モンキー125(JB02)-since 2018-

モンキー125

「THE SMILE MACHINE」

2018年に登場した新世代モンキーことMONKEY125/JB02型。

その数字からも分かる通り125ccとなりそれに合わせてボディもワンサイズ大きくなりました。

モンキー125デザイン

大きくなったといってもそれでも125ではかなり小さい方なんですけどね。

ちなみに灯火系はすべてLEDという豪華さ。

ベースとなっているのは先に出ていたGROMなわけですが、これがまたよく考えられている。

モンキー125とGROM

いわゆるキビキビ系のグロムをそのままモンキーにしてもイメージに合わないという事で吸排気系やマッピング、更にはステムやリアフレームや足回りなどを新たに設計し直してトコトコ感を強調する変更をしています。

モンキー125フレーム

しかしその一方でクランクケースを始めとした各部のマウントやステー位置は極力グロムから変えない様にしている。

これはグロムと親和性を高めることでカスタムマーケットを広げるの事が狙い。

さて・・・このモンキーが出たときに色々と賛否両論あった事を覚えている人も多いかと思います。

ただ間違いなく言えるのは

「モンキーは本当はもう終わっていた」

という事。

この125化は何とかモンキーを存続させる方法はないか考えた末に造られた意味合いが強いです。

というのも50ccというのは規制とコストに加えほぼ日本でしか売れないので厳しいものがある。だからモンキーも既に2018年モデルで終わることがずっと前から決まっていた・・・そこで頼ったのがタイ。

タイホンダ

タイはいま若者の間でストリートバイクが絶大な人気を誇っています。

発端はカワサキのKSRでホンダがグロムを出したのもそれが理由。だからモンキーも受け入れてもらえるのではと2016年のタイのバンコクモーターショーにコンセプトモデルを出したところ、これが物凄い反響を呼んだ。

ここで

「タイで売れるなら存続できる」

となった。

タイの道路事情

しかし一方でアジア特にタイというのは最高時速が80km/hでみんなビュンビュン飛ばすので50ccでは絶対に売れない。

だから125ccになったんです。タイだけで年間1万台の販売を予定しているんだとか。

ちなみにそんなモンキー125ですが、実はタイではバイク屋では売っていません。

タイのカブハウス

『Cub house』

と呼ばれるコーヒーやらホットドッグやらアパレルやらまで売ってるショップでのみC125と並んで販売されています。

カブハウスの店内

これは若者向けにライフスタイル兼ファッションアイテムとしてバイクに付き合ってもらおうという考えから・・・本当に最近のアジア凄いですね。

ちなみに信じられないかもしれませんがカスタム文化なども既に日本よりインドネシアやタイなどの方が遥かに上です。だからカスタムマーケットも急速に大きくなるのではないかと思います。

さっきからタイの話ばかりになっていますが125ccは世界中で売る事も出来るのでモンキー125はグローバルモデルとなり欧州などでも再び販売される様になりました。

UKモンキー

ただその中でタイの次に大事な主要マーケットが何処かと言うと実は日本なんです。

つまりタイだけを見て造ったわけではない。

確かにモンキー125はそれまでのモンキー50とは大きく異なります。それはサイズ感を始めとした車体構成から見てもそう。

monkey

どれだけカスタムパーツが増えようがどれだけ弄ろうがモンキー125はミニ四駆の延長線上の様なモンキー50の代わりにはなれない。

でもそれは反対に言うとどれだけモンキー50を弄ってもこの125にはなれない事でもある。

ホンダモンキー125

このモンキーの最大の強みはそこ。

『最初から125として設計されている』

という事です。

4miniなどを弄った事がある人なら分かると思いますが、もともと50ccのバイクをボアアップやら燃調やらでスケールアップさせるとどうしても信頼性やメンテナンス性にシワ寄せが起こる・・・そして沼にハマる。

