YZF-R6(13S/1JS/2CX)-since 2008-

2008R6

「CATCH THE EXTREME」

デザインが非常に好評だったため大きくは変えていないものの、確かに変わっている五代目R6の13S。

R6比較

見た目としての変更点は

・アッパーカウルの更なるスラント化

・サイドカウルの造形変更

・マフラー形状の変更

・ポジションランプの変更

などなど。

分かりやすい見分け方としてはオデコにあるポジションランプ形状(丸い06、尖ってる08)とアンダーカウルのインテーク(有り06、無し08)かと。

2c0と13sの違い

その他にもサイドカウルやシートカウルも変わっています。まあ早い話が尖ってる方が13S型という事。

13S顔

ただし外見と違って中身は再び大きく手が加えられました。

同形状に見えて新設計となっているフレームも凄いんですが、その中で注目したいのが珍しくもYZF-R1の後追いとして採用された可変機構の電子制御インテークYCC-I。

可変エアファンネル

これは簡単にいうと空気を吸う口(筒)の長さを変える事が出来る可変機構のこと。

どうして長さを変える必要があるのかというと、この筒の長さによって吸気効率が大きく変わるから。

ザックリ言うとエンジンが空気を吸おうと思っても空気にも質量があるからすぐには来てくれない。だから物凄い速さで吸ったり吐いたりする高回転時は筒は短いほうがいっぱい吸えるからありがたい。

YZF-R6カットモデル

でも一方で吸う力が弱く遅い低回転時には長くして滑り台のように筒で空気の流れを加速させた方がありがたい。

このまるでシーソーのようなバランスを改善するために低回転では連結させて長い筒にし、高回転時にはパカッと開いて短い筒にするという良いとこ取りの様な形にしたのがこの電子制御インテークのYCC-Iという話。

補足:自然吸気も過給している~慣性吸気と吸気脈動~

エンジン

つまりR6がこれを採用した理由は超高回転型ながらパワーバンドを広くするためで、合わせてクランクやバルブスプリングやカムチェーンも見直しも入っているんですが

「じゃあ乗りやすくなったのか」

というと残念ながらちょっと違う。

13S内部

あくまでもサーキット(レース)の為にあるのがこのR6。

パワーバンドが広がったと言ってもこの可変吸気がパカッと開くのは13750rpmから・・・つまり広がったというより更に高くなったという表現の方がシックリ来るような内容。

R6の短いエアファンネル

キツすぎるポジションやヤマハの中でもトップの圧縮比である事からも分かる通り

「走りで存在感を示す」

という点に重きを置いてあるバイクという立ち位置はブレないどころか更に研ぎ澄まされたという話。

13S銀

だから正直言って一般人が公道で乗ってもせいぜい直線番長くらいしかR6のエクスタシーを感じることは・・・と思いましたが誰も気付ける

『日常使いで誰で分かるYZF-R6のエクスタシー』

が一つありました。それは排気音です。

WGP50R6

このダウンショートになったR6は純正とは思えないほど良い音を出します。かといって社外ほど下品な音でもない。

騒音規制が実質的に緩和されたことで拘るようになった2018年以降のバイクに負けないくらい調律された本当に良いエキゾーストノートを奏でます。

13Sマフラー

ここらへんはさすがヤマハ。

しかし不運にもそれが祟って経年劣化による音量の増大をカバーできなかったのか2010年モデル(13S後期)ではサイレンサーが延長。

2010R6

と思ったら逆輸入規制(並行輸入自動車審査制度)が厳しくなった事と、やっぱりみんなR1を買っちゃう事からか日本では2010年モデルを最後に逆輸入車の正規取扱(プレスト扱い)が終了という事態に。

キャッチザエクストリーム

そのため2011年からの1JS型と、2014年型からの2CXは正規では入ってきませんでした。

ちなみに型式が違いますが、これは主に仕様地(ECUなど)やカラーリングを区分するマーケティングコードでモデルチェンジがあったわけではありません。

2016R6

ちなみに最終型の2CXではR6のロゴが一足先に新型にも採用されている新しいフォントになっていたりします。

主要諸元
全長/幅/高 2040/705/1100mm
シート高 850mm
車軸距離 1380mm
車体重量 188kg(装)
[189kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 17.3L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 129ps/14500rpm
[124ps/14500rpm]
最高トルク 6.7kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,100,000円(税別)
[1,120,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内は13S後期
系譜図
1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)

YZF-R6(2C0)-since 2006-

2006R6

「EXTREME SUPER SPORTS」

ユーロ3の排ガス規制に合わせて大激変を遂げた四代目YZF-R6の2C0型。

変更点としてはまずやっぱりエンジン。

2C0エンジン

・ビッグボア&ショートストローク化

・圧縮比をアップ

・クランクマスの軽量化

・マグネシウムヘッド

・バルブのさらなる狭角化と大径化

・排気デバイスEXUPの採用

・アイドルコントロール

・YCC-T(電子制御スロットル)

