GSX-R750(T/V)-since 1996-

1996GSX-R750

「Built to Win」

遂にツインスパーフレームとなった五代目GSX-R750のT/V型。

それまでほぼ二年毎だったモデルチェンジではなく、四年ぶりとだった事もあり大きく生まれ変わりました。

サイドカムチェーン化に加え、三分割クランクレイアウトなどで更にコンパクトになった新設計エンジン。

そしてフレームもワークスマシンRGV-Γのディメンションを参考に作られたツインスパーフレーム。

GSX-R750T/V

レースや市場の人気に陰りが見えてきた状況を何とか打破するため白紙から設計されただけの事はある大変貌。

遂に油冷でもダブルクレードルフレームでもない、それまでのGSX-R750ブランドと完全に決別する事に。

しかしそのおかげで初代と同じ乾燥重量179kgという圧倒的な軽さ。そしてその軽さから来るハンドリングと速さが非常に高く評価されました。

96GSX-R750カタログ写真

初代と決別する事で初代のインパクトを取り戻した五代目。

新世代とも原点回帰とも取れるモデルですね。

主要諸元
全長/幅/高 2055/720/1135mm
シート高 830mm
車軸距離 1400mm
車体重量 179kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/10000rpm
[130ps/11500rpm]
最高トルク 6.7kg-m/7500rpm
[8.1kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後190/50R17(69W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 988,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(WN/WP/WR/WS/SP)-since 1992-

92R750

「継承される魂」

第二世代の始まりにあたる水冷化された四代目GSX-R750のWN/WP/WR/WS/SP型。

水冷化でW(Water)という文字が追加されたモデルですが、このWは四代目だけで以降のモデルでは付いてなかったりします。

ただこのエンジンはオイルジェットといった油冷によって生まれた機構も合わさっている水冷というより水油冷みたいなエンジン。

92R750

写真がなくて申し訳ないのですが、カウルを向くとそこには油冷としか思えない造形のエンジンが鎮座しています。

さて、このモデルでもう一つ挙げたいのが最後のダブルクレードルフレームということ。

皆さんご存知のようにSSといえばエンジンを挟む様に伸びるツインスパーフレームが一般的で、ダブルクレードルフレームと言えばネイキッドなどの比較的性能を追わないバイクに採用されているタイプですよね。

ツインチューブフレーム

写真はSSではなくメガスポのHAYABUSAですが、まあGSX-R1300みたいな物なんで突っ込まないでください。

実はGSX-R750も早々にツインスパーを検討していました。しかし中々ダブルクレードルフレームを変える事が出来なかったんです。

これが何故かというと

『油冷エンジン×アルミダブルクレードル』

がGSX-R750のアイデンティティだったから。

水冷化を敢行する際に営業サイドから

「ダブルクレードルフレームだけは変えないでくれ」

と懇願されていたんです。

1992GSX-R750

だから簡単にフレームまで変えることは出来なかった。ブランド車にありがちな悩みですね。

その結果がこの水油冷エンジンにダブルクレードルフレームという進化途上の様なGSX-R750というわけ。

R750SPR

94年からはレギュレーションの変更に合わせるために乾式クラッチや大径キャブ、クロスミッションなど予め装備したSPモデルが登場しました。

主要諸元
全長/幅/高 2070/735/1140mm
シート高 830mm
車軸距離 1435mm
車体重量 210kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/9500rpm
[118ps/11500rpm]
最高トルク 6.8kg-m/7000rpm
[7.4kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58H)
後170/60-17(72H)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
または
U27ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.9L
交換時3.0L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 898,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(L/M)-since 1990-

90R750

「Direct Access Racing Technology」

三代目となるGSX-R750のL/M型。

ここまでが一般的に第一世代と言われています。

変更点としては

・B/S比の見直し(ロングストローク化)

