JOG CG50/ED/ES/Z(2JA/2TA/2TE/3CP)-since 1987-

CG50

「スタイリッシュ センセイション」

二代目となるCG50/2JA型。

CG50Z

見た目もクチバシが若干スラント化されこの時点で既に現代的な形となり、カラーリングもパール・スポーティ・カジュアルと多彩な色を展開。

ただそれよりも大きく変わったのがエンジン。

クランクから燃焼室まで新たに見直され、さらに大容量マフラーなどに変更されたことで馬力が一気に上がって6馬力に。

CG50Z

更に翌年にはセニアーニフォークとディスクブレーキを搭載し6.3馬力になったスポーツエディションのCG50Z/3CP型も販売。

ますます引っくり返る様になったかと思いきやソコは考えられていて、ホイールベースが延長されタイヤも3.00にワイド化などで安定性も向上しました。

少し話が脱線するんですが、80年代に一大ブームとなったファミリーバイクは女性の社会進出に合致したことで大ヒットとなりました。

80年ごろのソフトバイク

そのためCMでも女優さんなどを起用し、スーパーや百貨店で普通に買えた。

今でいえばジャスコで原付売ってたようなものです。

その一方でJOGはどちらかと言うと若者向け・・・じゃあ何処で宣伝していたのかというと実は雑誌。

メンズファッション雑誌

『POPEYE』や『FINEBOYS』といった今もある若者向けメンズファッション雑誌でマストアイテムとして宣伝されていた。

今では信じられない話ですね。

・・・が実はこの二代目ジョグ、先代とは違い少し苦戦を余儀なくされます。

カタログ写真

その理由は主に二つ。

一つは1986年の道路交通法改正で、原付もヘルメットの着用が義務付けられたから。

気軽に乗れることが武器だった原付にこのヘルメット義務化は大きく負担だったようで原付市場が縮小傾向に。

そしてもう一つはライバルだったタクトがそれを逆手に取った強烈なモデルチェンジをしたから。

タクトフルマーク

通称『メットインタクト』と呼ばれている事からも分かるよう、義務化されたヘルメットをスタイリッシュに収納できる原付として大ヒット。

一方で縦型エンジンでメットインを備えていなかったジョグは先代ほどの人気は出ず。

ジョグスポーティ

走りのコンパクトボディと広いステップを狙った設計が仇となってしまったわけです。

一応ヤマハも先にボクスンでメットインタイプを出していて、その後もチャンプとか続けていたんですけどね。

ヤマハチャンプ

ただリアを無理やり伸ばした形だったので人気は今ひとつでした。

※CG50ED/2TA|JOGパール

※CG50ES/2TE|JOGスポーティ

上記の違いは色のみ

主要諸元
全長/幅/高 1610/600/975mm
[1620/625/990mm]
シート高 700mm
[705mm]
車軸距離 1115mm
[1125mm]
車体重量 56kg(乾)
[60kg(乾)]
燃料消費率 80.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 3.5L
[3.3L]
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 6.0ps/7000rpm
[6.3ps/7000rpm]
最高トルク 0.63kg-m/6000rpm
[0.65kg-m/6500rpm]
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後3.00-10-2PR
バッテリー YB4L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP7HS/BP8HS
または
W22FP-U/W24FP-U
推奨オイル ヤマハ純正スーパーオイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.8L
スプロケ
Vベルト 2JA-17641-00
車体価格 109,000円(税別)
[129,000円(税別)]
※[]内はスポーツ(3CP)
系譜図
27V 1983年
CE50E/ES
(27V/48F/1KX/1RN/2EX)

CG50 1987年
CG50E/ED/ES/Z
(2JA/2TA/2TE/3CP)
CY50 1989年
CY50/D/H/HS/Z
(3KJ/3RY)
YG50 1991年
YG50/D/Z/ZS/EX
(3YJ/3YK)
YJ50 1994年
APRIO
YJ50/EX/S/R
(4JP/4LV/5AU)
YV50 1997年
YV50/C/Z/H
(5BM/5EM/5GD)
CV50 2001年
CV50/A/R/ZR
(5KN/5PT/5SU/5SW)
CE50 2007年
CE50/D/P/ZR
(3P3)
CEH50 2018年
CEH50/D
(B3K)

