CB250シリーズ(CB250) -since 1962-

CB250

REBELの系譜と追っていくと最初期(二番目)のCBであるCB72にまで遡ることができるんですが、あまりにもREBELとかけ離れてるので旧REBEL(MC16)につながるモデルを触りだけ紹介させてもらいます・・・。

CB72

というのもCB72はホンダの源流でありホンダが大事にしてきたOHC空冷二気筒エンジンなので、掘り下げるとバリーエーションや後継が本当に星の数ほどあるんです。すいません。

CB250カタログ

そんな中で最初に紹介するのはCB72の後継として登場したドリームCB250というバイク。

CB250
(CB250)
-since 1968-

CB250Catalog

マン島レースで世界に示した並列二気筒エンジンの流れを汲んでます。いま見るとオシャレなクラシックに見えるけど、当時としては250のフラッグシップモデル。

そこから1970年に細部のデザインをCB750FOURに近づけたデラックス版、1972年にはフロントディスクブレーキを採用した豪華バージョンとなるCB250セニアなどが追加。

CB250セニア

「CB750FOUR(38万円)は絶対無理だけど250T(18万円)なら頑張れば買える」

という感じでCB250は若者に非常に人気でした。

「なんで750と250を比べてるのか」

と思われるかもしれませんが、当時の二輪免許というのは今の普通・大型ではなく、自動二輪免許だけだったから。

当時の二輪免許

ヘルメット義務化もまだ先の時代です。

話をCB250に戻すと・・・1973年にはエンジンを再設計&六速ミッションを採用し両モデルを一本化したCB250Tが出ました。

CB250T
(CB250T)
-since 1973-

CB250t

フル装備のCB250だったのですが、この頃になると2stのほうが軽くて速いという認識が広まりだしセールス面で苦戦。

そこでさらなるスポーツモデルとして打ち出されたのがHAWKというペットネームが与えられたホークシリーズ。

HAWK CB250T
(250T)
-since 1977-

CB250Catalog

強制開閉式CV型キャブに3バルブの超ショートストロークエンジン。

ただ400ベースだった事と4stでは分が悪かったので思うようなセールスを残せず。競争が激化していったため伝統の空冷二気筒は別の道に進むようになります。

主要諸元
全長/幅/高 2090/775/1075mm
シート高
車軸距離
車体重量 164kg(装)
燃料消費率 45.0m/L
※定地走行テスト値
燃料容量
エンジン 空冷4サイクルOHC二気筒
総排気量 249cc
最高出力 27ps/10000rpm
最高トルク 2.0kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後3.25-18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 189,000円(税別)
※スペックはCB250エクスポート
系譜図
CB2501968年
CB250シリーズ
(CB250)
MC041980年
CM250T
(MC04)
MC061981年
250T Master/LA Custom
(MC06/MC07)
MC131985年
REBEL
(MC13)
MC261991年
NIGHT HAWK250
(MC26)
MC492017年
REBEL250
(MC49)

モンキー(Z50A/Z)-since 1969-

MONKEY Z50A

「ゆかいに乗れる小粒のバイク」

先代Z50Mと併売する形で登場した国内モンキーとしては二代目のZ50A型。

リアブレーキが再びハンド化される等の変更が加わったんですが一番の変更点は何と言っても足回り。

Z50Aカタログ写真

フロントにサスペンションが付いてタイヤも前後5インチから8インチへとインチアップしました。これに合わせてボディも少し大きくなっています。

これらの狙いは走行安定性を確保するため。

というのも先代が売れなかったのはまだレジャー文化が無かった事が最大の要因なんですが、それと同時に5インチで公道を走り回るのは難しいという観点から先代はバイクとしてよりも車のオプション的な扱いで販売されていました。

Z50Mのチラシ

ココらへんもモトコンポと同じですね。

しかしそれでは売れない、そしてどうも純粋にバイクとして欲しがっている人が多いという事で走行安定性を上げるモデルチェンジをしたというわけ。

そんなZ50A型なんですが実はこのモデルにはベースというか双子のようなモデルがあります。それはブロックタイヤを履いた『MINI TRAIL』という米国の子供向けトレール。