・トリプルCPU内蔵ECU

などにより127ps/14500rpmというただでさえ高回転型だったのが更に高回転型に。

2C0メーター

その結果タコメーターには遂に20000rpmの文字が登場。

「お前は250ccレーサーレプリカか」

と言いたくなる話なんですが他にも

・新設計CFアルミダイキャストフレーム

・新型サスペンション

・1kgの減量

・スリッパークラッチ

・アルミサイドスタンド

・チタンサイレンサー

などなど。

2007R6エンジン

相変わらずR1より豪華な最先端装備の数々・・・ですが、それ以上に騒がれたのがデザインかと。

性能に負けずとも劣らない超攻撃的な姿。

2007YZF-R6壁紙

ヤマハの象徴であるレイヤードカウルの始まりもここにあるんですが黎明期のデザインとは思えないほどの完成度ですね。

ただそれもそのハズで、実はこのデザインはR6の開発チームがたまたま目にしたスケッチを発見しビビッと来て

「次期型のデザインはこれで行こう」

と問答無用で決定したから。

つまりこの型はデザインが結構大きなウェイトを占めており、設計を寄せていった末の形なんですね。

2007YZF-R6

わざわざポジションランプのレンズに音叉マーク入れてる事も含め、これだけのデザイン性をもったSSが出来たのも納得な話。

これで性能も見た目もますます尖ったSSになったわけですが

「どうしてそこまで尖らせるのか」

というと理由は2つあります。

一つは欧州で盛り上がりがピークを迎えていた600ccレースに勝つため。

2007YZF-R6wallpaper

YZF-R6はデビュー当初こそ他を寄せ付けない性能を誇り、各地のレースで大活躍していたんですが競争の激化によるライバルの出現で苦戦するようになっていた。

それを挽回する狙いがあったのが一つ。

そしてもう一つは初代でも少し話しましたが

『YZF-R1という存在』

にあります。

R6よりも排気量が大きいR1という存在が居る以上どれだけR6を豪華にしても存在感や所有感を上回る事は不可能だと三輪さんを始めR6チームは分かっていた。

そんな中でR6の存在感や所有感をR1よりも出すにはどうしたらいいか考えた結果

2007年式R6

「走りで存在感や所有感を出そう」

となった。

じゃあ走りで絶対的な排気量差があるR1よりもそれらを出すにはどうしたら良いか・・・最新の装備を奢って極端なエンジン特性にするしかないですよね。これがR6が思い切りやろうというコンセプトで誕生した根本であり尖っていった理由。

だからR6はR1の弟分でも下位互換でも無いんです。先代PLの小池さんいわくR6開発チームはそう思われたくないと考えてる。むしろそれは屈辱でしかない。

2006R6

R6はサーキットでR1よりも存在感を出せる、R1のインを差せるように開発されている一点突破ミドルスーパースポーツという事。

この2C0型はそんなR6のアイデンティティを本当によく現したモデルでした。

主要諸元
全長/幅/高 2040/700/1100mm
シート高 850mm
車軸距離 1380mm
車体重量 182kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 127ps/14500rpm
最高トルク 6.7kg-m/12000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル SAE10W30~20W40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,050,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)

YZF-R6(5SL後期)-since 2005-

2005R6

熟成が図られた5SLの後期モデル

主な変更点はスロットルボディ(38mm→40mm)、エアファンネル(39.4mm→41.6mm)とそれぞれ大径化して2馬力アップ、剛性が見直されたデルタボックスフレーム、フロントタイヤを現代の主流である120/70に変更、倒立フォークとラジアルマウントキャリパー&マスターなどの足回り強化。

他にもアンダーカウル形状が変更されたりと、見た目はそれほど変わってないけど中身は結構大掛かりに変更されました。僅か一年しか売られなかったので知らない人も多いんじゃないかな。

あんまり見た目が変わっていない事へのテコ入れか、ロッシデザインのカラーとテルミニョーニマフラーとオマケにロッシのサイン入りタンクというロッシファンならたまらないモデルが世界限定500台(シリアルナンバー付き)で発売されました。

ロッシカラー

ロッシのゼッケンナンバーから取ってその名も「YZF-R46」

右側から見ると太陽をイメージした黄色ベースのカラーリング。

ロッシカラー

左側から見ると月をイメージした黒色ベースのカラーリング。

ロッシカラー

上から見ると・・・

ロッシカラー

綺麗に分かれてる。

実にロッシらしいデザインですね。

主要諸元
全長/幅/高 2045/690/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1385mm
車体重量 183kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 120ps/13000rpm
最高トルク 6.8kg-m/12000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK/CR10EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|後48
チェーン サイズ532|リンク116
車体価格 990,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)

