CB400SF(NC31)-since 1992-

CB400SF

「PROJECT BIG-1」

皆さんご存知CB400SFの始まりとなるNC31型。

勘違いされがちなんですがPROJECT BIG-1の意味は

『水冷4stDOHCのライダーを魅了するバイク』

という意味でCB1000SFだけのコンセプトではありません・・・というかPROJECT BIG-1の第一弾は何を隠そうこのCB400SF。

プロジェクトBIG1

ただこのCB400SFが出た当初はゼファーが売れていた事もあって

「ゼファーのパクリ」

とか

「水冷ゼファー」

とか酷い言われようでした。今では考えられないですね。

このCB400SFが造られたのは先代でも少し話しましたがCB-1が思ったほど人気が出なかった事にあります。

そこで岸デザイナーがCB-1にCB1100Rのタンクを被せてみたら奇跡の様にシックリ来た。

CB400SFラフスケッチ

これがBIG-1の始まりになります。

もう何十年も前なのに古さを感じさせないデザインがその完成度の高さを物語っていますね。

NC31ジャケット

が、しかし・・・CB400SFが400市場の天下を取ったのはデザインが優れていたからだけではありません。

どちらかと言うと後追いに近いCB400が何故天下を取れたのかと言うと

「圧倒的な完成度だったから」

この一言に尽きます。

CB400SF教習車仕様

毎日ドッタンバッタン倒され、変なクラッチの繋ぎ方をされる最も過酷な環境とも言える教習車としてもベストセラーとなった事を鑑みてもそれは疑いようがない。

走りも完璧、品質も完璧、そしてスタイリングも完璧。

CB400スーパーフォア

CB400SFは特徴が無いのが特徴と言われますが、そう言われる理由は本当にネガな部分が何も無いストレートなバイクだから。

そしてだからこそ400の王道にまで上り詰める事が出来たんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2085/735/1080mm
シート高 770mm
車軸距離 1450mm
車体重量 193kg(装)
燃料消費率 34.7km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 53ps/11000rpm
最高トルク 3.7kg-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9/CR9EH-9
U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.7L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 589,000円(税別)
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

CB1300SUPER FOUR(SC40)-since 1998-

SC40

「MAXIMUM IMPROVE」

CB1000SFの後継にあたる二代目BIG-1ことSC40が出たのは6年後の1998年。

ナンバリングからも分かる通り排気量が1284ccにまで大幅アップ。これはCB1000SFの人気により端を発したビッグネイキッドブームでCBよりも排気量が大きいバイクばかりになったから。

どうしても退けを取ってしまうという声が大きくなり、またセールスも落ち込んできた事から新たに開発されたわけです。

SC40デザイン

ちなみに先代でも言った通り、まだ限定解除の時代で市場は大きくなかった事からエンジン開発費をCBだけでペイするのは難しいという事で同時開発され先に出たのが『X4/SC38』というバイク。

X4

エンジンはこれがベースというか共有で、X4よりも上を伸ばす様に給排気を再設計。

他にも

・二本出しマフラー

・異径対向6ポットキャリパー

・前後17インチだけどリア190サイズ

などでビッグバイクらしさに更に磨きがかかったわけですが、SC40の特徴といったら何と言ってもこれ。

リアサスペンション

『ダブルプロリンク』

と呼ばれるホンダの市販車としては初のリアサスペンションです。

これの何が特徴的なのかという話なのですが、一般的な二本サスのネイキッドタイプに採用されるフレームとサスを直接結ぶスイングアーム方式ではリア(アクスル)が沈んだ分だけサスペンションも比例して沈むようになっています。

そのため浅い時は柔らかく、深い時は踏ん張れる様に二段バネ(ダブルレート)を使う様になっています。

シングルレートとダブルレート

しかしこれはバネの働きに全てを依存する形になるので、柔らかいレートのバネが縮みきって硬いレートのバネに差し掛かった時に挙動が変わってしまう。

Wプロリンク

そこでストロークをバネで調整するのではなくリンクを介しそもそものストローク量を調整しようというのがリンク式で、それをツインショックに応用したのがSC40のダブルプロリンク。