ミニトレール

このZ50A型が出る1年前に海外向けに販売されたモデルで、Z50A型はこれを公道仕様にしたもの。

実はモンキーというのはこの様に海外向けトレールの公道版というスタンスを長く取り続けています。

Z50R

ちなみにこのアメリカ向けモデルは爆発的な人気となり、その後もZ50RやXR50などトレール路線へと突き進むモデルチェンジを繰り広げていく事に。

話を国内に戻すとDAXなど兄弟車を多く展開し始めるのもこの頃からで、モンキーも部品の共有化などから70年にZ50Z型へとマイナーに近いモデルチェンジ。

Z50Z

再びフットブレーキにされたほか、フロント部分をDAXと共有化した事でボディーと分割できるセパレートタイプになりました。

このZ50A/Z型は一般的に

『ビンテージモンキー』

と言われています。

主要諸元
全長/幅/高 1,255/580/875mm
シート高
車軸距離 875mm
車体重量 55kg(乾)
燃料消費率 30km/L
※定地走行テスト
燃料容量 4.5L
エンジン 空冷4ストローク
SOHC2バルブ単気筒
総排気量 49cc
最高出力 2.6ps/7000rpm
最高トルク 0.3kgf-m/5000rpm
変速機 常時噛合式3速リターン
タイヤサイズ 前3.50-8 2PR|後3.50-8 2PR
バッテリー 6N2A-2C
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.6L|交換時0.6L
スプロケ 前12|後37
チェーン サイズ420|リンク76
車体価格 63,000円(税別)
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

モンキー(Z50M)-since 1967-

MONKEY Z50M

「レジャーをより楽しく」

国内で一番最初に販売された1967年からのモンキーことZ50M型。

スーパーカブエンジンのOHC化に合わせて登場となりました。

Z50Mの価格

さて・・・そもそもモンキーが国内でどの様な謳い文句で売っていたのかご存じない方も多いと思うので説明すると、モンキーは車載バイクとして発売された経緯があります。

Z50Mカタログ

『車に詰めるバイク』

というと今ではすっかりモトコンポの専売特許の様になっていますが、一番最初に始めたのは何を隠そうこのモンキー。

そのためハンドルやシートを折りたたみ式にしているだけでなく、キャブレターも横積みしても大丈夫なように排出ドレンが設けられ燃料タンクも漏れ防止キャップを装備しています。

Z50Mのパンフレット

更には積載用のアタッチメントまで別売りで用意されていました。

では何故これほど積載バイクとしての知名度がないのかというと・・・実はこのモンキー日本では驚くほど売れなかったんです。

この頃というのはまだ原付といえば移動手段でスーパーカブの時代だった上に、Z50M型はそのスーパーカブよりも1万円ほど高かった。

だから本当に今以上にお金持ちか物好きな人しか買わなかったんです。

Z50Mのカタログ写真

今でこそ日本初であり5インチでもあるZ50Mを欲しい人は多くプレミアが付いていますが、当時はまだ欧米の様にレジャーバイクを楽しむ余裕が無かったんですね。

主要諸元
全長/幅/高 1,145/610/790mm
シート高
車軸距離 875mm
車体重量 47.5kg(乾)
燃料消費率 不明
燃料容量 2.5L
エンジン 空冷4ストローク
SOHC2バルブ単気筒
総排気量 49cc
最高出力 2.5ps/6000rpm
最高トルク 0.31kgf-m/5500rpm
変速機 常時噛合式3速リターン
タイヤサイズ 前後4.00-5-2PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 63,000円(税別)
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

モンキー(CZ100)-since 1963-

MONKEY CZ100

「MONKEY BIKE」

市販車として一番最初に登場したのがこのCZ100型。

アトラクション用と同じスーパーカブエンジンを採用しつつハンドブレーキからフットブレーキ化。更にC111のフューエルタンクと大きめのヘッドライトが付いているのが特徴。

