FZ1(2D1) -since 2006-

FZ1

FZS1000FAZERからFZ1FAZERにフルモデルチェンジしたことを気に、トレンドであった二眼ビキニカウルを取り払い流行の異型ヘッドライトを付けたFZ1が登場した。一般的に「FZ1-N」「Nモデル」「FZ1無印」とか言われている。

ちょっとややこしいのが、日本でFZ1と言えばこのネイキッドモデル、FZ1 FAZERと言えばハーフカウルの付いたモデルを言う。ちなみに欧州でもそう。
でもこれが北米(アメリカやカナダ)になるとFZ1がハーフカウルの付いた日本で言うFAZERになる。
で、向こうにFAZERと名のつくFZ1は無い。つまり日本でいうFZ1は無い。だから北米仕様を引っ張ってきてたヤマハの逆輸入車代理店のプレストはFZ1(北米仕様)をFZ1 FAZERとして売ってた。

FZ1フルパワー

さらに言うなら、つまり日本に正規逆輸入車のFZ1-Nは一台も無い事になる。※レッドバロン等の並列物なら手に入る。

FZ1はFAZERと比べ若干さらに高回転よりにセッティングされてて

「ガッツリ前乗り、グラブバーなんて要らない!」

って感じのアグレッシブモデル。

FZ1-N

ところで唐突ですがFZ1(ひいてはFAZER)と言えばスポーツネイキッド・スポーツツアラーというイメージが先行してません?
でも実は結構どころか本気なくらいカリカリなスポーツ寄りのネイキッドなんですよ。(逆輸入車の場合ですけどね)

FAZERを発端にZ1000等で欧州にもネイキッド(欧州ではエクストリームというカテゴリ名)の火が付いて各社充実して来てるけど、トップパフォーマーは今だにFZ1とFAZER。

FZ1-N

R1のエンジンを低速寄りにしたとはいえSSのエンジン故にライバル勢と比べると低速が弱く高回転が伸びるエンジン。
足つき性より旋回性を取った高い重心とシート高。
ネイキッドとは思えないガチガチなR1と同じ左右分担減衰力発生方式のサスペンションと高剛性フレーム。
マスの集中化の為に短い前後幅と実はそこまで防風性が良くない小型のビキニカウル。

ヤマハらしく小綺麗なデザインで見慣れちゃってるけど、6年経った今でもスーパーネイキッドの頂に居るバイクなんですよFZ1って。

主要諸元
全長/幅/高 2140/770/1205mm
シート高 815mm
車軸距離 1460mm
車体重量 194kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 150ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EK
推奨オイル ヤマルーブ
プレミアム/スポーツ/スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|リア45
チェーン サイズ530|リンク122
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

FZS1000FAZER(5LV/1C2) -since 2001-

FZS1000

史上最強の『普通のバイク』・・・なんて的を得たキャッチコピーなんだろう。

98年にR1で世界でセンセーショナルを巻き起こしたのは有名で、数年は各社R1を追い掛けてた。そんな中でヤマハが何してたかというとこの隠し球を作ってた。
R1で一気にトレンドとなったツリ目二眼のハーフカウルを付けたネイキッドFZS1000FAZER(北米ではこの頃からFZ1で売ってた。)

FZS1000S

よくフェザー、フェザーと言われるけど正しい読みは「フェザー」じゃなくて「フェーザー」もしくは「フェイザー」
まあでもFAZERって単語はヤマハの造語で、ヤマハ自身はフェザーでもフェーザーでもどっちでも構わないみたい。(と思ってましたがやっぱりフェーザーが正しいようです。)

FZS1000カタログ写真

当時のネイキッドはスペック命な欧州人にとってニッチな部門で、ハイスペックなバーハンバイク欲しくても無かったから、SSのカウルを剥いでバーハンにするのが流行りだしてた。それに目付けた欧州ヤマハからの要請が始まり。
エンジン以外にもR1の物と思わせる使い回しが見て取れる点から、R1のコストを分散させたかった意図が汲み取れますね。

