NC750S/X/INTEGRA(RC70/72/71) -since 2014-

NC750シリーズ

750ccとなった二代目のNCことNC750シリーズ。

ボアを4mm拡大してバランサーを一軸から二軸に変更し振動をさらに低減させました。二軸バランサーって普通高級バイクにしか付けないんだけどね。ホンダで言えばCBR1100XXとか。

一番大きいのはハイギアードでしょうか。700はレッドが6500rpmでトルクフルなのにも関わらずローギアードだったので簡単にレッドに当たる部分を持ってました。それが今回の結構なハイギアード化で解消されたというわけ。まあハイorローは一長一短ではありますが。

NC700の時はエンジンの話ばっかりしてしまって肝心のX、S、INTEGRAの三車種に全く触れてませんでしたスイマセン。

日本で一番最初に発売され、一番人気なのがクロスオーバーコンセプトのNC700X(RC63)そしてNC750X(RC72)です。

NC700X/750X

少しアップ気味なシートポジションでアドベンチャーの空気を醸し出してるモデル。ちなみに似たような車種としてVFR800XとVFR1200Xがありますね。

クロスオーバーコンセプト

ホンダはクロスオーバー出しすぎな気もしますがホンダとしてはこういう住み分けの模様です。

でも正直日本でV4クロスオーバーって車格的にもスペック的にもオーバーで必要性が・・・いやなんでもないです。

次はネイキッドスタイルのNC700S(RC61)そしてNC750S(RC70)です。

NC750S

非常にオーソドックスで外装も必要最低限のモデル。これとクロスオーバーのXは何が違うのかと言えばシート高が違います。Xが830mmなのに対しSは790mmと低め。

安心の足付きで街乗り特化モデル。

NC750教習車

実は教習車としてCB750の後釜になってたりします。こんな新しいバイクで教習できるなんて最近の教習生は羨ましいですね。昔はポンコツの・・・いや、コレもやめておきましょう。

そして最後はINTEGRA(RC63)と750ccになっても変わらずINTEGRA(RC72)です。

INTEGRA

日本でNC700Xが先行発売されたのとは対照的に欧州で先行発売されたスクータータイプ。

欧州市場において打倒TMAX、そしてC650を始めとした相次ぐライバルに対抗するために生み出されました。向こうではこのクラスはMAXIスクーターとか言われています。

RC72

ただ当たり前の様に原付すら抑えて年間販売台数1位を取るTMAXの牙城は厚すぎたのか、2014年モデルではインテグラだけ特別にアルミスイングアームが奢られる厚遇っぷり。欧州ではこのクラスは日常の足で中々な台数が出るから出来るんでしょうね。日本でいう250ビッグスクーターみたいなもんです。

ちなみに国によってはNC700DとかNC750Dという名前だったりします。

さて、NCシリーズといえばメットイン機能を備えているという武器があります。

NC700Xメットイン

通常なら燃料タンクがある部分がパコンと開いてフルフェイスヘルメットを収納できるほどのスペースが設けられているわけです。ちなみに燃料タンクはシート下で給油口はタンデムシートの下。

タンデムシートの下に燃料タンクを設置するというのは、荷物をシートに積んだ状態で給油が出来ず一旦降ろさないといけない手間が掛かるという諸刃の剣なんだけど、NCの場合は驚異的な燃費だからその手間もほとんど要らないから理が大きいね。

ちなみに同じシート下給油が仇となってる車種として有名なのがVmax。

Vmax1200

燃費悪い(10km/L)、ガソリン入らない(15L)、給油口はタンデムシート下、でもう大変。ツーリングに最も向かないバイクと言われてたりするのはコレが理由。まあそもそもアレはドラッガーでツーリングするバイクじゃないしね。

また話がそれました。

インテグラメットイン

ちなみにインテグラも勿論スペースが設けられています。流石にレイアウトの都合でSやXほどのスペースはありませんが、そのぶんだけ足付きが良くなってる。

バイクに乗る人間ならこのスペースのありがたさは痛いほど分かるので力説する事もないでしょう。こういう部分もTake Mid Easyと呼ばれる根拠だったりするわけですね。

主要諸元
全長/幅/高 2210/840/1285mm
<LD:2195/840/1285mm>
[2195/780/1130mm]
{2195/810/1440mm}
シート高 830mm
<LD:800mm>
{[790mm]}
車軸距離 1540mm
<LD:1525mm>
{[1525mm]}
車体重量 217kg(装)
[214kg(装)]
{237kg(装)}
燃料消費率 28.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 14L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 745cc
最高出力 54ps/6250rpm
最高トルク 6.9kg-m/4750rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
または
電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後160/60R17(69W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IFR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量3.7L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L
または
【全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
※DCTモデル/INTEGRA】
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 668,000円(税別)
[619,000円(税別)]
{830,000円(税別)}
※スペックはNC750X(RC72)
※[]内はNC750S(RC70)
※{}内はINTEGRA(RC71)
※ABSモデルは+2kg
※DCTモデルは+12kg
系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

