KS-1/2(MX050A/080A)-since 1987-

KS-1

ARシリーズの後継としてデビューしたミニモタードのKS-IとKS-II。

当時は原付&原二はGAGやYSR50をキッカケにレプリカに火が付いた頃でホンダからもNSR50が登場。そしてカワサキからも遂にニューモデルが登場・・・と思ったらレプリカじゃなくてモタードで肩透かしを食らった人は多いかと。

エンジンはARの物をそのまま流用したもので既にルックスはKSRと通ずる所があるが、KSRと違ってあまり人気は出ず三年しか発売されませんでした。

TDR50

というのもモタードというニッチなカテゴリなのに加え、翌年にヤマハからTDR50/80というこれまたRZ50ベースの水冷エンジンを積んだ本格的原付デュアルパーパスが出ちゃったから勝負にならなかった。

二代続けてヤマハに潰されちゃったカワサキは相当悔しかったと思う。

TDR50

でも諦めなかったから今があるんですよね。

主要諸元
全長/幅/高 1560/730/890mm
シート高
車軸距離 1110mm
車体重量 66.5kg(乾)
燃料消費率 -km/L
※定地走行テスト
燃料容量 9.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[78cc]
最高出力 7.2ps/8500rpm
[9.2ps/8000rpm]
最高トルク 0.62kg-m/8000rpm
[0.85kg-m/7500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前後100/90-12(49J)
バッテリー FTH4L-BS
プラグ BR8ES
[BPR8ES]
推奨オイル カワサキ純正2サイクルオイル
オイル容量 全容量1.0L
スプロケ 前14|後40
[前15|後30]
チェーン サイズ420|リンク106
[サイズ420|リンク100]
車体価格 183,000円(税別)
[195,000円(税別)]
※[]内はKS-II
系譜図
90SS/S1968年
90S/SS
(G8)
KH901977年
KH90
(KH90C)
AR50-801981年
AR50/80
(AR50/AR80)
KS-1/21987年
KS-1/2
(MX50A/80A)
KSR-1/21990年
KSR-1/2
(MX50B/80B)
KSR110国内モデル2002年
KSR110
(KL110A)
KSR110後期モデル2012年
KSR110
(KL110D)
KSR110プロ2014年
KSR PRO
(KL110E)
2016年
Z125/PRO
(BR125H)

GROM(JC61後期/JC75) -since 2016-

2013グロム

顔が突然変異した様なグロム(JC61)の後期モデル。※17年からはJC75

目立つ変更点としてはヘッドライトのLED化とダウンマフラーですね。それに伴ってステップも変わってます。

ハンドル周り

他にも起き気味だったポジションを見直してハンドルが少し下げられ前傾気味になりました。見た目含めて全体的にスポーツ志向が少し強くなった感じです。エンジンは変わってませんけど。

まず取り上げるべきはやっぱりダウンマフラーでしょう。

ダウンマフラー

先代のアップマフラーは社外マフラーに変えたいと思った時ヒートガードが無くなる事から

・熱でシートバッグが溶ける

・タンデムすると火傷する

などといった問題点があり、社外マフラーはダウンタイプの物が結構出ていました。ホンダもそれを鑑みてダウンタイプに変更したのかなと思います。

レジャーバイクといえば実用性度外視の遊びバイクというのが定説だったけど、今は通勤やツーリングといった実用的な使い方をする層が増えた事による想定外の問題ですね。

まあこれはグロムがとてつもない低燃費な事が起因だとは思いますけど。

そしてLEDヘッドライト。

LEDヘッドライト

形の好みはあれど恩恵は絶大でしょう。

原二の場合、発電量が乏しいのでどうやってもライトは暗くなってしまう宿命を持っているんですが、昨今のLEDの普及による低コスト化によって原二でもLED搭載が珍しくなくなりました。LEDの恩恵を一番受けるクラスだと思います。

ヘッドライト

更に問題だったのはグロムはヘッドライトを自分で変えようにも交流式(LEDは直流でないと駄目)なために、にっちもさっちもいかない状況だった事。新型が整流しているのか直流で取っているのかは分かりませんが、LEDは明るく省電力なので喜ばしい事ですね。前期への流用が流行りそう。

グロムリア周り

そんな変更点の中で意外だったのはABSも連動ブレーキも採用していないという事。

既存車種は2021年からの義務化なのでまだ日数はあるものの、積極的なホンダがモデルチェンジと共に採用してこなかったのは珍しい。

遊べるミニモタ的な要素も持ち合わせているからかな。前後連動にしちゃうとリアだけロックさせて遊んだりという事が出来なくなりますからね。

つまりこのグロム(JC61後期)のモデルライフは5年未満ということが確定していると同時に、コンビブレーキやABSといった制御が入ってないシンプルなブレーキをしている最後のグロムになる可能性が非常に高いです。

