996series -since 1999-

ドゥカティ996

ホモロゲと同じ996ccが標準となったのは1999年の事。

「851SPが888になって916CORSAが996で・・・」

と混乱している人もいると思うので説明するとドゥカティのスーパーバイクシリーズというのは

STRADAや無印:公道向けモデル

S:ハイパフォーマンスモデル

SP/SPS:先行ホモロゲモデル

大体がこんな感じで松竹梅展開といえばそうなんだけど、ホモロゲは公道走行をあまり鑑みていないレースのためのモデルだから一概に松とは言えなかったり。

996CORSA

ちなみにCORSAっていうモデルがあるんですが、それはDUCATI CORSAというワークスが手がけたモデルの事です。

なぜグレードで排気量が違うのに同じナンバリングだったりするのかというとホモロゲ取得やセールスアピールの都合。

996イエロー

しかしレースで培ったものは必ずフィードバックするのがドゥカティ。

先行モデルのワークスチューンで培ったノウハウをSTRADA/無印へ下ろす事で(排気量が合わせられる事で)ナンバリングが新しくなるというわけ。

1999年SBKチャンピオン

無印モデル発売

豪華なホモロゲも発売

レースで活躍

無印モデルへフィードバック

以下繰り返し

つまりこの996で言えば、これは916CORSA(996cc)で培った技術がフィードバックされたマシンという事。

996

見た目こそ916とさほど変わらないものの、デュアルインジェクターやエンジンまわりの補強など大きく改良。

ちなみに二年目からブレンボがマルケジーニを買収したことでマルケホイールとなり、先代ではSPSだけだったチタンコンロッドを竹モデルであるSから装備。

ホモロゲのSPSは更にオーリンズ倒立サスを装備。

996R テスタストレッタ

そしてSPSの後釜として2001年に登場した996Rは

『テスタストレッタ』

という元フェラーリのエンジニアであるジュリアーノ氏が造った新エンジンを搭載。

996カタログ写真

これで一度は奪われたSBKチャンピオンの地位を見事に奪還しました。

秘訣はトリプルインジェクター・・・ってそんなの市販車じゃない。

エンジン:水冷4サイクルDOHC L型二気筒
排気量:996cc
最高出力:112ps/8500rpm
最大トルク:9.5kg-m/8000rpm
車体重量:198kg(乾)
※スペックはEU仕様のMonoposto

種類一覧
ドゥカティ851シリーズ1988年
851 SERIES
ドゥカティ888シリーズ1991年
888 SERIES
ドゥカティ916シリーズ1993年
916 SERIES
ドゥカティ996シリーズ1999年
996 SERIES
ドゥカティ998シリーズ2002年
998 SERIES
ドゥカティ999シリーズ2003年
999 SERIES
ドゥカティ1098シリーズ2007年
1098 SERIES
ドゥカティ1198シリーズ2009年
1198 SERIES
1199パニガーレ2012年
1199Panigale
1299パニガーレ2015年
1299Panigale
パニガーレV42018年
Panigale V4

