FZR250R(3LN)-since 1989-

三代目FZR250

三代目FZR250と言っていいのか、初代FZR250Rと言っていいのか、最後のFZR250の前期モデルと言っていいのか・・・・とにかくFZR250としては最後のフルモデルチェンジとなった3LNの前期型。

カウルが兄貴分である400や750と同じデザインになった事からも分かる通り準ずる造りとなり性能が大幅にアップ。

具体的に言うと最も大きな変更点はアルミデルタボックスを始めとした骨格の大幅な変更。

1989FZR250Rカタログ

これによってフレーム剛性が大幅に上がったわけですが、形状の工夫でシート高は更にダウン。そしてもう一つ挙げておきたいのは当然エンジン。

1989FZR250Rカタログ

バルブやバルブスプリングといった動弁系を中心とした軽量化、吸排気管長の短縮による高回転時の効率アップなどで18000rpmまでピークが伸びました。

1989FZR250R青

その他の変更点としてはフロントフォークの大径化に異型4POTキャリパー、ガソリンタンク容量のアップなど。ちなみに上の青は新しくなったTECH21カラーを連想させる限定色のリミテッドモデル。

そして合わせて紹介で申し訳ないんだけどこのFZR250Rはわずか一年でマイナーチェンジが行われてました。

1990FZR250R

一つ上のFZR400RRと足並みをそろえて同じデザインに。

変更点としてはフレームのアルマイト処理、プロジェクターヘッドライト、キャブレーター、バルブスプリングなどなど。簡単にいうと中低速レスポンスの向上が狙いです。オイルエレメントがカートリッジ式になったのが一番恩恵ありそうだけど。

しかしながら・・・FZR250Rで最も人気が出て最も売れたのは先代の2KRで、この3LN型は先代程売れませんでした。というのもこれはFZR250が悪いというより単にレーサーレプリカブームが去ったから。

1990FZR250R

ヤマハもなんとか売ろうと試行錯誤。当時のカタログを見ると分かるんだけどそれまでのレーサーアピールからポップなイメージに路線変更。

しかしながら20000rpmまで無駄に回るフルカウルのレーサーレプリカがポップなわけもなく・・・時代はネイキッドに移っていったわけです。

主要諸元
全長/幅/高 1990/675/1120mm
シート高 735mm
車軸距離 1375mm
車体重量 141kg(乾)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/16000rpm
最高トルク 2.5kg-m/12000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後130/70-17(61H)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E/CR9E
または
U24ESR-N/U27ESR-N
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前17|リア56
チェーン サイズ428|リンク130
車体価格 599,000円(税別)
系譜図
FZ250フェーザー 1985年
FZ250PHAZER
(1HX/1KG)
1986FZR250 1986年
FZR250
(2KR/2RG)
3HX 1988年
FZR250
(3HX)
3LN 1989年
FZR250R
(3LN)
1KT 1991年
ZEAL
(3YX)
3MA 1993年
FZR250R
(3LN最終)

FZR250(3HX)-since 1988-

二代目FZR250

FZR250の二代目にあたる3HX型。

一番の変更点はヤマハの十八番として有名なEXUPを採用したこと。

二代目FZR250

EXUP(エグザップ)というのは可変排気システムの事で、簡単にいうと回転数に応じて排気の抜け(圧)を変えて排気脈動をコントロールするというもの。

えーっと確かGSX-R1000の方でも説明をサボっていたのでいい加減説明すると、排気というのはエンジンから出てきてエキゾーストパイプ内を通ってマフラーへ向かうのはご存知と思いますが、この時”排気圧力波”というものも生まれます。

そしてこの排気圧力波というのは正と負という2つの性質があります。

排気の仕組み

エンジンから出てきた正の排圧波はサイレンサーまで来ると今度は負の排圧波となってエキゾーストパイプ内を逆走します。これが次の燃焼で出てきた正の排圧波と当たると排気ガスをエンジンから引っ張り出してくれる(排気を助ける)働きとなり、次のサイクルでも真っさらな状態で混合気を吸えパワー(トルク)を稼げる。

しかし負の排圧波としてエンジンまで戻ってきても正の排気が出てきていない、つまり排気バルブが閉まっていていると再び反転してサイレンサーまで向かう。そしてサイレンサーにたどり着くと今度はまた正の排圧波へとなりエンジンに向かいます。

