ZZR400(ZX400K/N) -since 1990-

ZX400K

ZZRシリーズの三男坊として登場したZZR400。カワサキの400においてゼファーとゼファーχの合算を除けば一番ロングセラーとなったモデルです。なんと17年も続きました。

GPXの反省からか、ちゃんとアルミのアルクロスフレーム(新設計)を採用しています。前年に出たZZR1100の流れを組むカウルデザインで600と共有なので相変わらずデカイけど、このGPZ400Rから続く層においては外せないポイントだということがカワサキも分かってるんでしょうね。

いわゆる「ZZRブランド」の始まりになるんだけど、GPXブランドが失敗が非常に活かされててて、ZZRブランド(1100・600・400・250)の住み分けは本当に考えられていた。

長男の1100は今ではメガスポーツのパイオニアと言われているように徹底的にスポーツ性能、最速を念頭に置いたバイク。そしてZZR600もそれに準ずるカリカリなライトウェイトスポーツツアラー。

ZZR400

それに対してZZR400は堅実過ぎてアクビが出るほど王道なスポーツツアラー。

当時としては群を抜くような速さも軽さも持ってなかった。エンジンは新設計なんだけどイタズラに速さを追うわけでなく中低速を考えた故の事。

これはZX-4そしてZXR400というレーサーレプリカ系(ZX400GE系)が居たから可能だった事かもしれないけど、とにかくZZR1100や600とZZR400は名前こそ同じZZRであり同じファミリーなんだけどコンセプトが全く違う。夢想家の1100、実際家400といった感じ。

ZX400N

93年にはエンジンフレーム共に見直しが入り、他にもMFバッテリーやハザードなど日常生活での恩恵があるこれまた堅実な変更。カウルデザインも流線的に改められたんですが、一番はラムエアですよ。

ZZR1100によって大きく広まったラムエアシステム。これは走行風を積極的にエアクリーナーに送り込んで空気を圧縮するという慣性ターボみたいな仕組みのことなんですが、まさか400でラムエアを取り入れてくるとは・・・

繋がってない飾りとかZXRに付いてるK-CAS(空気をシリンダーヘッドに当てて冷やす)と思ってる人が多いですが違います。ちゃんとラムエアでエアクリーナーに繋がってます。

ZX1100CD

しかも長男の1100がC型ひょっとこ、D型ブタ鼻というちょっとアレ(今見ると味があるけど)なダクトデザインだったのに対し、400は比較的まとまったデザイン。

04ZZR400

これは効果よりデザインを優先したんでしょうね。ラムエアって時速200km超えるような状況じゃないと効果は・・・でも飾りじゃないですよ。ちゃんと繋がってます。

最初に言った通りカワサキはアンチレーサーレプリカを掲げてて、結局ブームに負けてZXR400という吹っ切れたレーサーレプリカを出してきたんだけど長くは続かないと踏んでいて、次に来るのはスポーツツアラーと読んでいた。

ZZR400N

他のメーカーは「ツアラーは日本では非常にニッチなクラス」という認識だった(実際人気は無かった)から何処も力を入れてなかった。

結局他のメーカーの読み通りスポーツツアラーブームが来ることはなくカワサキの読みは大外れしたんだけど、レプリカやネイキッドほどではないにしろ一定の需要があった。そしてその需要にGPZ400Rの頃からGPXで躓こうとも応え続けていた結果、奪い合うには小さすぎるパイはZZR400の独占状態になってたというわけですね。(途中スズキから何か出てたけど)

ZZR250

これは250もそう、というかこれは250の方がそうかな。鳩サブレと馬鹿にされようと続けていた結果、ZZR250という名車が生まれ、更にはもはや説明不要なNinja250Rまでもが生まれた。売れないと言われたカテゴリで。

バイクも

「名車は一代にして成らず」

ですね。

結局ZZR400は2006年モデルを最後に生産終了となり、少し間を開けてNinja400にバトンタッチしました。

ZZR400カタログ写真

17年にも及んだ400ツアラーという大役を終えた小さい需要の大きなバイクでした。

主要諸元
全長/幅/高 2075/695/1175mm
[2070/695/1175mm]
シート高 780mm
車軸距離 1440mm
[1430mm]
車体重量 193kg(乾)
[195kg(乾)]
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 58ps/12000rpm
[53ps/11000rpm]
最高トルク 3.7kg-m/10000rpm
[3.8kg-m/9000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60R17(55H)
後160/60R17(69H)
バッテリー YB12A-AK
[YTX12-BS]
プラグ CR9E
または
U27ESR
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後49
[前15|後52]
{前17|後46}
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ530|リンク114]
{サイズ530|リンク112}
車体価格 659,000円(税別)
[679,000円(税別)]
※[]内はZX400N
※{}内は2001年以降モデル(ZX400N8)
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