916series -since 1994-

916

歴史上もっとも美しいバイクとして今でも名前があげられる916シリーズ。

ナンバリングの通りエンジンのストロークを2mm伸ばし916ccとなりました。

鬼才マッシモ・タンブリーニの代表作として有名ですね。

マッシモ・タンブリーニ

ちなみにタンブリーニはCRC(Centro Ricerche Cagiva)というカジバ子会社のボス。

だからもしドゥカティがカジバに買収されていなかったら誕生していないバイクだったりします。パゾを作ったのもここ。

C593

設計において参考にしたのがC593というカジバが誇るGP500マシン。

だから最初はトラスフレームではなくアルミツインチューブも検討されたんだそう。でもやっぱりトラスフレームの方が合っているという事でトラスフレームに。

とはいえクロームモリブデン鋼管を使った完全新設計なもので、916は見た目でも分かるよう非常にスリムになりました。フレーム重量も僅か8kgという軽さ。

カジバC593

そんな916でもう一つ欠かせないのが片持スイングアームとセンターアップマフラー。

今でこそスーパーバイクのアイデンティティの一つですが、当時はホンダ車みたいだと言われました。

実際センターアップマフラーや片持ちスイングアームはNRに影響を受けたとタンブリーニ自身も明言しています。

もちろんただ真似たかっただけではなく、耐久レースにおけるタイヤ交換の優位性も採用の理由。それに一応パテントには触れない形なんだとか。

916サイド

ちなみにそんなスイングアームを造ったのはブレンボ。

なんでも安定供給してくれる会社がブレンボしかなかったからだそう。ブレーキももちろんホイールもブレンボのブレンボ尽くしっていう。

916sps

916といえば何よりもその洗礼されたデザインが有名ですが

「開発に四年以上、のべ4,000時間を掛けた」

とタンブリーニが言うだけあり性能面でも非常に評価が高く、主戦場であるSBKでも圧倒的な速さでデビューイヤーで優勝。

DUCATI 916

まさに非の打ち所がないスーパーバイクとして絶大な人気を誇り、ドゥカティ(カジバ)の業績をV字回復させる事になりました。

グレードは公道向けSTRADA、オーリンズなどを装備したチューニングモデルのSP、955ccにまでスケールアップしたレーシングのCORSA(二年目からは996cc)の三種類。

更に二人乗りのBIPOST、そしてSENNAモデル。

これはカジバショップを経営していてプライベートでもドゥカティが大好きだったセナが注文した事が始まり。

不運なことにその直後にセナは事故で亡くなってしまうのですが、友人だったカスティリオーニ(MV AGSTA創業メンバー)がセナモデルとして市販しようと企画。

916SENNA1

中身は実質SPで赤ホイールなのが特徴。

好評だったためか97年にはシルバーボディのSENNA2も登場。

916SENNA2

そして98年にはブラックボディのSENNA3が発売されました。

916SENNA3

特に初期カラーであるグレー/レッドホイールはセナカラーとして多くの人に定着し、その後も数々のモデルで登場することに。

ちなみにセナモデルの売上はセナの死後に設立されたセナ財団(ストリートチルドレン救済団体)に寄付される様になっています。

最後に・・・爆発的な人気となった916ですが最初の頃は日本にほとんど入ってきませんでした。

よりにもよって916発表と同時にボローニャの塗装工場が火事で全焼してしまったからです。

ドゥカティ916

だから916の最初期のモデルはボローニャではなくカジバのバレーゼという小さな工場でカジバのバイクと一緒に造ることに。

その関係でその頃に造られた916はスクリーンにカジバの象さんが刻印されており、そして肝心の塗装は外注でドゥカティレッドじゃなかったりします。

916ヘッドライト

ただ幸か不幸かヘッドライトが日本の保安基準を満たしていない事が発売後に判明したため国内にはほぼ入ってきていない模様。

※916の簡易版モデルチェンジ歴

【1995年モデル】

二人乗り用のBipostoが登場。

リアサスをオーリンズにしたSPが登場。

【1996年モデル】

ブレーキとクラッチにアジャスターが付きSTRADAの名を削除。

【1997年モデル】

エアクリーナーボックスを始めとした細部の見直し。

SPをベースに996cc化とチタンコンロッドを採用した916SPS(ホモロゲ)が登場。

【1998年モデル】

クラッチホースを始めとした細部の見直し。

エンジン:水冷4サイクルDOHC L型二気筒
排気量:916cc
最高出力:114ps/9000rpm
最大トルク:9.0kg-m/7000rpm
車体重量:195kg(乾)
※スペックはEU仕様STRADA

種類一覧
ドゥカティ851シリーズ1988年
851 SERIES
ドゥカティ888シリーズ1991年
888 SERIES
ドゥカティ916シリーズ1993年
916 SERIES
ドゥカティ996シリーズ1999年
996 SERIES
ドゥカティ998シリーズ2002年
998 SERIES
ドゥカティ999シリーズ2003年
999 SERIES
ドゥカティ1098シリーズ2007年
1098 SERIES
ドゥカティ1198シリーズ2009年
1198 SERIES
1199パニガーレ2012年
1199Panigale
1299パニガーレ2015年
1299Panigale
パニガーレV42018年
Panigale V4

