CB1300SF/SB/ST(SC54中期)-since 2008-

2009CB1300SF

「比類なきもの。」

SC54はマイナーチェンジを繰り返しているので果たして何処で区切っていいものか悩んでしまうのですが、一つの区切りとなるのは2008年モデルかと。

というのもこの年というのは多くのバイクに影響を与えた排ガス規制の施工年なわけで、もちろんBIG-1も例外ではなく触媒入りマフラーに加え、IACV(Intake Air Control Valve)という吸気補正装置が付きました。

カタログ写真

これはアイドリングを安定させるためにあるんですが書くこと無いので少し蛇足。

2008年の排ガス規制から測定がコールドスタートという非常に厄介なものになったんですね。

何が厄介なのかというと排ガスを綺麗にしてくれる触媒というのは温まらないと効果を発揮しないんです。

じゃあコールドスタートから早く触媒を温めるためにはどうすればいいかといえば、排気直後の熱い排ガスを当てればいい。しかし触媒というのは蜂の巣のような形なので抵抗が生まれ、排圧が強すぎて高回転まで回すことが出来なくなってしまう。

CB1300の触媒

では離れた場所、集合後にある触媒を温めるにはどうしたからいいかというと排ガスを熱くすればいい。

リタードといって点火タイミングを遅らせると、極端な話まだ燃焼中の熱いガスを排気する事になるから触媒がすぐ熱くなる。

ただしリタードというのはエネルギーを捨てる事と同義なのでトルクが減ってしまい、アイドリングがおぼつかなくなる。

IACV

そこで登場するのがIACV(Intake Air Control Valve)と呼ばれる補助吸気装置。

リタードによる低下分をFIとともに増量補正してあげてアイドリングを安定させるというわけ。

まあそんな事よりも、立て続けに紹介で申し訳ないのですが、この装置が付いた翌年の2009年末に二度目のマイナーチェンジがありました。

2010年式CB1300SF

突き刺さりそうなほど伸びていたテールが少し抑えられ、タンデムグリップがセパレートタイプに変更。

更に三度となるサイドカバー形状とサスセッティングの見直しで足付きも更に改善。

そしてこの代で新たに登場したのがCB1300SUPER TOURINGとよばれるモデル。

CB1300ST

大容量パニアケース&ワイドスクリーン&コンバインドABSを標準搭載し、SFやSBより更に一段アップしたハンドルなどで快適ツアラー仕様。

しかもこう見えてスイングアームピボット部とシートレール部、更にはヘッドパイプに補強が入った専用フレーム。

一説では白バイフレームの流用じゃないのかという疑惑もあります。

CB1300P

ちょうどこの頃にホンダの白バイがVFRからCB1300になったんですよね。

ただ市販車と異なりSHOWA製の専用サスペンションに加えフェンダーやアウターチューブなど各部に白塗装が施されています。

ところで当時の白バイ需要というのは旨味が無い事からほぼホンダのみの入札だったんですが、2014年頃からヤマハがFJR1300Pというグローバル白バイを作りEUやAUなんかでは既に走っています。

白バイまでもがグローバルモデル化する時代というわけなんですが、日本では2017年時点でもCB1300が多く納入されてます。

CB1300三兄弟

入札式なのにCBがまだ多い・・・それはつまりホンダが日本の白バイポジションを死守しているという事。

ガラパゴスであるCB1300の生産台数を底上げしてコストを抑える狙いもあるんだろうけど、イメージ戦略もあるでしょうね。

CB1300スーパーツーリング

ホンダはCB1300を車でいうところのクラウンにしたいんじゃないかと・・・既にもうそんな感じがしないでもないですが。

主要諸元
全長/幅/高 2220/790/1120mm
[2220/970/1215mm]
シート高 790mm
車軸距離 1515mm
車体重量 261kg(装) [266kg](装) {284kg}(装)
燃料消費率 25.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 21L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1284cc
最高出力 100ps/7000rpm
最高トルク 11.9kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後180/55R17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA9/EDPR9EA9
X24EPR-U9/X27EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前18|後39
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 1,113,000円(税込)
[1,218,000円(税込)]
{1,449,000円(税込)}
※ABS搭載モデルは+5kg&73,500円
※[]内はSB、{}内はST
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