GPX400R(ZX400F) -since 1987-

GPX400R

「Xの思想」として出されたGPX400R。

GPZ400Rのエンジンをベースにフリクションロスと重量を減らす改良を施し、フレームもFASTフレームなる新しく設計しなおしたもの。

・・・GPZ400Rでチョロっと話した通り売れませんでした。

GPX400R

先ず先代ではアルミだったフレーム(アルクロス)からスチール丸パイプフレームへとなったこと、デザインが保守的で代わり映えしないこと、そして何よりレーサーレプリカ全盛期だったこと、が挙げられると思います。

カワサキも余りの売れ無さに最終的にはアルミフレームのGPX400Rに改良されたGPX400Rのエンジンを積みNinjaの名を冠したGPZ400R改を売る形を取りGPXは捨て去られました。

話を少し戻して「Xの思想」について少し。

カワサキがGP”Z”をやめてGP”X”を始めたのはXという新たなブランドを展開するため。

Xというのはザックリ解釈していうと「究極のZ」に対して「身近なX」という感じ。もともとGPZもアンチレーサーレプリカで控えめな前傾とシート高が特徴の言わばスポーツツアラー的な存在だったんだけど、何でもかんでもZにするのはやめようということで、速さを求めたモデルであるZと、スポーツモデルながら扱いやすく身近に感じるXと分けようとしたんだね。

このGPX400Rを見ると分かるように、シートが更に少し下げられ、荷物を載せられる様にグラブバーが付けられ、視認性に優れるイエローハロゲンにされてる。

非常にユーザーの事を考えて作られてたんけど、レーサーレプリカブーム真っ只中だったもんだから出鼻を挫かれGPXという車名自体が無くなってしました。

GPX250R

Ninja250の方で書いてるんだけどGPX250Rは成功したんですけどね。

GPZの頃は400が大成功で250は鳴かず飛ばず、GPXでは400が鳴かず飛ばずで250が大成功。

やっぱり250も400も両方成功させるのは松竹梅商法になってしまうから難しいか。

というか今では当たり前だけどZX-4とかZXRとかZRXとかZとXがコラボしだして、意味が四気筒になってと、もはやXの法則というか意味がよく分からん事になってますね。

一応今のところXは車名型式共にカウルが付いているスポーツモデルの意味(ZXRやZX-10Rなど)となってます。

主要諸元
全長/幅/高 2105/690/1155mm
シート高 755mm
車軸距離 1415mm
車体重量 174kg(乾)
燃料消費率 40km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12000rpm
最高トルク 3.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後130/90-16(67H)
バッテリー YB12A-AK
プラグ D9EA
または
X27ES-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 659,000円(税別)
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

ELIMINATOR400(ZL400A/B/C/D) -since 1986-

エリミネーター400D

カワサキの400クルーザー・・・というかドラッグマシンなエリミネーター400。

日本のメーカーがネイキッドベースにハンドルとシートを変えただけのナンチャッテアメリカンで叩かれていた中で出てきたエリミネーターは完全に割り切った造り。

水冷直四、ドラッグバーハンドル、長いホイールベース、フォアード化(前に移動)してないステップ。厳密にいうとストリートドラッガーというジャンルで、記憶が確かならこのジャンルで出たのはVMAX、X4、エリミネーターの三車種だけ、そしてアンダー400唯一のストリートドラッガーはエリミネーターだけ。

ZL400

タンク容量も僅か12Lというこのカワサキの思い切ったというか開き直った様な狙いは見事に的中し非常に人気が出ました。

GPZ400Rのエンジンを積んで、更に二次変速比を低速寄りに変更された結果GPZ400Rより信号ダッシュが速いので、ナメてかかるとあっという間に置いて行かれます。そのぶん曲がらないし止まらないですが。

エリミネーターにおいて最も成功したモデルは400の中でも88年に登場したSE/ZL400Bというモデル。

ZL400SE

ビキニカウルとブラックアウト化でドラッガーの雰囲気が更に強調されたモデルで非常に人気出ました。

そして同時期に出たもう一車種の派生モデルであるLX/ZL400C。

エリミネーター400LX

SEとは対照的にメッキパーツを多用したスポークホイールモデルでクラシカルな雰囲気を演出。海外ではコッチのLXモデルの方が人気出たみたい。

結局このSEとLXの二本立てで無印は廃止となって続くことになったんだけど、400の馬力上限が53馬力になった事から95年のモデルチェンジでエリミネーター400(ZL400D)で再び一本化されました。

