YZF-R1(5JJ)-since 2000-

5jj

年間販売台数1万台オーバーという快挙を成し遂げたR1だったけどそれでも2年でモデルチェンジ。

しかも箇所にして250、パーツにして300にも及ぶ変更されるという相変わらず尋常じゃない力の入れよう。ヤマハとしては2kg減のみの年次改良扱いでモデルチェンジでは無いらしいけどソレにしちゃ変わりすぎてるし何より型式が変わってる。

広報によると「ツイスティロード最速」のコンセプトはそのままに「各部の熟成」「ドライバビリテイの向上」「一層の軽量化」「外装パーツの一新による空力特性の向上」「チタンマフラー採用」となっている。

R1比較

外見は一見するとあまり変わっていないように見えるけど、実はR1で一番ライトレンズが大きくハンサム顔になってる。

ところでR1といえば”コーナリングのR1″とか”猫足のR1″とかいう言葉だけが一人歩きしちゃってて”凄く曲がるスーパースポーツ”という漠然としたイメージが出来上がってるけど、実はこの頃のR1はちょっと違う。

00R1

もともとYZF-R1の狙いは開発主査の三輪さんの言葉をそのまま引用すると

「スーパースポーツの楽しさはライダー自らが積極的にマシンを操作しワインディングを攻める快感にある。視線の方向へバイク任せに曲るのではなく、ブレーキングし車体を倒し込み、ラインに乗せてスロットルワークで立ち上がる一連の操作を、自分の意志でコントロールする歓び。それこそYZF-R1が生み出す“エキサイトメント”なのだ」

と仰っている通りどちらかと言えば簡単には曲がらない。曲がらないというより曲げようとしないと曲がらない特性。

2001R1

先代でもチョロっと言ったけど”ツイスティロード最速”っていうのはタイムが一番速いという単純な表現ではなく、ツイスティロードを攻めて走るエキサイトメントにより瞬く間に走りぬいてしまうというちょっと捻った意味合いもあったりする。

ディメンションはまんまレーサーなのに比較的ロングストロークなエンジンだったり、高いとは言えないフレーム剛性だったり、意外と柔らかい足だったりするのはそういう事です。

2000年式YZF-R1

「70%の力で楽しめるスーパースポーツ」

それがツイスティロード最速。

主要諸元
全長/幅/高 2035/695/1105mm
シート高 815mm
車軸距離 1395mm
車体重量 175kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 11.0kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル SAE 20W40~10W30
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|リア43
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格

系譜図

fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)
系譜図
fz750 1985年
FZ750
(1FM)
fzr1000 1987年
FZR1000
(3GM/3LK/3LG)
yzf1000r 1996年
YZF1000R Thunder Ace
(4SV)
4xv 1998年
YZF-R1
(4XV)
5jj 2000年
YZF-R1
(5JJ)
5pw 2002年
YZF-R1
(5PW)
5vy 2004年
YZF-R1
(5VY前期)
5vy後期 2006年
YZF-R1
(5VY後期/4B1)
4C8 2007年
YZF-R1
(4C8)
14b 2009年
YZF-R1
(14B~1KB/45B)
2012YZF-R1 2012年
YZF-R1
(45B/1KB/2SG)
2015YZF-R1 2015年
YZF-R1/M
(2CR/2KS/BX4)
2019YZF-R1 2019年
YZF-R1/M
(B3L/4BS)

YZF-R125(5D7)-since 2008-

YZF-R125

YZF-Rシリーズの末っ子ことYZF-R125

出た当初はすごく話題になりましたが、想像を超える値段(439,000円)と国内販売無しという事で一気に鎮火しましたね。

なんでかって言うとフランスで作っているバイクだからです。

エンジンはヤマハではなくヤマハの子会社である「Motori Minarelli」という会社が作ったものを載せています。

ミナレリヤマハ

Minarelli(ミナレリ)と聞いても恐らく誰も知らないでしょうが、1951年に誕生した元々は農業機械用の汎用エンジンを作っていたのですが、バイク業界に進出し一時期は125などの小排気量レースで無類の速さを誇っていたメーカーで、1984に技術援助契約、1990年に欧州ヤマハに吸収されミナレリヤマハと車名を改めました。

まあ要するに小排気量エンジン屋の老舗です。

R125エンジン

ちなみにこの他にもWR125&MT-125(R125と同じエンジン)やXT660、更には50cc全般のエンジンを今も作っていて、2008年には総出荷台数が1000万台を突破しました。

欧州ヤマハ

欧州だけで日本では売ってない小排気量のヤマハ車があったら十中八九はミナレリエンジンです。

更にR125は組み立ても欧州。MBKというフランスの子会社で組み立てられてます。つまりR125は欧州生まれの欧州育ち。

MBKというのはもともと自転車屋で・・・ってもういいか。

MBKヤマハ

日本で売られない理由はそういうことです。

生まれたキッカケは欧州の免許制度が改定されたことにあります。

欧州免許にはもともとA1免許というものがありました。これは125cc以下で15馬力未満&PWR(パワーウェイトレシオ)が0.1以下のバイクに乗れる免許です。

日本でいう小型二輪ですが、この制度が改訂(欧州統一化)された事で125に再び脚光が集まったわけです。

そこでヤマハもapriliaに敗けない125のスーパースポーツを作ってやろうじゃないかという事で作られたのがYZF-R125というわけ。

マットグレー

2010年頃にプレストの手によって帰国(?)したんですが、まあ125に50万円払える人は居なかったのか一年限りの入荷となってしまいました。

YZF-R125リア

末っ子という事で甘く見られがちなR125ですが、こう見えて結構スパルタンな作り。

高回転でパワーを絞り出す特性なのは勿論の事、ポジションもかなり前傾がキツく日本でもお馴染みのSSであるR1やR6に次ぐと言ってほどの厳しさ。

YZF-R125とロッシ

日本で125というと下駄やオモチャ的な扱いを受けちゃうけど、向こうの人にとって125はWGP125が存在していた様に600や1000と同じ加熱するカテゴリなんです。

そんなR125の値段がお高い理由としてはアルミスイングアームやブレンボキャリパーなどにもあるんですが、何よりカウルです。

いわゆるヤマハの十八番であるレイヤードカウル(重ねたような造形)なんだけど、凄いのは枚数。

フィアットカラー

だいたいフルカウル車のカウルというのはアッパー、サイド、アンダーの三点構成が普通でこれ以上の枚数を使ってるカウル車はあまりない。何故なら組み付けパーツが一枚増えるだけでもコスト(金型や工数による)が全然違うから。