・マフラーの4to1化

・キャブレターの大径化

・リアタイヤのワイド化

などなど、先に紹介した限定ホモロゲGSX-R750Rに準ずる変更。

GSX-R750M

さらに先代にはなかった倒立フロントフォークを国産750としては初の採用しているのが特徴です。

さて・・・ここまでが第一世代と言われています。

それは油冷エンジンがこのモデルまでだから。

R750油冷ファイナル

正確に言うとこのスラントノーズ一枚レンズになったこの91年M型が最終モデルです。

当時スズキといえば油冷、油冷といえばスズキと言われていました。

GSX-R750M

にも関わらず何故油冷を諦めたのかといえば、レースにおいて限界を迎えたから。

馬力がどんどん上がって発熱量が増えていった事で、オイル高温化による急速な劣化を起こしパワーロスを生じるようになったんです。

SACS

しかしパワーを上げれば上げるほど熱は増える一方・・・だから水冷に舵を切る事となった。

ただしコレはあくまでも夏の耐久レースでの話であって、公道ではあまり関係のない話なんだけどGSX-R750はあくまでもレーサー。

GSX-R750カタログ写真

何よりも速さを取る事は必然だったわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2065/725/1125mm
<2065/725/1145mm>
シート高 790mm
車軸距離 1420mm
車体重量 193kg(乾)
<208kg(乾)>
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 747cc
最高出力 77ps/9500rpm
[115ps/11000rpm]
最高トルク 6.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17
後170/60-17
<前120/60-17>
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR10EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.1L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L
スプロケ 前15|後43
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 839,000円(税別)
※[]内はEU仕様
※<>内は89年式
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(J/K/RK)-since 1988-

88R750

「偉大なるディティールの集合体である。」

1988年にフルモデルチェンジされ二代目となったGSX-R750のJ/K型。

カウルデザインが新しくなったのは見て分かる通りで、他にも

・エンジンがショートストローク化

・ホイールベースの大幅な短縮

・前後17インチ化

・新型フレーム

などなど改良は多岐にわたっています。

1988GSX-R750カタログ写真

中でも一番凄いのはフレーム。

新しくなったわけですが、ただ新しくなったわけではありません。

初期型のフレームをベースに更に軽量化しようと試行錯誤を繰り返してる内にある名案が生まれました。

それは

「もういっそレーサー(TT-F1)のフレームを使う方が早いし確実」

というもの。

1989GSX-R750

元々ワークスマシン担当だったメンバーの提案。

それが結論となり、更には企画が通るっていう・・・つまりこのR750は多少の変更は加えつつもレーサー直系なんです。

そして翌年に出たのが一目置かれるR750の中でも更に一目置かれるGSX-R750R(通称RKまたはSP)というモデル。

GSX-R750RK

パッと見はあまり変わらないように見えますが中身はほぼ別物と言えるレース前提のホモロゲマシン。

Φ40スリングショットキャブに4to1マフラー、フレームやスイングアーム補強などなど。

でも一番凄いのはエンジン。

88年モデルがビッグボアショートストローク化(70*48.7から73*44.7)されたのはレース側から要望に応える為だったんだけど、いざレースが始まるとオーバヒートによるトルク低下を招いてしまった。

GSX-R750R

そのため新たにレースの為に70*48.7という初代と同じボアストローク比の新造エンジンをわざわざ造った。

当然ながら先代のエンジンそのままではなく、ピストン・コンロッド・クランクなど全てが専用品かつ選別品。

とってもゴージャスなGSX-R750というわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2055/730/1100mm
{2070/730/1110mm}
シート高 830mm
[785mm]
車軸距離 1405mm
{1400mm}
車体重量 195kg(乾)
{187kg(乾)}
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 747cc
最高出力 77ps/9500rpm
[112ps/11000rpm]
最高トルク 6.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17(58H)
後160/60-17(69H)
{前130/60-17(58H)
後170/60-17(69H)}
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
JR9C
{CR9EK}
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.8L
交換時4.5L
フィルター交換時4.8L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ530|リンク108
<サイズ530|リンク106>
車体価格 849,000円(税別)
{1,650,000円(税別)}
※[]内はEU仕様
※{}内はGSX-R750R
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-R750(F/G/H)-since 1985-

