スーパーカブ/110(AA01/JA07) -since 2008-

タイカブ110

「伝統と進化を併せ持つ信頼性の高い新時代のスーパーカブ」

奇しくもスーパーカブC100が生まれてちょうど50年が経った2008年、排ガス規制強化によりカブもFI(電子燃料噴射)化され50(AA01型)と110(JA07型)へと生まれ変わりました。

50はマイナーチェンジであまり見た目は変わっていませんが、110はフルモデルチェンジでマルチリフレクターヘッドライトとなり見た目も一新。

AA04とJA07

これは50が国内生産&組立なのに対し、110はアジア向けのカブとの共有化によるコスト削減のために部品の六割をタイから逆輸入して日本で組み立てるというハイブリッドのような構造になったから。

110になったものそれが理由。だから正確に言うとこの代で50と110は兄弟というよりもハトコみたいな関係というわけ。

ちなみに両モデルともFI化に伴ってエンジンもフレーム共に新設計なんですが、110は更にクラッチも進化しました。

スーパーカブ90のクラッチ

上が先代のクラッチで、下がこのモデルのクラッチ。

スーパーカブ110のクラッチ

これはまあ要するにクラッチを二段にすることでクラッチレスながら変速ショックを和らげるのが狙い。

ちなみにこれはタイカブにも付いていた機能。

そういえばカブの遠心クラッチの仕組みについて話していなかったですね。

要するにエンジン(クランク)の回転による遠心力でクラッチが繋がる仕組み。停車してもエンストしないのはエンジンが止まる前に遠心力が無くなってクラッチが離れるから・・・物凄いザックリですが。

スーパーカブ110

まあ原付のページですし小難しい話は置いておきましょう。構造こそ違えど仕組みはスクーターのクラッチとだいたい一緒です。

だからカブに乗ったことないライダーなんかは、エンストを避けるためにアクセルを煽ってから一速に入れちゃうから一気にクラッチが繋がってウィリー・・・っていうカブあるある。

スーパーカブ50周年

ちなみに排ガス規制によるFI化という世代交代はもちろんメインのカブだけでなく派生モデルへも影響しています。

リトルカブもFI化され、プレスカブはスーパーカブPROとしてこの代からラインナップに常駐するようになりました。

リトルカブとプロ

これらは引き続き熊本産。

そしてこれも。

MD110

実に40年ぶりにフルモデルチェンジというか、初のフルモデルチェンジで90から110になったMD110。

「四速になってキックから開放された(セル付)」

と郵便局員さん大喜びでした。

最後に少し小話を。

一見するとデザインが少し変わっただけに見えるFIカブですが、排ガス規制に対応させるために中身は大きく変わっています。

FI化と簡単に言っていますが、それには各種センサーや、化学反応を起こして排気ガスをクリーンにする触媒などエンジンを管理&監視する補機が大量に必要になる。

各種センサー

そんな中でも大変だったのが燃料を吹く通路のスロットルボディで、スーパーカブ50はスロットルボディの口径が5mmも大きい18mmとなりました。

ただこれは正確に言うと”大きくなってしまった”という方が正しい言い方。本来ならもっと絞ったほうが低速トルクが出せて燃費も稼げる。

スロットルボディ

ではどうして大きくなってしまったのかというと、口径をこれ以上絞ってしまうと人の指が入らず組み立てる事が出来なくなるから。

これでもかなり小型化している世界最小サイズのスロットルボディなんですよ。ガソリンを吹くインジェクターはもちろんアイドルコントロール用バルブとバイパス、圧を測るセンサーやユニットまでモジュール化した高性能スロットルボディとしては現状このサイズが最小。

