XLR250R/BAJA(MD16/20/22) -since 1985-

XLR250R

こだわりすぎて失敗したXLXの反省からRFVCエンジンはそのままにシングルキャブ化されたXLR250。それでもXLXから2馬力アップと5kgの軽量化を果たしています。ツインキャブはなんだったのかってなりますよね。

ただXLR250Rは出て僅か一年半ほどでモデルチェンジされ型式もMD16からMD20へと変わっています。

1985年モデル

初期型はエンジンまで真っ赤。赤エンジンと黄金に輝くアルミスイングアームとホイールが特徴的ですね。だからこのモデルだけは特別にXLR250Rfと正式名称で呼ばれていたりします。

ちなみにブラックアウト化された渋いモデルもありました。

そして1986年にモデルチェンジされMD20型に。

MD20

エンジンを若干ロングストロークにし加速ポンプ付キャブレターなどで中低速に厚みも持たせリアを18インチにアップさせたモデル。車重も2kgほど減っています。

最終となるのが1989年に出たMD22型。

XLR250R MD22

リアブレーキのディスク化や整備性のアップなど痒かった部分を改良したモデル。翌90年からはスイングアームに付いてたタンデムステップをフレームマウントに変更されています。

そして忘れてはいけないのが1987年に出た派生モデルとなるXLR250BAJA(バハ)

XLR250Rバハ

オイルクーラー、大光量デュアルヘッドライトなどBAJAと名付けるだけあってXLR-Rよりも更にエンデューロ色が強いモデル。シートバッグも専用に大容量の物にされてます。

今更ですがエンデューロとかモトクロッサーとか分からない人は「オフロード|モタード系の特徴と歴史」をどうぞ。

ちなみにBAJA(バハ)というのはメキシコのバハ・カリフォルニア半島で開かれるレースBAJA1000から。

バハ1000

不眠不休で半島の端から端まで約1000マイル(1600km)を走り抜きタイムを競う下手をすると命を落としかねない過酷な世界最長のデザートレース。オフロードの耐久レースみたいなものです。

BAJAはインパクトのある顔からオフを知らない人でも覚えてる人は多いのではないでしょうか。

XLRバハカタログ

ただ何処かで見かけたのですが

「BAJAってこんな顔だったっけ?」

って思ってる人もいるかもしれませんね。恐らくそう思うのは次のBAJA(XR-BAJA)のイメージが強いからかと。XLR250BAJAも1987年と今となってはかなり昔のバイクですもんね。

ただ当時はその癖になる顔付きとエンデューロライクな造りから既に成功していたXLR250Rの上位モデル的な立ち位置で息の長いモデルとなりました。

XLR250SP

XLR250R/BAJAは評判もセールスも申し分なく、XL系最終に相応しい有終の美を飾ったオフ車です。

主要諸元
全長/幅/高 2125/860/1210mm
[2165/860/1210mm]
『2165/860/1210〈1190〉mm』
シート高 850mm
[860mm]
『860mm』
車軸距離 1385mm
[1430mm]
『1430mm』
車体重量 123kg(装)
[121(装)]
『125〈126〉kg(装)』
燃料消費率 53.0km/L
『[50.3km/L]』
※定地走行テスト値
燃料容量 10L
『[9L]』
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 28ps/8500rpm
最高トルク 2.5kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
[前3.00-21-4PR
後4.60-18-4PR]
『前3.00-21(51P)
後4.60-18(63P)』
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8Z
[DP7Z]
『DPR7Z』
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
分解時1.6L
交換時1.4L
スプロケ 前16|後50
チェーン サイズ428|リンク130
車体価格 358,000円(税別)
[389,000円(税別)]
『419000円(税別)』
「439,000円(税別)」
※[]内はMD20
※『』内はMD22
※〈〉内はBAJA-MD22
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XLX250R(MD08) -since 1983-

XLX250R

大成功を収めたXL250シリーズの後継になるXLX250R

最大の特徴はRFVC(Radial Four Valve Combustion Chamber)という新しいエンジンになったこと。放射状4バルブといって燃焼室(燃焼時の形)を理想と言われる半球型にすることが狙い。

XLX250R

右下に分かりやすいイラストが付いているのでそれで分かっていただきたんですが、すべてのバルブが燃焼室の中心を向くように付いています。バルブ駆動もSOHCながらユニカムバルブトレインといってカムシャフト一本で4つのバルブを動かすタイプ。