CB1300 SUPER FOUR(SC54前期)-since 2003-

sc54

「感動のBIG-1」

2003年に出た三代目BIG-1ことCB1300SF/SC54型。

ユーザーフレンドリーにした先代が大好評だったのですが、今度は

「もうちょっと軽くして」

という声が多く聞かれるように。

そこで新型BIG-1は『20kgの減量』を目標に打ち立て、ほぼ全面維新と言えるダイエットが行われました。

sc54デザインスケッチ

まずエンジンはFI化に伴いロッカーアーム式から直打式へ変更し、フィンなど装飾や贅肉を削ぎ落とし8kgの減量。

足回りもスイングアームとホイールを再設計し、ダブルプロリンクも廃止したことで5kgの減量。

メインフレームも背骨をシングルからダブルにしたクレードルで7kgの減量。

その他にもマフラーを一本出しへ変更し、リアタイヤを190から180へ、テールのスリム化とLED化などなどで21kgもの軽量化に成功。

2003年式CB1300SF

聳え立つエンジンが何と言ってもSC54の特徴ですね。

これも本当はもうちょっとシリンダーを寝かせたかったんだけど

「それをしてしまったらBIG-1ではなくなる」

として何とかギリギリまで立てる事を大事にしたんだそう。

CB1300SF壁紙

ちなみに排気量を下げること無く軽量化しただけでなく、ホイールベースを短縮しポジションもコンパクトにしたためSC54型はBIG-1シリーズ一のスポーツ寄りなモデルになっています。

そしてもう一つ紹介しておかないといけないのが2005年に登場し、今では定番となったCB1300SUPER BOLD’ORです。

CB1300sb

ABS仕様の追加と、サイドカバーの形状変更による足付き改善を機に追加されたモデル。

これは高速道路の二人乗り解禁によって、ツーリングに使われる様になった事が背景にあります。

なぜボルドールなのかという話はもうCB750Fあたりで話したので省きますが、SC54のボルドールではもう一つ説明しておかないといけない事があります・・・ご存知な方も多いとは思いますが

『鈴鹿八耐』

です。

プロジェクトBIG-1チームはSC54へのモデルチェンジと同時に2003年の鈴鹿八耐に参戦しました・・・その名も

CB1300SF Type-R

CB1300SFタイプR

オーバーサイズピストンで190馬力を叩き出し、足回りはVTR-SP用のHRC製パーツを流用したレーサー。

VTR1000SPWやCBR954RRなど屈強なSS勢の中に混じって出場しました。

しかも『30位完走&クラス別優勝』というネイキッドにあるまじき立派な戦果。

この活躍により

「CB1300SF Type-Rを売ってくれ」

という要望が起こり、2004年に限定100台でレプリカを発売。

CB1300SFドリームスペシャル

・PIAA製HIDライト

・フレームマウントカウル

・モリワキ製フルエキ

・アルミ削り出しセパハン

などを装備したモデルでノーマルの1.5倍となる税別1,428,000円だったものの即完売。

この一件で

「カウル付けても受け入れてもらえる」

という事がわかり、CB1300SUPER BOLD’ORに繋がったというわけ。

CB1300スーパーボルドール壁紙

ただ八耐参戦を決めた際は、カウルの市販化はもちろんタイプRに装着することも原さんは考えていなかったそう。

しかし

「カウル無しで八時間は勘弁してくれ」

とライダーから懇願され付けたやむなく付けた経緯があります。

というかそもそもなぜ原さんは八耐に出ようと思ったのかというと、BIG-1がこのSC54で10年という節目を迎えたからです。

「その節目をオーナーたちと一緒に喜び合いたい」

という考え、会社に懇願して出場した。多くのBIG-1乗りが応援に来てくれて本当に嬉しかったとの事です。

CB1300SBスペシャルエディション

ちなみに言い忘れましたがBIG-1の生みの親である原さんも『無敵艦隊RCB』や『市販レーサーCBR1100R』を生み出したHERTのメンバーだった方なんですよ。

主要諸元
全長/幅/高 2220/790/1120mm
[2220/790/1215mm]
シート高 790mm
車軸距離 1515mm
車体重量 254kg(装)
[260]kg(装)
燃料消費率 25.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 21L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1284cc
最高出力 100ps/7000rpm
最高トルク 11.9kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58W)
後180/55R17(73W)
バッテリー YTZ14S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA9/EDPR9EA9
X24EPR-U9/X27EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前18|後39
チェーン サイズ530|リンク114
車体価格 980,000円(税込)
※ツートンは+10,000円
※[]内はSB、ABSは+6kg
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