YZF-R6(5SL)-since 2003-

2003R6

「エキサイティングなベスト600ccスーパースポーツ」

大きく生まれ変わった三代目YZF-R6の5SL型。

開発目標は更なるコーナリング性能の向上とエキサイティングなエンジン性能の具現化。

そのためにまずエンジンを

・ダイレクトメッキシリンダー

・シリンダーの剛性アップ

・クランク圧のポンピングロスを減らすバイパス

・狭角ハイカム化

・負圧ピストン付きのFI

・二重管構造のチタンパイプ

・発電システムの薄型化

など約9割の部品を新設計というもはや完全新設計と言っていいほどの変更。

5SLのエンジン

いま改めて振り返ってみるとメッキシリンダーや二重管チタンなど現代でこそハイエンドモデルでは当たり前となっている技術の数々をミドルにも関わらずいち早く採用している本当に意欲的でバブリーなエンジン。

そのおかげか10年以上もベースエンジンとして第一線を張り続けただけでなく、突き抜けるような超高回転という官能性も非常に評価されていますね。

5SL

ちなみにそんなR6の官能的なエンジンに酔いしれている人は現行を含め多くおられると思いますが、最初に酔いしれたのは実は他ならぬ開発陣。

実験担当だった伊藤さんいわく、この新設計エンジンの試作機が完成し実験を開始したところ、どこまでも軽やかに突き抜けるどころか回せば回しただけ性能が出るもんだから興奮してアクセルを緩める事ができず、結局クランクを突き破るまで(コンロッドが折損するまで)回してしまい1基ダメにしてしまうというオチ。

2003R6

そんな事をやらかすほどだったからメーターには19000rpmまでしか刻まれていないんだけど

「本当はこんなもんじゃない」

とまで言う始末※CLUBMAN/No216より

それほどまでに凄いエンジンが出来たとチーム内では手応えを感じていたというわけです。

5SLカタログ写真

ただ5SLの凄い部分はまだあります。

それは
『CFアルミダイキャスト』
です。

ダイキャストというのは簡単にいうとドロドロの合金をコンマ何秒という速さで型に注入することで精密かつ複雑な成形を可能にする大量生産向きの鋳造の事。

しかしアルミは凄い速さで固まってしまう事と潤滑剤が発生させるガスや空気などの巻き込みで中に空洞(鋳巣)が出来てしまい強度が落ちてしまう問題があったため、薄かったり細かったりするものは造れないのが一般的だった。

そこでヤマハはこの問題を解決するためになんと自社でダイキャスト設備について研究開発し編み出したのがCFダイキャスト技術。

CFアルミダイキャスト

特殊なシールで真空度を上げると同時に注入速度を5倍に速め、ヒーターでアルミが途中で固まるのを防ぐ事でガスの混入率を1/5にまで低減することに成功。

それにより安定した強度を出せる様になった事で、これまで無理だった細い形状や薄い形状のダイキャストを可能にした・・・というのがヤマハのCFアルミダイキャスト。

5SLのフレーム

そして大事なのがその技術で初めて造られたのが他ならぬこのYZF-R6/5SL型のメインフレームとスイングアームという話。

つまり5SLというのはエンジンもシャーシも何もかも最先端の技術の塊のようなバイクだったんです。だからデザインも当初は変える予定はなかったものの大きく進化した事をアピールするために変更された背景がある。

カタログ

ちなみにこのモデルのイメージは空気を食らう怪物。虎をイメージされたとの事。

残念ながらこの頃のR6は日本ではあまり有名ではありませんが、レースがより身近にある欧州ではメディアなどを見る限り非常に高い評価で当時向こうではミドル一番人気だった模様。

だから欧州仕様にはイモビライザーが付いていました、これは欧州で盗難事故が増えてきてR6も人気があって狙われやすかったから。

R6盗難保険

この事で欧州の盗難保険会社はその後イモビ有りとイモビ無しで分け実質的な値上げ。フランスやオランダなどではイモビがついてないと盗難保険に入ること自体が不可になるほどの事態になりました。

そんな5SLですが最終年となる3年目の2005年にはマイナーチェンジがされています。

2005R6

・スロットルボディ(38mm→40mm)

・ エアファンネル(39.4mm→41.6mm)