NC700S/X/INTEGRA(RC61/63/62) -since 2012-

NC700X

「New Mid Concept」

ホンダが考えた新しい感動を具現化したバイク。

ニューミッドコンセプト

270度パラツインエンジンを前傾に62°と大きく傾けてスチールパイプフレームに搭載。

非常に低重心なのが写真を見ても分かりますね。

NC700プラットフォーム

このプラットフォームをベースにクロスオーバーのNC700X、ネイキッドのNC700S、スクータータイプのINTEGRAの3バリエーションで展開。

NC700シリーズ

これが出た時

「インテグラと言えば車だ。カッコインテグラ!」

なんて言われたけど、元々インテグラはバイク(1982年CBX400Fインテグラ)が始まりなので返してもらったと言ったほうが正しいです。

カッコインテグラ

・・・というかカッコインテグラとか言っても今時の人は分からないか。ホンダのスポーツカーで昔インテグラっていうのがあったんです。

カッコインテグラ

その車のキャッチコピーが「カッコインテグラ」で車も言葉も大ヒットしました。・・・って車の話はどうでもいい。

このNC700の特徴としてまず挙げられるのが低価格だということ。

日本はNC700X(欧州はインテグラ)が先行発売されたんですが、発売当時649,950円と700ccの大型なのにCB400より安いと大きく話題になりました。

どうしてこんなに安いのかと言えば約四割の部品を海外調達しているからですが、それだけでこれだけ価格が抑えられるなら苦労しない。最初に紹介した通り3モデルというバリエーション展開もコストを下げるため。工業製品の製造コストと言うのは出る数で決まりますから。

もちろん単純なコストカットだけでなくコスト節約のための工夫が随所に見受けられます。

例えばブレーキローターの部分。

NC700プラットフォーム

NC700シリーズのフロントディスクローターって大径で中がスカスカだと思いませんか?

実はこれ、一枚からフロントローターもリアローターも取るっていう一枚で二度美味しい的な事をやってるから。

ディスクローター

思わずナルホドと唸りますね。NC700のフロントローターがコスパと言う割に大きい物を付けてるのはこれが理由。

部品の海外調達もただ海外で作ってるというわけではなく、例えばフレームはインドで材料を調達して、フィリピンで加工して、日本(熊本製作所)で作ってる多国籍フレーム。

熊本工場

ちなみにこのバイクをタイなどのアジアで作っているという勘違いを見たりしますが作ってるのは熊本製作所ですし、エンジンに至っては完全国内生産です。

2016年4月の熊本大地震でこの製作所も被害を受けたようです。ここはホンダの国内二輪を一手に担う工場であり、世界各地にあるホンダ工場の中心マザーファクトリーでもある。だから熊本製作所は勿論のこと、被害に遭われた皆様の一日でも早い復興を祈っています。

さてまた話をNCにもどして・・・このNC700のエンジンはフィットのエンジンを半分にした物っていう逸話が有名ですね。

最近になって少し変わってきましたがそれでもバイクはずっと高馬力でナンボ、高回転でナンボ的な考えが当たり前で燃費の方はメーカーもライダーも関心がない。

2012NC700S

しかしこのNC700のコンセプトは「Take Mid Easy」です。

つまりいつでも気軽に乗れるミドルクラス。気軽に何処へでも乗って行くなら燃費も大事という事で低燃費エンジンを作ろうと決まりました。会社からは「低価格の大型バイク」という要望だけで燃費については何も言われなかったそうですが、ただ低価格なだけのバイクなんてツマラナイとして燃費も追求するようにしたそうです。

が、先に言ったように今まで二輪で燃費なんて大して考えてこなかっただけあり、どうすれば燃費が良くなるのかサッパリで頓挫。

そんなこんなで行き詰った中での飲み会で

「フィットのエンジンを半分にして載せちゃえば、直列2気筒の670ccになりますね」

と、酔った勢いの冗談で言った一言が引き金に。すぐにフィットの開発陣に頭を下げて低燃費技術を乞い行ったそうです。

フィットL13A型

だから出来たエンジンのボアストロークはフィット(L13A型)とほぼ一緒。ストロークが数mm違うだけ。

実は二輪部門の人間と四輪部門の人間が接触して技術提供するのはホンダにとっては異例な事だそうです。同じホンダなのに大きい会社というのは違いますね。

そんなFITを参考に作ったエンジンですが、一風変わった作りをしていることをご存知でしょうか?

NC700のエンジン

一見するとなんてこと無い270度クランク(Vのツインの様な特性)のパラツインに見えますが、面白いことに吸排気系がほぼ一本化されている作りをしています。要するにツインエンジンなのにシングルエンジンみたいな吸排気レイアウトをしている。

それがよく見て取れるのが吸気ポート。吸気の分岐がシリンダーヘッド内で行われてるんです。

インテーク

皆さんご存知のように普通はもっと前の段階で気筒ごとにマニホールド(筒)で分けられています。何故ならそうしないと圧による吸気干渉を起こしてしまうから。要するに他のシリンダーの吸気動作を邪魔してしまって思い切り吸えなくなっちゃう。

しかしNCではそれを逆手に取って”敢えて”吸気干渉を起こし不規則な燃焼、つまり計算された干渉を起こし鼓動感を出してるわけです。CB1100なんかでもやってる技術ですが、コッチの場合は一本化した上でやってるから更に凄い。

カムシャフト

コレはバルブを動かすカムシャフトで、(写真だと分かりにくいのですが)吸気干渉を計算して右と左でカムプロフィール(山の形)を変えてるんです。

他にも色々とあるんですがまとめると・・・

二輪初の軽量アルミロッカーアームを始めとした技術でフリクションロスを極限まで減らしつつ、意図的な吸気干渉で左右の燃焼に変化を起こし鼓動感を演出しつつ、吸気干渉による発熱差から来る歪みをアルミでも起こさせない設計をしつつ、アイドリングからストイキ(理想空燃比)に張り付く燃焼効率と排気脈動の最適化で41.0km/Lを実現しているわけです。

エンジンスケッチ

そのせいか特許の数も他の車種とは比べ物にならないほどあります。少しは凄さが伝わったでしょうか。

どうしても”低燃費”と聞くと四輪の影響もあって、薄く退屈な特性というイメージが湧いてしまう人が多いと思いますが、そういうわけじゃないという事だけでも伝わってれば幸いです。