そのためこのモデルは一部では

『デカライトモンキー』

とか

『OHVモンキー』

とか呼ばれたりしています。

Z100型のページで言った通りこのモデルは完全に海外向けのモデル。

モンキーバイク

今までこれほど小さいバイクは存在しなかったので欧州で大々的に取り上げられると同時に、遊びやレジャーの道具としてまたはファッションアイテムとして一般人から芸能人まで幅広くウケました。

欧州におけるCZ100

ちなみにこの頃の海外名は

『モンキーバイク』

非常に人気だったのですがホンダ(カブエンジン)の都合で販売は僅か3年足らずだった為に総生産台数は2000台ちょっと。

加えてこのモデルは日本では販売されていないので初代にして最もレアなMONKEYとなっています。

主要諸元
全長/幅/高 1,181/508/736mm
シート高 不明
車軸距離 812mm
車体重量 47.5kg(乾)
燃料消費率 不明
燃料容量 4.2L
エンジン 空冷4ストローク
OHV2バルブ単気筒
総排気量 49cc
最高出力 4.3ps/9500rpm
最高トルク 0.31kgf-m/5500rpm
変速機 常時噛合式3速リターン
タイヤサイズ 前3.50-5 2PR|後3.50-5 2PR
バッテリー 不明
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 不明
チェーン 不明
車体価格 不明
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

モンキー(Z100) -since 1961-

初代モンキー

「Z100 monkey」

1961年に登場したモンキーの原型となるZ100型。

当時はモンキーという名前ではなく『モンキー・オート』というのが正式名称でした。

「そもそもこれ何だ」

って話ですが、このバイクはもともと多摩テックというホンダの自動車遊園地用に造られたアトラクションの乗り物。

MONKEY-Z100

スーパーカブのエンジンをパイプフレームに積み、タイヤは5インチを履いています。

それでも二速変速機構を備え時速30km出る結構本格的なものだった事に加え、無いに等しい安定性から簡単にウィリーしたり吹っ飛んだりする今じゃ絶対に許されないであろうアトラクション。

多摩テックモンキー

これは当時のホンダの若い技術者たちが

「可能な限り小さいバイクを造ってみよう」

と始めたのが発端で、それが見事にコンペを勝ち抜いた事に加えて副社長だった藤沢さんが

「子供に交通ルールを教えるのに最適だ」

と考えアトラクションとして配備される様になったわけです。

MONKEY Z100

じゃあどうしてこれが市販化される事になったのかというと、このZ100型を欧州(特にイギリスやフランス)などにホンダのPRとして少量生産したところ凄い反響があったから。

実はモンキーというのは日本ではなく海外で人気となったから発売される事になったバイクなんです。

主要諸元
全長/幅/高 不明
シート高 不明
車軸距離 不明
車体重量 不明
燃料消費率 不明
燃料容量 不明
エンジン 空冷4ストローク
OHV2バルブ単気筒
総排気量 49cc
最高出力 3.1ps
最高トルク 不明
変速機 常時噛合式2速リターン
タイヤサイズ 不明
バッテリー 不明
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 不明
チェーン 不明
車体価格 非売品
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

スーパーカブC50/C65/C70/C90-since 1966-

C50

恐らく多くの人が思い描くスーパーカブの姿になった1966年~の第二世代スーパーカブ。

ノーマルタイプとM(セル付き)の2モデル展開となったわけですが、最大の特徴はエンジンがOHVから耐久性と燃費向上を図ってOHC化され4.8馬力にまで馬力がアップしたこと。

