XL250/S/R(MD03) -since 1975-

XL250

汚名返上のために再度作り上げたのがこのXL250。

ただ正確に言うとXL250はどちらかというとSL250Sのマイナーチェンジに近いモデルで、リベンジの為に作り上げられたオフロードは3年後の1978年に出たXL250Sというモデル。

XL250S

このXL250S最大の特徴は市販車初となるフロント23インチの特大フロントホイール。

このモデルはエンデューロモデルのXR250と同時開発なんだけど、凄いのは4stオフ最大の欠点であった車重を振動を抑えるミッション兼バランサー機能を備えつつ20kgも軽減してる事。

XL250Sカタログ

4st最大の課題だった車重という問題をクリアしたとき、4stだからこその燃費の良さや低域での粘りなどのいわゆる”扱いやすさ”という本来の武器が明快に出た。そのおかげでこのXL250Sは林道ブームを巻き起こすほどの大ヒットとなりました。

勢いそのままに1981年にはXL250Rへとモデルチェンジ。

XL250R

専用6速ミッションやプロリンクなどを装備し走破性を更に向上させたモデルで十八番の赤フレームまで採用。

XL-R

MXワールドチャンピオン記念車や、パリダカ初優勝記念としてタンクを21Lにまで増やしキャリアを装着したパリダカ仕様まで登場しました。

XL250はホンダのオフロードバイクとしては初の成功車だった事から印象に残ってる人も多いと思います。

XL壁紙

ホンダの公式待受にもサラッと登場してたり。

主要諸元
全長/幅/高 2175/880/1130mm
[2175/875/1185mm]
{2170/865/1230mm}
シート高
車軸距離 1410mm
[1390mm]
{1385mm}
車体重量 148kg(装)
[128(装)]
{131kg(装)}
燃料消費率 40.0km/L
[50.0km/L]
{55.0km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
{9.0L}
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 20ps/8000rpm
[20ps/7500rpm]
{22ps/7500rpm}
最高トルク 1.9kg-m/6500rpm
[2.0kg-m/6000rpm]
{2.1lg-m/7000rpm}
変速機 常時噛合式5速リターン
{常時噛合式6速リターン}
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.00-18-4PR
[前3.00-23-4PR
後4.60-18-4PR]
{前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR}
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
分解時1.8L
[分解時2.0L
交換時1.3L]
{分解時2.0L
交換時1.3L}
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 268,000円(税別)
[282,000円(税別)]
{338,000円(税別)}
※[]内はXL250S
※{}内はXL250R
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

Dream SL250S(SL250) -since 1972-

SL250S

ホンダの本格トレールとして出たSL250S。海外向けはXL250という名前で発売。

いきなりですが実はホンダはSL250Sの前にもいわゆる未舗装を走ることを考えられたバイクを作っていました。それは1962年に出たCL72 SCRAMBLERという文字通りスクランブラーのバイク。

SL250S

当時はまだ明確な「オフロードバイク」という定義がなく各社とも手探り状態の時代。そんな状況の中でいち早く出たCL72は”オフロード走行に対するホンダの答え”だったわけです。

オンロードモデルCB72をベースにアップハンドル&アップマフラー、そして専用のシングルクレードルフレームにクランク新造と必死に答え求めて考え抜いた形跡が垣間見えるバイク。

でも残念なことに正解ではなかった。当時まだ未知の問題のジャンルだった”オフロードバイク”に初めて正解したのはヤマハ。CL72 SCRAMBLERの6年後の1968年に出たトレールDT-1です。

dt-1

深いストローク量を持つサスペンションにブロックパターンタイヤ、エンジンガードを兼ねたアップマフラー、何より単気筒を武器に低速からトルクフルで圧倒的な軽さと細さを持っていた事から大ヒット。いち早く問題に取り組んだホンダだったけど先に答えを導き出されてしまったわけです。

CL72 SCRAMBLERが間違えていた部分は二気筒エンジン。4st二気筒からくる取り回しの重さがオフロードの先駆車になれなかった最大の理由。

当時ホンダはレースで培った高性能エンジンとして並列二気筒エンジンを全面に押し出していた。つまり皮肉なことに結果を残していた強すぎるオンロードの考えをそのままオフロードに持ってきてしまった事が仇となった。