それは4mini筆頭であるモンキーも例外ではなく、結果としてモンキー50時代の晩年には

『カブ110エンジンにスワップ(載せ替え)』

というものまで流行りました。最初からメーカー謹製のものを載せれば何も悩まされる事がないからです。

要するにこのモンキー125はそれを最初からやった形。

そしてフレームや足回りも合わせてあるからオイル管理も異音も足回りも何一つ不安も心配もいらない。

ニューマイトレンドモンキー125

これがモンキー125の強み。

確かに弄るモンキーではなくなったけど代わりに

『自由にトコトコ走れるモンキーになった』

という話。

その考えを最も裏付けるのがこのシート。

モンキー125のシート

一見するとなんてことないシートですが、実はこれゴールドウィングと同じ高密度ウレタンを使った凄く良いシートなんです。

狙いはもちろんどんな道でもトコトコと、何時間でも何kmでもトコトコと行けるようにするため。

「なんで一人乗りなんだ」

と思うかも知れませんが、それはモンキーらしさを優先したから。

これはハンドルもそうです。

モンキー125サイド

従来のモンキーの特徴の一つが折りたたみ式ハンドルでしたが、125でこれを採用するとなるとモンキーらしさが損なわれてしまう。

「モンキーらしさか伝統か」

これを採用するか採用しないかで大いにモメたものの

「125を抱えて積む人は居ないだろう」

という事で廃止しモンキーらしさ優先。

もう一つはフェンダー。

モンキー125のフェンダー

モンキー125は今どき珍しいスチールメッキフェンダーを採用しているんですが、当初は操舵重量の問題からスチールを止めてプラスチックになる予定でした。

しかし

「やっぱりスチールの方がモンキーらしい」

ということでフロント周りを途中で一から見直して何とかを実現。

モンキー125イタリア仕様

モンキーのステム周りがグロムと大きく変わっているのはこのスチールフェンダーを意地でも採用するためだったりするんです。

アップマフラーにするために曲がりくねっているエキパイだってそうです。

モンキー125エンジン

例え125になろうとモンキーらしさを失わない為にこうなってる。

モンキー125が何処からどう見てもモンキーなのはこういった細かい配慮があるからなんです。

「さっきから言ってるけど”モンキーらしさ”って何だ」

って話ですがこの”モンキーらしさ”こそホンダが初代モンキーからずっと何よりも大事にしてきた事。

欧州仕様モンキー125

「見てるだけでワクワクする」

そう思えるバイクがモンキーなんです。

主要諸元
全長/幅/高 1,710/755/1030mm
シート高 775mm
車軸距離 1155mm
車体重量 105kg(装)
[107kg](装)
燃料消費率 67.1km/L
※WMTCモード
燃料容量 5.6L
エンジン 空冷4ストローク
SOHC2バルブ単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.4ps/7000rpm
最高トルク 1.1kgf-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/80-12 65J
後130/80-12 69J
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/U20EPR9
または
CPR7EA-9/U22EPR9※高速
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L|交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク98
車体価格 399,600円(税込)
[432,000円(税込)]
※18年モデル
※[]内はABS
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

LEAD125(JF45) -since 2013-

JF45

「STYLISH SEDAN SCOOTER」

生産国が中国からベトナムになり、これまた大幅に生まれ変わったリード125(JF45)

PCX等のコミューターがベトナムに移管された事がキッカケでしょうね。

(Todayやカブ110なんかでもそうですが中国工場ってよっぽど何かあるんでしょうね。)

それにしてもリードのフルスケール125ccなんて1982年以来、実に30年ぶりですよ。

エンジンはPCXと同じホンダ渾身のグローバルエコエンジンであるeSP。

eSPengine

どんな走り方をしても40km/Lを切らないというニワカには信じがたいエンジン。

ちなみにeSPとはenhanced(強化された) Smart(高精度な) Power(動力)という意味。

ラジエーターが一体化してるのが特徴ですね。

外見も大きく変わりました。

リード125LED

ひと目でリード125だと分かるV字クロームメッキとLEDポジションランプ。(何でV字なのかは分かりませんが)