NC700Xフルオプション

実際このバイクが出た時に凄く不評というか批判を受けていたのを思い出しますが、実は開発段階でも社内から懐疑的な声がかなり聞こえていたそうです。

しかし絶対的な自信を持っていた開発主査の青木さんはそれらを黙らせる為に、当時のホンダ社長であり、バイク大好きであり、同時にバイクにとてもうるさい伊東前社長が自ら行う市販予定車試乗テストにNC700を紛れ込ませた。

伊東前社長

そしたら「今までにない挑戦的で面白い大型バイクだ」と数ある試作車の中でも大絶賛。

この一件以降はそれまであった反対の声がウソのように鎮まるどころか、「あの社長がベタ褒めしたバイクを俺にも乗せてくれ」と社内一の人気試作車になったそうです。

一般ライダーにはどうだったのかといえば、販売台数を見れば好評なのは一目瞭然ですね。

DCT

最後になりましたが、少し遅れてDCTモデルも追加されました。

主要諸元
全長/幅/高 2210/830/1285mm
[2195/760/1130mm]
{2195/790/1440mm}
シート高 830mm<LD:800mm>
[790mm]
{775mm}
車軸距離 1540mm
{[1525mm]}
車体重量 214kg(装)
[211kg(装)]
{238kg(装)}
燃料消費率 41.0km/L
[41.5km/L]
[38.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
総排気量 669cc
最高出力 50ps/6250rpm
最高トルク 6.2kg-m/4750rpm
変速機 常時噛合式6段リターン
または
電子式6段変速(DCT)
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後160/60R17(69W)
バッテリー YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IFR6G-11K
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量3.7L
交換時3.1L
フィルター交換時3.4L
または
【全容量4.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L (クラッチ含む)
※DCTモデル/INTEGRA】
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 619,000円(税別)
[598,500円(税別)]
{770,000円(税別)}
※スペックはNC700X(RC63)
※[]内はNC750S(RC61)
※{}内はINTEGRA(RC62)
※ABSモデルは+4kg
※DCTモデルは+12kg
系譜図
NC700S2012年
NC700S/X/INTEGRA
(RC61/63/62)
NC750S2014年
NC750S/X/INTEGRA
(RC70/72/71)
2016NC750S2016年
NC750S/X
(RC88/90/89)
XADV2017年
X-ADV
(RC95)
2021NC750X2021年
NC750X
(RH09)
RH102021年
X-ADV
(RH10)

CBR600RR(PC40最終) -since 2020-

2020CBR600RR

「Awaken the Race」

もう終わったものと思っていたらまさかの復活を遂げた本当に本当の最後になるであろうCBR600RRのPC40最終型。

2020CBR600RRデザインスケッチ

最初に変更点をあげると

【外側】
・クラス最小のCD値(空気抵抗係数)
・ダウンフォースを稼ぐウイングレッド(フロント荷重寄与)
・ヘッドライトとウィンカーのLED化
・急制動の検知でハザード点灯
・新設計スイングアーム(3mm延長/-150g/剛性見直し)

【内側】
・ロングリーチプラグによる冷却効率強化
・キャタライザーの大型化(EURO4対応)
・フルカラーTFT液晶メーター
・スロットルバルブの電子化と大径化
・吸気ポートの大径化
・バルブタイミングや材質の変更
・アシストスリッパークラッチ

【その他】
・5軸IMU(慣性計測装置)
・車体姿勢推定型ABS
・5段階の出力モード切替
・9段階のトラクションコントロール
・3段階のウイリー緩和制御
・3段階のエンブレ制御
・3段階の上下対応クイックシフター(※オプション)

という感じで、早い話がフル電子制御化(CBR1000RR/SC77から拝借)とピークパワーを上げる改良が施されました。

パワーカーブ

何気に日本国内としては17年目にして初めての正真正銘フルパワー仕様でもあるんですが、サーキット性能をアップさせることで主にアジアなどの市販車600レースに対応するためとの事。

ウィングレットなど見た目もCBR1000RR-Rの流れを汲む形になったことで

「CBR600RRもトラック至上主義に」

と思いがちなんですが、車体やポジションがほぼ変わっていない事から見てもキープコンセプト。

2020CBR600RRディメンション

コンセプトは何かっていうと前期でも話しましたが

『圧倒的な乗りやすさ』

です。

このPC40型は本当にSSの中で一番乗りやすいと言っても過言じゃないほどそれが極まってる。

分かりやすいのがポジションでCBR600RR/PC40はSSのわりにはかなり前傾姿勢が緩く優しい。SS慣れしている人間からするとツアラーかと錯覚するほどで、街乗りやツーリングにも無理なく使える乗りやすさがある。

ハンドリング

しかしその一方で主戦場であるサーキットを走ってもちゃんとフロントに安心感があってバッチリとハマるから

『乗りやすい=速く走れる』

っていう本当に反則級の優しさを持ってる。

これはホンダのファクトリーマシンである

「乗りやすさこそが速さに繋がる」

というRCV精神から来ているもので、それを忠実に再現しているのがCBR600RR/PC40の特徴であり凄い部分であり最終型でも変わっていない最大の武器。

2020年式CBR600RRデザイン

正直に言うともう新たに起こすほど開発費が掛けられなかったのも大きいんでしょうがCBR600RRの場合はそれで正解だったと思います。センターアップマフラーなんかその象徴かと。

ところで

「なんでもう最終型なの」

って話が気になっている人も多いと思うので時事ネタになりますが話すと、まず第一に2020年10月からの排ガス規制EURO5には対応せず滑り込むように8月末に発売された事が一つ。