SL250S

それでもホンダは他社を真似ない精神、オフロードの答えはまだDT-1と決まっていないと、71年にCL250という後継を出しCLシリーズとして展開していきました。

しかしDT-1ブーム(オフロードブーム)の勢いは凄まじく一向に衰える気配がない。

指を加えてみている事しかできなかった営業や卸の堪忍袋も限界で

「DT-01に対抗できるバイクを出せ」

と突き上げを食らい、とうとう折れて出したのが1972年に出たこのSL250Sというわけ。

SL250Sカタログ

アルミリム、マグネシウム合金クランクケースカバー、強制開閉式キャブと当時としては贅沢な作り。そしてなにより単気筒・・・が、やっぱり4st。

この頃は2st全盛期で4stは車重やパワー面での見劣りを否めなかった。ましてオフロード車となると尚のこと。

実際ホンダもこのSL250Sとほぼ同時期にエルシノアMT250という2stオフを出した。だから本来なら2stほどの需要が無い4stオフSL250Sは要らないハズ。それでもなお出し続け止めなかったのは4stへのこだわりというかプライドの現れでしょうね。

このようにホンダのオフロード部門というのは、実は最初から成功を収めたわけではなかったんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2120/840/1125mm
シート高
車軸距離 1410mm
車体重量 136kg(乾)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 22ps/8000rpm
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 208,000円(税別)
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

CBR600RR(PC40最終) -since 2020-

2020CBR600RR

「Awaken the Race」

もう終わったものと思っていたらまさかの復活を遂げた本当に本当の最後になるであろうCBR600RRのPC40最終型。

2020CBR600RRデザインスケッチ

最初に変更点をあげると

【外側】
・クラス最小のCD値(空気抵抗係数)
・ダウンフォースを稼ぐウイングレッド(フロント荷重寄与)
・ヘッドライトとウィンカーのLED化
・急制動の検知でハザード点灯
・新設計スイングアーム(3mm延長/-150g/剛性見直し)

【内側】
・ロングリーチプラグによる冷却効率強化
・キャタライザーの大型化(EURO4対応)
・フルカラーTFT液晶メーター
・スロットルバルブの電子化と大径化
・吸気ポートの大径化
・バルブタイミングや材質の変更
・アシストスリッパークラッチ

【その他】
・5軸IMU(慣性計測装置)
・車体姿勢推定型ABS
・5段階の出力モード切替
・9段階のトラクションコントロール
・3段階のウイリー緩和制御
・3段階のエンブレ制御
・3段階の上下対応クイックシフター(※オプション)

という感じで、早い話がフル電子制御化(CBR1000RR/SC77から拝借)とピークパワーを上げる改良が施されました。

パワーカーブ

何気に日本国内としては17年目にして初めての正真正銘フルパワー仕様でもあるんですが、サーキット性能をアップさせることで主にアジアなどの市販車600レースに対応するためとの事。

ウィングレットなど見た目もCBR1000RR-Rの流れを汲む形になったことで

「CBR600RRもトラック至上主義に」

と思いがちなんですが、車体やポジションがほぼ変わっていない事から見てもキープコンセプト。

2020CBR600RRディメンション

コンセプトは何かっていうと前期でも話しましたが

『圧倒的な乗りやすさ』

です。

このPC40型は本当にSSの中で一番乗りやすいと言っても過言じゃないほどそれが極まってる。

分かりやすいのがポジションでCBR600RR/PC40はSSのわりにはかなり前傾姿勢が緩く優しい。SS慣れしている人間からするとツアラーかと錯覚するほどで、街乗りやツーリングにも無理なく使える乗りやすさがある。

ハンドリング

しかしその一方で主戦場であるサーキットを走ってもちゃんとフロントに安心感があってバッチリとハマるから

『乗りやすい=速く走れる』

っていう本当に反則級の優しさを持ってる。

これはホンダのファクトリーマシンである

「乗りやすさこそが速さに繋がる」

というRCV精神から来ているもので、それを忠実に再現しているのがCBR600RR/PC40の特徴であり凄い部分であり最終型でも変わっていない最大の武器。

2020年式CBR600RRデザイン

正直に言うともう新たに起こすほど開発費が掛けられなかったのも大きいんでしょうがCBR600RRの場合はそれで正解だったと思います。センターアップマフラーなんかその象徴かと。

ところで

「なんでもう最終型なの」

って話が気になっている人も多いと思うので時事ネタになりますが話すと、まず第一に2020年10月からの排ガス規制EURO5には対応せず滑り込むように8月末に発売された事が一つ。

2020年式CBR600RR発売日

そしてもう一つがご存知の方も多いと思いますがクラスの人気低迷。

600のスーパースポーツっていうのは日本以外だと欧州がメインターゲットだったんですが

・リーマンショック
・競争激化(過激化)による消費者離れ
・馬力(パワーウェイトレシオ)で区切る免許に統一
・上記に関連して保険も青天井

などによりブームが去ったというより市場が消え去ったに等しいものになったのが要因。

ドイツのバイク保険

スーパーバイク大好きなイギリスですらこのクラスはもう車種あたり年間30台前後しか売れていないんだそう。

この余波で市販600の存在意義である

『世界レースWSS(600ccの市販車世界レース』

も2022年からはトライアンフのDAYTONA765やドゥカティのPanigale V2(955cc)など規格をオーバーするモデルも参戦できるよう柔軟な変更が行われる予定になった。