なんかこういう技術的な問題やスペースの問題と格闘している話を聞くと

JA07壁紙

「開発が一番大変なのは原付なのでは」

と思いますよね。

主要諸元
全長/幅/高 1840/660/1010mm
[1830/710/1040mm]
シート高 735mm
車軸距離 1175mm
[1190mm]
車体重量 79kg(装)
[93kg(装) ]
燃料消費率 110km/L
[63.5km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 3.4L
[4.3L]
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[109cc]
最高出力 3..4ps/7000rpm
[8.2ps/7500rpm]
最高トルク 0.39kg-m/5000rpm
[0.86kg-m/5500rpm]
変速機 自動遠心式三速リターン
[常時噛合式四段リターン]
※停止中のみロータリー
タイヤサイズ 前2.25-17(33L)
後2.25-17(33L)
[前2.25-17(33L)
後2.50-17-(43L)]
バッテリー YT4L-BS
[YTZ7S]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9S/CPR7EA-9S
または
U20EPR9S/U22EPR9S
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.6L
[全容量1.0L
交換時0.8L]
スプロケ 前13|後40
[前14|後34]
チェーン サイズ420|リンク98
車体価格 155,000円
[249,900円]
※スペックはスタンダード
※[]内は110
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

XR230/Motard(MD36) -since 2005-

XR230

開発コンセプト「エンジョイ・ライト級、マイファースト・オフロード」

XR230はXR250の後継じゃなくてSL230(200系)の後継なんですがせっかくなんでご紹介を。

XR230カタログ

いわゆる200系は250系よりも更にフレンドリー、誰でも気軽に楽しめる”エントリーオフ”に徹底してるモデル。

XR250もコンセプトの一つに敷居を下げることがあったんだけど、エントリー層や潜在需要を掘り起こせるような取っ付き易いオフ車ではなかった。まあフルサイズで足がツンツンになるバイクがエントリーだと思えないのは無理もない話だけどね。

走破性を考えたらハイリフトが当たり前なんだけど「これが良いんだ」って言われても何も分からない人にはネガでしかない。

XR

それに対してXR230はシート高がXR250より75mmも低い805mmとディグリー並の低さ。

ボディ全体もコンパクトに纏めてあるから

「このXRなら乗れそう」

な感じを醸し出してる。

モタードも追加されたんだけど排ガス規制に対応するためのマイナーチェンジ、3年後の2008年の後期モデルからとビックリするほど遅かった。当初はまだXR250Motardがあったからかな。

XR230モタード

ちなみに海外の一部の国ではこのモデルの頃からCRFだったりもします。

ただXR230が可哀想だったのがXR250がXR230が出た後に生産終了となった事でXR250の後釜として見られるようになった事。

しつこいようだけどXR230はSL230/XLR230の後継であってXR250の後継では無い。でもXRというホンダのオフ/モタが実質XR230一択になったから、エントリー層だけじゃなくてオフ車をよく知るエキスパート層まで寄ってきてボロカスに叩かれた。

XR230壁紙

これはホンダがXR250の後継を出さなかった事もあるんだけどホンダから言わせれば

「だって250オフ全然売れないんだもん」

って話でしょうね。

水冷フレンドリーのディグリーに対し空冷フレンドリーのXR230ですがフレンドリーなのは何も車格やスペックだけではありません。

XR230の秘めたるフレンドリーさ、それは223cc/18馬力というSL230から続く馬力も新技術も入ってない何の変哲もないエンジン。

XR230エンジン

カラカラに乾き切って干乾びた技術のエンジンなだけあって大きなトラブルも持病も無く非常にタフ。

何の変哲もないから整備性も弄り易さも良好。乗ってフレンドリー、触ってフレンドリー。フレンドリーの塊のようなオフ車です。

じゃあ何で2009年モデルで終わったのかと言えば・・・セローとしか。

主要諸元
全長/幅/高 2080/825/1115mm
{2015/815/1080mm}
シート高 800mm
車軸距離 1340mm
車体重量 120kg(装)
{125kg(装)}
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 223cc
最高出力 18ps/7500rpm
最高トルク 1.9kg-m/6000rpm
[1.8kg-m/5500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-21(45P)
後120/80-18(62P)
{前110/70-17(54H)
後130/70-17(62H)}
バッテリー YTX5L-BS
[YTZ7S]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
または
X24EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
交換時1.0L
スプロケ 前13|後39
チェーン サイズ520|リンク100
車体価格 400,000円(税別)
{484,000円(税別)}
※{}内はMotard
※[]内は2008年以降モデル
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XR250/BAJA/Motard(MD30後期) -since 2003-

XR250後期

一般的にXR250の後期型と呼ばれるXR250(MD30後期)