RFVC半球型

ちなみにこのRFVCじゃないエンジンはどんな形になっているのかというとペントルーフ型といって三角形の燃焼室になる形をしています。自動車もバイクも4バルブは基本的にこれです。

XLX250R

これはCBR250Rの系譜で使ったバルブ挟み角で使った画像なので色々書いてますが、燃焼室が三角形になってるのがわかると思います。吸気バルブ二本と排気バルブ二本が屋根のようになってると言えばわかりやすいでしょうか。

話が少し反れますが、なんで流体力学でみると理想といわれる半球型ではなくペントルーフ型がメジャーなのか簡単に言うと、半球型は乱流がない・・・要するに空気の流れが落ち着いてる事から燃焼伝播(燃え広がる速度)が遅いんです。燃焼伝播が遅いとトルクが落ちます。対してペントルーフ型ってのは燃焼室が三角形で混合気の流れが綺麗ではなく四方八方へ暴れるから燃え広がる燃焼伝播も早いというわけ。

他にも半球型は燃焼室が必然的に広く高くなるから圧縮比を上げ辛かったり。何よりも綺麗な半球の形をバルブで作るのが難しいという問題が。まあ素人に体感できるかといえば間違いなく出来ないでしょうけど。

理想的な燃焼室である半球型エンジンとしてホンダはしばらくシングルはこのRFVCエンジンを推してXR250まで続くわけですが、XLX250Rの場合RFVCエンジンだけでなくキャブレターも二つ付けるという贅沢装備で26馬力とパワーが大幅アップ。

XLX-R

ただ残念な事にXL250の後継にありながらXLX250Rは人気は出ず・・・というか本当に人気が無かった。

理由の一つはそのデュアルキャブで、要するにただでさえ面倒くさいキャブセッティングを二個もしないといけない気難しさや煩わしさが、初心者はもちろん自分で整備するエキスパートそしてバイク屋にまで敬遠されてしまったというわけ。

XLX250Rカタログ写真

こだわり過ぎて失敗っていうホンダらしい不人気車。

主要諸元
全長/幅/高 2175/840/1225mm
シート高 840mm
車軸距離 1415mm
車体重量 128kg(装)
燃料消費率 55.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 10L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/7500rpm
最高トルク 2.2kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー FB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
分解時2.0L
交換時1.8L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 358,000円(税別)
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XL250/S/R(MD03) -since 1975-

XL250

汚名返上のために再度作り上げたのがこのXL250。

ただ正確に言うとXL250はどちらかというとSL250Sのマイナーチェンジに近いモデルで、リベンジの為に作り上げられたオフロードは3年後の1978年に出たXL250Sというモデル。

XL250S

このXL250S最大の特徴は市販車初となるフロント23インチの特大フロントホイール。

このモデルはエンデューロモデルのXR250と同時開発なんだけど、凄いのは4stオフ最大の欠点であった車重を振動を抑えるミッション兼バランサー機能を備えつつ20kgも軽減してる事。

XL250Sカタログ

4st最大の課題だった車重という問題をクリアしたとき、4stだからこその燃費の良さや低域での粘りなどのいわゆる”扱いやすさ”という本来の武器が明快に出た。そのおかげでこのXL250Sは林道ブームを巻き起こすほどの大ヒットとなりました。

勢いそのままに1981年にはXL250Rへとモデルチェンジ。

XL250R

専用6速ミッションやプロリンクなどを装備し走破性を更に向上させたモデルで十八番の赤フレームまで採用。

XL-R

MXワールドチャンピオン記念車や、パリダカ初優勝記念としてタンクを21Lにまで増やしキャリアを装着したパリダカ仕様まで登場しました。

XL250はホンダのオフロードバイクとしては初の成功車だった事から印象に残ってる人も多いと思います。

XL壁紙

ホンダの公式待受にもサラッと登場してたり。

主要諸元
全長/幅/高 2175/880/1130mm
[2175/875/1185mm]
{2170/865/1230mm}
シート高
車軸距離 1410mm
[1390mm]
{1385mm}
車体重量 148kg(装)
[128(装)]
{131kg(装)}
燃料消費率 40.0km/L
[50.0km/L]
{55.0km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
{9.0L}
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 20ps/8000rpm
[20ps/7500rpm]
{22ps/7500rpm}
最高トルク 1.9kg-m/6500rpm
[2.0kg-m/6000rpm]
{2.1lg-m/7000rpm}
変速機 常時噛合式5速リターン
{常時噛合式6速リターン}
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.00-18-4PR
[前3.00-23-4PR
後4.60-18-4PR]
{前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR}
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
分解時1.8L
[分解時2.0L
交換時1.3L]
{分解時2.0L
交換時1.3L}
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 268,000円(税別)
[282,000円(税別)]
{338,000円(税別)}
※[]内はXL250S
※{}内はXL250R
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