888series -since 1993-

888

レースベースであるSPモデルのみだった888ccが公道モデル(STRADA)にも降りてきたのが1993年の事。

排気量だけでなく各部もレースで培われた改良が施されている851系の最終型。

ちなみに851系(特にこの888)は本土イタリアにおいてVFR750R/RC30と双璧を成すレジェンドバイクです。

それが何故かといえば、AMA(アメリカのレース)はもちろん、本命だったスーパーバイク世界選手権において前人未到の三連覇(90~92)を成し遂げたから。

888ストラーダ

ここで少しまた話がそれてしまうんですが、ドゥカティは851が出た1985年にカジバに買収されハスクバーナ共々カジバ傘下になりました。

カジバグループ

原因はもちろん経営がよろしくなかったから。これが何故かと言うと実は日本メーカーの影響。

日本メーカーが

『安くて速くて壊れないバイク』

を下は50から上はリッター超えまでフルラインナップした事でシェアがどんどん奪われていったんです。

このためイタリアは70年代後半に380cc以上の輸入を禁止する保護貿易政策を取った歴史があります。それでもイタリアのバイクメーカーはバタバタと倒れて行きました。

当時のドゥカティ本社

そんな中でドゥカティがどうして生き残る事が出来たのかというと

「レースで活躍したから」

です。

レースで活躍した事でセールスが大きく伸びる事となり、後にカジバ傘下になったとはいえ生き残る事が出来た。

ドゥカティがレースに血眼になるのは、レースが好きだからというより、それが生き残る道だと分かっているからなんですね。

※888の簡易版モデルチェンジ歴

【1993年モデル】

SPが7馬力アップしフロントフォークをSHOWAに。

エンジン:水冷4サイクルDOHC L型二気筒
排気量:888cc
最高出力:
104ps/9000rpm
最大トルク:
8.0kg-m/7000rpm
車体重量:210kg(乾)
※スペックはEU仕様のSTRADA

種類一覧
ドゥカティ851シリーズ1988年
851 SERIES
ドゥカティ888シリーズ1991年
888 SERIES
ドゥカティ916シリーズ1993年
916 SERIES
ドゥカティ996シリーズ1999年
996 SERIES
ドゥカティ998シリーズ2002年
998 SERIES
ドゥカティ999シリーズ2003年
999 SERIES
ドゥカティ1098シリーズ2007年
1098 SERIES
ドゥカティ1198シリーズ2009年
1198 SERIES
1199パニガーレ2012年
1199Panigale
1299パニガーレ2015年
1299Panigale
パニガーレV42018年
Panigale V4

RSV mille (ME型) -since 1998-

RSV MILLE前期

アプリリア初の大型バイクのRSV mille

キッカケはWSB(ワールドスーパーバイク)のレギュレーション改定。VTR1000SPの方でも言ったけどVツインが有利になった。

これを見たアプリリアがチャンスと見て作り上げたバイク。つまりこれもVTR1000SPやTL1000Rと同じくVツイン。

ただし、RSVはそれら二車種と決定的に違う所がある。それはVバンク角。

VTRやTLがVツインの理想と言われる90度角(ついでに言うならドカも90度)になってる。

VTR1000SPの系譜の方でも言ったから説明は省くけど、簡単に言うとVバンク角が90度だとバランサーが要らないので軽く作れる。

じゃあミレは何度なのかと言えば60度と滅茶苦茶狭い。

MILLEエンジン

どうして90度ではなく60度なんて挟角ツインにしたのかというと、エンジンの前後幅を抑えるため。

ホンダがサイドラジエータで前後の長さを抑えたのに対し、アプリリアはVツインのバンク角を狭める事で前後の長さを抑えたってわけだね。

でも実はこのエンジン、アプリリアが一から作ったエンジンではなかったりします。

この60度Vツインエンジンを作ったのはロータックスというオーストリアのエンジンメーカー。V990というエンジンをRSV用にチューニングしたもの。
というかもともとアプリリアはロータックス社製のエンジンというかロータックス社と良好な関係を築いていた。

V990

ちなみにこのロータックス社は他にもビューエルなどにもエンジン提供していました。

そしてこのミレがどうだったかというと、優勝こそ出来なかったものの5つのレースで勝ち、ホンダヤマハに次ぐ年間三位という好成績を収めました。

エンジン:水冷4サイクルDOHC二気筒
排気量:998cc
最高出力:
128ps/9500rpm
最大トルク:
10.5kg-m/7250rpm
車両重量:220kg(装)

