「NEW JOG」
九代目にあたるCEH50/B3K型。
ニュースでも大々的に取り上げられたのでご存知の方も多いと思いますが、このモデルからJOGはホンダ生産となりました。
ハッキリ言ってしまえばタクトと共有。CEH50の”H”はホンダのHなんでしょうね。
だから基本的にはタクトと同じでエンジンも新世代のeSPエンジンです。
ホンダ一押しのコンビブレーキ(後輪ブレーキで前輪もかかる)や後輪ロックレバー(ブレーキ固定)も付いています。
ただアイデンティティであるフェンダーボディと鋭いヘッドライトはキープし、どう見てもJOGにしか見えないのは凄い。
グレードは二つに絞られ、豪華版のデラックスはアイドリングストップ機能やステッチシートなどを装備。
一方でノーマルは705mmとシート高を15mm抑えたモデルで先代のプチ的なモデルですね。
しかしながら80年代に正面衝突したホンダとヤマハが、タクトとジョグがまさか手を取り合う事になると誰が予想したでしょう。
当時そんな予言をしたら鼻で笑われるどころか病院に連れて行かれるレベルですよ。
ちなみにこうなった原因は数が出ること前提だったから安く販売できていた原付市場の大幅な縮小にあります。
もともと原付一種(以下:原付)は80年をピークに右肩下がりでした。それはHY戦争による飽和やヘルメットの義務化などもありますが、大きいのは有名な『3ない運動』ですね。
原付に乗ってるだけで不良の様な扱いを受けてしまう社会になってしまい2000年には1/4まで縮小。
メーカーも低価格を維持するために中国や台湾など海外生産に切り替えることでコストを抑えていたんですが、更に追い打ちをかける様な市場への冷や水があり限界を迎えた。
2006年からの駐禁取り締まりです。
これによりシティコミューターという地位を完全に剥奪され市場規模は全盛期の1/10にまで縮小。
そして2020年にはさらなる排ガス規制強化というコスト増要因が控えてる。
そんな首が回らない状況になったからホンダとヤマハが業務提携する事になったんです。
これはもう本当に仕方がない。
自分達で造っても高くなるヤマハ、ヤマハの分も造れば更に安くできるホンダ。
両社の思惑が合致する形となったわけですが、これは結局ホンダもヤマハも原付に対する考えが一緒だったから提携が出来た話。
「原付はもっとも身近な車」
という考えです。
一日一万円で免許が取れて、月収で買える行動範囲を大きく広げる乗り物なのが原付。
そんな原付を重宝している人、もっと言うと
「原付がないと生活できない人」
というのがどんなに市場が縮小しようと少なからず居る。
そういう人たちの為にも安価で高品質な原付を提供し続けるという『社会的責任』を果たす必要があると両社が考えていたから業務提携できた。
要するに撤退は有り得ないんです。
そしてそんな中でも
「下駄車といえど少しでもカッコイイのが良い」
という声に応えるように誕生し、いまも続いているのがジョグ。
だからジョグというのはヤマハの社会に対する責任感を示しているバイクでもあるわけです。
主要諸元
全長/幅/高 | 1675/670/1040mm |
シート高 | 705mm [720mm] |
車軸距離 | 1115mm [1125mm] |
車体重量 | 78kg(装) [79kg(装)] |
燃料消費率 | 58.4km/L ※WMTCモード値 |
燃料容量 | 4.5L |
エンジン | 水冷4サイクルSOHC単気筒 |
総排気量 | 49cc |
最高出力 | 4.5ps/8000rpm |
最高トルク | 0.42kg-m/6000rpm |
変速機 | Vベルト式 |
タイヤサイズ | 前後80/100-10(46J) |
バッテリー | GTZ5VS [GTZ6V] |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
CPR8EA-9 |
推奨オイル | ヤマルーブ レッドバージョンフォースクーター MB規格10W-30 |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量0.7L 交換時0.65L |
スプロケ | – |
Vベルト | 2JA-17641-00 |
車体価格 | 109,000円(税別) [129,000円(税別)] ※[]内はジョグDX |