Dream SL250S(SL250) -since 1972-

SL250S

ホンダの本格トレールとして出たSL250S。海外向けはXL250という名前で発売。

いきなりですが実はホンダはSL250Sの前にもいわゆる未舗装を走ることを考えられたバイクを作っていました。それは1962年に出たCL72 SCRAMBLERという文字通りスクランブラーのバイク。

SL250S

当時はまだ明確な「オフロードバイク」という定義がなく各社とも手探り状態の時代。そんな状況の中でいち早く出たCL72は”オフロード走行に対するホンダの答え”だったわけです。

オンロードモデルCB72をベースにアップハンドル&アップマフラー、そして専用のシングルクレードルフレームにクランク新造と必死に答え求めて考え抜いた形跡が垣間見えるバイク。

でも残念なことに正解ではなかった。当時まだ未知の問題のジャンルだった”オフロードバイク”に初めて正解したのはヤマハ。CL72 SCRAMBLERの6年後の1968年に出たトレールDT-1です。

dt-1

深いストローク量を持つサスペンションにブロックパターンタイヤ、エンジンガードを兼ねたアップマフラー、何より単気筒を武器に低速からトルクフルで圧倒的な軽さと細さを持っていた事から大ヒット。いち早く問題に取り組んだホンダだったけど先に答えを導き出されてしまったわけです。

CL72 SCRAMBLERが間違えていた部分は二気筒エンジン。4st二気筒からくる取り回しの重さがオフロードの先駆車になれなかった最大の理由。

当時ホンダはレースで培った高性能エンジンとして並列二気筒エンジンを全面に押し出していた。つまり皮肉なことに結果を残していた強すぎるオンロードの考えをそのままオフロードに持ってきてしまった事が仇となった。

SL250S

それでもホンダは他社を真似ない精神、オフロードの答えはまだDT-1と決まっていないと、71年にCL250という後継を出しCLシリーズとして展開していきました。

しかしDT-1ブーム(オフロードブーム)の勢いは凄まじく一向に衰える気配がない。

指を加えてみている事しかできなかった営業や卸の堪忍袋も限界で

「DT-01に対抗できるバイクを出せ」

と突き上げを食らい、とうとう折れて出したのが1972年に出たこのSL250Sというわけ。

SL250Sカタログ

アルミリム、マグネシウム合金クランクケースカバー、強制開閉式キャブと当時としては贅沢な作り。そしてなにより単気筒・・・が、やっぱり4st。

この頃は2st全盛期で4stは車重やパワー面での見劣りを否めなかった。ましてオフロード車となると尚のこと。

実際ホンダもこのSL250Sとほぼ同時期にエルシノアMT250という2stオフを出した。だから本来なら2stほどの需要が無い4stオフSL250Sは要らないハズ。それでもなお出し続け止めなかったのは4stへのこだわりというかプライドの現れでしょうね。

このようにホンダのオフロード部門というのは、実は最初から成功を収めたわけではなかったんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2120/840/1125mm
シート高
車軸距離 1410mm
車体重量 136kg(乾)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 22ps/8000rpm
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 208,000円(税別)
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

CT125・ハンターカブ(JA55) -since 2020-

JA55

「自然をゆったり楽しむ、トレッキングCub」

2020年3月に登場したハンターカブことCT125/JA44型。

先に紹介したC125をベースとしつつも

・メインフレームを強化すると共にリアを延長
・大型のリアキャリア
・ホイールベースを+10mm延長
・ハンドルを一般的なトップブリッジ式に
・スチームリム/ステンレススポークの17インチ
・上記に伴いセミブロックタイヤの装備
・フロントフォークのストローク量を+10mm
・ABS付フロント2ポットΦ220mm/リア1ポット190mmへ
・給排気系統の見直しにより低中速に厚みを持たせ最低地上高もアップ
・エンジンガードを標準装備

などなど、雰囲気だけではなくちゃんと荷物を積んでのトレッキング出来るよう、随所に変更が施されています。

JA55パワーカーブ

日本でのトレールブームというかアウトドアブーム、それからコロナによるロックダウンでの部品供給問題も相まって納車半年待ちやら受注停止やらでとんでもない事になったのが記憶に新しい人も多いかと。