つまりもう四気筒600の必要性が無くなってきちゃったわけです。

そんなもんだから

・日本メーカー(ライバル)も参戦は2021年まで
・ホンダはベイビーブレードをWSSに参戦させない※ホモロゲ(参戦資格)自体は取ろうと思えば取れる

という話も上がってます。

じゃあ公式でも言われている巨大市場のアジアはどうかというと、まだバイクが日用品の域を出ていない国が多い。

アジアでの600SS

趣味としてバイクを利用する人が増えてきている国としてはインドネシアがあるんだけど

『250cc以上で60%、500cc以上で125%の物品税』

という形になっているので売るに売れない。

唯一可能性があるのが大型二輪の関税が2017年末で撤廃され税金もそんなに高くないタイなんですが、世帯平均月収が3万バーツ(約10万)なのでさすがに160万円のミドルスポーツは厳しい。

サイドビュー

ついでに言うとお金持ち国家アメリカはオフロードとクルーザーがメインなうえ大排気量主義なので600SSは人気がありません。

最後と言えるのはこれらの理由があるからで

「このクラスを買える環境にあるのは日本のライダーだけ(誰も買わないけど)」

というなんとも皮肉な環境なんですが、これは言い換えるとレースベースとしてはアジア需要が第一にあるものの市販車としては

「日本のために出した意味合いが凄く強い」

という事。CBR600RRのフルスペック(フルパワー)仕様を正規で出せなかった歴史もありますしね。

レースベース

なかなか粋な事をするもんだって話ですが、さらに粋なのが最後の最後でこのカラーリングだった事。

ただこれが出た時このトリコロールカラーに二の足を踏む人が結構いましたね。野暮な話ですがそれも分からなくもない話。

というものCBR600RR(特にPC40型)は20~30代と比較的若くトラックとは少し距離をとってるライダーに人気だったこと事から、ホンダも街に溶け込むスタイリッシュなカラーリング展開をしていたから。

トリコロールカラー

この赤基調に青白ラインのトリコロールカラーに違和感を感じる人が出てくるもそういう背景があるから仕方がないという話なんですが、そう思ってる人に是非とも知って欲しいというか聞いて欲しい事があります。

「このパターンのトリコロールカラーは過去にもあった」

という事です。

それがいつかといえば1973年。

ドリームCB750FOURを市販車レースに出すために造られたCB750Racer。

1973年CB750R

初めて世界レースへ打って出た市販スーパースポーツであり、初めてRが付いたCBレーサーであり、初めてトリコロールカラーを纏ったモデル。

明らかにこれに通ずるカラーリングなんです。

これが偶然なのか意図したものなのかは分からない。

2020CBR600RRカタログ

でもどちらにしろ

「最後を飾るのにこれほど相応しいカラーリングはない」

と言えるんじゃないかと。

※補足:HRC/トリコロールの由来と一人の日本人レーサー|バイク豆知識

主要諸元
全長/幅/高 2030/685/1140mm
シート高 820mm
車軸距離 1375mm
車体重量 194kg(装)
燃料消費率 17.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 121ps/14000rpm
最高トルク 6.5kg-m/11500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SILMAR9C9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 1,460,000円(税別)
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

【関連車種】
YZF-R6の系譜GSX-R600の系譜ZX-6Rの系譜DAYTONA675の系譜

CBR600RR(PC40後期) -since 2013-

PC40後期

「躍動のスーパースポーツ。」

逆スラントノーズに変貌したCBR600RRのPC40後期。

最初に変更点をあげると

・先代比-6.5%のDS値(空気抵抗係数)
・ラムエアダクト変更による高域トルク向上
・ビッグピストンフォーク
・12本スポークホイール

などなど。

メインで6年ぶりのモデルチェンジとしては比較的小規模で車重は+2kgとなりました。

2017CBR600RRデザイン

「Stoic & Dynamic Form」

というコンセプトによって造られたデザインによりオマケ程度しかカウルがついてなかった前中期から全体を覆うレーサーライクな物に変更。水平に切られたセクシーなサイドカウルの合わせ目は1000RRを思い出しますね。

ちなみにこのデザインの最大の理由は空気抵抗をへらすことで今回のモデルチェンジの最大の売りは、カッコいい12本スポークでもビッグピストンフォークでも上から見るとライトが無いように見える逆スラントライトでもなくこのエアロダイナミクス。