エリミネーター400D

デザインが曲線に改められライトも大径化、シートも変更され足つき性が良くなり、更に嬉しいタンク容量1Lアップ。

そして忘れちゃいけないのがカモノハシテールじゃなくなったこと。

言い忘れてたけどエリミネーターの特徴の一つとして欠かせないのがカモノハシのクチバシに似ている事からカモノハシテールと呼ばれるようになったリアフェンダー。

生えるように延びているフェンダーで「コレが良い」という人も居れば「せっかくのデザインが台無し」という人もいた。

ZL400

ただコレは(フェンダーなんだから当然なんだけど)泥はね防止のためで特にエリミネーターの場合はコレがあっても泥が跳ね返ってくる。そんなタダでさえ酷い泥ハネがカモノハシテール外しちゃうととんでもない事になる。

モデルチェンジでカモノハシじゃなくなったって事は不評だったんですかね。エリミの特徴だとも思うんですが。

主要諸元
全長/幅/高 2245/720/1150mm
[2210/795/1130mm]
{2210/755/1070mm}
<2245/720/1090mm>
シート高 720mm
車軸距離 1550mm
車体重量 195kg(乾)
[197kg(乾)]
{194kg(乾)}
<195kg(乾)>
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
[{12.0L}]
<13.0L>
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 398cc
最高出力 53ps/12000rpm
最高トルク 3.4kg-m/10000rpm
[{3.4kg-m/10500rpm}]
<3.4kg-m/10000rpm>
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-18(56H)
後150/80-15(70H)
バッテリー YB12A-AK
プラグ DR9EA
または
X27ESR-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ
チェーン
車体価格 598,000円(税別)
[623,000円(税別)]
{630,300円(税別)}
<605,000円(税別)>
※[]内はSE(ZL400B)
※{}内はLX(ZL400C)
※<>内は後期(ZL400D)
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

GPZ400R(ZX400D) -since 1985-

GPZ400R(ZX400D)

当時を知る人でこのバイクを知らない人は居ないでしょう。

Z400FXがそうだったように輸出仕様のGPZ600Rの弟分として1985年に登場したGPZ400R。久しぶりの直四400として人気が出たZ400FXに勝るとも劣らない人気となったモデルですね。

80年代のカワサキ車を代表すると言ってもいいGPZ400Rはデビューと同時に大ヒットを飛ばし85~86においてクラス別の販売台数で一位に輝いたわけですが、コレは引き下げている物を見れば分かる。

GPZ400Rカタログ写真

市販400としては初の水冷直四で馬力は自主規制上限の59馬力はもちろんの事、ロッカーアームの軽量化やピストンリングの軽薄化、そして何より600と共有なことから400とは思えない車格。

GPZ400Rが600のスケールダウン版にも関わらず成功したのはAL-X(アルクロス)と呼ばれる専用のフレームに積まれていたから。兄貴の600がスチール製なのに対しなんとアルミ。

アルクロスフレーム

「クラスを超越」って在り来りな謳い文句だけど、本当に兄より優れた400が誕生したわけです。

そしてもう一つGPZ400Rの成功要素を取り上げるとするならばその車体。

カワサキは”アンチレーサーレプリカ”を掲げていました。その意思が表れているのが大柄な車格とポジション。

GPZ400

シート部分が大きく抉られ、大きめのタンク。レーサーレプリカにありがちな窮屈なポジションではなく足付きも良好。しかし一方で59馬力の水冷直四を積んでいる。

つまりGPZ400Rは街乗りからツーリング、スポーツ走行に至るまでオールマイティに使える400スポーツツアラーとして成功したわけです。

GPZ400R最終型

その人気は本当に留まるところを知らず、後継として併売されるた次の次に紹介するGPX400Rの登場後もGPZ400Rを買う人が多かった。だから89年(ZX400D4)にはシリンダーヘッドや足回りをGPX400Rから引っ張って来て、もうどっちが先代でどっちが後継が分からないようなことにまでなる始末。

そして忘れちゃいけないのがGPZ400Rのネイキッドモデルとして半年遅れで登場したFX400R。

FX400R
(ZX400E)
-since 1985-

FX400R(ZX400D)

