マローダ(NJ48A) -since 1998-

GZ250

クルーザーのGN250Eがボルティーへ進化したかと思ったらまた出してきたクルーザーのマローダー250。

もちろんエンジンもフレームも足廻りもボルティーそしてGN250Eとほぼ同じもの。実質的にGN250Eの後継でスズキとしては久しぶりに復活した250クルーザー。

最安のクルーザー(389,000円)でデビューしたけど、既にビラーゴやマグナやエリミネーターといった人気クルーザーが居たのでまあ人気は出ず。

ただこれもGN250と同じく欧州やオーストラリア、アメリカなんかではGZ250として2010年まで売られたロングセラーバイクだったりする。

マローダー250

ちなみにマローダーとは略奪者の意味。

イントルーダー(侵入者)、デスペラード(ならず者)、マローダー(略奪者)

あとバンディット(ごろつき)もだけど相変わらず凄いネーミング。

主要諸元
全長/幅/高 2160/815/1090mm
シート高 680mm
車軸距離 1375mm
車体重量 137kg(乾)
燃料消費率 55.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 20ps/7500rpm
最高トルク 2.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/90-16(59P)
後130/90-15(66P)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター1.4L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 384,000円(税別)
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

ボルティー(NJ47A) -since 1994-

NJ47A

SW-1の反省なのか同じエンジンを使っていながら半値以下の298000円という破格で登場したボルティー。

車名VOLTYの由来は馬術のVOLT(巻乗り)から。

巻乗りっていうのは馬を意のままに操る馬術でバイクで言えばジムカーナみたいなもんです(多分)

とことんコストパフォーマンスを突き詰めた事による298000円という破格の安さは価格破壊だと大きく話題になり、それまでのモデルとは打って変わって売れました。

NJ47A

いや本当に何かの間違いじゃないのかと思えるほどのインパクトですね。

ただ売れたのはもちろん値段が安かった事からカスタムベースとして人気が出たのも大きいんだけど、それだけではなくとても30万円のバイクには見えない見た目と乾燥重量125kgと非常に軽量なシングルライトウェイトスポーツだったから。

巻乗りという車名に違わぬ脚付きと素行の良さを持っていたからエントリー層や女性への人気もあった。

さて、この破格のミソとなったのは先に紹介したGN250E。

実はボルティーはほとんどがGN250Eの部品で作られている。

VoltyとGN250

構造的にはGN250とほぼ同じで言ってしまえばガワを変えただけのバイク。

でもその外装の変更がとても上手くて同じバイクとは思えませんね。

童夢

そんな渋カッコいいデザインを担当したのはなんと車のほうで有名な童夢です。

ちなみに左がType1で右がType2がベージュシートのType2。

ボルティーシリーズ

更に翌年後にはリアキャリアとセンタースタンドを装備しキャストホイールを履いたシングルシートのビジネス向けのTypeC(左下)、98年にはダブルシート版となるTypeTが登場。

晩年にはそれらを無くして一本化。割愛しますが、グレード以外にも毎年細かな小変更が加わっています。

2004年にST250へバトンタッチする形で生産終了となったけど、人気があったためか再販を望む声を今でもチラホラ聞いたりする。

まあ安くてお洒落で素行が良かったんだから当然といえば当然な話。

主要諸元
全長/幅/高 2005/765/1075mm
シート高 750mm
車軸距離 1325mm
車体重量 125kg(乾)
[127kg(乾)]
燃料消費率 57.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 20ps/7500rpm
最高トルク 2.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18(47S)
後120/80-17(61S)
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター1.4L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ520|リンク100
車体価格 298,000円(税別)
[329,000円(税別)]
※[]内はタイプII
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

DR250S(SJ41A) -since 1982-

SJ41A

スズキ250オフの処女作となるDR250S/SJ41A型。

市販車初となるフルフローターサスに新設計の空冷単気筒エンジンを積んでいます。

DR250S

スズキはここから油冷DOHCシングルを新たに作りDR250Rなどで対抗し競っていくんですが、その際に使わなくなったこのエンジンがST250へと続いていく事になります。

主要諸元
全長/幅/高 2165/860/1200mm
シート高 830mm
車軸距離 1375mm
車体重量 114g(乾)
燃料消費率 56.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 22ps/8500rpm
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー YB4L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前13|後49
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 339,000円(税別)
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