さて・・・トレッキングカブことハンターカブですが

「名前は知ってるけど歴史はあまり知らない」

って人も結構多いじゃないでしょうか。それも無理のない話でハンターカブは知名度の割には・・・ということでちょっとハンターカブの歴史についてザックリ書きたいと思います。

ハンターカブの始まりは1962年のC100Hになります。

C100T

オフロード大国であるアメリカからの強い要望で造られたモデルで日本には入ってきていません。

C105Tシルバーメッキ仕様

ちなみにこれはC100H発売された年に優秀は成績を収めたホンダ販売店に特別に送られたシルバーモンキーならぬシルバーハンターカブ。

更にこの翌年の1963年にはアップマフラーを採用したC105Hが登場。

JA55パワーカーブ

もうこの時点で既にハンターカブらしいワクワクさせる出で立ち。

要するにハンターカブっていうのはアメリカの要望によって生まれたアメリカ発祥カブという事なんですが、では日本でハンターカブが登場したのはいつかというと、その五年後となる1968年のCT50というモデルから。

CT50

3速・副変速機付きでエンジンガードやアップマフラーを採用とかなり本格的ですが、これはいま説明したアメリカ向けC105Tをベースに造られた逆輸入車みたいな形。ただし販売が振るわず、わずか三年足らずでカタログ落ちとなりました。

その後どうなったかというと1981年にアメリカ向けに作られていたCT110をまた逆輸入する形で再登場。

CT110

四速モデルで、このページの主役であるCT125の元ネタでもあるモデルなんですが・・・実はこれも当時は販売が振るわなかった。

というのもこの頃というのは安価なファミリーバイクが乱立していた時代だったから。その後アメリカでも1986年を最後にCT110が生産終了となり市場から姿を消すことになります。

ただ、オーストラリアの郵便配達バイクという官需があり、それのみ2012年まで続きました。レッドバロンが個人輸入して販売していたのでご存知の方もおられるかと。

そう、つまりハンターカブっていうのは実は初登場の1968年から52年間のうち、世に出たのは僅か二代8年間のみしか販売されておらず、それほど華々しい歴史があるわけでも、長い歴史があるわけでもないんですね。

JA55サイド

にも関わらず何故かみんなハンターカブを知っているし、CTではなくハンターカブと愛称で呼ぶ。

面白いのがホンダ社内でも同様で開発中は色んな人から厳しい目でみられる始末。JA55の開発責任者代行だった出羽さんはかなりのプレッシャーに晒されたんだそう。

ホンダCT125/JA55

これが何故か考えたんですけど、それはやっぱり見ただけでワクワクすること。これに乗ったら間違いなく童心に帰る事が出来るからでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1960/805/1085mm
シート高 800mm
車軸距離 1255mm
車体重量 120kg(装)
燃料消費率 67.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 5.3L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 8.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/4500rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前80/90-17M/C(44P)
後80/90-17M/C(44P)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/U20EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.7L
スプロケ 前14|後39
チェーン サイズ428|リンク108
車体価格 400,000円(税別)
系譜図
JA482019年
SuperCub C125
(JA48)
JA552020年
CT125・HunterCub
(JA55)
JA582021年
SuperCub C125
(JA58)

XR100/50(HD13/AD14) -since 2005-

XR100モタード

「Ride with the XR spirit.」

APEに始まったNプロジェクトの一環として作られたXRシリーズの末っ子XR100/50。今ホンダのNプロジェクトと言っても車の方と思われるでしょうね。

先に紹介したAPEベースの派生モデル。そもそもAPEの元がXR75なのを考えるとコッチが本流と言えなくもないんですが。

最低地上高を上げるためにマフラーをエンジンの横を通るように変更し、更にはディスクブレーキなども装着し性能アップ・・・なんだけどまあ見た目がXR250と瓜二つという遊びっぷり。

XR100モタード

先に出ていたベストセラーXR250(MD30)を本当にそのまま小さくしたようなバイク。

ココまでデザインを似せる必要性が合ったのか疑問に感じるくらい寄せてる。

XR100/50カタログ写真

豪華装備も相まってAPEよりも5万円も高い車体価格でした。

若者による若者のための若者のバイクという名目なんだけど、このXR100/50に限って言うと若者より遊びに生きるオジサマ達に人気でした。なんかそれを狙っていた気もするけどね。

