KH90(KH90C) -since 1977-

KH90

「限りない可能性を持つキミにおくろう。ぜいたくな程のこの一台・・・」
このクラスとしては初となる前後油圧ディスクブレーキを採用した贅沢な一台。「ケッチ」の相性で親しまれたKHシリーズの末っ子。
兄貴分にKH125が居たけど向こうはドラムブレーキを採用となんだかよく分からないラインナップ。
この頃からカワサキは4ストはZ、2ストはKHと車名で区別するようになる。

KH-90

カタログから見ても分かる通りディスクブレーキを最大限にアピールしている。
ただ時代は50と大型の競争がヒートアップしていて、90という微妙な排気量の為に下火だったみたい。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 96kg(乾)
燃料消費率 -km/L
※定地走行テスト
燃料容量
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 89cc
最高出力 10.5ps/7500rpm
最高トルク 1.0kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 145,000円(税別)
系譜図
90SS/S1968年
90S/SS
(G8)
KH901977年
KH90
(KH90C)
AR50-801981年
AR50/80
(AR50/AR80)
KS-1/21987年
KS-1/2
(MX50A/80A)
KSR-1/21990年
KSR-1/2
(MX50B/80B)
KSR110国内モデル2002年
KSR110
(KL110A)
KSR110後期モデル2012年
KSR110
(KL110D)
KSR110プロ2014年
KSR PRO
(KL110E)
2016年
Z125/PRO
(BR125H)

90S/SS/SSS(G8) -since 1968-

kawasaki 90SS/S

90ccは入門モデル、125ccは玄人モデルというのが定説だった時代に出た125ccに負けない本格仕様の90Sと90SS、と思ったらSSSまであった。あの有名な500SSマッハ3の末っ子。

Sはスポーツでクラッチレス四速ロータリー式ギアの街乗り快適仕様で今のKSR110に通ずる物がある。
SSはスーパースポーツでマニュアル五速リターン式ギア。
SSSはスーパースポーツスクランブラー(今で言うオフ車)の仕様。

カワサキ90シリーズ

当時のカワサキはまだ今風の「KAWASAKI」ではなく「リバーマーク」と呼ばれるものが載った物を使ってた。

これがそのエンブレムで川崎重工の当時の社章が描かれた旗が載っている。

リバーマーク

社章は川崎の川の字がモチーフ。だから「リバーマーク」
でも使っていたのは1960年後半までで、70年台に入ると今風の(厳密に言うと違うけど)「KAWASAKI」に変わった。

ちなみにお馴染みとなった今のロゴの名は「フライングK」と呼ばれる。

フライングK

結果的に他に例がない本格スポーツの90Sは大成功を収めた。
これに気を良くしたカワサキは次に紹介するKH90を始めとして90ccで多彩なラインナップを展開する事に。

あと意外な事にこのバイク、当時郵便車として少なからず納車されてたみたいです。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 79kg(乾)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 89cc
最高出力 10.5ps/8000rpm
最高トルク 0.98kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ
バッテリー 6N6-3B
プラグ B8HS
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 76,000円(税別)
※スペックは90-S
系譜図
90SS/S1968年
90S/SS
(G8)
KH901977年
KH90
(KH90C)
AR50-801981年
AR50/80
(AR50/AR80)
KS-1/21987年
KS-1/2
(MX50A/80A)
KSR-1/21990年
KSR-1/2
(MX50B/80B)
KSR110国内モデル2002年
KSR110
(KL110A)
KSR110後期モデル2012年
KSR110
(KL110D)
KSR110プロ2014年
KSR PRO
(KL110E)
2016年
Z125/PRO
(BR125H)

PCX/e:HEV/160(JK05/JK06/KF47)-since 2020-

PCX JK05

「Personal Comfort Saloonとしての更なる進化」

わずか三年ほどでフルモデルチェンジされ早くも五代目となったPCX/JK05とe:HEV/JK06とPCX160/KF47。

最初に変更点をあげると

・4バルブの新型エンジンesp+を搭載
・スロットルボディ径をΦ26から28へ拡大
・吸/排気系を新設計
・上記改良によりにより0.27馬力UP
・プーリーサイズの拡大およびクラッチ形状の見直し
・ヘッドパイプの剛性を高めつつ760g軽量化した新設計フレーム
・ハンドルをラバーマウント化
・リアのディスクブレーキ化とABSを標準化
・トラクションコントロールシステムの搭載
・ラゲッジボックスを2.4L拡大し30.4Lへ
・グローブボックスに3AのUSB Type-Cソケット
・前後タイヤサイズをアップ&リアを13インチにダウン
・リアアスクルのストローク量を10mm増加
・ABSを標準化しコンビブレーキは廃止
・全体的なデザインの刷新
・反転型デジタル液晶メーター

