Daytona 675/SE/R後期 -since 2009-

デイトナ675後期

2009年にマイナーチェンジを施し3馬力アップ&3kg減と若干のパワーアップをしたデイトナ675後期。

後期といったほうがいいのか二代目と言ったほうがいいのか微妙なんですが、一応このサイトでは後期ということで扱わせてもらいます。

見た目の変更点としてはアッパーのエアインテークやウィンカーやヘッドライトの形状です。

向かって左が前期で右が後期。かなり厳つくなってますね。

デイトナ675新旧比較

更に翌2010年にメーター新調、2011年にスイングアームの小変更が加わってます。

初代で鮮烈デビューを果たしたデイトナ675はスーパーテストやマスターバイクと言った世界レベルでのプレス向け試乗会で尽く好成績を残し世界中で絶賛されました。
それは2009年にマイナーチェンジを受けたこのモデルに成っても変わらずで、四年連続スーパーバイク受賞という快挙を成し、「キング・オブ・スーパースポーツ・デイトナ675」とまで言われました。

そして2008年にはあまりの好評っぷりと売れ行きから「三気筒=675cc」という新しいレギュレーションが生まれました。
「三気筒=675cc」というレギュレーションはデイトナ675が作ったものなんです。

トライアンフBE1

元々の生い立ちが「速さより楽しさ」のバイクな為か現状世界レースではあまり良い成績を残せてないけど売上や評判にはそれほど影響しなかったみたい。

daytona675といえば性能や造形もそうですが数々の特別仕様も素敵ですね。

2011デイトナ675SE

2011年に出されたスペシャルカラーのSEはフレームとホイールをブルーに塗装しARROWSのマフラーを装着したモデル。

そしてデイトナ900スーパー3のオマージュモデルであるDaytona675Super3。

デイトナ675スーパー3

オマージュなので今回はコスワースのチューニングは施されていませんがクイックシフター等の専用装備が施されています。

そしてそして特別しようといえば何と言ってもコレでしょう。

デイトナ675R

デイトナ675R

前後オーリンズサスにブレンボ製フロントキャリパー、クイックシフターを装着したスペシャルモデル。
このモデルが出た時、実はとっても歓迎されました。
というのも先に話した世界レベルのインプレで「唯一の不満が有るとすればサスペンションが煮詰まってない」という声があったから。

純正でもKYBのフルアジャスタブルだから悪いわけじゃないんだけど、サーキット走行を生業としているプロに言わせると何かあるんでしょうね。まあ我々素人には無縁でもあります。

結局振り返ってみると前期も合わせると8年というSSとしては異例な長寿バイクだったんですね。

トライアンフ デイトナ675

しかし8年前のバイクとはとても思えない異彩を放つデザインと設計は流石ブリティッシュ。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:675cc
最高出力:
128ps/12600rpm
最大トルク:
7.3kg-m/11750rpm
車両重量:162kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 675/SE前期 -since 2006-

デイトナ675

「キング・オブ・スーパースポーツ」

CBR600RR、YZF-R6、GSX-R600、ZX-6R、国内四社が犇めき合うミドルSSというクラスに唐突に現れたデイトナ675。
前傾させた三角形軸のコンパクトエンジンやツインスパーフレーム等を見ると明らかに国産SSを参考にしたとしか思えないレイアウト。
ただメインフレームをパイプフレームっぽく見せてるのは上手いですね。(写真は後期です)

デイトナ675ネイキッド

ただ上記の国産600SSと決定的に違うのは、デイトナ675はあくまでも”公道でも楽しめるスーパースポーツ”という立ち位置。

開発コンセプトは

何よりもライディングを飽きさせないバイクを創り出すこと

その結果作られたのがトライアンフの十八番とも言える三気筒エンジンを積んだSS。
二気筒より高回転で四気筒よりトルクフル、そして三気筒ゆえのスリムさを持っている。それらは全てレースを視野から外したから出来たこと。
その証拠にデイトナ675が出た2006年当時のロードレースに三気筒のレギュレーションなんて有りませんでした。