これのおかげでSC40は高性能と言われるリンク式モノサスと変わらぬプログレッシブな(浅い時は柔く、深い時はコシのある)動きをします。

BIG1のリアサスペンション

リンク式だからスプリングもネイキッドなのにシングルレートっていう異様さ。

でも二本サスだからシート下には収納スペースがあるっていう。

「じゃあなんで他のネイキッドは採用しないのか」

という話なんですが、バネ下重量の増加やコストなどもあるでしょうが恐らく一番は見た目の問題かと。

ダブルプロリンク

こう言ってはアレだけどちょっと不格好なのが否めない。

ただSC40の場合は二本出しマフラーで上手く隠しているから気にならないんですが。

SC40カタログ写真

もしかしたらこの為に二本出しにしたのかもしれないですね。ちなみにこのプロリンクを推したのは原さん。

あとこれは原さんの証言ではないのですが、エンジンの冷却フィンも恐らくそう。

2000年式CB1300SF

もともと原さんはCB1000SFにも冷却フィンを付けるつもりでした。

でも多数決を取ったらみんなフィン無しの方がカッコイイとしてフィンを設けられなかった背景があったんです。なのに二代目になってフィン有りに・・・どう考えても原さんが怪しい。

SC40はもうこれでもかって程の装備を奢ったため、車重も+13kgで装備重量で273kgになりました。

とはいうものの、実はSC40はその巨漢に似合わず先代よりとっても優しいBIG-1。

新旧比較

写真だとちょっと分かりにくいのですが、バックボーンフレームにしてポジションを少し起こしシート形状も見直した事でシート高-10mmという数値以上に足付きが改善。

これはユーザーからもうちょっと乗りやすくしてほしいという声が多かったから。

前後17インチにしたのもハンドリングを自然なものにするため・・・でもそのかわり190にサイズアップっていう譲歩しているんだかしてないんだか分からないBIGさ。

ただ乗りやすくなったのは事実で、その声に応えた事と大型二輪の免許制度改正が追い風となり、SC40は98-99年と二年連続で大型部門販売台数一位を記録。

SC40エンジン

更に最終年の2000年後半モデルでは

・SSと同じ4ポットブレーキ周り

・マフラーやホイールの肉薄化で5kg軽量化

・ハンドルを少し手前に

などが行われています。

SC40カタログ写真

物怖じしてしまう佇まいを持ちつつも、実はとっても優しいBIG-1でした。

主要諸元
全長/幅/高 2200/780/1165mm
シート高 790mm
車軸距離 1545mm
車体重量 273kg(装)
燃料消費率 21.6km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 21L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1284cc
最高出力 100ps/7500rpm
最高トルク 12.2kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/70R17(62W)
後190/60R17(78W)
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA9/DPR9EA9
X24EPR-U9/X27EPR-U9
推奨オイル ウルトラU(10W-30)
または
ウルトラスーパー8(10W-40)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.7L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前18|後41
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 940,000円(税別)
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

CB1000SUPER FOUR(SC30)-since 1992-

CB1000SF

「ビッグワンであること」

中低速重視にセッティングされたCBR1000Fのエンジンを王道のダブルクレードルフレームに積んだビッグネイキッドのCB1000SF/SC30型。

『プロジェクトBIG-1』

1.心臓部には、水冷・4サイクル・DOHC・直列4気筒エンジンを搭載
2.その体躯はあくまでもセクシー&ワイルドであること
3.走る者の心を魅了する感動性能を有すること

BIG-1カタログ

・大柄な車体

・前後18インチホイール

・ビッグ過ぎるタンク

・装備重量260kg

これでもかってほどビッグバイク要素を詰め込んであるモデル。

レプリカブームにより中型以上に絶滅危惧種となっていた大型ネイキッドをなぜこのタイミングで造る事になったのかというと、キッカケはCB-1という400ネイキッドにあります。

CB1

これはホンダの岸デザイナーが担当したんですが今一つ人気が伸びなかった。

どうすれば広く受けて入れてもらえるネイキッドになるのか再び考え、試しにCB-1に大好きなCB1100Rのタンクを載せたネイキッドを描いてみたら理想的なネイキッド像に近づいた。