CB1000R(SC60)-since 2008-

CB1000R/SC60

「PURE POWER,PURE PERFORMANCE」

先に紹介した欧州のキングオブCBことCBF1000のRバージョンになるCB1000R/SC60型。

Fよりピークパワーを重視した125馬力を発生させる正にFとRRの中間のようなエンジンを、CB600F HORNETのアルミバックボーンフレームに突っ込んだモデル。

CB1000Rフレーム

だから外見も中身もまんま欧州ホーネットなんだけど、何故かHORNETという名前は付きません。

CB1000Rフレーム

あくまでもキングオブCBのRモデルという事なんでしょうね。

そんなCB1000Rで面白いのがコレ。

CB1000Rフレーム

嫌らしいほど見せつけてるプロアームと手裏剣ホイール・・・じゃないですよ。

いやまあ確かにこれがSC60の最大の特徴なんだけど、それより注目してほしいのはリアサスペンションです。

CB1000Rフレームと言っても見えないので説明すると、このCB1000Rは俗に言うストリートファイター系ながらスイングアームとフレームを直接繋ぐリンクレスのダイレクトマウントになっている。

CB1000Rフレーム

これがリンクなんですが、これの狙いはテコの原理を応用したもので簡単に言うと奥で踏ん張るストロークにする狙いがあります。

サスペンションのストローク

オフロードから生まれた画期的な構造でスポーツバイクでは必須とも言える装備。だからCBF1000にも付いています。

しかしそれがCBF1000よりスポーツ寄りなCB1000Rではオミットされている。

何故か・・・それはCB1000Rの主戦場がストリートだからです。

サスペンションのダイレクト感

確かにリンク式にすると奥で踏ん張るサスにはなるけど、代わりに下の方ではあまりストロークせず、スイングアームの動きに対しズレが生じダイレクト感が損なわれてしまう。

これを嫌って”敢えて”ダイレクトマウントにしてあるんです。

CB1000R/SC60パンフレット

これはバネ下重量の軽減というメリットもあります。

これのおかげでCB1000R/SC60型はストリートを楽しめるハンドリングを持つバイクとして非常に高く評価されました。

主要諸元
全長/幅/高 2105/805/1095mm
シート高 828mm
車軸距離 1445mm
車体重量 217kg(乾)
燃料消費率 18.3km/L
※定地走行燃費
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 125ps/10000rpm
最高トルク 10.1kg-m/7750rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/50ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR9E-9HES
または
VUH27ES
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後44
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 1,519,000円(税別)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

CBF1000/A/GT(SC58)-since 2006-

CBF1000/SC58

「Sports Winner Every Time」

見た目こそホーネットとは大きく違うものの、基本コンセプトは通じているCBF1000のSC58型。

というのも、このバイクもホーネットと同じ様にスーパースポーツであるCBR1000RR/SC57型のエンジンを低速寄りに再セッティングし、スリムなバックボーンフレームに搭載したバイクだから。