・フレームの剛性バランスを見直し

・ホイールベースを5mm延長

・フロントタイヤ120/70ZR17に変更

・倒立フォークとラジアルマスターとキャリパー

などの変更点が加わりスペックは+3馬力と更に向上。

5SLの壁紙

ただこれは大人気だっていたからこそ可能だった欧州仕様のみの欧州スペシャルモデルみたいなもの。

更に向こうでは

・右半分が太陽をイメージした黄色

・左半分が月をイメージした黒色

というセンターで色分けされた独創的なカラーリングとテルミニョーニのスリップオンが付いたモデルも販売。

YZF-R46

ご存知ロッシのスペシャルカラーで本人のサインとシリアル付きで限定300台。

ロッシカラー

その名も『YZF-R46』

10年以上前なだけあってロッシが若い。

主要諸元
全長/幅/高 2025/690/1090mm
[2045/690/1105mm]
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
[1385mm]
車体重量 182kg(装)
[183kg(装) ]
燃料消費率
燃料容量 17.0L
[17.5L]
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 117ps/13000rpm
[120ps/13000rpm]
最高トルク 6.78kg-m/12000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17(55W)
後180/55ZR17(73W)
[前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)]
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK/CR10EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.4L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前16|後48
チェーン サイズ532|リンク116
車体価格 980,000円(税別)
[990,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内は5SL後期(05年モデル)

系譜図

1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)
系譜図
1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)

YZF-R6(5MT)-since 2001-

2001R6

「RACE-READY」

二代目となるYZF-R6/5MT型。

デザイン面で目立つ変更点としてはテールランプがLEDに変更されたこと。

YZF-R6壁紙

スペックとしては1kg減に留まっているものの細部が大幅に見直されています。ここらへんも二代目YZF-R1/5JJに通ずる所ところがありますね。

ただR1と決定的に違うこととして生い立ちもそうなんですが最初から4バルブエンジンだった点があります。

コンパクトなエンジンにアルミデルタボックスフレームとGENESIS思想が色濃く出てるんだけどバルブだけは4バルブ。

YZF-R6フレーム

当時はヤマハが5バルブを推していた事もあり

「いつになったら5バルブになるんだ」

とか言われていたんですが、600ccという小排気量でもう一本バルブを追加する必要がある5バルブにするにはヘッドを大型化するしかなかった。

しかしそうするとコンパクト性が失われてしまう為に採用はしなかったという話。ただ今にして思えばそれで正解でしたね。

主要諸元
全長/幅/高 2025/690/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 188kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 599cc
最高出力 120ps/13000rpm
最高トルク 6.9kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17(55W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.5L
フィルター交換時2.7L
スプロケ 前16|後48
チェーン サイズ532|リンク116
車体価格
系譜図
1985FZ600 1985年
FZ600
(2AX/2AY)
1989FZR600 1989年
FZR600
(3HE/4HJ)
1994YZF600R 1994年
YZF600R
(4WE)
1999YZF-R6 1999年
YZF-R6
(5EB)
2001YZF-R6 2001年
YZF-R6
(5MT)
2003YZF-R6 2003年
YZF-R6
(5SL)
2006YZF-R6 2006年
YZF-R6
(2C0)
2008YZF-R6 2008年
YZF-R6
(13S/1JS/2CX)
2017YZF-R6 2017年
YZF-R6
(BN6)

YZF-R1(14B~1KB/45B)-since 2009-

09YZF-R1

「Ultimate Cornering Master 1000」

六代目となるYZF-R1の45B型。

ツリ目デュアルライトから出目金の様な丸目プロジェクターへと大変貌を遂げました。

09R1

当時は賛否両論でしたけど、いま改めて見ると結構クセになるというと味がある顔ですね。

そもそもR1はGKデザインという超エリートデザイン会社が代々手掛けているだけあって、見る角度によって表情が変わるバイクだけどこの型はR1の中でも一番表情豊かモデルじゃないかなと思います。

09R1黒

それより中身の話ですが、この代の最大の変更点は何と言ってもmotoGP直系技術の

『クロスプレーン型クランクシャフト』

にあります・・・が、不等間隔爆発については

『クロスプレーン(不等間隔爆発)だと何が良いのか|バイク豆知識』

で長々と書いていますので申し訳ありませんが割愛させてもらいます。そちらをどうぞ。

クロス

ただ付け加えるなら不等間隔爆発を採用するかはヤマハの社内でも意見が真っ二つで非常に揉めたそう。フラットプレーン(一般的な直四)特有のモーターの様に回る官能的なエンジンが好きという人は多いですからね。

ただし

「YZF-R1のコンセプトはコーナーリングにあり」

ということで、それにはフラットプレーンよりもクロスプレーンにしたほうが理があるという事で採用。

・・・がしかし、いざ作ろうと思っても理解はしてるのに上手くいかない机上の空論状態に。

そこで不等間隔爆発の実績もノウハウも積んでいた元ネタでもあるMotoGPのYZR-M1陣営に見て盗むと言わんばかりに出向き、技術やノウハウを学ぶ事で製品化にこぎ着けたそうです。