分かりやすいのは原付。

ジョグ

左は90年代のJOGで右は現行のJOG。主要カウルの枚数が減っているのがわかるでしょうか。こういう工夫でメーカーはコストを抑えてるわけです。

さてじゃあR125のカウルを見てみましょう。

カウルリスト サイド二枚にアンダー二枚、アッパー入れると五枚、左右合わせると9枚ものカウルを使っています。

ちなみに長男坊であるR1のカウルはどうなってるのかというと・・・

R1カウル

なんだかものすごく寂しく見えますね。

つまりR125のデザインはYZFシリーズで一番お金が掛かってると言ってもいいほどコダワリのカウルを持っているんです。

YZF-R125WGP50TH

まあだから車体価格も結構お高いし整備性もすこぶる悪いんですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2015/660/1065mm
シート高 818mm
車軸距離 1355mm
車体重量 138kg(装)
[140kg(装)※ABSモデル]
燃料消費率
燃料容量 13.8L
エンジン 水冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/9000rpm
最高トルク 1.25kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-17(62H)
バッテリー 12N5.5-3B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.15L
交換時0.95L
フィルター交換時1.00L
スプロケ 前14|リア48
チェーン サイズ428|リンク132
車体価格 439,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
2008yzf-r125 2008年
YZF-R125(5D7前期)
MT-125 2014年
MT-125(5D7/BR3)
2014yzf-r125 2014年
YZF-R125(5D7/BR6)

VMAX(2S3/2CE) -since 2008-

2008VMAX

「The Art of Engineering」

24年もの歳月を経て登場した二代目にあたるVMAXまたはVMX1700。

車体価格が先代の二倍以上となる税込2,367,000円となった事から分かるように、既存のバイクとは一線を画するスペシャルモデルへと生まれ変わりました。

2017年型VMAX1700

専用部品のオンパレードなのはもちろん、アルミだらけで可能な限り樹脂を使っていない。

更にフロントフェンダー等を見てもらえば分かる通り、組立工場からクレームが来るのも当然なほど細分化されたパーツ構成。

VMAX1700外装

前後フェンダーとタンクとサイドカウルだけでこれだけの部品数。

もうアルミ製プラモデルの域ですね。

アルミエアーダクト

更に更にVMAXのトレードマークであるエアダクトは本物のエアダクトとなり、アルミダイキャストで全て職人による手作業によるバフ掛け。

そして生産も完全受注生産、販売は定められた店のみでした。

VMAXインターカラー

さて・・・このVMAXはこう見えて初代が出る前から開発は始まっていたんです。

では何故24年もの歳月がかかってしまったというと簡単な話

”あーでもないこーでもない”

