HORNET 600(PC34) -since 1998-

ホーネット600 PC34

ここでFシリーズから少し脱線して紹介するのがCBR600Fのエンジンを積んだネイキッドモデルとして登場したホーネット600(PC34)

日本でホーネットといえば250のMC31(1996年)がメジャーだけど、欧州でホーネットといえばコッチ。

cb600f600カタログ

基本構造を250と共有化することでコストを抑えつつ、600Fのエンジンをより低速寄りに調整したエンジンを積んでます。

とはいうもののホンダも最初はソコまで売れると思ってなかったらしく、あくまでもCBR600Fのオマケの派生的なモデルだったんだけど、発売してみると欧州(特にイタリア)で思わぬヒットを飛ばす事に。

そして600フルカウルの情勢が変わっていった事もあってホンダも徐々にCBR600FからこのCB600F(ホーネット)へ軸足を切り替えていく事になったわけです。

ホーネット600タイプS

ちなみに調子に乗ってハーフカウルを付けたSモデルも後から出したけどソッチはダメだった模様。

日本でも一応売ってはいたんですが・・・まあ、600という事から人気は出ず。

PC34カタログ写真

『バイク選びの基準は「排気量」か「楽しさ」か。』

というキャッチが全てを物語っていますね。

ところでご存知かと思いますがホーネットといえば250と600そしてもう一つCB900 HORNET(SC48)がありますよね。

ホーネット900

最後発のホーネットだけどあっちは900RRのエンジンを積んでて系譜的にもcbr600fの方なのでまた次の機会に。

主要諸元
全長/幅/高 2040/740/1055mm
[2055/745/1190]
シート高 790mm
[760mm]
車軸距離 1430mm
車体重量 195kg(装)
燃料消費率 30.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11500rpm
最高トルク 5.3kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR16(61W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
または
U24FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時3.5L
フィルター交換時3.8L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 629,000円(税込)
[649,000円(税込)]
※[]内はホーネットS
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

CBR600F(PC25後期) -since 1995-

honda PC25

型式は同じだけどモデルチェンジをしてCBR600F3とナンバリングが一つ上がったPC25後期。

主な変更点としてはフレームやスイングアームの見直し肉厚化で剛性を上げ、ホンダ初となるDirect Air Induction Systemを採用したこと。

CBR600F3

ダイレクト・エア・インダクションが何かと簡単にいうとラムエアシステムみたいなものでRRなんかには今でも採用されてるから知ってる人も多いと思いますが、CBR600Fはキャブということで少し違います。

空気を吸い込む大きな口がフロントフォークの間に設けられてるのはわかると思うんですが、上の方にホースが二本出ているのが見えると思います。

ダイレクトエアインダクションシステム

このホースは20km/h未満時のみ作動する吸気ホースで、負圧で動くキャブの気圧を各種センサーと電磁バルブでコントロールしているというわけ。

ちなみにイン”ダ”クション”でイン”ジェ”クションじゃないです。エアインジェクションとなるとそれは二次エアーで未燃焼ガスを酸化燃焼をする全く違う排気系の機能です。でもヤマハはその二次エアー噴射をエアインダクションと言ってるみたい・・・ややこしいですね。

ラフデザイン

まあそんなダイレクトエアインダクションシステムと更なるビッグボア化で馬力は遂に100馬力を突破し104馬力にまでなりました。それに合わせて大径のフローティングディスク化やリアショックマウントの変更など足回りも強化。

カタログ写真

F1、F2、F3と三代続けて期待を裏切らないモデルだったことから当時の600としては異例の累計販売10万台以上という記録を樹立しています。

主要諸元
全長/幅/高 2025/685/1135mm
シート高 810mm
車軸距離 1405mm
車体重量 208kg(装)
燃料消費率 30.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 598cc
最高出力 69ps/11500rpm
[104ps/12000rpm]
最高トルク 5.1kg-m/7500rpm
[6.7kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17
後160/60ZR17
バッテリー FTX9-BS
または
YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.5L
[全容量4.2L
交換時3.4L
フィルター交換時3.7L]
※[]内は96年後期モデル
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ530|リンク106
車体価格 755,000円(税込)
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