でも実はLEAD125は内装(インパネ)にも拘ってます。

リード125メーター

液晶付きメーターは勿論のこと、可能な限りインパネもメタリック塗装しプラスチッキーさを抑えてる。

でもそんな事よりリードといえばやっぱり・・・

リード125メットインスペース

ヘルメットが2つ入る程の大容量ラゲージスペースですよね。コチラも健在・・・というかコレじゃなきゃリードとは言えない。

さてさて・・・

リードの魅力を考えてみると速いわけでも最先端を行く様なデザインでも無い。最上位スクーターという地位もPCXに譲った。

挙げるとするならラゲージスペースを始めとした積載性くらいで、こう言っちゃアレだけどどちらかというと華がない。

でもそれこそがリードの魅力なんじゃないのかと思うわけです。

一人でも二人でも乗れるちょうどいいサイズで、メットインスペースが豊富で足場もフラットで広く、リアキャリアもしっかり付いてる。

スタイリッシュ セダン スクーター

オーソドックスといえばオーソドックスだけど、価格や奇抜さといった飛び道具に頼るわけでもなく王道をいってるのって今やリードくらいなんですよね。

流行に流されない大人のスクーター。

コンセプトで”セダン”と用いてるのもこういう所から来てるんじゃないかな。

主要諸元
全長/幅/高 1835/685/1125mm
[1840/680/1130mm]
シート高 760mm
車軸距離 1275mm
車体重量 113kg(装)
[114kg(装)]
燃料消費率 51.0km/L
[52.2km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 6.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8500rpm
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90R12(44J)
後100/90R10(56L)
バッテリー YTZ7S
[GTZ8V]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ
Vベルト 23100-KZR-601
車体価格 272,000円(税別)
[287,000円(税別)]
※[]内は17年以降モデル
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD/EX(JF19) -since 2008-

JF19

実に五年ぶりに復活したLEAD。

残念なことに50ccモデルは廃止となり110一本で名前もLEADだけになった。

FIの水冷OHCエンジンを積んでいる。

このモデルから生産国が中国に変更・・・というより正しく言うなら中国で既に作ってアジア全般に売っていたSCR110(ほぼ同一車)を日本向けに調整し発売というのが実際の所。

「なんだじゃあ別のバイクじゃん」

と思う事なかれ。 リード110メットインスペース

見てくださいこの大容量35Lのラゲージスペース。

このサイズでフルフェイスヘルメットが2つも入る。これぞリードたる証。

さてさて、そんなリード110ですがデビュー時はもの凄く叩かれました。

リード110スペシャルカラー

何故かといえば今ひとつパッとしない性能に対し車体価格が当時27万3000円と高かったからです。

当時はコストパフォーマンスならアドレスV125で22万円、質感とスペックで言えばシグナスXで32万円という状況。

もともとリードは大人の原付という立場だったのですが、ホンダの最上位原二という事から許せない人が多かったんでしょう。

と言っても通勤需要もあってコンスタントに年間10000台強も売ってたので十分ヒットと言えるんですけどね。

ただそんな状況をみたのかホンダは値下げに踏み切りました。

2010 LEAD・EX

リード110スペシャルカラー

後期モデルになるリードEX、型式は変わらずJF19。

基本はそのままにブレーキ周りの変更(2potから3potへ、それに伴いローターも変更)をした上で先代から2万円ほど値下げ。

よく前期モデル乗りから苦情が来なかったな・・・。

後継の生産地がベトナム産になった事もあってしばらくの間は併売されてました。

主要諸元
全長/幅/高 1835/665/1125mm
[1835/675/1125mm]
シート高 740mm
車軸距離 1275mm
車体重量 114kg(装)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.5L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.0ps/7500rpm
最高トルク 0.95kg-m/6250rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90R12(44J)
後100/90R10(56L)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EH-9/CR8EH-9
または
U22EPR9/U24FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.7L
スプロケ
Vベルト 23100-GFM-890
(23100-GFM-901)
車体価格 260,000円(税別)
[238,000円(税別)]
※[]内はEX
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD/100(AF48/JF06) -since 1998-

JF05

2st最後のリードとなる三代目のLEAD(AF48)と10ccアップしたLEAD100(JF06)。

1998年製ながらマフラーに触媒を入れ、初めて排ガス規制をクリアしたバイクだったりする。

他にも前後連動ブレーキのコンビブレーキやイグニッション、メットイン、ハンドルロックの機能を一つのシリンダーに集約したり(後期のみ)、イモビアラームのOPを用意していたりと今でこそ比較的当たり前な装備を二周も三周も先取りしていた。