トライアンフもこのデイトナ675について、レギュレーションを無視している事を「殻を破った数少ないバイク」と例えてアピール。

結論を言うと、その卓越したハンドリングと他にない三気筒SSという独自性から世界中から大絶賛されました。

daytona675SE

写真のデイトナは特別カラーのSE仕様。
人気だったこともあり後にスタンダードカラーに仲間入りとなりました。黒ボディに金ホイールが定番なのは日本に限った話じゃないんだね。

ただ勘違いされると困るので言っておきますが、公道向けと言っても街乗りとかじゃないですよ。当たり前ですがSSなので峠とか走行とかのタイムや順位を競わないスポーツ走行での話。

daytona675パンフレット

四気筒キラーという名がピッタリなスーパースポーツ。

エンジン:水冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:675cc
最高出力:
125ps/12600rpm
最大トルク:
7.3kg-m/11750rpm
車両重量:165kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 600 -since 2005-

デイトナ650

更に二年後にはロングストローク化がされ650となりました。

でも直四で650ccってレースのレギュレーションに合ってませんよね?
直四ミドルSSは600までです。

6Rの様に600との併売かと思いきやそうじゃない・・・一体なぜ650にしたのか?

実は先代のデイトナ600はイギリス国内のレースでは活躍したものの、世界レースでは日本メーカーの600SS勢にコテンパンにされてしまった。

そこでトライアンフは方向転換をしたんです。

「速さが全てのレースに重点を置かず、公道で楽しめるスーパースポーツにしよう。速さだけを追い求めるのはノンセンス。」

そしてその結果ロングストローク化によりレースに出場することが出来なくなった反面、乗りやすさが増しました。

この転機が後に675という名車が生まれるんですね。

daytona650

いやはやしかしコレはコレで見れば見るほど癖になるデザインだな。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:646cc
最高出力:
112ps/12500rpm
最大トルク:
6.9kg-m/11500rpm
車両重量:165kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

Daytona 600 -since 2002-

デイトナ600

良くも悪くも凄く印象に残る顔をしているデイトナ600は見た目も立派にSSですが実は直四なんです。

955iやボンネビルのセールスが順調で軌道に乗り始めていたトライアンフだったんですが、このモデルが出る半年ほど前の2002年3月にイギリス史に残る程のとんでもない事をやらかしました。

イギリス史上最大とも言われる大火事を起こしたんです。

トライアンフ工場炎上
トライアンフ火事

もったいないですね・・・管理能力の甘さもあるんでしょうが、ここまで来るともうトライアンフは呪われてるんじゃないかと。

でもそこはトライアンフ。

世界大戦の空襲で工場が爆撃されようとも、アメリカ&ハーレーに関税で虐められようとも、何とかめげずに生き延びてきた歴史があります。

火事でボロボロになった工場も「これは良い機会だ」と思ったのかは分かりませんが、大幅に改築をしました。

トライアンフ新工場

ピカピカですね。

不幸中の幸いだったのは設計等を担当する開発部は無事だったため、半年でこの工場を立ててすぐに再生産を開始し、デイトナ600を出せたんですね。

デイトナ600はトライアンフ初の直四ミドルSSだったにも関わらず、マン島TTを筆頭としたイギリス国内のレースで優勝するなどの大活躍でした。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒
排気量:600cc
最高出力:
112ps/12750rpm
最大トルク:
6..8kg-m/11000rpm
車両重量:165kg(乾)

系譜図
タイガーT100Rデイトナ

1967年
Tiger 100T/R Daytona

デイトナ1000

1990年
Daytona 750/1000

デイトナ900

1993年
Daytona 900/1200

デイトナT595

1997年
Daytona T595/955i

デイトナ600

2002年
Daytona 600

デイトナ650

2005年
Daytona 650

デイトナ675前期2006年
Daytona 675/SE(前期)
デイトナ675R後期

2009年
Daytona 675/SE/R(後期)

デイトナ675ABS

2014年
Daytona 675 ABS/R

V7クラシック/V7-2/V9シリーズ -since 2008-

V7クラシック

2007年のモーターショーで発表され大きく話題となったV7クラシック。

名前、そして見た目からも分かる通りリバイバルプロジェクトとしてVシリーズの始まりであり名車として今も語り継がれるV7を40年ぶり復活させたわけです・・・っていうと多分コアなグッツィスタの人からツッコミが入りそうなので説明しておきます。

