狙いですが、これは簡単に言うとリア(スイングアーム)のストレスをフロント(メインフレーム)に負わせない為です。

面白い部分は他にもあります。それはバッテリーの位置。

バッテリーの位置

本来ならばエアクリーナーボックスがある位置になんとバッテリーが鎮座しています。

これの狙いは主に2つで、一つはマスの集中化。

バッテリーってかなり重いのはご存知と思いますが、それを何とかシートよりもっと重心(エンジン側)に持ってこようとした結果ここになったんですね。

バッテリーの位置

マスフォワードな見た目からも分かる通りそれ以外にもマスの集中化への配慮が各部にあり、このおかげでCB250Rは

『前50:後50』

というSS並の重量配分になっています。

そしてもう一つの狙いがダイレクトなアクセルレスポンス。

バッテリーがタンクの下に納められているという事はシート下には何もない。

じゃあCB250Rのシート下には何が納められているのかというとエアクリーナーボックスを始めとした吸気系が納まっています。

インテーク

これまた何とも面白い形をしていますよね。

SSなど吸気管を真っ直ぐ下ろす『ダウンドラフト』というのを見たり聞いた事があると思いますが、あれは簡単に言うと管をストレートにすることで空気の引っかかりや渦を起こさせないようにしてスムーズな(高効率な)吸気をするのが狙い。

この見慣れないレイアウトはその効果を横で実現したものなんです。吸気系はバッテリーと違ってプラスチックで軽いからマスの集中化にもなる。

MC52赤

つまりCB250Rはバッテリーと吸気系が入れ替わった形になってる何とも面白い構造をしている。

そして忘れてはいけない凄まじさが150クラスのサイズ(150と共有)でそれを実現させたこと。

インテーク

これにより装備重量で僅か142kg、ABSモデルでも144kgという圧倒的な軽さを誇っています。

・・・が、大事なのは手段ではなく目的。

「何故それらの事をしたのか」

という事ですよね。

カタログ裏面

『日常の移動をアソビに変える SPORTS ROADSTER』

というCB250R/MC52のコンセプトを実現させる為にこれらの意匠が施されてるわけですが、じゃあどうなったのかというとCB250Rは

『ネイキッドでありながらスーパースポーツの様なハンドリング』

を持ったバイクになっています。

剛性に物を言わせて頭を突っ込んで曲がっていくハンドリングを完璧なほど再現している。

・徹底的なマスの集中化

・オーバースペックなフロント

・フロントと切り離されたリアサス

・ラジアルタイヤ指定

全てはこのハンドリングを実現させる為にやっているんです。

CB250R壁紙

ただしその一方で車体は150ベースで非常に軽く取り回しの良い250ネイキッドだから躊躇や億劫さはない。

つまりCB250Rは

「スーパースポーツのハンドリングと150の身軽さを持った250」

というわけ。

怒られるかもしれませんが正直に言うとCB250Rは250の中でも初心者のファーストバイク向きではないと思います。

軽すぎる上にハイグリップタイヤを履いても負けない車体とハンドリングを持っているから節操なく感じるかも知れないし、軽さ最優先でタンク容量も10Lと少ないネイキッドだから長距離などはかなり不向き。

恐らくこのバイクの魅力が分かりにくいかと。

CB250R壁紙

じゃあどういう人がこのバイクに向いているのかと言えば

「スーパースポーツのハンドリングと150の身軽さを持った250」

という言葉に反応せずにはいられない人たち。

ピンポイントで言うならば

「スーパースポーツの良し悪しを知っている経験者」

です。

ホンダMC52

CB250Rはスーパースポーツに乗ると誰もが感じるであろう

『楽しいんだけど乗せられている感覚』

というフラストレーションを解消してくれるバイク。

まだ大型を知らず排気量コンプレックスを抱いていた一方で

『何の気兼ねもなく乗り回していたあの頃の付き合い方』

をスーパースポーツの鋭いハンドリングのままもう一度出来るバイク・・・早い話が

CB250Rカタログ写真

「大型に乗ると250の良さを痛感する」

というバイクあるあるを突き詰めた様なモデルという事です。

主要諸元
全長/幅/高 2020/805/1050mm
{2020/805/1045mm}
シート高 800mm
{795mm}
車軸距離 1355mm
車体重量 142kg(装)
[144kg(装)]
{144kg(装)}
燃料消費率 33.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 10.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ単気筒
総排気量 249cc
最高出力 27ps/9000rpm
最高トルク 2.3kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後150/60R17(66H)
バッテリー YTZ8V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後36
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 466,000円(税別)
[513,760円(税別)]
{513,000円(税別)}
※[]内はABS仕様
※{}内は19年モデル
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