2020年式CBR600RR発売日

そしてもう一つがご存知の方も多いと思いますがクラスの人気低迷。

600のスーパースポーツっていうのは日本以外だと欧州がメインターゲットだったんですが

・リーマンショック
・競争激化(過激化)による消費者離れ
・馬力(パワーウェイトレシオ)で区切る免許に統一
・上記に関連して保険も青天井

などによりブームが去ったというより市場が消え去ったに等しいものになったのが要因。

ドイツのバイク保険

スーパーバイク大好きなイギリスですらこのクラスはもう車種あたり年間30台前後しか売れていないんだそう。

この余波で市販600の存在意義である

『世界レースWSS(600ccの市販車世界レース』

も2022年からはトライアンフのDAYTONA765やドゥカティのPanigale V2(955cc)など規格をオーバーするモデルも参戦できるよう柔軟な変更が行われる予定になった。

つまりもう四気筒600の必要性が無くなってきちゃったわけです。

そんなもんだから

・日本メーカー(ライバル)も参戦は2021年まで
・ホンダはベイビーブレードをWSSに参戦させない※ホモロゲ(参戦資格)自体は取ろうと思えば取れる

という話も上がってます。

じゃあ公式でも言われている巨大市場のアジアはどうかというと、まだバイクが日用品の域を出ていない国が多い。

アジアでの600SS

趣味としてバイクを利用する人が増えてきている国としてはインドネシアがあるんだけど

『250cc以上で60%、500cc以上で125%の物品税』

という形になっているので売るに売れない。

唯一可能性があるのが大型二輪の関税が2017年末で撤廃され税金もそんなに高くないタイなんですが、世帯平均月収が3万バーツ(約10万)なのでさすがに160万円のミドルスポーツは厳しい。

サイドビュー

ついでに言うとお金持ち国家アメリカはオフロードとクルーザーがメインなうえ大排気量主義なので600SSは人気がありません。

最後と言えるのはこれらの理由があるからで

「このクラスを買える環境にあるのは日本のライダーだけ(誰も買わないけど)」

というなんとも皮肉な環境なんですが、これは言い換えるとレースベースとしてはアジア需要が第一にあるものの市販車としては

「日本のために出した意味合いが凄く強い」

という事。CBR600RRのフルスペック(フルパワー)仕様を正規で出せなかった歴史もありますしね。

レースベース

なかなか粋な事をするもんだって話ですが、さらに粋なのが最後の最後でこのカラーリングだった事。

ただこれが出た時このトリコロールカラーに二の足を踏む人が結構いましたね。野暮な話ですがそれも分からなくもない話。

というものCBR600RR(特にPC40型)は20~30代と比較的若くトラックとは少し距離をとってるライダーに人気だったこと事から、ホンダも街に溶け込むスタイリッシュなカラーリング展開をしていたから。

トリコロールカラー

この赤基調に青白ラインのトリコロールカラーに違和感を感じる人が出てくるもそういう背景があるから仕方がないという話なんですが、そう思ってる人に是非とも知って欲しいというか聞いて欲しい事があります。

「このパターンのトリコロールカラーは過去にもあった」

という事です。

それがいつかといえば1973年。

ドリームCB750FOURを市販車レースに出すために造られたCB750Racer。

1973年CB750R

初めて世界レースへ打って出た市販スーパースポーツであり、初めてRが付いたCBレーサーであり、初めてトリコロールカラーを纏ったモデル。

明らかにこれに通ずるカラーリングなんです。

これが偶然なのか意図したものなのかは分からない。

2020CBR600RRカタログ

でもどちらにしろ

「最後を飾るのにこれほど相応しいカラーリングはない」

と言えるんじゃないかと。

※補足:HRC/トリコロールの由来と一人の日本人レーサー|バイク豆知識

主要諸元
全長/幅/高 2030/685/1140mm
シート高 820mm
車軸距離 1375mm
車体重量 194kg(装)
燃料消費率 17.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 121ps/14000rpm
最高トルク 6.5kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SILMAR9C9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,460,000円(税別)
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

【関連車種】
YZF-R6の系譜GSX-R600の系譜ZX-6Rの系譜DAYTONA675の系譜

CBR600RR(PC40後期) -since 2013-

PC40後期

「躍動のスーパースポーツ。」

逆スラントノーズに変貌したCBR600RRのPC40後期。

最初に変更点をあげると

・先代比-6.5%のDS値(空気抵抗係数)
・ラムエアダクト変更による高域トルク向上
・ビッグピストンフォーク
・12本スポークホイール

などなど。

メインで6年ぶりのモデルチェンジとしては比較的小規模で車重は+2kgとなりました。

2017CBR600RRデザイン

「Stoic & Dynamic Form」

というコンセプトによって造られたデザインによりオマケ程度しかカウルがついてなかった前中期から全体を覆うレーサーライクな物に変更。水平に切られたセクシーなサイドカウルの合わせ目は1000RRを思い出しますね。

ちなみにこのデザインの最大の理由は空気抵抗をへらすことで今回のモデルチェンジの最大の売りは、カッコいい12本スポークでもビッグピストンフォークでも上から見るとライトが無いように見える逆スラントライトでもなくこのエアロダイナミクス。

CBR600RRエアロダイナミクス

今までCBR600RRはエアロダイナミクスを一切公開してなかったんだけど、今回に限ってはコレでもかというほどアピールしててRC212Vを引っ張りだしてまで比較。何故ならあのRC212Vに匹敵するほど優秀だから。

画像を見るとベタ伏せのレーシングポジションでの比較で一般ライダーは関係ないと思うかも知れませんが、一般的なポジションでも

『先代比-6.5%』

を達成してる。

このCD値(空気抵抗係数)っていうのは結構軽く見られがちなんだけど、サーキットにおけるトップスピード向上はもちろん一般用途においても燃費や加速そして風による疲労が軽減されるので実は凄く性能に直結する部分だったりします。