最初に言っていたZ400FXの再来として読んで字のごとくFXという名誉ある名を冠して出されたFX400R。

単にGPZ400Rのカウルを取っ払っただけと思うことなかれ。

エンジンこそGPZ400Rのものだけど専用のスチールフレームに搭載し、マフラーも4-1に変更。シートカウル周りも違うという結構色々と手が加えられてるストリート特化モデル。

ただまあ今でもなおGPZ400Rの影に隠れて語られる事が無い点からも察して欲しいんだけど、コッチは本当に売れなかった。

FXR

「これの一体どこがFXなんだ」

と、誹謗中傷の嵐。

まあ確かになんでFXって付けちゃったんだとは思う・・・カクカクな所からかな。

89年には見直しが入って57馬力に変更。更に乗りやすくなったけど見向きもされなかった。CBR400Fの方は売れたのにね。

主要諸元
全長/幅/高 2095/675/1180mm
[2080/675/1030mm]
シート高 770mm
車軸距離 1430mm
[1425mm]
車体重量 181kg(乾)
[170kg(乾)]
{173kg(乾)}
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/12000rpm
{57ps/12000rpm}
最高トルク 3.6kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後130/90-16(67H)
バッテリー YB12A-AK
プラグ D9EA
または
X27ES-U
{DR8ES
または
X27ESR-U}
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.6L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後39
[前15|後41]
{前15|後40}
チェーン サイズ520|リンク102
[サイズ520|リンク104]
車体価格 629,000円(税別)
[564,000円(税別)]
※{}内は89以降のFX400R
系譜図
zx400d1985年
GPZ400R/FX400R
(ZX400D/E)
zl400a1986年
エリミネーター400/SE/LX
(ZL400A/B/C/D)
zx400f1987年
GPX400R
(ZX400F)
Zx400k/n1990年
ZZR400
(ZX400K/N)
ZR400E1994年
ZRX/2
(ZR400E/F)

Ninja1000SX(ZX1002K) -since 2020-

2020Ninja1000SX

「Best of Both Worlds」

再びモデルチェンジされNinja1000SXという日本名Ninja1000と海外名Z1000SXを足して2で割ったような名前に改められたZX1002K型。

最初に変更点を上げると

・灯火系のフルLED化

・マフラーを一本出しに変更

・吸気ファンネル及びカムの変更

・電スロ化&クルコン装備

・出力モードを4モードに変更(スポーツ・スタンダード・レイン・マニュアル)

・上下対応クイックシフター

・4段階調節機能付きスクリーン

・カウル形状の変更

・フルカラー液晶メーター

・ETC2.0を標準装備

・RIDEOLOGY(ログアプリ)対応

などとなっています。

2020Ninja1000SX変更点

簡単に言うと電子制御化を進めた形で、装備はもちろん出力特性もより調教されたものになりました。

これまたZ1000そっちのけでモデルチェンジっていう・・・やっぱりNinja1000が人気なんでしょうね。それにしてもこのクラスでクイックシフターを標準装備、しかもアップ/ダウン両対応型というのは流石の一言。

2020Ninja1000SXホワイト

クラッチ操作とおさらば出来るクイックシフターは一度使うとあまりの快適さに感動するんですが、同時にアップのみの対応だとダウンも欲しくなるから我慢して乗るか更に払って社外に変更(しかも結構いい値段する)というパターンになりがちだから。

ここらへんの事情を鑑みての装備だと思います。細かい話だけど購入後の満足度を重視するカワサキらしい対応でもある。

ちなみにこのモデルになって車体価格が210,600円も上がって1,485,000円(税込)となりました。

電スロやクイックシフターを始めとしたモデルチェンジの内容を考慮しても少し割高に感じている人が居るかも知れないので説明しておくと、この大幅な値上げはモデルチェンジの内容というよりも

『カワサキケアモデル』

と呼ばれるクラスになった事が要因です。

Ninja1000SXカワサキケア

これは簡単に言うとメンテナンスパックの事で

・1ヶ月点検+オイル&フィルター交換

・6ヶ月プラザ安心点検(27項目点検)

・12ヶ月法定点検+オイル&フィルター交換

・18ヶ月プラザ安心点検(27項目点検)

・24ヶ月法定点検+オイル&フィルター交換

・30ヶ月プラザ安心点検(27項目点検)