しかしこれは言い換えるとローコストハイパフォーマンス。

この読みが当たりイギリスを中心に欧州で年間10000台を売り上げる大ヒット。各社がR1に対抗出来るSSを躍起になって作ってる中でこの成功だからヤマハは笑いが止まらなかっただろうなあ。

FZS1000FAZER

もちろん低速寄りにデチューンしてる。それでもネイキッドで143馬力は圧巻の一言。ただちょっと納得行かないのはオーソドックスな鉄のダブルクレードルフレーム。

コストカットで正立にするのもスイングアームを棒状の物にするのも分かるけど、モノサスなのにダブルクレードルフレームって重くなるし、レイアウトがモロに初代バンディットのGSF1200と被ってる。ただコッチは纏まって見える不思議。

主要諸元
全長/幅/高 2125/765/1190mm
シート高 820mm
車軸距離 1450mm
車体重量 231kg(装)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 998cc
最高出力 143ps/10000rpm
最高トルク 10.8kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後180/55ZR17
バッテリー GT14B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|リア44
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 980,000円(税別)
※プレスト価格
系譜図
FZS1000 2001年
FZS1000FAZER
(5LV)
FZ1フェーザー 2006年
FZ1 FAZER
(3C3)
FZ1 2006年
FZ1
(2D1)
ZRX1200R前期 2008年
FZ1/FAZER
国内仕様
(2D1/1EC&3C3/1CA/2DV)

DS4/DSC4(5KP)-since 2000-

二代目ドラッグスター400

不動の人気を誇っていたドラッグスターは2000年にマイナーチェンジ。

燃料計を追加した薄型の電気式メーターにヘッドライトやフットレストやハンドルなどの造形が変更されました。

電気式メーター

ところで話しが変わりますが皆さんはドラッグスターといえば何ccのドラッグスターを思い浮かべますか?

代表的なのは250、400、1100ですね。どれもドラッグスターですし1100に至っては先祖まで遡ると400より歴史が長いです。
じゃあ何故400のドラッグスターを取り上げたかというと、250や1100(今は950か)が欧米を考慮しないといけないのに対し、400は「日本専用モデル」だから。まあ売れ筋でもあるわけですが。

日本専用というのは多大なメリットが有るんです。それが見て取れる部分の一つがスイングアーム。
先に紹介したカンチレバー式サスペンションなんですが採用してるのは実は400だけ。(北米向けV-STAR650もでしたゴメンナサイ)

カンチレバー式にすると低高&低重心に出来るというクルーザーとしてはとても大きいメリットがあるんだけど、ストローク量を稼ぎにくいデメリットがある。

カンチレバー式

他にも「ハンドリングが優れている」とか「取り回しが素直で乗りやすい」等と言われる要因は日本だけ、国内ライダーだけを考えればよかったから出来た事。

ドラッグスター400が国内においてずっと一番人気な理由はこういう見えない要因が大きいんだと思います。

主要諸元
全長/幅/高 2340/840/1060mm
[2450/930/1105mm]
シート高 660mm
[712mm]
車軸距離 1610mm
[1625]
車体重量 225kg(装)
[240kg(装) ]
燃料消費率 43.0km/L
[39.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 32ps/7500rpm
最高トルク 3.3kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後170/80-15(77S)
[前130/90-16(67S)
後170/80-15(77S)]
バッテリー GT12B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR7EA-9
推奨オイル ヤマルーブプレミアム
または
スポーツ
または
スタンダードプラス
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ
チェーン
車体価格 649,000円(税別)
[669,000円(税別)]
※[]内はクラシック
系譜図
XV400スペシャル1983年
XV400Special
(26M)
XV400ビラーゴ1987年
XV400Virago
(2NT)
4TR1996年
XVS400
DragStar/Classic
(4TR)
5KP2000年
XVS400
DragStar/Classic
(5KP)
35C2010年
XVS400
DragStar/Classic
(35C)

