モンキー125(JB02)-since 2018-

モンキー125

「THE SMILE MACHINE」

2018年に登場した新世代モンキーことMONKEY125/JB02型。

その数字からも分かる通り125ccとなりそれに合わせてボディもワンサイズ大きくなりました。

モンキー125デザイン

大きくなったといってもそれでも125ではかなり小さい方なんですけどね。

ちなみに灯火系はすべてLEDという豪華さ。

ベースとなっているのは先に出ていたGROMなわけですが、これがまたよく考えられている。

モンキー125とGROM

いわゆるキビキビ系のグロムをそのままモンキーにしてもイメージに合わないという事で吸排気系やマッピング、更にはステムやリアフレームや足回りなどを新たに設計し直してトコトコ感を強調する変更をしています。

モンキー125フレーム

しかしその一方でクランクケースを始めとした各部のマウントやステー位置は極力グロムから変えない様にしている。

これはグロムと親和性を高めることでカスタムマーケットを広げるの事が狙い。

さて・・・このモンキーが出たときに色々と賛否両論あった事を覚えている人も多いかと思います。

ただ間違いなく言えるのは

「モンキーは本当はもう終わっていた」

という事。

この125化は何とかモンキーを存続させる方法はないか考えた末に造られた意味合いが強いです。

というのも50ccというのは規制とコストに加えほぼ日本でしか売れないので厳しいものがある。だからモンキーも既に2018年モデルで終わることがずっと前から決まっていた・・・そこで頼ったのがタイ。

タイホンダ

タイはいま若者の間でストリートバイクが絶大な人気を誇っています。

発端はカワサキのKSRでホンダがグロムを出したのもそれが理由。だからモンキーも受け入れてもらえるのではと2016年のタイのバンコクモーターショーにコンセプトモデルを出したところ、これが物凄い反響を呼んだ。

ここで

「タイで売れるなら存続できる」

となった。

タイの道路事情

しかし一方でアジア特にタイというのは最高時速が80km/hでみんなビュンビュン飛ばすので50ccでは絶対に売れない。

だから125ccになったんです。タイだけで年間1万台の販売を予定しているんだとか。

ちなみにそんなモンキー125ですが、実はタイではバイク屋では売っていません。

タイのカブハウス

『Cub house』

と呼ばれるコーヒーやらホットドッグやらアパレルやらまで売ってるショップでのみC125と並んで販売されています。

カブハウスの店内

これは若者向けにライフスタイル兼ファッションアイテムとしてバイクに付き合ってもらおうという考えから・・・本当に最近のアジア凄いですね。

ちなみに信じられないかもしれませんがカスタム文化なども既に日本よりインドネシアやタイなどの方が遥かに上です。だからカスタムマーケットも急速に大きくなるのではないかと思います。

さっきからタイの話ばかりになっていますが125ccは世界中で売る事も出来るのでモンキー125はグローバルモデルとなり欧州などでも再び販売される様になりました。

UKモンキー

ただその中でタイの次に大事な主要マーケットが何処かと言うと実は日本なんです。

つまりタイだけを見て造ったわけではない。

確かにモンキー125はそれまでのモンキー50とは大きく異なります。それはサイズ感を始めとした車体構成から見てもそう。

monkey

どれだけカスタムパーツが増えようがどれだけ弄ろうがモンキー125はミニ四駆の延長線上の様なモンキー50の代わりにはなれない。

でもそれは反対に言うとどれだけモンキー50を弄ってもこの125にはなれない事でもある。

ホンダモンキー125

このモンキーの最大の強みはそこ。

『最初から125として設計されている』

という事です。

4miniなどを弄った事がある人なら分かると思いますが、もともと50ccのバイクをボアアップやら燃調やらでスケールアップさせるとどうしても信頼性やメンテナンス性にシワ寄せが起こる・・・そして沼にハマる。