大きな変更点としては デジタルCDIユニットによるレスポンスの向上、フロントマスク形状の変更、倒立フォークへの変更、そしてタンクシュラウドが付いたこと。多機能メーターは軽量化の観点からアナログに戻りハンドルガードがオプションになりました。

XR250後期

XR250は「より楽しく軽快に」「より幅広いライダーに」「長時間のライディングにもストレスなく」がモットーなんですが・・・それなのに倒立サスって一体。でもそれよりもタンクシュラウドへの賛否両論が強かったのを覚えています。

タンクシュラウドっていうのは上の写真でいうとXRのロゴが付いてる羽のようなサイドカバーの事なんですが、これの役目は水冷化によって装着しないといけないラジエーターを転倒時に守るためです。

でもXR250は見ての通り空冷。だからこのタンクシュラウドは見た目だけの装飾品なわけで物議を醸しました。

“カッコいいから許す”という人も居れば”オフに余計な飾りなぞ要らん”という人も。個人的にはカッコいいから良いと思うけどね。

そしてこの後期からホンダ初となるモタードのXR250Motardが追加。

XR250モタード

1980年前後には活気のあったオフロードブームも2000年代に入ると去りつつ・・・というかほぼ去ってました。しかしその半面、人気が出始めたのが98年のD-TRACKERを皮切りに広まったモタード。

これメーカーも喜んだと思いますよ。だって(ちょっと汚い話だけど)同じ車体をオンロード仕様にするだけで違う車種として売れるんだから。

オフ車って汎用性に乏しくて排気量によるバリエーション展開しか出来なかったからモタードは本当に死中に活なジャンル。もしかしたらタンクシュラウドを付けたのはモタードの事を考えてかも知れないですね。

肝心の中身ですが、舗装路を考え前後17インチにサスペンションを少し硬めに変更されています。そのおかげでちょっと足付きも良い。

ちなみにモタードが生まれたのは1980年頃と実はなかなか古い。

モタードレース

でも海外のローカルレースに留まるレベルでみんなオフ車をベースに自分たちで改造してた。

SSを剥いたネイキッドであるストリートファイターや、最新のバイクをレトロに改造するネオレトロが10年掛からず広まってメーカーも参入したのに対して、今でこそ世界レースが開かれるまでになったモタードは20年も掛かってる。

そして忘れちゃいけないXR BAJA。

バハ

XR250が大きく変貌したのに対してBAJAはスタイルが確立していたからかタンクシュラウドも倒立フォークも付けることありませんでした。この”変えない勇気”は讃えられる事ではないでしょうか。

ただそれらのパーツを共有しなかったのが仇となったのかBAJAは排ガス規制強化の2007年まで続いたXR250よりも3年早い2004年をもって生産終了となりました。

ちなみにXR250は12年にも続いたロングセラーモデルという事もあってか仮面ライダーシリーズに多く出ていたバイクでもあります。

オートバジン

仮面ライダーブレイド、電王のマシンデンバード、ファイズ等など。おそらく最多出演じゃないのかと。

主要諸元
全長/幅/高 2175/805/1190mm
{2140/820/1220mm}
[2110/790/1150mm]
シート高 875mm
[855mm]
車軸距離 1425mm
{1420mm}
車体重量 133kg(装)
{137kg(装)}
[134kg(装)]
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.3L
{14L}
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 28ps/8000rpm
最高トルク 2.6kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 3.00-21(51P)
4.60-18(63P)
[前110/70-17(54H)
後130/70-17(62H)]
バッテリー YTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EH-9/CR8EH-9/CR9EH-9
または
U22FER9/U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前13|後40
[前13|後39]
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 509,000円(税別)
{519,000円(税別)}
[519,000円(税別)]
※{}内はBAJA
※[]内はモタード
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