SV1000/S(VT54A)-since 2003-

SV1000S

「V-twin Fan Machine」

TL1000Sの後釜を引き受ける形となったSV1000/SのVT54A型。

フレームを一新し倒立フォークから正立フォークへ変更し、リアもロータリーダンパーからオーソドックスなボトムリンク式モノサスへ。

SV1000フレーム周り

フレームもアルミトラスという過剰と思えるほど贅沢なものになりました。

更にたくましく角ばったフレームになったわけですが、そんな見た目とは裏腹にSV1000は先代に当たるTLがクレイジーな楽しさだったのに対しVツインをファン出来る楽しさを持ち合わせたモデルになっています。

これは弟分として登場したSV650がその路線で欧州で最大の成功を収めたと言っても過言ではない程の人気となったからでしょうね。

ただアンダーカウルや二本出しマフラーなどリッターの兄貴分として恥ずかしくない装備が加えられており、性能も相変わらず海外仕様で116馬力と侮れないモノを持っています。

SV1000Sカタログ写真

ちなみに当時トレンドだったツリ目二眼なんだけど何とも言えない顔。

ツリ上がってないツリ目というか・・・欧州人から言わせるとコレが最高にセクシーなんだそうです。

コッチはレアな無印ネイキッドモデル。

SV1000N

太く逞しいアルミトラスフレームの存在感が増すけどまず観ること無いレアなモデル。

ちなみにSV1000には従兄弟の様なモデルが居ます。

それはイタリアのCAGIVAがSV1000が出る少し前の1999年末に発表した『RAPTOR(ラプトール)』というモデル。

ラプトール

TL1000Sのエンジンをクロモリトラスフレームに積んだモデルです。

恐らく多くの人が

「MONSTERみたい」

と思われるかと。

それも当然な話で、このラプトールのデザイナーは何を隠そうMONSTERの生みの親であるミゲールさんがデザインしたもの。

ミゲールとラプトール

つまり

『CAGIVA×SUZUKI×MONSTER』

で誕生した亜種MONSTERまたは元祖水冷MONSTERと言えなくもないバイクなんですね。

CAGIVAの車種でもMITOと並んで人気だったようで後に650も追加されロングセラーとなりました。

そんな亜種MONSTERにも、そしてこのSVにも積まれているTL1000譲りのエンジンなんですが、先に言った様にセミカムギアトレーンという珍しいカム駆動をします。

ディメンション

カムギアトレーンというのはホンダのCBR250/400RRやVTR1000SPでお馴染みなので知ってる人も多いと思います。

カムを一般的なチェーンではなくギアで回す方法ですね。

カムギアトレーン

そうすることでフリクションロスの軽減とバルブを(チェーンより)正確に動かせる事による高回転化が可能となるわけです。

ではセミカムギアトレーンは何がセミなのかというと、カムシャフトを回してるのはギアなんですが、そのギアを回してるギアはチェーンなんです。

2014V-STROM1000エンジン

斬新なフレームにハイブリットの様なカム駆動という特徴だらけなSV1000なんですが、実はコダワリポイントはそれだけじゃない。

SV1000の隠されたこだわりポイント・・・それは足回り。どんな乗り方をしても、どんなシーンでもラインを自由自在に変えられる様にワンランク上の足回りが奢られている。

中井サブプロジェクトリーダーいわくSV1000のコンセプトを実現させるため。

SV1000S赤

「決して裏切らないバイク」

というのがSV1000なんです。

※2005年モデルでフレーム回りをブラック化し吸排気と圧縮比を見直し124馬力へマイナーチェンジ

主要諸元
全長/幅/高 2135/785/1080mm
[2130/745/1170mm]
シート高 800mm
[810mm]
車軸距離 1450mm
[1435mm]
車体重量 186kg(乾)
[189kg(乾) ]
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 93ps/8500rpm
{116ps/9000rpm}
最高トルク 9.2kg-m/7000rpm
{10.4kg-m/7200rpm}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.3L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前17|後39
{前17|後40}
チェーン サイズ525|リンク110
{サイズ530|リンク110}
車体価格