少しややこしいのですが、この第二世代スーパーカブC50には元となっているモデルがあります。それはC50の2年前に出ていたC65という63ccのスーパーカブです。

C65

スーパーカブ初のOHCエンジンを積んだモデルはこれで、いわゆる先行量産型というやつ。ヘッドライトが少し大きなC100系デザインのバイク。

そしてこの頃のスーパーカブは速くて燃費良くて壊れない上に

「二年5万km保証」

という長期保証によって更に爆発的な人気となり累計生産台数も500万台を突破。

勢いそのままに1968年にはマイナーチェンジが入り先行開発型だったC65も同一ボディのC70に。

C50 C70 C90カタログ写真

特徴は何と言っても二輪初となるポジションライトの採用です。

「行灯カブ」という愛称で今も親しまれています。

少しモデルが多すぎて混乱している人が多いと思うのでここまでを纏めると

C50 C70 C90系譜図

こういう形で、要するにC50はC100の後継なんだけど新設計ボディとC65ベースのエンジンだから厳密に言うと別のモノ。

なんでこんなややこしいことをしたのかというと、フル稼働しているスーパーカブC100の製造ラインを止めることなくOHC化への流れを作らないといけなかったから。

ちなみにC65で作られたエンジンはなんと2000年代のキャブ最終までベースとして続きます。

そしてこの代で出た派生モデルが1968年のCT50です。

初代ハンターカブ

アメリカで先行販売していたハンターカブC105Hの日本版、ただハンターカブという名は付きません。

登坂力18度とアピールしている通り、副変速機という面白い機能を付けています。

CT50

クランクの下にあるレバーによる切り替え方式。

これは要するにドライブスプロケット内にもギアが一つあって変速している内蔵型ダブルスプロケット。

三速でも30kmしか出ないようになる代わりに、圧倒的なトルクで道も荷物も選ばずに走破できるというわけ。

ところで少し話が脱線しますが

「蕎麦屋が片手で運転できるバイク」

というのがスーパーカブのコンセプトだったわけですが、出前のカブとして欠かせないのが「出前機」ですね。

出前機

最近は車やベンリィといったトライクに取って代わられつつあるのであまり見なりましたが、カブと一緒に歴史を歩んできた必須アイテム。

最初はホンダもオプションで発売していましたが、今はマルシンさんだけとなっています。

構造は比較的シンプルで、要はエアサス。

出前機の仕組み

すごく簡単に表すとこんな感じです。本当は一番上の段は吊り下げているんですが。

ちなみにマルシンの出前機は東京オリンピックでは聖火まで出前した(予備の聖火として付いて行った)歴史があります。

出前機セドリック

積んだのはカブじゃなくてセドリックだけどね。

主要諸元
全長/幅/高 1795/640/975mm
[1795/640/975mm]
{1830/640/995mm}
シート高
車軸距離 1185mm
[1185mm]
{1190mm}
車体重量 74kg(装)
[78kg(装) ]
{87kg(装) }
燃料消費率 90km/L
[85km/L]
{80km/L}
燃料容量
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[72cc]
{89.6cc}
最高出力 4.8ps/10000rpm
[6.2ps/9000rpm]
{7.5ps/9500rpm}
最高トルク 0.37kg-m/8200rpm
[0.53kg-m/7000rpm]
{0.67kg-m/6000rpm}
変速機 自動遠心式三速リターン
タイヤサイズ 前2.25-17
後2.25-17
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA
[C5HSA]
{D6HA}
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 60,000円
[66,000円]
{76,000円}
※スペックは69(行灯)カブ
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