CBR600F(PC25前期) -since 1991-

PC25

1991年にフルモデルチェンジを果たしF2となったPC25。本当はFのナンバリングが付くのは北米だけなんだけど日本でもF4がありましたし分かりやすいので。

内容としてはツアラー性を損なわないまま走行性能を磨くという正にFコンセプトそのもの。

カムチェーンの配置をセンターから主流のサイドへ移行しエンジンの軽量コンパクト化及び吸気効率の上昇。ボアを2mm大きくし599ccとしたことで馬力は更に上がって99馬力となりました。

honda CBR600F2

翌92年からは晴れて国内仕様が作られ正規取り扱い車種に。ただ馬力が69馬力と落とされててホンダも売れる見込みが無いと思ったのか年間販売計画はわずか500台。

それとは対照的に海外におけるCBR600F2~3は後に”90年代の600を代表する最も優れたバイク”と言われるほど程の評価とセールスを獲得。

honda CBR600F2カタログ

元々初代のF1が成功した事からも開発を任された責任者の石川聡さんは相当なプレッシャーだったようで、CBR600F2という文字は伏せMV9という刻印名でプロジェクトを掲げ

「もっとも軽く、もっともパワフルな600」

という信念のもと、デザインの段階から参加し根を詰め時間を掛けて作ったとのこと。高い評価を得たのはその熱意があったからでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2020/685/1130mm
シート高 810mm
車軸距離 1405mm
車体重量 205kg(装)
燃料消費率 30.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/11000rpm
[99ps/12000rpm]
最高トルク 5.1kg-m/8000rpm
[6.5kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17
後160/60ZR17
バッテリー FTX9-BS
または
YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
交換時3.2L
フィルター交換時3.5L
スプロケ 前15|後40
チェーン サイズ525|リンク106
車体価格 730,000円(税込)
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)

CBR400RR(NC29) -since 1990-

1990CBR400RR

「高次元ヒューマン・フィッティング」

CBR400RRの後期になるNC29型。

二年先を行く設計を開発目標に

・アッパーケース一体型新エンジン
・新開発VP型フラットバルブキャブ
・吸排気を全て見直し
・LCGフレーム
・F17、R18インチから前後17インチへの変更
・6本スポーク化
・PGMイグニッション
・専用水冷式オイルクーラー
・新設計の3ピースガルアーム
・バッテリー容量の削減

などなどとなっています。

LCGフレーム

中でも特徴的なのがLCGフレームですが、LCG(Low Center of Gravity=低重心)という名前からも分かる通り重心を下げるために編み出されたフレーム。

こうすることで安定性を確保しつつも寝かし込みからの切り返しなど車体を起こしやすくしている。

NC29

それに加えてシャープなハンドリングのためエンジンを剛性メンバーとして積極的に活用するために前方がエンジンを拾うように伸び、結果このような形になっているという話。

さて・・・話が少し戻るんですが、ホンダはVFR400とCBR400の二大看板で400レースに挑むことになったものの、レースではVFR(RVF)がファクトリーマシンで85年から三連覇していたので人気は圧倒的にVFR400でした。

そんなV4一辺倒にの流れに対して市場や社内からの突き上げられた事で登場したのがCBR400RRという話を先代でしましたが、そう考えていたのは市販車部門だけでなくレース部門のHRCもそうだったんですね。

それが形となったのが1988年CBR400RRの発売年と同時に登場したRCB400/NX0型。

RCB400

世界耐久レースで圧倒的な速さを見せつけ無敵艦隊との異名をとったRCBと同じ名前を冠している事からも分かるようにHRCファクトリーゔチューンのCBR400RR。

RVFのピストンやバルブといったヘッド周りを流用し86.6馬力を叩き出すアイドリング回転数8000rpmのエンジンに、直四の横幅を解消するためセミモノコックフレーム。