問題になるのは、排気つまり回転数というのはバラバラで排圧波が巡るタイミングが一定じゃないということ。

正とぶつかる事ができなかった負の排圧波が再びサイレンサーに戻ってきて正に変わり、またエンジンに向かって正と正でぶつかると排気を助けるどころか妨げてしまうタイミング(吹き返し)が生まれてしまう。これはオーバーラップといってバルブを長く開ける必要性がある高回転型エンジンの低回転時に顕著になる問題です。

それを防ぐには吹き返しが起こるタイミングの時だけ排圧波のタイミングや流れを変えたり無くしたりすれば良いんですが、エキゾーストパイプの長さや太さを回転数に応じて変形させるなんて不可能。

EXUPの仕組み

「だったらマフラーまで行ってひっくり返る前に排圧波を反射させてタイミングをズラしたりサイレンサーへの通路を絞って弱めたりする可変式の壁を作れば良い」

というのがEXUPというわけです。

半円状になっていてサイレンサーからの排圧波をエキパイに戻さないようにブロック。排気脈動(負を利用した排気補助)が使える回転数まで上がると90度回って何も無い状態にする。凄く簡単に言ってますが。

二代目FZR250

だからこの3HXも微調整に近い足回りの変更とEXUPを採用しただけなんだけど、そのEXUP採用によって5000~10000rpm域におけるパワーが目に見えて向上しています。

主要諸元
全長/幅/高 2010/680/1120mm
シート高 750mm
車軸距離 1375mm
車体重量 140kg(乾)
燃料消費率 51.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/14500rpm
最高トルク 2.5kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後120/80-17(61H)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E/CR9E
または
U24ESR-N/U27ESR-N
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前17|リア55
チェーン サイズ428|リンク130
車体価格 599,000円(税別)
系譜図
FZ250フェーザー 1985年
FZ250PHAZER
(1HX/1KG)
1986FZR250 1986年
FZR250
(2KR/2RG)
3HX 1988年
FZR250
(3HX)
3LN 1989年
FZR250R
(3LN)
1KT 1991年
ZEAL
(3YX)
3MA 1993年
FZR250R
(3LN最終)

FZR250(2KR)-since 1986-

初代FZR250

初代FZR250の2KR。

言ってしまえばPHAZERベースのレーサーレプリカ。

先代にあたるPHAZERはどちらかというとアンチレーサーレプリカなバイクだったんだけど僅か2年も経たない内にレーサーレプリカへフルモデルチェンジする事になりました。

これが何でかって言うと単純にレーサーレプリカブームを狙っての事で4st250レーサーレプリカでは一番早く出たモデルでもあります。

PHAZERベースとはいえ色んな部分が改良されています。

点火システムをデジタル式フルトランジスタ化、新鮮な風をキャブへ送るF.A.I(フレッシュエアインテーク)、フロントブレーキはクラス最大となる320mmローターに対向4POTキャリパー、他にも見て分かるようにセパハン化やフレーム見直し、サス再設計などなど。

catalog写真

初の4st250レーサーレプリカという事からも爆発的な人気を誇り、2年で3万台以上のセールスを達成。

2stのTZR250、4stのFZR250という80年代ヤマハの250レーサーレプリカを代表する二大看板が出来上がったわけです。

FZR250は人気が出たのはライバル不在だったこともが大きいですがそれだけでなく足付きの良さから女性層も大きく取り込めた事もあります。45ps/14500rpmが女性に人気ってのも変な話ですが・・・まあそういう時代だったんです。

1987年にはフロントフォークの調節機能が付いた限定モデル(2RG)も登場しました。

そして忘れちゃいけないのがTECH-21カラー。

catalog写真

※写真はレーサーFZR750:OW74(FZR250R TECH21の写真は用意できませんでしたスイマセン)

当時を知る人には説明不要だと思いますが、これはスポンサーといえばタバコメーカーが当たり前だった時代にSHISEIDOというまさかの化粧品メーカーがスポンサーとなり、しかも全身淡いバイオレット。異質ながらも当時のヤマハ8耐を象徴するカラーでした。