モトグッツィは大きく分けて二種類の系譜があります。少し掘り下げてお話しましょう。

一つはこのMOTO GUZZIの系譜で紹介して来たV7やルマンなどモトグッツィの栄光時代を作っていたバイクたち。これらのバイクはビッグブロックツインの系譜。

ビッグブロックエンジン

その名の通りデカいエンジンが特徴的で発端となった軍や警察に採用されたエンジンが源流です。

そしてもう一つはスモールブロックツインの系譜。これは1977年に出たV35/V50が原点。

V50

大排気量車に対してイタリアが増税を決めたことや、アメリカが高い関税を敷いたことが発端。

V35/50に始まり数々のモデルチェンジを繰り返し、2003年にはブレヴァプロジェクトとして大きく進化した最初からオートバイ専用エンジンとして作られている優秀なエンジンです。

ブレヴァ750

そしてツッコまれると言ったのはこのV7クラシックやV7-2、更には2015年に発売されたV9に積まれているエンジンはビッグブロックだった初代V7シリーズとは違い、ブレヴァプロジェクトによって作られたスモールブロックの方を積んでいるから。

つまり現存するV7はV7というよりはV70とか言ったほうが正しいし、遡らないといけないんだけど、ソッチの系譜まで書く体力ありませんでしたスイマセン。

でも(言い訳をするワケじゃないけど)見た目も味もちゃんとV7らしく仕上げてきたから市場では非常に好評だった。

V7C

2010年頃から欧州でオールドネイキッド(カスタム)ブームが起こっているけど、その火付け役となったのは紛れも無くV7クラシックによるもの。そしてその人気に後押しされるかのように出たのが2011年のV7-2、そしてイケイケな状態から出てきたのが2015年のV9というわけです。ちなみにV7-2は2013年には改良が入っています。

もう一つ断っておかないといけない事があった。それはモトグッツィのクルーザーモデルであるカリフォルニアというバイク。

2016カリフォルニア1400

冒頭でサラッと紹介したっきりで終わってたんだけど、実はVシリーズ以上に会社を助けてきたロングセラー車なんです。この系譜では時代と共に変化していくVシリーズを書きましたが、モトグッツィと言えばカリフォルニアだと考えてる人は珍しくありません。

1972年からずーっと売ってますからね。わざわざ日本でも買える様に向こうから引っ張ってるのには理由があるんです。

もしかしたらモトグッツィといえばV7やV9、California1400しかないと思ってるかもしれないけど本国ではもっと色んなバイクが売ってます。

ラインナップ

・・・なんか自分でも驚くほどモデル紹介になってないですね。グダグダになってしまって申し訳ないです。モデル毎の詳細は自分で調べてください(放棄)

最後にモトグッツィのまとめ

恐らく多くの人がモトグッツィのバイクを見たら

「V2エンジンが縦に積まれてる変なバイク」

という認識でしょう。

試しに雑誌なんかではどう書いているのか見てみたら

「トラクションからエンジンバルブまで全てが感じ取れるバイク」

とか書かれていました・・・そんなこと言われて分かる人なんて居ない。

V9ガレージ

だからといって

「左右に働くトルクリアクションの無い自然なハンドリング」

とか言っても一体それの何が魅力なのかと思うし伝わらないでしょう。

モトグッツィの魅力を一言で言い表すなら・・・そうですね。

V7-2_V9

・・・V2エンジンが縦に積まれてる特異なバイク。。。

系譜図
モトグッチ

1921年
MOTO GUZZIというメーカーについて

初代V7

1966年~
V7 series

ル・マン

1976年~
Le Mans series

デイトナ1000

1992年~
DAYTONA1000

V11

2001年~
V11 series

V7レーサー

2015年~
V7-2/V9 series

RS125 (Py/RD/RM) -since 2006-

RD型

外見がグッと新しくなりラジアルマウントキャリパーなど足回りが完全にSSで妥協点が見当たらない第三世代のR125のPy型。2stとしては最後のRS125になります。