逆スラントですがこうなったのもこれが関係していて、一つはいま話した空気抵抗を減らす事。

チンスポイラー

アッパーカウルの裏側に整流用のスポイラーを付けることで空気抵抗を減らし、リフト量(車体を持ち上げようとする風の力)も抑える事でフロント荷重の改善化している。

ただこの顔にはもう一つ大きな特徴がある。それはラムエアダクト内にある防水プレートを2重スポイラーにしたこと。

逆スラント化で導風性を上げたんだけど、すると今度はスラントでは問題にならなかったエアクリーナー内で気圧の乱れという問題が起きた。

ラムエアインテークシステム

エアクリーナーボックス内の気圧が乱れるのは当然ながら吸気によろしくない。

そこでダクトから入ってくる空気の圧を二回に渡って捌き、スロットルボディボディまでに均等に慣らしてるというわけ。

つまりこの後期型は

『超エアロフォルム』

っていうわけですね。

最後にちょっと小話。

Moto2へのエンジン供給そしてレースベースこそ2017年も発売しWSS(市販車600レース)への出場もするものの、市販車CBR600RRはEURO4規制に準拠していないアメリカを除き販売終了。

レプソル600RR

つまり規制によって生産終了するわけですが

「規制に対応出来ない」

ではなく

「規制に対応しない」

というのが実情でしょう。理由はズバリ600SSブームが去ったからなんですが、じゃあブームの頃はどれだけ売れてたのか・・・少し調べてみました。

先ずホンダの年間販売目標(国内仕様)で比べてみると、ピークだった2007年のPC40前期は1500台/年。それに対してこのPC40後期は300台/年。単純計算で1/5にまで縮小している。

では肝心の実売はどうだったのか2016年の販売台数を調べてみるとCBR600RR(13~)はランク外で正確な数字は分からず・・・少なくとも300台未満なのか確実。

レプソル

数々の600レースを総ナメにしたCBR600RRですらこれほど厳しいのが現実。

まあでもこれは全体を見た話で、オーナー目線で見ると最も被らないCBR600RRって事で所有感は一番満たされるモデルでもある。

主要諸元
全長/幅/高 2030/685/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 189kg(装)
{199kg(装)}
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/12000rpm
[119ps/12600rpm]
最高トルク 5.3kg-m/10000rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
VUH24D
[IMR9E-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,098,300円(税込)
※{}内はABSモデル
※ABSは+168,000円
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC40中期) -since 2009-

PC40後期

「妥協なきスポーツパフォーマンス。」

基本的には前期と変わらないんですが自主馬力規制撤廃で78馬力になったので分かりやすいように中期とします。

ピークを上げた事で騒音規制に引っかるようになったのか剥き出しだったエンジン部分が吸音材入りカバーで覆われているのが特徴。

パワーを上げるに伴い一応吸気ポートの表面処理の変更など細部の改良も施されてるんですが、中期と区切った一番の理由は

『コンバインドABSモデルの追加』

にあります。

コンバインドABS

これはすごく簡単に言うとブレーキの電子制御化(ブレーキバイワイヤ化)によって可能となったABSシステム。

普通ブレーキというのは

ブレーキを握る

ブレーキフルードがキャリパーそしてピストンを押し出す

ピストンがブレーキパッドをローターに押し付ける

ブレーキが効く

という感じなわけなんですが、このコンバインドABSはブレーキを握ったり踏んだりしてもそのままキャリパーピストンへは向かわずバルブユニットが電気信号に変えてECUに送る。

2009PC40ポスター

ブレーキを握る

ブレーキフルードがECU側に圧をかける

ECUが圧を測定し独自のラインから圧をかけてピストンを押し出す

ピストンがブレーキパッドをローターに押し付ける

ブレーキが効く

という感じで、受け取ったECUがブレーキの強さを計算し最適な入力になるよう補正を掛けてパワーユニットのモーターを動かしてブレーキを掛けるという仕組。

ECUが起きてないエンジンOFF時などはバルブユニットを通してそのままブレーキが掛かる従来通りのシステムになっている。

これの最大のメリットはパニックブレーキによる握り転け(フロントをロックさせてガシャン)を防げる事・・・でもこれだけなら既存のABSでも同じというか二輪のABSはそれを防ぐためにある。

「じゃあコンバインドABSは何が違うのか」

というとフロントがロックするとECUが判断した場合リアブレーキを自動で開始し最短で止まれるプロ並みの急制動をしてくれるというわけ。しかもブレーキバイワイヤなのでキックバックもない。

2009PC40ポスター

雨の日でも躊躇なくフルブレーキングを掛けられる人なら要らないかもしれませんが、そうでもない限りは恩恵は大きい。

ユニットを4つも積まないといけない事から10kgも車重増してにしまったわけなので

「なんでSSに付けるんだ」

っていう声もありました。

気持ちは分からないでもないですが安全のためなら安いものだし、何よりこのシステムは元をたどると

『HRCレーサーRVF(R-CBS)』

から来ているこれもレース直系の技術だったりするんですよ。

そう考えると半レーサーであるCBR600RRに搭載されるのもそんなにおかしな話では無いかと・・・まあABSモデルは車体価格の関係もあって全体の2割にも満たなかったらしいですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2010/685/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 187kg(装)
{197kg(装)}
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/12000rpm
[119ps/12600rpm]
最高トルク 5.3kg-m/10000rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
VUH24D
[IMR9E-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,098,300円(税込)
※{}内はABSモデル
※ABSは+168,000円
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC40前期) -since 2007-