YZR-M1

「レーサーから技術をスライドさせるだけでいいのでは」

と思いますが、実はレース部門と市販車部門というのはヤマハに限らず皆が思っているほど横の繋がりはない。実際歴代のR1開発においてMotoGPのYZR-M1陣が加わった事はこれまで一度も無いんです。

クロスプレーン

M1はM1として、R1はR1として完全に分かれてそれぞれ進化してる・・・いや、していた。

それがこの代になって遂にMotoGPの技術、YZR-M1の血が入りクロスプレーンという形で実現された。だからもうこれはスーパースポーツというよりレーサーレプリカとも言えるモデルになったわけです。

2010年型

もちろん変わってるのはクロスプレーンだけではなく

・1mmのビックボア化
・新設計フレーム
・左右独立分担減衰力発生方式フロントフォーク
・2WAY式リアショック
・2タイプフットレストポジション
・マグネシウムシートフレーム
・D-MODE(出力モード切替)

などなど何気に足回りも大幅に進化。

R1カタログ写真

そして言われないと分からないんですが、見た目に大きく寄与する隠しボルト主体の留めになっています。空気抵抗を減らすというSSらしい狙いでもあります。

もう一つ説明しておかないといけないのがこの代から国内仕様が発売されたこと。

国内仕様

翌2010年からプレストが逆輸入車を扱うようになったんですが、それでも国内仕様と海外仕様での比率的には2:1と国内仕様が人気でした。

理由としては

・国内仕様でも145馬力(初代R1並)
・価格が14万円ほど安い
・サービスの安心感

などが考えられるんですが、カラーリングの要素も大きいかと。

というのも国内仕様には鮮やかなマゼンタカラーのフレームとホワイトボディが綺麗なブルーイッシュホワイトカクテル1、またの名を

『キュベレイカラー』

と言われているカラーが用意されたから。

YZF-R1ブルーイッシュホワイトカクテル

このカラーリングをご存知の方、そしてこれに惚れた方も多いのではないでしょうか。

ちなみに国内仕様ではこれが一番人気カラー(四割弱)だったんですが、実はこのカラーリング当初は採用されない予定でした。理由は生産に大きな負担を強いるから。

当たり前ですがカラーリングを増やすとそれだけコスト増になる問題がある中で外装だけでなくフレームまで別の色で用意。ましてワンオフでもないけど大量生産も望めない微妙な車種でそれをやるというのは通常ありえない話。

じゃあなんでこうやって実現したのかというと

「どうしてもこのカラーリングを出したい」

とプロジェクトリーダー兼フレーム設計のエキスパートだった西田さんが色んな部署に懇願して回ったから。※別冊モーターサイクルNo.395より

キュベレイカラー

だからこそ実現できたのがこのカラーリングというわけ。

この代の国内仕様だけ青、黒、そして白と甲乙つけがたい3色ものカラーリングが大盤振る舞いのように用意されたのもそれが理由。

2009年のカラーリング

よりどりみどりとはまさにこの事・・・ってこれはシーマだった。

主要諸元
全長/幅/高 2070/715/1130mm
シート高 835mm
車軸距離 1415mm
車体重量 212kg(装)
[206kg(装) ]
燃料消費率 19.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 145ps/11000rpm
[182ps/12500rpm]
最高トルク 10.0kg-m/10000rpm
[11.8kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/55ZR17(75W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR9E-J
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.58L
交換時3.73L
フィルター交換時3.93L
スプロケ 前17|リア47
チェーン サイズ530|リンク120
車体価格 1,350,000円(税別)
[1,490,000円(税別)]
※[]内はプレスト取扱い車両
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

YZF-R1(4C8)-since 2007-

2017YZF-R1

「fastest&Highest Status Super Sport」

サーキットでの最速性能とコントロール性、および一般道での最高性能とコーナリング性能を兼ね備えた性能というコンセプトを持った2008年からの五代目R1こと4C8型。

アスリートの肉体美をイメージしたと言ってるように歴代R1の中ではたくましいデザインに。

今も続くヤマハカウルデザインの特徴であるレイヤードカウル(カウルが何枚も重なってる様に見える)の始まりでもあります。ちなみにこのR1からデザイナーが2015年モデルまで担当している新しい方に変わりました。