GROMANCE

さてグロム(MSX125)は既に世界で300,000台以上を売り上げる大人気車種となりました。

「日常で遊べるモーターサイクル」

グロムのコンセプトは日本は勿論のこと、広大な土地があるアメリカやスポーツ走行が盛んな欧州でも成功を収めました。

先進国でこのジャンルが成功するという事は再びレジャーバイク・ミニモタが活性化すると言っても過言ではありません。レジャーバイクが活性化すれば敷居の低さからバイク人口も増えるし、ミニバイクを使った遊びの範囲も広がる。

2017GROM北米モデル

バイク業界の活性化にミニバイクは必要不可欠なわけでGROMが成した事は大きく大事な一歩と言えるでしょう。(もちろんZ125もね)

最後になりましたが、遊びといえばもう一点。

2016からグロムのワンメイクレース「HRC GROM CUP」の開催が決定しました。ということは・・・当然ながらグロムのHRCコンプリートモデル&レースキットが発売。

キットはレースカウルにレース用マフラー、スプロケガードにバックステップのセット。

HRCグロム

写真のコンプリートモデルは更にハンドシフターとモード切替スイッチ、ピットスピード制御スイッチ、シフトアップインジケーター、マッピングを変えられるレース用ECUなども付いて350,000円前後(詳しくは各サービスショップへ)です。

もちろん公道は走れません・・・レースするわけでもないのに自分のGROMに流用しようなんて考えちゃ駄目ですよ。レースに出る為なら話は別ですが。

NSF100

更にこのグロムカップはどうもNSF100が担ってきた「NSF100 HRCトロフィー」の後釜になるようです。レースベースにまで採用されるとなるとGROMの未来は安泰ですね。

このグロムカップは全国19ヶ所のサーキットで開催してますので興味のある方は「HONDA:GROM CUP」もしくは「お近くのサービスショップ」からどうぞ。

レースベースグロム

いやしかしHRCカラーが似合っててカッコいいなあ。

誤解する人がいるといけないので説明しておくと、このHRカラーはホンダが見本として塗ってるサンプルカラーで、買えるのは無地(白一色)です。

でもコレ絶対そのうちHRCカラーのグロム出るだろうな・・・

主要諸元
全長/幅/高 1755/730/1000mm
シート高 760mm
車軸距離 1200mm
車体重量 104kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR7EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 320,000円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

【関連車種】
YZF-R125の系譜Z125の系譜Small DUKEの系譜RS4 125の系譜

GROM(JC61前期) -since 2013-

2013グロム

「Just Size & Showy Spec 」

タイホンダから発売されたレジャーバイク。

ホンダとしてもレジャーバイクとしても久しぶりのニューモデルだった事もあって第一便も第二便も予約でいっぱいという人気っぷりだったGROM(海外名はMSX125)

エンジンは同じタイで作られているWAVE125iの物をベースにクランクケースなどを専用品に変えたもの。

エンジン

多分WAVE125iとか言われてもナンノコッチャ状態の人が多いだろうから説明するとこのバイクです。

ウェーブ125i

いわゆるタイカブってやつですが、その中でもWAVE125iというのはトップモデルで125が許された数少ないタイカブだったりします。

「タイのバイクってみんなこんな形してるよねー」

ってよく言われますけど、それはタイは二人乗りどころか三人乗り四人乗りが珍しくもなんともないからです。シートはデカくてナンボ、長くてナンボの世界。シートが小さいバイクなんて一部の道楽スポーツバイクだけ。

バイクタクシー

余談ですがカラフルなジャケットを着ている人はバイクタクシー。向こうはバイクのタクシーがあるんですね。

WAVE125iの歴史を更に遡るとドリーム100にたどり着くんですが、そこまで遡りだすと結局C100(初代スーパーカブ)に辿り着いちゃうのでこのへんにしときます。

ドリーム100

ちなみにいわゆるタイカブのこの形を確立したのは他ならぬこのドリーム100で、タイの人達の心を見事につかみ大ヒット、タイホンダ成功の立役車となりました。

さて、日本でホンダは横型(カブエンジン)を積んだレジャーバイクを数多く出して来ました。今でもお馴染みモンキーから始まり、ゴリラ、DAX、シャリィなどなど。

レジャーバイク

どれもグロムと同じように遊び心ある・・・・って全然グロムの話してないですねゴメンなさい。

ただそんなホンダのレジャーバイク史の中でもグロムはちょっと異質です。なんといってもモノサスもそうだけど正立大好きなホンダが31mmの極太倒立フロントフォークを採用してるんですから。

白グロム

これ70年以上も歴史あるバイクメーカーながらクラス初の試みです。CRFなんかでもそうだけど最近のホンダは結構倒立フロントフォークを当たり前の様に採用してきますね。グローバル化で変わったんだろうか。