そのおかげかこの三代目も人気が出た・・・んだけど、ホンダのスクーター4st化計画と排ガス規制強化に伴って2003年で生産終了となりました。

主要諸元
全長/幅/高 1795/680/1060mm
シート高 660mm
車軸距離 1255mm
車体重量 91kg(装)
[99kg(装)]
燃料消費率 46.2km/L
[43.1km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[101cc]
最高出力 5.9ps/6750rpm
[9.3ps/6750rpm]
最高トルク 0.65kg-m/6750rpm
[1.0kg-m/6750rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.5-10(41J)
[前後100/90-10(56J) ]
バッテリー FT4L-BS
[FTX5L-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR6HSA
[BR6HSA-9]
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量
スプロケ
Vベルト 23100-GCS-003
[23100-KFH-003]
車体価格 199,000円(税別)
[229,000円(税別)]
※[]内はリード100(JF06)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD/90(AF20/HF05) -since 1988-

HF05

「ゆとりのボディサイズ」

初めてのフルモデルチェンジを迎えLEAD(AF20)とLEAD90(HF05)の二台体制になった二代目リード。
顔とボディのバランスが取れてなかったのをホンダも気付いたのか顔をシェイプアップしボディとのバランスがとれた。

リードの特徴であり武器となる大きめのメットインスペースとインナーボックスを採用したのはこのモデルから。

使い勝手の良さから人気が出て、90の方は「リーキュー」の愛称で親しまれてました。

ホンダの最上位原付ってことで当時の値段でも22万5000円と決して安くは無かったんですが。

LEAD50

ゴツいトレーリングリンク式フロントサスペンションが特徴的ですね。

そういえば雨上がり決死隊の蛍原さんがLEAD90の大ファンというかマニアみたいで今でも壊れる度にLEAD90を買い直してるという有名な話がありますね。

芸能人なら新型の原付くらい簡単に買えそうなものですが、愛称で親しまれるくらいなので惹かれる物があるのでしょう。

余談ですが

スーパーリード

コチラは韓国で発売されたSUPER LEADというLEADのパチも・・・というわけではなく、当時技術提供していた韓国のDM社から出た外装がちょっと違うだけで中身は一緒のLEADです。

主要諸元
全長/幅/高 1755/715/1060mm
シート高 735mm
車軸距離 1235mm
車体重量 83kg(装)
[85kg(装)]
燃料消費率 58.1km/L
[54.1km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.2L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[89cc]
最高出力 6.4ps/6500rpm
[8.4ps/6500rpm]
最高トルク 0.73kg-m/6000rpm
[1.0kg-m/4000rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.5-10-2PR
[前後100/90-10(56J) ]
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP6HSA
[BPR6HSA]
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量
スプロケ
Vベルト 23100-GW2-013
[23100-GW3-013]
車体価格 195,000円(税別)
[225,000円(税別)]
※[]内はリード90(HF05)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

LEAD50/80/125(AF01~10/HF01~4/JF01) -since 1982-

HF01

ホンダのご長寿スクーターとしてお馴染みのリード。

その一番最初のモデルとなったのはリード50(AF01)と80(HF01)

HY戦争の象徴とも言われたタクトというスクーターの上位モデル的な位置づけてデビュー。
当時から大柄な車体に広い乗車スペースが売りのスクーターGT。

更に実は、半年後には既に125ccモデルも登場していた。

LEAD125(JF01)

リード125

新設計の5ポートシリンダーにトルセン付きVマチックで前後油圧式ダンパーとキャストホイール。

とってもハイテクで贅沢な作り。値段も50の二倍近い24万円という高級原二。でも売れなかったのかホンダの方針なのか分からないけど125ccはスペイシーで行くことになって僅か一年しか売ってないレアなリード。

リード125カタログ

写真だと分かり難いんですがボディに対して頭が馬鹿みたいに大きく、もの凄くチグハグ感があり、可愛くもあったりします。

激レアなリードと言えばもうひとつ。

それは一年遅れの1983年に登場した

LEADER(AF03)

リーダー

リードの派生車として登場。

50ccながらなんとスクーター初の液晶式メーターを装備。

リーダー液晶メーター

ガソリンメーターやスピードメーターは勿論のこと、(無駄に)タコメーターまでしかもデジタルで付いてるという豪華っぷり。

リーダー50

激レアと上で言ってる通り売れなかった。

いや売れなかったというよりリードも売ってたし、リードはスポーツ性を高めたSやSS、豪華装備のSDX(スーパーデラックス)なんかも出しててモロ被りだったから。

リードR

終いにはリードRというスポーティどころかスポーツなモデルまで出す始末。

この時ホンダの50ccスクーターの車種数はタクトやリードやスカッシュなど全て含めるとなんと11車種。

なんでそんな乱発したのかと言えばそれはHY戦争だったからとしか言いようがありません。

リード125カタログ

そう考えるとリードもタクトと同じくHY戦争の申し子なんですよね。

(HY戦争についてはコチラ)