JOG CE50E(27V)-since 1983-

CE50E

「スタイリッシュ・スプリンター」

ヤマハの原付を代表するジョグ。

その記念すべき初代がこの1983年に登場したCE50E/27V型。

当時はHY戦争が終戦した直後だったのですが、ファミリーバイク需要はまだまだ高かった事もあり発売された忘れ形見の様な原付。

しかしながら今でも名前が残っている通り、このモデルが市場に与えたインパクトはそれはそれは強烈でした。

初代ジョグ

まず第一に上げられるのがライトウェイトスポーツと呼べる原付だった事。

馬力こそ4.5psと決して高いとはいえなかったものの、かわりにコンパクトな車体とハイテン鋼管フレームによって車重はわずか49kg。

更にセル始動に加え二輪初のオートチョーク&CDI点火で走りは十分・・・十分というか

・荷重がリア寄り

・ショートホイールベース

・とにかく軽い

という事から簡単にウィリーする。

今の原付の間隔でアクセルを捻ると十人中十人が引っくり返る。

CE50Eカタログ

まさに『ピーターパン気分』を味わえるわけです・・・というのは冗談ですが、正にスプリンターの様な原付だったジョグはターゲットだった若者を中心に非常に人気が出ました。

ただし、人気が出たのは走りの部分だけではありません。

100km/Lという超低燃費もそうですが、それ以上に衝撃的だったのが見た目・・・と言っても当時を知らない人は分からない。

一体型フェンダー

それはボディ一体型となったフロントフェンダーです。

「別に珍しくないのでは」

と今でこそ思いますが、当時としては非常に斬新だった。

珍しくないと思えるのはこのジョグが多大な影響を与え、デファクトスタンダードにまでしたからなんです。

ペリカンジョグ

その特徴的なフェンダーがクチバシに見える事から

「ペリカンジョグ」

という愛称で今も呼ばれています。

※1984/48F|60km/h規制

※1985/1HH|メーター一新

※1986/1KX|エンジン見直し

※1986/1RN|ピレリタイヤのSP

※1986/2EX|エンジン見直しで5.3馬力に

主要諸元
全長/幅/高 1555/605/965mm
シート高 690mm
車軸距離 1075mm
車体重量 49kg(乾)
燃料消費率 100.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 3.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 4.5ps/7000rpm
最高トルク 0.54kg-m/5500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後2.75-10-2PR
バッテリー YB4L-B
または
FB4L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BP4HS/BP5HS/BP6HS
または
W14FPL/W16FP/W20FP
推奨オイル ヤマハ純正スーパーオイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.8L
スプロケ
Vベルト 23Y-17641-00
車体価格 99,000円(税別)
※スペックは27V
系譜図
27V 1983年
CE50E/ES
(27V/48F/1KX/1RN/2EX)

CG50 1987年
CG50E/ED/ES/Z
(2JA/2TA/2TE/3CP)
CY50 1989年
CY50/D/H/HS/Z
(3KJ/3RY)
YG50 1991年
YG50/D/Z/ZS/EX
(3YJ/3YK)
YJ50 1994年
APRIO
YJ50/EX/S/R
(4JP/4LV/5AU)
YV50 1997年
YV50/C/Z/H
(5BM/5EM/5GD)
CV50 2001年
CV50/A/R/ZR
(5KN/5PT/5SU/5SW)
CE50 2007年
CE50/D/P/ZR
(3P3)
CEH50 2018年
CEH50/D
(B3K)