【関連車種】
YZF-R25/3の系譜GSX250R/GSR250の系譜Ninja250/Z250の系譜

CBR250RR(MC51) -since 2017-

CBR250RR

恐らく2016年もっとも話題を集めたバイクな2017年式CBR250RR(MC51)。

ホンダ、ことさらCBR250の歴史というのは基本的に後出しジャンケンなんですが、ここまで仕込んできた後出しジャンケンは初めてだと思います。主要市場であるアジアでのロードレースであるアジア世界選手権(AP250)の為の車両という事もあったからでしょうね。

今更かと言われるかもしれませんが、ちょっと読者置いてけぼり感があるのでなるべく説明主体で書いていきます。既にバイクに魅了されてる人ならそれでもいいのかもしれないけど、250って免許もまだな人も見るでしょうから。そういう未来のライダーを増やすために始めたのに本末転倒ですよ。

すいません話を戻します。

2017CBR250RR

まず何といってもそのルックス。

デザイナーの方はワルキューレルーン(SC54)などをデザインされた方のようですが、フレーム設計段階から携わり今までに無いくらいデザインに予算を掛けたと言ってます。実際デザインにお金かけてる感がヒシヒシと伝わってきますもんね。

CBR250RRヘッドライト

4眼といっていいのかな。ハイビームでは両端のヘッドライトが追加で点灯、上の方の2つはポジションランプ兼ウィンカー。ちなみに全部LEDという贅沢っぷり。

CBRシリーズで一番カッコいいんじゃない。末っ子が一番カッコいいって兄ちゃん達は立つ瀬ない気がしますが。

CBR250RR日本仕様ウィンカー

ただ日本仕様はウィンカーが別に設けられるようです・・・ちょっと残念。

そんなデザインに一番お金かけたという新型CBR250RRだけど、その割には内部もRRと名乗るだけの物はあります。

CBR250RRエンジン

上までよく回る主流の二気筒180度クランクの新設計エンジンは250二気筒としてはクラス一のビッグボアショートストロークエンジン(62.0*41.4)という潔い割り切り。

もちろんエンジンに合わてフレームも形式こそダイヤモンドトラスフレームのままだけど新設計。

CBR250RRガルアーム

更にスイングアームなんだけどアルミってだけでも凄いのに旧CBR250RR以来となるガルアームです。250でガルアーム再びですよ。

今時の子はガルアームっていっても分からないか。ガルアームっていうのはスイングアーム(リアタイヤを掴んでるフレーム)が”への字”に曲がってるのをカモメの片翼に見立てた事からガルアームと言います。

ガルアーム

これによってどんなメリットがあるのかというと、マフラーレイアウトの自由度が増すわけです。

長男坊のCBR1000RRなんかもそうだけどダウンショートマフラー(短いマフラー)のバイクはだいたいこういう形になってます。マフラーを可能な限り重心(エンジン)に近づける為にスイングアームが避けてるんですね。

マフラー内部構造

マフラーの中身は当然ながら複室式。昨今の純正マフラーはみんなこんな感じです。排気ってマフラーの中で彷徨ったりしてるんですよ知ってました?