BIG1コンセプトスケッチ

これがBIG-1の始まりになります。

そしてもう一人は企画の中野さん。

岸さんと同様、今ひとつ伸びないネイキッドに悩んでいた中で、ふと目に止まったのがCBR1000Fというフルカバードカウルのエンジン。

SC24

「綺麗なエンジンを隠すなんて勿体無いな」

と思い、これで大型ネイキッドを造れないかと考えた。

ここで二人の意見が一致し

CB1000SFラフデザイン

『CBR1000Fのエンジンを積んだビッグネイキッド』

という案が生まれ、自主的にクレイモデル『CB1000ディアブロ』を製作。

cb1000sft2

そして役員によるプロジェクト化か否かのプレゼンに出展するも・・・

「CB750の方がCBらしい(FOURらしい)」

として先に紹介したCB750に敗北。

それどころか

「なにを造ってるんだ片付けろ」

と怒られる始末で見事にお蔵入り。

しかし諦めきれず社内の目立つところに置いていたら、共感を持ってくれた人達が自然と集まりだし議論を交わすように。

そうこうしているうちに歴代CBに携わってきた原さんをプロジェクトリーダーに据えプロジェクトが自然と・・・というか勝手に始動。

CB1000SF内部

『自分たちが欲しいネイキッド』

を合言葉に、16~17インチが主流の時代に18インチという有り得ないサイズを選択し、タンクも出来るだけ大きくし、外装もフレームも操舵も何もかも『見た目最優先』で製作。

しかしながら一度ダメ出しされたモデル、もうプレゼンをする機会すら与えられない。

それでも原さんは

「絶対に自分と同じ様に考えている、同じ様にこんなバイクが欲しいと思っている人は居る」

と諦めず試作機を持って社長室に赴き

「これを売らせてほしい」

と社長に直談判。

すると社長から

「東京モーターショーに出してみれば」

と市販化まではいかないものの出展の許可を獲得。

東京モーターショーモデル

そしていざ東京モーターショーにオマケ扱いで出展してみたら・・・物凄い反響で発売日への問い合わせが殺到。

やっぱり間違っていなかったと原さんを始めチームは確信し、同時に正式プロジェクト化。

こうしてCB1000SFは販売への道を獲得しました。

そんなドラマだらけのCB1000SFですが、発表も実にドラマチックなものでした。

CB1000SFが初めてお披露目されたのは発売半年前の鈴鹿8耐。原さんの独断で決勝前日にマーシャル(セーフティ)としてサプライズで登場したんです。

CB1000SFマーシャルカー

ピットロードからウィリーしながら登場という決して褒められない行為に

「CB1000SFが遂に出た」

と盛り上がる観客と・・・カンカンに怒った鈴鹿サーキット。

その事態を現地のVIPルームで見ていたホンダの歴代社長は原さんを呼び出し。

原さんは怒られると覚悟したんですが・・・

「いいぞ、もっとやれ。明日(決勝)はもっとウィリーしろ。」

と褒められたんだそう。

この一件以降、鈴鹿8耐ではホンダの新型がマーシャルを務める様になりました。

CB1000SFカタログ

そうして発売されたCB1000SFは、まだ限定解除の時代で大型二輪免許を持っている人が少ない時代だったにも関わらず93年には4000台弱の大ヒットに。

二年目には足回りやマッピングが見直され、ビキニカウルを装着しスプロケを一丁上げた「CB1000SF T2」というモデルを追加。

cb1000sft2

ついカウルに目が行きますが、実は一番のこだわりポイントは色。

「黒いCBを造りたい」

というチームの伴デザイナーが考え生まれたバイクで、黒くされた各部に加え赤いサスやプラグコードなど贅沢な配色をしているモデル。

さて・・・

決して乗りやすいわけでも速いわけでもないのに人気モデルとなったCB1000SF。人気の秘訣はビッグバイクらしいビッグバイクだった事でした。

そんなCB1000SFの開発で原さんがビッグバイクの魅力を磨くために心掛けていた事があります。

CB750FOURとのコラボ

「誰が乗るんだこんなバイク」

そう言われる様な存在感を出すことを心掛けていたんです。

これ奇しくも本田宗一郎がCB750FOURを初めてみた時と同じ言葉なんですよね。

主要諸元
全長/幅/高 2200/785/1130mm
シート高 800mm
車軸距離 1540mm
車体重量 260kg(装)
[262kg(装)]
燃料消費率 21.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 23L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 998cc
最高出力 93ps/8500rpm
最高トルク 8.6kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70R18(59V)
後170/60R17(73V)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA9/EDPR9EA9
X24EPR-U9/X27EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラU(10W-30)
または
ウルトラGP現G2相当(10W-40/20W-50)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.9L
フィルター交換時4.0L
スプロケ 前17|後42
[前17|後43]
チェーン サイズ525|リンク116
車体価格 940,000円(税別)
920,000円(税別)
※[]内はT2
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