主要諸元
全長/幅/高 1820/765/1000mm
[1785/765/1000mm]
シート高 750mm
車軸距離 1240mm
[1235mm]
車体重量 82kg(乾)
[79kg(乾)]
燃料消費率 53.2km/L
[86.0km/L]
※60[30]km/h定地走行テスト
燃料容量 5.7L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 99cc
[49cc]
最高出力 6.5ps/8000rpm
[3.3ps/8000rpm]
最高トルク 0.67kgf-m/6000rpm
[0.33kgf-m/5000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前後120/80-12 65J
バッテリー バッテリーレス
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6HSA/CR7HSA/CR8HSA
U20FSR-U/U22FSR-U/U24FSR-U
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L|交換時0.9L
[全容量0.9L|交換時0.8L]
スプロケ 前15|後33
[前14|後46]
チェーン

サイズ420|リンク110
[サイズ420|リンク116]

車体価格 304,500円(税込)
[252,000円(税込)]
※[]内はXR50モタード
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)

XL80S/XL50S(HD04/AD03) -since 1980-

XL80S/XL50Sカタログ

XEの後継にあたるXL50SとXL80S。

ちょっとした林道ブームによってついにXLの名前が4miniクラスにまで下りてきたわけです。

80の方はXEのエンジンではなく一緒に紹介したエンデューロXR75の物を積んだ為パワーが少し上がって6.3馬力となりました。

XL50S/XL80Sカタログ2

とはいうもののXEもそうだったけど公道仕様車ということで速さは無いトコトコ原付トレール。そのかわり燃費も40km/Lを切らない低燃費を持っていました。

もう存在しない原付トレールの最後となってしまったXL50SとXL80S。今出しても売れるか分かりませんが出して欲しいところですね。

MT50、XL50S、XL80S

当時がそうだった様にこういう遊び心を持った原付から本格的にバイクに目覚める人は少なくない言わばエントリークラスの様な物なので、モトクロッサーのCRF50Fが現存してるんだから公道向けにCRF50MでもLでもいいから出して欲しいところですね。

原付が激減していってる今の時代じゃオートバイ業界の盟主でも厳しいかな。

主要諸元
全長/幅/高 1760/755/970mm
シート高 不明
車軸距離 1135mm
車体重量 74kg(乾)
[71kg(乾)]
燃料消費率 75km/L
[80km/L]
※30km/h定地走行テスト
燃料容量 4.5L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 79cc
[49cc]
最高出力 6.3ps/8000rpm
[4.5ps/9000rpm]
最高トルク 0.61kgf-m/6000rpm
[0.37kgf-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-16-4PR|後3.00-14-4PR
[前2.50-16-4PR|後2.75-14-4PR]
バッテリー 6N2-2A-9
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7HA
[C6HA]
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前15|後38
[前13|後44]
チェーン

サイズ420|リンク96
[サイズ420|リンク98]

車体価格 149,000円(税別)
[139,000円(税別)]
※[]内はXL50S
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)

XE75/XE50(XE75/XE50) -since 1976-

XE50/X75

ミニマムオフことXE50と75。

XLなら知ってるけどXEなんて知らないって人は多いんじゃないかな。というのもXEという名前が付いたバイクは後にも先にもこのXE50/75だけだから。

基本的にはCBベースだけど、キャブの小径化、四速ミッションなどで低速寄りにチューニング。更にタイヤを前後インチダウンさせリアをワイド化とちゃんとオフ走行を念頭に置いた変更が加わってる。

XL50-S

1978年にミッションの五速化、フロントアップフェンダー、アンダーガードの装着といったモデルチェンジが入って車名もXE50-2/XE75-2に。

ちなみにこのXE50はTL50という兄弟車が居ました。

TL50

これは前後サスが強化されリフトアップされたトライアル向けの原付。

先に発売され成功していたTL125やTL250を追うように登場したTLシリーズの末っ子です。

更に言うと海外に目を向けるとXL75/XL100そして果ては北米向けに作られたモトクロッサーXR75(競技用)までありました。

XR75

今でこそモトクロッサーといえばCRFだけど、ホンダのキッズ向けエントリー競技車を始めたのはこの72年のXR75からだったりします。

主要諸元
全長/幅/高 1725/710/935mm
シート高 不明
車軸距離 1105mm
車体重量 79kg(乾)
[78kg(乾)]
燃料消費率 75km/L
[80km/L]
※30km/h定地走行テスト
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 79cc
[49cc]
最高出力 6.0ps/8000rpm
[4.5ps/9000rpm]
最高トルク 0.57kgf-m/6000rpm
[0.37kgf-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-16-4PR|後3.00-14-4PR
[前2.50-16-4PR|後2.75-14-4PR]
バッテリー 6N2-2A
[6N2-2A]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7HS
[C6HA]
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前14|後36
チェーン