エンジン

このR1最大の特徴は何と言ってもヤマハにとって伝家の宝刀であり伝統だった5バルブを捨てさって4バルブになった事。

コレには事情があります。

というものこの頃のSSというのは一番スペック競争が最も加熱していた時期。

08r1

だから

「出力を上げるなら4バルブにするしかない」

という事で4バルブなったわけです。

4C8

5バルブなら吸気口の面積を大きく取れるからパワーを出せるのじゃないかと思いますが、バルブが一本増えるとそれだけセッティングが難解になる。

5バルブについて詳しくは

『誤解された5バルブのメリットとデメリット|バイク豆知識』

をどうぞ。

4C8カットモデル

4C8のエンジンは下半分はほぼ先代なものの、4バルブ化に合わせて

・YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)

・YCC-I(可変式エアファンネル)

・スリッパークラッチ

といった最先端のデバイスを装備し、肝心のエンジン出力も179馬力と見事に市販SSとしてはトップのパフォーマンスを記録する事となりました。

4C8カタログ写真

ちなみにルックスや太くなったスイングアームから見ても堅く鋭いイメージが連想されがちですが、実はこう見えて先代より更にフレームの肉厚(剛性)が見直されて靭やかになっていたりします。

そんな4C8型なんですが4バルブ化と合わせて紹介しておかないといけない大きな部分が6POTとなったフロントブレーキ周り。

4C8

誤解している人が居ますがコレも立派なMOS(Motorcycle Of Sumitomo)キャリパー。

どうしてそう誤解されているのかといえばMOSの特徴である鮮やかなピストンキャップが内側になったから。だからMOSっぽく見えず正直に言うとちょっと地味になりました。

何故こんな6POTにしたのかというとコーナリング性能のためにあります。

4C8壁紙

この4C8は先代からディスクローターをワンサイズダウンさせるという英断をしているんです。

これは回転することによって生じるジャイロ効果(水平を保とうとする)を少しでも軽減させるため。そして小径化によって落ちてしまった制動力はジャイロを発生させないキャリパー側で補おうという事で6POT化することになった。

その際にワンピースのモノブロックキャリパーであるが故に必要なピストンを組み付けるためのピストンホール、要するにMOSキャリパーのアクセントになっている蓋(を付ける分だけ肉厚した部分)とラジアルマウントのボルトが干渉する問題が出た。

6ポットMOSキャリパー

そのためMOSのアイコンだった綺麗な(銀色の)蓋を内側に付けるしかなくなった。

この事についてプロジェクトリーダーだった西田さんは本当に悔しくて悩んだそうですが4C8の開発目標だった

「例えバランスを崩してでも強く曲がれる一次旋回力」

を達成させるためにフレーム剛性を落とした事と合わせてこの6POTを採用することに。

表紙

この一見すると地味で大人しくなった6POTのMOSキャリパーと小さくなったディスクローターですが、実はこれこそが4C8のコンセプトとその魅力を一番現している部分だったりするんです。

主要諸元
全長/幅/高 2060/720/1110mm
シート高 835mm
車軸距離 1415mm
車体重量 200kg(装)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 180ps/12500rpm
最高トルク 11.5kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.83L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格 1,320,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

YZF-R1(5VY後期/4B1)-since 2006-

06yzf-r1

「it has no rivals」

5バルブ世代ラストとなる五代目・・・ではなく公式曰く4.5代目にあたるYZF-R1の5VY後期型。

分かり難いですがチョコチョコ変わっています。

まず第一に吸排気とマッピングに見直しが入って3馬力アップの175馬力になり、更にスイングアームが16mm伸ばされて1415mmになりました。

2006年式

でも一番大きいのはフレーム剛性の見直し。

先代というか前期5VYからフレームやブラケットの肉厚調整をしてフレームの剛性を少し落としました。早い話がコーナーリングをもっと楽しめるようにした改良ですね。

そして5VY後期といえばこれ。

2006ストロボイエロー

ヤマハ創立50周年を記念して出されたケニー・ロバーツさんでお馴染みUSインターカラー。

このカラーに決まったのはアメリカのラグナセカで11年ぶりにMotoGPが開催される事となったから。

インターカラー

ちなみにヤマハも復帰にあって改修費用を幾らか出したよう。

そしてもう一つ紹介しておかないといけないのはバイク乗りなら思わずヨダレを垂らすSP仕様の4B1型。

YZF-R1SP

・専用色(濃紺)のフレーム&カウル

・マルケジーニホイール

・前後オーリンズサス

・スリッパークラッチ

が付いてお値段228万9000円。

一見高そうに思えるけど、豪華装備+ヤマハによるチューニングが施されている事を考えるとむしろ割安。

そのためか世界限定1330台だったのですが瞬く間に完売。当然ながらもう買えません。

コッチはインターカラー版SPとなるLE仕様。

YZF-R1LE

SPにはこのインターカラーバージョンのYZF-R1LEもありましたがコッチは北米限定モデルで日本には(正規では)入ってきてません。

主要諸元
全長/幅/高 2085/720/1105mm
シート高 835mm
車軸距離 1415mm
車体重量 194kg(装)
[195kg(装)]
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 175ps/12500rpm
最高トルク 10.9kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
10W30~20W40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格 1,250,000円(税別)
[2,180,000円(税別)]
※プレスト価格
※[]内はSP/LE(4B1)
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