何でかっていうと排圧を抑える為なんですが、まあこんな話はいいか。純正マフラーが重いのにはちゃんと理由があるんです。

面白いのが吸気レイアウト。

インテーク

これはラムエア・・・と思いきや、そうじゃなくて吸気の流れを整える機能でラムエア(走行風で空気を圧縮する過給機能)ではないみたい。

まあどちらにしろ効果がハッキリ分かるのはサーキットの長いストレートくらいじゃないかな・・・逆に言えばサーキット走行というかレースを考えてる人にとっては結構大事なんだけどね。

個人的に一番驚きだったのがクラス初となるスロットルバイワイヤの採用。250で採用してくるとは思わなかったです。

スロットルバイワイヤシステム

・・・なんて説明すればいいかな。普通アクセルっていうのはアクセルから伸びたワイヤーが直接エンジン(スロットルバルブ)に繋がってて、捻れば捻るだけエンジンがその通りに回る。

それに対してスロットルバイワイヤシステムっていうのはライダーがアクセルを捻っても直接には繋がってなくて、アクセル開度が電気信号に変換されECU(エンジンコントロールユニット)に繋がってる。そしてワイヤーの動きを感知してECUがエンジンを回してる。

何でこういう事をするかというと、こうすることで(言い方が悪いけど)どんなに下手くそなアクセルワークをしてもギクシャクしないようにECUによる補正ができるというわけ。電スロとかとも言われてますね。

スロットルバイワイヤにはもう一つ、副産物的のようなメリットがあります。それはモード切り替え機能。

メーターまわり

「パワフルモード」「スタンダードモード」「タンデムモード」の3つのモードから特性を選べます。

これはいま話した通り直接ライダーがエンジンを動かすわけじゃなくてECUが補正をかけて動かすから可能なわけです。

そして何が驚きってこの機能は大型で最近メジャーになりだした機能だから。大型バイクでもモード切替機能の付いたスロットルバイワイヤの車種なんて大体2010年モデル以降からでまだ付いてないモデルもあるくらいなのに。

これはインテーク(吸気の通路)を縮めるためでもあったのかもね。

インテークマニホールド

フライバイワイヤのもう一つのメリットとして、スロットルバルブを二枚ではなく一枚で制御する事でインテークを短くすることが出来る。短くすると空気の流れが速くなるからエンジンの充填効率を上げられる。要するに馬力を上げられるという事。

クラス初のEURO4(2016年からの厳しい環境規制)に対応しつつ、クラストップの38.7馬力を発揮させる為のスロットルバイワイヤでもあったと思います。凄いですよね旧250RR後期モデルとほぼ変わらないんだから。二気筒な分コッチの方が乗りやすいだろうし。

ちなみに青い空気の流れはエアインジェクションといって、燃えそこなったHCやCOをエキゾーストパイプ内で再燃焼させたり酸素と結合させて無害にするためにフレッシュエアを吹く機能。

あと肝心のポジションもハンドルがトップブリッジの下というスーパースポーツと同じマウントなので結構スポーツ寄り。人によっては程よい前傾かもね。

CBR250RR足付き

シート高も790mmとクラスにしては高めなんだけどシートが絞ってあるし、何より軽いからそこまで問題じゃないでしょう。

さて・・・最初にも言いましたがCBR250は基本的に後出しジャンケンなんですが、流石にここまでしてくると卑怯と言いたくなる気がしないでもないですね。

CBR250RR赤

少し大人の事情を話すと、ホンダがここまで本腰を入れたのはアジアのマーケットを睨んでのこと。生産国であるインドネシアやタイなどにおいてホンダとヤマハは両社合わせて90%近いシェアを持っており、熾烈なシェア争いをしています。原付一種の提携をした日本とは大違いですが、それも当然な話。

ホンダ二輪の2015年度世界販売台数は約1700万台でそのうち1500万台はアジア。いかにアジア市場が重要か分かると思います。ちなみに日本は・・・・・・18万台。欧州は19万台、北米は28万台です。

そして(YZF-R25の系譜でも言ったので省きますが)アジアは経済発展とともに所得が上がってきた事から、生活の足でしかなかった二輪車に嗜好性が求められるようになってきている。つまりこのCBR250RRが出たのはそんな二輪車に嗜好性を求めるアジアの人たちの為に作られたバイクでもあるわけです。向こうの人達にとってはこれが日本でいう大型バイク的な存在。