シグナス125(2YM)-since 1984-

シグナス125

125としては初めてとなるシグナス2YM

基本的には先代の180と同じコンセプトで二人でゆったり長距離を走れる125。

その要素として挙げられるのが大型キャリアと一軸バランサーを搭載したOHCエンジン。そのおかげで振動も少なく非常にジェントルな原二になってる。

ちょっと話が逸れるけど原付レベルのエンジンに一軸バランサーを入れるのは結構異例な事。

ソレは何故かと言えば一軸バランサーを入れると振動が抑えられる代わりにエンジン出力を10%前後もロスしてしまう事になる。そして何よりコストアップ。

だから小排気量に一軸バランサーを入れるのは普通ではあまり無いんだけど敢えて搭載した。

シグナス125後期

でもその狙いが的中してジェントルなスクーターだと見事に大ヒット。2stのリード、4stのシグナスとして人気を二分する存在となりました。

1988年に足回りとシートの見直しが入った後期モデルが出た後も売れ続け終わってみたら10年以上発売されていたロングセラースクーター。

あとまあバイクだから目の肥えた人たちには想像が付かないかもしれないけど当時はデザインも先鋭的だと評判になりました。

主要諸元
全長/幅/高 1880/650/1095mm
シート高 760mm
車軸距離 1250mm
車体重量 91kg(乾)
燃料消費率 70.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 7.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8000rpm
最高トルク 1.1kg-m/6500rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後3.50-10-4PR
バッテリー YB7C-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C6HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
Vベルト
車体価格 249,000円(税別)
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

シグナス180(25G)-since 1982-

シグナス180

これを初代と言って良いのか微妙な所なんだけど初めてシグナスという名前のバイクが出たのは1982年の事。

シグナス180(XC180)は佳境に入っていたHY戦争(詳しくはHY戦争を参照)により生まれたバイク。

完全新設計&専用設計のOHV171ccで片持ちボトムにデジタル時計や燃料計まで装備したバブリーな一台。

XC180

ヤマハがこのバイクで狙いたかったのは、近距離の下駄という認識のスクーターとは一線を画する長距離も熟せるプレミアムコンパクトスクーターってやつ。

シグナス180カタログ写真

皆さんご存じない通りカラーチェンジすら行われることなく生産終了した不人気車なわけですが、でもいま大ヒット中のマジェスティSとコンセプトは通ずる所があるんですよね。

うーん出る時代が早すぎたのか・・・

主要諸元
全長/幅/高 1840/715/1120mm
シート高 745mm
車軸距離 1290mm
車体重量 108kg(乾)
燃料消費率 60.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.5L
エンジン 空冷4サイクルOHV単気筒
総排気量 171cc
最高出力 15ps/7300rpm
最高トルク 1.5kg-m/6000rpm
変速機 Vベルト式
タイヤサイズ 前後3.50-10-4PR
バッテリー YB10L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D7EA
推奨オイル ヤマルーブ
スポーツ(10W-40)
または
スタンダードプラス(10W-40)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.3L
スプロケ
Vベルト
車体価格 289,000円(税別)
系譜図
XC1801982年
CYGNUS180
(25G)
XC1251984年
CYGNUS125
(2YM)
XC125D1995年
CYGNUS125
(4KP/4TG/5CY/5NN)
2003XC1252003年
CYGNUS X/SR
(5UA)
2007XC125X2007年
CYGNUS X/SR
(28S)
2013XC125X2013年
CYGNUS X/SR
(1YP)
2015XC125X2015年
CYGNUS X SR
(1YP後期)

XV250 Virago(3DM) -since 1989-

ビラーゴ250

250としては初となる本格クルーザーのビラーゴ250。

並列エンジンのネイキッドをベースにキャスター(フロントフォーク)を寝かせてアップハンにしただけのいわゆるジャメリカンとは違い、ちゃんとというかわざわざ狭角Vツインを新造して搭載。

マフラーレイアウトや装飾用のメッキダミーエアクリーナーボックスなど、クルーザーとしてのツボは抑えつつ、クラスとしては250らしく軽量コンパクト。

XV250ビラーゴカタログ

ビラーゴというとイージーライダーを機に始まった第一次クルーザーブーム(80年代前半)を代表する一台であるビラーゴ400が有名なので250は

「クルーザーブームに乗っかって出したバイク」

と思われがち。

たしかにヤマハとしてはその思惑があったと思います。しかしその思惑は外れたんです。

ビラーゴ250が出たのは1988年。この頃は既にクルーザーブームは去っていてレーサーレプリカブーム真っ只中。

ビラーゴS

クルーザーはもう消え行くだけのようなジャンルでした。今で言うビッグスクーターの立ち位置ですね。

そんな状況で送り出されたビラーゴ250が売れるはずもなく最初はそりゃもう総スカン。ところが90年代に入ると馬力の自主規制を発端にレーサーレプリカブームが去り、肩肘張らずに乗れるネイキッドブームが到来したわけです。

これは目を三角にして走る事に疲れたユーザーが多く居たというのもあるわけなんですが、その一部がネイキッドではなくクルーザーの方に流れてきました。そんな層を大量に獲得し、世間から注目されるようになった事で新規層も獲得したクルーザーがビラーゴ・・・ではなくホンダのスティード。これによって第二次クルーザーブームが到来します。