このマシンに前年RVFでチャンピオンに輝いていた田口さん乗せて参戦させた。

そう、つまりHRCも

「直四でもやれる」

という事を証明しにかかったんです・・・が、そこはさすが最高潮に盛り上がっていたレースというか、宿敵ヤマハが大幅に性能を上げてきた事で初戦を明け渡してしまうんです。

年間王者が絶対だった状況で初戦を落としてしまうという事態にホンダは大きく揺れてしまい、結果として二戦目からは熟成の域に達していたRVFに変更。

NC29/CBR400RR

このCBR400RRというレーサーレプリカにはそんな背景があるんです。

しかも何のめぐり合わせというか運命のいたずらというか、このCBR400RRの開発責任者はRVF750レプリカでお馴染みVFR750R/RC30の本多さんっていう。

そしてRACERS/29のインタビューに対し、RCB400のライダーだった田口さん、モノコックフレームを造った有馬さん、エンジンを造った岡野さん。

皆が口をそろえて

「もう少しRCB400でやりたかった」

という名残惜しさを仰っていました。実際に勝負は出来ていたわけですからね。

NC29カタログ写真

直四でもやれる事を証明するために誕生したCBR400RRとRCB400。

レーサーレプリカという時代が生み、レーサーレプリカという絶対勝利が義務付けれられていた時代が止めたワンレースのレーサーレプリカでした。

主要諸元
全長/幅/高 1990/670/1080mm
シート高 750mm
車軸距離 1365mm
車体重量 179kg(装)
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 399cc
最高出力 59ps/13000rpm
[53ps/13000rpm]
最高トルク 4.0kg-m/10000rpm
[3.6kg-m/10000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60-17(55H)
後150/60-17(66H)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時3.2L
フィルター交換時3.4L
スプロケ 前15|後39
チェーン サイズ525|リンク102
車体価格 699,000円(税込)
※[]内は93年以降モデル
系譜図
NC171983年
CBR400F
/ENDURANCE
/FORMULA-3
(NC17)
NC23前期1986年
CBR400R
(NC23)
NC23後期1988年
CBFR40RR
(NC23)
NC291990年
CBR400RR
(NC29)
/CB400F/400X2013年
CBR400R
CB400F
400X
(NC47)
/CB400F/400X2016年
CBR400R
400X
(NC47後期)
/400X(NC56)2019年
CBR400R
400X
(NC56)

HORNET(MC31) -since 1996-

MC31

「クラスを超えたインパクティブネイキッドロードスポーツ」

ジェイドの後継として1996年に登場し若者に絶大な人気を誇ったホーネット/MC31型。

レーサーレプリカブームの後を担った直4ネイキッド勢として2007年まで発売された非常に長寿モデルだった事もあり、最近までよく見かけてはいたんですがそれも昔の話で今ではプレミアが付くように。

そんなホーネットはこう見えてCB400SFやCB1000SFと同じ

『PROJECT BIG-1』

の流れで開発された一台だったりします。

ホーネットコンセプトスケッチ

エンジンは先代にあたるJADEに続きCBR250RRをベースに中低速に改良した突き抜けるのようなカムギアトレインのDOHC四気筒。

ボディの方はアップマフラーに加えて

Fタイヤ:130/70R16

Rタイヤ:180/55R17

という大型バイク並というかCBR900RRと同じ極太タイヤ。このタイヤに惚れ・・・このタイヤに泣いた若者は数知れず。
※銘柄が少なくタイヤ代も高い

MC31壁紙

まあでもそのおかげでこれだけの迫力を出せている訳なので・・・。

本当にPROJECT BIG-1の流れを受け継いでいるのか少し疑問に思うほど変わっているホーネットなんですが、変わっているのはタイヤだけではなく隠されているフレームもそう。

王道である囲い込むようなダブルクレードルフレームではなく背骨が一本通っているようなバックボーンタイプで、サスペンションもモノサスになっています。

ホーネット

「バックボーンにカムギア四気筒ってRC161みたいだ」

・・・と言ってもわからない人が多いと思うので簡単に説明すると、RC161はWGP250(世界最高峰レース250部門)でホンダが初めて表彰台に上がった250ファクトリーマシンの事。