それは4mini筆頭であるモンキーも例外ではなく、結果としてモンキー50時代の晩年には

『カブ110エンジンにスワップ(載せ替え)』

というものまで流行りました。最初からメーカー謹製のものを載せれば何も悩まされる事がないからです。

要するにこのモンキー125はそれを最初からやった形。

そしてフレームや足回りも合わせてあるからオイル管理も異音も足回りも何一つ不安も心配もいらない。

ニューマイトレンドモンキー125

これがモンキー125の強み。

確かに弄るモンキーではなくなったけど代わりに

『自由にトコトコ走れるモンキーになった』

という話。

その考えを最も裏付けるのがこのシート。

モンキー125のシート

一見するとなんてことないシートですが、実はこれゴールドウィングと同じ高密度ウレタンを使った凄く良いシートなんです。

狙いはもちろんどんな道でもトコトコと、何時間でも何kmでもトコトコと行けるようにするため。

「なんで一人乗りなんだ」

と思うかも知れませんが、それはモンキーらしさを優先したから。

これはハンドルもそうです。

モンキー125サイド

従来のモンキーの特徴の一つが折りたたみ式ハンドルでしたが、125でこれを採用するとなるとモンキーらしさが損なわれてしまう。

「モンキーらしさか伝統か」

これを採用するか採用しないかで大いにモメたものの

「125を抱えて積む人は居ないだろう」

という事で廃止しモンキーらしさ優先。

もう一つはフェンダー。

モンキー125のフェンダー

モンキー125は今どき珍しいスチールメッキフェンダーを採用しているんですが、当初は操舵重量の問題からスチールを止めてプラスチックになる予定でした。

しかし

「やっぱりスチールの方がモンキーらしい」

ということでフロント周りを途中で一から見直して何とかを実現。

モンキー125イタリア仕様

モンキーのステム周りがグロムと大きく変わっているのはこのスチールフェンダーを意地でも採用するためだったりするんです。

アップマフラーにするために曲がりくねっているエキパイだってそうです。

モンキー125エンジン

例え125になろうとモンキーらしさを失わない為にこうなってる。

モンキー125が何処からどう見てもモンキーなのはこういった細かい配慮があるからなんです。

「さっきから言ってるけど”モンキーらしさ”って何だ」

って話ですがこの”モンキーらしさ”こそホンダが初代モンキーからずっと何よりも大事にしてきた事。

欧州仕様モンキー125

「見てるだけでワクワクする」

そう思えるバイクがモンキーなんです。

主要諸元
全長/幅/高 1,710/755/1030mm
シート高 775mm
車軸距離 1155mm
車体重量 105kg(装)
[107kg](装)
燃料消費率 67.1km/L
※WMTCモード
燃料容量 5.6L
エンジン 空冷4ストローク
SOHC2バルブ単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.4ps/7000rpm
最高トルク 1.1kgf-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/80-12 65J
後130/80-12 69J
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/U20EPR9
または
CPR7EA-9/U22EPR9※高速
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L|交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク98
車体価格 399,600円(税込)
[432,000円(税込)]
※18年モデル
※[]内はABS
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

LEAD125(JF45) -since 2013-

JF45

「STYLISH SEDAN SCOOTER」

生産国が中国からベトナムになり、これまた大幅に生まれ変わったリード125(JF45)

PCX等のコミューターがベトナムに移管された事がキッカケでしょうね。

(Todayやカブ110なんかでもそうですが中国工場ってよっぽど何かあるんでしょうね。)

それにしてもリードのフルスケール125ccなんて1982年以来、実に30年ぶりですよ。

エンジンはPCXと同じホンダ渾身のグローバルエコエンジンであるeSP。

eSPengine

どんな走り方をしても40km/Lを切らないというニワカには信じがたいエンジン。

ちなみにeSPとはenhanced(強化された) Smart(高精度な) Power(動力)という意味。

ラジエーターが一体化してるのが特徴ですね。

外見も大きく変わりました。

リード125LED

ひと目でリード125だと分かるV字クロームメッキとLEDポジションランプ。(何でV字なのかは分かりませんが)

でも実はLEAD125は内装(インパネ)にも拘ってます。

リード125メーター

液晶付きメーターは勿論のこと、可能な限りインパネもメタリック塗装しプラスチッキーさを抑えてる。

でもそんな事よりリードといえばやっぱり・・・

リード125メットインスペース

ヘルメットが2つ入る程の大容量ラゲージスペースですよね。コチラも健在・・・というかコレじゃなきゃリードとは言えない。

さてさて・・・

リードの魅力を考えてみると速いわけでも最先端を行く様なデザインでも無い。最上位スクーターという地位もPCXに譲った。

挙げるとするならラゲージスペースを始めとした積載性くらいで、こう言っちゃアレだけどどちらかというと華がない。

でもそれこそがリードの魅力なんじゃないのかと思うわけです。

一人でも二人でも乗れるちょうどいいサイズで、メットインスペースが豊富で足場もフラットで広く、リアキャリアもしっかり付いてる。

スタイリッシュ セダン スクーター

オーソドックスといえばオーソドックスだけど、価格や奇抜さといった飛び道具に頼るわけでもなく王道をいってるのって今やリードくらいなんですよね。

流行に流されない大人のスクーター。

コンセプトで”セダン”と用いてるのもこういう所から来てるんじゃないかな。

主要諸元
全長/幅/高 1835/685/1125mm
[1840/680/1130mm]
シート高 760mm
車軸距離 1275mm
車体重量 113kg(装)
[114kg(装)]
燃料消費率 51.0km/L
[52.2km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 6.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 11ps/8500rpm
最高トルク 1.2kg-m/5000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前90/90R12(44J)
後100/90R10(56L)
バッテリー YTZ7S
[GTZ8V]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR7EA-9
または
U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.9L
交換時0.8L
スプロケ
Vベルト 23100-KZR-601
車体価格 272,000円(税別)
[287,000円(税別)]
※[]内は17年以降モデル
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