ヴィラーゴ

クルーザーが世間から再注目されるようになった中で、本格的な造りをしながらも日本の環境にマッチした250として唯一の存在だったビラーゴ250。ブームのジャンルで唯一だった250の本格クルーザーが売れないわけはない。

XV250SP

時代を先取りしたビラーゴ400とは逆に、時代が後からやってきたのがビラーゴ250というわけ。

元々250クルーザーとしては軽さからくる取り回しの良さがあったおかげか2000年に出た後継のDS250が出るまでの10年間続きました。

これだけでも凄いんだけどビラーゴは北米やオーストラリアでは2017年現在も販売中っていう。

Vスター250

向こうでも日本と同じようにエントリー向けクルーザーとして好評を博しているようで。一度プレストもDS250あるのに2007年モデルV-Star250を逆輸入したりしました。

そう考えると世界で一番認められた和製クルーザーはこのVX250Viragoかもしれないね。

主要諸元
全長/幅/高 2190/725/1045mm
{2190/800/1130mm}
※{}内はプルバックハンドル
シート高 685mm
車軸距離 1490mm
車体重量 137kg(乾)
[142kg(乾)]
燃料消費率 56.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 23ps/8000rpm
最高トルク 2.2kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後130/90-15(66P)
バッテリー YB10L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA/C6HSA/C7HSA
または
V16F-U/V20FS-U/V22FS-U
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.8L
交換時1.4L
フィルター交換時1.6L
スプロケ 前16|後45
チェーン サイズ520|リンク114
車体価格 389,000円(税別)
[399,000円(税別)]
※[]内はスペシャル
系譜図
XV250ビラーゴ1988年
XV250/SPECIAL
Virago
(3DM)
SRV2501992年
SRV250/S
(4DN)
ルネッサ1996年
RENAISSA
(4DN)
ドラッグスター2502000年
XVS250 DragStar
(5KR/19D)

FJ1200/A(4CC)-since 1986-

FJ1200

FJ1100で言った通り不遇な立場なFJですが、ヤマハも見捨てたわけでなく排気量を1188ccに上げて130馬力となりました。1188ccは当時の空冷エンジンとしては国内最大排気量です。

更にはビルドインウィンカーを始めとしたエアロフォルムを取り入れて空力性能も向上。

FJ1200Aカタログ

このFJ1200はFJとしては最後のモデルであり、FJRの礎となるモデルでもあります。

フルモデルチェンジしたFJ1200ですが空冷エンジンに大人しい見た目だった事もあり馬力を上げただけでは当然ながら人気は出ず。

FJ1200A

そこでヤマハが取った行動はマイナーチェンジ毎にカウルを大型化するなどしてメガスポーツ路線からツアラー路線へジワジワと方向転換することでした。ちなみに国産車初のABS装着車でもあります。

この方向転換が功を奏し後にFJR1300となって花開くことになるわけです。まさかFJシリーズがツアラーの代名詞とまで呼ばれる様になると誰が想像できたでしょうか。

あとこのエンジンはXJRへと受け継がれる事になってます。

FJ1200カタログ写真

ただこれは日本での話で、欧州ではこの頃すでにツアラーとして非常に人気モデルでした。

主要諸元
全長/幅/高 2230/775/1200mm
{2230/780/1240mm}
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 258kg(装)
{274kg(装) }
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1188cc
最高出力 130ps/9000rpm
[90ps/9000rpm]
※[]内は国内仕様
最高トルク 11.0kg-m/7500rpm
[9.3kg-m/6000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17
後150/80-16
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.2L
交換時3.0L
フィルター交換時3.35L
スプロケ 前17|リア40
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格 [890,000円(税別)]
※[]内は国内仕様
※{}内はABS仕様
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

FJ1100(36Y) -since 1984-

FJ1100

開発コンセプト「世界最速のツアラー」

最高速競争が始まりだした頃に出たヤマハのスポーツツアラーがFJ1100。

ヤマハはホンダやカワサキに対し四気筒のフラッグシップモデルで少し遅れを取っていた。それを挽回するために作られたヤマハの今でいうメガスポーツ車。

FJ1100の凄い所は空冷で125馬力もある事。

当時の空冷DOHCでは最高馬力。当然ながら最高速度も最高速は235km/hに達し、CB1100・1100S KATANA・GPz1100といったライバルである空冷イレブン達を抑え見事に最速に輝いた。