と何度も開発をやり直したから。

そのためVMAXには開発リーダーだけでも3人が歴任しており、開発に携わった人を全て含めると途方もない数で、正にヤマハが総出となって開発した様なかたち。

赤VMAX

具体的に何処をそんなにやり直したのかというと、代表的なのがVMAXの要であるエンジン。

VMAXは1679ccですが、一番初めは2000ccで開発が進んでいました。

しかしあまりに重くなり過ぎて軽快さが損なわれてしまうという事から開発をやり直し。次に作られたのが1800ccのエンジン。

音塊

「OTODAMA(音塊)」

というタイトルで2001年の東京モーターショーでもお披露目されています。

これで市販化まであと一歩という所まで来たのですが、諸事情によりプロジェクトが停滞した事と、ある技術革新が起こった事で状況が大きく変わりました。

音塊

「電子制御燃料噴射装置(通称FI)」

です。

コンパクト化&精密化出来るFIを採用しない手は無いとしてまた作り直し。

VMAX1700エンジン

これによりVMAXはエンジンの挟み角を更に狭い65°に”凝縮”する事が出来ました・・・が、コレでも終わらなかった。

このFI化で作り直したエンジンで順調に開発が進んでいたんですが、担当していたテストライダーが

「もう少しパワー(排気量)があった方が良くなるのでは」

と完成間近になって提言。

VMAX1700シート

普通ならば

「いまさら無理」

となる。

エンジンのパワーを上げるということはエンジンはもちろんフレームも足回りも再設計になるから聞けるわけがない。

しかし検討やテストの結果、そうした方が良くなるという事が分かり迷いなく再び開発のやり直し。

バンク角65°V型四気筒

この65°V型四気筒1679ccというエンジンはそんな三度のやり直しの末に完成した

まさに

「三度目の正直エンジン」

というわけ。

ただしこういった話はエンジンだけではなく、これまたアルミになったダイヤモンドフレームや足回りでもそう。

VMAX1700イギリス仕様

最初は倒立フロントフォークで進んでいたのに、ハンドリングが硬くなりすぎているとして見直され、規格外の太さを持つ専用の正立フロントフォークになった。

フロントフォークの正倒を変えるという事は、ステム周りの剛性が大きく変わってしまうのでフレームも三叉も当然ながら再設計。

細かい所で言えばタンクの上にある一見すると何の変哲も無いマルチメーターもそう。

VMAX1700有機ELメーター

これ2008年当時としては珍しかった有機ELディスプレイ。

最初は液晶で進んでいたんですが

「発光が液晶より良い」

という理由だけでここでも再設計が行われている。

VMAXマフラー

VMAXの凄い所というのは、見えないカプラーまでもが専用設計な事も、ボルト一本に至るまでデザインされている事も、樹脂がほとんど使われていない事もそうですが

この様に

「何も惜しまない開発をした事」

が一番凄い所なんです。

こんな事が当たり前のように四半世紀も続いたから開発メンバーも

「これ終わらないんじゃ・・・」

と本気で思うほどだった。

もちろんデザインも例外ではありません。

VMAX1700のデザイン案

「過去これほどスケッチしたバイクは無い」

と監修した一条さんや担当された梅本さんも漏らすほど、何十何百と練られた末のデザイン。

新型VMAXの噂が立っては消えていたのはこういった理由があったから。

ちなみにこのVMAXは先代とは違いアメリカがデザインコンセプトではありません。

VMAXコンセプトデザイン

力の象徴『金剛力士像』がデザインコンセプト・・・そうこのVMAXは”和”なんです。

洋から和になった理由、そしてここまで贅沢な開発プロジェクトが許された理由は、VMAXの総括プロデューサーだった牧野さんの信念にあります。

VMAXフェイス

「日本のバイクメーカーとして、ヤマハ発動機としての意地と技術を示したい」

という信念です。

時も金も手間も惜しまず開発を続ける事が出来たのは、社員一丸となってこの信念を貫いたから。

生産終了となった2017年までマイナーチェンジすら一切なかったのは、持ちうる全ての技術を出した妥協のないものだから。

ヤマハの至宝

そしてVMAXを『ヤマハの至宝』と言っていたのは

「自分たちの意地を形にした自慢のバイクだから」

主要諸元
全長/幅/高 2395/820/1190mm
シート高 775mm
車軸距離 1700mm
車体重量 311kg(装)
[310kg(装) ]
燃料消費率 16.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1679cc
最高出力 151ps/7500rpm
[200ps/9000rpm]
最高トルク 15.1kg-m/6000rpm
[17.0kg-m/6500rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70-18(59V)
後200/50-18(76V)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.9L
交換時4.3L
フィルター交換時4.7L
スプロケ
チェーン
車体価格 2,200,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
Vmax1200 1985年
Vmax
(1FK~4C4)
1700 2008年
VMAX
(2S3/2CE)

Vmax1200(1FK~) -since 1985-

vmax1200

「スーパースプリント アメリカン」

対北米戦略車として造られたVmaxまたはVMX1200。

昔はV-MAXとハイフンが付いたりしていたのでハイフンがあったり大文字だったりしても間違いではないんだけど、一応いまはVmaxと小文字で書かれるように統一されているようです。

さて

「アメリカを造る」

という目標から始まったプロジェクトは、当時としては最高馬力となる145馬力を引き下げたドラッガーへとたどり着きました。

Vmax1200リア

まずこうなった経緯から説明すると、この頃のヤマハは日欧でこそ人気を獲得していたけど北米では今ひとつ波に乗れていない状態だった。

そんな中でUSヤマハからある提案がされました。

「V8のマッスルバイクを造れ」

という言っている意味がよく分からない提案。

しかしヤマハは郷に入っては郷に従えと、開発チームをアメリカに送り出した。

そこで目にしたものは若者から年配の人まで夢中になってドラッグレースを楽しんでいる姿だった。

Vmaxプロトタイプ

そういう事かと理解したヤマハは

「ゼロヨン10秒を切るバイク」

という目標を掲げ、当時最大排気量だったベンチャーロイヤルのV4エンジンをベースに145馬力という当時としては最高となる馬力を叩き出すエンジンを開発したというわけ。

VMAX1200エンジン

しかし見てもらうと分かる通り、VmaxのエンジンはVの挟み角が90°ではなく少し狭い70°になっている。

だから点火タイミングも180-270-470-720と、180°の直四とも、同じ180°クランクのV4とも、ハーレーなどに代表される45°Vツインとも違う独特なもの。

VMAX1200点火タイミング

何故70°なのかというと

・狭くして間延び感を抑え生きたサウンドを出したい

・でもキャブレターは4つ積みたい

という反比例する二つの狙いを両立させるために導き出した挟み角が70°だったから。

ただし90°でないため一次振動という大きな振動が発生する。だからVmaxはその振動を消すために馬力ロスとなる一次バランサーを採用しています。

つまり馬力を出すにはVmaxのエンジンは不利な形・・・にも関わらずVmaxが145馬力を叩き出せたのは、有名なコレのおかげ。

ブイブースト

「V-BOOST」

ですね。

V-BOOSTというのは一気筒に一つ付いているキャブの下にある混合気の通路インテークマニホールドの前後を連結(貫通)させて擬似的に一気筒デュアルキャブにする仕組み。

V-BOOSTの仕組み

簡単に表すとこんな感じで、6000rpmから徐々に開き、8500rpmで全開となります。

これはキャブレターが横並びな直四ではなく前後にあるV4だから可能となった仕組みであり、微塵もガソリンを惜しまないアメリカ向けらしい仕組みですね。ちなみに燃費は街乗りで10km/L前後。

そして合わせて必須となるのがW吸気でも枯渇しない大容量エアクリーナーボックス。

1986VMAX1200

そのためVmaxはタンク下が全面エアクリボックスとなっておりガソリンタンクはシート下。

これは低重心にするためでもあるんだけど、この関係でタンク容量はリザーブ込みで15Lしかない。

つまり10km/L×15Lで街乗りしていると満タンでも150km/Lしか走れないという割り切りっぷり。

ちなみ吸気はVmaxのトレードマークでもある大きなエアダクトから・・・と思いがちだけど実はこれダミーで、本当はこのダミー同士の間から普通に吸っていたりします。

VMAX1200サイド吸気口

ここで少し面白い小話をすると、このVブーストはフルパワーの逆輸入車のみに付けられた構造で、国内仕様には付いておらず95.2馬力しかなかった。

そのことから日本でも年を追うごとに(後にワイズギアからV-BOOSTキットが出たものの)逆輸入が人気となりました。

しかし逆輸入と一重にいってもVmaxだけで主に7つの仕様地があり馬力はバラバラ。

カナダ仕様145馬力
アメリカ仕様143馬力
カリフォルニア仕様135馬力
南アフリカ仕様135馬力
欧州仕様
※V-BOOST無
100馬力
日本仕様
※V-BOOST無
97馬力