RC161

こうやって見るとホーネットってRC161と色んな意味で通ずるものを持ってたんですね。時代の進化って凄い。

話が脱線したので戻しますが、ホーネットがホーネットたる所以も実はこのフレームによるものが大きい。

ホーネットといえばどうしても先に話した通り極太タイヤのイメージが先行しがちなんですが、ホーネット特有のグラマラスなボディはこの見えないフレームによって可能になっているんです。

白ホーネット

ホーネットは

「楽しいライディングの中に、インパクトのある迫力を」

という2つを掛け合わせた欲張りな開発テーマでした。

楽しいライディングの方はいま話した通りBIG-1というよりネイキッドらしさより、カムギア直4にバックボーンフレームとモノサスというRC161に通ずる部分で表現。

でもそれだけなら何もスズメバチに例えなくてもいい気がしますよね・・・そこで出てくるのが車名です。

「なんでホーネット(スズメバチ)なのか」

という名前の由来にも繋がるのがもう一つのテーマであるインパクトのある迫力。

スズメバチ

ホーネットはスズメバチの太い上半身と下半身を持ちつつも腰がキュッとくびれている

『ボン・キュッ・ボン(死語)』

というボディラインを表現しているんです。どうしてタンクが張り出しているんだと悔やむオーナーも多いと思いますがそれもこれが理由。

コンセプトスケッチ

その意図を共有するために普通ならまず描かれないトップビューアングルのコンセプトスケッチまで用意されました。

ホーネットの特徴に貢献しているのはバックボーンフレームという根拠はこれ。

太いタイヤを履いている事が特徴ではなく、太いタンクタイヤとスリムな腰が織りなす

MC31カタログ写真

「スズメバチのようなグラマラスボディ」

というのがホーネットの特徴であり、これが出来たのは一本柱のようなバックボーンフレームだったからという話。

主要諸元
全長/幅/高 2045/740/1055mm
シート高 760mm
[745mm]
車軸距離 1415mm
車体重量 166kg(装)
燃料消費率 32.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 40ps/13000rpm
最高トルク 2.4kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前130/70ZR16(61W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTX7L-BS
[YTZ7S]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前14|後45
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 464,400円(税別)
[529,000円(税別)]
※[]内は2003年以降モデル

年次改良

1998年
エンブレム変更と荷掛けフックの採用

1998年
排ガス規制に伴いエアインジェクションと触媒を採用

2003年
メッキミラー
サスペンション変更
シート形状変更(シート高-15mm)
タンクエンブレムをWINGマークへ

2005年
マルチリフレクターヘッドライトの採用

系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

ジェイド(MC23) -since 1991-

ジェイド

キーワードは「自然体スポーツ」

JADE(ジェイド)の意味は日本語で翡翠。

ゼファー(1989年)の登場によりレプリカブームが失速し始め、再びネイキッドがブームとなりつつありました。せっかくお金を掛けて作ったエンジンを「ブームが去ったからポイ」なんて出来るはずもなく、「ネイキッドがブームならネイキッドに積んで売ればいいじゃん」という流れに。

89年のGSX-R250のエンジンを積んだネイキッドのバンディット250を皮切りにカワサキからはZXR250のエンジンを積んだバリオス、ヤマハからはFZR250のエンジンを積んだジール、と続々登場。そんな中でホンダが出したのがこのCBR250RRのエンジンを積んだジェイドというわけ。

MC23

ただジェイドはそんな四車の中でも異質でした。

というのもその四車を並べてみると分かるんだけど、各社ともスポーツエンジンを積んでいるスポーツネイキッドという事からネイキッドはネイキッドなんだけど、火付け役のゼファーとは違いスポーティさを感じさせるデザインをしてた。

それに対してJADEは見て分かる通りオーソドックスというか非常に地味な形。タンクはどう見てもCBなのにCBに見えない地味さはサイドカバーとシートカウルが繋がってる事が原因かな。