JK06

以下PCX e:HEV/JK06
・名称をHYBRIDからe:HEVに変更
・ラゲッジボックスを23.0Lから24.0Lへ拡大

KF47

以下PCX160/KF47
・排気量を7cc上げて156cc/15.8馬力に

などとなっています。

このモデル最大の特徴としてはまず何と言っても新型エンジンeps+かと。

esp+エンジン

ボア径を大きくして面積を広げて4バルブ化した形で、ピストン裏にオイルを噴射して冷却効率を上げる事で圧縮比も向上。

125:ボアΦ52.4,mm→53.5mm、ストローク57.9→55.5mm、圧縮比11.0→11.5

160:ボアΦ57.3,mm→60.0mm、ストローク57.9→55.5mm、圧縮比10.6→12.0

この改良の狙いは単純に出力を稼ぐためではなく、燃費と出力それに静粛性など全てを向上させるのが狙い。

esp+ピストン

そのためにクランク新造とクランクベアリングをボールベアリングからローラーベアリングに変更する事で高剛性化。さらにカムチェーンテンショナーも追従性に優れる油圧式に変更するなどして騒音や振動を低減させる改良が加えられています。

その意匠は車体の方にも現れていて、分かりやすいのがステム周り。

ステム周り

不快な振動を抑えるためにハンドルホルダーがラバーマウントに変更されました。しかしラバーマウントにはハンドリングのダイレクト感が少し損なわれてしまうデメリットもある。そこでPCXはその分メインフレームのヘッドパイプの剛性を上げる改良を加えて捻じれを抑える事でダイレクト感を損なわないようにしている。

ホイールもインチダウンさせてリアのストローク量を稼ぐことで底付きを防ぎつつ、減ったエアボリュームによる乗り心地の悪化はワイドタイヤにすることでクリアしている。

JK05

この様にとにかくネガな部分を潰して全性能、コンフォートサルーン性能を向上させる改良がアチコチに見て取れるのが五代目PCXというわけです。

しかしながら

「いくら何でもモデルチェンジ早すぎるのでは」

とも感じてる人も多いかと。先代から3年弱しか経ってないんですから。

コンセプトデザイン

これについてはどうもアジア(特にインドネシア等)の方で、永遠のライバルが出したブルーコアエンジンのモデルの攻勢が凄くて、熾烈な争いが起こっているんだとか。当たり前のように半年納車待ちとかなってる日本からすると信じられない話ですね。

以下ちょっと余計な余談ですが、車やバイクのキャッチコピーで

「クラスを超越」

なんて表現が使われているのをよく目にしますが、このPCXは本当にその言葉がピッタリなモデルだなと思います。

というのもPCXは当然ながらコミューターと呼ばれるクラスなんですが、これをコミューターとして使うにはそれなりの覚悟が必要になるから。

KF47アクセサリー

PCXはいま説明してきた通り、フルスペックという言葉ですら足りないほどの性能に加え、見て分かる通り非常に高く洗練されているデザインと質感を兼ね備えているから、狭いところを走って擦ってしまう事はもちろん、雑に乗ろうとして外装を蹴ってしまった時の精神的ダメージは他のコミューターの追随を許さないほどのモノがある。

ついでに言うなら盗難の心配もする必要がある。

JK05

だからコミューターつまり下駄として使うにはそれなりの勇気と覚悟が必要というのはそういう事からなのですが、どうしてそんなネガな事を言うのかといえば、それこそがクラスを超越している証だから。

そんな気遣いをしてしまうというのは、言い換えればそれだけ所有欲を満たしてくれるとも言える。メットイン機能付きの小型コミューターでそうなってしまうモデルなんてそうそう無い。

JK05メーター周り

ただ、クラスを超越していると思う根拠はそんな見た目だけではなく運転している時の感覚もそう。

PCXは決して大きくはないのだけど小さくもない車体とフロント14インチと整ったエアロダイナミクスによって、操安性がクラスにあるまじき高さを持っており、さらに150や160は当然のことながら125でも超低燃費エンジンとは思えないほどパワフルに走る。