CBR600RRエアロダイナミクス

今までCBR600RRはエアロダイナミクスを一切公開してなかったんだけど、今回に限ってはコレでもかというほどアピールしててRC212Vを引っ張りだしてまで比較。何故ならあのRC212Vに匹敵するほど優秀だから。

画像を見るとベタ伏せのレーシングポジションでの比較で一般ライダーは関係ないと思うかも知れませんが、一般的なポジションでも

『先代比-6.5%』

を達成してる。

このCD値(空気抵抗係数)っていうのは結構軽く見られがちなんだけど、サーキットにおけるトップスピード向上はもちろん一般用途においても燃費や加速そして風による疲労が軽減されるので実は凄く性能に直結する部分だったりします。

逆スラントですがこうなったのもこれが関係していて、一つはいま話した空気抵抗を減らす事。

チンスポイラー

アッパーカウルの裏側に整流用のスポイラーを付けることで空気抵抗を減らし、リフト量(車体を持ち上げようとする風の力)も抑える事でフロント荷重の改善化している。

ただこの顔にはもう一つ大きな特徴がある。それはラムエアダクト内にある防水プレートを2重スポイラーにしたこと。

逆スラント化で導風性を上げたんだけど、すると今度はスラントでは問題にならなかったエアクリーナー内で気圧の乱れという問題が起きた。

ラムエアインテークシステム

エアクリーナーボックス内の気圧が乱れるのは当然ながら吸気によろしくない。

そこでダクトから入ってくる空気の圧を二回に渡って捌き、スロットルボディボディまでに均等に慣らしてるというわけ。

つまりこの後期型は

『超エアロフォルム』

っていうわけですね。

最後にちょっと小話。

Moto2へのエンジン供給そしてレースベースこそ2017年も発売しWSS(市販車600レース)への出場もするものの、市販車CBR600RRはEURO4規制に準拠していないアメリカを除き販売終了。

レプソル600RR

つまり規制によって生産終了するわけですが

「規制に対応出来ない」

ではなく

「規制に対応しない」

というのが実情でしょう。理由はズバリ600SSブームが去ったからなんですが、じゃあブームの頃はどれだけ売れてたのか・・・少し調べてみました。

先ずホンダの年間販売目標(国内仕様)で比べてみると、ピークだった2007年のPC40前期は1500台/年。それに対してこのPC40後期は300台/年。単純計算で1/5にまで縮小している。

では肝心の実売はどうだったのか2016年の販売台数を調べてみるとCBR600RR(13~)はランク外で正確な数字は分からず・・・少なくとも300台未満なのか確実。

レプソル

数々の600レースを総ナメにしたCBR600RRですらこれほど厳しいのが現実。

まあでもこれは全体を見た話で、オーナー目線で見ると最も被らないCBR600RRって事で所有感は一番満たされるモデルでもある。

主要諸元
全長/幅/高 2030/685/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 189kg(装)
{199kg(装)}
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/12000rpm
[119ps/12600rpm]
最高トルク 5.3kg-m/10000rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
VUH24D
[IMR9E-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,098,300円(税込)
※{}内はABSモデル
※ABSは+168,000円
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC40中期) -since 2009-

PC40後期

「妥協なきスポーツパフォーマンス。」

基本的には前期と変わらないんですが自主馬力規制撤廃で78馬力になったので分かりやすいように中期とします。

ピークを上げた事で騒音規制に引っかるようになったのか剥き出しだったエンジン部分が吸音材入りカバーで覆われているのが特徴。

パワーを上げるに伴い一応吸気ポートの表面処理の変更など細部の改良も施されてるんですが、中期と区切った一番の理由は

『コンバインドABSモデルの追加』

にあります。

コンバインドABS

これはすごく簡単に言うとブレーキの電子制御化(ブレーキバイワイヤ化)によって可能となったABSシステム。

普通ブレーキというのは

ブレーキを握る

ブレーキフルードがキャリパーそしてピストンを押し出す

ピストンがブレーキパッドをローターに押し付ける

ブレーキが効く

という感じなわけなんですが、このコンバインドABSはブレーキを握ったり踏んだりしてもそのままキャリパーピストンへは向かわずバルブユニットが電気信号に変えてECUに送る。

2009PC40ポスター

ブレーキを握る

ブレーキフルードがECU側に圧をかける

ECUが圧を測定し独自のラインから圧をかけてピストンを押し出す

ピストンがブレーキパッドをローターに押し付ける

ブレーキが効く

という感じで、受け取ったECUがブレーキの強さを計算し最適な入力になるよう補正を掛けてパワーユニットのモーターを動かしてブレーキを掛けるという仕組。

ECUが起きてないエンジンOFF時などはバルブユニットを通してそのままブレーキが掛かる従来通りのシステムになっている。

これの最大のメリットはパニックブレーキによる握り転け(フロントをロックさせてガシャン)を防げる事・・・でもこれだけなら既存のABSでも同じというか二輪のABSはそれを防ぐためにある。