ただ知名度の無さから分かるように残念ながら売れませんでした。それはカタナや後に出るGPZ900Rといった性能だけでなく唯一無二なデザインまで与えられた歴史的な名車の存在があったから。

それに対し比較的オーソドックスな外見だったのに加え、水冷化の波に取り残されてしまったFJ1100は見向きもされなかった。

VMX1200

そしてトドメは翌年に同じヤマハから発売された145馬力V4エンジンのアルティメットマッスルVmax・・・性能だけでなくカタナやGPZに勝るとも劣らないデザインも完備。

そんなだったのでFJ1100は不運というか時代に恵まれなかった可哀想なバイクなわけです。ナナハン規制で逆輸入車もまだ珍しい時代なのもありましたしね。

主要諸元
全長/幅/高 2175/730/1230mm
シート高 780mm
車軸距離 1490mm
車体重量 252kg(装)
燃料消費率
燃料容量 24.5L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1097cc
最高出力 125ps/9000rpm
最高トルク 9.8kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前120/80-V16
後150/80-V16
バッテリー YB14L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8EA-9/DPR8EA-9
または
X24EP-U9/X24EPR-U9
推奨オイル 20W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時3.0L
フィルター交換時3.35L
スプロケ 前17|リア41
チェーン サイズ530|リンク110
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
1984FJR11001984年
FJ1100
(36Y)
1991FJR12001986年
FJ1200/A
(4CC)
20012001年
FJR1300 /A
(5JW/5VS)
20062006年
FJR1300A/AS
(3P6/2D2)
20102010年
FJR1300A/AS
(1CY/1DA)
2014as2013年
FJR1300A/AS
(1MC/1MD)
20162016年
FJR1300A/AS
(B88/B95)

LS650/LS400Savage(NP41A-B/NK41A-B)-since 1986-

サベージ

「ビッグ・シングル 独立宣言」

ビッグシングルクルーザーのLS650Savage/NP41A型とLS400Savage/NK41A型。

スズキいわく獣のような”獰猛さ”という意味がある通称サベージですが最初に構成を紹介すると

・SOHC4バルブ空冷シングル
・オートデコンプ連動セルスターター
・高張力鋼管セミダブルクレードルフレーム
・スズキ初のベルトドライブ(400はチェーン)
・リターン式5速ミッション
・フラットハンドルとアップハンドルの2パターン

などとなっています。

何よりも目につくのはやはり直立不動で鎮座しているビッグシングルエンジンですね。

LS650サベージ

94×94mmというスクエアシングル(400は88×65mm)で、一軸バランサーを組み込むだけでなくクランクとジェネレーターの間にフライホイールを起きフィーリングを重視したエンジン。

さらにカムチェーンテンショナーもクランクに内蔵させることでスリムさを犠牲にすること無く、空冷フィンを含めシリンダーをキレイに仕立て上げています。

サベージのエンジン

「ミドルシングルクルーザーにしては色々と創意工夫がされてるんだな」

と思うわけですがそれもそのハズ、実はこのエンジンはDR600の部品を流用しつつもサベージのために用意された新設計したエンジンなんですね。

他にもデザインコンセプトである

『ロー・ロング・ニート』

を表現するためスピードメーターをタンクに設置しセンサーもドライブから取り、フロントまわりをスッキリさせるなどの工夫が施されています。

サベージカタログ

でも更に凄いのはこれだけの事をやっていながら

『499,000円(400は479,000円)』

と50万円を切る破格の安さだったこと・・・この事でサベージは2005年にBOULEVARD S40(LS650B)と改名されつつも2019年まで大きく変わることなく販売される超ご長寿モデルになりました。

LS650B

意外と知られていないんですがアメリカなどでは650モデルが2019年まで約33年間も継続して販売されていたんですよこのモデル。

LS400サベージカタログ

日本では出てはすぐ消えて、クルーザーブームが到来したことで1992年に再度B型として登場したもののまたすぐ消えて・・・を繰り返した事から誰も覚えていないかネタ扱いかのどちらかにされがちですけどね。