他にもフランス仕様などもありますが、代表的な仕様地はこれくらい。つまり最高馬力のフルパワー仕様はカナダ仕様という事になる。

そのため

カナダ仕様

「カナダ仕様こそ真のVmax」

という認識が広まった。

ただし差があると言っても数馬力で、晩年には横並びとなったのに

「カナダ仕様こそ真のVmax」

という認識は生産終了まで覆る事はなくカナダ仕様だけが突出して人気でした。

どうしてここまで仕様地へのこだわりが生まれたのかと言えばもちろん

「怒涛の加速」

を最高の形で味わいたい人が多かったからでしょう。

VMX1200エンジンカタログ

発売当時フルスロットルに出来る人は誰も居ないんじゃないかと言われるほどでした。

「SSの方が速いんじゃないの」

と思う人が居るかもしれませんね。

たしかにタイムや実速度だけで見ると昨今のSSの方が速い。でも乗り比べてどちらが速く感じるかと言えば10人中10人がVmaxと答えるでしょう。

VMX1200ポジション

それはこの伏せようにも伏せられない体感的な速度やGを考慮していない低いポジション。

そこに合わせられる6000rpmからターボのようにドッカン加速するVブーストがあるから。

Vmaxは

「”乗る”ではなく”しがみ付く”バイク」

と言ったほうが正しい感じです。

VMX1200パンフレット

ただそんな狂気さにはもう一役買っている要素があります・・・それはヘロヘロなフレーム。

普通に走っていても剛性が足りていないのを感じ取れるほどヘロヘロだったから

「設計ミスじゃないのか」

とか

「リコールしろ」

とか言われる始末でした・・・が、これはワザとそうしているんです。

その狙いはコンセプトの一つにあります。

VMAX1200魔神

「何よりもエンジン」

というコンセプト。

「とにかくエンジンを、エンジンだけを感じ取って欲しい」

という思惑があり、それにはエンジンを受け止めるフレームの包容力は邪魔な存在。

だから可能な限り剛性を落とし存在感を消しているというわけ。

ただこれにはVmaxが歴史に名を残す事となったもう一つの理由、デザインにも関係しています。

Vmaxコンセプト

Vmaxは見て分かる通り

「アメリカの具現化」

がデザインコンセプトです。

そこで開発チームの一員でもあったGKデザインの一条さんは、アメリカでアメ車の代名詞であるV8エンジンの車を中古で購入。

そして乗り回しているうちに

「デカいエンジンに緩いボディで力任せに地面を蹴る愛おしい感覚こそアメリカ」

という事に気付かされた。

VMX12

Vmaxのフレームが弱い理由はここにも繋がっているというわけ。

ちなみにVmaxを手掛ける上で一条さんが大事にしたのは

「マイナスのデザイン」

という考え。

VMX1200ファイナルモデル

Vmaxというと”マッチョ”という言葉がピッタリなんですが、よく見てみるとシート回りやエキゾーストなど絞る所は徹底的に絞ってある。

これが

「膨らみを持たせる程、膨らんでいないマイナスの部分が際立つ」

というマイナスのデザイン。

センスの次元が違いすぎて今ひとつピンと来ない人も多いと思います。

しかしそんな人も一条さんがVmaxのデザインで強く影響されていると言った物を見れば、その意味が分かります。

そしてその強く影響されている物も、これまた実にアメリカらしい物。

F102

米空軍の戦闘機F102です。

言われてみれば確かにボディ後部のクビレと前方にあるエアダクトなどVmaxと通ずる所がありますね。

ちなみに一条さんは根っからの飛行機好き。

言い忘れていましたが、タイトルに型式を書いていないのは物凄い数になるからで・・・モデルチェンジの略歴を含め箇条書きで書いていこうと思います。

初期型 1985~1986

1985年式

フロント5本スポークホイール。

カナダ仕様:1GR/1VM

アメリカ仕様:1FK/1UT

カリフォルニア仕様:1JH/1UR

二型 1987~1989

1987年式

フロントのディッシュホイール化。

カナダ仕様:2LT/3JP3

アメリカ仕様:2WE/3JP1

カリフォルニア仕様:2WF/3JP2

三型 1990~1992

1990年式

デジタル進角&吸排気見直し

カナダ仕様:欠番

アメリカ仕様:3JP-4/7/9

カリフォルニア仕様:3JP-5/8/A

日本仕様:3UF-1/2

四型 1993~1994

1994年式

フロントフォーク大径化&ディスクローターの大径化&4POTキャリパー化など。

カナダ仕様:3JP-B/E

アメリカ仕様:3JP-C/F

カリフォルニア仕様:3JP-D/G

日本仕様:3UF3/4

五型 1995~2002

1996年式

レギュレーター・クランクケース変更&カートリッジ式オイルフィルターへ変更

翌96年にはドライブシャフト周りが見直されカナダが140馬力に、アメリカ仕様が135馬力にダウン。

カナダ仕様:3JP-J/K/L/R/U/|5GK-1/4/7/B

アメリカ仕様:3JP-H/M/S/V/X|5GK-2/5/9

カリフォルニア仕様:3JP-J/N/T/W/Y|5GK-3/6/A

日本仕様:3UF-5/6 ※1998年モデルをもって廃止

最終型 2003~2007

最終型

点火方式をデジタル化とサスペンションのリセッティング。

カナダ仕様140馬力(最終年度135馬力)、アメリカ仕様&南アフリカ仕様135馬力

カナダ仕様:5GK-E/N/T/Y|4C4-5

アメリカ仕様:5GK-C/L/R/W|4C4-3

南アフリカ仕様:5GK-G/H/P/U/V|4C4-1/2

となっています。

オーナー間では通称型式ではわかりにくいので、認定型式で区別するのが広まっているようですね。

補足:車名に続く記号(型式)について~認定型式と通称型式~

最後に

改めてVmaxを振り返ってみると、最後の最後まで変わらずとも色褪せなかった名車ですね。

歴代VMAX1200

何がそんなに人を惹きつけたのかと言えばデザインと、そのデザインに負けない

「怒涛の加速」

でしょう。

この怒涛の加速が一体どんなものなのかというのは実は簡単に説明できるんですよ・・・なぜならVmaxに乗ったことがない人も怒涛の加速を知ってるから。

VMAX1200ポスター

それは初めてバイクに乗ってアクセルを捻った時です。

首がモゲると思ったその感覚、ウィリーして吹っ飛ぶと思ったその感覚。

ブイマックス1200カタログ写真

Vmaxはそんな懐かしい感覚を思い出させてくれる怒涛の加速を持ったドラッガー。

病み付きになる人が多いのも納得でしょう。

主要諸元
全長/幅/高 2300/795/1160mm
シート高 765mm
車軸距離 1590mm
車体重量 283kg(装)
燃料消費率
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1197cc
最高出力 145ps/9000rpm
最高トルク 12.4kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/90-18(61V)
後150/90-15(74V)
バッテリー YB16AL-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
または
X24EPR-U9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.7L
交換時3.5L
フィルター交換時3.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 890,000円(税別)
※スペックはフルパワー仕様
※価格は90年国内仕様
系譜図
Vmax1200 1985年
Vmax
(1FK~4C4)
1700 2008年
VMAX
(2S3/2CE)