GN250E(NJ41A) -since 1982-

NJ41A

DR250Sの一ヶ月遅れで登場したGN250

まあほとんどの人は知らないと思う・・・一応DR250Sのエンジンを使って作られたバイク。似ても似つかないけどね。

イージーライダーでのクルーザーブームを狙ったんだけど上手く波に乗れず。

しかも翌年の1983年に自社からRG250Γを出した事で空前のレーサーレプリカブームを巻き起こしちゃうっていう。

GN250カタログ

なんだか色々な不幸が重なったバイク。

でも実はこれオーストラリアや欧州などではそれなりに売れたみたい。日本ではカラキシだったけどね。

でもこのバイク、後に化ける事になります。

主要諸元
全長/幅/高 2030/840/1120mm
シート高
車軸距離 1350mm
車体重量 138kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 10.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 22ps/8500rpm
最高トルク 2.0kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後4.60-16-4PR
バッテリー YB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ520|リンク100
車体価格 308,000円(税別)
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

バンバン200(NH42A) -since 2008-

バンバン200前期

「As I Am -自分らしく-」

排出ガス規制に通すためにFI化とオイルクーラーを装備した新型バンバン200。

さっきも言ったけどエンジンはもともとDJEBEL200に使われていた物、つまり1985年に出たSX200R(更に言うなら1982年のGN125E)。フレームの方も1982年のGN250Eまでたどり着く。

つまり(ST250Eもそうだけど)こう見えてかなりご長寿なバンバン200。

よく排出ガス規制に通ったなと思うんですが、残念なことに値段が上がりました。まあこれは仕方のない話か。

このバンバンの系譜はリクエストされて書いてるわけですが

もし誰かに

「バンバン200と言えば?」

と聞かれたら

「バンバン!」

と答えると思います。

いやまあバルーンタイヤだから砂浜とか悪路をソコソコ走れちゃう走行性能ではあるんですけど、やっぱり”バンバン”なわけですよ。

バンバン125

(写真のバンバンは国外向けのVanVan125)

「バンバン(VanVan)」

っていうのは何か最初に言った気がするけど

“どこでもバンバン走ることができる”

っていう所から取った何とも珍妙なネーミングセンスなわけですが意外と耳に残りますよね。車名を間違って覚えてる人を見たこと無いし。

スズキ バンバン200

バンバンはハッキリ言って”スズキのTW”と呼ばれても致し方無いレベルです。

でも

「バンバン?なにそれ?」

とか

「バンバン?あースズキのTWね。」

とか言われませんよね?

バンバンはあくまでもバンバン。

成功して認知された今でこそ何も言われないどころか違和感すら無く話題にも上がらないバイクですが、皆さん冷静になってよく考えてみてください。

バンバン

「バンバン」

こんなふざけたネーミングの、パンチの効いてる(効き過ぎてる)ネーミングのバイクはそうそうないですよ。

一部では愛くるしいとまで言われる様になってるし。

主要諸元
全長/幅/高 2140/865/1125mm
シート高 770mm
車軸距離 1375mm
車体重量 128kg(装)
燃料消費率 51.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 199cc
最高出力 16ps/8000rpm
最高トルク 1.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/80-18(66P)
後180/80-14(78P)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
または
X24ESR-U
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.4L
交換時0.95L
フィルター交換時1.05L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 397,950円(税別)
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

バンバン200(NH41A) -since 2002-

バンバン200前期

「ババンバ、バンバン、イエーイ♪」

今でもお馴染みのバンバン200が最初に出たのは2002年のこと。

最初に紹介したレジャーミニバイクであるバンバンRVのテイストを入れたレジャー兼トラッカーバイクで、ST250のフレームにDJEBEL200にも使われたエンジンを積んでる・・・まあぶっちゃげるとTW200の追っかけ。

キムタクさんのドラマで起死回生の特大ヒットとなったTW200を見たスズキが既にグラストラッカーというトラッカーを出していたにも関わらず、たまたまSX200から続く200ccエンジンが余ってたので出した。

まあこれはスズキに限らずホンダのFTRやカワサキの250TRなんかもそうなんだけど、バンバンの場合は排気量のみならずタイヤサイズまでTWと一緒っていう。

バンバン

バンバンがライバル車に対して優っている所は何処かといえばやっぱり価格で(当時)329,000円は同クラス最安。

これは価格破壊と言われたVolty(現ST250)のフレームとDJEBEL200のエンジンがあってこそ成し得た価格ですね。

余談ですがバンバンやボルディと同じという事は・・・ニコイチやサンコイチがDIYでも比較的簡単に出来ちゃうわけです。バンバンにジェベルのビッグタンクを積んだり、ボルティーの側を付けたり。