「じゃあコンバインドABSは何が違うのか」

というとフロントがロックするとECUが判断した場合リアブレーキを自動で開始し最短で止まれるプロ並みの急制動をしてくれるというわけ。しかもブレーキバイワイヤなのでキックバックもない。

2009PC40ポスター

雨の日でも躊躇なくフルブレーキングを掛けられる人なら要らないかもしれませんが、そうでもない限りは恩恵は大きい。

ユニットを4つも積まないといけない事から10kgも車重増してにしまったわけなので

「なんでSSに付けるんだ」

っていう声もありました。

気持ちは分からないでもないですが安全のためなら安いものだし、何よりこのシステムは元をたどると

『HRCレーサーRVF(R-CBS)』

から来ているこれもレース直系の技術だったりするんですよ。

そう考えると半レーサーであるCBR600RRに搭載されるのもそんなにおかしな話では無いかと・・・まあABSモデルは車体価格の関係もあって全体の2割にも満たなかったらしいですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2010/685/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 187kg(装)
{197kg(装)}
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/12000rpm
[119ps/12600rpm]
最高トルク 5.3kg-m/10000rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
VUH24D
[IMR9E-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,098,300円(税込)
※{}内はABSモデル
※ABSは+168,000円
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC40前期) -since 2007-

2007CBR600RR/PC40

「True to The Function(真の機能とは)」

600SSの熱がちょうどピークに達していた頃に出てきたCBR600RRのPC40型。

PC40ポスター写真

デザインに目が行きがちなんですが一番大きく変わったと感じるのは何よりポジション。シート高こそ先代と変わらない820mmですが形状見直しで足付きが、ハンドルが上げられたことでポジションがそれぞれ優しくなりました。

とはいうもののホンダにとって特別な称号であるRRという名を付けているだけあって最新技術を奢られたスーパースポーツである事に変わりはなく、数字的な事で言うと更なるコンパクト化が計られ車重も

「装備重量で187kg(先代比-7kg)」

ともはや心配になるほど驚異的な軽量化となったわけですが、ここまで軽くするためにもちろん様々な事をやっています。

・メインとカウンターを寄せ上げエンジン長を短縮
・フレームをフルダイキャストの4ピース構造にし肉薄化
・ピストンに高純度モリブデンを着床させピストンリング肉薄化
・コンロッドの再設計

CBR600RRシャーシ

他にもカウルの大幅な肉抜き・・・などなど、などなど。

グラム単位での軽量化を積み重ねの末に達成したクラス最軽量600SS。カッコいいだけのセンターアップマフラーを採用したままでこの車重は凄い。

2007pc40

言い忘れていましたが1000でお馴染みの電子制御式ステアリングダンパー

『HESD(ホンダ エレクトロニック ステアリング ダンパー)』

も採用しています。

それにしても何故ホンダがこれほどまでに軽量化に舵を切ったのかといえばRRというのは元々ライトウェイトである事が至上命題とされていたから。

PC40

そのこだわりは車体だけに留まらずなんとタイヤにまで至っています。

「標準(OEM)タイヤはコストカット品だから良くない」

という声を聞きますがこのPC40が履いていたBT-015(CBR600RR仕様)はコストカット品じゃない・・・これ重量カット品なんです。タイヤに至るまで軽量化に余念が無いっていう。

ただもう少し掘って話すと単純に軽くする事が狙いというわけではなく

「軽さこそが扱いやすさ、そして速さに繋がる」

という考えの元に軽くすることに心血を注いでいるのが正しいコンセプト。

PC40ポスター写真

『600史上最小&最軽量』

としつつもポジションを優しめに改良したのもそういう事から。

実際PC40型は非常に乗りやすく日常でも使える優しさを持っていると言われる一方、世界レースでも連勝を伸ばし6連覇を達成するほどレースベースとしても非常に優秀でした。

CBR600RRコニカミノルタ

ちなみにこれは2007年のMotoGPマシンRC211V(コニカミノルタ・ホンダ・チーム)を模したスペシャルエディション。

本家を超えるほど似合っていたためか今でも非常に人気があるカラーリングだったりします。

主要諸元
全長/幅/高 2010/685/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 187kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[119ps/13800rpm]
最高トルク 5.2kg-m/11500rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9HES
[IMR9C-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,076,250円(税込)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC37後期) -since 2005-