WR250X(3D7)-since 2007-

WR250X

「THE PREMIUM STREET SPORT」

先に紹介したWR250Rのモタード版となるWR250X/3D7型。

WR250Rが拘りの塊だった事と同じ様に、このWR250Xでも拘りポイントがあります。

一言で言うなら

「単純にオンロードタイヤを履かせただけじゃない」

という事。

恐らく多くの人が

WR250Xフレーム

「サスのセッティングやスプロケの丁数を変えたくらいだろ」

とか思われてるかも知れませんがそんなのは当たり前。

ローターやブレーキラインは勿論のことキャリパーまで足回りが全て違うんです。

わざわざX専用に用意する徹底っぷり。

プレミアムストリートスポーツWR250X

更に驚くべき事にエンジンマッピングまで全然違う・・・つまりWR250RとWR250Xは似て非なるモデルという事。

何でそこまでしたのかといえばこのモデルにかける精神に並々ならぬ物があったから。ましてヤマハとしては初のスーパーモタードですしね。

ヤマハWR250X

国内メーカーで初めてオフロードバイクを生み出してからずっと力を入れてきた身として、中途半端なモタードを造ることはプライドが許さなかったんでしょう。

ちなみにWR250Rで言い忘れていたんですが、詳しい方ならお分かりの通りWR250R/Xはコンペ寄りでありつつも明らかにコンペとは一線を画している部分があります。

それはデザイン。

WR250デザイン

コンペティション系は基本的にストレートな流れのデザインになっていますがWR250R/XはV字の流れを持つ特異なデザインになっています。

これは開発において大事にされたマスの集中化だけでなく

「前に進むだけではなく飛んだり跳ねたり出来る」

というアクティブさやポテンシャルの高さを表現する為。

ちなみにデザインをされたのはGKの坂田さんという方なんですが、実はこの方YZF-R1のデザイナーでもある方。

坂田功さん

性能だけでなくデザインまでR1と繋がっているんですね。

さて・・・WR250Rのページでも話した通りWR250R/Xというのは

「10人中10人が褒めてくれる様な作りはしなかった。10人中3人が最高だと言ってくれる事を目指して作った。」

と言っているだけあり界隈から非常に高い人気を誇りました。なんでも同業他社の人間がこぞって買っている事が一番嬉しかったそう。

WR250X壁紙

ただしWR250R/Xは単にソコだけを狙って出されたバイクではありません。

これはWR250R/Xが発売されたときに多く聞かれた声

「なんでオフロードなの」

という話にも繋がります。

WR250R/Xが発売された頃は排ガス規制によって多くのモデルが消え去っていっていた頃でした。

そんな中で登場したハイスペック250。

ヤマハWR250

しかし多くの人が望んでいたであろうオンロードスポーツではなくオフロード/モタードという日本では需要がずっと低空飛行でニッチなジャンル。

「どうしてオフ/モタなんだ」

という声が多数聞かれたわけですが、そうなった理由は企画主管の牧野さん曰く

「250で最も深い楽しみが味わえるから」

WR250Xカタログ写真

これは簡単にいうと日本で一番手軽に汗をかけるのが250のオフモタだからという事。

免許が危うくなるほどスピードを出す必要もなく、日常の中で十二分に楽しい汗をかけるのがオフロード/モタードだと考えたらWR250R/Xが生まれたんです。

WR250シリーズ

「でも初心者にWR250R/Xは・・・」

とも思いますが、それも考えてやっていたんです。

確かにWR250R/Xは弾ける様にトルクが出るエンジンや鬼のようなシート高など、ハッキリ言って上級者向けな面が強い。

でも上級者向けというのは言い換えれば

「上手くなれば上手くなっただけ応えてくれる」

という事でもある・・・これが狙いなんです。

WR250

脚付きの悪さ、機敏過ぎるハンドリング、パンチが有り余るエンジン。

初心者がこれに乗ると最初は大いに苦戦しネガティブに感じる・・・でも走れば走るほど、上達すれば上達するほどそれがポジティブな要素に変わっていく。

そうしていつしかハイスペックなWR250R/Xを身体の一部のように乗り回せる様になったとき貴方は

WR250ライダー

「最高にカッコ良いバイク乗り」

になる。

WR250R/Xにはそうなって欲しいという厳しくも優しい願いが込められていたんです。

WR250RとWR250X

だから毎日乗れて多少の転倒なら物ともしないオフ/モタだったんです。

だからグローバルスケールの450ccではなく負担が少ない250ccだったんです。

※2017年モデルをもって生産終了

主要諸元
全長/幅/高 2125/810/1190mm
シート高 870mm
車軸距離 1435mm
車体重量 134kg(装)
燃料消費率 34.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.6L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 31ps/10000rpm
最高トルク 2.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/70R17(66H)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前13|後42
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 698,000円(税別)
系譜図
wr250r 2007年
WR250R
(3D7)
wr250x 2007年
WR250X
(3D7)