CBR600RR(PC40中期) -since 2009-

PC40後期

「妥協なきスポーツパフォーマンス。」

基本的には前期と変わらないんですが自主馬力規制撤廃で78馬力になったので分かりやすいように中期とします。

ピークを上げた事で騒音規制に引っかるようになったのか剥き出しだったエンジン部分が吸音材入りカバーで覆われているのが特徴。

パワーを上げるに伴い一応吸気ポートの表面処理の変更など細部の改良も施されてるんですが、中期と区切った一番の理由は

『コンバインドABSモデルの追加』

にあります。

コンバインドABS

これはすごく簡単に言うとブレーキの電子制御化(ブレーキバイワイヤ化)によって可能となったABSシステム。

普通ブレーキというのは

ブレーキを握る

ブレーキフルードがキャリパーそしてピストンを押し出す

ピストンがブレーキパッドをローターに押し付ける

ブレーキが効く

という感じなわけなんですが、このコンバインドABSはブレーキを握ったり踏んだりしてもそのままキャリパーピストンへは向かわずバルブユニットが電気信号に変えてECUに送る。

2009PC40ポスター

ブレーキを握る

ブレーキフルードがECU側に圧をかける

ECUが圧を測定し独自のラインから圧をかけてピストンを押し出す

ピストンがブレーキパッドをローターに押し付ける

ブレーキが効く

という感じで、受け取ったECUがブレーキの強さを計算し最適な入力になるよう補正を掛けてパワーユニットのモーターを動かしてブレーキを掛けるという仕組。

ECUが起きてないエンジンOFF時などはバルブユニットを通してそのままブレーキが掛かる従来通りのシステムになっている。

これの最大のメリットはパニックブレーキによる握り転け(フロントをロックさせてガシャン)を防げる事・・・でもこれだけなら既存のABSでも同じというか二輪のABSはそれを防ぐためにある。

「じゃあコンバインドABSは何が違うのか」

というとフロントがロックするとECUが判断した場合リアブレーキを自動で開始し最短で止まれるプロ並みの急制動をしてくれるというわけ。しかもブレーキバイワイヤなのでキックバックもない。

2009PC40ポスター

雨の日でも躊躇なくフルブレーキングを掛けられる人なら要らないかもしれませんが、そうでもない限りは恩恵は大きい。

ユニットを4つも積まないといけない事から10kgも車重増してにしまったわけなので

「なんでSSに付けるんだ」

っていう声もありました。

気持ちは分からないでもないですが安全のためなら安いものだし、何よりこのシステムは元をたどると

『HRCレーサーRVF(R-CBS)』

から来ているこれもレース直系の技術だったりするんですよ。

そう考えると半レーサーであるCBR600RRに搭載されるのもそんなにおかしな話では無いかと・・・まあABSモデルは車体価格の関係もあって全体の2割にも満たなかったらしいですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2010/685/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 187kg(装)
{197kg(装)}
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 78ps/12000rpm
[119ps/12600rpm]
最高トルク 5.3kg-m/10000rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
VUH24D
[IMR9E-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,098,300円(税込)
※{}内はABSモデル
※ABSは+168,000円
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC40前期) -since 2007-

2007CBR600RR/PC40

「True to The Function(真の機能とは)」

600SSの熱がちょうどピークに達していた頃に出てきたCBR600RRのPC40型。

PC40ポスター写真

デザインに目が行きがちなんですが一番大きく変わったと感じるのは何よりポジション。シート高こそ先代と変わらない820mmですが形状見直しで足付きが、ハンドルが上げられたことでポジションがそれぞれ優しくなりました。

とはいうもののホンダにとって特別な称号であるRRという名を付けているだけあって最新技術を奢られたスーパースポーツである事に変わりはなく、数字的な事で言うと更なるコンパクト化が計られ車重も

「装備重量で187kg(先代比-7kg)」

ともはや心配になるほど驚異的な軽量化となったわけですが、ここまで軽くするためにもちろん様々な事をやっています。

・メインとカウンターを寄せ上げエンジン長を短縮
・フレームをフルダイキャストの4ピース構造にし肉薄化
・ピストンに高純度モリブデンを着床させピストンリング肉薄化
・コンロッドの再設計