初代R750

「Born to the Circuit, Back to the Circuit」

今も続くGSX-R750の始祖であり、大型スーパースポーツの始まりでもあり、油冷エンジンの始まりでもある初代GSX-R750。

それまではレーサーくらいしか使っていなかったアルミフレームをRG250Γ、GSX-R(400)に次いで採用したトップエンドモデルとして登場。

1986GSX-R750

先に出ていたガンマやGSX-R(400)と違い、GSX-R750は欧州をメインターゲットにした海外向け。

だから恐らく日本よりも向こうの人達の方が忘れられないモデルです。

何が衝撃的って乾燥重量で179kgしかなかった事。

現代ですら軽いと思えるわけですが、当時の750というのは乾燥重量で220kgオーバーが当たり前な時代。

当時のポスター

そんな時代にライバルより40kgも軽いバイクが出たらそりゃ話題になりますよね。

これはいま言ったアルミダブルクレードルフレームが最も大きく寄与しています。

カタログ2

しかし、もう一つ掘って紹介したいのが最初に挙げた油冷エンジンです。

GSX-R750が軽くてスリムだったのはこの油冷エンジンだったのも大きい。

実はGSX-R750のプロジェクトが始まった当初の方向は水冷でした。

しかし水冷にする場合、冷却水の通路(ウォータージャケット)が必要になるのでエンジンが大きく重くなってしまう。

そこで何かいい方法は無いかと考えていた企画責任者の横内さんの耳に入ってきたのがマスタングP-51という戦闘機。

P-51

「”液冷”の戦闘機」

という紹介をされていた。

液冷というのは要するに水冷なんですが、英語で書くと『Liquid cooling』なので液冷でも間違いじゃない。

それを聞いた横内さんが

「液であればいいのであって水である必要は無いんだ」

と閃き、なにか液となるものはないかとエンジンを眺めて目に止まったのがエンジンオイルだった。

オイルの比熱は水の1/10しか無いので普通ならば力不足。

しかしオイルだけにすればウォータージャケットを設ける事が難しい隅々まで行き渡らせる事もできる。

油冷エンジン

更にウォータージャケットが要らないので軽くコンパクトにできる。比熱の小ささは吹き付けて混ぜればいい。

そう考え油冷エンジンの開発が進んだわけです・・・が、なにせ初めて試み。

加えて従来モデルより20%も軽いバイクという目標があったので、既存のGSX750のエンジンをベースにボルト一本に至るまで贅肉と削ぎ落とす事からスタート。

最初は何処に問題が出るのかハッキリさせるためにも

「壊れるまで削る」

というコンセプトを掲げ、チーム総出で削る事に。

そうして完成した油冷一号機を全開100時間の耐久試験に掛けたところ・・・なんと壊れなかった。

SACS

エンジン担当だった桐生さんが

「すいません・・・壊れませんでした。」

と申し訳なさそうに報告してきたんだとか。

GSX-R750フレーム

計算では壊れるハズだったのに何故壊れなかったのか横内さんが調べた所、答えはJIS規格にありました。

鋼材強度を示すJIS規格値は最低値であって、鋼材メーカーがスズキに納入していたものはマージンを取ってそれよりも高い数値だったんです。

これが分かった事で正確な数値を元にした軽量化が大きく捗り、乾燥重量179kgという驚異的な軽さに繋がったというわけ。

初代GSX-R750R

「耐久性は大丈夫なのか」

と思われる方が居るかも知れませんが全く問題なし。

何故そう言い切れるのかと言うと、このGSX-R750はデビューと同時にル・マン24時間耐久レースで優勝したからです。

GSX-R750Rル・マン

ヨシムラとのタッグによるワンツーフィニッシュ。

向こうの人の方が忘れられないというのはこれもあったから。

日本ではあまりメジャーではない耐久レースですが、向こうの人にとってはただのレースではなく祭典みたいなもの。

だからデビュー&デビュートゥウィンでW衝撃なんです。

これはそんなル・マン優勝を記念して発売されたGSX-R750R。

GSX-R750R

市販車初の乾式クラッチ、シングルシート、タンク別体式リアショックなど豪華装備モデルであり、初の100万円超え国産車(税別105万円)でもあります。

“速いけど重い”というナナハンの常識を覆したGSX-R750。

『軽い・速い・壊れない』

と三拍子揃っていたためレース界では

「GSX-R750じゃないと勝てない」

という状況までに。

GSX-R750HB

そして世界中のレース場で活躍した事から、前代未聞だったアルミフレームの製造が追い付かない事態にまで陥りました。

その反響を誰よりも喜んだのはHY戦争で大赤字だったスズキ二輪の再興を任された企画責任者の横内さん・・・。GSX-R750の成功について上から呼び出され褒められると思って行ったら