んでエンジンもWAVE125iのものと言ったけどそのままっていうわけではなく、吸排気を専用設計の物に変えてパワーを上げています。

パワーカーブ

といっても空冷4stの9.8馬力なので速さは・・・まあグロムオーナーが一番よく分かってると思うので遠慮なく言わせてもらうとかなり遅いです。PCXは愚か昨今の125スクーターに全く歯がたたないレベル。

まあ向こうは水冷の新設計エンジンだし大径ホイールだし無段階変速だし当たり前なんですけどね。

その割には33万円は高いと思う人も居るかもしれません。

MSX125

何処にそんなお金が掛かってるんだと言われれば「見た目」と言い切れます。

フレームが専用設計ということもありますが、先に言った極太倒立フロントフォークや130という絶対にオーバーなタイヤサイズも見た目のためでしょう。

タンクカウル

更に言うなれば125どころかバイク全体を見渡しても非常に凝ってる部類のタンク形状(特許出願技術)もそう。とにかく見た目に予算全部突っ込んだ様なバイク。

そもそもレジャーバイクというのは速さとは無縁のバイクですし、実際オーナー達も見た目が気に入って買ってる人が大半だろうからそれで正解なんでしょうけどね。

少し残念なのはFI化されているのを見ると分かる通り、現行モンキー同様あらゆる部分が電子制御されていますのでキャブ時代の様に簡単に弄るのは難しくなっています。弄れないわけではないですしコレはグロムに限った話ではないですが。

その為か結構見た目重視のカスタムが目立ってますね。

グロムカスタム

スクランブラーから他車パロからRCからガンダムまで。

世界のホンダから出たレジャーバイクなだけあって様々ですね。愛されてるなあ。

ところであんまり話題にならないけどGROMは低燃費と定評のあるPCXより低燃費です。

壁紙

20kg以上軽い上に常時噛合式(ミッション)なので50km/L切らないどころか、場合によっては70km/Lまで行くという驚異的な燃費性能を持っています。

WMTCモード値70.5km/L(国内125トップ)は伊達じゃないという事ですね。

主要諸元
全長/幅/高 1760/755/1010mm
シート高 750mm
車軸距離 1200mm
車体重量 102kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR6EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 309,750円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

XL500S/R(PD01) -since 1979-

XL500S

「THE MOST POWEFUL DUAL-PURPOSE」

XLシリーズの長男坊として誕生したXL500S。

免許制度の関係で日本では弟分であるXL400の方がメジャーですね。

ホンダXL500R

ただ海外ではプロリンクを採用したXL500Rまで登場しています。

「XLとアフリカツインに何の関係が?」

と思う人も多いかと・・・それはズバリ『パリダカ』です。

XR500R

ホンダはこのXL500のエンデューロモデルであるXR500Rでパリダカ(当時はオアシスラリー)に出場しました。

XR500R

これがその優勝した時の車両であるXR500R。

フランスホンダから要請されて朝霞研究所が設計、HRCがエンジンチューニングしたラリーマシンなんですが、これが見事に優勝を飾りました。

XL500Rパリダカ

これはそれを記念して発売されたビッグタンクのXL500Rパリダカモデル。

ホンダとパリダカの関係はここからはじまるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2185/890/1405mm
シート高
車軸距離 1405mm
車体重量 141kg(装)
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行燃費
燃料容量 10L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 497cc
最高出力 31ps/6500rpm
最高トルク 3.8kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-23-4PR
後4.60-18-4PR
バッテリー 6N4-2A-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
交換時1.9L
スプロケ 前14|後39
[前15|後41]
チェーン サイズ520|リンク96
[サイズ520|リンク100<102>]
※<>内は82年以降モデル
車体価格 548,000円(税別)
※[]内はXL500R
系譜図
XL5001979年
XL500S/R
(PD01)
XL600Rファラオ1985年
XL600R PHARAOH
(PD03)
XLV750R1983年
XLV750R
(RD01)
RS750D1983年
RS750D/NS750
NXR7501986年
NXR750
トランザルプ1987年
TRANSALP
(PD06)
(RD10/11/13/15)
XRV600アフリカツイン1988年
Africa Twin
(RD03/04/07)
バラデロ1999年
VARADERO
(SD01/02)
CRF1000L2016年

CRF1000L
Africa Twin
(SD04)

CRF1000L2019年

CRF1100L
Africa Twin
(SD10)

CRF250L/M/RALLY(MD44) -since 2017-

2017CRF250L

ユーロ4規制(排ガス規制)に伴いエンジンに改良が入りMD44となりました。

少し驚きなのは単純に触媒盛ってガスを薄くして対応しただけではなくスロットルボディとエキパイの大径化で抜けを良くして1kw(1.36馬力)アップしたこと。

2017CRF250

しかもただ抜けを良くしただけでなく流石ホンダというか自分たちで作ってるだけあって、その分エアクリーナーとスロットルボディを繋いでるコネクティングチューブを長くして吸気圧を確保。