ドリームCB750FOUR -since 1969-

CB750FOUR K0

「The 750 Four.」

まだ二気筒650ccが最大級のビッグバイクだった時代に四気筒736ccというエンジンを引き下げて登場したCB750FOUR。

それはそれは誰もが度肝を抜かれました。

『ナナハン』

という言葉を生み出した元祖のバイクでもあります。

これは元々ホンダ社内での呼称。CB750FOURはホンダにとっては起死回生の一打となりうる秘蔵のプロジェクトだったため

「ホンダが750を作ろうとしている」

っていうのがバレないようにナナハンと言っていたわけです。

K0カタログ

「何が起死回生なの」

って話ですが、キッカケは北米市場にあります。

ホンダは当時、北米向けにフラッグシップとしてCB450(二気筒444cc)を発売していました。

CB450

444ccながらボンネビルT120R(二気筒649cc)などの上のクラスより速いライトウェイトスポーツです。

しかしそんな性能とは裏腹に北米では人気が伸びなかった。

何故なのか調べたらアメリカは

「デカいことが正義」

だったからです。

そこで立ち上がったのがナナハン計画。

CB750FOURカタログ

原田義郎さんが開発責任者となり開発がスタート。

しかし最初に言ったようにこの頃というのは二気筒650ccが最大排気量だったから社員も

「本当に直列4気筒の市販車なんて造れるのか・・・」

と半信半疑だったそう。

ちなみに四気筒750にした理由は北米で人気だった名門トライアンフが三気筒750cc(トライデント)を開発中という情報が入ったから。

CB750FOUR壁紙

ただ幸いにもホンダは既にマン島TTレースで多気筒のノウハウは持っていたのでエンジン自体は問題なく完成し、ブレーキもエンジンに合わせて量販車初の強力なディスクブレーキに。

しかしいざ形にして走らせてみるとチェーンが耐えきれず切れたり、タイヤが耐えきれずバーストを起こす問題が出た。

CB750FOURメーター

要するにエンジンに消耗品などが追いついていなかったんですね。

そのためパワーを少し落とし、チェーンには自動給油システムを搭載。

更にタイヤもCB750FOUR専用タイヤをダンロップがわざわざ造ることで何とか解決した歴史があります。

そんなこんなで発売にこぎつけたCB750FOURですが・・・そりゃもう大反響。

ナナハンフォア

それまで一部のレーサーだけだった四気筒のバイクが買えて公道で乗れるわけですから当たり前な話。

ただしCB750FOURが世界的な反響を生み大ヒットとなったのには、もう一つ要素があります・・・それはレース。

ホンダはCB750FOURは発売を前後してレースにも出場しているんです。

狙いはもちろん

AHM CB750FOUR

『CB750FOURが如何に凄いか』

をアピールするため。

参戦結果がどうだったのかというと

・日本の鈴鹿10耐(八耐の前身)

・フランスのルマン耐久

・アメリカのデイトナ200

日欧米全てのメジャーレースで優勝。

圧倒的な速さ、そして圧倒的な信頼性をレースで証明したんです。

CB750レーサー

「ホンダがとんでもないバイクを造った」

と業界も市場もレース界も大騒ぎ。

もちろんいま紹介したように市販車の段階ですら消耗品が持たない問題が数多くあったのに、更にチューニングしてレースをやったんだから問題が更に顕著化していました。

輝かしい成績の裏では綱渡り状態でアレやコレやと耐久性の問題から悲鳴を上げるバイクを何とか誤魔化しながら走らせていた苦労があります。

そんな苦労したかいあってメジャータイトルを総ナメしたCB750FOURですが、その反響はホンダの想像を上回るものでした。

CB750FOURカタログ

初年度の注文時点で生産が追いつかない状態になったんです。

というのも実はこの頃のホンダというのは車の方に力(予算)を入れており、バイクの方は設備投資があまりされていなかった。

だからこう見えてCB750FOURは必要最低限の生産設備で造られていた・・・だから生産がパンクした。

中でも問題となったのがクランクケースで、当初は一つ造る度に型を壊して取り出す砂型という製法でクランクケースを造っていました。

しかし全く生産が追いつかないとして大量生産が可能な金型に変更され、カブ工場こと鈴鹿製作所に生産を移転し生産設備を増強。

CB750FOURスペックシート

この大きめのサイドカバーと専用エンブレムが付いたのが砂型の初期モデル(通称K0)で、今では超プレミア価格なCBマニアなら垂涎モノ。

そんなCB750FOURですが、初めて完成車を見た本田宗一郎の第一声は

「こんなの誰が乗るんだ」

だったそう。

CB750FOURポスター

本人も開発中はノリノリで色々と口を出してきたのにそれでも完成車を前に度肝を抜かれてしまったわけですね。

主要諸元
全長/幅/高 2160/885/1120mm
シート高 不明
車軸距離 1455mm
車体重量 244kg(装)
燃料消費率 不明
燃料容量 19L
エンジン 空冷4サイクルSOHC2バルブ並列4気筒
総排気量 736cc
最高出力 67ps/8000rpm
最高トルク 6.1kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25H19-4PR
後4.00H18-4PR
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 不明
チェーン 不明
車体価格 385,000円(税別)
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)