の費用込の値段(S4オイルとフィルターを含む)になったから値上げになった感じがするという話。

※冴速など上位オイルがいい場合は差額でOK

「メンテパックに入った方が得ですよ」

って言われて何だかんだで乗り出し価格が高くなるパターンではなく最初からコミコミになってる非常に珍しいパターン。つまりNinja1000SXを買った場合、3年間はメンテナンス費用が不要というわけ。

加えてこのサービスは購入店舗だけではなく全国のカワサキPLAZAで受けることが出来る上、車体に付属したサービスなので仮に中古車購入だったとしても3年未満だった場合サービスは受けられるという話。

Ninja1000SXカタログ写真

Ninja1000SXが(Z H2と並んで)このシステムのトップバッターという事で車体の話よりカワサキケアの話になってしまったのですが、最近カワサキはショップ管理ではなくプラザ管理の中古車つまり全国のプラザで買えるようにする取り組みを始めたのでこれから先この恩恵を受ける車種や機会は増えると思われます。

主要諸元
全長/幅/高 2100/830/1190~1225mm
シート高 820mm
車軸距離 1440mm
車体重量 236kg(装)
燃料消費率 17.5km/L
※WMTCモード
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 141ps/10000rpm
最高トルク 11.3kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,485,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

【関連車種】
VTR1000の系譜FZ1/FAZERの系譜GSX-S1000/Fの系譜

Z1000/R(ZR1000H/J)-since 2017-

2017年式Z1000

「sugomi」

五代目にあたるH型とJ型。このモデルはEURO4(排ガス規制)に対応するためのモデルチェンジという意味合いが強いモデルになります。

2017年式Z1000リア

もちろん

・ウィンカーやシートカウルデザインなどの変更

・シフトインジケーター(ギア表示)

・シフトアップインジケーター(シフトアップお知らせランプ)

・キャタライザーやマッピングの変更

・サスペンションをリセッティング。

・ABSモデルの標準化

などさらなる改良も入っています。

そしてこのモデルから上位グレードのZ1000R(ZR1000J)が登場。

2017年式Z1000R

・リモートアジャスター付きオーリンズ

・ブレンボキャリパー&ディスクローター

・ステンメッシュブレーキホース

・専用カラー

・専用タンクパッド

を装備した上位グレードになります。

ただ今回のモデルチェンジの主役はZ1000というよりはNinja1000かと。

Ninja1000
(ZX1000W)
-since 2017-

2017年式Ninja1000

見て分かる通りヘッドライトのLED化を機にカウルデザインが大きく変わりました。

鼻先を伸ばしアッパーからスクリーンまでの流れを改善することで防風性を改善。

その他にも

・ABSモデルの標準化

・メーターを一新

・ETCを標準搭載

・シートの更なる肉厚化

・グラブバーやOPのパニアケース形状の改善

などツアラーとして順当に進化してる感じです。

Ninja1000LEDヘッドライト

でも一番の目玉はKCMF(カワサキコーナリングマネージメントファンクション)じゃないかと思います。

IMU(慣性計測装置)制御というやつでH2やZX-10Rにしか積まれてなかったんですが、Ninja1000にも率先して搭載する形となりました。

KAWASAKI KTRC

・トラクション制御
・ウイリー制御
・スライド制御
・トラクション制御
・ウイリー制御
・ピッチング制御
・旋回中のブレーキ制御
・エンジンブレーキ制御

などなど。やはり売れ筋はお金の掛け方が違いますね。

BOSCH製IMU

ちなみにこれらが可能になったのはBOSCHが開発した超小型高性能IMU(写真左SU-MM5.1)があってのこと。

KAWASAKIに積まれているIMUはほぼコレ。ちなみにもっと小さいのがスマホにも入ってたりします。

2017Ninja1000

まあそんな話は置いといてIMUを装備してほぼフル装備に近い状態となったNinja1000。

販売台数を見るに日本国内では安定した台数が売れているようです。

残念ながらZ1000との内約が分からないのですが、目撃頻度からいってもNinja1000が大部分を占めているんじゃないかと。

猪突猛進を具現化してるZ1000もカッコいいと思うんですけどね。

Z1000とNinja1000

こうやって並べて見ると仁王像みたい。

主要諸元
全長/幅/高 2050/790/1055mm
{2045/790/1055mm}
[2100/790/1185~1235mm]
シート高 815mm
車軸距離 1440mm
{1435mm}
[1440mm]
車体重量 211kg(装)
{221kg(装)}
[235kg(装) ]
燃料消費率 17.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
[19.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 141ps/10000rpm
最高トルク 11.3kg-m/7300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後41
{前15|後43}
[前15|後41]
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,144,800円(税込)
{1,420,200円(税込)}
[1,274,400円(税込)]
※{}内はZ1000R(ZR1000J型)
※[]内はNinja1000
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000F/G)-since 2014-