馬力のピーク回転数をキープするだけでなく、最大トルクを0.1上げつつピーク回転数は250rpm下げるっていう流体力学分かってます感を見せつけてます。

CRF250LとCRF450R

見た目もモトクロッサーのCRF450Rに更に近づきました。メーターも改良されてタコが付いたみたいですね。

ちなみにABSはアフリカツインと同じようにコンビではなく前後独立式でリアは切れる2チャンネルになってるとの事。

まあしかし一番の話題はやっぱり追加されたRALLYモデルでしょう。

CRF250RALLY

CRF250Lをベースにラリーレイド感(CRF450RALLYレプリカ感)を出したツーリングモデル。CRF250Lと何が違うのか挙げていきましょう。

まず何と言ってもタンク量が増えたこと。ただでさえ燃費良いのに更にタンク容量を2.4L増やし総容量10.1Lとした事で航続距離が300km超え。リアシート脇には小物入れまで付いてます。

CRF250RALLYタンク

そしてツーリングにありがたいカウルやハンドルガードやスクリーンなんだけど、アンダーカウルが付いたことで最低地上高が更に下がったかと思いきやキャスター角(フロントフォーク角度)を1°立てることでハイリフト化。最低地上高は+15mmで270mmとなりました。まあそれに伴ってシート高もアンダーカウルの取り分である5mmを足して20mm上がってるですが。

このハイリフト化をCRF250Lでしなかったのはシート高895mmに気が引ける人が多いと読んだからでしょうね。同じシート高のWR250Rも短足泣かせとして有名ですし・・・ただRALLYもLと同じようにローダウン仕様もあります。しかも-65mmとCRF250Lの-45mmより下げ幅が大きい。

CRF250RALLYシート高

でもオフ車全般に言える事けどシート細いし軽いからいうほど気にしなくてもいいと思うんですけどね。

オフ車の傷は勲章と言われるわけですし。立ちゴケ傷も立派な勲章ですよ。凄く他人事ですけど。

その他の目立った装備差としては、ビッグタンクやカウルといった装備が加えられCRF250L比で+12kgとなった事からディスクローターも一回り大きい物に変更されてます。

CRF250RALLYヘッドライト

いやしかしBAJAに負けずとも劣らないインパクト大な顔ですね。

この異型二眼LEDヘッドライトは大きい方がLOWでHIGHは両目点灯なんですが、これはホンダのラリー競技車であるCRF450RALLY(CRF450Xベースのファクトリーマシン)のモチーフだったヘッドライトから来てます。ちょっと並べてみましょうか。

CRF250RALLYヘッドライト

兄であるCRF1000LアフリカツインもCRF450RALLYの市販という立ち位置だったんですが、CRF250RALLYは異型ヘッドライトからカウルまで寄せてきていて瓜二つ。

アフリカツインもそうですがホンダは2013年から再びダカールラリーに挑戦している事もあってか結構オフに強く振ってますよね。

CRF250RALLY広告

CRF250Lに+15万円で65万円との事ですが、先に出た大型で手の出しにくいアフリカツインですら発売一ヶ月で年間目標の1000台を達成したらしいので、コンセプトの頃から反響が大きく維持費も易く手の出しやすいCRF250RALLYなら尚のこと売れるでしょう。

CRF250RALLY壁紙

多目的に使えるマルチパーパスまたはデュアルパーパスの人気が国内でも広がりを見せつつあるような・・・無いような。

主要諸元
全長/幅/高 2195/815/1195mm
[2125/815/1150mm]
{2210/900/1425mm}
シート高 875mm
[855mm]
{895mm}
車軸距離 1445mm
車体重量 143kg(装)
[145kg(装)]
{155kg(装)}
燃料消費率 44.3km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.8L
{10L}
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 24ps/8500rpm
最高トルク 2.3kg-m/6750rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21(51P)
後120/80-18(62P)
[前110/70-17(54S)
後130/70-17(62S)]
{前3.00-21(51P)
後120/80-18(62P)}
バッテリー YTZ8V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後40
[前14|後39]
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 497,880円(税別)
[538,920円(税別)]
{648,000円(税別)}
※[]内はCRF250M
※{}内はCRF250RALLY
※ABS仕様は+3kg
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

【関連車種】
WR250R/Xの系譜SEROW250の系譜KLX250/D-TRACER Xの系譜

CRF250L/M(MD38) -since 2012-

CRF250L

「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむ “ちょうどいい相棒 New On & Off Gear ! ” 」