主要諸元
全長/幅/高 1675/665/1070mm
{1750/645/1090}
シート高
車軸距離
車体重量 70kg(装)
[72kg(装)]
{91kg(装)}
燃料消費率 75.0km/L
[78km/L]
{55.0km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 5.3L
{7.0L}
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[89cc]
{124cc}
最高出力 5.0ps/7000rpm
[8.4ps/6500rpm]
{10ps/6500rpm}
最高トルク
[-]
{1.3kg-m/4000rpm}
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.00-10-2PR
[前後3.50-10-4PR]
{前後3.50-10-4PR}
バッテリー YB4L-B
[FB5L-B]
{FB5L-B}
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP6HS
[BP6HS]
{BP6HSA}
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量 1.3L
{-}
スプロケ
Vベルト
車体価格 139,000円(税別)
[172,000円(税別)]
{238,000円(税別)}
※スペックは50(AF01)
※[]内はリード90(HF05)
※{}内はリード125(JF01)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

GROM(JC61後期/JC75) -since 2016-

2013グロム

顔が突然変異した様なグロム(JC61)の後期モデル。※17年からはJC75

目立つ変更点としてはヘッドライトのLED化とダウンマフラーですね。それに伴ってステップも変わってます。

ハンドル周り

他にも起き気味だったポジションを見直してハンドルが少し下げられ前傾気味になりました。見た目含めて全体的にスポーツ志向が少し強くなった感じです。エンジンは変わってませんけど。

まず取り上げるべきはやっぱりダウンマフラーでしょう。

ダウンマフラー

先代のアップマフラーは社外マフラーに変えたいと思った時ヒートガードが無くなる事から

・熱でシートバッグが溶ける

・タンデムすると火傷する

などといった問題点があり、社外マフラーはダウンタイプの物が結構出ていました。ホンダもそれを鑑みてダウンタイプに変更したのかなと思います。

レジャーバイクといえば実用性度外視の遊びバイクというのが定説だったけど、今は通勤やツーリングといった実用的な使い方をする層が増えた事による想定外の問題ですね。

まあこれはグロムがとてつもない低燃費な事が起因だとは思いますけど。

そしてLEDヘッドライト。

LEDヘッドライト

形の好みはあれど恩恵は絶大でしょう。

原二の場合、発電量が乏しいのでどうやってもライトは暗くなってしまう宿命を持っているんですが、昨今のLEDの普及による低コスト化によって原二でもLED搭載が珍しくなくなりました。LEDの恩恵を一番受けるクラスだと思います。

ヘッドライト

更に問題だったのはグロムはヘッドライトを自分で変えようにも交流式(LEDは直流でないと駄目)なために、にっちもさっちもいかない状況だった事。新型が整流しているのか直流で取っているのかは分かりませんが、LEDは明るく省電力なので喜ばしい事ですね。前期への流用が流行りそう。

グロムリア周り

そんな変更点の中で意外だったのはABSも連動ブレーキも採用していないという事。

既存車種は2021年からの義務化なのでまだ日数はあるものの、積極的なホンダがモデルチェンジと共に採用してこなかったのは珍しい。

遊べるミニモタ的な要素も持ち合わせているからかな。前後連動にしちゃうとリアだけロックさせて遊んだりという事が出来なくなりますからね。

つまりこのグロム(JC61後期)のモデルライフは5年未満ということが確定していると同時に、コンビブレーキやABSといった制御が入ってないシンプルなブレーキをしている最後のグロムになる可能性が非常に高いです。

GROMANCE

さてグロム(MSX125)は既に世界で300,000台以上を売り上げる大人気車種となりました。

「日常で遊べるモーターサイクル」

グロムのコンセプトは日本は勿論のこと、広大な土地があるアメリカやスポーツ走行が盛んな欧州でも成功を収めました。

先進国でこのジャンルが成功するという事は再びレジャーバイク・ミニモタが活性化すると言っても過言ではありません。レジャーバイクが活性化すれば敷居の低さからバイク人口も増えるし、ミニバイクを使った遊びの範囲も広がる。