系譜図
アプリリアの歴史

1968年~
アプリリアの歴史

RSV Mille前期

1998年
RSV mille(ME)

RSV Mille後期

2001年
RSV mille(RP)

rsv1000r

2004年
RSV 1000 R

第一世代RSV4

2009年
RSV4 Ver.1

第二世代RSV4

2011年
RSV4 Ver.2

第三世代RSV4

2013年
RSV4 Ver.3

第四世代RSV4

2015年
RSV4 Ver.4

F4 第一世代 -since 1999~-

カジバ

時代はそれから少し飛んで1990年代中頃。

イタリアでCAGIVA(カジバ)というメーカーが当時ありました。

ドゥカティやハスクバーナを筆頭にバイクメーカーを次々に買収し僅か10年で超巨大オートバイメーカーへと成り上がった会社です。

巷でこのメーカーが

「マッシモ・タンブリーニやフェラーリのエンジニアと協力してフェラーリバイクを作ろうとしている」

という噂が広まっていました。

もともとドゥカティとフェラーリは本社も近く企業間の仲も良好なうえに

その道中の高速道路で謎の赤いカウルを付けたバイクの目撃情報が多々あったからです。

プロトタイプF4

それがこのバイク。

なんかF4とは似ても似つきませんよね。

ゴッツいツインスパーフレームだし何より美しくない。

それもそのはずでこのプロトタイプはいわばフェイクモデル。

実はもう一台、謎の赤いバイクが存在したんです。

それがこれ。

マッシモ・タンブリーニが生み出したトレリスフレームと片持ちスイングアーム・・・

カジバ916

どう見てもドゥカティの916・・・・・・じゃなかった。

(上の写真がプロトタイプで下は916)

916

なんと皮こそ916だけどトレリスフレームとピボットプレートのハイブリッドフレームに直四のフェラーリエンジンを積んでいる。

もうお分かりになったと思います。

アグスタF4カウルレス

そう、コレこそがF4(フェラーリ4)だった。

カジバはアグスタのブランド使用権を取得し1999年にMVアグスタの名を復活。

アグスタF4

そして発表されたのがMVアグスタF4でした。

名門の復活、タンブリーニの設計&デザインに世界中が称賛。

オルガンパイプマフラーと呼ばれる四本出しに度肝を抜かれた人も多いのでは?

F4四本出し

今ではすっかりアグスタの象徴になりましたね。

ちなみにモデルをざっくり紹介すると

oro

最初が1999年のF4 Oroで限定300台

そして同年に出た廉価モデルがF4 750S

セナモデル

2002年~のEVOまたは750SRモデルとSENNAモデル限定300台

750SPR

2004~は750Sをベースにレースユースに特化したSPRモデル

こちらも限定300台。

なんかもうF4になるとOHLINSやbremboが当たり前なんで書く気も・・・ってよく見てください。

F4oro足廻り

なんとSHOWAのサスにNISSINのキャリパーではありませんか。

フェラーリバイクにしちゃ随分と庶民的だな~。

って思ったけどよく見たら巷に溢れてる物と違ってF4専用のオーダーメイド品な模様。

ブレンボだオーリンズだと騒ぐクラスとは次元が違うって事ですかね・・・

F4 1000S

そして2005年には排気量を1000ccまで上げたF4 1000AGOとSが追加。

その後も

Tamburini、Senna、Vektro Strada、Pista、R、CC、RR312等など

合わせると10以上の限定モデルを出してるので書ききれません。

全部書くととんでもない量になっちゃうので割愛させてもらいます・・・ごめんなさい。

まあしかしそんな中でもコレだけは知っとけというのが2006年に発表されたF4CC

アグスタF4 CC

CCは普通の限定モデルであるF4のエンジンの排気量を更に上げ1078ccとしたスペシャルなエンジンを搭載したスペシャルモデル

・・・最早なにがスペシャルで何がスペシャルじゃないのかわかりませんね。

ちなみにCCというのは社長であるクラウディオ・カスティリョーニの頭文字から。

カウルはカーボン、細部のアルミは全て手仕上げ、公称200馬力オーバー。

F4CCテール

お値段驚きの1500万円。

ドゥカティのデスモセディチも裸足で逃げ出す値段ですね。

そりゃブレンボも付くわって話です。

ちなみに見慣れないサスペンションはMARZOCCHI(マルゾッキ)製。

知る人ぞ知るイタリアのサスペンションメーカーです。

エンジン:水冷4サイクルDOHC4気筒(本国仕様)
排気量:749{1078}cc
最高出力:
126{200}ps
12600{12200}rpm
最大トルク:
7.5{12.7}kg-m
10500{9000}rpm
車両重量:180{187}kg(乾)
※{}内はCCモデル