06CBR600RR

「RR Revolution.」

期待通り二年でモデルチェンジしたPC37後期モデル。ぱっと見変わってないように思えますがフラッグシップスポーツなだけあり随所で改良が行われました。

フレームマウントやスイングアーム、マフラーといった重量物の設計を見直して5kgもの軽量化。更に足回りもフロントフォークが要望が多かったのか販売店からの突き上げにあったのか正立から倒立に変更され、ブレーキもトキコのラジアルマウントキャリパーとSSのトレンドに合致した足回り。

顔つきもラインの影響か結構変わったんですが、この頃の600RR(PC37)はその少し強面な顔の通りホンダとしては結構スパルタンなモデルになっています。

pc37後期

分かりやすいのがポジションで、このモデルまではハンドルが少し低くキツめで

「ストリートとサーキット双方の王者」

と言う謳い文句でしたが結構サーキット寄りでした。※あくまでも600RRとしては

まあこれはCBR600Fが主要市場の欧州などではまだ存続していた事も関係しているんでしょうが、CBR1000RRを含めこの頃のRRはちょっと異質というかレースにかなりウェイトを置いていたRRと言えるかと思います。

ちなみにそれなだけありPC37型は肝心の市販600世界レース(WSS)においてデビューイヤーの2003年から4連覇、つまり出たレース全部で総合優勝を果たしています。

モビスターカラー

これはその記念に出されたモビスターカラー。

ちなみに日本国内のST600(改造範囲が狭いクラス)でも4連覇しており本当にセールスもレースも敵なし状態でした。

ところで言い忘れていたのですがCBR600RRはPC37前期の頃から国内仕様がありました。

ある程度の加工で100馬力近いスペックのセミフルパワー化は可能になるんですが、完全フルパワー化しようと思ったらカムシャフトも変える必要性があり少しハードルが高かった。

お節介だとアッチコッチで言われたんですが、これは低域での乗りやすさを考えてのことだし何よりカムが国内向けと国外向けで違うのは別に600RRに始まった事でもホンダだけの事でもないんですけどね。

06CBR600RRリア

なのに大きく話題になったのはそれだけCBR600RRが人気だったという証でしょう。

主要諸元
全長/幅/高 2010/690/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 194kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[118ps/13250rpm]
最高トルク 5.2kg-m/7500rpm
[6.0kg-m/10750rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9HES
または
VUH24D
[IMR9C-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 966,250円(税込)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC37前期) -since 2003-

2003年式CBR600RR

「Innovative Wonder(驚異の革新性)」

初代CBR600RRことPC37前期型。

先ず何故ホンダがこのようなバイクを出したのかというと、自身がCBR600Fで切り開いたミドルスポーツクラスが欧州で加熱し市販車世界レースの一つのクラス(WSS:スーパースポーツ)になるまでになったことが一つ。

そしてもう一つは世界最高峰レースであるMotoGPが2stから4stに移行したことがあります。

RC211V

見比べてもらっても分かる通りCBR600RRはMotoGPマシンであるRC211V(ホンダ初の4stGPマシン)を強く意識したデザイン。本当にソックリですよね。

レースやサーキットを強く意識する必要があったためほぼほぼ完全新設計で

・デュアルインジェクション(PGM-DSFI)
・アルミダイキャストシートフレーム
・ユニットプロリンク

などなどホンダの持ちうるレース技術が総動員されたような形になっています。

2003CBR600RR

まず目立つのはやっぱりエンジンで、主要三軸のトライアングル配置は勿論のことエンジンスターターをわざわざ右側に持ってきてジェネレーターを中央へ押し寄せるなど

「とにかく小さく短く細く」

という創意工夫が至る所で行われている。

もちろんパワーも大事でエンジンには

・VTR1000SP譲りの浸炭ナットレスコンロッド(140g減)
・スカートを短く出来る新型スリッパーピストン(8g減)

などを採用。

2003pc37

たかがグラムと思うかもしれませんがピストンとコンロッドというのは往復運動をする最も忙しなく動く部分で、掛け算で膨れ上がっていく慣性重量を軽減しレスポンスを上げるには最も効果的な部分。

足回りもワークス直系の

・アルミ製ハイブリッドスイングアーム
・ユニットプロリンクリアサスペンション

などレース技術のフィードバックにあんまり積極的じゃないホンダらしからぬ本気度が見て取れる直系っぷり。

2004年モデル

ここまでやって正立フロントフォークっていうホンダらしさというかCBR900RRを彷彿とさせるこだわりがなんとも面白いんですが、コレはコレでホンダとしては最大サイズとなる極太フルアジャスタブルフロントフォークで安物ではありません。