CBR600RRシャーシ

他にもカウルの大幅な肉抜き・・・などなど、などなど。

グラム単位での軽量化を積み重ねの末に達成したクラス最軽量600SS。カッコいいだけのセンターアップマフラーを採用したままでこの車重は凄い。

2007pc40

言い忘れていましたが1000でお馴染みの電子制御式ステアリングダンパー

『HESD(ホンダ エレクトロニック ステアリング ダンパー)』

も採用しています。

それにしても何故ホンダがこれほどまでに軽量化に舵を切ったのかといえばRRというのは元々ライトウェイトである事が至上命題とされていたから。

PC40

そのこだわりは車体だけに留まらずなんとタイヤにまで至っています。

「標準(OEM)タイヤはコストカット品だから良くない」

という声を聞きますがこのPC40が履いていたBT-015(CBR600RR仕様)はコストカット品じゃない・・・これ重量カット品なんです。タイヤに至るまで軽量化に余念が無いっていう。

ただもう少し掘って話すと単純に軽くする事が狙いというわけではなく

「軽さこそが扱いやすさ、そして速さに繋がる」

という考えの元に軽くすることに心血を注いでいるのが正しいコンセプト。

PC40ポスター写真

『600史上最小&最軽量』

としつつもポジションを優しめに改良したのもそういう事から。

実際PC40型は非常に乗りやすく日常でも使える優しさを持っていると言われる一方、世界レースでも連勝を伸ばし6連覇を達成するほどレースベースとしても非常に優秀でした。

CBR600RRコニカミノルタ

ちなみにこれは2007年のMotoGPマシンRC211V(コニカミノルタ・ホンダ・チーム)を模したスペシャルエディション。

本家を超えるほど似合っていたためか今でも非常に人気があるカラーリングだったりします。

主要諸元
全長/幅/高 2010/685/1105mm
シート高 820mm
車軸距離 1380mm
車体重量 187kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[119ps/13800rpm]
最高トルク 5.2kg-m/11500rpm
[6.2kg-m/11250rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9HES
[IMR9C-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.7L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前16|後40
[前16|後41]
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 1,076,250円(税込)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC37後期) -since 2005-

06CBR600RR

「RR Revolution.」

期待通り二年でモデルチェンジしたPC37後期モデル。ぱっと見変わってないように思えますがフラッグシップスポーツなだけあり随所で改良が行われました。

フレームマウントやスイングアーム、マフラーといった重量物の設計を見直して5kgもの軽量化。更に足回りもフロントフォークが要望が多かったのか販売店からの突き上げにあったのか正立から倒立に変更され、ブレーキもトキコのラジアルマウントキャリパーとSSのトレンドに合致した足回り。

顔つきもラインの影響か結構変わったんですが、この頃の600RR(PC37)はその少し強面な顔の通りホンダとしては結構スパルタンなモデルになっています。

pc37後期

分かりやすいのがポジションで、このモデルまではハンドルが少し低くキツめで

「ストリートとサーキット双方の王者」

と言う謳い文句でしたが結構サーキット寄りでした。※あくまでも600RRとしては

まあこれはCBR600Fが主要市場の欧州などではまだ存続していた事も関係しているんでしょうが、CBR1000RRを含めこの頃のRRはちょっと異質というかレースにかなりウェイトを置いていたRRと言えるかと思います。

ちなみにそれなだけありPC37型は肝心の市販600世界レース(WSS)においてデビューイヤーの2003年から4連覇、つまり出たレース全部で総合優勝を果たしています。

モビスターカラー

これはその記念に出されたモビスターカラー。

ちなみに日本国内のST600(改造範囲が狭いクラス)でも4連覇しており本当にセールスもレースも敵なし状態でした。

ところで言い忘れていたのですがCBR600RRはPC37前期の頃から国内仕様がありました。

ある程度の加工で100馬力近いスペックのセミフルパワー化は可能になるんですが、完全フルパワー化しようと思ったらカムシャフトも変える必要性があり少しハードルが高かった。

お節介だとアッチコッチで言われたんですが、これは低域での乗りやすさを考えてのことだし何よりカムが国内向けと国外向けで違うのは別に600RRに始まった事でもホンダだけの事でもないんですけどね。

06CBR600RRリア

なのに大きく話題になったのはそれだけCBR600RRが人気だったという証でしょう。

主要諸元
全長/幅/高 2010/690/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 194kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[118ps/13250rpm]
最高トルク 5.2kg-m/7500rpm
[6.0kg-m/10750rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9HES
または
VUH24D
[IMR9C-9HES]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 966,250円(税込)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CBR600RR(PC37前期) -since 2003-