ホンダの250オフだったXR250が2007年モデルで生産終了となってから4年が経とうとしていた頃、外からは

「XR250の後継はどうなっているんだ」

との声が日増しに大きくなっただけでなく、社内からも

「このままだとホンダのオフロードの未来はない」

と言われるまでに。

CRF250Lデザイン

そんな声に危機感を抱いたホンダが作ったのが実に5年ぶりのオフロード車となる水冷250オフロード車のCRF250Lです。

XRからレーサーと同じCRFになったのはアジアなど海外へのブランド力をアピールするため。CBRとかと同じですね。

重い腰を上げて作ったCRF250Lの主要コンセプトを挙げてみると

・オンロードもオフロードも扱いやすく、楽しい走りを実現するエンジン特性
・ランニングコストを抑えられる燃費性能
・市街地からオフロードまで気軽に扱える、取り回し性に優れた車体サイズとディメンション
・オンロードとオフロード走行の楽しさを両立する本格的な足回り
・トップエンドモデルを凌駕する存在感ある最新のモトクロッサースタイリング

CRF250

XR250の後継ということでフルサイズ&シート高875mm。さすがに腰が引けちゃう人が多いとホンダも思ったのか最初から45mmもシート高を下げるローダウンキットも発売されました。

CRF250Lエンジン

このモデルからタイで作られていてエンジンはCBR250Rにも使われているローラーロッカーアームで超低燃費な水冷249cc単気筒。でも流用ってわけじゃなくて共同使用前提開発のエンジン。CBR250Rの方が先に出たからそっちが先行しちゃうけどCBR250チームとCRF250チームで話し合って作ったエンジンだそう。

もちろんそのままじゃなくて吸気ポートをストレート構造にして吸気慣性力を強める事で低速寄りにしてる。

設計案の一つとしてメインフレームのアルミ化も検討したようなんだけど費用対効果が悪いと見送りに。その代わり完全新設計のツインチューブフレームを造りスイングアームをアルミ化。

CRF骨格

そしてサスペンションもフロント倒立サスでしかも前後SHOWA製っていう贅沢さ。

ココまで奢ったのは主に市街地での使い勝手を考慮したからで、舗装路でのコーナーリングに寄与しているそう。要するに剛性を上げるのが狙いですね。CRF250はよく剛性が褒められるけどそれはこういった所から。

贅沢なSHOWAの倒立サスなんだけど、手の届きやすい価格にする事も大事なコンセプトだったハズなのに何でまたこんな費用対効果が大きいとは言い切れない倒立サスを採用したのかというと面白いエピソードがあります。

CRFデザイン

CRFのデザイナーの松岡さんが

「オフロードバイクといえば何?」

という社内アンケートを実施した所

「オフロードバイクといえば倒立サスでしょ!」

という答えが一番多かったんだそう。その声があったからCRF250Lはコストを抑えながらも倒立サスペンションを採用することになった。

ホンダって倒立嫌うイメージがあったんだけど意外だね。悪くない正立だったXR250が後期で倒立になったのも同じ理由なのかもしれない。

モタードバージョンのCRF250Mは翌年2013年に登場。

CRF250M

前後17インチホイールを履いた事でシート高は20mm低い855mmになり、ディスクローターは一回り大きい296mmを装備して制動性アップ。フロントフォークはブラックアルマイト加工までされています。

ホンダっていつもモタードは数年遅れですよね。初期需要の分散が狙いなんだろうか。

ただまあいくらモタードが認知されたジャンルとはいえマイナーなのは否めないようで、ホンダの販売計画を見るに割合的には【L:7|M:3】とオフのLの方が需要があるみたい。

CRF250L/M

エントリーユーザーの事を考えてオフとしては珍しくフューエルメーターまで装備されてます。警告灯でもまあ不自由は無いんだけどあったほうが安心出来るのは間違いない。

そして何と言っても449,400円(税込)とかなりの安さだった・・・安いといえば開発責任者の塚本さんも言ってたんですが、みなさんもし同じエンジンを使ったオンロード車とオフロード車があったどっちが車体価格高いと思いますか。

オンロードの方が高くてオフロードの方が安いという漠然としたイメージを持たれてる方が大多数ではないでしょうか。CRF250Lも正にその消費者心理から価格を抑える事が重要視されたようです。

だからCRF250L/Mはアルミスイングアームに倒立SHOWAサスなのに兄弟車CBR250Rより安い。これ実はかなりのバーゲンセール価格ではないかと。

CRF250Lタイホンダ

恐らく耳にした事があると思いますが、批判的な意見としてよく言われているようにCRF250Lはオフ車にしては少し重い車重や最低地上高の低さからジャンプやスタックを起こすモトクロスのようなコースや、岩だらけなガレ場などをアタックできる走破性は持っていません。腕次第ではありますがあくまでも多目的に使えるデュアルパーパスです。

じゃあどういう人たちがターゲットなのかというと、初代NSX開発メンバーの一人で試作バイクには必ず自らが乗って確かめ、稀にCB1100で出勤していた根っからのバイク馬鹿・・・じゃなくてバイク好きで有名な七代目ホンダ社長の伊藤さんみたいな人。