CB750/T(RC42/RC39)-since 1992-

CB750/RC42

「CB、空冷、ナナハン」

少し前まで教習車として全国で活躍していたCB750のRC42型。

ちなみに

「ナナハン」

とは言わず

「セブンフィフティ」

と言うわけですが、その前に紹介しておきたいのがタイトルにも入っている通りCB750TまたはNIGHTHAWK750/RC39と呼ばれるモデル。

ナイトホーク750

先代に当たるCBX750Fのエンジンを中低速重視にし、フロント18インチホイールとローシートなボディに積んだアメリカンなCB。

ナイトホーク750カタログ

元々1982年から造られていた海外向けCBだったんですが、日本でもセブンフィフティが出る一年前の1992年にモデルチェンジされ750台限定で発売されました。

何故これを先に紹介しないといけないのかと言うと、このナイトホークとセブンフィフティというのはCBというスタンダードであるべき要素を二分化したモデルだからです。

ナイトホークとセブンフィフティ

どうして二分化する必要があったのかというと、これまた北米と日欧の文化の違いが理由。

それぞれの国においてのスタンダードの定義が全く違うので

『NAS(New American Standard)』

『NES(New Europian Standard)』

の二本立てで行くことになったんです。

簡単に説明するとナイトホークの方はNASつまりアメリカのスタンダードとしてフロント18インチに加えロングホイールベースで大型らしい乗り味のクルーザー系。

CBXカラー

反対にセブンフィフティはNESつまり欧州のスタンダードとしてフロント17インチとショートホイールベースでキビキビ走るスポーツ系。

まあ要するに広大なアメリカの直進を走るために直進安定性を重視したのがナイトホークで、直線よりも町中から峠道までこなせるようコーナリング重視にしたのがセブンフィフティ。

そして日本もどちらかと言うと欧州寄りだからセブンフィフティが選ばれたというわけです。

セブンフィフティ

そんなセブンフィフティなんですが、もう一つ大事にされたのが

『コンサバティブ(保守的)』

にすること。

CB750デザインスケッチ

何処からどう見てもCBにしか見えないデザインがそれを物語っているわけですが、保守的というのは何もデザインだけではありません。

じゃあ何かと言うと教習車で乗ったことがある人なら分かると思います。

CB750Lカタログ

これがその教習車仕様のCB750Lというモデル。

どれだけ倒されようと大丈夫なガード、徐行のみでもオーバーヒートしない強化オイルクーラー、背筋が伸びるアップライトハンドル、デチューンされたエンジン。

他にも2ポット化された重いリアキャリパー、そして教習生を泣かせる耐久性第一の超強化油圧クラッチなどなど。

CB750L

ちなみにオーナー間ではこの教習用の高耐久なパーツに変えるカスタムが珍しくなかったり・・・RC42らしい愛され方ですね。

CBXカラー

話が逸れたので戻しますが、セブンフィフティが目指した保守的な部分というのはデザインだけでなく

『乗ったときの感覚』

です。

RC42カタログ写真

CBを知らない人でも、大型を知らない人でも何故か懐かしく感じてしまうほど本当にシックリ来る様に造られてる。

ちょうどいい大きさとちょうどいい重さ、ちょうどいいポジションとちょうどいい加速性能。

これがCB750のコンサバティブという魅力なんです。

セブンフィフティのカタログ

とてつもない保守的なバイクだったので決して注目を浴びることも話題になることもありませんでしたが、2008年まで16年間なにも飾らずあり続けた最後の空冷ナナハンCBでした。

主要諸元
全長/幅/高 2155/780/1100mm
シート高 790mm
車軸距離 1495mm
車体重量 223kg(装)
燃料消費率 27.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 20L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 747cc
最高出力 75ps/8500rpm
最高トルク 6.5kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58V)
後150/70R17(69V)
バッテリー FB14-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA9/EDPR9EA9
X24EPR-U9/X27EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格 689,000円(税別)
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)
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