日本に入ってきたのは2006~2008までの28馬力モデルのみ。理由は日本の排ガス規制に通らなくなったから。だから日本ではMY(Model Year)06とかMY08って言われたりしてますね。

RS125

もう最後だぞ!もう最後だぞ!とアチコチで言われていたのを思い出します。

ちなみに海の向こうでは2009年以降も売られていたんですがEURO3(排ガス規制)が始まったことで24馬力にまで抑えられています。

タイトルの型式(タイプ)がこのモデルだけ3つもあるのはそれに伴って出力が違うから。

【TYPE:Py(EURO2モデル)】
日本にも正規で入ってきた06-08の28馬力モデル

【TYPE:RD(EURO3モデル)】
上をカットして15馬力になっているVHST28の07-08モデル(ゴニョゴニョで24ps/10500rpm)

【TYPE:RM(EURO3モデル)】

これがホントの最終モデル(08-11)でEURO3に対応しつつ23馬力と頑張ってるモデル

最終モデル

並行輸入車に手を出す猛者が居たらいけないので参考までに。タイプはマニュファクチュアプレートに書いてます。

しかしまあこんなぶっ飛んだ125は免許改正もあってもう二度と出ないでしょうね。

イタリアを筆頭に巻き起こってた2st125レーサーのブームもこの頃は完全に去っていてNSR125を始めとしたライバルはとっくに消えてたんだけど、アプリリアは最後の最後まで2stを諦めなかった。

エンジン:水冷2サイクルクランクケースリードバルブ単気筒
排気量:125cc
最高出力:
28[15]{23}ps
10500[8500]{10000}rpm
最大トルク:
1.9[不明]{1.8}kg-m
9000[不明]{9500}rpm
車両重量:137kg(装)
※[]内はRD
※{}内はRMモデル

AF-1

1987年
AF-1 125
(AF1)

R125EXTREMA

1991年
RS125
(Gs)

RS125MP型

1995年
RS125
(Mp)

RS125SF型

1999年
RS125
(SF)

RS125Py型

2006年
RS125
(Py/RD/RM)

RS4 125

2011年
RS4 125

TORNADO3 零50 -since 2004-

トルネード3

Tornado3だけどトルネード四代目にあたるトルネード3 零-50。

これはヨシムラ創立50周年を記念して発売されたコンプリートマシン。

トルネード3諸元

2003年式GSX-R1000をベースに50年の集大成として持ちうる技術のすべてを注ぎ込んだキットフル装備モデルです。

下回り

限定5台800万円という歴代最高額と最小台数。まず見ることは無いと思います。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量
燃料消費率
燃料容量
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量
最高出力 後軸170ps以上
最高トルク
変速機
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後190/50ZR17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 8,000,000円(税別)
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

M450R -since 2003-

M450R

ヨシムラがモタードを手掛けるとこうなる的なM450R。ヨーロッパでのモタードレースブームに合わせて発売されました。

元となってるのはDR-400Sです。もう心が折れたので画像を貼ります。

M450Rスペック

SPEC1 119.8万円
SPEC2 149.8万円
SPEC3 198.8万円
の3グレート展開。でも受注生産13台とかなり少ない。

ヨシムラM450R

ヨシムラとしては珍しくレースではなく公道を主体においたスーパーモタードなせいか一番知名度がなく、レーザーラモンRGという芸人さんが乗ってたM250Sと間違われがちだけど、アッチはヨシムラカラーとヨシムラマフラーを付けたコラボモデル(しかもD-TRACKER)なのでM450Rとは全く違うバイクです。

間違うと何されても文句言えないので気をつけましょう。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 198kg(乾)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 449cc
最高出力 50ps以上
最高トルク 4.5kg-m以上
変速機
タイヤサイズ 前120/60-17
後150/60-17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前15|後40
チェーン
車体価格 1,198,000円(税別)
[1498,000円(税別)]
{1,988,000円(税別)}
※[]内はSPEC-2
※{}内はSPEC-3
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