900,000円(税別)
[950,000円(税別)]
※[]内はSモデル
※{}内は海外仕様

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

V-STROM1000(VT53A)-since 2002-

ブイストロム1000

「The Adventure in Your Mind」

ここで登場するのが初代V-STROM1000のVT53A型。

「ホイールベースを短くするのが難しいなら長いホイールベースが必要なアドベンチャー作ろう」

となったのかは分かりませんが、TL1000から改良されたエンジンを積んだスズキ初のアドベンチャー・ツアラーになります。

DL1000

もともと欧州ではアドベンチャー層が多いから、そこを狙って投入したわけです・・・が、少し話を脱線。

アチコチで言ってますが欧州ではツーリングやスポーツ走行がメインな日本と違い、日常から何日もかけて走り倒すツーリングというより旅のような事にまでバイクを活用する人が多いです。

ボルミオ

その理由の一つとして向こうはSSのようにスポーツ性能が高いモデルになるほど税金や保険料が跳ね上がるので、おいそれと乗れるクラスではない事。

そのせいかバイクも車と同様に生活必需品である事に加え、楽しみながら移動できる趣味の物として捉えてる人が多い。

つまり日常での使い勝手に加え、週末のレジャーまでをも楽しめる欲張りなバイクを求められる傾向が強い。

ブイスト1000

そんな中で登場したV-STROM1000。

パッと見はただのアドベンチャー・・・しかしアルミフレームの採用により乾燥重量で208kgとアドベンチャーにあるまじきクラストップの軽さ。

そして何よりあのTL1000のセミカムギアの元気なエンジン。

中低速の扱いやすさを向上させつつも、上まで回すほどTL1000が蘇ってくるという、SSとアドベンチャーを掛け合わせた様なバイク。

V-STROM1000海外向けカタログ写真

これが見事に的中し、なんでもこなせるスーパースポーツアドベンチャーとして高い評価を獲得。

正にV-STROM1000は起死回生の一手ならぬ、起死回生の一車なバイクだったんです。

V-STROM1000後期

それは1000だけでなく650もそうだし250もそう。

今も続くV-STROMシリーズの始まりはここになります。

2006年にはマイナーチェンジが入り2008までは日本にも逆輸入されていました。

主要諸元
全長/幅/高 2295/865/1335mm
シート高 840mm
車軸距離 1535mm
車体重量 207kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 98ps/7600rpm
最高トルク 9.2kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59H)
後150/70R17(69H)
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
または
U24ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.3L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前17|後41
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格

998,000円(税別)
※モトマップ価格

系譜図
TL1000S 1997年
TL1000S
(VT51A)
TL1000R 1998年
TL1000R
(VT52A)
Vストロム1000 2002年
V-STROM1000
(VT53A)
SV1000 2003年
SV1000/S
(VT54A)
Vストロム1000 2014年
V-STROM1000ABS
(VU51A)
2017V-STROM1000 2017年
V-STROM1000ABS
(VU51A後期)
2020V-STROM1050 2020年
V-STROM1050/XT
(EF11M)

GSR600/A(B9111/2) -since 2006-

GSR600

今度は水冷GSX-R600のエンジンを積んで登場したリアルスポーツネイキッドGSR600

GSFの反省からかダブルクレードルフレームではなくアルミツインスパーフレームに加え、逞しいスイングアームまでもアルミという贅沢な造り。

更に言うなれば旧GSX-R600のエンジンをギア比こそ変えつつもの基本的にそのまま積んでる。ボア・ストローク比もそのまま67mm*42.5mm。これは600ネイキッドとしてはトップのビッグボア&ショートストローク。

それが表れているのが”98馬力/12000rpm”ですね。

GSRイラスト

少しやりすぎなんじゃないかと思えるほどまんまR600のネイキッドで4000rpm以下は使い物にならない回せ回せと言ってくるやんちゃ物。250四気筒の特性をそのまま600にしたような感じ。