CRF250M

この人はカブに始まりSL250S→XL250→バハとCRF250の系譜というかホンダ250オフに乗り継いでる大のシングルオフ車好き。

そんなバイク歴に対しインタビューで

「何故オフ車にばっかり乗っているのか?」

と聞かれてこう答えていました。

ホンダCRF

「実際はほとんどオンしか走らない。でも行きたいと思えば道を選ばず行けるのを選んでしまう。」

CRF250の狙いはこういう人達です。

実際CRF250L/Mの販売台数を見るに思い当たる節のある人は多かったようですね・・・このバイクが作られたのって社長の差し金ではなかろうか。

主要諸元
全長/幅/高 2195/815/1195mm
[2125/815/1150mm]
シート高 875mm
[855mm]
車軸距離 1445mm
車体重量 143kg(装)
[145kg(装)]
燃料消費率 44.3km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.7L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 23ps/8500rpm
最高トルク 2.2kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21(51P)
後120/80-18(62P)
[前110/70-17(54S)
後130/70-17(62S)]
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
SIMR8A9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.5L
スプロケ 前14|後40
[前14|後39]
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 428,000円(税別)
[466,000円(税別)]
※[]内はCRF250M
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XR230/Motard(MD36) -since 2005-

XR230

開発コンセプト「エンジョイ・ライト級、マイファースト・オフロード」

XR230はXR250の後継じゃなくてSL230(200系)の後継なんですがせっかくなんでご紹介を。

XR230カタログ

いわゆる200系は250系よりも更にフレンドリー、誰でも気軽に楽しめる”エントリーオフ”に徹底してるモデル。

XR250もコンセプトの一つに敷居を下げることがあったんだけど、エントリー層や潜在需要を掘り起こせるような取っ付き易いオフ車ではなかった。まあフルサイズで足がツンツンになるバイクがエントリーだと思えないのは無理もない話だけどね。

走破性を考えたらハイリフトが当たり前なんだけど「これが良いんだ」って言われても何も分からない人にはネガでしかない。

XR

それに対してXR230はシート高がXR250より75mmも低い805mmとディグリー並の低さ。

ボディ全体もコンパクトに纏めてあるから

「このXRなら乗れそう」

な感じを醸し出してる。

モタードも追加されたんだけど排ガス規制に対応するためのマイナーチェンジ、3年後の2008年の後期モデルからとビックリするほど遅かった。当初はまだXR250Motardがあったからかな。

XR230モタード

ちなみに海外の一部の国ではこのモデルの頃からCRFだったりもします。

ただXR230が可哀想だったのがXR250がXR230が出た後に生産終了となった事でXR250の後釜として見られるようになった事。

しつこいようだけどXR230はSL230/XLR230の後継であってXR250の後継では無い。でもXRというホンダのオフ/モタが実質XR230一択になったから、エントリー層だけじゃなくてオフ車をよく知るエキスパート層まで寄ってきてボロカスに叩かれた。

XR230壁紙

これはホンダがXR250の後継を出さなかった事もあるんだけどホンダから言わせれば

「だって250オフ全然売れないんだもん」

って話でしょうね。

水冷フレンドリーのディグリーに対し空冷フレンドリーのXR230ですがフレンドリーなのは何も車格やスペックだけではありません。

XR230の秘めたるフレンドリーさ、それは223cc/18馬力というSL230から続く馬力も新技術も入ってない何の変哲もないエンジン。

XR230エンジン

カラカラに乾き切って干乾びた技術のエンジンなだけあって大きなトラブルも持病も無く非常にタフ。

何の変哲もないから整備性も弄り易さも良好。乗ってフレンドリー、触ってフレンドリー。フレンドリーの塊のようなオフ車です。

じゃあ何で2009年モデルで終わったのかと言えば・・・セローとしか。

主要諸元
全長/幅/高 2080/825/1115mm
{2015/815/1080mm}
シート高 800mm
車軸距離 1340mm
車体重量 120kg(装)
{125kg(装)}
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 223cc
最高出力 18ps/7500rpm
最高トルク 1.9kg-m/6000rpm
[1.8kg-m/5500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-21(45P)
後120/80-18(62P)
{前110/70-17(54H)
後130/70-17(62H)}
バッテリー YTX5L-BS
[YTZ7S]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
または
X24EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
交換時1.0L
スプロケ 前13|後39
チェーン サイズ520|リンク100
車体価格 400,000円(税別)
{484,000円(税別)}
※{}内はMotard
※[]内は2008年以降モデル
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XR250/BAJA/Motard(MD30後期) -since 2003-

XR250後期

一般的にXR250の後期型と呼ばれるXR250(MD30後期)