CBF1000リア

ただ大きなフェアリングや、可変式スクリーン、落ち着いた二本出しマフラーなどを見ても分かる通り、長距離も熟せるツアラー要素が強く含まれています。

目に見えない部分としてはシート高を795mmから±15mmの変更が効く三段階の可変式な事と、何を積んでも大丈夫なよう屈強なシートフレーム。

CBF1000前期

しかし悲しかな、恐らくこのCBF1000を知っている人は少ない。せっかく知ってるのにCB1000Fと車名を間違えて覚えている人もいる始末。

この理由の一つは

『Honda Italia Industriale S.p.A.』

要するにイタリア製造(正確に言うとイタリア組立)のバイクで、日本には正規販売されなかったという事があります。

CBF1000壁紙

一応ホンダの逆輸入車を取り扱うパッセージが販売していたので手に入らなかったわけではないんですけどね。

では何故これほど知名度がないかと言えば

「日本人には理解出来ないから」

でしょう。

CBF1000各部

せっかくのSSエンジンなのに中低速重視のチューニングに、ステータス性も特に無い足回り。リアタイヤなんて160というリッターにあるまじき細さ。

「これ買うくらいならCB1300買うよ」

って人が圧倒的でしょう。

CBF1000カタログ写真

じゃあコレ何処の人がこれを買っているのかと言えば欧州の人で、公式のメインターゲットは欧州の30代以降のライダー。

恐らく他のページでも言っていますが、欧州人はビッグバイクを当たり前のように日常の足から週末のレジャーまでマルチに使う文化があります。

そうなった時にこの中低速重視で街乗りでも扱いやすく、かつ長距離クルージングも難なく熟せるCBF1000は非常に魅力的に映るわけです。

だから正確に言うとCBF1000は日本で理解されないバイクというよりも

「欧州人にしか理解出来ない」

と言った方が正しいですね。

向こうの人がCB1300を見たら、巨漢な上に二本サスだから

「これ買うくらいならCBF1000買うよ」

という人が圧倒的に多い。

ホンダCBF1000

これはどちらが正しくて、どちらが間違っているという話ではなく、文化の違い。

要するに日本のキングオブCBがCB1300なら、このCBF1000は欧州のキングオブCBというわけです。一応向こうでもCB1300SB(欧州名CB1300S)を売ってるんですけどね。

その文化の違いが分かりやすく現れているのがボックスを標準装備したCBF1000GTというグレード。

CBF1000GT

「ボックス装備=カッコ悪い」

という風潮がある日本では考えられないグレードである一方、向こうでは当たり前なグレード。

主要諸元
全長/幅/高 2155/780/1240mm
シート高 795mm(±15mm)
車軸距離 1480mm
車体重量 250kg(装)
燃料消費率 不明
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 98ps/8000rpm
最高トルク 9.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
または
U24FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格

1,470,000円(税込)
※日本未発売
※価格はパッセージより

系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

CB900 HORNET(SC48)-since 2003-

ホーネット900/SC48

「Naked Innovation」

250でお馴染みホーネットシリーズの長男坊であるCB900 HORNETのSC48型。

250や600と同じバックボーンフレームにCBR900RRの最終型であるSC33のエンジンを積んだモデル。

パワーカーブ

といってもエンジンヘッドもホーネット900専用となっている上にFI化されたもので、潔いほどピークパワーを捨て中低速に振ってあります。

いくら元がコンパクトなエンジンといえ排気量が排気量なだけに、ホーネットシリーズとしてはエンジンの存在感が強烈。

ホンダHORNET900

600よりもフレームは厚みやサスペンション口径を上げてあるんですが、このエンジンを無理矢理突っ込んでる感がまた良いですね。

ただまあそんな御託よりも900最大の魅力と言えばなんといってもシリーズとして唯一の二本出しである事でしょう。

ホーネット900のフレーム

デュアルショットガンサイレンサーという少し時代を感じさせるネーミングですが、900のみ許された装備。

非常にカッコ良いワケですが、これデザインだけではなく中低速での排気の図太さを音でもアピールする狙いも込められているんです。

ホーネット900のフレーム

それにしても

・ビッグバイクのエッセンスを持った250

・絶妙なエッセンスを持った600

・250のエッセンスを持った900

ホーネットシリーズ

ホーネットシリーズって本当に良く出来てるというか、綺麗にクラスを跨いだ数少ないバイクですね。

ちなみにホーネット900は欧州が主要ターゲットだったんですが『HONDA 919』という名で2007年まで北米でも発売されていました。

そして意外な事にジャパニーズネイキッドがあまり人気とは言えない地域なのに好評だった。

CB919

理由は色々あると思います。

北米の人には気軽なサイズとパワーだろうし、開発において重要視された下から湧き出す図太いトルクフィールが良かったのもあるでしょう。

HORNET900カタログ写真

でもやっぱり一番の理由は日本と同じ様に、オールドルックな中でひと際目を引くアグレッシブにカチ上がった二本出しマフラーかと。

主要諸元
全長/幅/高 2125/750/1085mm
シート高 795mm
車軸距離 1450mm
車体重量 218kg(装)
燃料消費率 27.0km/L
※定地走行燃費
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 918cc
最高出力 88ps/9000rpm
最高トルク 8.6kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.4L
交換時3.5L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前16|後40
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 820,000円(税別)
系譜図
ホーネット900/SC482001年
CB900 HORNET
(SC48)
CBF1000/SC582006年
CBF1000
(SC58)
/SC602008年
CB1000R
(SC60)
CBF1000F2010年
CBF1000F
(SC64)
/SC80 2018年
CB1000R
(SC80)