JK05サイド

加えてステップスルーではなく跨って乗るタイプだから、運転すると少し大きい原二スクーターというよりも

『小さいビッグスクーター』

という表現が適切のような感覚を覚える。

だから普通ならちょっとキツいと感じたり、止めておこうと考える距離でも楽に走れてしまうモノを持っており、休日もこれで済ませてしまう恐れすらある。

JK05カタログ写真

パーソナルコンフォートサルーンというコンセプトは伊達じゃない。

PCXがクラスを超越していると思える理由でした・・・例えるなら上のクラスを食っちゃうバイク版N-BOXですかね。

【関連車種】

LEADの系譜CYGNUSの系譜TRICITYの系譜Addressの系譜

主要諸元
全長/幅/高 1935/740/1105mm
シート高 764mm
車軸距離 1315mm
車体重量 132kg(装)
{136kg(装)}
[132kg(装)]
燃料消費率 47.4km/L
[51.2km/L]
[45.2km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 8.1L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[156cc]
最高出力 12.5ps/8750rpm
+{1.9ps/3000rpm}
[15.8ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/6500rpm
+{0.44kg-m/3000rpm}
[1.5kg-m/8500rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前110/70-14(50P)
後130/70-13(63P)
バッテリー GTZ8V
{GTZ6V}
[WTZ8VIS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8L-9
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-K1Y-J11
[23100-K1Z-J11]
車体価格 357,000円(税別)
{448,800円(税別)}
[407,000円(税別)]
※{}内はe:HEV(JK06)
※[]内はPCX160(KF47)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX/HYBRID/150(JF81/JF84/KF30)-since 2018-

PCX JF81

「Personal Comfort Saloon」

三代目となったPCXもコンセプトは変わらず・・・ながらコレまた大きく変わった部分があります。

PCXコンセプトスケッチ

デザインじゃないですよ・・・確かに更に四眼みたいなヘッドライトのインパクトは凄いですが。

何が大きく変わったのかというとフレームです。

PCXのフレーム

従来モデルはコレで一般的なスクーターと同じアンダーボーンフレームだったんですが、このモデルからフォルツァに近いダブルクレードルフレームに。

2018年型PCXのフレーム

アンダーボーンタイプの一般的な原二に乗ってる人は分かると思うのですが、アンダーボーン(ましてエンジンがラバーマウントのスクーター)というのはどうしても剛性が低くなりがちで、スピードを上げたりフロントブレーキを強く掛けたりするとフレームが負ける事が多々ある。