更に当時バイク界のプリンスと言われていたYZF750ライダーの平忠彦さんを男性向け化粧品として売り出したそのTECH21のCMに起用。

テック21

バイク乗りならTECH21のムースでリーゼント決めるのが当たり前みたいな状況でした。TECH-21関係の懸賞とかもあったしね。

主要諸元
全長/幅/高 2010/680/1120mm
シート高 750mm
車軸距離 1375mm
車体重量 140kg(乾)
燃料消費率 51.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/14500rpm
最高トルク 2.5kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52H)
後120/80-17(61H)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C8E/C9E
または
U24ES-N/U27ES-N
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前17|リア52
チェーン サイズ428|リンク130
車体価格 539,000円(税別)
系譜図
FZ250フェーザー 1985年
FZ250PHAZER
(1HX/1KG)
1986FZR250 1986年
FZR250
(2KR/2RG)
3HX 1988年
FZR250
(3HX)
3LN 1989年
FZR250R
(3LN)
1KT 1991年
ZEAL
(3YX)
3MA 1993年
FZR250R
(3LN最終)

FZ250PHAZER(1HX/1KG) -since 1985-

FZ250フェーザー

「インテリジェント ファイター」

250ccマルチシリンダースポーツの火付け役として有名なFZ250PHAZER・・・フェザーじゃなくてフェーザーですよ。

この頃250でスポーツといえば2stが当たり前で4stは実用バイクという認識が一般的だった。それは1980年に出た2stスポーツを復権させたと言われるRZ250、つまり他ならぬヤマハによるもの。だからスポーツといえば2stという事に加えヤマハといえば2stという認識も強かった。

そんな中でホンダから打倒2stとして出された4stスポーツのVT250Fが年間販売台数2万台を超えるトップセールスを記録。それを見たヤマハは250の需要の高さを再確認し2stに負けない4st250の開発に乗り出したわけです。

FZ250PHAZER

改めて言いますがFZシリーズというのは今もYZFなどに採用されているヤマハGENESIS思想の始まり・・・なんですが一つ知らなかった事がありました。

それはこのGENESIS思想はヤマハのエンジニア達の中でも若手が集まり導き出した設計思想だということ。

この頃のヤマハはHY戦争敗戦(200億の赤字)の影響で社員は大幅な減給をされていたそうなんですが、若手エンジニア達そんなの関係なく三度の飯よりだったのでしょうね。

FZ250カタログ

でもこの敗戦があったからこそGENESIS思想が生まれる事が出来たんです。

それは経営の立て直し、生まれ変わる事がヤマハの課題だった事から。アンチホンダでしかなかった旧体制を脱するためにも新しい考えを持った若い世代に色々やらせようという社風が生まれていた。

だからFZ250のプロジェクトが始まった当初は

「Vツインのハイスペック250スポーツ」

という要望、つまりまんまVT250Fの追っかけを出すよう上から言われたものの現場がこれを拒否。平均年齢29歳という若さを持ったプロジェクトチームはヤマハ初となる直列四気筒250ccで行くと決めたわけです。

FZ250PHAZERエンジン

そして出来上がったエンジンは前傾45度と大きく傾け吸気ラインをストレート化したエンジンに四連キャブ、直径で50mm足らずのシリンダーに合わせるようバルブもプラグもヤマハとしては最小径となる特別なものを積んだ贅沢なもの。

これだけでも凄いのですが、こだわりはエンジンだけでなくエンジンを積むフレームにも工夫が凝らされていて、冷却水が中を通るちょっと変わったダブルクレードルフレームとなっています。