APE100/50(HC07-13/AC16-18) -since 2008-

2008エイプ

排ガス規制強化に伴いFI化されたApe50。そして驚きなことにキャブのまま規制を突破してきたApe100。イリジウムプラグと触媒それにエアインジェクションで何とかしたみたいです。

エアインジェクションっていうのは簡単に言うと燃焼で生まれた排ガス内の一酸化炭素などの有害物質にフューエル(燃料)ではなくエア(空気)をエアクリーナーボックスから吸い出して排気ガスにインジェクション(噴射)することで酸化無害化するシステム。今時のバイクには基本的に付いてます。それらの事もあってこのモデルからはバッテリーが積まれています。

2016APE50

ただ残念なことに2016年からの排出ガス規制EURO4には対応できなかったみたいですね。2012年の規制値の約半分だから無理か。

50はFI化でこのEURO4規制も視野に入れてたので存続。ということは100もFI化で2017-2018年ごろに出るとは思いますが、どちらにしろキャブモデルとしては最後になるのは濃厚でしょう。弄れるキャブ4miniとしてラストモデルと言えなくもない。

APE100

更にこのモデルから50/100どちらもType-Dが追加されました。

前後アルミキャストホイールに油圧式ディスクブレーキを採用したグレード。ノーマルのスチールホイール+ドラムブレーキモデルにプラス5万円弱です。お買い得かと言われれば微妙ですが、大きいのは”ディスク&アルミになった事”ではなく、ディスク&アルミになった事で”2kg減った事”ですね。

ただでさえ軽い4miniにおいて性能も耐久性もアップグレードしつつ2kg減らすというのは自分が痩せるより大変。

しかし毎度のことながら書くネタが思い浮かばない・・・というかエイプの方ばっかり色々紹介してるとモンキーやカブといった横型派から怒られそうですね。そのうちモンキーの方も修正します。

そうですね、皆さん「MONKEY」と「APE」の意味の違いを説明できますか?

モンキーとエイプの違い

MONKEYは尻尾の付いたまさに猿です。それに対してAPEはオランウータンなど尻尾がない猿、すなわち類人猿を意味しています。だから何?と思うでしょうがその言葉と意味こそがAPE50/100がどういうバイクかを表してるのです。

ニホンザルとオランウータン

類人猿は人類に最も近い存在と言われていますよね、それに習って

「最も人類に近しい(身近な)存在のバイク」

という意味を込めて付けられた・・・というのは有名な話ですが一体どこらへんが人類に近いのか色々と見て気付いたことがあります。

それは寸法、エイプの寸法は全長1715mm×全幅770mm×全高970mmです。小さくも大きくもないサイズ。じゃあそのAPEを類人猿だと思って見てみましょう。

動物を表すときは全長ではなく体長という事でちょっとエイプを立ててみます。

エイプの身長

するとエイプは全長171.5cm。これは20代男性の平均身長と同じです。更にフォーク幅27cm&スイングアーム幅26.5cmは足のサイズと同じ。

身長171.5cmで足のサイズが26.5cm~27.0cm・・・若干無理くりですが、少なくとも最も人類というか日本人に近しい大きさのバイクはAPEと見て間違いないでしょう。

散々言ってきた縦横も関係してるのかもね。APEは縦(立って)で走るわけですから。

主要諸元
全長/幅/高 1715/770/970mm
{1715/780/970mm}
[1710/770/970mm]
〈1710/780/970mm〉
シート高 715mm
車軸距離 1190mm
[1185mm]
車体重量 90kg(装)
{88kg(装)}
[84kg](装)
〈82kg(装)〉
燃料消費率 55.0km/L
[93.0km/L]
※60[30]km/h定地走行テスト
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 99cc
[49cc]
最高出力 6.3ps/8000rpm
[3.7ps/8000rpm}
最高トルク

0.67kgf-m/6000rpm
[0.37kgf-m/6000rpm]

変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/80-12 55J{〈65J〉}[54J]
後120/80-12 55J{〈65J〉}[54J]
バッテリー YTX4L-BS
[YTX4L-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SILR6A7S
SILR7A7S
[〈CR6HSA/U20FSR-U〉]
推奨オイル ウルトラG1
10W-30
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L|交換時0.9L
[全容量0.9L|交換時0.8L]
スプロケ 前15|後33
[前14|後46]
チェーン サイズ420|リンク104[110]
車体価格 313,950円(税込)
{366,4500円(税込)}
[162,500円(税込)]
〈309,750円(税込)〉
※{}内と〈〉内はDモデル
※[]内は50モデル
※08年モデル参照
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)