GROM(JC61後期/JC75) -since 2016-

2013グロム

顔が突然変異した様なグロム(JC61)の後期モデル。※17年からはJC75

目立つ変更点としてはヘッドライトのLED化とダウンマフラーですね。それに伴ってステップも変わってます。

ハンドル周り

他にも起き気味だったポジションを見直してハンドルが少し下げられ前傾気味になりました。見た目含めて全体的にスポーツ志向が少し強くなった感じです。エンジンは変わってませんけど。

まず取り上げるべきはやっぱりダウンマフラーでしょう。

ダウンマフラー

先代のアップマフラーは社外マフラーに変えたいと思った時ヒートガードが無くなる事から

・熱でシートバッグが溶ける

・タンデムすると火傷する

などといった問題点があり、社外マフラーはダウンタイプの物が結構出ていました。ホンダもそれを鑑みてダウンタイプに変更したのかなと思います。

レジャーバイクといえば実用性度外視の遊びバイクというのが定説だったけど、今は通勤やツーリングといった実用的な使い方をする層が増えた事による想定外の問題ですね。

まあこれはグロムがとてつもない低燃費な事が起因だとは思いますけど。

そしてLEDヘッドライト。

LEDヘッドライト

形の好みはあれど恩恵は絶大でしょう。

原二の場合、発電量が乏しいのでどうやってもライトは暗くなってしまう宿命を持っているんですが、昨今のLEDの普及による低コスト化によって原二でもLED搭載が珍しくなくなりました。LEDの恩恵を一番受けるクラスだと思います。

ヘッドライト

更に問題だったのはグロムはヘッドライトを自分で変えようにも交流式(LEDは直流でないと駄目)なために、にっちもさっちもいかない状況だった事。新型が整流しているのか直流で取っているのかは分かりませんが、LEDは明るく省電力なので喜ばしい事ですね。前期への流用が流行りそう。

グロムリア周り

そんな変更点の中で意外だったのはABSも連動ブレーキも採用していないという事。

既存車種は2021年からの義務化なのでまだ日数はあるものの、積極的なホンダがモデルチェンジと共に採用してこなかったのは珍しい。

遊べるミニモタ的な要素も持ち合わせているからかな。前後連動にしちゃうとリアだけロックさせて遊んだりという事が出来なくなりますからね。

つまりこのグロム(JC61後期)のモデルライフは5年未満ということが確定していると同時に、コンビブレーキやABSといった制御が入ってないシンプルなブレーキをしている最後のグロムになる可能性が非常に高いです。

GROMANCE

さてグロム(MSX125)は既に世界で300,000台以上を売り上げる大人気車種となりました。

「日常で遊べるモーターサイクル」

グロムのコンセプトは日本は勿論のこと、広大な土地があるアメリカやスポーツ走行が盛んな欧州でも成功を収めました。

先進国でこのジャンルが成功するという事は再びレジャーバイク・ミニモタが活性化すると言っても過言ではありません。レジャーバイクが活性化すれば敷居の低さからバイク人口も増えるし、ミニバイクを使った遊びの範囲も広がる。

2017GROM北米モデル

バイク業界の活性化にミニバイクは必要不可欠なわけでGROMが成した事は大きく大事な一歩と言えるでしょう。(もちろんZ125もね)

最後になりましたが、遊びといえばもう一点。

2016からグロムのワンメイクレース「HRC GROM CUP」の開催が決定しました。ということは・・・当然ながらグロムのHRCコンプリートモデル&レースキットが発売。

キットはレースカウルにレース用マフラー、スプロケガードにバックステップのセット。

HRCグロム

写真のコンプリートモデルは更にハンドシフターとモード切替スイッチ、ピットスピード制御スイッチ、シフトアップインジケーター、マッピングを変えられるレース用ECUなども付いて350,000円前後(詳しくは各サービスショップへ)です。