2014年式Z1000

「sugomi」

新生Z1000としては四代目となるF/G型。

最大の変更点は何と言っても誰が見ても驚くだろう顔で、LEDヘッドライトになったんだけど一般的なLEDとは違いリフレクターレスタイプだから目の玉みたいで表情がある。

LEDヘッドライト

内側2つがローで外2つがハイになってるんですが、よく見るとLEDヘッドライトの上にメーター兼ポジションライトが付いてる。一部で先代の守護霊とか言われています。

このZ1000からモチーフが虎から黒豹に変更。2011年ZX-10Rもモチーフと同じですね。

そんなZ1000のD型で凄いなと思うのはプログレッシブな(初期は柔らかく奥で踏ん張る)動きをするビッグピストンフォークとを始めとしたSSと同じ装備を施してる事もそうなんだけどそれよりも細部へのこだわり。

ビッグピストンフォーク

OPのスライダーやガードは勿論のこと、これまでと同様トキコ製ラジアルマウントキャリパーに至るまでKAWASAKIと刻まれている。

こういう細かい所にまでデザインが行き届いてる事に感心するんですが、同時にトキコがよく許したなっていう・・・トキコって日立グループですよ。川崎重工・日立製作所・三菱電機の連合繋がりなんだろうか。

エンジンガード

ちなみにTOKICOの文字はここにあります。

他にもギア比の変更やエンジン出力の見直しが入ってるんですが、F/G型(GはABSモデル)は初代から変わらずルックスに重きを置き、磨き上げたモデルといっていいかと。

話が少し戻りますが、先代で書き損ねたホリゾンタルバックリンクサスペンションについて少しお話。

ホリゾンタルバックリンクサスペンション

これは要するに見て分かる通り、今までスイングアーム下からリンクを介して縦に付いていたリアサスペンションをスイングアームの上からリンクを介してほぼ水平に付けたサスペンションの事。

今となってはZX-10Rなどのスポーツモデルでは当たり前の装備となってるわけですが、これの何が良いのかというとメリットは2つあります。

一つは車体下のスペースが空くことでマフラーレイアウトの自由度が増すということ。

マフラー

厳しくなっていく規制への対応でどんどん大きくなっていく腹下のプリチャンバー(いわゆる弁当箱)のスペースを確保するため。ついでに排気から離す事で熱の影響を小さくすることができる。

そしてもう一つはマスの集中化。

マスの集中化というのは要するに重いものは可能な限り重心に近づける事で、持つ部分よりもボールを当てる先のほうに重心があるバットをイメージすると簡単なんですが、正しく持って振った場合と反対(重心を手に)に持って振った場合、どちらがより俊敏に動かせるかといえば反対に持った時ですね。

マスの集中化というのはこれで最近のバイクのリアがどんどん短くなってるのもこれが理由。SS(というかレーサー)の場合はスリップストリーム対策もありますが。

ホリゾンタルリアサスペンション

話がそれたので戻しますが、この独創的なサスペンションはそのマスの集中化つまり車体中心に近づけるためにやってる狙いもあるという話。

Ninja1000
(ZX1000L/M)
-since 2014-

2014年式Ninja1000

合わせて紹介で申し訳ないんですが、Z1000がモデルチェンジという事で二年しか経ってないNinja1000も合わせてモデルチェンジされL/M型となりました。

「Z1000が無かったら出ていなかった」

と言われておきながらトラコンKTRC(Kawasaki TRaction Control)やエンジン出力をハイとローに切り替えれるモードセレクタを装備。

Z1000の派生モデルだったのに僅か二代でZ1000より豪華装備なるっていう。

プリロードアジャスター

ビッグピストンフォークは流石に付かないみたいですが、代わりにとっても便利なリモートプリロードアジャスター付きリアサスペンションに。

ニンジャ1000

その他にもミラーやウィンカー、スクリーンやカウルなど細部が変更されてるんですが一番大きいのは純正OPの拡充でしょう。

純正OP

車体に合わせた専用パニアケースは格好良いですね。格好良いし安心だし値段は別にしてもツーリングメインなライダーにはありがたいOP。

イグニッションキーで開閉できるっていう純正の強みを活かしたサイドパニアケース。脱着も楽ちん。

2016年モデルではZ1000/Ninja1000共にスリッパークラッチが採用され、クラッチ疲れとおさらば出来る快適性になりました。

主要諸元
全長/幅/高 2045/790/1055mm
[2105/790/1170~1230mm]
シート高 815mm
[820mm]
車軸距離 1435mm
[1445mm]
車体重量 220kg(装)
[230kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
[19.0L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 137ps/9800rpm
最高トルク 11.1kg-m/7300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後43
[前15|後41]
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,199,800円(税込)
[1,285,200円(税込)]
※[]内はNinja1000
※ABSモデル(G/M)は+1kg&+63,800円
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Ninja1000/Z1000SX(ZX1000G/H) -since 2011-