XR100/50(HD13/AD14) -since 2005-

XR100モタード

「Ride with the XR spirit.」

APEに始まったNプロジェクトの一環として作られたXRシリーズの末っ子XR100/50。今ホンダのNプロジェクトと言っても車の方と思われるでしょうね。

先に紹介したAPEベースの派生モデル。そもそもAPEの元がXR75なのを考えるとコッチが本流と言えなくもないんですが。

最低地上高を上げるためにマフラーをエンジンの横を通るように変更し、更にはディスクブレーキなども装着し性能アップ・・・なんだけどまあ見た目がXR250と瓜二つという遊びっぷり。

XR100モタード

先に出ていたベストセラーXR250(MD30)を本当にそのまま小さくしたようなバイク。

ココまでデザインを似せる必要性が合ったのか疑問に感じるくらい寄せてる。

XR100/50カタログ写真

豪華装備も相まってAPEよりも5万円も高い車体価格でした。

若者による若者のための若者のバイクという名目なんだけど、このXR100/50に限って言うと若者より遊びに生きるオジサマ達に人気でした。なんかそれを狙っていた気もするけどね。

主要諸元
全長/幅/高 1820/765/1000mm
[1785/765/1000mm]
シート高 750mm
車軸距離 1240mm
[1235mm]
車体重量 82kg(乾)
[79kg(乾)]
燃料消費率 53.2km/L
[86.0km/L]
※60[30]km/h定地走行テスト
燃料容量 5.7L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 99cc
[49cc]
最高出力 6.5ps/8000rpm
[3.3ps/8000rpm]
最高トルク 0.67kgf-m/6000rpm
[0.33kgf-m/5000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前後120/80-12 65J
バッテリー バッテリーレス
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6HSA/CR7HSA/CR8HSA
U20FSR-U/U22FSR-U/U24FSR-U
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L|交換時0.9L
[全容量0.9L|交換時0.8L]
スプロケ 前15|後33
[前14|後46]
チェーン

サイズ420|リンク110
[サイズ420|リンク116]

車体価格 304,500円(税込)
[252,000円(税込)]
※[]内はXR50モタード
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)

APE100/50(HC07/AC16) -since 2001-

APE50DX

「The Basic Fifty」

ホンダの若手エンジニアによるN(ネイキッド)プロジェクトとしてCB50S以来20年ぶりとなる縦型エンジンを積んだ新型原付として登場したエイプ。

若者向けに発売されたストリートトラッカーなのでただのファッションバイクかと思いきや、CBから受け継がれる五速ミッションにホンダ初となるバッテリーレス仕様で乾燥重量75kgと結構しっかり作り込んでる。

XR80

しかもモトクロッサーXR80Rのエンジンがベースだから速さ無いけど軽くて丈夫だった。カスタムベースとしても人気が出たのはこういう理由もあるでしょうね。

さて、突然ですが皆さんは縦型エンジンと横型エンジンどちらの4miniが好きですか。4miniっていうのは簡単に言うとちっこい弄れる原付の事です。

というのもエイプについてみんなが知りたいことは何だろうと少し調べてみたらやっぱり

“エイプorモンキー(ゴリラ)”もしく”縦型or横型”

という話題が非常に多かった。エイプやモンキーで検索してここを見てる人は迷ってる人が多いと思うので少しだけお話しましょう。

縦型エンジンの4miniといえばこのエイプ。横型エンジンならモンキーやカブや最近で言えばグロムが有名ですね。実はこの縦横エンジン問題は4mini層にとっては永遠の課題と言ってもいいくら非常に重要なファクターです。

じゃあ縦と横で何が違うのかって事ですが、まず横型から説明しましょう。

J型モンキー

横型エンジン最大のメリットは熱に強いこと。

一番熱くなるシリンダーそしてヘッドが前傾しているので風を全身で浴びることが出来る。弄る上で空冷は特に熱の問題は無視できないことで、パワーを上げようとすればするほど熱との戦いになるわけです。

よく冷えるということはそれだけエンジンにとっては良い環境なので耐久性も上がります。

次はエイプに採用されてる縦型エンジン。

エイプ100

見た目が一般的なバイクと同じ事からも分かる通りスタンダードな作りなんだけど、横型エンジンとの大きな違いとして二次側クラッチになっているので横型よりも元気にエンジン回すことが出来るスポーツ要素を持ってる。