2007CBR600RR/PC40

「True to The Function(真の機能とは)」

600SSの熱がちょうどピークに達していた頃に出てきたCBR600RRのPC40型。

PC40ポスター写真

デザインに目が行きがちなんですが一番大きく変わったと感じるのは何よりポジション。シート高こそ先代と変わらない820mmですが形状見直しで足付きが、ハンドルが上げられたことでポジションがそれぞれ優しくなりました。

とはいうもののホンダにとって特別な称号であるRRという名を付けているだけあって最新技術を奢られたスーパースポーツである事に変わりはなく、数字的な事で言うと更なるコンパクト化が計られ車重も

「装備重量で187kg(先代比-7kg)」

ともはや心配になるほど驚異的な軽量化となったわけですが、ここまで軽くするためにもちろん様々な事をやっています。

・メインとカウンターを寄せ上げエンジン長を短縮
・フレームをフルダイキャストの4ピース構造にし肉薄化
・ピストンに高純度モリブデンを着床させピストンリング肉薄化
・コンロッドの再設計

CBR600RRシャーシ

他にもカウルの大幅な肉抜き・・・などなど、などなど。

グラム単位での軽量化を積み重ねの末に達成したクラス最軽量600SS。カッコいいだけのセンターアップマフラーを採用したままでこの車重は凄い。

2007pc40

言い忘れていましたが1000でお馴染みの電子制御式ステアリングダンパー

『HESD(ホンダ エレクトロニック ステアリング ダンパー)』

も採用しています。

それにしても何故ホンダがこれほどまでに軽量化に舵を切ったのかといえばRRというのは元々ライトウェイトである事が至上命題とされていたから。

PC40

そのこだわりは車体だけに留まらずなんとタイヤにまで至っています。

「標準(OEM)タイヤはコストカット品だから良くない」

という声を聞きますがこのPC40が履いていたBT-015(CBR600RR仕様)はコストカット品じゃない・・・これ重量カット品なんです。タイヤに至るまで軽量化に余念が無いっていう。

ただもう少し掘って話すと単純に軽くする事が狙いというわけではなく

「軽さこそが扱いやすさ、そして速さに繋がる」

という考えの元に軽くすることに心血を注いでいるのが正しいコンセプト。

PC40ポスター写真

『600史上最小&最軽量』

としつつもポジションを優しめに改良したのもそういう事から。

実際PC40型は非常に乗りやすく日常でも使える優しさを持っていると言われる一方、世界レースでも連勝を伸ばし6連覇を達成するほどレースベースとしても非常に優秀でした。

CBR600RRコニカミノルタ

ちなみにこれは2007年のMotoGPマシンRC211V(コニカミノルタ・ホンダ・チーム)を模したスペシャルエディション。

本家を超えるほど似合っていたためか今でも非常に人気があるカラーリングだったりします。

主要諸元
全長/幅/高 2010/685/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 187kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[119ps/13800rpm]
最高トルク 5.2kg-m/11500rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9HES
[IMR9C-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,076,250円(税込)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC37後期) -since 2005-

06CBR600RR

「RR Revolution.」

期待通り二年でモデルチェンジしたPC37後期モデル。ぱっと見変わってないように思えますがフラッグシップスポーツなだけあり随所で改良が行われました。

フレームマウントやスイングアーム、マフラーといった重量物の設計を見直して5kgもの軽量化。更に足回りもフロントフォークが要望が多かったのか販売店からの突き上げにあったのか正立から倒立に変更され、ブレーキもトキコのラジアルマウントキャリパーとSSのトレンドに合致した足回り。

顔つきもラインの影響か結構変わったんですが、この頃の600RR(PC37)はその少し強面な顔の通りホンダとしては結構スパルタンなモデルになっています。

pc37後期

分かりやすいのがポジションで、このモデルまではハンドルが少し低くキツめで

「ストリートとサーキット双方の王者」

と言う謳い文句でしたが結構サーキット寄りでした。※あくまでも600RRとしては

まあこれはCBR600Fが主要市場の欧州などではまだ存続していた事も関係しているんでしょうが、CBR1000RRを含めこの頃のRRはちょっと異質というかレースにかなりウェイトを置いていたRRと言えるかと思います。

ちなみにそれなだけありPC37型は肝心の市販600世界レース(WSS)においてデビューイヤーの2003年から4連覇、つまり出たレース全部で総合優勝を果たしています。

モビスターカラー

これはその記念に出されたモビスターカラー。

ちなみに日本国内のST600(改造範囲が狭いクラス)でも4連覇しており本当にセールスもレースも敵なし状態でした。

ところで言い忘れていたのですがCBR600RRはPC37前期の頃から国内仕様がありました。

ある程度の加工で100馬力近いスペックのセミフルパワー化は可能になるんですが、完全フルパワー化しようと思ったらカムシャフトも変える必要性があり少しハードルが高かった。

お節介だとアッチコッチで言われたんですが、これは低域での乗りやすさを考えてのことだし何よりカムが国内向けと国外向けで違うのは別に600RRに始まった事でもホンダだけの事でもないんですけどね。

06CBR600RRリア

なのに大きく話題になったのはそれだけCBR600RRが人気だったという証でしょう。

主要諸元
全長/幅/高 2010/690/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 194kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[118ps/13250rpm]
最高トルク 5.2kg-m/7500rpm
[6.0kg-m/10750rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9HES
または
VUH24D
[IMR9C-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 966,250円(税込)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC37前期) -since 2003-

2003年式CBR600RR

「Innovative Wonder(驚異の革新性)」

初代CBR600RRことPC37前期型。

先ず何故ホンダがこのようなバイクを出したのかというと、自身がCBR600Fで切り開いたミドルスポーツクラスが欧州で加熱し市販車世界レースの一つのクラス(WSS:スーパースポーツ)になるまでになったことが一つ。