KATANA1135R -since 2001-

カタナ1135R

ヨシムラによるコンプリートカタナことKATANA1135R。

1000台限定だったファイナルエディションをベースに95馬力から150馬力になり車重も250kgから197kgともはや別バイク状態。

台数は僅か5台で車体価格は358万円。更にお金さえ用意すれば買えるわけではなく購入するにはまずヨシムラからの質問やカタナに対する考えを書いた書類審査を勝ち抜く必要がありました。

ヨシムラジャパン

ちなみにアフターも面倒を見る代わりに転売不可という条件付きだったんですがそれでも応募者は30人ほど居たんだそう。

ただし現在は別オーナー(ショップ含む)の手に渡っており今でもワンオーナーで所有されているのは一台だけだったかと・・・自信ないですが。

カタナ1135R

話を戻すと1135Rは多方で取り上げられ伝説化しているので有名かと思いますが、実はこのモデル本当は造る予定ではなかった事をご存知でしょうか。

ソコらへんの話を経緯と共に書いていきます。

昔を知らない人の為に補足するとヨシムラはKATANA1135Rを出すに至るまでずっとカタナとの関係が続いていました。

AMAヨシムラKATANA

始まりはカタナが出た1982年のAMA(アメリカ市販車レース)で、同年には鈴鹿8耐などもカタナレーサーを用意し奮闘。

翌年からレギュレーション(ルール)が750ccに変更される事が決まっていたにも関わらずヨシムラはカタナに全力投球でしたわけです。

その後はスズキに沿ってGSX-R750に移行していったんですが、一方で1994年にビッグネイキッドブームの影響で

『NK1(750cc以上のネイキッド限定)』

というレースが鈴鹿で開催される事が決まるとヨシムラはこれに迷わず参戦・・・ベースはもちろんカタナ。

カタナレーサー

どう考えても分が悪い旧世代のカタナで互角に戦っていたんですが、その勇姿を目の当たりにしたカタナオーナー達から

「NK1と同じチューニングをしてくれ」

という依頼が飛び込んでくる様に。

理由はもちろんオーナーの誰もが諦めかけていた『世代の性能格差』を解消出来ると思ったから。そういう人たちにとってNK-1カタナは本当に希望の光だったんです。

GSX1100Sヨシムラカスタム

ここからヨシムラはレースで培った技術をストリートに応用する形でカタナとの関係が継続。

そんな中で2000年に飛び込んできたのがファイナルエディション発売の報。

FE

当然ながらヨシムラの耳にも入ったんですが当時ヨシムラは前年に発表した隼のコンプリートマシンX1で手一杯でカタナまで手が回らない状況だった。

しかしずっと付き合い続けていたカタナの最後なのに何も出来ないのは駄目だと当時の営業課長だった上野さんや開発課長だった村田さんは考えた。

FE

「いま買わないともう二度と手に入らない・・・」

そう考えた末なんと会社の承諾なしに無断でファイナルエディションを5台調達し、X1の生産が落ち着くまで工場の隅に隠しておくという手段に。

そしてX1が落ちついた頃になって引っ張り出した所、まんまとカタナに携わり続けてきたカタナ愛溢れるメンバーがホイホイと釣られる様に自然と集まりだし

「これまでの全てを投じたカタナを造りたいね」

という話になり自主的に開発がスタート。

これが1135Rが開発される事になった経緯。

発売がファイナルエディションの翌年だった事や、僅か5台だけだった事はこれが理由。

そして転売不可や書類審査という高い敷居が設けられたのは

1135Rエンジン

「自分たちと同じくらいカタナ愛を持ってる人に乗ってもらいたい」

という思いがあったから。

では出来上がった1135Rがどういうバイクだったのかというと開発コンセプトは

「公道を楽しめて長く愛されるKATANA」

・・・そう、意外に思うかもしれませんが1135Rはカリカリのレーサーではありません。

一般ユーザーが公道で楽しめる事を最重要視したモデルで、チューニングにありがちな耐久性の軽視などをしていない。

ここが1135Rの凄いこと。

性能が最重要視されるレースで培ったノウハウだけでなく、レースの反響で培ったストリートでの感性のノウハウまでカタナの全てを網羅していたヨシムラからこそ造れた

『世代を越える性能と感性を持ったカタナ』

である事が凄いんです。

ヨシムラ1135R

1982年のデビューからずっと付き合い続けたカタナ愛溢れるヨシムラカタナの集大成と呼ぶにふさわしいモデルでした。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 197.8kg(乾)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 空冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1135cc
最高出力 150ps以上
最高トルク
変速機
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 3,580,000円(税別)