大きな変更点としては デジタルCDIユニットによるレスポンスの向上、フロントマスク形状の変更、倒立フォークへの変更、そしてタンクシュラウドが付いたこと。多機能メーターは軽量化の観点からアナログに戻りハンドルガードがオプションになりました。

XR250後期

XR250は「より楽しく軽快に」「より幅広いライダーに」「長時間のライディングにもストレスなく」がモットーなんですが・・・それなのに倒立サスって一体。でもそれよりもタンクシュラウドへの賛否両論が強かったのを覚えています。

タンクシュラウドっていうのは上の写真でいうとXRのロゴが付いてる羽のようなサイドカバーの事なんですが、これの役目は水冷化によって装着しないといけないラジエーターを転倒時に守るためです。

でもXR250は見ての通り空冷。だからこのタンクシュラウドは見た目だけの装飾品なわけで物議を醸しました。

“カッコいいから許す”という人も居れば”オフに余計な飾りなぞ要らん”という人も。個人的にはカッコいいから良いと思うけどね。

そしてこの後期からホンダ初となるモタードのXR250Motardが追加。

XR250モタード

1980年前後には活気のあったオフロードブームも2000年代に入ると去りつつ・・・というかほぼ去ってました。しかしその半面、人気が出始めたのが98年のD-TRACKERを皮切りに広まったモタード。

これメーカーも喜んだと思いますよ。だって(ちょっと汚い話だけど)同じ車体をオンロード仕様にするだけで違う車種として売れるんだから。

オフ車って汎用性に乏しくて排気量によるバリエーション展開しか出来なかったからモタードは本当に死中に活なジャンル。もしかしたらタンクシュラウドを付けたのはモタードの事を考えてかも知れないですね。

肝心の中身ですが、舗装路を考え前後17インチにサスペンションを少し硬めに変更されています。そのおかげでちょっと足付きも良い。

ちなみにモタードが生まれたのは1980年頃と実はなかなか古い。

モタードレース

でも海外のローカルレースに留まるレベルでみんなオフ車をベースに自分たちで改造してた。

SSを剥いたネイキッドであるストリートファイターや、最新のバイクをレトロに改造するネオレトロが10年掛からず広まってメーカーも参入したのに対して、今でこそ世界レースが開かれるまでになったモタードは20年も掛かってる。

そして忘れちゃいけないXR BAJA。

バハ

XR250が大きく変貌したのに対してBAJAはスタイルが確立していたからかタンクシュラウドも倒立フォークも付けることありませんでした。この”変えない勇気”は讃えられる事ではないでしょうか。

ただそれらのパーツを共有しなかったのが仇となったのかBAJAは排ガス規制強化の2007年まで続いたXR250よりも3年早い2004年をもって生産終了となりました。

ちなみにXR250は12年にも続いたロングセラーモデルという事もあってか仮面ライダーシリーズに多く出ていたバイクでもあります。

オートバジン

仮面ライダーブレイド、電王のマシンデンバード、ファイズ等など。おそらく最多出演じゃないのかと。

主要諸元
全長/幅/高 2175/805/1190mm
{2140/820/1220mm}
[2110/790/1150mm]
シート高 875mm
[855mm]
車軸距離 1425mm
{1420mm}
車体重量 133kg(装)
{137kg(装)}
[134kg(装)]
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.3L
{14L}
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 28ps/8000rpm
最高トルク 2.6kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 3.00-21(51P)
4.60-18(63P)
[前110/70-17(54H)
後130/70-17(62H)]
バッテリー YTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EH-9/CR8EH-9/CR9EH-9
または
U22FER9/U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前13|後40
[前13|後39]
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 509,000円(税別)
{519,000円(税別)}
[519,000円(税別)]
※{}内はBAJA
※[]内はモタード
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XR250/BAJA(MD30) -since 1995-

XR250前期

「乗り手が自由自在に操れ、ライダーのポテンシャルを最大限に引き出せるマシンの具現化」

XLR250Rの後継だけどフルモデルチェンジを機にレーサーのXRと同じ名前になったXR250。

少し補足するとホンダは昔からXR250Rという公道走行不可のエンデューロレーサーを出してました。そのレーサーの公道モデルがXLRやこのXRというわけです。

スーパーエンデューロレーサーXR250R

ちなみに海外向けレーサーのXR250Rでしたが、逆輸入という形で登録すると(250cc以下は書類のみと検査が甘いことから)ナンバーが取れちゃったりしてました。本当は駄目なんだけどね。

XR250RがエンデューロレーサーでXR250が公道向けです・・・ややこしいですよね。

ホンダの謳い文句によると先代XLRまではレーサーXR250Rに準拠する公道モデル”XRのオンロードミニマム”という立ち位置だったんだけど、このXR250からはソコから更に裾を広げた”何でも熟せるXR”というコンセプトに変わりました。