正立の採用理由は間違いなく軽量化でしょうね。

・・・でもですね、多分CBR600RRを買った人やカッコいいと思ってる人の多くはそんなテクノロジーに惚れたんじゃなくてこのセンターアップマフラーに惚れた人が大半ではないでしょうか。

CBR600RRエンジン

合理性を何よりも求められるSSにおいて

「カッコいいから」

という至極単純な理由で採用されたセンターアップマフラー。

2003pc37

熱いし重いしマスの中心化に不利・・・なのを補って有り余るカッコよさ。

主要諸元
全長/幅/高 2010/695/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 199kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[118ps/13000rpm]
最高トルク 5.2kg-m/7500rpm
[6.7kg-m/11000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9H
または
VUH24D
[IMR9C-9H]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 890,000円(税別)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR650R/CB650R(RH03)-since 2019-

RH03

「The Future of the Modern Sportbike」

650Fの後継となるCB650RとCBR650Rで型式はどちらもRH03型。

Rという末尾からも分かる通り先代よりも軽量化と足回りの強化でスポーツ志向なモデルとなりました。

CB650RとCBR650R

最初に主な変更点を上げると

・フレームの形状及び製法の変更

・ホイールの変更

・ボトムブリッジのアルミ化

・倒立フロントフォーク

・ラジアルマウントキャリパー

・エンジンの見直し

・給排気系の見直し

・トラコン&ABS

・フルLED化

※クイックシフター(UPのみ)

※グリップヒーター

※ETC2.0

※アクセサリー電源

などなど。※はオプション

CBもCBRもステップとハンドルを下げてかなりヤル気なポジションになってますね。

CB650R/CBR650Rポジション

ハンドリングも倒立フォークとボトムブリッジのアルミ化などでフロント剛性をかなり上げているのでSSの様なキビキビ系にされています。

ただその一方でメインフレームは綺麗なスチールフレームからは大きく変えずサスもダイレクト感重視のリンクレス。

CB650R/CBR650Rフレーム

「あくまで主戦場はストリート」

という事を主軸においているのが分かりますね。

そういえばCB250Rやcbr600fで説明し忘れていたんですがネイキッド版のCB650Rの方はシリーズの例に漏れず特別塗装の赤を採用したモデルが用意されています。

CB650R赤

『キャンディークロモスフィアレッド』

という色です。

光の透過率を格段に向上させ見る角度によって豊かな立体感を実現した三層構造の塗装。

キャンディークロモスフィアレッド

なんでもこれは一層目に赤顔料と反射率の高い『高輝度着色アルミフレーク』と呼ばれるものを『配向制御』といって重ならず平らに敷き詰める様に塗り、その上から透明度と彩度の高い赤顔料を塗ることで可能にした色との事。

車も知る人は

ソウルレッド

「マツダのソウルレッドじゃん」

と思うかもしれないですね、人気ですし。

ただ実はこの『配向制御』を一番最初にやった日本メーカーは他ならぬホンダなんです。

スーパープラチナメタリック

2005年に発売されたシビックの『スーパープラチナメタリック』という色が国産初。

実はホンダの方が先にやってたんですね・・・この時マシーンシルバーとかソウルシルバーとか銘打ってアピールしていれば。

話がズレてきたので戻しますがCB-Rシリーズの中でも650はCBRとの兼ね合いもあってか比較的スタンダード・・・というか250と1000が突き抜け過ぎてるので良識あるCB-Rと言ったほうが良いかと。

CB650Rネイキッド

ただCB650Rが兄弟車より突き抜けてる部分も勿論あります。

今どき珍しい中低速重視の直四な事から直四を気軽に楽しめる事もあるんですが、何よりエキゾーストパイプですね。

CB650R壁紙

CB400FOURを彷彿とさせる集合管。

先代からの物がベースで排気の音質をアップさせたものなんですが、まるで外装をエキパイに合わせるかの様に変更した事でシリーズで一番ネオレトロ感が強いモデルになりました。

そしてもう一つのフルカウルバージョンであるCBR650R。

CBR650R/RH03

CBR1000RRと区別がつかないほどの戦闘的なルックスになったというか、サイズから見ても存在感はこっちのほうが大きかったりします。

CB650Rとの主な違いとしてはセパハンによる前傾ポジションもそうなんですが大きいのはエアクリーナーボックス。

CBR650R吸気

前後から吸う形にして安定性を取り低速重視にしているCB650Rに対し、CBR650Rはラム圧を稼げるように前方からストレートに吸えるスーパースポーツ系と同じ形にして高速重視に。