1985gsx-r750カタログ写真

「なんでこんな凝ったものを造ったんだ」

と怒られたんだそう。

これが今も世界中に根強い人気があるGSX-R750の始まりになります。

主要諸元
全長/幅/高 2110/745/1205mm
{2120/745/1215mm※86年以降モデル}
シート高 765mm
車軸距離 1430mm
{1455mm}
車体重量 179kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 19.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 77ps/9500rpm
[107ps/10500rpm]
最高トルク 6.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80-18(58H)
後140/70-18(66H)
<後150/70-18※87年モデル>
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR9EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.0L
交換時3.6L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 780,000円(税別)
※[]内はEU仕様
系譜図
85 1985年
GSX-R750
(F/G/H)
88 1988年
GSX-R750
(J/K/RK)
90 1990年
GSX-R750
(L/M)
92 1992年
GSX-R750
(WN/WP/SPR)
96 1996年
GSX-R750
(T/V)
98 1998年
GSX-R750
(W)
00 2000年
GSX-R750
(Y)
04 2004年
GSX-R750
(K4/K5)
06 2006年
GSX-R750
(K6/K7)
08 2008年
GSX-R750
(K8/K9/L0)
11 2011年
GSX-R750
(L1~)

GSX-S1000GT(EK1AA) -since 2022-

2022GSX-S1000GT

「GT Riding Pleasure Personified」

GSX-S1000より遅れること半年後となる2022年2月より発売となったGSX-S1000GT/EK1AA型。

先に出てたGSX-S1000をベースにしつつも

・空力を元にデザインされた新設計のフルフェアリング
・ハンドルをラバーマウント化すると共に幅+22mm&手前に14mm
・積載を考慮した専用設計シートフレーム
・メイン及びタンデムシートの肉厚化
・クルーズコントロール(30~180km/h)
・6.5インチTFTフルカラーメーター
・メーター横に充電用USBソケット(Type-A)
・ETC2.0の標準装備
・スマホ連動アプリSUZUKI mySPIN(電話/地図/音楽/カレンダー)
・ヘルメットホルダー(タンデムシート下)
・GSX-S1000に対して+15万円
・サイドケースを始めとした数々のオプション

などツアラー色を強めたモデルとなっています。

2022GSX-S1000GTオプション

しかし一方でデザインに関してはスーパースポーツも顔負けなほど超攻撃的なルックスに大変貌。

しかも、例えばサイドカウルの張り出し部分は足への風を避けるためなど、単に見た目だけの造形ではなく風洞をしっかり考えられた機能美だったりします。

2022GSX-S1000GTデザイン

加えて嬉しいのが、グランドツアラー化に伴うオプションパーツの充実。

ハイスクリーンやサイドケースはもちろんのこと、タンクバックやプロテクション、エンジンガードやスライダーなどスズキとしては珍しく需要があるアクセサリーを純正で用意しています。

2022GSX-S1000GTオプション

チーフエンジニアの安井さんが

「真のグランドツアラーを目指した」

と仰っている通り、GSX-S1000GTは安心感がかなりある。

例えばライダーの身体的&精神的負担となる要素を可能な限り減らすため

・ハンドルマウントやステップにラバーを装着
・ポジションを更にアップライト化
・電スロによる完全制御

などの改良が各所に見て取れるんですが、一番体感できる違いは比較的スリムでありながらライダーを包み込むよう車体になっている事。

2022GSX-S1000GTオプション

前のりでイケイケの無印と決定的に違う部分はここで、ズシンと車体に鎮座する、まるでBandit1250Fを彷彿とさせるような包容力を持っている。

「リラックスして走れるGSX-R1000」

という感じでしょうか。

2022GSX-S1000GTオプション

昔ブイブイ言わせていたリターンライダーにドンピシャなのではと個人的には思います。

もちろんAモードで回せばGSX-Rが顔を出すし 、店頭でエンジンを掛けてみただけで思わずハンコを押したくなるほどの高音質な給排気サウンドも健在ですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2140/825/1215mm
シート高 810mm
車軸距離 1460mm
車体重量 226kg(装)
燃料消費率 16.6km/L
※WMTCモード値
燃料容量 19.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/11000rpm
最高トルク 10.7kg-m/9250rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,450,000円(税別)
系譜図
GSX-S1000 2015年
GSX-S1000
(GT79A/GT79B)
GSX-S1000F 2015年
GSX-S1000F
(GT79A/GT79B)
2001GSX-S1000 2021年
GSX-S1000
(EK1AA)
GSX-S1000gt 2022年
GSX-S1000GT
(EK1AA)

【関連車種】
VTR1000の系譜FZ1/FAZERの系譜Z1000/Ninja1000の系譜

GSX-S1000F(GT79A/GT79B) -since 2015-

GSX-S1000F/GT79A

「BEYOND THE SPORTBIKE」

GSX-S1000のフルカウルバージョンとなるGSX-S1000F/GT79A型。

サスペンションの減衰を少し強めている事とミラー以外はGSX-S1000とほぼ同じになります。

S1000Fデザイン

海外ではネイキッド版であるGSX-S1000が人気な一方、日本ではこのGSX-S1000Fの方が人気との事。

欧州ではストリートファイターとして評価され、日本ではハイスピードツアラーとして評価している面が強いんでしょうが、ただこれがちょっと難しい所というかGSX-S1000Fの誤解されがちな所でもある。