その代わり横型で言った通り、熱に少し弱いです。モンキーなどの横型に比べ、弄れば弄るほど焼付きやバルブ曲がりなどの危険性は高くなります。

もしも

「メンテやカスタムの勉強も兼ねて弄り倒して遊びたい」

と考えているなら横型エンジンにしておいた方が無難です。耐久性もそうですが、カスタムの難易度、かかる費用なども横型の方が安い上に、カブやモンキーといった長寿バイクのおかげでパーツや情報なども豊富です。

クラッチの関係もあって伸びしろが有るのはエイプを始めとした縦型ですが金持ちや上級者向けです。あくまでもエンジンを弄る事を前提とした場合ですけどね。

エイプエンジン

つまり縦型は敷居が高く、横型は敷居が低いと覚えておいてください。

逆に弄る気は全く無いというなら好みの問題だからお好きにどうぞ。

何故二次側にクラッチが付いているエイプの方がスポーツ寄りなのか、今さらと言われるかもしれませんが説明しましょう。※ちなみにグロムは横型ですがクラッチは二次側に付いています。

下の写真のエンジンはGSXのものなので気筒数もレイアウトも少し違うんですが、細かいことは気にせずシャフトに注目して下さい。

シャフト

エイプ(というか写真のGSXを始め一般的なMT車)のクラッチはメインシャフトに付いています。それに対して横型エンジンは基本的に一次側(クランクシャフト)についている。

何故クランクシャフトではなくメインシャフトに付けたほうがスポーツなのかというとクランクが伸び伸びと回れるから・・・例えが下手ですね。

メインではなくクランクにクラッチという重量物を付けるとガソリンを燃やして力を発生させているクランクにおんぶ、重くする事になるからです。おんぶしながら走るより何も付けてないで走ったほうが速く走れる(回れる)のは想像がつくと思います。

ただ誤解しないでほしいんですが二次式が良く一次式は悪いという事ではないです。

クランクが重いということは回転運動に粘り(回転慣性力が強いので回転変動が小さい事)があるので回転数を上下させない巡航や低回転域での粘り、つまり実用域では横型の方が理にかなってるんです。

ホンダがビジネスバイクなどにも一次側クラッチの横型エンジンを多く採用しているのはこのためでもあります。ただこれはエンジンパワーが上がるとクラッチが持たないから一般的なバイクはみんな二次側に付けてるわけ。

すごく話がソレましたね・・・スイマセン。

言い忘れていましたが2001年にApe50が出て、Ape100は翌2002年からでした。

主要諸元
全長/幅/高 1715/770/970mm
[1710/770/970mm]
シート高 715mm
車軸距離 1190mm
[1185mm]
車体重量 87kg(装)
[80kg](装)
燃料消費率 53.2km/L
[90.0km/L]
※60[30]km/h定地走行テスト
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4ストローク
OHC単気筒
総排気量 99cc
[49cc]
最高出力 7.0ps/8000rpm
[3.7ps/7500rpm}
最高トルク

0.71kgf-m/6500rpm
[0.37kgf-m/6500rpm]

変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/80-12 55J[54J]
後120/80-12 55J[54J]
バッテリー バッテリーレス
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6~8HSA
U20~24FSR-U
[CR6HSA]
推奨オイル ウルトラG1
10W-30
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L|交換時0.9L
[全容量0.9L|交換時0.8L]
スプロケ 前15|後33
[前14|後46]
チェーン サイズ420|リンク104[110]
車体価格 249,000円(税込)
[199,000円(税込)]
※[]内は50モデル
※02年モデル参照
※カラーオーダーは+15,000円
※デラックスは+10,000円
系譜図
CB901970年
BENLY CB90/50
(CB90/50)
CY501973年
NautyDAX/R&P
(CY50/50J/80)
XE751976年
XE75/50/TL50
(XE75/50/TL50)
XL50S1980年
XL80S/50S
(HD04/AD03)
CB50S1980年
CB50S
(AC02)
2001APE502001年
APE100/50
(HC07/AC16)
XR100モタード2005年
XR100/50MOTARD
(HD13/AD14)
2008APE100d2008年
APE100/50
(HC07~13/AC16~18)