流用と聞くと悪いイメージを持つ人がいるかもしれませんが、こういった遊べる余白と考えれば全然アリですね。

主要諸元
全長/幅/高 2100/855/1120mm
シート高 770mm
車軸距離 1375mm
車体重量 128kg(装)
燃料消費率 49.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 199cc
最高出力 16ps/8000rpm
最高トルク 1.5kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/80-18(66P)
後180/80-14(78P)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
または
X24ESR-U
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
交換時0.8L
フィルター交換時0.9L
スプロケ 前15|後46
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 329,000円(税別)
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

DJEBEL200|DF200E(SH42A) -since 1993-

ジェベル200

SX200Rを元に作られたDJEBELの200ccバージョン。だから250が油冷なのに対して200は空冷。

「ふーん、どうせ売れなかったんだろ」

と思ったら大間違い。このクラスの割には結構売れた。

何故かといえば足つきの良さや大型ハロゲンライトといったDJEBELの代名詞であるハード志向もあったんだけど、一番はズバリ安かったから。

当時DJEBEL250が約44万円、セロー225が約37万円、それに対しDJEBEL200は何と33万円と他のどんなオフ車より安かった。これは安い。

だからセローやシェルパを買いに行ったつもりが、安さに釣られて気がついたらDJEBEL200を買ってた・・・とか何とか(多分)

1997年には派生モデルとして更にハード志向となったDF200Eが出ました。

DF200E

これはもともとアメリカなどの農業者や牧場者向けのアギ(AGI)バージョンってやつ。

大型リアキャリアにクリッパー付きライトガード、それにアンダーガード、果てはサイドスタンドが右にも付いている。

日本仕様はリアキャリアと右側サイドスタンドは付いてませんが、それでもお値段35万円は安い・・・安すぎる。

ちなみにDJEBEL200、そして先に紹介したSX200Rは何とアメリカでまだ売られていたりします。

DR200SE(和名DJEBEL200)

北米ジェベル200

そしてこっちが

DR200S(和名SX200R)

DR200S

当然ながらエンジンやフレームのベースはバンバンと一緒。

ST250シリーズも含めるととんでもない数の流用、流用のスズキここにありですね。

車体価格の安さは単純にコストカットしてるわけではなく流用による生産数のカサ増しという企業努力から来ているんですねえ。

主要諸元
全長/幅/高 2150/805/1150mm
シート高 810mm
車軸距離 14055mm
車体重量 108kg(乾)
燃料消費率 53.4km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 199cc
最高出力 20ps/8500rpm
最高トルク 1.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前70/100-21(44P)
後100/90-18(56P)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
または
X24ESR-U
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.8L
フィルター交換時0.9L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 354,000円(税別)
※スペックはDJEBEL200
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

SX200R(SH41A) -since 1985-

SX200R

多分知ってる人ほとんど居ないのではなかろうかと思われるSX200R。

スズキのオフと言えばDRかDJEBELだもんね。

このSX200Rは1985年に出た空冷のDR250Sのエンジンを改良して200ccにしたものを積んでるオフ・・・と思っていましたが間違いでした。大変スイマセン。

このバイクのエンジンはDR250Sからの物ではなく、1982年に発売されたGN125Eから来るものでした。

GN125

これを200ccにまで拡大して載せたのがSX200R。

125の方は125の方でSX125Rやジェベル125といった方へ伸びてくことになります。

そしてこのSX200Rは空冷200ccなだけあってパワーはそこそこしかないんだけど、その分燃費も良くて軽くてタンク容量も15Lっていう使い勝手に特化したエントリー向けオフ車。

このSX200Rがバンバン200の始祖的な存在です。

主要諸元
全長/幅/高 2145/850/1195mm
シート高 810mm
車軸距離 1415mm
車体重量 118kg(装)
燃料消費率 60km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 199cc
最高出力 20ps/8500rpm
最高トルク 1.7kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前80/80-21(45P)
後110/80-18(58P)
バッテリー FB4L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
[DR8EA※88以降]
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 294,000円(税別)
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