GSX-S1000Fカタログ写真

よくGSX-S1000Fに対する意見というか残念ポイントとして

「積載能力が意外と無い」

「快適装備が乏しい」

という声がある。

V-STROMのような純正パニアケースやアクセサリー電源などがオプションでも用意さておらず、また後付けなどを考慮した造りでもない。この事を残念がる人が結構居るし

「100万ちょっとでコスパ良いんだから仕方ない」

と思ってるオーナーも多いかと。

純正アクセサリー

これ結局なんでかっていうといま言ったように

「GSX-S1000Fをハイスピードツアラーとして見ているから」

にあるわけです・・・が、GSX-S1000Fはそういう狙いで造られたモデルじゃないという事をこの機会に是非とも知ってほしいと思います。

その気持ちは分かるんですがGSX-S1000Fというモデルは公式のPVを見れば分かる通りツアラーとして造ってない。

GSX-S1000FとGSX-R1000

「峠レベルならGSX-R1000を食える速さと楽しさを持ったフルカウルスポーツ」

というのがGSX-S1000Fなんです。

実際のところ企画段階でもキャリアやパニアをどうするかと相当議論されたそうなんですが結局は切り捨てる事にした。パニアなどを前提にするとシートフレームの補強が必須となり結果としてリアが重くなってスポーツ性が損なわれ、結果としてS1000でも話した通り

「GSXという牙が削がれる」

という事に繋がるからです。

GT79A

ヘッドライトのロー点灯が左側だけの片眼なのもそう。

ツアラーだったら少しでも明るい方が使い勝手がいいから両眼にする、でもGSX-S1000Fはツアラーじゃないから片眼。

1000Fヘッドライト

日本では片眼はあまり馴染みがなく好まれない傾向がありますが、欧州などでは片眼点灯は好まれるんですね。

何故なら欧州発祥であるバイクの祭典

『(耐久)レーサーっぽさ』

が出るから。

片眼点灯の耐久レーサー

これは消費電力の削減の狙いも少なからずあるかと・・・だってこのエンジンはギリギリまで詰めて開発されているGSX-R1000だから。

そう、何度も言いますがGSX-S1000Fには世界一速い市販車を決めるレースであるスーパーバイクにおいて2005年の王者に輝いたバイクのエンジンが載ってるんです。

何故それをツアラーと思うのか。

「中低速に振った145馬力でリニアな特性にしちゃったけど電子制御付けてるからセーフでしょ」

とかいうバイクがツアラーなわけはない。

S1000F各色

上の写真は公式のGSX-S1000Fのプロモーション写真なんですが何処か分かりますか・・・これアイリッシュ海に浮かぶマン島です。

あの公道をとんでもない速度で走って競う世界一有名なレースの聖地。なんでここを選んだのかといえばGSX-S1000Fはツアラーじゃないから。

ここを選んだ理由もこういうストリートを速く楽しく走れるバイクという事を念頭に開発されたバイクという事をアピールするためにほかならない。

「このオートバイはフェイクじゃない」

これはチーフエンジニアの佐原さんの言葉。GSX-S1000Fはツアラーじゃないし、SSのデチューンモデルでもない。

BEYOND THE SPORTBIKE

『BEYOND THE SPORTBIKE』

公道においてSSより速く、そして楽しく走れるように造られたロードゴーイングスポーツなんです。

参考
スズキGSX-Sスペシャルコンテンツ各種|GSX-S完全ファイル(ヤエスメディアムック)

主要諸元
全長/幅/高 2115/795/1180mm
シート高 810mm
車軸距離 1460mm
車体重量 214kg(装)
燃料消費率 19.2km/L
[18.7km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 145ps/10000rpm
[148ps/10000rpm]
最高トルク 10.7kg-m/9500rpm
[10.9kg-m/9500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー FT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 1,080,000円(税別)
[1,098,000円(税別)]
※[]内は17以降(GT79B)

年次改良

2017年:スリッパークラッチ及び3馬力アップ(GT79B型)