系譜図
アグスタ125

1923年~
F4が生まれるまで

F4_750

1999年~
第一世代F4

F4_1000

2009年~
第二世代F4

X1 Lightning -since 1999-

X1ライトニング

S1の後継として大変貌を遂げたX1。パイプフレームビューエル(第一世代)の集大成モデルでもあります。

S1との大きな違いは、ハーレーのエンジンをベースにチューニングしてきた今までと違い、ハーレーに注文を出して作ってもらったビューエル専用エンジンを積んでいること。

X1LIGHTNING

更に電子制御インジェクターのDDFIをハーレーよりも先に採用し、シートフレームもまだ20世紀なのにアルミダイキャストでそのまま外装にするという最先端技術の塊。エアクリーナーも熱対策を考えられた形状へ変更されています。

X1ミレニアムリミテッド

これは2000年に100台限定で発売された全身シルバーのX1Millennium Limited Edition。この他にもカーボンモデルやホワイトライトニングなども発売。

ただ一番大きい変更点はS3で少し話しましたが、エンジンマウントが大幅に改良・補強された事だったりします。

エンジン:空冷4サイクルOHV二気筒
排気量:1203cc
最高出力:
101ps/6000rpm
最大トルク:
12.4kg-m/4550rpm
車両重量:200kg(乾)

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX

M2 Cyclone -since 1997-

M2サイクロン

もっとビューエルを身近に感じてもらおうと考えて作られた優しいビューエルなM2サイクロン。

基本的にはS1からのキャリーオーバーモデルなんだけど、タンデムも難なく熟せるロングシートにビューエルとしては初めてとなるSHOWAサスを採用。エンジンもチューニングを控え扱いやすさを重視されています。

価格も135万円(国内価格)とS1に対し20万円ほど安かった事もあり、カスタムベースとしても人気が高く、2002年まで発売された息の長かったモデル。

CYCLONE

1999年にはヘッド周りに手を加え高圧縮化した事で91馬力に、更に2000年にはエキゾーストをスチールからステンレスへ、01には更にフレンドリーにするためにローシート化などの変更が入りました。

エンジン:空冷4サイクルOHV二気筒
排気量:1203cc
最高出力:
83ps/5800rpm
最大トルク:
11.0kg-m/4500rpm
車両重量:197kg(乾)

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX

S3/T Thunderbolt -since 1996-

S3サンダーボルト

S2モデルの後継に当たるS3/T Thunderbolt。

基本的な構造はS2から踏襲されたフラッグシップ的な立ち位置でS1との部品共有が進んでいるモデル。S2にあったようにS3にもハイスピードツーリングモデルであるS3Tもラインナップ。

S3サンダーボルト

国内には殆ど入ってきていない様ですが、本土の方はかなり長く発売されたロングセラーモデルだったりします。

1998年からは先に紹介した101馬力のサンダーストームエンジンを搭載したモデルになりました。

少し話をそらすと、ビューエルといえば

「振動が凄い」

というのを聞いたことがあると思います。

これはとどのつまりハーレーのエンジンを積んでいるからですが、このエンジンを積むにあたって使われているのがエリックが開発したエンジンラバーマウント。

アイソレーター

後にハーレーなどにも採用される振動吸収材で頭(ヘッド)とお尻(ステップ裏)でマウントされています・・・が、まあ当然コレだけで振動を抑えれるわけもなく。

各部にクラックが入ったり、ミラーが飛んでいったり、サイドスタンド立てても動いていったり等など。

代を追う毎にマウントの創意工夫が施され大人しくなっていくのですが、逆に言うと初期であるこのSシリーズは一線を画する振動があります。定期的にマウントを交換しないとフレームにクラックが入るレベル。