YZF-R1(5VY)-since 2004-

5vy

「セカンダリーロード最速のビューティフル&エキサイティングスポーツ」

見た目も中身も大変貌を遂げた四代目R1こと5VY型。

SBK(市販車ベースレース)が四気筒750ccから1000ccに改定された事で、このR1もレースベースとしての役割を担う必要が出た事が要因です。

2004YZF-R1ラフデザイン

そのため大きく生まれ変わった・・・というより先代から原型を留めていないくらい変わりました。

もう10年以上前のモデルですが、今でも根強い人気があるモデルですね。

5VY

新しく開発されたエンジンですが

「74.0mm×58.0mm→77.0mm×53.6mm」

とクラスNo1のビッグボアショートストロークの高回転型に変わり、クローズドデッキシリンダーとFSコンロッドも採用する事で一気に20馬力アップの172馬力。

そしてそれを支えるフレームも特徴的で、従来のエンジン横を通すのではなくエンジンの上を通るバックボーンの様なツインスパーフレーム(デルタボックスV)へ変更されスリム化。

5VY変更点

これで遂に乾燥重量でパワーウェイトレシオ1という快挙を達成。界王拳から超サイヤ人になったくらいの変化。

5VY

ただやっぱり人気となった一番の要因は圧倒的なスペックというよりもデザインなのは間違いないかと。

ガトリングヘッドライト

フロントにはもはやただのマルチリフレクターヘッドライトは時代遅れと言わんばかりのガトリングヘッドライトと二本出しセンターアップマフラー。

代々R1はフロントタイヤに覆い被さるというか齧りつく様なデザインがコンセプトで、コーナリング中が一番栄えるようにデザインされてるんですが、そんな中でも5VYは非常に良く纏まっておりスマートさすら感じるデザイン。

ちなみにこのセンターアップマフラーの採用はどうしてもやりたかった事の一つで、当時はバンク角の確保や左右の重量バランスなどと言っていましたが

5VY壁紙

「上げた方がカッコイイじゃん。絶対上げよう。」

が本音だったと2017年のYZFミーティングにて暴露していました。センターアップマフラーって基本そうなんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2065/720/1105mm
シート高 835mm
車軸距離 1395mm
車体重量 193kg(装)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 172ps/12500rpm
最高トルク 10.9kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
10W30~20W40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,250,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

YZF-R1 (5PW) -since 2002-

02YZF-R1

「ダイナミック・コーナリング・パフォーマー」

三代目YZF-R1となる2002年登場の5PW型。

内容としては

・エンジン搭載位置を20mmアップ

・剛性30%アップ(デルタボックス3)

・FI(電子制御燃料噴射装置)の採用

・2馬力アップ

・1kg軽量化

・二軸式EXUP

・アルミ鍛造ハンドル

・サスの大径化とストロークのショート化

・リアキャリパーを上付けに

・LEDテールランプ

などとなっています。

単純に数字だけ見ると2馬力アップと1kg軽量化だけなのでマイナーチェンジのように思えますが、その実、先代に続きカタログスペックだけでは分からないコダワリのモデルチェンジとなっています。