JADEカタログ写真

地味な見た目に反するカムギア直四250って一部の好き者にはたまらないんだろうけど・・・まあ売れるバイクではないよね。ただこの失敗が次に生きるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2060/710/1095mm
シート高 780mm
車軸距離 1420mm
車体重量 161kg(装)
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 40ps/14000rpm
最高トルク 2.4kg-m/11000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/80-17(52S)
後140/70-17(66S)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9/CR9EH-9
または
U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 479,000円(税別)
系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

CBR250RR(MC22) -since 1990-

MC22

「高次元ヒューマンフィッティング&スーパーレスポンス・クォーター」

今でも250ccのバイクの話になると話題になるどころか復活したことでまた話に挙がってるCBR250RRのMC22型。

・吸気/排気系を再設計
・カムリフト量を縮小
・コンロッド周りの強度アップ
・圧縮比を0.5アップ
・VP型フラットバルブキャブ
・点火システムの見直し
・LCGフレーム
・110/70R17のラジアルタイヤを標準化
・8本スポークホイール
・タンデムシートをヒンジ型に変更
・Φ276のダブルディスクブレーキ化
・オールアルミサイレンサー

などなど

MC22カタログ写真

先代にあたるMC19のレプリカ色を更に強めたモデルでCBR400RRと同じ

『ヒューマンフィッティング』

というコンセプトを掲げて並ぶ形になったんですが、この両者は似て非なるモデルというか性格は全く違います。

400はバリバリのレーサー指向だったのに対し250は柔らかめの足に低いフレーム剛性とシート高というこう見えて非常にフレンドリーなんですね。あくまでも当時としてはの話ですが。

ニダボ

「ホンダの4st四気筒カムギアトレーン250ccレプリカ」

ということで凄いカリカリなイメージが先行しがちなんですが、400がサーキットでのフィッティングを大事にしたのに対し250は日常使いへのフィッティングを大事にした形。

その象徴ともいえるのがCBR400RRと同じく採用されたフレームにあります。意外とこの事を語ってる人は少ない印象なんですが250RR(と400後期)はLCG(Low Center of Gravity:低重心)フレームという独特なフレームをしています。

MC22フレーム

パッと見ただけでも普通のツインスパーフレームと形が少し違うことがわかると思いますが、これの狙いは前と中と後ろそれぞれの剛性を変えることで最適な剛性を作り出すこと。

LCGフレーム

そしてもう一つは名前の通り車体の重心を下げることで切り返しの軽さなどを狙ったもの・・・なんですが、実はCBR250RRは400ほど重心を下げていないんです。

これはオリャと極限まで責め際のハンドリングの良さよりも、重心をライダーに寄せることで日常など何気ない普段遣いでも素直にコーナリングにするため。

CBR250RR FireBlade

ある意味ではRRやFireBladeという言葉が先に立ち一人歩きしてしまった事で他のRRやNSRと同じようにカリカリのレプリカというイメージを持たれてる事が多い250RRのMC22だけど、中身はスペック競争が激化していたレプリカブームの真っ只中で最も我々一般ライダーに寄り添った優しいRRだったんですよ。

まあ市販車4st250ccレースでも頭一つ抜きん出た速さを持っていたのも事実ですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 1975/675/1080mm
シート高 725mm
車軸距離 1345mm
車体重量 157kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 249cc
最高出力 45ps/15000rpm
[40ps/14500rpm]
最高トルク 2.5kg-m/12000rpm
[2.4kg-m/11500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70R17(54H)
後140/70R17(63H)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9EH-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.2L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前17|後52
チェーン サイズ428|リンク134
車体価格 599,000円(税別)
※[]内は94年モデル以降