そしてもう一つは世界最高峰レースであるMotoGPが2stから4stに移行したことがあります。

RC211V

見比べてもらっても分かる通りCBR600RRはMotoGPマシンであるRC211V(ホンダ初の4stGPマシン)を強く意識したデザイン。本当にソックリですよね。

レースやサーキットを強く意識する必要があったためほぼほぼ完全新設計で

・デュアルインジェクション(PGM-DSFI)
・アルミダイキャストシートフレーム
・ユニットプロリンク

などなどホンダの持ちうるレース技術が総動員されたような形になっています。

2003CBR600RR

まず目立つのはやっぱりエンジンで、主要三軸のトライアングル配置は勿論のことエンジンスターターをわざわざ右側に持ってきてジェネレーターを中央へ押し寄せるなど

「とにかく小さく短く細く」

という創意工夫が至る所で行われている。

もちろんパワーも大事でエンジンには

・VTR1000SP譲りの浸炭ナットレスコンロッド(140g減)
・スカートを短く出来る新型スリッパーピストン(8g減)

などを採用。

2003pc37

たかがグラムと思うかもしれませんがピストンとコンロッドというのは往復運動をする最も忙しなく動く部分で、掛け算で膨れ上がっていく慣性重量を軽減しレスポンスを上げるには最も効果的な部分。

足回りもワークス直系の

・アルミ製ハイブリッドスイングアーム
・ユニットプロリンクリアサスペンション

などレース技術のフィードバックにあんまり積極的じゃないホンダらしからぬ本気度が見て取れる直系っぷり。

2004年モデル

ここまでやって正立フロントフォークっていうホンダらしさというかCBR900RRを彷彿とさせるこだわりがなんとも面白いんですが、コレはコレでホンダとしては最大サイズとなる極太フルアジャスタブルフロントフォークで安物ではありません。

正立の採用理由は間違いなく軽量化でしょうね。

・・・でもですね、多分CBR600RRを買った人やカッコいいと思ってる人の多くはそんなテクノロジーに惚れたんじゃなくてこのセンターアップマフラーに惚れた人が大半ではないでしょうか。

CBR600RRエンジン

合理性を何よりも求められるSSにおいて

「カッコいいから」

という至極単純な理由で採用されたセンターアップマフラー。

2003pc37

熱いし重いしマスの中心化に不利・・・なのを補って有り余るカッコよさ。

主要諸元
全長/幅/高 2010/695/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 199kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[118ps/13000rpm]
最高トルク 5.2kg-m/7500rpm
[6.7kg-m/11000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9H
または
VUH24D
[IMR9C-9H]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 890,000円(税別)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR650R/CB650R(RH03)-since 2019-

RH03

「The Future of the Modern Sportbike」

650Fの後継となるCB650RとCBR650Rで型式はどちらもRH03型。

Rという末尾からも分かる通り先代よりも軽量化と足回りの強化でスポーツ志向なモデルとなりました。

CB650RとCBR650R

最初に主な変更点を上げると

・フレームの形状及び製法の変更

・ホイールの変更

・ボトムブリッジのアルミ化

・倒立フロントフォーク

・ラジアルマウントキャリパー

・エンジンの見直し

・給排気系の見直し

・トラコン&ABS

・フルLED化

※クイックシフター(UPのみ)

※グリップヒーター

※ETC2.0

※アクセサリー電源

などなど。※はオプション

CBもCBRもステップとハンドルを下げてかなりヤル気なポジションになってますね。

CB650R/CBR650Rポジション

ハンドリングも倒立フォークとボトムブリッジのアルミ化などでフロント剛性をかなり上げているのでSSの様なキビキビ系にされています。

ただその一方でメインフレームは綺麗なスチールフレームからは大きく変えずサスもダイレクト感重視のリンクレス。

CB650R/CBR650Rフレーム

「あくまで主戦場はストリート」

という事を主軸においているのが分かりますね。

そういえばCB250Rやcbr600fで説明し忘れていたんですがネイキッド版のCB650Rの方はシリーズの例に漏れず特別塗装の赤を採用したモデルが用意されています。

CB650R赤

『キャンディークロモスフィアレッド』

という色です。

光の透過率を格段に向上させ見る角度によって豊かな立体感を実現した三層構造の塗装。

キャンディークロモスフィアレッド

なんでもこれは一層目に赤顔料と反射率の高い『高輝度着色アルミフレーク』と呼ばれるものを『配向制御』といって重ならず平らに敷き詰める様に塗り、その上から透明度と彩度の高い赤顔料を塗ることで可能にした色との事。

車も知る人は

ソウルレッド

「マツダのソウルレッドじゃん」

と思うかもしれないですね、人気ですし。

ただ実はこの『配向制御』を一番最初にやった日本メーカーは他ならぬホンダなんです。

スーパープラチナメタリック

2005年に発売されたシビックの『スーパープラチナメタリック』という色が国産初。

実はホンダの方が先にやってたんですね・・・この時マシーンシルバーとかソウルシルバーとか銘打ってアピールしていれば。

話がズレてきたので戻しますがCB-Rシリーズの中でも650はCBRとの兼ね合いもあってか比較的スタンダード・・・というか250と1000が突き抜け過ぎてるので良識あるCB-Rと言ったほうが良いかと。