Ninja1000

「パーソナルジェットファイター」

戦闘的なルックスが話題になってたZ1000の兄弟車として出てきたNinja1000(Z1000SX)/ZX1000G型とABSのH型。

簡単に言うとZ1000のフルカウルバージョンなんだけどZ1000にただサイドカウルを付けただけではなくSSルックな外装に総取っ替え。

「SS乗りたいけどポジションが・・・」

「SSに乗りたいけどサーキット行かないし・・・」

「SSを買ったけどやっぱりポジション辛い・・・」

というSSブームによるSS疲れを起こしたけどスポーツ性は捨てたくないという声にドンピシャで答えたモデル。

Ninja1000白

「カワサキはよく考えたな」

と思うわけですが、意外なことにD型開発当初はこのNinja1000は想定していなかったんだとか。

でもD型の開発過程で非常に良く出来たモデルでストリートファイターだけに留めておくのは勿体ないという事で開発された経緯があります。

ただストリートファイターとして開発したものをSSルックなツアラーにするという事にかなり難儀したようで、ライトを可能な限り低い位置に置きつつスクリーンも立てない事でネイキッドベースのフルカウル車にありがちな腰高感を感じさせないようにするなどの創意工夫が施されてる。

Ninja1000スクリーン

それでも大変だったみたいで開発中に

「ツアラーなのにいくら何でもこの防風性はマズいぞ」

ということで最大で18度も角度を変更できる可変スクリーンを急遽装備することになった背景があったりします。

もちろん見た目だけじゃなくてエンジンもレスポンスをツアラーらしさを出すために

・スプロケの丁数の変更

・厚みを増したシート

・4Lアップの逞しいタンク

・タンデムや積載性を考えたグラブバー付きテール

・ラバーマウントの強化

などなどツアラーとして欠かせない要素はしっかり抑えてありました。

そんな中でも面白いのがハンドルで、Ninja1000はZ1000のバーハンドルからセパレートハンドルに変更されハンドルの切れ角も2度ほど上がってるんですが、ハンドルを変えた割にはあまりポジションは変わってない。

ninja1000メーター

じゃあ何でわざわざセパハンにしたのかというと

「欧州人はフルカウル&バーハンを嫌うから」

だそうです。でもこれ日本でも言えるかもね。

主要諸元
全長/幅/高 2105/790/1170~1230mm
シート高 820mm
車軸距離 1445mm
車体重量 228kg(装)
[231kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 136ps/9000rpm
最高トルク 11.2kg-m/7800rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,239,000円(税込)
[1,302,000円(税込)]
※[]内はABSモデル(ZX1000H)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000D) -since 2010-

ZR1000D

「ライディングインパクト」

先代でも言いましたが新生Zのデザインにおいて”ワルであること”が非常に大事だったわけですが、それが突き抜けた形になったともいえる三代目のZ1000/ZR1000D型。上の写真は初年度カラーでヘビ柄シートが大きく話題になりましたね。

最初に変更点をあげると

・1043cc/136馬力の新設計エンジン

・剛性30%UP&3kg減の新設計アルミバックボーンフレーム

・新開発ホリゾンタルリアサスペンション

・新型ラジアルマスター&キャリパー

・ファットハンドル

・フルデジタルメーター

などなどスーパースポーツを剥いただけというストリートファイターの文化をそのまま反映させたような形になりました。

Z1000フレーム

フレームがエンジンの横を通らず上を湾曲するように避けて通ってるツインスパーともいえるバックボーンフレームに、リアサスペンションが水平に付いている。

さらにスロットルバルブも楕円形状。

Z1000フレーム

カワサキらしい独特性あふれる中身なんですが、これらは車体の幅を抑える事でニーグリップしやすくするため。

だから厳つい見た目してるけど跨ってみると実は結構細い。

もう一つオマケで面白いのがスロットルへと続く吸気口。

K-CAS

ハニカム形状で強度をキープしつつ大きく開けることで吸気音をライダーに積極的に聴かせる構造になってる。吸気音を積極的に聞かせる手法は昨今では珍しくないけどカワサキは先駆けてやっていたんですね。