FZ250PHAZERボディ

これは簡単にいうとフレームをラジエーター代わりに使って冷却性能を上げるのが目的。効果は結構大きくこれのおかげでラジエーターサイズを大きく取らなくて済んだ。

他にも大容量エアクリーナーに球面クランクケースなどなど・・・そしてそれを覆うカウルもこれまた個性的。

フェーザーカタログ2

ライトからタンクまでスクリーンやウィンカーを含め一体としたエアロフォルム。

意向を無視された上へのプレゼンもこの近未来的なフォルムと18000rpmのジェットサウンドを聞かせたら一発OKだったそうで。

明らかにそれまでの250ともレーサーレプリカとも違う異質な存在感と官能的なサウンドで市場でも同様に好評でした。

フェーザー青

マフラーとリアディスクブレーキの変更があったYSPモデルや翌年1986年の後期モデル(1KG)を含めると約2万5000台を超える大ヒット。

フェーザー250YSP

FZ250PHAZERはヤマハのこれからを担う若手エンジニア達だけ作り上げた250スポーツバイク。

1985FZ250PHAZER

そして新生ヤマハを象徴するバイクでもありました。

主要諸元
全長/幅/高 1950/690/1060mm
シート高 750mm
車軸距離 1350mm
車体重量 138kg(乾)
[138kg(乾) ]
燃料消費率 51.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/14500rpm
最高トルク 2.5kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-16(50S)
後120/80-16(60S)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C7E/C8E/C9E
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.0L
フィルター交換時2.2L
スプロケ 前17|リア52
チェーン サイズ428|リンク124
車体価格 499,000円(税別)
[535,000円(税別)]
※[]内はYSPモデル
系譜図
FZ250フェーザー 1985年
FZ250PHAZER
(1HX/1KG)
1986FZR250 1986年
FZR250
(2KR/2RG)
3HX 1988年
FZR250
(3HX)
3LN 1989年
FZR250R
(3LN)
1KT 1991年
ZEAL
(3YX)
3MA 1993年
FZR250R
(3LN最終)

シグナス180(25G)-since 1982-

シグナス180

これを初代と言って良いのか微妙な所なんだけど初めてシグナスという名前のバイクが出たのは1982年の事。

シグナス180(XC180)は佳境に入っていたHY戦争(詳しくはHY戦争を参照)により生まれたバイク。

完全新設計&専用設計のOHV171ccで片持ちボトムにデジタル時計や燃料計まで装備したバブリーな一台。

XC180

ヤマハがこのバイクで狙いたかったのは、近距離の下駄という認識のスクーターとは一線を画する長距離も熟せるプレミアムコンパクトスクーターってやつ。

シグナス180カタログ写真

皆さんご存じない通りカラーチェンジすら行われることなく生産終了した不人気車なわけですが、でもいま大ヒット中のマジェスティSとコンセプトは通ずる所があるんですよね。

うーん出る時代が早すぎたのか・・・

主要諸元
全長/幅/高 1840/715/1120mm
シート高 745mm
車軸距離 1290mm
車体重量 108kg(乾)
燃料消費率 60.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.5L
エンジン 空冷4サイクルOHV単気筒
総排気量 171cc
最高出力 15ps/7300rpm
最高トルク 1.5kg-m/6000rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後3.50-10-4PR
バッテリー YB10L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D7EA
推奨オイル ヤマルーブ
スポーツ(10W-40)
または
スタンダードプラス(10W-40)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.3L
スプロケ
Vベルト
車体価格 289,000円(税別)
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

XVS250 DragStar(5KR)-since 2000-

ドラッグスター250 5KR

恐らく和製クルーザーで一番の知名度を誇るであろうドラッグスターシリーズの250モデルとして登場したドラッグスター250。

ビラーゴと何が違うのかというと、キャスター角(フロントフォーク)を3度ほど更に寝かせホイールベースを伸ばし、全高も抑える事でロー&ロングさが強くなりました。更に細かい事を言うとエンジンのフィンやクランクケースカバーを肉厚にしボリュームを増加。

ビラーゴよりも更にクルーザーとしてのルックスに磨きを掛けたというわけです。中でもシリンダーフィンの造形はDSシリーズでは一番ではないかと。

XVS250 DragStar
(19D)
-since 2008-

ドラッグスター250 19D

こちらは2008年からの排ガス規制に対応した19D。

二本出しマフラーだったのが一本に纏められたんですが驚きな事にキャブのまま。SRや兄貴分の400ですらFI化されたのに。オーストラリアのViragoやアメリカのV-Star250との兼ね合いもあるんでしょうね。アッチもミクニキャブです。

クルーザーはあまり詳しくないので何を書けば良いか少し検索してみると、エントリークルーザーとして当然ですが

「DS400とDS250どっちが良いのか」

という永遠の課題ともいえる事についての内容が多い。

両車を比べてみると、意外と数値的な寸法は変わらなかったりします。ただこれはハンドルやウィンカーといった所で決まっているものなので実車見ると分かりますが250はスリムで400はマッチョ。これはフェンダーやカウルなどが排気量が上なだけあって厚みがあるから。