CBR250RR後ろ

これは我々バイク先進国にとっても非常に喜ばしいことで、日本の100倍近い市場であるアジアで売れる(台数が出る)からこそメーカーもこんなバイクが作れるんです。

あの倒立サス嫌いのホンダが、あのカタログスペック嫌いのホンダが背に腹は代えられないとここまでやってるんですから。アジアのおこぼれ万歳です。

これは日本だけじゃなく欧州もそう。でも可哀想なことに欧州では

「欧州へのCBR250RRの発売予定は(今のところ)無い」

って公式の回答があったせいで声にならない悲鳴を上げています。多分あとから300モデルが出るとは思いますがね。

CBR250RRデザイン

まあそんな事情はどうでもいいか。

話を戻すというか締めようと思うんですが、CBR250RRはネットの反響それにサイトへのリクエストが多い事から凄く注目されているのが伝わってきます。デザインもルックスも申し分ないですから当然といえば当然です。

もし「新型CBR250RRが買いか?」と問われば間違いなく買いだと答えます・・・

CBR250RRフェイス

・・・・・・答えますが、それはあくまでも既にバイクに熱中している人、250にハマっている人ならの話。

いくらタイ製だとはいえ長々と説明した通り結構なコストが掛かってる様なのでいいお値段になると思います。一番怖いのはCBR250RRを見てせっかくバイクに興味を持った若者やエントリー層が、車体価格を見て諦める事。

仮に65万円だとしたら乗り出し価格で70万、免許代も合わせると85万円ほど。YZF-R25やNinja250(55万円)でも高いという声が多い中で65万円はとてもじゃないけど無理でしょう。フルローンという手もありますが。

主要諸元
全長/幅/高 2065/725/1095mm
シート高 790mm
車軸距離 1390mm
車体重量 165kg(装)
[167kg(装)]
燃料消費率 26.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ二気筒
総排気量 249cc
最高出力 38ps/12500rpm
最高トルク 2.3kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/70R17(66H)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C9EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 756,000円(税別)
[806,760円(税別)]
※[]内はABS仕様
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CB250F(MC43) -since 2014-

MC43

CBR250Rの派生として登場したネイキッド(ストファイ)モデルのMC43ことCB250F

基本的に中身はCBR250Rと一緒で違うのは

・車重が3kg軽い
・大柄なサイドカバー装着で幅が4cm増
・ポジションのアップライト化
・カウルがないぶん3万5000円ほど安い

ポジションがアップライトになり、重量配分がリア寄りになった事でハンドリングの軽快さはCBR250Rより増しているとのこと。

CB250Fイラスト

さて、それだけ載せて終わると寂しいので少し小言を言わせてもらうと、このCB250F(MC43)は御存知の通りCBR250R(MC41後期)と併売されています。

で、ですね。重ねて言いますがCB250FとCBR250Rの違いはほぼカウルの有無と値段が3万円ほど違うだけ。それなのに販売台数を見てみるとCBR250Rはソコソコ売れてるのに対してCB250Fは初動(初期需要)の頃からビックリするくらい売れてない。これにはデザインに対する好みやライバル車なども関係していると思うんですが、それにしたってCBRとCBの乖離が大きい。

これは間違いなく”若者(エントリー層)の間でフルカウルブームが起きてる”という事ですね。

MC43

ほんのちょっと前まで

「カウル付きなんてレーサーみたいでダサいし恥ずかしい」

なんて言われててフルカウルが絶滅寸前だったのが嘘のよう。ブームは繰り返すってこの事なんだろうか。

ただマーケティングの関係もあると思いますけどね。

例えばCB250Fのイメージを訪ねたら多くの人は「CBR250Rのネイキッドバージョン」と言うでしょう。何故なら既にCBR250Rという存在があったから。

CBR250Rが先に出てた時点でCB250Fは派生モデル。例え開発の段階から2モデルなのは決まってた話だとしても。

MC43

だからもしCB250Fが先に出てたら今度はCBR250Rが”CB250Fのフルカウル”って認識になるわけで売れ行きも多少は変わってたんだろうなと思う。

マーケティングというか消費者心理というのは面白い。

主要諸元
全長/幅/高 2035/760/1045mm
シート高 780mm
車軸距離 1380mm
車体重量 158kg(装)
[161kg(装)]
燃料消費率 32.1km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 29ps/9000rpm
最高トルク 2.3kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後36
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 464,400円(税込)
[515,160円](税込)
※[]内はABS仕様
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)