今回それがダブルクレードルフレームによる剛性アップで大きく改善されたというわけ。

リアサス

これに合わせてリアサスもマウント位置やバネレートを始めとした見直しが入り、ストローク量15mmアップで突き上げを軽減しています。

ついでにタイヤも100/80R14と120/70R14と一回りワイドなりました。細いのが嫌だと言っていた人もコレでイチコロですね。

パワーカーブ

エンジンの方もスロットルボディの大径化を始めとした給排気系、ラジエーター周りの新設計で冷却系などの変更し、上が伸びる様になっています。

キーレス

まあ一番ありがたいの変更はキーレスですけどね。

ただ恐らく皆が一番注目しているのはHYBRIDモデルの方じゃないかと。

PCXハイブリット

これね・・・実は最初のPCX/JF28が出た時にも言われていたんですよ。

初代モデルで説明しましたが、PCXはセルモーターがなくジェネレーターがモーターを兼ねるACGになっています。

要するに回って発電はもちろん、電力でクランクを回す事も出来るわけです・・・という事は

ハイブリットシステム

「余分な電力を蓄えるバッテリーを設ければHYBRIDになるのでは」

って話になりますよね。

このツッコミに対し、当時は

「費用対効果が・・・」

という旨の返答をされていました。

それから10年弱・・・ハイブリット普及でコストが下がった為かPCXから始まった高級125普及の為か分かりませんが、遂に登場となったわけです。

マイルド

ちなみに電気の力だけで走るのではなく発進時や加速時に最大3秒間トルクをアシストする形。

いわゆるマイルドハイブリッドってやつです。

まあただ率直に言うと費用対効果があるかというと微妙なラインで、受注生産扱いなのを見てもホンダも数が出るとは思っていないようです。

そもそもPCXってアシストが必要になるほど遅くないどころか125ではかなり速い方ですからね。

2018年式PCX

じゃあどういう人にHYBRIDがオススメかと言えばシグナルGPで絶対に負けたくない人。

同じPCXのガソリンモデルを含む有象無象な125はもちろん、250ビッグスクーターにすら勝てる加速を持っているわけですから。

最後にちょっと小ネタ。

恐らく歴代PCXユーザーの多くが抱えているであろう疑問・・・それはホーンとウィンカーの位置。

2018年式PCX

PCXは通常ならばウィンカーがある位置にホーンがデカデカとあってウィンカーはその下にあります。

「明らかに逆だろう」

と思うんですが、実はそう思ってるのは日本だけ。海外(特にアジア)ではホーンを活用するのでとっても好評。

文化や国民性の違いというやつですね。ちなみにリードやディオも同じです。

主要諸元
全長/幅/高 1925/745/1105mm
シート高 764mm
車軸距離 1315mm
車体重量 130kg(装)
{135kg(装)}
[131kg(装)]
燃料消費率 50.7km/L
[51.9km/L]
[46.0km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[149cc]
最高出力 12ps/8500rpm
+{1.9ps/3000rpm}
[15ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
+{0.44kg-m/3000rpm}
[1.4kg-m/6500rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前100/80-14(48P)
後120/70-14(55P)
バッテリー GTZ8V
{GTZ6V}
[GTZ8V]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
MR8K-9
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-K96-V01
[23100-K97-T01]
車体価格 317,000円(税別)
{346,000円(税別)}
[366,000円(税別)]
※{}内はHYBRID(JF84)
※[]内はPCX150(KF30)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX/PCX150(JF56/KF18)-since 2014-

2014PCX150

「Personal Comfort Saloon」

キープコンセプトとなった二代目のPCX/JF56型とPCX150/KF18型。

このモデルチェンジはホンダのグローバル車用工場の新造が関係しています。

ホンダはもともと日本向けや北米向けPCXはタイで作っていました。しかし新たに出来たベトナム工場へ移管する事になったんです。

ベトナム工場

スクーター等のコミューターモデルはベトナム工場(Boon Siew Honda)で、グロムやCBR250R等のスポーツバイクはタイ工場(Thai Honda Manufacturing)で生産・・・という分担を行ったわけです。

これは簡単に言うとタイの技術/設備レベルが上がってきたからタイにはもう少し難しいスポーツバイクを造らせようって話。

と言ってもタイでも引き続きPCXは生産されていますし、さらに言うとマレーシアやイタリアなんかでも造られています。

ホンダマレーシア工場

知らない人はビックリするかもしれませんが、PCXは普通に欧州(特にイタリア)でもヒットしてるんですよ。

ただ実は欧州ではPCXを押しのける程の人気なホンダの125スクーターがあります。しかもそれは日本でも販売された事があるモデル。

ホンダSHモード

Sh mode(Shシリーズ)です。

これがピアジオとヤマハの牙城を崩すほどの大ヒット。恐らく16インチが石畳や荒れた路面での使い勝手の良さがハートを掴んだものと思われます。

日本では考えられないですね。

話が反れましたスイマセン。

話をPCXに戻して・・・何が変わったのかという事ですよね。

2014PCXカタログ

外見が新しくなったと共に灯火系をフルLED化という125には贅沢すぎる装備。

売れれば売れただけお金が掛けられるという典型ですね。まあPCXの場合はACGスターターなので電力にシビアなのもあるんでしょうけど。

あと地味ですがエンジンもグローバル仕様になりました。

プーリーケース

先代までは日本向けは日本独自仕様。

これは非常に厳しい騒音規制が問題で、そのために専用のプーリーやトルクカムで回避していました。それが無くなったわけです。

あと挙げるとするならタンク容量が一気に2.1L上がって8Lになり、航続距離が400kmを突破。

PCX

3万円ほど値段が上がったにも関わらず相変わらず人気であっという間に125界No.1になったPCX。

まあ速いし燃費良いし質感高いから当然ですかね。

LEDライト

でもやっぱり一番はLEDライトですよね。本当に嫌らしいくらい明るい。

PCXの登場で

「原付二種はライトが暗くて当たり前」

なんて言われなくなりましたね。

主要諸元
全長/幅/高 1930/740/1100mm
シート高 760mm
車軸距離 1315mm
車体重量 130kg(装)
[131kg(装)]
燃料消費率 50.6km/L
[45.6km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[152cc]
最高出力 12ps/8500rpm
[14ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
[1.4kg-m/5000rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー GTZ8V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
[CPR7EA-9]
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-K35-V01
[23100-K36-J01]
車体価格 305,000円(税別)
[334,000円(税別)]
※[]内はPCX150(KF18)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX/150(JF28後期/KF12)-since 2012-