2003年式CBR600RR

「Innovative Wonder(驚異の革新性)」

初代CBR600RRことPC37前期型。

先ず何故ホンダがこのようなバイクを出したのかというと、自身がCBR600Fで切り開いたミドルスポーツクラスが欧州で加熱し市販車世界レースの一つのクラス(WSS:スーパースポーツ)になるまでになったことが一つ。

そしてもう一つは世界最高峰レースであるMotoGPが2stから4stに移行したことがあります。

RC211V

見比べてもらっても分かる通りCBR600RRはMotoGPマシンであるRC211V(ホンダ初の4stGPマシン)を強く意識したデザイン。本当にソックリですよね。

レースやサーキットを強く意識する必要があったためほぼほぼ完全新設計で

・デュアルインジェクション(PGM-DSFI)
・アルミダイキャストシートフレーム
・ユニットプロリンク

などなどホンダの持ちうるレース技術が総動員されたような形になっています。

2003CBR600RR

まず目立つのはやっぱりエンジンで、主要三軸のトライアングル配置は勿論のことエンジンスターターをわざわざ右側に持ってきてジェネレーターを中央へ押し寄せるなど

「とにかく小さく短く細く」

という創意工夫が至る所で行われている。

もちろんパワーも大事でエンジンには

・VTR1000SP譲りの浸炭ナットレスコンロッド(140g減)
・スカートを短く出来る新型スリッパーピストン(8g減)

などを採用。

2003pc37

たかがグラムと思うかもしれませんがピストンとコンロッドというのは往復運動をする最も忙しなく動く部分で、掛け算で膨れ上がっていく慣性重量を軽減しレスポンスを上げるには最も効果的な部分。

足回りもワークス直系の

・アルミ製ハイブリッドスイングアーム
・ユニットプロリンクリアサスペンション

などレース技術のフィードバックにあんまり積極的じゃないホンダらしからぬ本気度が見て取れる直系っぷり。

2004年モデル

ここまでやって正立フロントフォークっていうホンダらしさというかCBR900RRを彷彿とさせるこだわりがなんとも面白いんですが、コレはコレでホンダとしては最大サイズとなる極太フルアジャスタブルフロントフォークで安物ではありません。

正立の採用理由は間違いなく軽量化でしょうね。

・・・でもですね、多分CBR600RRを買った人やカッコいいと思ってる人の多くはそんなテクノロジーに惚れたんじゃなくてこのセンターアップマフラーに惚れた人が大半ではないでしょうか。

CBR600RRエンジン

合理性を何よりも求められるSSにおいて

「カッコいいから」

という至極単純な理由で採用されたセンターアップマフラー。

2003pc37

熱いし重いしマスの中心化に不利・・・なのを補って有り余るカッコよさ。

主要諸元
全長/幅/高 2010/695/1115mm
シート高 820mm
車軸距離 1395mm
車体重量 199kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[118ps/13000rpm]
最高トルク 5.2kg-m/7500rpm
[6.7kg-m/11000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C-9H
または
VUH24D
[IMR9C-9H]
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
交換時2.6L
フィルター交換時2.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ530|リンク112
[サイズ525|リンク112]
車体価格 890,000円(税別)
※[]内は逆輸入モデル
系譜図
CBR600RR(PC37前期)

2003年
CBR600RR
(PC37前期)

CBR600RR(PC37後期)2005年
CBR600RR
(PC37後期)
CBR600RR(PC40前期)2007年
CBR600RR
(PC40前期)
CBR600RR(PC40中期)2009年
CBR600RR
(PC40中期)
CBR600RR後期2013年
CBR600RR
(PC40後期)
CBR600RR最終2020年
CBR600RR
(PC40最終)