GSR600は(というかこのクラスは)欧州がメイン市場なわけで、向こうでの評価はどうだったのかなと少し調べてみたんですが、お世辞にも人気が出て売れたという感じは無いものの

「GSR600の良い所はハンドリングだ!」

と色んな所で評価されていました。MCN(イギリス大手オートバイ情報サイト)においては2010年ベストハンドリングネイキッド部門で日本勢トップの評価。こう言うと失礼ですが意外。

でもGSRの特徴であり購入したライダーのハートを最も掴んだ部分はGSXR譲りの贅沢な造りではなく、そのハンドリングでもなくセンターアップの二本出しマフラーでしょう。

GSR600メーター

波動砲が打てそうなほど存在感のある長男のB-KINGとはまた違って非常に纏まってます(後ろに元となったGSX-R600K4が)

しかし今になって振り返って見るとセンターアップマフラーを採用したスズキ車ってこのGSR400/600/B-KINGだけですね。

でもGSR600の造形へのこだわりはマフラーだけじゃなくて、フレームは勿論のこと、アルミステップやフロントのビルドインやリアのL字ウィンカーなど新世代ネイキッドの提案というだけあって、単純にGSX-Rのネイキッドを仕上げるだけでなく細かいデザインの部分までお金掛けて詰めてる辺りスズキとしては本命ネイキッドだったんだと思う。グッドデザイン賞を受賞するのも分かる話。

GSR600A

二年後の08年にはABSを装着したGSR600Aとなりメーターバイザー装着。

だけど販売台数が思ったほど伸びなかったのか2010年モデルをもって生産終了となりました。

GSR600カタログ

昔のバンディットもそうだったけどスズキのスポーツネイキッドってみんな「良い」とは言うけど「買う」とは言わないんだよね。作り込みすぎて車体価格が高くなっちゃうのがダメなのかな。

今では性能や造りに反し人気がなく相場が安いことから”良い掘り出し物”扱い・・・良いんだか悪いんだか。

主要諸元
全長/幅/高 2090/795/1075mm
シート高 785mm
車軸距離 1440mm
車体重量 183kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.5L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 98ps/12000rpm
最高トルク 6.5kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.9L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前16|後48
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 890,000円(税別)
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

GSX-R600(K8/K9/L0)-since 2008-

2008年式GSX-R600

一気に様変わりしハンサム化したK8
性能として一番のアピールポイントは出力特性を選べるS-DMS(Suzuki Drive Mode Selector)だろう。

その他にいたっては微調整でお茶を濁してる感がある。最新技術を惜しみなく投入し続け、トップをひた走っていたGSXだからもうやることが無いのだろう・・・

2009GSX-R600

個人的にこのモデルはR600の中でも印象が強い。というのも顔つきが従来の菱形ライトで頬からエアを吸うレイアウトを辞め、角の生えたような刺々しい三眼デザインで顎から吸気する形になったから。

K8フェイス

サイドから見るとハンサムな印象を受けるものの正面から見るとヒールさがかなり増している。
でも旧来からのGSXオーナーにとっては唯我独尊が売りであるスズキが他社に感化された感じがして不評な声も少なからずあった。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1125mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 165kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 121ps/12400rpm
最高トルク 6.9kg-m/11200rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EIA-9
または
IU27D
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,160,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)

GSX-R600(K6/K7)-since 2006-

2006年式GSX-R600

初めてのフルモデルチェンジを行ったR600。シリーズ一との呼び声も高いモデル。というのもこのモデルで750と600の立場が逆転したから。

それまでは750のスケールダウンエンジンで戦ってきたけど、フルモデルチェンジに伴い600に適正化。SSとしては主流の三角形三軸レイアウトでエンジンがコンパクトになり、車体も一回り小型になった。