PCX150

「ゆとりと上質を愉しむ日常へ。」

二代目というより年次改良されたJF28の後期モデルと、合わせて追加販売された152ccのPCX150。

一番の変更点はホンダの次世代小型スクーター用低燃費エンジンであるeSP

enhanced:強化された

Smart:洗練された、精密で高感度な

Power:動力、エンジン

になった事。

eSPエンジン

具体的にどう変わったのかというと

・ローラーロッカーアーム

・オフセットシリンダー

この二点があげられます。

ローラーロッカーアームについては『CBR250Rの系譜』で話したのでそちらを読んでもらうとして、主流になりつつあるオフセットシリンダーについて。

オフセットシリンダーというのは文字通りシリンダーがオフセットされているエンジンの事。

オフセットシリンダー

これ何のためにしてるのかっていうと、もちろんローラーロッカーアーム同様フリクションロスのため。

簡単に話すと、燃焼/膨張によって真下に下がろうとするピストンに対してコンロッドは回ろうとするので角度差が生まれる。

するとコンロッドから角度のついた反力が生まれ、ピストンをシリンダー側面に押し付けるような力が働くわけです。もちろんフリクションロスです。

オフセットシリンダー2

そこでシリンダーをオフセットすることでコンロッドとの角度差を無くし、横方向へ力が働かないようにしてフリクションロスを減らすというわけ。

このオフセットシリンダー最近では車の方でも採用が増えている様ですね。

espメカニズム

もちろんその他もろもろフリクションロス低減の改良があちこちに。

まあ53.2km/Lと先代から0.2km/Lしか伸びていないんですけどね。

正直エンジン型式も変わってないので先代もeSPで仕切り直しなのでは・・・というのも、どうもホンダは最初PCXが国内でここまでヒットするとは思ってなかったような感じ。

初代の頃の年間販売計画台数は8,000台と一般的な125よりちょっと少ないくらいでした。対して細部の改良で見た目がほぼ変わっていないこの後期モデルからは19,000台と倍以上に。

PCX150

更には欧州向けがメインだったはずの150も追加。

日本は125ccまでが原付二種で維持費も安いので125がメインなわけでネットじゃ

「150ccなんて誰が買うんだ・・・」

なんて言われていたんですが、税制なんてどこ吹く風で毎年5000台強を売り上げるほどの人気に。

PCXカタログ

昨今の原付二種ブーム、そしてオーバー125クラスの需要を生んだのは間違いなくこのPCXでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 1915/740/1090mm
シート高 760mm
車軸距離 1315mm
車体重量 128kg(装)
[129kg(装)]
燃料消費率 53.2km/L
[49.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 5.9L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
[152cc]
最高出力 12ps/8500rpm
[13ps/8500rpm]
最高トルク 1.2kg-m/6500rpm
[1.4kg-m/5500rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
[CPR7EA-9]
推奨オイル
(トランスミッション含む)
Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
トランスミッションオイル容量 全容量0.14L
交換時0.12L
Vベルト 23100-KWN-901
[23100-KZY-701]
車体価格 285,000円(税別)
[314,000円(税別)]
※[]内はPCX150(KF12)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