バンバンRVシリーズ -since 1972-

バンバン50

今のバンバンとは直接関係ないんだけどバンバンという名前が最初に生まれたのは1972年の事。

実はこの頃レジャー風ミニバイク人気が高まっていた。

火付け役となったのは1969年に出たホンダのDAX。まあもともとモンキーとかあったけどね。

ST50ダックス

余りの人気っぷりから1995年に再販された歴史を持つ名車。

それを見たスズキが出したのがバルーンタイヤを履かせた一風変わったミニバイクであるバンバン。

これが見事にレジャーミニバイク層の心を射止めました。

バンバン50

可愛いルックスで何処でも走れちゃう原付。売れないわけないよね。

そこからミニバイクの中のレジャーバイクカテゴリが一気に高まった。

ミニトレ

FT&GT50/80(ミニトレ)っていうミニDTで大成功してたヤマハですら、この出遅れたレジャーバイク車を追うために。

ヤマハジッピィ
ボビィ

ジッピィ&ボビィ(更に言うならボビィやチャッピー等)を出して競争が激化。

当時は本当に原付一種二種が凄かったんです。

CB50やRG50といった本格派原付がある一方で、このバンバンといったレジャーミニバイクも各社から手当たり次第に出てて、当時の若者にとって原付って言えばスクーターじゃなくてMTバイクが当たり前だった。

RV50カタログ

今現在のバイク人口比率で40代~のバイク乗りが多いのは、こういった時代というか土台があったからなんですね。こういったオモチャ感覚で乗れるバイクが中古なら数万円で買えた時代。

今とは大違いというかもう無いし、今このDAXやミニトレやバンバンRVやマメタンを買おうと思ったら20万近く出さないと買えないっていう。

スズキのレジャーバイク

またミニバイクブーム来ないかなあ・・・

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 84|86|88|105kg(乾)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49|72|88|123cc
最高出力 22ps/8500rpm
4000~6000rpm
最高トルク 0.5|0.83|1.0|1.4kg-m
4000~6000rpm
変速機
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 ※RV50|RV75|RV90|RV125
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

KATANA(GT79B)-since 2019-

2019年式KATANA

「A Cut Above」

19年の時を経て復活し話題独り占め状態のKATANA/GT79B型。

カタナブランド恐るべしと言えるわけですが、型式からも分かる通り基本的にパワーユニットに関してはGSX-S1000とほぼ同じ。

GSX-S1000とKATANA「ストリートだろうがトップパフォーマーは譲らない」

というGSX-R1000譲りの148馬力エンジンで

・ブレンボキャリパー

・ABS&3モードトラコン

・ローRPMアシスト

など最新装備も変わらず。

ついでにいうと排気系も変わっていない様なのでGSX-S1000同様に社外マフラーが不要なほど良い音を出すかと。

2019刀じゃあ何処が違うのかというと説明するまでも無いけど外装ですね。

ストリートファイター感を出しつつもKATANAに見えるデザインなんですが、コレはスズキが一からデザインしたものではなくイタリアの企画がキッカケ。

『イタリアスズキ』

『モトチクリスモ(伊バイク誌)』

『フラスコーリ(伊デザイナー)』

『エンジンズEng(伊ビルダー)』

が協力して製作し2017年のミラノモーターショーに出品したKATANA3.0とよばれるモデルがベースです。

カタナ3.0※Motociclismoより

もともとスズキ(というか開発陣)は新しいカタナをメディアに問われる度に

「ベース車や技術進歩との兼ね合いで立ち上がっては満足のいくものが出来ず経ち消えになる事を繰り返している」

と話されていました。

そんな中で出てきたこの3.0がスズキの目に止まりプロジェクトが正式に本格始動。

カタナ3.0スケッチ恐らくトップダウンでの決定でしょうね。

とはいえKATANA3.0はあくまでもユーザビリティを考慮していないショーモデルなので製品化するとなるとそりゃもう大変な話なんですが、それを量販車としてここまで纏め上げたのはスズキ技術者の妙技というほかないです。