だから実はレスポンスが結構変わっています。

ところで少し小言を言わせてもらうとCBR650Rってアレですね・・・

CBR650RとCBR600F4i

CBR600F4iの再来ですよね。

F4iを知る人ならCBR650Rは

「F4iにABSとトラコンが付いたモデル」

といえばこれ以上の説明は要らないかと思いますが詳しく知らない人に説明すると、系譜を辿ると分かるように元々このクラスはCBR600Fがオールラウンダー直四スポーツとして人気が出たことで確立されたクラスです。

そこから人気とともに性能競争が激化した事でCBR600Fもスポーツ性を上げるモデルチェンジを繰り返し最終的にCBR600RRへとなりました。

CBR600の歴史

その中でCBR600F4iはあくまでストリートバイクだったCBR600Fをベースにスポーツ性を高めた最終モデル。

だからスポーツなのかスーパースポーツなのか非常に微妙な立ち位置でした。でもその微妙な立ち位置のおかげで街乗りからツーリングはもちろんの事、サーキットからジムカーナから果てはエクストリームまで色んな部門で重宝される本当にオールラウンダースポーツでした。

そしてこのCBR650R。

CBR650Rイギリス仕様

ストリート重視のオールラウンダーCBR650Fのスポーツ性能を高めたモデル・・・そうF4iと全く一緒なんです。

・厳し過ぎないポジション

・低域からトルクフルな直四

・100万円を切るコストパフォーマンス

などの特徴、そしてスポーツなのかスーパースポーツなのか非常に微妙な立ち位置まで一緒・・・でもだからこそ同じ様に何でも出来るし、何でも楽しむ事が出来る。

CBR600R壁紙

これはスペックが求められたSSブームが去った今だからこそ許されたモデルでしょうね。

FでもRRでもなく『シングルR』という名が本当によく似合ってる。

主要諸元
全長/幅/高 2130/750/1150mm
[2130/780/1075mm]
シート高 810mm
車軸距離 1450mm
車体重量 207kg(装)
[202kg(装)]
燃料消費率 21.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 15.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 648cc
最高出力 95ps/12000rpm
最高トルク 6.5kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
または
U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク118
車体価格 923,400円(税込)
[999,000円(税込)]
※[]内はCBR650R
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

【関連車種】
MT-07の系譜GSX-S750の系譜Ninja650/Z650の系譜空冷MONSTERの系譜

CBR650F(RC83後期) -since 2017-

2017CBR650F

EURO4への対応を機にマイナーに近いモデルチェンジした新型のCB650FとCBR650F。

主な変更点としてはヘッドライトのLED化を始めとした外装の変更、フロントフォークのデュアルベンディングバルブ(SDBV)化など細部のグレードアップ的なもの。

ディアルベンディングバルブ

NC750Xにも採用されて向こうで説明したけどこのSDBVっていうのは簡単にいうと既存のフロントフォークのままコンフォート性能を向上させることが出来るサスペンション。ハーレーの一部の車種も採用していたりします。

他にも吸排気の見直しで3kW(4馬力)ほどアップしている模様。

CB650F
(RC83後期)
-since 2017-

2017CB650F

相変わらずエキゾーストパイプが綺麗ですが、エンジンカバーが色分けされた事で600RR譲りの主要三軸のトライアングル配置アピールも効いてますね。

さてさて・・・もう先代で言いたいことは言ってしまったので書くことも無いのですが、改めて650Fについて調べてわかったこと。それはデザインです。

2017CB650F/CBR650Fフロント

語るほどのデザインじゃないとお思いでしょう・・・正直同感です。

このデザインの流れを作った先々代のCBR600F(PC41)いわゆる第二世代600Fのデザイナーはメイン市場がイタリアということでイタリアの・・・イタリアホンダの・・・・すいません名前を失念してしまいました。

2017CB650Fリア

まあとにかくイタリアの方なんですが、デザインコンセプトとしたのは

「10年後にもっと好きになるデザイン」

だったそうです。

このコンセプトを見た時、コレほどまでにこのバイクを表す表現は無いのではなかろうかと、掴みどころがないと言った事を恥じるほど感心しました。

2017年式CB650F|CBR650F

見た目もそれほど美味しそうではなく、少し噛んだくらいでは味がない。もういいやとアゴが疲れてきた頃になって濃厚な味が出てくるスルメみたいなバイク。

それが30年以上も系譜が続いているCBR650FそしてCB650Fの武器であり魅力ではないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2110/780/1075mm
[2110/755//1145mm]
シート高 810mm
車軸距離 1450mm
車体重量 208kg(装)
[213kg(装)]
燃料消費率 21.4km/L
※WMTCモード値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 649cc
最高出力 90ps/11000rpm
最高トルク 6.5kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
または
FTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
または
U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク118
車体価格 923,400円(税込)
[999,000円(税込)]
※[]内はCBR650F
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)