カスタム箇所

φ74ヨシムラピストンKIT
ST-1カムシャフト
スペシャルチタン手曲サイクロン
ヨシムラミクニTMR-MJNφ40A/SキャブレターKIT
スロットルホルダー&グリップラバー
カーボンヒートガード
デジタルシングルメーターKIT
スペシャルオイルクーラーKIT
Mgエンジンカバー
Mgシリンダーヘッドカバー
オイルキャッチタンク
強化クラッチスプリング
スペシャルジェネレーターカバー
ヘッドポーティング
面研
シリンダーボーリング
ヨシムラスペシャル加工フレーム(強化&ヒップUPタイプ)
カーボンフェンダー
スペシャルアルミ軽量タンクKIT
3次元削出トップブリッジ(シリアルNo、刻印)
削り出しオリジナルステップKIT
FFVSフロントフォーク&リアショック
スピードフローブレーキホース(フロント・リヤ)
カスタムシートJOYスペシャル
小型ウインカー
フロントキャリパー
ディスクブレーキ
リアキャリパー(軽量NISSIN)
サイドスタンド
小型軽量バッテリー
スペシャルスイングアーム
MAGTAN軽量ホイール
ファイナルRK520&チェーン
AFAMスプロケット
STACKレーシングメーターKIT
各部ボルト類変更
Magicalスペシャルカーボンミラー
ナンバープレートホルダー
ハイグリップタイヤ
フレーム補強
フレーム加工&塗装
FFVSサスペンションスペシャルセッティング(足廻り全体)
フロントフォークボトムケース(サンドブラスト・塗装)
各部軽量化
メーターステー製作取付
バッテリーBOX小型加工
スペシャルワイヤーハーネス加工取付
スピードセンサーステー製作取付
電装プレート製作・電装パーツ移設
サイドスタンド加工
シリアルNo、刻印

系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50

TORNADO S-1 -since 2001-

トルネードS1

トルネードの三代目にあたるS-1。

JSB参戦を機に2002年式GSX-R1000をベースにキットパーツが組み込まれています。

ST-1カムシャフト
削出SUSコッター
強化バルブスプリング
ヘッド面研/専用ガスケット
オリジナルオイルパンSET
EMS(3ポジションマップ切替スイッチ(FUEL+IGN)、オートシフター、シフトタイミングライト

トライオーバルチタンサイクロン(2年間転倒修理補償付!)

オリジナルカウル一式

オリジナルアルミタンク
レーシングフィラーキャップ

OHLINSサスペンション&ステアリングダンパー
削出しオリジナルステアリングステム
オリジナルリヤサスペンションリンクセット
オリジナルスイングアーム

フロントディスクインナーハブ
SUSフローティングピン
オリジナルブレーキパッド
オリジナル加工フロントキャリパー
ラジアルポンプブレーキマスター
Speed Flowブレーキホース

HIDヘッドライト

公道対応レーシングステップ

BBSアルミ削り出しホイール

AFAMスプロケット

シリアルナンバープレート
オーナーブック
スナップオン製専用工具
専用バイクカバー

限定50台でお値段は378万円。

やっぱり高いけどヨシムラのノウハウが詰まったレース車両が手に入ると考えれば安いか。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 170kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 988cc
最高出力 170ps/12000rpm
最高トルク 11.0kg-m/10000rpm
変速機
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 3,780,000円(税別)
系譜図
POP吉村

1923年~
神の手を持つ男 吉村秀雄

トルネード1200ボンネビル

1987年
TORNADO1200BONNEVILLE

ハヤブサX1

2000年
HAYABUSA X1

カタナ1135R

2001年
KATANA1135R

トルネードS1

2002年
TORNADO S-1

M450R

2003年
M450R

トルネード3零50

2005年~
TORNADO3 零-50