2019年:スロットルケーブルガイドをKATANAと同じ物に変更

系譜図
GSX-S1000 2015年
GSX-S1000
(GT79A/GT79B)
GSX-S1000F 2015年
GSX-S1000F
(GT79A/GT79B)
2001GSX-S1000 2021年
GSX-S1000
(EK1AA)
GSX-S1000gt 2022年
GSX-S1000GT
(EK1AA)

GSX-R125(DL33B)-since 2018-

GSX-R125/DL33B

「A GSX-R to Revolutionize The Lightweight Class」

GSX-S125から約三ヶ月遅れで登場したGSX-R125/DL33B型。

基本的な部分はGSX-S125/DL32B型のページで紹介した内容とほぼ同じで、相違点として上げられる要素はほぼ2つだけなのです・・・が、このたった2つの要素がSとRを大きく分ける事になっています。

GSX-R125とGSX-S125

一つは見て分かる通りフルカウルになっている事で、S125の方がサイドを張り出すような形にしてボリューム感を出しているのに対し、R125は絞り込んでコンパクトに見える形に。

これはR125の場合、前方投影面積を削ることで少しでも空気抵抗係数を減らし加速や最高速を上げる狙いのため。

GSX-R125の諸元

そしてもう一つはハンドル。

セパレートハンドル化され、ポジションが前傾姿勢のものになっています。跨ってみて結構前傾している事に驚いた人も多いかと思います。

GSX-R125とGSX-S125のポジション

これもライダーを寝かせて前方投影面積を減らすことと、荷重移動を積極的に行いやすくするため。分かりやすく言うと前輪に全てを託して高速コーナーに突っ込んでいくため。

これらの事からも分かる通りGSX-S125が街乗りからワインディングまでのスポーツに焦点を当てているのに対し、GSX-R125はワインディングからサーキットなど高速スポーツに焦点を当てています。

GSX-R125の販促

だからというか余計な話ですが、もしも初バイクやメインバイクとしてGSX-S125かGSX-R125かで悩んでいるなら間違いなくS125をオススメします。理由はS125の方がポジションの自由度が高く、街乗りからツーリングはもちろんミニサーキットまでイケる汎用性能を持っているから。

一方でR125は街乗りならまだしもツーリングなどでポジションのキツさから苦行に感じる可能性が高い・・・でもそれでこそGSX-R125。

サーキット性能

GSX-R125はスーパースポーツだからです。だからこそ、こういう短所があって当たり前。

このモデルはGSX-S125FでもないしGSX125Rでもない。

『GSX-R125』

なんです。

そしてそう名乗るに相応しい正真正銘の125トップパフォーマーになっている。

その証拠にGSX-R125の短所を短所と思わない人たち、スポーツバイクを既に何台も乗り継いでいる人たちや、いわゆるサーキット沼にハマった人たちからはベース車のベストバイとして非常に人気が出ている。

ちなみにGSX-R125の商品企画を担当された中場さんいわくGSX-R125は1991年から発売された125レーサーレプリカである

『RG125Γの再来 ※熱烈スズキGSX-Rより』

をイメージしてこのモデルを企画したとの事。とてつもない軽さと、上まで回すことで初めて無類の速さを誇る辺り、言われてみれば確かに・・・。

ただ個人的にGSX-R125が一番スーパースポーツだなと感じるのは、まだそこまでではないものの、現在進行系で深みに足を踏み入れてしまった人たちの反応だったりします。

GSX-R125のカタログ

「前傾キツいけどカッコいいから許せちゃう」

という反応。これぞ正にスズキが誇るスーパースポーツGSX-Rである証左かと。

主要諸元
全長/幅/高 2000/700/1070mm
シート高 785mm
車軸距離 1300mm
車体重量 134kg(装)
燃料消費率 44.7km/L
※WMTCモード値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/10000rpm
最高トルク 1.1kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/80-17(46S)
後130/70-17(62S)
バッテリー FTZ5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR8EDX-9S
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ428|リンク122
車体価格 358,000円(税別)
系譜図
GSX-S125 2017年
GSX-S125
(DL32B)
GSX-R125 2018年
GSX-R125
(DL33B)

GSX250R(DN11A)-since 2017-

GSX250R

「アーバンストリート」

スズキから発売されたGSX250R/DN11A型。

最初に見た時はGSR250にSSルックなカウルを被せただけかと思ったけど、結構色々と変更されたようで。

・有機的なカウル

・ヘッドライト(ポジションとテールはLED)