そんなD型が掲げるライディングインパクトを最も象徴するであろう部分はそのポジション。

K-CAS

こういう肩肘張って乗る感じは演出なパターンが多いんだけどD型はワイドハンドルも相まって本当にこんな感じ。

マスフォアードなのも相まってエンジンにしがみついて走ってるんじゃないかと錯覚を覚えるほど。

ZR1000D

ただやはり話題になったのはデザイン。

とんでもない形だったアイデンティティである四本出しマフラーが更にとんでもない形になり、Zガンダムのようだと言われました。

マフラー

他にもサイドシュラウドやアンダーカウルも更に尖ったわけですが、これはZのフォルムを現している形だったりします。

マフラー

ついでに言うとシートカウルの下にはフォルムではなく本当に文字としてZを掘っている。

Z1000シート裏

デザインを最優先に開発されたモデルだからここまでの思い切りの良さというかデザイナーの好き勝手に出来たんでしょうね。

見て衝撃、跨って衝撃、乗って衝撃というサードインパクトじゃなくてトリプルインパクトなD型。シートも攻めてるので尻へのインパクトもありました。

主要諸元
全長/幅/高 2095/805/1085mm
シート高 815mm
車軸距離 1440mm
車体重量 218kg(装)
燃料消費率
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1043cc
最高出力 136ps/9000rpm
最高トルク 11.2kg-m/9600rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,134,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)

Z1000(ZR1000B) -since 2007-

Z1000B

「テーラーメイド・スーパーネイキッド」

水冷Z1000の二代目になるZR1000B通称B型。

デザインが更にマッシブかつワル(これも重視された要素)になったんですが、中身の方も大幅に改良されました。

具体的には

・フレームを作り直し

・エンジン出力をスムーズに

・エンジンを後方に下げ重量配分を変更

・エンジンマウントを兼ねたアルミサブフレーム

・キャスター角を寝かせ気味にしホイールベースを延長

・ラジアルマウントキャリパー

Z1000B

要するに先代よりも安定志向に振っており、デザインも更に凝ったものに。

ちなみにモチーフになったのは『虎』だそうです。

ZR1000B

細かいことをいうとライトだけではなくウィンカーでもそれを彷彿させるようにしている拘りのビルドインウィンカーだったりします。

このZR1000Bは125馬力という相変わらず猛烈な物を持っている一方で、先に話したとおり少しジェントルにする変更を加えたことで

「カワサキらしくない素行の良さだ」

という褒めてるのか蔑んでるのがよくわからない声が多方から聞かれました。

ZR1000B

でも非常に良く出来ていたのは事実で、そのおかげでこのZ1000は非常にシビアでオールマイティさが求められる欧州ミドルクラスへのZ750Rへの転生を果たし成功(非常に高評価でロングセラー)を獲得しミドルZを確立することになります。

主要諸元
全長/幅/高 2090/780/1065mm
シート高 820mm
車軸距離 1445mm
車体重量 205kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 953cc
最高出力 125ps/10000rpm
最高トルク 10.1kg-m/8200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ CR9EIA-9
推奨オイル カワサキ純正オイルR4/S4/T4
または
MA適合品10W-40
オイル容量 全容量3.8L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 1,050,000円(税込)
系譜図
Z11972年
900Super4
(Z1/A/B)
Z900
(A4)
Z1000A1976年
Z1000
(Z1000A1/2)
Z1-R1977年
Z1-R/2
(Z1000D)
Z1000MK2
(Z1000A3~)
Z1000J1981年
Z1000J
(Z1000J)
Z1000R
(Z1000R)
Z1100GP1981年
Z1100GP
(Z1100B)
Z1100R
(Z1100R)
GPz11001983年
GPZ1100
(ZX1100A)
ZR1000A2003年
Z1000
(ZR1000A)
ZR1000B2007年
Z1000
(ZR1000B)
ZR1000D2010年
Z1000
(ZR1000D)
Ninja10002011年
Ninja1000
(ZX1000G/H)
ZR1000L/M2014年
Z1000
(ZR1000F/G)
Ninja1000
(ZX1000L/M)
ZX1000W2017年
Z1000/R
(ZR1000H/J)
Ninja1000
(ZX1000W)
ZX1002K2020年
Ninja1000SX
(ZX1002K)