じゃあ

「何がそんなにウケたのか」

という話をすると安かったのも勿論あるけどそれだけでロングセラーになったわけじゃない。

このサベージはスズキのグローバルクルーザー戦略における”第二弾”で、スズキは前年にあたる1985年に第一弾としてVS750イントルーダーというVツインのモデルを出しました。

VS750イントルーダー

イントルーダーシリーズの始祖となるモデルなんですがデザインが非常に好評で、ドイツなどでは今でもスズキを代表する三英傑に挙げられるほど好評だった。

そんなVS750の弟分として片肺だけ取り出したような形で翌年に出たのがサベージ。

LS650サベージカタログ写真

VS750の流れを組みつつ圧倒的な安い価格だっただけでなく

・大きすぎず小さすぎない車体
・セオリー無視のビッグシングル
・人畜無害な性能

などによりクルーザーの入門としてこれ以上の最適解はないと主にエントリー層に人気が出たんですが、それだけじゃない。

ブルバードS40

サベージは空冷シングルというシンプルさから

『整備やカスタムにうってつけ』

と人気が出たんです。

ガレージ文化やカスタム文化が盛んな海外でこれは非常に重用な要素で、この需要がカスタムビルダーを呼び、それがサベージを長生きさせることになった。

もちろんこれは市場の流れを変えたり歴史に名を残したりするほどの人気ではなかった。でもそんな需要をスズキ自身も切らずに何年も何十年も応えたからこそここまで来れた。

NK41Bのカタログ

『メーカー×ユーザー×カスタムビルダー』

三位一体となって愛されたからことでサベージそしてブルバードS40はご長寿クルーザーとなれたんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2195/690/1080mm
{2195/775/1130mm}
シート高 650mm
車軸距離 1480mm
車体重量 160kg(乾)
[159kg(乾)]
{161kg|160kg(乾)}
燃料消費率 42.0km/L
[40.0km/L]
※60km/h走行テスト値
燃料容量 10.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 652cc
[396cc]
最高出力 30.0ps/5500rpm
[24.0ps/7000rpm]
最高トルク 4.5kg-m/3000rpm
[2.7kg-m/4000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57H)
後140/80-15(67H)
バッテリー FB14L-B2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP8EA-9
または
X24EP-U9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時1.8L
スプロケ [前17|後50]
チェーン [サイズ520|リンク110]
車体価格 499,000円(税別)
[479,000円(税別)]
※[]内はLS400
※{}内はアップハンドル仕様
系譜図
サベージ 1986年
LS650/400
SAVAGE
(NP41A/NK41A)
テンプター 1997年
TEMPTER
(NK43A)

DR250S(SJ41A) -since 1982-

SJ41A

スズキ250オフの処女作となるDR250S/SJ41A型。

市販車初となるフルフローターサスに新設計の空冷単気筒エンジンを積んでいます。

DR250S

スズキはここから油冷DOHCシングルを新たに作りDR250Rなどで対抗し競っていくんですが、その際に使わなくなったこのエンジンがST250へと続いていく事になります。

主要諸元
全長/幅/高 2165/860/1200mm
シート高 830mm
車軸距離 1375mm
車体重量 114g(乾)
燃料消費率 56.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 22ps/8500rpm
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー YB4L-B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前13|後49
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 339,000円(税別)
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

GN250E(NJ41A) -since 1982-

NJ41A

DR250Sの一ヶ月遅れで登場したGN250

まあほとんどの人は知らないと思う・・・一応DR250Sのエンジンを使って作られたバイク。似ても似つかないけどね。

イージーライダーでのクルーザーブームを狙ったんだけど上手く波に乗れず。

しかも翌年の1983年に自社からRG250Γを出した事で空前のレーサーレプリカブームを巻き起こしちゃうっていう。

GN250カタログ

なんだか色々な不幸が重なったバイク。

でも実はこれオーストラリアや欧州などではそれなりに売れたみたい。日本ではカラキシだったけどね。

でもこのバイク、後に化ける事になります。

主要諸元
全長/幅/高 2030/840/1120mm
シート高
車軸距離 1350mm
車体重量 138kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 10.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 22ps/8500rpm
最高トルク 2.0kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後4.60-16-4PR
バッテリー YB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ520|リンク100
車体価格 308,000円(税別)
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)