2017GROM北米モデル

バイク業界の活性化にミニバイクは必要不可欠なわけでGROMが成した事は大きく大事な一歩と言えるでしょう。(もちろんZ125もね)

最後になりましたが、遊びといえばもう一点。

2016からグロムのワンメイクレース「HRC GROM CUP」の開催が決定しました。ということは・・・当然ながらグロムのHRCコンプリートモデル&レースキットが発売。

キットはレースカウルにレース用マフラー、スプロケガードにバックステップのセット。

HRCグロム

写真のコンプリートモデルは更にハンドシフターとモード切替スイッチ、ピットスピード制御スイッチ、シフトアップインジケーター、マッピングを変えられるレース用ECUなども付いて350,000円前後(詳しくは各サービスショップへ)です。

もちろん公道は走れません・・・レースするわけでもないのに自分のGROMに流用しようなんて考えちゃ駄目ですよ。レースに出る為なら話は別ですが。

NSF100

更にこのグロムカップはどうもNSF100が担ってきた「NSF100 HRCトロフィー」の後釜になるようです。レースベースにまで採用されるとなるとGROMの未来は安泰ですね。

このグロムカップは全国19ヶ所のサーキットで開催してますので興味のある方は「HONDA:GROM CUP」もしくは「お近くのサービスショップ」からどうぞ。

レースベースグロム

いやしかしHRCカラーが似合っててカッコいいなあ。

誤解する人がいるといけないので説明しておくと、このHRカラーはホンダが見本として塗ってるサンプルカラーで、買えるのは無地(白一色)です。

でもコレ絶対そのうちHRCカラーのグロム出るだろうな・・・

主要諸元
全長/幅/高 1755/730/1000mm
シート高 760mm
車軸距離 1200mm
車体重量 104kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR7EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 320,000円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

【関連車種】
YZF-R125の系譜Z125の系譜Small DUKEの系譜RS4 125の系譜

GROM(JC61前期) -since 2013-

2013グロム

「Just Size & Showy Spec 」

タイホンダから発売されたレジャーバイク。

ホンダとしてもレジャーバイクとしても久しぶりのニューモデルだった事もあって第一便も第二便も予約でいっぱいという人気っぷりだったGROM(海外名はMSX125)

エンジンは同じタイで作られているWAVE125iの物をベースにクランクケースなどを専用品に変えたもの。

エンジン

多分WAVE125iとか言われてもナンノコッチャ状態の人が多いだろうから説明するとこのバイクです。

ウェーブ125i

いわゆるタイカブってやつですが、その中でもWAVE125iというのはトップモデルで125が許された数少ないタイカブだったりします。

「タイのバイクってみんなこんな形してるよねー」

ってよく言われますけど、それはタイは二人乗りどころか三人乗り四人乗りが珍しくもなんともないからです。シートはデカくてナンボ、長くてナンボの世界。シートが小さいバイクなんて一部の道楽スポーツバイクだけ。

バイクタクシー

余談ですがカラフルなジャケットを着ている人はバイクタクシー。向こうはバイクのタクシーがあるんですね。

WAVE125iの歴史を更に遡るとドリーム100にたどり着くんですが、そこまで遡りだすと結局C100(初代スーパーカブ)に辿り着いちゃうのでこのへんにしときます。

ドリーム100

ちなみにいわゆるタイカブのこの形を確立したのは他ならぬこのドリーム100で、タイの人達の心を見事につかみ大ヒット、タイホンダ成功の立役車となりました。

さて、日本でホンダは横型(カブエンジン)を積んだレジャーバイクを数多く出して来ました。今でもお馴染みモンキーから始まり、ゴリラ、DAX、シャリィなどなど。

レジャーバイク

どれもグロムと同じように遊び心ある・・・・って全然グロムの話してないですねゴメンなさい。

ただそんなホンダのレジャーバイク史の中でもグロムはちょっと異質です。なんといってもモノサスもそうだけど正立大好きなホンダが31mmの極太倒立フロントフォークを採用してるんですから。

白グロム

これ70年以上も歴史あるバイクメーカーながらクラス初の試みです。CRFなんかでもそうだけど最近のホンダは結構倒立フロントフォークを当たり前の様に採用してきますね。グローバル化で変わったんだろうか。