サイズ420|リンク96

車体価格 119,000円(税別)
[109,000円(税別)]
※[]内はXE50
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)

ノーティDAX(CY50) -since 1973-

ノーティーダックス

ダックスシリーズの中で唯一縦型エンジンを積んでいるわんぱくダックスことNauty DAX(CY50)。

角目ライトに長いシート、そしてDAXより更に太い5.40-10というトンデモサイズなオールラウンドタイヤを履いているのが特徴的。

系譜として紹介している事からも分かるように名前にこそDAXだけど全くの別物で、ダイヤモンドフレームにCB50のエンジンを積んだスポーツDAX。

CY80

ただまあロングセラーとなり後に再販されるまでに至った横型エンジンの本家DAXとは対照的にあまり人気は出なかった。

ちなみにこのノーティDAXはホンダの鈴鹿製作所で企画開発された唯一のバイクであり、あの山中勲さんが最初に作ったバイク。

山中さんというのはRCB1000、CB750F、CB1100R、VFR750R(RC30)、NR、GL1500の開発に携わり、最終作はCBR1100XXと、ホンダの数々のフラッグシップを生み出してきた偉大な方です。

ノーティDAX

しかしブラバが最終作なのは有名ですが処女作がノーティだったのは少し意外ですね。これで少しはノーティの認知度も上がるかな。

ちなみにホンダロックに居られると思ったら2013年頃からは浜松でカフェをされてるそうです。

その名も「コーヒーブラックバード」

やっぱりブラバに思い入れあるんでしょうね。”バイクの話が出来るカフェ”を作りたくて作ったそうなので興味のある方はコチラからどうぞ。

言い忘れていましたが1976年に規制対応の為のマイナーチェンジが入っています。

R&P
(CY50J/80J)
-since 1977-

ホンダR&P

ノーティDAXに続いて登場したのがR&P(CY50J)です。Ride&Playの頭文字を取ってこの名前となりました。R&B(リズム・アンド・ブルース)と掛けてるんでしょうね。

基本的にはノーティDAXと一緒で違うのはノーティが四速なのに対して五速を積んだこと、そして角目から丸目になったこと。このおかげかノーティよりは人気が出ました。ちなみにこのバイクは非常に面白いセールス方法が取られた事で有名です。

R&Pカタログ

写真を見てもらえれば分かると思うのですが、初期の頃はHONDAという社名ロゴもR&Pという車名ロゴも車体には入っていませんでした。更に宣伝する際にもR&Pという名前を押し出すような事もしなかった。

これは

「皆さんの好きなように呼んであげて下さい」

という意図から。

CY50J2

しかし車名もない、何処のバイクかも分からないという斜め上なセールス方法は当然ながらウケるはずもなく、後にはちゃんと車名もロゴも付いてR&Pと大々的に宣伝する事に。ちょっと斜め上過ぎましたね。80年にマッドガードなどのマイナーチェンジが入っています。

CY80

ちなみに日本では売られていないので知名度はありませんが80ccモデルも存在していました。

主要諸元
全長/幅/高 1620/770/985mm
[1715/760/985mm]
シート高 不明
車軸距離 1115mm
[1120mm]
車体重量 80kg(乾)
[85kg(乾)]
燃料消費率 75km/L
[75km/L]
※30km/h定地走行テスト
燃料容量 3.5L
[6.0L]
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 49cc
最高出力 4.5ps/9000rpm
[4.3ps/9000rpm]
最高トルク 0.35kgf-m/8000rpm
[0.37kgf-m/7000rpm]
変速機 常時噛合式4速リターン
[常時噛合式5速リターン]
タイヤサイズ 前後5.40-10 WT
[前後5.40-10-4PR]
バッテリー 6V2AH
[6N2-2A]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7HS
[C6HA]
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前14|後42
[前13|後43]
チェーン

サイズ420|リンク96
[サイズ420|リンク96]

車体価格 98,000円(税別)
[128,000円(税別)]
※[]内はR&P
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)