平成の世があと数ヶ月で終わりを迎えるということで平成元年(1989年)から平成30年(2018年)までその年を代表するにふさわしいバイクを誠に勝手ながら独断と偏見で選定させてもらいました。
平成元年(1989)
『ZEPHYR|KAWASAKI』
レーサーに近い事こそが正義だった時代に一石を投じた肩肘はらずに乗れるバイク。
このモデルが大ヒットしたことで時代は一気にネイキッドブームへと移行した。
平成二年(1990)
『ZZR1100|KAWASAKI』
世界最高性能のビッグバイクとして登場したメガスポーツの元祖的なモデル。
夢物語といわれていた時速300km/hが現実味を増し最速競争への注目度が一気に上昇した。
平成三年(1991)
『ZXR400/R|KAWASAKI』
カワサキのレーサーレプリカ時代を代表するモデル。
レーサーレプリカは造らないという会社の方針に反旗する形で造りたいように造っただけあり正にナンバーが付いたレーサーだった。
平成四年(1992)
『CBR900RR|HONDA』
リッターオーバーが求められる時代にスペックよりもファンスポーツする事を大事にしたテストライダーが責任者となり開発されたモデル。
その狙いは見事に的中し世界中でファイヤーブレードという排気量を隠すためのペットネームがブランド化した。
平成五年(1993)
『MONSTER900|DUCATI』
スーパーバイク一辺倒だったDUCATIが初めて造った奇抜なスタイリングが特徴のネイキッド。
今でこそ珍しくも何ともなく見えるのはこのバイクが世界中で認められたから。
平成六年(1994)
『916|DUCATI』
スーパーバイクシリーズの三代目となるモデル。
鬼才マッシモ・タンブリーニの代表作として有名で今でも世界一美しいバイクとして名前があげられる。
平成七年(1995)
『MAJESTY|YAMAHA』
大容量トランクシートを兼ね備えつつエアロフォルムと高剛性フレームで走りも十分。
バイク界のサルーンという狙いが見事に的中しビッグスクーターというジャンルを確立した。
平成八年(1996)
『DragStar400|YAMAHA』
エンジンからデザインまで完璧に近いスタイリングで登場した400クルーザー。
人気だった先代ビラーゴの後継という重圧を物ともせず400の決定版となった。
平成九年(1997)
『VTR|HONDA』
お馴染みVTRシリーズの始まりとなるモデル。
Vツインを活かした取り回しを始めとした素行の良さから多くの人に用途を問わず愛された。
平成十年(1998)
『YZF-R1|YAMAHA』
現代スーパースポーツのパイオニア的なモデル。
性能はもちろんのことデザインでも業界に与えた衝撃は大きく今も続いている。
平成十一年(1999)
『GSX1300R HAYABUSA|SUZUKI』
最高時速312km/hというギネス記録が大きく話題になったモデル。
社内でも意見が二分化したという唯一無二のデザインも相まって大型バイクの代名詞となり異例のロングセラーとなった。
平成十二年(2000)
『ZX-12R|KAWASAKI』
KAWASAKIが威信をかけ四年以上の歳月を掛けて造ったフラッグシップニンジャ。
モノバックボーンフレームなどカワサキらしい独自構造はこの代から続いていく事になる。
平成十三年(2001)
『TMAX|YAMAHA』
ビッグスクーター系のトップエンドとして登場したモデル。
ビッグスクーターというよりビッグスクーターの皮を被ったロードスポーツと呼べるほどのスポーツ性で欧州を中心に人気が爆発。
平成十四年(2002)
『XB9R/S|BUELL』
ハーレーのお下がりではなく共同開発したサンダーストームエンジンを積んだスーパースポーツ。
ビューエルを代表する人気モデルで日本国内でも多くの人に知られ受け入れられた。
平成十五年(2003)
『CBR600RR|HONDA』
RC211Vルックで登場したホンダのミドルスーパースポーツ。
斬新なセンターアップマフラーが多くの人の目を引きつけ一大ブームを巻き起こした。
平成十六年(2004)
『VALKYRIE RUNE|HONDA』