DS4の武器はズバリ重厚さ。クラシックモデルとなるとなおさら重厚になる。(写真左が400、右が250)

ドラッグスター400/250

じゃあ250の武器は何かというと軽薄さ・・・言ってることが矛盾しているように聞こえるかもしれないけどコレがDS250の武器。

クルーザーはその見た目通り、重く大きい事から取り回しが大変なのが当たり前。街乗りでクルーザーをあまり見かけないのはこういう理由もあるからなんだけど、250はビラーゴの後継なだけあってパワーこそ無いけど乾燥重量で159kgとクルーザーでは最軽量の類。

これが無理ならもうクルーザーは無理と言えるくらい軽い。そのためか250cc層だけでなく、女性クルーザー層にも非常に人気が高いようですね。

ドラッグスター250

DS250は乗ってる時も降りた時もクルーザーとは思えないくらいヒョイヒョイ動かせる。

“非日常性”が強く求められるクルーザーにおいて気兼ねなく毎日乗れる「日常系クルーザー」なのがXVS250DragStar。

主要諸元
全長/幅/高 2320/915/1075mm
[2320/935/1070mm]
シート高 670mm
車軸距離 1530mm
車体重量 159kg(乾)
[160kg(乾) ]
燃料消費率 55.0km/L
[51.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 23ps/8000rpm
[20ps/8000rpm]
最高トルク 2.2kg-m/6000rpm
[1.9kg-m/6000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前80/100-18(47P)
後130/90-15(66P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6HSA
または
U20FSR-U
推奨オイル ヤマルーブプレミアム
または
スポーツ
または
スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前20|後56
チェーン サイズ428|リンク146
車体価格 499,000円(税別)
[577,500円(税別)]
※[]内は19D型
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

【関連車種】
Shadow400の系譜DragStar400の系譜インクラ/ブルバ400の系譜REBEL250の系譜

SRV250 Renaissa(4DN)-since 1996-

SRX250ルネッサ

SRV250の派生モデルになるSRV250ルネッサ。「ルネッサ(復興・再生)」という何としてでもSRの様に定着させたいというストレートなネーミングがプラス。

ブリティッシュカフェレーサーの様なSRV250が上品過ぎて敬遠されていると判断したのか、ポジションを少し前傾にし黒基調でシートカウルを一体とした事でちょいワル感が出ているイタリアンカフェレーサーのようなモデル。

ホイールリムもアルミからスチールに変更され、バフ仕上げも止めたおかげでSRV250よりも5万円も安い39万9000円になったんですが・・・何が駄目だったんでしょうね。

RENAISSAカタログ

本家のSRV250もそうですが、ネオレトロが流行っている今なら間違いなく人気が出ると思いますが・・・SRが成功していてSRVやホンダのVRXが駄目だったのを見るとやっぱりVツインが馴染めない、好きになれない人が多かったという事かな。

今となってはVツインスポーツってホンダのVTRとスズキのSVだけですしね。フルラインナップメーカーとしては扱いに困る(流用しづらい)エンジンというのもあると思いますが。

そういえば2007年のモーターショーで出展され話題になったXS-V1 Sakuraを覚えておいででしょうか。

XS-V1さくら

このバイクのテーマは「日本の美」で、結果的にds250として市販化されたわけですが、どこからどう見てもコレはSRVじゃないかなと思うわけです。

名前だって”S”aku”R”aなんだし絶対そうに違いない・・・もう10年経ちますけど。

主要諸元
全長/幅/高 2060/685/1050mm
シート高 770mm
車軸距離 1390mm
車体重量 142kg(乾)
燃料消費率 55.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 27ps/8500rpm
最高トルク 2.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前90/90-18(51S)
後110/90-18(61S)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.0L
交換時1.6L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 399,000円(税別)
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