・セパレートハンドルとシート

などを見ても分かる通りGSXシリーズの流れを汲んでいて中々スポーティに仕上がっています。

GSX250R

ポジションもGSRに比べると結構前傾気味な。

まあこれはFがかなりアップライトなのもあるので程よい感じ。

メーターもかなり頑張っており

・ギアポジ

・シフトインジケーター

・オイルチェンジ

・燃費計

・時計

GSX250Rメーター

といったかなり多機能なフルデジタルメーター。

足回りも専用フロントフォークに7段階調整式リヤサスにペタルディスク。そして航続距離500kmを可能とした15Lのガソリンタンク。

GSX250Rマフラー

更にマフラーを一本出し化してセンタースタンドも取っ払ったおかげでGSR250F比で-11kgという大減量。

それなのに車体価格はFに+1万円ちょっととかなり抑えてる。

正直GSR250F買った人が少し気の毒にもなる。まあ快適性や長距離などのツアラー性能はアッチのほうが上だけどね。

カタログ的な事はこれくらいでいいでしょうか・・・というのも個人的に掘り下げたい所があります。

それはエンジンというかエンジンスペック。

GSX250Rメーターまわり

GSX250RはGSR250のエンジンベースとはいえ手が加えられています。

ローラーロッカーアームにシリンダーやピストンリングの見直しでGSR250が24馬力なのに対しGSX250Rは・・・なんと24馬力。

というのもこれらの変更はフリクションロス軽減による燃費改善が狙いの改良で馬力を上げるためじゃないから。

ただそのことから

「何も変わってないじゃん」

とか

「全然スポーツじゃなくてガッカリ」

という声が多く聞こえてきて、コレは書かねばと思ったわけです。

GSX250Rエンジン

確かに自分の中で欲しいバイク像が定まっていてGSX250Rはストライクゾーンから外れているというのは分かります。

でもそうじゃない人、例えばこのGSX250Rのメインターゲットであるバイクデビューを考えてるエントリー層や、まだ右も左もよく分からないビギナー層ならこれを機に少しだけ学んで欲しいことがあります・・・それは

「必ずしも馬力が高い方が速いとは限らない」

ということです。

なるべく噛み砕いて説明したいと思います。

GSX250Rフロントとリア

GSR250もそうですがGSX250Rはロングストロークエンジンで低速トルク、下を太らせたバイクです。

トルクって耳にした事くらいはあると思います。

「トルクがある」

とか

「下がスカスカ」

とかよく言われますよね。このサイトでも言ってます。

GSX250Rデザインスケッチ

凄くザックリ言うと本領発揮する回転数を上に持っていけば持っていくほど馬力は上がり、逆に下に持っていくほど馬力が下がるのがエンジンの宿命です。

そして争点はここ。

「どうしてGSX250Rは上に持っていかなかったのか」

ということなんですが、上(高回転)にピークを持っていくと下(低回転)が犠牲になってしまうんです。もちろん反対に下にピークを持っていくと上が犠牲(回らない)になります。

これは(燃焼室の)ボアストローク比というものが大きく関係していて馬力は回転数で稼ぐのが基本だから。

詳しい事は『ロングストロークとショートストロークの違い|バイク豆知識』をどうぞ

GSX250R赤

つまりGSX250Rが24馬力しかないのは下を取ったから。

だからGSX250Rは8,000rpm(回転)という低い回転数でピークパワーを発生させます。

その結果どんなバイクになったのかというと8000rpmまではGSX250Rがライバル達よりも速いんです。

GSX250R広告

「スポーツバイクは馬力!低速トルクなんて要らない!」

という考えも痛いほど分かります・・・ですが少し待ってください。

GSXシリーズの長でありスズキのフラッグシップモデルでもあるGSX-R1000というバイクがあります。

GSXR1000

レースを走る為に生まれたようなマシンで怪物的なスペックと速さを持っていますが、怖そうで難しそうな見た目に反して歴代すべて

「乗りやすいSS」

「初心者が一番速く走れるSS」

とか言われたりします。

そう言われる最大の理由は

「SSなのに低速トルクがあるから」

です。

下が全く無い高回転型エンジンというのはコーナーでも最適なギアチェンやブリッピングをして高い回転数をキープする事で初めて速く走れる。でも反対に言うとそれが出来ないというか出来なくて当たり前な普通の人が乗ると美味しい部分を維持出来ないから遅い。