年次改良

※94年モデル
・40馬力自主規制
・バルブタイミングやマフラーの変更で中低速よりに変更

系譜図
MC141986年
CBR250FOUR
(MC14)
MC171987年
CBR250R
(MC17)
MC191988年
CBR250R
(MC19)
MC221990年
CBR250RR
(MC22)
MC231991年
JADE
(MC23)
MC311996年
HONET
(MC31)
MC412011年
CBR250R
(MC41)
MC41後期2014年
CBR250R
(MC41後期)
MC432014年
CB250F
(MC43)
2017CBR250RR2017年
CBR250RR
(MC51)
CB250R/MC522018年
CB250R
(MC52)

X11(SC42)-since 1999-

X11

「次世代ネイキッド」

CBR1100XXが二代目にモデルチェンジしたのを機に発売されたX11/SC45型。

不人気だったので知られていないのですが、一部の国では『X11 CB1100SF』という名前で2002年まで販売されていた一方で国内では限定車(限定1000台)でした。

ホンダX11

ちなみに闘牛がイメージでプロジェクトリーダーは原さん、デザイナーは伴さんでした。

『X4/SC38』『CB1300SF/SC40』と同じですね。

そもそも何故ブラバをネイキッド化しようと思ったのかと言うとブラバを造った山中さんに理由があるかと思います。

X11デザイン案

というのも山中さんはブラバを造る際にボルト一本、パイピング一本に至るまで徹底的にこだわったから。

カウルを取っ払っても恥ずかしくないディティールを持っていたからX11という企画が誕生したんじゃないかと。

「じゃあそのサイドシュラウドは何だ」

と突っ込まれそうですが、これはツインチューブフレーム特有のエンジンハンガーを隠すため。

X11サイドシュラウド

もちろんそれだけではなくラジエーターガードやスポイラーとしての役割も担っています。

サイドシュラウドが目立つのでついついコレばっかりに目が行きがちなんですが、X11は実は単純にブラバのカウルを取ってアップライトなポジションにしただけではなく中身も大きく変更されています。

先ず一点目は何といってもメインフレーム。

CBR1100XXとX11

X11はCBR929RRやVTR1000Fでホンダが推していたフレームの下半分が無いピボットレスフレームにされた・・・かと思いきやそうではなくセンターピボットフレームと呼ばれる聞き慣れないフレームになっています。

スイングアームを挟むわけでも、スイングアームをエンジンに直接付けるわけでもなく、スイングアームでフレームを挟む形。

X11フレーム

前半分はツインチューブフレームなんだけど後ろ半分はバックボーンフレームというハイブリットなフレーム。

トラスフレームでピボット周りの剛性を上げるために使われる事は良くあるんだけど、過多気味なアルミツインチューブの剛性を落とすために取り入れたバイクなんてコレくらいではなかろうか。

X11ディティール

見た目は完全にピボットレスなのがまた面白い。

ちなみにこれの狙いは下半分の剛性を敢えて落とし捻れやすくする事でストリートにおける手応え感を出すため。

でもX11がブラバと違う所はまだあります・・・なんとエンジンも違うんです。

X11エンジン

バルブタイミングやマッピングの変更で低中速重視にセッティングされた上に5速化されているんですが、本当に驚きなのはそんな些細な事ではない。

これ先に紹介した二軸バランサーを一本抜いてるんです。つまり一軸バランサーエンジン。

X11壁紙

苦労して入れた二本バランサーの一本取るという何とも勿体無い気がするわけですが、もちろんこれも敢えてやっていること。

先代で話したと思いますがバランサーを完全な位置ではなく少しズラして決してジェントル過ぎない絶妙な振動を残していたのに、そこから一本抜くと当然ながら振動が大きくなる。

SC42

だからX11というのは端から見ると軽やかに走る様に見えるけど実際はそうでもない。

排気量が排気量なだけあって直四らしい回すほどビリビリ来る感覚をライダーに遠慮なく伝えてくる。

それに加えて

『低中速から蹴り飛ばしてくるパワーの感覚』

『クビレた腰のようなフレームによる捻れの感覚』

も伝えてくるんだからエキサイトメントこの上ないビッグネイキッド。

X11カタログ写真

端的にいうならシート高795mmとカウルレスも相まって乗り手に容赦ない正に『闘牛』と言えるモデルでした。

主要諸元
全長/幅/高 2145/750/1115mm
シート高 795mm
車軸距離 1510mm
車体重量 253kg(装)
燃料消費率 22km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 22L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 100ps/8500rpm
[135.8ps/8500rpm]
最高トルク 10.0kg-m/6500rpm
[11.8kg-m/6500rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EHVX-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 920,000円(税別)
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1100XX(SC35中期)-since 1999-