【関連車種】
CRF250RALLY/L/Mの系譜SEROW250の系譜KLX250/D-TRACER Xの系譜

WR250R(3D7)-since 2007-

WR250R

「THE PREMIUM OFF-ROAD SPORT」

2007年に登場したWR250Rはそれそれは話題騒然で

「ヤマハが本気を出した」

とか

「力を入れる方向が間違ってる」

とか様々な反応でした。

それもそのはず

『31馬力/装備重量132kg』

というコンペティション(競技用)モデルであるWRの名に恥じない性能を持っていたから。

ヤマハWR250R

こうなったのは

『オフロード界のR1』

という開発コンセプトを持っていた事があります。

スーパースポーツなど限られた大型バイクのみが採用しているチタンバルブを市販250として初採用。

キック(キック軸)廃止と主要三軸の最適化によりコンパクト化とマスの集中化を行いつつ、吸気もストレートポート化でレスポンスを向上。

WR250エンジン

更に馬力を叩き出すために

『ボア77mm/ストローク53.6mm』

という超ビッグボアなピストンを採用。

ビッグピストン

ちなみにこのボアストローク比は当時のYZF-R1(04~08)と全く同じもの。

車体の方も鋳造と鍛造のハイブリットな新設計アルミフレーム、スイングアームも異形断面形状の新設計アルミスイングアームとアルミ尽くし。

もちろんサスペンションはどちらもフルアジャスタブルで、フロントのストローク量も270mmとコンペモデルに迫る本格的な物・・・つまり

WR250カットモデル

『オフロード界のR1』

というコンセプトは決してただのセールストークではなく実際その通りなんです。

本当にYZF-R1のポテンシャルをそのまま250オフロードに最適化させたようなモデルだからそう言われた。

WR250とYZF-R1

「開発段階でテストライダーが当たり前の様にジャンプしながら走り回ったモデルはこれが初めて」

という話からもそのポテンシャルの高さが伺えます。

このWR250R/X誕生は

「コンペティションであるWR250Fの市販車を作れ」

と言われたのが事の発端。

WR250F

開発チームはコレを

「つまり公道最強の250を作れってことか」

と受け止めた。

始めはWR250Fのモタード仕様を用意し、それをベースに規制や耐久性をクリアした市販車を造る予定だったものの

「これでは公道最強の250は造れない」

という結論に至り完全新設計する事に決定。

WR250R壁紙

「高性能で高耐久で規制に対応しナンバーが取れる250」

という欲張りとも言える無理難題をクリアするために各部門で相当なバトルが繰り広げられた為にチーム内でも

「これ本当に市販化に辿り着けるんだろうか・・・」

という雰囲気が漂う始末。

そんなこんなありつつも何とか市販化されたWR250R/3D7型。

WR250R広告

拘りすぎたせいで

『シート高895mmで70万円』

という腰が抜けるモデルになりました。

そもそも何故WR250Fの公道版を造ることになったのかというと企画主管の牧野さん曰く

3D7

「コンペ並のモデルがもう無い」

という事に危機感を抱いていたから。

2stがラインナップから消え、また中古の高騰により買うに買えない状況に陥ってる人たちが大勢いることに危機感を覚えたから造られたのが理由の一つ。

実際このWR250Rは界隈に熱烈に歓迎され、高額にも関わらず販売台数も常に1000台強をキープする安定した人気でした。

人気だった理由はもちろん

WR250Rリア

「コンペ並の走りが出来てコンペほど手(メンテ)が掛からないから」

言ってしまえば

『メンテナンスフリーで自走できるコンペ』

という本当に欲張りなモデルだったから界隈にも人気だった。

WR250Rジャケット写真

ただし、じゃあ界隈のガチンコ勢だけの為のモデルだったのかと言うと決してそういうわけではありません。

「どうしてオフロードにしたの」

と思われてる方も多いと思いますが、そこらへんの話は長くなったので次のWR250Xにて・・・。

主要諸元

主要諸元

全長/幅/高 2190/810/1235mm
シート高 895mm
車軸距離 1425mm
車体重量 132kg(装)
燃料消費率 34.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.6L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 31ps/10000rpm
最高トルク 2.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前80/100-21(51P)
後120/80R17(62P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前13|後43
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 668,000円(税別)
系譜図
wr250r 2007年
WR250R
(3D7)
wr250x 2007年
WR250X
(3D7)

XJR1300/C(5UXB~|2PN) -since 2006-

XJR1300ファイナル

「空冷イズム」

排ガス規制で終わるかと思いきや、FI化で存続を果たしたXJR1300の5UXC~型。

しかもただ新開発のO2センサーと触媒入りの4-2-1マフラーを搭載し排ガスをパスしただけでなく、加えてトルクを約10%アップさせるという心意気。

他にも足付きを考慮した新作シートとサイドカバーやポジションの変更、LEDテールなどこだわりポイント多数・・・

変更点

なんですが、このモデルで一番のこだわりポイントは何を隠そうメインフレームです。

実はXJR1300はこの代でメインフレームを一から作り直しているんです。これ知らなかった人も多いんじゃないかと。

それも無理もない話で、このメインフレーム作り直したにも関わらずキャスター角などの数値が一切変わってないんです。

「じゃあ何のために変えたのか」

というとハンドリングを更に磨くため。剛性の最適化です。

5UXB

これのおかげでXJR1300は再びハンドリングが少し変わりました。

語弊を恐れずに言うと、曲げてやって初めて気持ちよく曲がる

「ビッグバイクらしいハンドリング」

を更に強調させる形になりました。

これはキャッチにもある通り

2007XJR1300

「スポーツは、深く、広く。」

というコンセプトから来ているもの。

もともとXJRが誕生する際に用いられたヒューマノニクスが編み出されたのは

「最近のバイクはマシンが勝ちすぎている」

という考えがヤマハの社内でもあったから。

そして

『マン・マシンの一体』

を念頭に置いて開発されたのがXJRであり、それが好評を博したわけです。

5UX

それを更に深めるためにわざわざフレームを作り直した。

「XJRにおけるマン・マシンの一体って何よ」

って話ですが、この代を担当された開発責任者の桜田さんいわく

「オレ上手くなったんじゃないかな」

と思わせてくれる過不足のない応答力と走り、まるで草野球をした時のような楽しさと汗をかける走りが出来る事。

XJR1300壁紙

ちなみにこの桜田さんはWGP500やMotoGPでエンジン設計や監督を務められていた凄い方。

「次期型XJR1300を造れ」

と社命を受けて市販車グループに呼び寄せられたそう。どれだけヤマハがXJR1300を大事にしていたか分かりますね。

合わせて紹介で申し訳ないですが、こちらは2015年に出た海外向けのカフェレーサーXJR1300C/2PN型。

XJR1300C

改めて見るとXJR1200のレーサーコンセプトを20年の越しに実現させた様な佇まいですね。

さて・・・XJR1300は残念ながら2015年モデルをもって排ガス規制を機に生産終了となりました。

XJR1300black

最後の最後で音叉マークではなくYAMAHAと書体をあしらって一気に渋くするというニクさ。

肝心な事を言い忘れていたんですが、XJRのトレードマークといえば何と言っても

『手前は細く、奥は大きく膨らんだタンク』

ですね。

XJR1300タンク

これはビッグバイクのたくましさを拳の形で表現したものです。

そして面白いことにXJR1200の頃から関わり先代の開発責任者だった松木さんが知ってか知らずか偶然にもBS誌00/06号のインタビューでこんな事を当時仰っていました。