ただのデザインコンペモデルをアメリカホンダの副社長が実現させろと言い出した事が発端。
そんな無理難題をホンダの技術者がコストを度外視してなんとか形にしたアメリカで伝説化してるクルーザー。
平成十七年(2005)
『ADDRESS V125|SUZUKI』
ありそうでなかった原付一種サイズの通勤快速125。
2stに負けない性能が目標だっただけありその名に恥じぬ性能とコストパフォーマンスで多くの人の通勤を支えた。
平成十八年(2006)
『DAYTONA675|TRIUMPH』
ツインでもクワトロでもないトリプルという新しいタイプのSSとして登場。
ツインとクアトロの良い所取りした特性に加えハンドリングの素晴らしさなどが世界中で絶賛された。
平成十九年(2007)
『WR250R/X|YAMAHA』
オンロードスポーツ顔負けのスペックを引き下げて登場したWR250Fレプリカのオフ&モタ。
YZF-R1のエンジンをシングル化した様な形で性能から値段からシート高まで何もかもが孤高だった。
平成二十年(2008)
『Ninja250R|KAWASAKI』
排ガス規制でラインナップが寂しくなっていく中で登場した久しぶりのカウル付き250スポーツ。
レーサールックと50万円を切るコストパフォーマンスから想定を上回る人気となり250においてフルカウルの市民権を取り戻すと共にブームを巻き起こす。
平成二十一年(2009)
『S1000RR|BMW』
ロードレースとは無縁だったBMWが初めて造ったスーパースポーツ。
処女作ながらクラストップの性能を誇り既に下火傾向だったSS市場とは思えない程の人気モデルとなった。
平成二十二年(2010)
『VFR1200F|HONDA』
MotoGPマシンRC211Vの思想を取り入れたグランドツアラー。
76°V型狭角28°位相360度クランクという呪文のようなV4ビートエンジンを積んでいる。
平成二十三年(2011)
『GSX-R750|SUZUKI』
1985年に登場し世界を驚愕させた元祖大型スポーツの11代目となるモデル。
もはやレースとは無縁の存在にも関わらずあり続けたSUZUKIの文化遺産。
平成二十四年(2012)
『NC700S/X/INTEGRA|HONDA』
グローバルプラットホーム化と数々の工夫により60万円を切る破格で登場。
FITを参考にした低燃費性と高回転を潔く捨てた特性で新しい大型バイクとの付き合い方を提案した。
>>NC700S/X/INTEGRA(RC61/63/62)の系譜
平成二十五年(2013)
『R1200GS|BMW』
累計生産台数10万台を超えてもなお人気が衰えないBMWの看板車種。
エンジンの空水冷化に加えフレームレス構造など大幅な維新となり向かうところ敵なしに。
平成二十六年(2014)
『MT-07|YAMAHA』
TRX850以来となる270度クランクツインのツインミドルスポーツ。
普通の人が常用域で最高に楽しむことに焦点を当てたコンセプトで海外でも非常に高い評価を獲得した。
平成二十七年(2015)
『H2/R|KAWASAKI』
何の制約も無しにバイクを造ったらどうなるか。
その結果誕生したのは川崎重工業の技術を惜しみなく投入したスーパーチャージャーNinjaだった。
平成二十八年(2016)
『RC213V-S|HONDA』
MotoGPマシンRC213Vの公道仕様というコンセプトで開発。
2190万円という桁違いの車体価格が世間を騒がせた。
平成二十九年(2017)
『Z900RS|KAWASAKI』
伝説の名車Zを彷彿とさせる佇まいで登場したネオトレロ。
発表と同時に完売してしまうほどの人気と販売台数となりZ神話が今もなお不滅である事を見せつけた。
平成三十年(2018)
『Ninja400|KAWASAKI』
減少傾向の強い400クラスに久しぶりに登場した新世代スーパースポーツ。
250ベースのライトウェイト路線でストリートはもちろんサーキットまでカバーする性能でクラスに新風を巻き起こした。
平成特別賞
『SR400|YAMAHA』
排ガス規制や騒音規制さらには400需要の低下など数々の苦難を乗り越えてきたモデル。
初代モデルが登場したのは昭和53年で平成の世を形を変えずに渡りぬく事となった。