まず目に見えて変わったのがデザイン。

02YZF-R1壁紙

具体的に言うと一つはサイドカウル。

それまでカウルといえば空力を考えられたボディカバーの様な形なのが常識でした。整流の為にあるパーツなのだから当たり前といえば当たり前な話。

5PWコンセプトスケッチ

そんなカウルをこの三代目R1は大胆に切り取り、ネイキッドかのようにエンジンを魅せつける形に。

もう一つはテールカウルで、エッジを効かせ裏面までキレイに塗装。

2002R1 LEDテールライト

これはもうフルバンクの姿を美しく魅せるためとしか思えない。

それまで整流パーツという意味合いが強かったカウルを、ドレスアップパーツにする・・・さすがヤマハ、さすがGKデザインとしか言いようがないですね。

おまけでもう一つ言うと、タンクのエンブレムをYAMAHAから音叉マークのみに変えたのもこのモデルから。

02YZF-R1プレストカタログ

グッと世代を新しく感じる細かいけど非常に大きなポイントですね。

しかしそれ以上に凄いこだわりポイントが中身の方。

まず最初に挙げるのはヤマハとしては初となるFI(電子制御燃料噴射装置)を採用したこと。

02YZF-R1エンジン

FIのメリットは燃料を完全制御に出来る事で、簡単に言うと空燃比をコントロールし排気ガス規制を通しやすいというメリットがあります。

ただこれは現代の話で、このモデルの頃はまだまだキャブでも排ガスを通すことは可能だった時代。では何故こんなにも早くFIを採用したのかというと

『正確無比なパワー(環境変化に強い)』

というもう一つのメリットを得るため。

キャブは負圧という受動的な動作の都合上、環境によってパワーの出方にどうしてもムラが出てしまう。

02YZF-R1コーナリング

コーナリングのR1にとって、この雑味に近い要素は無視できないものだったからFIを採用したという話。

ただし・・・FIにもデメリットがあります。それはパワーの出方が尖すぎるという事。

これまたザックリ説明すると、キャブは負圧なので受動的にガソリンを吹くから斜線のような出方をする。それに対しFIは能動的にガソリンを吹くので点のような出方となり、アクセルの開け方次第では唐突にガツンと出る。特に最初期のFIはインジェクターの微細化が未熟だった事もあり顕著だった。

コーナリングマシンにとってこれは致命的な問題。しかしFIの環境に左右されない正確無比なパワーも欲しい・・・そこで編み出されたのが、サクションピストン付きFI。

サクションピストン付きFI

スロットルバルブの上に負圧で開閉する蓋を設けた形。

本来スロットルバルブを開くと上部から空気を吸い始めるんですが、上はサクションピストン(スライドバルブ)がほとんど塞いでいる状態なので、空気は横に備え付けられたサクションチャンバーから吸われる。

するとサクションチャンバー内が負圧になり、そこから横に飛び出しているサクションピストン(の中にあるスプリング)が縮むことでスロットルボディから引っ込む。

FIのメカニズム

そうしてスロットルバルブまでの道が完全に開く本来のインテークになる。

こうする事で開け始めの唐突さを緩和しつつFIの武器である正確無比なトルク特性を得ている。早い話がキャブっぽさを残した非常に凝ったFIというわけですね。

そしてもう一つだけこだわりポイントとして説明したいのがフレーム。

デルタボックス3

この代でフレームも『デルタボックスIII』となりました。

一見するとあまり変わっていないように見えますがフレーム剛性が30%アップ。しかし凄いのは剛性を上げた事ではないんです。

ステムシャフトやメインチューブの肉厚を微調整し・・・そして、ハンドルの逃げスペースを無くした。

02YZF-R1切れ角

ご存知なようにスーパースポーツはスポーツ走行時に一番決まるポジションにするため、低く垂れたハンドルをしているのが基本。その関係でハンドルとフレームが干渉しやすく、結果として切れ角を大きく出来ない。

「SSは一般用途では使いにくい」

と言われる大きな理由の一つでもありますね。だからメーカーは少しでもハンドルが切れるようフレーム部分にハンドルの逃げスペースを作るのが一般的で、YZF-R1も先代までは設けられていたんですが、三代目であろう事かその逃げをほぼ無くした。

これによりただでさえ切れないハンドルの切れ角は27°から更に減って24°と、現代SSも真っ青な歴代R1最狭角クラスに(※確認出来た歴代R1の中では最狭角)

5PWコンセプトスケッチ

ストリート志向のR1で何故こんな事をしたのかという話ですが、これはフレーム剛性(ハンドリングや接地感など)を少しでも良くするため。

フレームは直線かつ均等が理想。しかしエンジンや補機類を積む都合上、そう単純にはいかない。そんな中で出来る最善の選択が、ハンドルの逃げを無くす事でメインチューブの上下剛性を合わせる事。

しかし何度も言うようにハンドルのキレ角が余りにも減ってしまうため開発陣でも議論となったのですが、話し合った末に敢行。そうして出来たのが切れ角24°のデルタボックスIIIという話。

これは先に話したFIを始めとした細部の改良にも言えることですが、プロジェクトリーダーだった小池美和氏いわく

「ラップタイム云々ではなく、コーナリングをダイナミックに楽しむためには何が重要か」※モーターサイクリスト2002/5より

という事を最優先に考えて開発されたから。これがカタログスペックには現れないこだわりポイント。

5PW

「目指したのは速さではなく快感(テストライダー談)」※RIDERS CLUB/No337

たった2馬力増と1kg減という変化が、如何にコーナリングを楽しむ事だけをストイックに追求したかを物語っていますね。

主要諸元
全長/幅/高 2040/705/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 193kg(装)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 152ps/10500rpm
最高トルク 11.0kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)

後190/50ZR17(73W)
バッテリー GT12B-4
プラグ

※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E

または

U27ESR-N
推奨オイル ヤマルーブ

10W30~20W40
オイル容量

※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L

交換時2.9L

フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|リア43
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 1,180,000円(税別)

※プレスト価格
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)