「XJRは確かに後出しジャンケン。でも我々はグーが一番良いと思ったからグーを出した。だからこれからもグーしか出さない。」

その言葉通りXJRは初代からずっと、どんな時代になろうと最終型まで大きく変えること無く『マン・マシンの一体』というグーを貫き通した。

XJR1300最終カラー

ヒューマノニクスというコンセプト、硬派なデザイン、そして開発者が込めた思い。

この握りしめた拳の様なタンクにはその全てが詰まっていたんです。

主要諸元
全長/幅/高 2175/765/1115mm
[2190/820/1120mm]
シート高 765mm
[829mm]
車軸距離 1500mm
車体重量 245kg(装)
[240kg(装)]
燃料消費率 21.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 21.0L
[14.5L]
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1250cc
最高出力 100ps/8000rpm
[97.8ps/8000rpm]
最高トルク 11.0kg-m/6000rpm
[11.1kg-m/6000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時2.8L
フィルター交換時3.15L
スプロケ 前17|後38
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 1,081,500円(税別)
[1,250,000円(税別)]
※[]内はXJR1300C(プレスト)
系譜図
XS11001978年
XS1100/E/S/SF
(2H7~9)
XJ650スペシャル1980年
XJ650SPECIAL
(4L6)
XJ7501981年
XJ750A/E/D
(5G8/5G9/29R/22N)
XJ9001983年
XJ900/S/F
(31A/58L/4BB)
XJR1200前期1994年
XJR1200/R
(4KG)
XJR1300前期1998年
XJR1300
(5EA前期)
XJR1300中期2001年
XJR1300
(5EA後期|5UX前期)
現行XJR13002006年
XJR1300/C
(5UX後期|2PN)

【関連車種】
CB1300の系譜Bandit1250の系譜ZRX1200DAEGの系譜

XJR1300(5EA後期|5UX前期)-since 2001-

2000年型XJR1300

「We have Spirit.」

1300としては二代目となるXJR1300の中期型。

パット見で目につく所としてはBremboからヤマハ自慢のMOS(モノブロック)キャリパーへの変更ですが、それ以上に見えない部分が大きく変わりました。

中期型XJR1300

-8kgという大幅な減量が物語っているのですが、その減量も足回りつまりバネした減量が中心。

FZRベースだったホイールをYZFからのフィードバックで造られた新設計の軽量タイプにし、MOSキャリパーと合わせてディスクローターを320mmから297mmに小径化するという英断もあって足回りだけで6kg近い軽量化。

他にもステップホルダーやイグナイターなど200箇所の部品をグラム単位で見直した事で合計8kgも軽くなりました。

そしてもう一つ大事なのが軽量化と同時にアクスルやスイングアームの剛性を高めサスペンションのダンパーを強くしたこと。

XJR1300カットモデル

これは開発責任者の松木さんいわく

「YZF-R1のヒット」

が要因なんだそう。

これがどういう事かというと、どちらかと言うと欧米向けだったYZF-R1が国内でも受け入れられ大ヒットしたから。

この事で日本国内でもスポーツ需要が高い事が分かり

「日本専売のXJRこそ応えるべきだ」

としてこれらの変更をしワインディング志向になったわけです。

XJR1300リアビュー

エンジンはそのままにYZF-R1と同じMOSキャリパーを採用した背景にはこういう理由があったわけですね。

合わせて紹介で申し訳ないのですが、2005年/5UX8型では新設計のマフラーとメーターに加えイモビライザーが標準装備。

2005XJR1300

そしてホイールが再び改められ更に-2kgの軽量化となっています。

XJR1300としてはこれがキャブ最終モデル。

主要諸元
全長/幅/高 2175/780/1115mm
シート高 775mm
車軸距離 1500mm
車体重量 222kg(乾)
燃料消費率 26.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 21.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1250cc
最高出力 100ps/8000rpm
最高トルク 10.0kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時3.0L
フィルター交換時3.35L
スプロケ 前17|後38
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 950,000円(税別)
系譜図
XS11001978年
XS1100/E/S/SF
(2H7~9)
XJ650スペシャル1980年
XJ650SPECIAL
(4L6)
XJ7501981年
XJ750A/E/D
(5G8/5G9/29R/22N)
XJ9001983年
XJ900/S/F
(31A/58L/4BB)
XJR1200前期1994年
XJR1200/R
(4KG)
XJR1300前期1998年
XJR1300
(5EA前期)
XJR1300中期2001年
XJR1300
(5EA後期|5UX前期)
現行XJR13002006年
XJR1300/C
(5UX後期|2PN)

XJR1200/R(4KG) -since 1994-

XJR1200初期

「ワイルドダイナミックパフォーマンス」

ヤマハのビッグネイキッドとして登場したXJR1200/4KG型。

欧州向けFJ1200のエンジンをベースに給排気を見直し、カムカバーやシリンダーブロックなどを魅せる部分を新設計。

そのエンジンを王道のダブルクレードルフレームに積み、リアサスには贅沢にもオーリンズを標準採用。

YAMAHA XJR1200

ところでXJR1200が誕生した背景には90年頃から始まっていたネイキッドブームが大型二輪免許の規制緩和を機に大型にも波及した事が大きな要因。

その波に乗ったのがZEPHYR1100やCB1000SFなどですね。

だからヤマハも対抗馬としてXJR1200を出したんですが、出たのは1994年と最後発の類でした。

4KGカタログ

何故これほど遅れたのかというと

「どう造ればいいのか分からなかった」

というのが大きな理由だったよう。

これまでヤマハと言えばスポーツ性や快適性など比較的数値や言葉で表すことが出来る性能を高めたビッグバイクを造り好評だった。

それに対しビッグネイキッドに求められるものは何かと言えば

『ビッグネイキッドらしい味』

という非常に難しい性能。

そこでヤマハ、宮地開発責任者が何をしたのかというと『ビッグネイキッドらしい味』を明確にする事でした。

そのために用いられたのが

ヒューマノニクス

『ヒューマノニクス』

と銘打たれた手法。

多くのライダーからサンプリングを取り

・トルクに厚みがある

・加速に安心感がある

・ハンドリングが鋭い

・低速なバンク中も安定している

といった

『良い要素だけど数値化が難しい要素』

を明確に数値化し曖昧さを排除する事にしたんです。これに凄く時間がかかった。

ちなみにこれはXJR400とこのXJR1200で初めて取り入れられた手法。

何故これが大事なのかというと、ユーザーに満足してもらう為という単純な事ではなく、開発チームの目標を明確にするためでもあったんです。

XJR1200カタログ写真

そうして各々が思い描くビッグネイキッド像を擦り合わせて造るのではなく、明確にビジュアル化されたビッグネイキッド像を立て目指すことでチームが一丸となれた。

後はもうチームみんなで走り込んでは調整の繰り返し。

そうして誕生したのが迷いも曖昧さもないヤマハのビッグネイキッドXJR1200というわけです。

XJR1200パンフレット

ちなみにこれは余談ですが、皆で走って調整してまた皆で走って調整して目標を繰り返し・・・というチーム全員がテストライダーという事もあって開発がとっても楽しいバイクだったそう。