もちろん公道は走れません・・・レースするわけでもないのに自分のGROMに流用しようなんて考えちゃ駄目ですよ。レースに出る為なら話は別ですが。

NSF100

更にこのグロムカップはどうもNSF100が担ってきた「NSF100 HRCトロフィー」の後釜になるようです。レースベースにまで採用されるとなるとGROMの未来は安泰ですね。

このグロムカップは全国19ヶ所のサーキットで開催してますので興味のある方は「HONDA:GROM CUP」もしくは「お近くのサービスショップ」からどうぞ。

レースベースグロム

いやしかしHRCカラーが似合っててカッコいいなあ。

誤解する人がいるといけないので説明しておくと、このHRカラーはホンダが見本として塗ってるサンプルカラーで、買えるのは無地(白一色)です。

でもコレ絶対そのうちHRCカラーのグロム出るだろうな・・・

主要諸元
全長/幅/高 1755/730/1000mm
シート高 760mm
車軸距離 1200mm
車体重量 104kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR7EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 320,000円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

【関連車種】
YZF-R125の系譜Z125の系譜Small DUKEの系譜RS4 125の系譜

GROM(JC61前期) -since 2013-

2013グロム

「Just Size & Showy Spec 」

タイホンダから発売されたレジャーバイク。

ホンダとしてもレジャーバイクとしても久しぶりのニューモデルだった事もあって第一便も第二便も予約でいっぱいという人気っぷりだったGROM(海外名はMSX125)

エンジンは同じタイで作られているWAVE125iの物をベースにクランクケースなどを専用品に変えたもの。

エンジン

多分WAVE125iとか言われてもナンノコッチャ状態の人が多いだろうから説明するとこのバイクです。

ウェーブ125i

いわゆるタイカブってやつですが、その中でもWAVE125iというのはトップモデルで125が許された数少ないタイカブだったりします。

「タイのバイクってみんなこんな形してるよねー」

ってよく言われますけど、それはタイは二人乗りどころか三人乗り四人乗りが珍しくもなんともないからです。シートはデカくてナンボ、長くてナンボの世界。シートが小さいバイクなんて一部の道楽スポーツバイクだけ。

バイクタクシー

余談ですがカラフルなジャケットを着ている人はバイクタクシー。向こうはバイクのタクシーがあるんですね。

WAVE125iの歴史を更に遡るとドリーム100にたどり着くんですが、そこまで遡りだすと結局C100(初代スーパーカブ)に辿り着いちゃうのでこのへんにしときます。

ドリーム100

ちなみにいわゆるタイカブのこの形を確立したのは他ならぬこのドリーム100で、タイの人達の心を見事につかみ大ヒット、タイホンダ成功の立役車となりました。

さて、日本でホンダは横型(カブエンジン)を積んだレジャーバイクを数多く出して来ました。今でもお馴染みモンキーから始まり、ゴリラ、DAX、シャリィなどなど。

レジャーバイク

どれもグロムと同じように遊び心ある・・・・って全然グロムの話してないですねゴメンなさい。

ただそんなホンダのレジャーバイク史の中でもグロムはちょっと異質です。なんといってもモノサスもそうだけど正立大好きなホンダが31mmの極太倒立フロントフォークを採用してるんですから。

白グロム

これ70年以上も歴史あるバイクメーカーながらクラス初の試みです。CRFなんかでもそうだけど最近のホンダは結構倒立フロントフォークを当たり前の様に採用してきますね。グローバル化で変わったんだろうか。

んでエンジンもWAVE125iのものと言ったけどそのままっていうわけではなく、吸排気を専用設計の物に変えてパワーを上げています。

パワーカーブ

といっても空冷4stの9.8馬力なので速さは・・・まあグロムオーナーが一番よく分かってると思うので遠慮なく言わせてもらうとかなり遅いです。PCXは愚か昨今の125スクーターに全く歯がたたないレベル。

まあ向こうは水冷の新設計エンジンだし大径ホイールだし無段階変速だし当たり前なんですけどね。

その割には33万円は高いと思う人も居るかもしれません。

MSX125

何処にそんなお金が掛かってるんだと言われれば「見た目」と言い切れます。

フレームが専用設計ということもありますが、先に言った極太倒立フロントフォークや130という絶対にオーバーなタイヤサイズも見た目のためでしょう。

タンクカウル

更に言うなれば125どころかバイク全体を見渡しても非常に凝ってる部類のタンク形状(特許出願技術)もそう。とにかく見た目に予算全部突っ込んだ様なバイク。

そもそもレジャーバイクというのは速さとは無縁のバイクですし、実際オーナー達も見た目が気に入って買ってる人が大半だろうからそれで正解なんでしょうけどね。

少し残念なのはFI化されているのを見ると分かる通り、現行モンキー同様あらゆる部分が電子制御されていますのでキャブ時代の様に簡単に弄るのは難しくなっています。弄れないわけではないですしコレはグロムに限った話ではないですが。