PCX(JF28)-since 2010-

PCX125

「Personal Comfort Saloon」

もう見ない日は無いと言ってもいい程の大ヒットだったホンダのグローバル戦略車の新世代スクーターのPCX。

「クラスを超えた先進デザイン」

「ゆとりの動力性能と高い環境性能」

「快適で便利な使い勝手」

がテーマ。

PCXのネーミングの由来は「PersonalComfortScooter」から。

PCXデザインスケッチ

頭文字だけ取ってPCX・・・って何でPCSじゃなくてPCXなんだって話なんですが、通例でいくとホンダにとって”X”というのは究極という意味なので

『究極のパーソナルコンフォートコミューター』

という事でしょう。

カタログ燃費53.0km/Lに加え、原付二種とは思えない上質さが話題となりましたが、そんな中でも面白いのがクラス初となるアイドリングストップ機能搭載だったこと。

このアイドリングストップの為にPCXはちょっと変わったエンジン始動をします。

一般的な始動方法は皆さんご存知セルフスターター通称セル方式。

セルフスターター

セルボタンを押すセルモーターがエンジン(クランク)を回転させ始動するわけです。ちなみにこれを人力で回して始動させるのがキックスタート。

それに対しアイドリングストップ機能があるPCXはセルモーターが付いていません。ACG式スターター(ACGスターター)を使って始動します。

ACG式

左側がそのセルモーター式の始動方式で、右側がPCXに積まれているACG式の始動方式・・・って図を見ても分からない。

バイクはガソリンが必要不可欠ですが、同時に点火やライトなどが色々あるので電力も必要不可欠ですよね。

だからバイクにはジェネレーターというコイルを巻いたものが積まれていて、これがエンジンと一緒に回ることで発電しているわけです。

ACGスターター

PCXが変わっているのはそんなジェネレーターにスターターを組み込んだ形だから。

一般的にセルダイナモまたはモータジェネレーターと呼ばれているもので、トドのつまり電力をジェネレーターに送ってクランクを回すことで始動しているわけです。

ただしセルモーターに比べて力が弱いので始動を手助けするスイングバック機能が付いています。スイングバックというのはピストンの位置を少し巻き戻す機能。

スイングバック

何故わざわざ巻き戻す必要があるのかというと、エンジンというのは切ってもすぐに止まらず少し回る。じゃあいつ止まるかというと山なりに負荷が大きくなる圧縮行程の途中で止まる。

つまりそこからエンジンを掛けようとするといきなり最大負荷で大変。だから負荷が少ない状態まで巻き戻してから勢いよく回す事で始動性を良くしようというのがスイングバック。

PCXの場合は更にバルブを遅閉じする事で圧縮による負荷を軽減するデコンプ機能も付いています。

JF28リア

これらの機能のおかげでPCXは恐ろしく静かに軽やかに始動します。

デカいバッテリー積んでセルモーターを酷使するなんちゃってアイドリングストップとはワケが違うという事です。

ただ実はこのACGの始まりはPCXよりずっと前、2001年のクレアスクーピーにあります。

クレアスクーピー

ちなみにラジエーター一体型のコンパクトな水冷ビルドインエンジンも初出はここ。

PCXとクレアスクーピーの意外な接点でした。

ビルトイン水冷エンジン

話を戻すとフロント14インチという大径サイズを履いているのを見れば変わる通り、グローバル戦略車といえど東南アジアがメイン市場。

でも125スクーターにしては結構いいお値段がしますよね。※当時299,250円(税込)

2011年式PCX

「こんないい値段がする125がアジアで売れるのか」

って思いますが、なんでも東南アジアも経済成長によって所得が上がってきた。するとコスパ最優先の125に不満を覚える人が増えてきた。

2011年式PCX

その声に応える125を造ろうとなったのがパーソナルコンフォートサルーンPCXの始まり。

そしてそう考えていたのは日本も同じだったから大ヒットに繋がったという話。

主要諸元
全長/幅/高 1915/740/1090mm
シート高 760mm
車軸距離 1305mm
車体重量 126kg(装)
燃料消費率 53.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.1L
[5.9L]
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 12ps/8500rpm
最高トルク 1.2kg-m/6000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90-14(46P)
後100/90-14(51P)
バッテリー YTZ7S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
ギアオイル 全容量0.18L
交換時0.16L
Vベルト 23100-KWN-901
車体価格 285,000円(税別)
系譜図
2010年
PCX
(JF28)
1502012年
PCX/150
(JF28後期/KF12)
20142014年
PCX/150
(JF56/KF18)
20182018年
PCX/HYBRID/150
(JF81/JF84/KF30)
20202020年
PCX/e:HEV/160
(JK05/JK06/KF47)