楽しすぎて悪ノリしたのかこんなコンセプトまで造っています。

XJR1200レーサー

なぜ楽しかったのかと言えば

「アウトバーンを考慮しなくてよかったから」

です。

欧州で売る場合は平均時速180kmで路面もボコボコなアウトバーンをキッチリ真っ直ぐ走れる様にフレームやパワーを補強する必要がある。

アウトバーン

そうするとどうしてもそれ以下の速度域でのフィーリングが犠牲になる。

しかしビッグネイキッドのXJR1200は開発段階から日本専用と決まっていた。だからアウトバーンを考慮せず、時速50~100km域でのフィーリングを主体に考える事が出来た。

そしてその域というのはチーム全員が使える、チーム全員が感じ取れる域だったから開発が楽しかったというわけ。

その狙いが伝わったのかXJR1200はデビューと同時にビッグネイキッドの話題を独り占めするほどの人気となりました。

デビュー後も1995年にBremboキャリパーを採用、1996年にはリアサスのスプリングを黄色にするマイナーチェンジが入っています。

XJR1200R

ちなみに上の写真は同年に出たフレームマウントの大型カウル付きのちょっとレアなXJR1200R。

主要諸元
全長/幅/高 2175/765/1120mm
[2175/765/1255mm]
シート高 780mm
車軸距離 1500mm
車体重量 232kg(乾)
[233kg(乾)]
燃料消費率 25.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 21.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1188cc
最高出力 97ps/8000rpm
最高トルク 9.3kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR17
後170/60ZR17
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時3.0L
フィルター交換時3.35L
スプロケ 前17|後38
チェーン サイズ532|リンク110
車体価格 930,000円(税別)
[950,000円(税別)]
※[]内はXJR1200R
系譜図
XS11001978年
XS1100/E/S/SF
(2H7~9)
XJ650スペシャル1980年
XJ650SPECIAL
(4L6)
XJ7501981年
XJ750A/E/D
(5G8/5G9/29R/22N)
XJ9001983年
XJ900/S/F
(31A/58L/4BB)
XJR1200前期1994年
XJR1200/R
(4KG)
XJR1300前期1998年
XJR1300
(5EA前期)
XJR1300中期2001年
XJR1300
(5EA後期|5UX前期)
現行XJR13002006年
XJR1300/C
(5UX後期|2PN)

XJR400R(4HM最終期)-since 2001-

2001年式XJR400R

「マン・マシン・コミュニケーション」

XJR400Rとしては最後の世代。

・クラス唯一となるBSRキャブ

・新設計ホイール&ラジアルタイヤ

・新設計スイングアーム

・2次空気導入装置

・MOS(モノブロック)キャリパー

・大型マフラー

その他シートやミラーや何やらで250にも及ぶ改良が加わりました。

XJR400Rカタログ写真

更に2004年モデルからは騒音規制に合わせて

・イモビライザー

・マフラー内部の変更

・イグナイター変更

・XJR1300と同じメーター

などの改良が加わっています。

XJR400R黄色

しかしながらまあ皆さんご存知と思いますがXJR400Rはこの代の2007年モデルを最後に生産終了となりました。

ちなみにコレが2007年のファイナルモデル。

XJR400Rファイナルモデル

楕円形ミラーとピンストライプ付きでした。

何故生産終了になってしまったのかというと2008年から排ガス規制が厳しくなったから。そしてその条件をクリアするのに空冷は非常に難しかったからです。

XJR400Rファイナル

なぜ空冷だと厳しいのか簡単に説明すると、空冷は水冷に比べ冷却性が悪いので燃料を濃く出して冷ます必要がある。

何故多く出すのかと言うと、気化潜熱という現象(液体が蒸発する際に周りから熱を奪う現象)を利用しているから。

しかしそうすると排ガスも汚くなっちゃうんですね。

もうひとつ問題があります。それは空冷美の象徴でもある冷却フィン。

XJR400R初代カラー

いわゆる放熱板なんですが、エンジンを回すとこれが振動して音を出してしまう。

それはつまり騒音なので騒音規制の方でも難しくなってしまう。

XJR400Rに限らず空冷が絶滅危惧種となってしまったのはこれらの理由から。

でも、これはXJR400Rがカタログ落ちする事になったキッカケであり原因ではないというのが正直なところかと・・・何故ならXJR1300はFI化されて存続したからです。

つまりXJR400Rも出そうと思えば出せた。でも終わってしまった。

それどころかヤマハは2011年に

「国内専用モデルは売れないからもう作らない。」

との声明まで発表しました。

これは正確に言うと国別専用モデルをやめてグローバルモデルにしていくという事。まあヤマハに限った話ではないですが。

そう言われたのは400ccのしかもネイキッドというのは実質日本だけの正にその専用クラスを見れば分かります。

400cc需要

これはライバルだったCB400SFの資料なんですが、十数年連続で400販売台数一位のCB400ですらこんな状況なのが現実なんです。

しかも規制強化は待ってくれないので状況は悪化する一方。

だからもう国内専用の典型である400のしかもネイキッドの更には空冷のXJR400Rは終わってしまったし、もう復活することも限りなくない。

空冷400最速

でもこれはXJR400Rに限った話では無いので良い方に捉えるとXJR400Rというのは

「空冷400ネイキッド終身最速車」

とも言えますよね。

主要諸元
全長/幅/高 2085/735/1090mm
シート高 780mm
車軸距離 1435mm
車体重量 198kg(装)
燃料消費率 31.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 20.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 399cc
最高出力 53ps/11000rpm
最高トルク 3.6kg-m/9500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54W)
後150/70-17(69W)
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.8L
交換時2.0L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 609,000円(税別)
系譜図
xj4001980年
XJ400
(5M8)
XJ400Z1981年
XJ400D/Z/SP
(5L8/33M)
XJR4001993年
XJR400/S/R/R2
(4HM)
XJR400R1998年
XJR400R
(4HM中期)
XJR400R最終2001年
XJR400R
(4HM最終期)

【関連車種】
CB400の系譜GSR400の系譜ZRX/ZZR400の系譜