んでエンジンもWAVE125iのものと言ったけどそのままっていうわけではなく、吸排気を専用設計の物に変えてパワーを上げています。

パワーカーブ

といっても空冷4stの9.8馬力なので速さは・・・まあグロムオーナーが一番よく分かってると思うので遠慮なく言わせてもらうとかなり遅いです。PCXは愚か昨今の125スクーターに全く歯がたたないレベル。

まあ向こうは水冷の新設計エンジンだし大径ホイールだし無段階変速だし当たり前なんですけどね。

その割には33万円は高いと思う人も居るかもしれません。

MSX125

何処にそんなお金が掛かってるんだと言われれば「見た目」と言い切れます。

フレームが専用設計ということもありますが、先に言った極太倒立フロントフォークや130という絶対にオーバーなタイヤサイズも見た目のためでしょう。

タンクカウル

更に言うなれば125どころかバイク全体を見渡しても非常に凝ってる部類のタンク形状(特許出願技術)もそう。とにかく見た目に予算全部突っ込んだ様なバイク。

そもそもレジャーバイクというのは速さとは無縁のバイクですし、実際オーナー達も見た目が気に入って買ってる人が大半だろうからそれで正解なんでしょうけどね。

少し残念なのはFI化されているのを見ると分かる通り、現行モンキー同様あらゆる部分が電子制御されていますのでキャブ時代の様に簡単に弄るのは難しくなっています。弄れないわけではないですしコレはグロムに限った話ではないですが。

その為か結構見た目重視のカスタムが目立ってますね。

グロムカスタム

スクランブラーから他車パロからRCからガンダムまで。

世界のホンダから出たレジャーバイクなだけあって様々ですね。愛されてるなあ。

ところであんまり話題にならないけどGROMは低燃費と定評のあるPCXより低燃費です。

壁紙

20kg以上軽い上に常時噛合式(ミッション)なので50km/L切らないどころか、場合によっては70km/Lまで行くという驚異的な燃費性能を持っています。

WMTCモード値70.5km/L(国内125トップ)は伊達じゃないという事ですね。

主要諸元
全長/幅/高 1760/755/1010mm
シート高 750mm
車軸距離 1200mm
車体重量 102kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR6EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 309,750円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

DIO110(JF58)-since 2015-

JF58

「New Standard Commuter」

アジアで唯一DIO110が売れた国ともいえるベトナム(向こうではVISION110)への生産移転を機に大きく見直されるフルモデルチェンジが入ったDIO110/JF58型。

JF58のデザイン

エッジが効いた見た目に変更されているんですが、一番はホンダが開発したアイドリングストップ機能付きの新世代エンジンeSPになったこと。ローラーロッカーアームやオフセットシリンダーによってフリクションロスを徹底的に省いた超低燃費エンジンです。

JF58E

仕組みはPCXの方で話した気がするので置いておくとして、これによりパワーアップしつつクラス最高燃費(当時)となる55.6km/Lを達成。

DIO110のエンジン

ちなみにこれにはフレームも新たに設計し直し全体で3kgもの軽量化となった事も貢献しています。

つまりデザインもエンジンもフレームも新しくなってるので、ある意味では先代とは似て非なるモデルなんですね。サイドスタンドやシートオープナーまで標準装備になりましたし。そのぶん価格も少し上がりましたけどね。