NSR50/80(AC10/HC06)-since 1987-

NSR50前期

「×3/4WORKS」

ホンダのGPマシンNSR500のミニチュアの様な佇まいでお馴染みNチビことNSR50/AC10と、Nパチでお馴染みNSR80/HC06型。

NSR500VとNSR50

後ろに見えるのが元ネタ2st水冷V型四気筒500ccの化物マシンNSR500です・・・本当にソックリで可愛いですね。

しかし可愛いのは見た目だけの話で、中身は大真面目なもの。

車体構成

エンジンこそNS50Fの物を持ってきているものの、トラック重視のクロスレシオに専用のスチール製のツインチューブで剛性アップ。

オマケに12インチで前後ディスクブレーキまで採用してる完全なコーナリングスポーツ原付。

そもそもなんでこんなユニークなミニバイクを造ったのかと言うと理由は二つほどあります。

一つは当時レーサーレプリカ原付というかレーサーレプリカパロディ原付の人気が出ていた事。

NSR50アクセサリーカタログ

「原付免許さえあれば誰でもスペンサーやガードナーに」

という狙い。

そしてもう一つは原付クラスのアマチュアレース人気が出ていた事。

車体価格

そんなレースを視野に入れて・・・というか明らかにそれを狙って出されたバイク。

だからこのバイクの登場を飛び跳ねて喜んだのは、未来ある人生を送っている若者というより草レースに人生捧げたような人達。

NSR500とNSR50

車体価格もちょっと高かったしね。

ただ高いだけあって本当にこのNSR50/80は飛び抜けていました。しかもそれはNSRという名の通り、決して気難しくない安心かつ絶対的な速さで卑怯者呼ばわりされるほど・・・。

なんですが、NSR50/80はそんな空気を微塵も読むこと無くキッチリ改良を積み重ねるという更に卑怯な行為に出ました。

NSR50二型

これは二年後の1989年に出された二型モデル。

アップタイプに変更されたチャンバーとカウルのスラント化が分かりやすい変更点ですが、一番大きいのは前後サスの強化。

これによってコーナリング性能がさらに向上。ギア比も少し中低速寄りに変更されています。

この時点で向かうところ敵なしだったんですが、それでも止まらず1993年には三型にモデルチェンジ。

NSR50三型

ホイールが6本スポークのものになり、排気ポート見直しで更に高回転化。

ヘッドライトが常時点灯式なのもこのモデルから。

そしてトドメとなる1995年の四型。

NSR50三型

シートカウル、ステム周り、フレーム、スイングアーム、電装系、すべてを刷新した最終型です。

なんちゃってではなく完全にレーサーレプリカの系譜ですね。

NSR50パンフレット

少し小言を話すと、レーサーレプリカブームっていうのはすでに30年以上前の話。

だから昨今ではレーサーレプリカに生きた人と、レーサーレプリカを知らない世代が口論しているのをよく見ます。

NSR50パンフレット

まあ当時を知らないのに

「2stレーサーレプリカの魅力を分かれ」

なんて無理な話。もうタマも無いですからね。

でも、そんなスペンサーやガードナーを知らない世代の人でもこのレーサーレプリカNSR50/80だけは分かるでしょう。

NSR50カタログ写真

軽く100km/h以上出る公道を走れるチビレーサー・・・楽しくない訳がない。

ちなみにこのNSR50も先に紹介したNS50F同様にレースベース車両なるものが初めて用意されたバイクでもあります。

NSRミニ

『NSR Mini』

前後サスとチャンバーとECUを専用品に変えた物で、NSR50/80の生産終了と同時に登場し2009年まで発売されていました。

主要諸元
全長/幅/高 1580/625/935mm
シート高 665mm
車軸距離 1085mm
車体重量 86kg(装)
[87kg(装)]
燃料消費率 58.7km/L
[41.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[79cc]
最高出力 7.2ps/10000rpm
[12ps/10000rpm]
最高トルク 0.65kg-m/7500rpm
[0.97kg-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-12(48J)
後120/80-12(54J)
バッテリー 6N2-21A-8
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8HS
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.1L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 230,000円(税別)
[250,000円(税別)]
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

MBX50/80(AC03-AC08/HC04) -since 1982-

MBX50/AC03

「全身、本格メカ!」

ただでさえ凄かったMB50から更にエンジンの水冷化で7.2馬力にまでパワーを上げ、新設計フレームにプロリンクまで装備したMBX50/AC03型とMBX80/HC04型。