だから回転数が落ちていようがトルクに物を言わせた力技でグイグイ失速することなく走れちゃうGSXが一番速く走れると言われているんです。

GSX250R全色

GSX250R開発者の福留さんがGSRという24馬力の低速トルク重視エンジンをチューニングする際に上へ押し上げるのではなく更に下を太らせたのもこのため。

スズキのスポーツブランドであるGSXにおける考えとして

GSX250Rバナー

「低速トルクこそが速さに繋がる」

という考えがあり、それは250でも変わらないという事を示したバイクでもあるんです。

これは本当に英断だと思います。営業からセールスポイントにならないから馬力を上げろと絶対に言われたハズ。

GSX250Rサイド

それでも上ではなく下を取ったのは間違いなく排気量が限られている250においてこれが速く、そして楽しく走れるとスズキは考えたから。

スペックは高く感じないけど250スポーツバイクとしての志は高く感じるのがGSX250Rというバイク。

主要諸元
全長/幅/高 2085/740/1110mm
シート高 790mm
車軸距離 1430mm
車体重量 178kg(装)
燃料消費率 32.5km/L
※WMTCモード値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルSOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 24ps/8000rpm
最高トルク 2.2kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80-17(57H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ520|リンク116
車体価格 488,000円(税別)
系譜図
GSX250E1980年
GSX250E(GJ51B)
GSX250T/L1981年
GSX250L/T(GJ51A)
GSX250Eカタナ1982年
GSX250E KATANA(GJ51B)
INAZUMA2502012年
GSR250(GJ55D)
GSR250s2014年
GSR250/S/F(GJ55D)
GSX250R2017年
GSX250R(DN11A)

【関連車種】
CBR250/CB250の系譜YZF-R25/3の系譜Ninja250/Z250の系譜

GSR250S/F(GJ55D)-since 2014-

GSR250S

GSR250が出て二年が経った頃に登場した追加モデルのGSR250S。

大きな大きなハーフカウルを付けたモデルで防風性が桁違いに向上しました。チューリップとか言われてますね。

カウル付けただけかと思いきや実はハンドルも変更されていて無印よりも更に楽ちんなポジションに変わってます。

GSR250ポジション

実はこのGSR250Sは元々中国の広東省での公安車(GW250J)がキッカケ。

大長江GW250J

元々GSR250を作っているのは江蘇省にある常州豪爵鈴木摩托車有限公司というスズキとHaojueという現地資本との共同会社で、GSR250Jという白バイを市販化しようとして出来たのがGSR250S。

経緯はどうあれ良いですよね。

骊驰

見るからに旅バイクな感じでキマってる。右下の方に書いてある文字

「骊驰」

はGSR250(GW250)のペットネームで「リィ ツィー」と読むみたい。

GSR250Sオプション装備

向こうではSのオプションにJ仕様に近しいボックスやガードなどのオプションパーツがあるけど・・・何故日本には入ってこないのか。

GSR250F
(GJ55D)
-since 2014-

GSR250F

Sモデルから半年ほどたった頃に登場したFモデルのGSR250Fはサイドカウルまで装着したフルカウルモデル。

流れ的にはbandit1250Fと同じような感じで可愛い弟分という感じですね。車格は結構負けず劣らずな部分がありますが。

FモデルもSモデルと同様にただカウルを付けただけじゃなくてハンドル変更でポジションがちょっと変わってます。

SモデルとFモデルの比較

スクリーンの長さとハンドルのタレ角に変更が入ってて、更にFモデルはハンドルバーやトップブリッジなどのハンドル周りがブラックアウト化など。

イナズマ250F

ビルトインウィンカーといい形状といい250ccとは思えない凝ったカウルが増えましたね。

主要諸元
全長/幅/高 2145/760/1305mm
[2145/790/1255mm]
シート高 780mm
車軸距離 1430mm
車体重量 188kg(装)
[189kg(装) ]
燃料消費率 29.2km/L
※WMTCモード値
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルSOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 24ps/8500rpm
最高トルク 2.2kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80-17(57H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7E
または
U22ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時2.1L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前14|後46
チェーン サイズ520|リンク116
車体価格 456,000円(税別)
[476,000円(税別)]
※スペックはSモデル
※[]内はFモデル
系譜図
GSX250E1980年
GSX250E(GJ51B)
GSX250T/L1981年
GSX250L/T(GJ51A)
GSX250Eカタナ1982年
GSX250E KATANA(GJ51B)
INAZUMA2502012年
GSR250(GJ55D)
GSR250s2014年
GSR250/S/F(GJ55D)
GSX250R2017年
GSX250R(DN11A)