DIO110SP

そんなディオ110なんですけどオーナーも自覚があると思われるので正直に言いますが人気無いですよね。

「どうせ乗るならPCXに」

という人が大半なんだろうと思います。

これは日本と同じく絶賛発売中の欧州なんかでもそうでPCXが大ヒットしている一方でディオの話は全然聞かない。

でもこれ良い面もあるんですよ・・・

イギリス版DIO110

「盗難やイタズラに強い」

という事に繋がるからです。だって人気が無いんだもの。

人目につく街などで真価を発揮する天下のホンダが造った確かな品質のコミューターでこの心配が減るって凄く大きいと思うんですよ。

DIO110ブラック

「イモビを鼻で笑える不人気という名の盗難防止機能」

という冗談半分だけど半分本当な装備を付けてる。

もちろん絶対に無いとは言い切れないけど間違いなくPCXより可能性が低いし、万が一そういう目にあっても比較的安い方だからダメージも小さい。

JF58壁紙

所有感やシグナルダッシュは確かに他の原付二種に負けるけどコミューターとして本来最も大事である

「如何に気を使わず付き合えるか」

という要素ではDIO110は完勝でしょう。

主要諸元
全長/幅/高 1870/690/1085mm
シート高 750mm
車軸距離 1255mm
車体重量 100kg(装)
燃料消費率 55.6km/L
※WMTCモード値
燃料容量 5.2L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 108cc
最高出力 9.0ps/7500rpm
最高トルク 0.95kg-m/5500rpm
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前80/90-14(40P)
後90/90-14(46P)
バッテリー GTZ6V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
MR8C-9N
推奨オイル Honda純正ウルトラE1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.7L
Vベルト 23100-K44-V01
車体価格 212,000円(税別)
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)

DIO110(JF31)-since 2011-

JF31

「ニュー スタイリッシュ コミューター」

原付二種になった新世代のDIO110/JF31型。

・空冷107ccエンジン
・前後14インチホイール
・コンビブレーキ
・メンテナンスフリーのFI
・18Lのメットインとフロントインナーラック

などを標準的な装備。

JF31メットイン

排気量が上がったことからも分かる通りディオは生産拠点を中国に移しグローバルモデルになったわけですが、ネタバレするとこのモデルはタイで造っていたSCOOPY110iというモデルがベース。

くまモンスクーピー

上の写真は現行モデルなんですが、くまモンってアジアでも人気なんですね。でも熊本工場で製造されてるからくまモンなんじゃなかっ・・・

ちなみにDIOは中国製ですが先代の新大洲本田ではなく五羊本田という別の合併会社。新大洲がほぼ輸出なのに対して五羊本田は中国国内向け。

ラフスケッチ

そもそもなんでグローバルモデルになったのかというと廉価なコミューターが世界から求められたからです。

だからハッキリ言いますがDIO110/JF31は快適装備が付いていませんし、お高い125ccと遜色ない走りをするとは言い切れない部分もある。

今どきメットインの鍵がメインキーシリンダーに付いておらずシート下にある鍵穴で開ける必要があったりするし、パワーもそれなりでトルクの谷があるしシガーソケットなんかも付いてない。

でもその分だけ安くて20万円を切る破格の値段でした。

JF31壁紙

そんなDIO110なんですがこれが出た時、そして今もそうですが

「典型的なアジア向けスクーターだな」

って思った人も多いかと。

確かに本来ならばそうなんですが、DIO110の場合そうとも言い切れない部分があります。というのもDIO110が開発される事になった理由はアジアだけじゃないからです。

確かにカブ一辺倒だった東南アジアや中国で生まれ始めていたAT需要の受け皿という狙いもありました。しかし一方で日欧でも不況で廉価な物を求めるようになった事に応える狙いもあった。

だから

「日本で20万円切るとともに欧州初の2000ユーロ切りコミューター ※Honda DESIGN」

という目標の元に開発された背景があるんです。

ディオ110の値段

そしてグローバル展開というスケールメリットのおかげで見事に20万円切り。かつてホンダの原付二種でこれほど安いバイクがあっただろうかと思えるコストパフォーマンスになった。

そこにもう一つ付け加えたいのが

「DIO110は欧州を重視していたのでは」

ということ。

これは2000ユーロを切るという目標もそうなんですが、デザインで見ても欧州で爆発的な人気を誇ったSHモードという石畳を物ともせず走れる大径ホイールのスクーターに通ずる部分があるから。

BIZスタイル

加えて言えるのがDIO110は国によって名前が違って

中国『Breeze』

欧州&ベトナム『VISION』

インドネシア&タイ『Spacy』

とバラバラなんですがアジアでこのデザインが受け入れられなかったのか実はもう売ってない国が多い。向こうはベトナムくらいでホンダの110といえばスクーピーという状態。対して欧州ではまだ現役。

JF31カタログ

つまりDIO110は確かにアジアも睨んでいたんだけど、どちらかというと欧州寄りなコミューターなんですね。

主要諸元
全長/幅/高 1845/670/1090mm
シート高 755mm
車軸距離 1255mm
車体重量 103kg(装)
燃料消費率 52.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 107cc
最高出力 8.4ps/8250rpm
最高トルク 0.89kg-m/6500rpm
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前80/90-14(40P)
後90/90-14(46P)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EA-9
または
U24EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.7L
Vベルト 23100-KZL-931
車体価格 190,000円(税別)
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)