SRV250/S(4DN)-since 1992-

SRV250

トラディショナルVツインネイキッドのSRV250。カフェレーサースタイルの全く新しいネイキッド。

250cc本格クルーザーのビラーゴ、そして今でいうネオレトロなこのSRV250と、立て続けに新しいジャンルの250を出してきたのは250の需要の多さや広さをヤマハが再認識したからなんですが、このSRV250はただ焼き増ししただけではなく、先に出ていたビラーゴ250のエンジンをベースにしつつも、クランク・ピストン・コンロッドや吸排気を変更しレスポンスを向上。更にエンジンブロックの造形まで変更し各部バフ仕上げという非常に贅沢な250。

Vツインなのに車名に”Single Roadsports”の略であるはずのSRという名前がついているのは、SRの様に長く愛されるバイクになって欲しいという想いを込めて。

SRV250カタログ

「ライダーとは、他人の話には乗らず、自分の思い入れに乗る人種である」

なんてカッコいいキャッチが入っていますが、SRV250は併売していたビラーゴそっちのけで大々的に広告を打たれました。ヤマハがいかにSRV250に賭けていたかが分かりますね。

ヤマハがSRV250で目指したのは、毎日の通勤からちょっとしたツーリングまで軽快にリーンウィズでスポーツを楽に楽しめるバイク。

SRV250S

バフがけされたカバーなどの外見だけでなく、剛性が高すぎないクレードルフレーム、落ち着きのあるハンドリングを生む18インチホイール、Vツインのスリムさを活かした軽い寝かし込み、そしてパルス感を楽しめる狭角Vツインエンジン。

飾って良し、乗って良し、弄ってよし。250の強みを存分に奮った大人の250でした・・・。

が、残念ながら人気は出ず。

SRV250Sカタログ写真

翌年にはシートとステムベアリングに変更が入ったほか、サブタンク付きリアサスペンションやローハンドル、バイザーに塗り分けタンクとメッキが施されたSモデルが、ビジネスマン向けにセンタースタンドとリアキャリアが付いたTモデルが追加されました。

主要諸元
全長/幅/高 2095/720/1055mm
[2095/720/1105mm]
シート高 760mm
車軸距離 1390mm
車体重量 144kg(乾)
[146kg(乾) ]
燃料消費率 56.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 27ps/8500rpm
最高トルク 2.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前90/90-18(51S)
後110/90-18(61S)
バッテリー YTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.0L
交換時1.6L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 449,000円(税別)
[479,000円(税別)]
※[]内はSモデル
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

XV250 Virago(3DM) -since 1989-

ビラーゴ250

250としては初となる本格クルーザーのビラーゴ250。

並列エンジンのネイキッドをベースにキャスター(フロントフォーク)を寝かせてアップハンにしただけのいわゆるジャメリカンとは違い、ちゃんとというかわざわざ狭角Vツインを新造して搭載。

マフラーレイアウトや装飾用のメッキダミーエアクリーナーボックスなど、クルーザーとしてのツボは抑えつつ、クラスとしては250らしく軽量コンパクト。

XV250ビラーゴカタログ

ビラーゴというとイージーライダーを機に始まった第一次クルーザーブーム(80年代前半)を代表する一台であるビラーゴ400が有名なので250は

「クルーザーブームに乗っかって出したバイク」

と思われがち。

たしかにヤマハとしてはその思惑があったと思います。しかしその思惑は外れたんです。

ビラーゴ250が出たのは1988年。この頃は既にクルーザーブームは去っていてレーサーレプリカブーム真っ只中。

ビラーゴS

クルーザーはもう消え行くだけのようなジャンルでした。今で言うビッグスクーターの立ち位置ですね。

そんな状況で送り出されたビラーゴ250が売れるはずもなく最初はそりゃもう総スカン。ところが90年代に入ると馬力の自主規制を発端にレーサーレプリカブームが去り、肩肘張らずに乗れるネイキッドブームが到来したわけです。

これは目を三角にして走る事に疲れたユーザーが多く居たというのもあるわけなんですが、その一部がネイキッドではなくクルーザーの方に流れてきました。そんな層を大量に獲得し、世間から注目されるようになった事で新規層も獲得したクルーザーがビラーゴ・・・ではなくホンダのスティード。これによって第二次クルーザーブームが到来します。

ヴィラーゴ

クルーザーが世間から再注目されるようになった中で、本格的な造りをしながらも日本の環境にマッチした250として唯一の存在だったビラーゴ250。ブームのジャンルで唯一だった250の本格クルーザーが売れないわけはない。

