「心震わすスーパーVツイン」
VTR1000Fの後期モデル。
後期モデルで燃料タンクが2L増えてハンドルの垂れ角も見直され若干ツアラー寄りになりました。HISSも新たに装備。
最初にこのFモデルこそVTR1000だと言ったんですが、それは構造だけでなく欧州が求めた”味”の部分まで非常に良く出来てるから。
ツインならでは細身やトルク感はもちろんのこと、ピボットレスフレームのおかげで程よいダルさ。
上手い人が乗ると圧倒的にSPモデルの方が速く走れるだろうけど、恐らく大半の人はこのVTR1000Fの方が速く楽しく走れる。
車名にFコンセプト(オールマイティ)の意味を表すFが付いてるだけの事はあるってことです。
VFやVFRなど数々の大型バイクを手がけてきた開発リーダーの齋藤さんも
「公道で最大に楽しめて2乗りも出来る究極のFを目指した」
と仰っています。
でも残念なことにキャブモデルだったのが災いし、排出ガス規制強化により2007年モデルをもって生産終了となってしまいました。
同じエンジンを積んだXL1000バラテロはFI化して2013年まで売られたんですが・・・。
まあVツインスポーツのメイン市場である欧州ではやっぱりドゥカティが強いし、日本勢はSVが快進撃を繰り広げてましたからね。
肝心の日本も四気筒がステータスでVツイン市場は無いに等しいから。
ただこの件にしては開発チームも既定路線というか分かっていたみたいです。
エンジン設計をされた角さんがまだ絶賛発売中だった当時の時点でこう仰っていました。
「VTR1000Fの出発点は四気筒と二気筒に乗る人は人種が違うということ。だからいくら今売れているからといっても二気筒は二気筒・・・VTR1000Fがメジャーになることは無いと思います。でもそれでいいと思うんですよ。二気筒は四気筒に飽きた人が、四気筒にはないアクセルの開けやすさと低域の不安定さを楽しむ為のマニアックな乗り物。」
「そしてVTR1000Fはそういう人の為のバイクなんです。」
主要諸元
全長/幅/高 | 2050/720/1155mm |
シート高 | 810mm |
車軸距離 | 1430mm |
車体重量 | 218kg(装) |
燃料消費率 | 25.1km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 | 18L |
エンジン | 水冷4サイクルDOHC2気筒 |
総排気量 | 995cc |
最高出力 | 93ps/8500rpm |
最高トルク | 8.7kg-m/7000rpm |
変速機 | 常時噛合式6速リターン |
タイヤサイズ | 前120/70-17 後180/55-17 |
バッテリー | FTX12-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DPR8EVX9 |
推奨オイル | ウルトラG2/G3(10W-40) |
オイル容量 | 全容量4.5L 交換時3.7L フィルター交換時3.9L |
スプロケ | 前16|後41 |
チェーン | サイズ525|リンク102 |
車体価格 | 920,000円(税別) |