GSX-R600カウルレス

R750(R1000もそうだが)に最適化されたエンジンを使って第一線で戦うだけでなく勝っていたとは改めてスズキのSSの技術力には感服せざるを得ない。

ただデザインは別。

サイドカウルの造形といいマフラーのデザインといい纏まっていて非常にカッコいい。今でも人気が高いもの納得な話。

・・・ただタンデムシートがそれを全て壊す。

GSX-R600

取ってつけた座布団のようなシート・・・シングルシートカウルが付いているのがせめてもの救いか。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1125mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 161kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 126ps/12000rpm
最高トルク 6.9kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.9L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク114
車体価格 1,060,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)

GSX-R600(K4/K5)-since 2004-

2004年式GSX-R600

K1から不動の速さを持っていたGSXシリーズだが、2004年に更なるモデルチェンジを行う。

遂に兄と同じ念願の倒立フォークになり、キャリパーをラジアルマウント化、ラムエアダクトの拡大で隼っぽい顔に、更に2kgの軽量化を施してきた。タダでさえクラス最速だったマシンが更に磨きがかかり、敵なしの状態が続く事になる。

GSX-R600カタログ写真

R1000やR750も同じでSS版ハヤブサと言っていい二代目K4/K5だが、何故かハヤブサ程の人気は出なかった。
ただ北米だけは例外で、「GSXシリーズこそが本物のSS」という風潮がある。どう転んでもCBRの一人勝ち状態である日本とは大違いで、20周年モデルも発売された。

20周年記念モデル

日本にもR750の20周年モデルは入ってきたがR600の方は正規では入ってきていないので先ずお目にかかる事はないと思う。カラーリングの参考となったモデルは勿論20年前の1985年に華々しいデビューを飾った初代R750

初代R750

限定モデルだがカラーリングだけじゃないのはさすがスズキ。オーナメント以外にも
・スリットの入った専用ブレーキローター
・フレームスライダー
・スモークスクリーン
・アルマイト処理したチェーンアジャスター
・スペシャルマフラー
・さらにシートがブルー
・さらにさらにチェーンまでブルーなどなど。

主要諸元
全長/幅/高 2055/715/1150mm
シート高 825mm
車軸距離 1400mm
車体重量 161kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 126ps/13000rpm
最高トルク 7.1kg-m/10800rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.8L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 980,000円(税別)
※モトマップ価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)

GSX-R600(K1/K2/K3)-since 2001-

2001年式GSX-R600

このモデルを見るとピンと来る人も多いだろう。それもそのはず顔が1000-750-600と統一されたから。
当時R1の影響で流行っていた二眼を採用せず、それどころか1000から600まで統一させてアイデンティティを確立したのは凄い。HAYABUSAの成功も相まって今や一眼のヒール顔はスズキの代名詞にもなった。

いやでもちょっと似せすぎというか区別が・・・正立フォークなのが600なんだけど顔だけ見ると・・・

GSXシリーズ

もしこの顔だけ見て区別が付いた方はGSXマニアですね。ちなみに正解は左から600-750-1000です。

99年のYZF-R6の登場により600ccクラスが激化。R1の方がリッターなせいかよく語られるけど600の方が熾烈だったかもしれない。それでもスズキはあくまで750主体の開発に拘った。

GSX-R600カタログ写真

84年から始まり長年に渡って様々な排気量のSSを作り続けたスズキに一日の長があったのは誰の目にも明らかでした。

主要諸元
全長/幅/高 2040/715/1135mm
シート高 830mm
車軸距離 1410mm
車体重量 163kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 599cc
最高出力 115ps/13000rpm
最高トルク 7.0kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格
系譜図
98GSX-R600 1997年
GSX-R600
(W/X/Y)
01GSX-R750 2001年
GSX-R600
(K1/K2/K3)
04GSX-R600 2004年
GSX-R600
(K4/K5)
06GSX-R600 2006年
GSX-R600
(K6/K7)
08GSX-R600 2008年
GSX-R600
(K8/K9/L0)
11GSX-R600 2011年
GSX-R600
(L1~)