具体的に何が変わったのかというとまず挙げられるのがバッテリーが積まれセルスターターが付いた事。

XR250

そそてサスペンションも多目的に使えるように改良されキャブレーターもスムーズさを得るために強制リフト機構のCVキャブに変更。多機能デジタルメーターも付きました。あとはRモデルと共通なドライザンプ化によるエンジン重量の軽量化などです。

カタログスペックだけ見てRの方が高いから

「レーサーでもナンバーが取れるならRのほうが良いじゃん」

と思いがちだけど、そうとも言い切れないのが公道。MD30をME06/08の去勢モデルとかいう人が居るけど、そういうわけではなく多目的バイクのデュアルパーパスとして使い勝手を考えたのがMD30。まして日本は良くも悪くも舗装が何処までも行き届いてますからね。

XRバハ

そして再び登場するBAJAもXRに合わせてXR BAJAにモデルチェンジ。

トレードマークだった丸目二眼はフレームマウントに変更され大きくなりました。

XR250BAJAラフデザイン

何度も言いますがこの強烈な顔は癖になりますね。

ただXR BAJAが猛威を奮ったのは翌年の96年モデルから。

XR250BAJA

というのも一年絶たずにBAJAだけモデルチェンジされタンク容量が9Lから一気に14Lにまでアップしたから。使い勝手が更に向上したわけですね。 

二年後の1997年にはXR/BAJA共々フレームやサスペンションを変更するマイナーチェンジが行われ2000年には排気ガス規制強化に対応するためにエアインジェクションシステムの採用など細部の改良。

MD30カタログ写真

両車種とも非常に人気でオフの定番として長いこと愛されたバイクです。

主要諸元
全長/幅/高 2140/820/1205mm
{2140/820/1225mm}
シート高 880mm
車軸距離 1405mm
車体重量 128kg(装)
{130kg(装)}
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 28ps/8000rpm
最高トルク 2.6kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 3.00-21(51P)
4.60-18(63P)
バッテリー YTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EH-9/CR8EH-9/CR9EH-9
または
U22FER9/U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前13|後39
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 479,000円(税別)
{499,000円(税別)}
※{}内はBAJA
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XL Degree(MD26/MD31) -since 1991-

XLディグリー

「地球案内人:XLディグリー」

このディグリーは名前こそXLだけど分家のようなXLで街乗りや高速など如何なる状況でも安定してパワーを発揮する為の低速寄りにチューニングされたAX-1ベースの水冷エンジンを積んでます。

更にケッチンの心配が要らないセルスターターに790mm(XLR250Rは860mm)という驚異的な足つきの良さ。優しさ溢れるXLといった感じですね。

元となったAX-1(MD21)というバイクはこれ。いわゆるマルチパーパス250という立ち位置のバイク。

ホンダAX-1

AXの意味は「新しい軸(AXIS)」という言葉から取ってAX-1。残念ながら新しい流れを生み出せず押し返されました。

でもCRF250RALLYが出た今、そのオンロードモデルとして出たら人気が出そうですけどね。アメリカではCRF250RALLYじゃなくてCRF250L RALLYとなってるからCRF250M RALLYも無きにもあらずのような。

ちなみにこのAX-1/ディグリーはこう見えてレーサーのNS500で生み出された軽量かつ放熱性に優れ、過酷な状況下に強いNS(ニッケル・シリコンカーバイド)メッキシリンダーというちょっと贅沢なエンジン加工がされています。

ディグリーカタログ写真

だから初心者や女性向けの分家XL的な立ち位置という優しさの中にもスポーティさがある。

ディグリー分布図

下からモリモリトルクというエントリーらしさは持っているものの、元々が快速マルチパーパスのAX-1だった事もあり眠くないどころか結構元気。

XL250ディグリー

クラストップとなる足つき、各部ラバーマウント化、着色樹脂外装、9.3Lとそこそこ容量が多いタンク、荷掛けフックと多目的にこなせる取っ付きやすさを持つ一方で、元気なエンジンとフロント21:リア18インチというフルサイズホイール。

伊達にXLの名前を付けてる訳じゃないという事かな。

MD26

95年にはフェイスマスクの変更に加え、リアブレーキまでもディスク化などで更に走りを磨きをかけたMD31にモデルチェンジしています。

ちなみにディグリーとは経度・緯度・温度計などの「度」の意味。

主要諸元
全長/幅/高 2100/815/1155mm
[2100/825/1135mm]
シート高 790mm
車軸距離 1360mm
[1355mm]
車体重量 129kg(装)
[131kg(装)]
燃料消費率 45.0km/L
[40.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 9.3L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 25ps/8000rpm
最高トルク 2.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-21(45P)
後4.60-18(63P)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH9/CR7EH9/CR9EH9
または
U24FER9/U22FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.6L
交換時1.3L
フィルター交換時1.32L
スプロケ 前13|後44
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 379,000円(税別)
[399,000円(税別)]
※[]内はMD31
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)