ただそれがビューエルの魅力の一つなんですけどね。乗ったら最後です。

エンジン:空冷4サイクルOHV二気筒
排気量:1203cc
最高出力:
91ps/5800rpm
最大トルク:
12.0kg-m/5200rpm
車両重量:211kg(乾)

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX

S1 Lightning -since 1996-

S1ライトニング

ネイキッドスーパースポーツの意味を表すライトニングの名を持ったS1Lightning。

厳密に言うと生産は先に紹介したS2が先だけど、日本に入ってきたのはこのS1が先。※ハーレージャパンの取扱開始が1996年からのため

S1Lightning

お尻が短いことが特徴のS1もS2と同じスポーツスター1200のエンジンなんだけど、ビューエルとしては始めてエンジン内部にまで大きく手を加えられているモデル。

ピストンやヘッド周りを専用の物に変更し圧縮比を上げ、エアクリーナーも大容量の物に変更することで25馬力UPの90馬力に。

車体右側についてる黒い大きな箱のようなものがそのエアクリーナーボックス。

S1W ライトニング

1998年には更にチューニングされ101馬力にまで跳ね上がったS1Wが登場。

バルブ系などを更に拡大したサンダーストームエンジン搭載の一人乗り専用モデルで、ハーレーエンジンとしては初となる100馬力超え。

S1W広告写真

コレに乗ると側頭葉が大変なことになると・・・ちなみにS1Wはホワイトライトニングというペットネームを持っていますが、WはホワイトのWではなく後述のS3と同じ20.8Lワイドタンクのワイドからと言われています。

正式にはS1Wホワイトライトニング、もしくはホワイトライトニングS1Wです。

S1Wブラックライトニング

限定で入ってきたS1WBのBは文字通りブラックからです。ブラックライトニングS1Wというわけ。ややこしいですが。

もしかしたらサスペンションのWP社(ホワイトパワー)と同じように倫理上の問題が絡んでいるのかもしれませんね。

エンジン:空冷4サイクルOHV二気筒
排気量:1203cc
最高出力:
90ps/6200rpm
最大トルク:
10.5kg-m/5000rpm
車両重量:202kg(乾)

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX

S2/S2T Thunderbolt -since 1994-

S2サンダーボルト

このモデルくらいからは覚えてる人も多いかもしれないS2Thunderbolt。

サンダーボルトというのはフラッグシップを表す意味なんですが、それよりも大事なのはそれまでレースやスポーツにあまり重きを置いていなかったハーレーが考えを改め、ビューエルの株の49%を取得(実質子会社化)する契約を結んだこと。

S1/S2カタログ写真

このお陰でそれまでハンドメイドで300万円近かった車体価格が2/3程度にまで抑えられ、日本のハーレーディーラーから発売される様になりました。要するにBuellのメジャーデビューですね。

エンジンはスポーツスター1200の物を専用設計のパイプフレームに搭載したもの。駆動がベルトドライブに変更されているのが特徴ですが、これもいわゆるバネ下重量の軽減というエリックがずっと拘っている事を成すため。

S2Tサンダーボルト

日本に入ってきたのは正確にはS2にパニアケースやレッグシールドを装着したS2T Thunderboltというモデルで、1996年から。

ステップやハンドルの位置も変更されたハイスピードツアラーです。

エンジン:空冷4サイクルOHV二気筒
排気量:1203cc
最高出力:
76ps/5200rpm
最大トルク:
10.5kg-m/5200rpm
車両重量:223kg(乾)
※スペックはS2T

系譜図
エリックビューエル 創業者
Erik Buell
RR1000/1200 1986年
RR1000/1200
RS1200 1989年
RS1200
S2 1994年
S2 Thunderbolt
S1 1996年
S1 Lightning
S3 1996年
S3/T Thunderbolt
M2 1997年
M2 Cyclone
X1 1999年
X1 Lightning
BLAST 2000年
Blast
XB9シリーズ 2003年
XB9R Firerbolt
XB9S Lightning
XB12シリーズ 2004年
XB12R Firerbolt
XB12S Lightning
XB12X ULYSSES
1125シリーズ 2007年
1125R
1125CR
1125シリーズ 2011年
1190RS
1190シリーズ 2015年
1190SX
1190RX