CB650Rネイキッド

ただCB650Rが兄弟車より突き抜けてる部分も勿論あります。

今どき珍しい中低速重視の直四な事から直四を気軽に楽しめる事もあるんですが、何よりエキゾーストパイプですね。

CB650R壁紙

CB400FOURを彷彿とさせる集合管。

先代からの物がベースで排気の音質をアップさせたものなんですが、まるで外装をエキパイに合わせるかの様に変更した事でシリーズで一番ネオレトロ感が強いモデルになりました。

そしてもう一つのフルカウルバージョンであるCBR650R。

CBR650R/RH03

CBR1000RRと区別がつかないほどの戦闘的なルックスになったというか、サイズから見ても存在感はこっちのほうが大きかったりします。

CB650Rとの主な違いとしてはセパハンによる前傾ポジションもそうなんですが大きいのはエアクリーナーボックス。

CBR650R吸気

前後から吸う形にして安定性を取り低速重視にしているCB650Rに対し、CBR650Rはラム圧を稼げるように前方からストレートに吸えるスーパースポーツ系と同じ形にして高速重視に。

だから実はレスポンスが結構変わっています。

ところで少し小言を言わせてもらうとCBR650Rってアレですね・・・

CBR650RとCBR600F4i

CBR600F4iの再来ですよね。

F4iを知る人ならCBR650Rは

「F4iにABSとトラコンが付いたモデル」

といえばこれ以上の説明は要らないかと思いますが詳しく知らない人に説明すると、系譜を辿ると分かるように元々このクラスはCBR600Fがオールラウンダー直四スポーツとして人気が出たことで確立されたクラスです。

そこから人気とともに性能競争が激化した事でCBR600Fもスポーツ性を上げるモデルチェンジを繰り返し最終的にCBR600RRへとなりました。

CBR600の歴史

その中でCBR600F4iはあくまでストリートバイクだったCBR600Fをベースにスポーツ性を高めた最終モデル。

だからスポーツなのかスーパースポーツなのか非常に微妙な立ち位置でした。でもその微妙な立ち位置のおかげで街乗りからツーリングはもちろんの事、サーキットからジムカーナから果てはエクストリームまで色んな部門で重宝される本当にオールラウンダースポーツでした。

そしてこのCBR650R。

CBR650Rイギリス仕様

ストリート重視のオールラウンダーCBR650Fのスポーツ性能を高めたモデル・・・そうF4iと全く一緒なんです。

・厳し過ぎないポジション

・低域からトルクフルな直四

・100万円を切るコストパフォーマンス

などの特徴、そしてスポーツなのかスーパースポーツなのか非常に微妙な立ち位置まで一緒・・・でもだからこそ同じ様に何でも出来るし、何でも楽しむ事が出来る。

CBR600R壁紙

これはスペックが求められたSSブームが去った今だからこそ許されたモデルでしょうね。

FでもRRでもなく『シングルR』という名が本当によく似合ってる。

主要諸元
全長/幅/高 2130/750/1150mm
[2130/780/1075mm]
シート高 810mm
車軸距離 1450mm
車体重量 207kg(装)
[202kg(装)]
燃料消費率 21.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 648cc
最高出力 95ps/12000rpm
最高トルク 6.5kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
または
U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク118
車体価格 923,400円(税込)
[999,000円(税込)]
※[]内はCBR650R
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

【関連車種】
MT-07の系譜GSX-S750の系譜Ninja650/Z650の系譜空冷MONSTERの系譜

CBR650F(RC83後期) -since 2017-

2017CBR650F

EURO4への対応を機にマイナーに近いモデルチェンジした新型のCB650FとCBR650F。

主な変更点としてはヘッドライトのLED化を始めとした外装の変更、フロントフォークのデュアルベンディングバルブ(SDBV)化など細部のグレードアップ的なもの。

ディアルベンディングバルブ

NC750Xにも採用されて向こうで説明したけどこのSDBVっていうのは簡単にいうと既存のフロントフォークのままコンフォート性能を向上させることが出来るサスペンション。ハーレーの一部の車種も採用していたりします。

他にも吸排気の見直しで3kW(4馬力)ほどアップしている模様。

CB650F
(RC83後期)
-since 2017-

2017CB650F

相変わらずエキゾーストパイプが綺麗ですが、エンジンカバーが色分けされた事で600RR譲りの主要三軸のトライアングル配置アピールも効いてますね。

さてさて・・・もう先代で言いたいことは言ってしまったので書くことも無いのですが、改めて650Fについて調べてわかったこと。それはデザインです。

2017CB650F/CBR650Fフロント

語るほどのデザインじゃないとお思いでしょう・・・正直同感です。

このデザインの流れを作った先々代のCBR600F(PC41)いわゆる第二世代600Fのデザイナーはメイン市場がイタリアということでイタリアの・・・イタリアホンダの・・・・すいません名前を失念してしまいました。

2017CB650Fリア

まあとにかくイタリアの方なんですが、デザインコンセプトとしたのは

「10年後にもっと好きになるデザイン」

だったそうです。

このコンセプトを見た時、コレほどまでにこのバイクを表す表現は無いのではなかろうかと、掴みどころがないと言った事を恥じるほど感心しました。

2017年式CB650F|CBR650F

見た目もそれほど美味しそうではなく、少し噛んだくらいでは味がない。もういいやとアゴが疲れてきた頃になって濃厚な味が出てくるスルメみたいなバイク。

それが30年以上も系譜が続いているCBR650FそしてCB650Fの武器であり魅力ではないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2110/780/1075mm
[2110/755//1145mm]
シート高 810mm
車軸距離 1450mm
車体重量 208kg(装)
[213kg(装)]
燃料消費率 21.4km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 649cc
最高出力 90ps/11000rpm
最高トルク 6.5kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
または
FTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
または
U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク118
車体価格 923,400円(税込)
[999,000円(税込)]
※[]内はCBR650F
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)