SC35中期

「the perfect blend」

発売から三年が経った頃マイナーチェンジを行ったSC35の中期モデル。

・ラムエアの吸気口のメッシュ形状の変更

・HISS(イモビライザー)の採用

・タンク容量+2L

・ラジエーターレイアウト変更

・マフラー変更

・テールライトの変更

などなど結構色々変わっています。

SC35メーター

ただ一番大きいのはやはりFIの採用とセッティングの見直しで、中低速でのトルクに厚みを持たせつつアクセルレスポンスをより柔らかくした事でしょうね。

2000CBR1100XX

少し中身の話をするとCBR1100XXはCBR900RRを模範にしたと言われています。

ツインスパーフレームや前傾が強くなったエンジンなどカウルを剥くとRRに非常に近いことがわかります。

CBR1100XXとCBR900RR

フューチャー10を実現させる為に軽量化やハンドリングにも拘って設計していく上で、900RRにて培われた技術を貪欲に取り入れた結果だそうです。

「じゃあ900RRの1100版なのか」

というとそれはまた別になる。

分かりやすいのが先にも挙げたエンジンのバランサー。

バランサーというのはエンジンが生む振動を消すためにあるんですが、直四の場合はこれが一本だと完全には消せず完全に消すには二本のバランサーが必要になります。

CBR1100XXエンジン

だからCBR1100XXはホンダとしては初となる二軸(二本)バランサーを装着しました・・・が凄いのは単に二軸バランサーを入れている事ではない。

凄いのは

「二軸バランサーを入れつつも”敢えて”バランスを少し崩した」

という事です。

何故そのような事をしたのかというと、理由は2つあります。

スーパーブラックバードエンジン透視図

エンジンにバランサーを入れるということはエンジン内部の部品や構造が複雑になる。複雑になるということは信頼性や耐久性に問題が出てくる。実際に試作機では満足がいく耐久性を出せなかった。

しかし信頼性や耐久性を犠牲にするのは最高性能ではないとして、それまで進めていたエンジンを全て破棄。一から強度・限界値を最も高く出来るレイアウトのエンジンを再設計。

その際にバランサーを少しズラす事になったんです。つまり耐久性を持たせるために敢えてズラしている。

CBR1100XXスーパーブラックバード

そしてもう一つがフューチャー10にも上げられてる

『上質な振動』

です。

これどういう事かというと、バランサーで振動を完全に消したエンジンを試作した所あまりにもジェントルすぎたから。かといってバランサーを入れないとガサツさという雑味が生まれる。

そこで耐久性を取るために生じたズレを活用し不快に感じない心地よく高揚できる程度の縦の振動だけを残すようにした。

1999CBR1100XX

「今までにない最高性能」

というのは数値だけでなくこういった部分にまで至っているということです。

【余談】

スペックのみならず耐久性や限界値まで徹底して作られたエンジンだった為か、これをベースにホンダがターボ化したエンジンを作っていたのをご存知でしょうか。

F-12

「AquaTrax F-12 -Since2002-」

いわゆる水上オートバイといわれるやつで、ストロークを5mm伸ばし1235ccとしたエンジンにIHIのターボチャージャーを積んだモデル。

この頃の水上オートバイはまだまだ2stが主流だったようですが、水上でも打倒2stなんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2160/720/1170mm
シート高 810mm
車軸距離 1485mm
車体重量 255kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 164ps/9500rpm
最高トルク 13.0kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EHVX-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)