XV250SP

時代を先取りしたビラーゴ400とは逆に、時代が後からやってきたのがビラーゴ250というわけ。

元々250クルーザーとしては軽さからくる取り回しの良さがあったおかげか2000年に出た後継のDS250が出るまでの10年間続きました。

これだけでも凄いんだけどビラーゴは北米やオーストラリアでは2017年現在も販売中っていう。

Vスター250

向こうでも日本と同じようにエントリー向けクルーザーとして好評を博しているようで。一度プレストもDS250あるのに2007年モデルV-Star250を逆輸入したりしました。

そう考えると世界で一番認められた和製クルーザーはこのVX250Viragoかもしれないね。

主要諸元
全長/幅/高 2190/725/1045mm
{2190/800/1130mm}
※{}内はプルバックハンドル
シート高 685mm
車軸距離 1490mm
車体重量 137kg(乾)
[142kg(乾)]
燃料消費率 56.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 23ps/8000rpm
最高トルク 2.2kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後130/90-15(66P)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA/C6HSA/C7HSA
または
V16F-U/V20FS-U/V22FS-U
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 389,000円(税別)
[399,000円(税別)]
※[]内はスペシャル
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

スカイウェイブ250S/SS/M/LTD(CJ46A/CJ45A) -since 2008-

CJ46A

現行スカブにあたるCJ46A型とCJ45A型。

少しややこしいんですが、

・標準モデルのスカイウェイブSベーシック

・グリップヒーターやロングスクリーンやナックルバイザーといった防寒装備のリミテッド

・エアロマスクやメッキハンドルなどを装備したカスタムのSS

この三種類がCJ46Aで、電子制御式CVT(変速モード)を付けたMモデルがCJ45Aとなってます。

どっちもマイナーチェンジが入ってるので合わせて紹介します。

まず電子制御CVTのMモデルは2007年に出てわずか一年でモード追加とスロットルシフト機能が搭載。

そしてノーマルタイプの方も旧型のままだったSSが現行ベースにモデルチェンジ。

スカイウェイブSS

つまりSS、タイプS、リミテッドがCJ46型でMがCJ45型。

そんなスカイウェイブは販売台数においてフォルツァやマジェスティに勝る事はないものの、250ビッグスクーター御三家と言われるだけあって食らいついて行くほどの人気はありました。

しかし、まあ知っての通りビッグスクーターブームが去ってしまった今となってはもう見る影もないほどの人気となっています。スカイウェイブに限った話ではないけどね。

更にバーグマンっていう新しいスクーターを出しました。そちらはソコソコ売れているようです。

BURGMAN200 -Since2014-

バーグマン200

これはタイ産の別のバイクになるんだけど、もともとバーグマンって言う名前はスカイウェイブの海外名だったわけです。ビッグスクーターと言うよりはイタスクに近いかな。

バイクのグローバル化が進む中で日本だけのガラパゴスバイクというは厳しい物があります。バーグマンという海外名を新型に取られた事からも察せます。

スカイウェイブ250はどうなるんでしょうね。長男坊の650は海外で通用している事もあってか比較的安泰なんだけど、250ビッグスクーターってのは日本特有だから逃げ道が無いんですよね。

主要諸元
全長/幅/高 2270/760/1225mm
シート高 710mm
車軸距離 1585mm
車体重量 214kg(装)
燃料消費率 39.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 26ps/7500rpm
最高トルク 2.5kg-m/6000rpm
変速機 Vベルト
{MTモード付きVベルト}
タイヤサイズ 前120/80-14(58S)
後150/70-13(64S)
バッテリー YT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.2L
フィルター交換時1.3L
Vベルト 27601-06H00
車体価格 599,000円(税別)
[619,000円(税別)]
{670,000円(税別)}
※[]内はTypeS
※{}内はTypeM
系譜図
初代1998年
SKYWAVE type1/2(CJ41A/CJ42A)
二代目2002年
SKYWAVE/SS(CJ43A)
三代目2006年
SKYWAVE S/LTD/M(CJ44A/CJ45A)
ジェンマ2008年
gemma(CJ47A)
四代2008年
SKYWAVE S/SS/LTD/M(CJ46A/CJ45A)