カタナのタンク中でも苦労が見て取れるのがカタナのアイデンティティでもある鋭い切れ込みが入ったコンパクトなタンク。

これほどの造形をプレスで大量生産するのは不可能なので燃料タンクの上からプラカバーを被せる形になってるんですが、問題はそれだけではなく吸気にあります。

GSX1100Sのエアクリーナーボックス先代にあたるGSX1100Sのエアクリーナーはボックスはここにあります。

それに対してKATANAはここ。

KATANAのエアクリーナーボックスこれはもともとの設計がスーパースポーツでパワーを稼ぐためダウンドラフト吸気にされているから。

こうやって見ると如何に燃料タンクの余裕が無いかが分かるかと思います。

フューエルタンク容量だから実はこのKATANAは股下の部分まで燃料タンク。そこまでやって何とか12Lの容量を稼いでる。

つまり燃料容量が少ないのもKATANAデザインを最優先にした結果なんですね。

これは細く短いシートカウル部にも言えることで、極限まで薄くするためシート下はもう本当にSSよりぎゅうぎゅう詰め。

KATANAのシート下車載工具も最小限だし、このためにバッテリーもS1000からワンサイズ小さい(背の低い)ものにわざわざ変更している。

※スズキ公式ショップブログより

経緯が経緯なだけあって正直ここまでデザイン優先で思い切りというか、割り切りの良い造りをしているのはスズキ車としてはもちろん日本車全体で見ても相当珍しい。

KATANAのフェンダーこの超ローマウントかつターンシグナル付きのフェンダーも凄い。

そんな割り切った造りをしているKATANAなんですが、もちろん見た目だけではなくファンライディングの為の配慮もあります。

スロットルグリップに備え付けられているワイヤーガイドを楕円形状にすることで開け始めは穏やかながら更に開けていくと気持ちよく吹け上がるようにした事。

カタナのハンドルそしてもう一つは唯一KATANA3.0から大きく変わった部分でもあるハンドルをアルミ製のバーハンドルした事です。

コンセプトがローハンドルだったのに対しKATANAは比較的アップライトになっています。

これは超ショートな車体に合わせる為やタンクとの干渉や容量の兼ね合いもあるんですが、一番はあくまでもストリートバイクとして前輪荷重を増して

カタナのコックピット「乗りやすさと楽しさを追求した結果」

との事。

要するに自由なポジショニングで色んなシーンでファンライディングをして欲しいという話で、合わせてサスペンションのセッティングもフロントを少し硬めに変更されています。

このハンドルを見ると中にはGSX750Sの耕運機ハンドルを思い出す人も多いかと。

GSX750Sちなみに奇遇な事に今回のKATANAハンドルに携わった三池さんは学生時代にこのGSX750Sに乗って感動したんだとか。

そう考えるともしかしてこれはGSX1100SではなくてGSX750Sの系譜なのではと思ったり・・・という冗談はさておき、このモデルが”カタナ”であることは疑いようがない事実。

その根拠は車名がそうだからという単純な話ではありません。

カタナカラーリング「生い立ちが完全にカタナだから」

です。

先代にあたるGSX1100Sは

・ドイツ誌のコンペデザインが始まり

・特異な形状のタンクに苦戦し製造方法変更

・出してみたら評価が真っ二つ

という経緯でした。

じゃあこのKATANAはどうかというと

・イタリア誌のコンペデザインが始まり

・特異な形状のタンクに苦戦しレイアウトを大幅変更

・出してみたら評価が真っ二つ

そう、面白いくらい先代と全く同じなんです。もはや後継や新生というより輪廻と言った方がいいほど同じ。

スズキカタナ違いがあるとすれば一つだけ。

このKATANAのハンドルはGSX750Sの様に法規制に対応するためのハンドルではなく15種類も試行錯誤した末に選ばれた渾身のハンドルなんですが、それでもどうしても気に入らないなら今後出るであろう社外に変える事が出来る。

2019年式KATANA当時との唯一の違いはセパハンが許されなかった

『カタナ狩り』

がもう存在しないという事です。

主要諸元
全長/幅/高 2130/835/1110mm
シート高 825mm
車軸距離 1460mm
車体重量 215kg(装)
燃料消費率 19.1km/L
※WMTCモード値
燃料容量 12.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 148ps/10000rpm
最高トルク 10.9kg-m/9500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正エクスター
R9000 MA2/10W-40
R7000 MA2/10W-40
R5000 MA2/10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,512,000円(税込)
系譜図
GSX1100E 1979年
GSX1100E
GSX1100SX 1981年
GSX1100S
KATANA Prototype
(SX)
GSX1100SZ

1982年
GSX1100S
KATANA
(SZ)

GSX1100SD

1983年
GSX1100S
KATANA
(SD/SE)

GSX1100SAE

1987年
GSX1100S
KATANA
(SAE/SBE)

GSX1100SL_SM 1990年
GSX1100S
KATANA/Anniversary
(SM/SL/SSL)
GSX1100SR

1994年
GSX1100S
KATANA
(SR)

GSX1100SY

2000年
GSX1100S
KATANA
FINAL EDITINON
(SY)

katana

2019年
GSX1000S
KATANA
(GT79B)

【関連車種】
CB1300/1100の系譜XJR1300の系譜GSX750Sの系譜DAEGの系譜