CB600F HORNET(PC41) -since 2007-

ホーネット600PC41

フルモデルチェンジしPC41となったホーネット600のPC41。

F4iがRRに置き換えられ消えてしまったのとは対照的に好評だった事からFの名を残し、実質的にCBR600Fの系譜を担うことになりました。

ただこのモデルからホーネットもエンジンは600RRのものを使っています。だからFの割には結構過激なホーネット。

ホーネット600

アルミフレーム化は勿論のこと外見もパッと見で分かる通り皆が知るそれまでのホーネットから大きく離れました。
でもタンク形状などを見ると皆の知るホーネットの面影がちゃんと残ってます。

ホーネット600プレスインフォメーション

しかし(しつこいようですが)これまた残念ながらこのモデルも国内で正規販売されることはなく・・・

ついでと言ったらちょっと可哀想で申し訳ないけど、向こうではホーネットの廉価版に近いバイクもありました。

それはCBF600Nとハーフカウルを付けたCBF600Sというバイク。パッセージ(ホンダ逆輸入業者)が少し入れてたみたいね。

CB600N/CBF600S

Fコンセプトと言っていいのか微妙だけどエンジンとフレームはこのホーネットの物を使用してます。

つまり見た目や足回りはオーソドックスだけど中身はSSエンジンとアルミバックボーンっていう一風変わったバイク。

話をCB600F ホーネットに戻しましょう。

日本では存在すら知られていないホーネット600ですが、欧州ではミドル直四が欲しいならコレ買っとけと言われるほど。歴代ホーネット600で一番評価が高いモデル。

CB600N/CBF600S

同じ600SSエンジンを積んだライバル勢を蹴落とすどころか刺して亡きものにしたわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2090/740/1175mm
シート高 800mm
車軸距離 1435mm
車体重量 198kg(装)
燃料消費率
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 102ps/12000rpm
最高トルク 6.4kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

HORNET 600(PC36) -since 2003-

HORNET600

順調に売れていたホーネットも2003年にモデルチェンジ。主要市場が欧州ということでデザインがアクの強い物になりました。

F4iが正立ままだったのに対しネイキッドタイプながら倒立サスを採用するというホンダとしては非常に珍しいバイク。

ホーネット600PC36

恐らく見慣れない人が多いでしょう。それもそのはずで、このホーネット600(PC36)は日本で正規販売されることはありませんでした。

ジャパニーズスタイルをベースとしつつも異型メーターに倒立サスは如何にもイタリアを始めとした欧州人が好みそうなデザイン。逆に日本人からしたら違和感を持つ人が多いでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2125/750/1085mm
シート高 795mm
車軸距離 1460mm
車体重量 194kg(装)
燃料消費率
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 95ps/12000rpm
最高トルク 6.4kg-m/10500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

CBR600F4i Sport(PC35後期) -since 2001-

PC35

激化するミドルクラスのスペック競争に対し攻勢を掛けるためF4から僅か二年で登場する事となったのがF4を更にスポーツ寄りにしたCBR600F4i。

「i」というのはインジェクションのiで、馬力こそ0.2馬力UPと小さいけどレスポンスが大幅に向上。他にもフレームの剛性アップやキャリパーピストンやインナーチューブのアルミ化、エアクリーナーの大容量化など改良は多岐にわたっています。

CBR600F4i

が、一番大きいのはやはり見た目ではないでしょうか。つり上がった二眼とグラブバーの付いていないセパレートシートはFからRRへと変貌を遂げている最中のような感じですね。

ところで日本でCBR600F4というとセパレートシートのスポーツモデル(F4i)を想像するけど、海の向こうではCBR600Fという名称もありました。

F1でも言ったけど欧州にとってミドルクラスというのはタンデム性や積載性も重要なファクターな為こっちのモデルも人気だった。ちなみにコチラもFI搭載。

CBR600FS

実際ワンピースシート&グラブバータイプであるこのFはF4iの実質後継である600RRが出た後も2006年ほどまでしばらく併売されました。

ただ結果的に強いスポーツ性を求められるSSブームに湧いていた状況においてFコンセプトでは勝負できないと判断したんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2065/680/1135mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 196kg(装)
燃料消費率 31.6km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
[110ps/12500rpm]
最高トルク 5.3kg-m/7500rpm
[6.6kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ10S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
IMR8C 9H/IMR9C 9H
または
VUH24D/VUH27D
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時3.0L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 820,000円(税込)
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)