ここまでやったのは出た当初こそ凄かったMB50も、強力なライバル車(7.2馬力モデル)の出現に苦戦をするようになっていたから。

AC03

正にやられたからやり返した原付。宣伝にもマッチさんを起用。

如何にゼロハンブームが過激で熾烈なものだったかが分かりますね。

しかしそんなゼロハンブームの中でもMBXは少し変わっていて、フレーム新造でホイールベースを若干延長し安定志向に振った。

MBX50インテグラ

それに加えアクセサリー類の充実やタンク容量を12Lまで拡大。

これには

「速いだけでなくツーリングも熟せる原付」

という違った層へ向けた狙いがあり、そしてその狙い通りの評価を獲得しました。

80の方は最初からそのイメージを更に強めるため、フェアリングを標準装備したMBX80INTEGRAとして発売。

MBX80/HC04

・・・が、しかし100km/hの大台が見え始めた頃、原付事故の急増に国がオカンムリになります。

そして1984年に設けられたのが

『原付一種60km/h規制』

です。

一応これは自主規制ですが

「守らなかったらもう型式(販売)を認めないよ」

っていう半分強制のような自主規制。

これによってMBX50も同年からは60km/h以上出ないようにミッションを1段減らしエンジンを5.6馬力にまでデチューン。

MBX50/AC03

そのかわりテコ入れとしてアンダーカウルを標準装備。

しかし今まで7.2馬力だったのが急に5.6馬力では売れるわけもなく・・・そこで更に翌年にMBX50F(AC08)へモデルチェンジ。

MBX50F/AC08

初代の6速モデルにCDIによる60km/h電子スピードリミッターを装着することで7.2馬力というスペックをキープ。

しかしこの頃になると60km/hリミッターを始めとした様々な影響で、あれほど盛り上がっていたゼロハンブームが嘘のように鎮火していました。

主要諸元
全長/幅/高 1920/675/1100mm
{1920/675/1105mm}
[1980/685/1125mm]
シート高 770mm
[780mm]
車軸距離 1255mm
[1265mm]
車体重量 79kg(乾)
{82kg(乾)}
[92kg(乾)]
燃料消費率 65.0km/L
[60.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
{11.0L}
[12.0L]
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[79cc]
最高出力 7.2ps/8500rpm
[12ps/9000rpm]
最高トルク 0.97kg-m/8500rpm
{0.65kg-m/7500rpm}
[0.97kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.50-18-4PR
後2.75-18-4PR
[前2.75-18-4PR
後3.00-18-6PR ]
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B7ES/B8ES/B9ES
または
W22ES-U/W24ES-U/W27ES-U
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.2L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ
チェーン サイズ420|リンク118
[サイズ420|リンク116]
車体価格 186,000円(税別)
{198,000円(税別)}
[228,000円(税別)]
※{}内はMBX50F
※[]内はMBX80INTEGRA
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

MB50/MB-8(AC01/HC01) -since 1979-

MB-5

「衝撃のスーパースター」

ホンダ初の2stロードスポーツ原付となるMB50とMB-8。

前後18インチコムスターホイールにクロスしているオシャレなXフレームを始めとしたワンクラス上の車格。

そしてクラス初となる一軸一次バランサーを内蔵しながらもクラストップとなる7馬力のエンジンで最高時速は80km/hオーバーという圧倒的な速さ。

MB50エンジン

ホンダのロードスポーツ技術全部載せな非の打ち所のない原付な上に、不沈艦と呼ばれた耐久レーサーRCB1000のカラーリングも纏っていた事から当然の様に大ヒット。

当時を知る人でこれが人生初バイクだった方は多いかと思います。

MB50エンジン

ちなみにフラットハンドルのモデルをMB50、翌年から出たアップハンドルモデルをMB-5(シートに刻印)と言います。

そしてこれは78cc化されたMB-8。

MB-8

これから先のモデルにも基本的に言えるのですが、二種の方はハッキリ言うと人口が少ないこともあって一種の為(ゴニョゴニョする為)にあるドナーの様な存在という捉えられ方がメジャーでした。ちょっと可哀想な話だけどね。

そもそも何故こんな過激な原付が出たのかと言うと『ゼロハンブーム』と呼ばれる原付スポーツブームが起こりつつあったから。

各社から6馬力を超える速い原付が登場し人気を博していたんです。

MB50ボルドールスタイル

そんな中でホンダが対抗車として出したのがこの7馬力を誇るMB50。

このモデルでゼロハンブームが決定的なものになり、火蓋が切って落とされたというわけ。

主要諸元
全長/幅/高 1880/655/980mm
シート高
車軸距離 1215mm
[1220mm]
車体重量 87kg(装)
[91kg(乾)]
燃料消費率 65.0km/L
[60.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 9.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[78cc]
最高出力 7.0ps/9000rpm
[9.5ps/8000rpm]
最高トルク 0.56kg-m/8000rpm
[0.89kg-m/7500rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-18-4PR
後2.50-18-4PR
[前2.50-18-4PR
後2.50-18-6PR]
バッテリー 6N2-2A-8
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B6HS/B7HS/B8HS
または
W20FS/W22FS/W24FS
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.1L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量1.0L
交換時0.9L
スプロケ
チェーン
車体価格 186,000円(税別)
[152,000円(税別)]
※[]内はMB-8
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)