CBR1100XX(SC35)-since 1996-

SC35

「The World’s Greatest Super Sport」

CBR1000Fの後継モデルとして登場する・・・筈だったCBR1100XX SUPER BLACKBIRDのSC35前期。

というのは当初はCBR1000Fベースで進む予定だったから。しかしそれではツアラーの延長線上で、真のリッタースポーツは作れないとしてそれまでの計画を白紙にし一から造ることに。

開発目標「フューチャー10」~

(1) 見てわかる性能の高さ=高性能が瞬時に感じられるデザイン

(2) 誇りを持てる造り=使うほど磨き込むほどに愛着が持てるような丁寧な造り込み

(3) 感動を生む加速=“鋭い”を上回る、感動を与える加速

(4) 俊敏なハンドリング=ミドルクラスのバイクに匹敵するコントロールしやすいハンドリング

(5) 安心して楽しめる高速性能=周囲の景色を楽しみながら高速走行が可能な安定感

(6) 信頼の制動性能=高速マシンにふさわしい制動力があり、コントロールしやすいこと

(7) 上質な振動性能=いかなる回転域でも上質な振動フィーリング

(8) ふたり乗りが楽しめる居住性=パッセンジャーをつらいふたり乗りの我慢から解放

(9) 安心の夜間走行=夜間走行においても最高性能を十分に楽しめる明るいヘッドライト

(10) 世界最速=バイク史上最速。

CBR1100XXのXXというアルファベットはホンダにとって究極を表すXモデル(CBXなど)の更に究極だからXX、究極の究極という意味です。

ちなみにスーパーブラックバードというのは米軍の超音速偵察機SR71通称ブラックバードが由来。

CBR1100XX表紙

もちろん本物ではないのでカタチが若干違うそうですが、何故これから名前を取ったのかというと航空機好きの設計メンバーが

「これはまるでブラックバードだ・・・」

と言い出した事がきっかけ。

CBR1100XXのフューチャー10の一つである

「見てわかる性能の高さ」

という狙いに合致するとして採用されました。

1998CBR1000F

ちなみにその航空機好きの設計メンバーというのはホンダの鈴木さんでお馴染み鈴木哲夫さん。

「もう高回転高出力の時代じゃない・・・」

と仰って軽く炎上された方です。

この方CBR1100XXの開発に関わっていたんですよ。2stの倍回る非常識な超高回転エンジンのVT250Fの開発責任者でもありました。そんな人が言ったと知ると少し考えされますね。というかその通りな時代になったわけですが。

では肝心のCBR1100XXの開発責任者は山中勲さんです。

ホンダでバイクの開発がしたくてホンダに入るもカブのスイッチを取り付けるライン工からスタートし、CB750FやVF750~VFR750F、GL1500などの開発責任者や車体責任者を歴任された方。ホンダの方で手記も書かれています。

山中勲さん

>>熱き心で夢を創らん(http://www.honda.co.jp/motor-roots/) ※現在リンク切れ

だいぶ話がそれました。

ZZR1100を皮切りに始まったリッタースポーツ競争が加熱し、時速300km/hを超えるのも時間の問題だと彼方此方で言われていた時代。

そんな中でずっと沈黙していたホンダが出したリッターオーバースーパースポーツという事で、否が応でも最高速ばかりが注目されてしまったのですが、フューチャー10に書かれている通りCBR1100XXは最高速だけを目指したバイクではない。

CBR1100XX透視図

「全ての面で速くて、楽しくて、かっこいい」

を目指して作られた文字通りスーパーなバイクなんです。

主要諸元
全長/幅/高 2160/720/1170mm
シート高 810mm
車軸距離 1485mm
車体重量 255kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1137cc
最高出力 165ps/9500rpm
最高トルク 12.1kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EHVX-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前17|後44
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
SC211987年
CBR1000F
(SC21)
sc241989年
CBR1000F
(SC24)
sc311993年
CBR1000F
(SC31)
sc351996年
CBR1100XX
(SC35前期)
sc35-21999年
CBR1100XX
(SC35中期)
X111999年
X11
(SC42)
sc35-32001年
CBR1100XX
(SC35後期)