その為か結構見た目重視のカスタムが目立ってますね。

グロムカスタム

スクランブラーから他車パロからRCからガンダムまで。

世界のホンダから出たレジャーバイクなだけあって様々ですね。愛されてるなあ。

ところであんまり話題にならないけどGROMは低燃費と定評のあるPCXより低燃費です。

壁紙

20kg以上軽い上に常時噛合式(ミッション)なので50km/L切らないどころか、場合によっては70km/Lまで行くという驚異的な燃費性能を持っています。

WMTCモード値70.5km/L(国内125トップ)は伊達じゃないという事ですね。

主要諸元
全長/幅/高 1760/755/1010mm
シート高 750mm
車軸距離 1200mm
車体重量 102kg(装)
燃料消費率 63.2km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 5.5L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 124cc
最高出力 9.8ps/7000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5250rpm
変速機 常時噛合式4速リターン
タイヤサイズ 前120/70R12(51L)
後130/70R12(56L)
バッテリー YTZ5S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CPR6EA-9/CPR6EA-9
または
U20EPR9/U22EPR9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.9L
スプロケ 前15|後34
チェーン サイズ420|リンク106
車体価格 309,750円(税別)
系譜図
20132013年
GROM
(JC61前期)
20162016年
GROM
(JC61後期/JC75)

GOLDWING/TOUR(SC79)-since 2018-

2018年式ゴールドウィング

「二人の感動に一層の輝きと充実を~The Honda Premium Tourer~」

おおよそ10年単位でのフルモデルチェンジという慣例を破り、7年目にしてフルモデルチェンジとなった2018年型GOLDWINGのSC79型。

2018年式ゴールドウィング

このモデルからノーマルグレードがF6Bのようになり、ロングスクリーンとトップボックスまで装着した従来のゴールドウィングはTOURグレードとなりました。

今回のモデルの特徴は48kgの大幅な軽量化が行われた事と、非常にコンパクトになった事。

それに一役買っているのが話題にもなったダブルウィッシュボーン。

ダブルウィッシュボーンフロントサスペンション

サスペンション部と操舵部が別々になっている車のスポーツカーではメジャーな方式。

バイクでもBMWがデュオレバーという同じようなものを採用しています。

どうして従来のテレスコピックではなくダブルウィッシュボーンを採用したのかというと、一つはゴールドウィングの最大の課題である長いエンジンを更に前にやりたかったから。

そうすればフロント重量が増してハンドリングが更に向上する上に居住スペースを増せるから。

2018ゴールドウィングの内部

ところが従来のテレスコピック方式だとコレ以上に前に押しやる事は無理でした。何故ならタイヤがボディに干渉しないようにクリアランスが必要だから。

ゴールドウィングの場合、タイヤの後ろにあるハズのラジエーターを既にサイド化してあり湾曲加工が出来ないエンジンが直ぐ後ろにある。

ストロークの違い

これをダブルウィッシュボーン方式にするとフロントタイヤはほぼ真上に動くので干渉回避の為のクリアランスに余裕ができる。

こうしてエンジンを更に24mm前方へ持ってくる事が可能となり、先代よりも更に前乗りでスポーツできるポジションになっています。

2018年式ゴールドウィングフレーム

これらを実現するためフレームもエンジンも、当然ながら作り直し。

エンジンはVFR1200Fでお馴染みSOHCながらDOHC並の正確さを持つユニカムバルブトレインの採用などで4バルブ化しながらも前後左右全てを短縮しています。

2018年式ゴールドウィングエンジン

ちなみにこの2018年型の開発責任者は先代SC68から引き続き中西さんでしが、この方もともとは四輪の方。

それでも二輪が造りたくて仕方なく二輪に来たんだとか。ダブルウィッシュボーンになったのもソレが関係しているのかもね。

2018ゴールドウィングツアー

それにしても本当に、前にも増してカッコよくなったというか若返り過ぎではなかろうかと思うほどスタイリッシュになりましたね。

これなら40~50代どころか30代が乗っていてもおかしくない。

壁紙

モデルさんまで前にも増してが若返ってるし。それだけ若返りが切迫した課題ということなんでしょうね。

そんな2018年型ゴールドウィングですが、一番紹介したい事というか一番の感動ポイントはダブルウィッシュボーンではなくDCTです。

DCT

第三世代の最新型DCTで七速(クロス気味な1~3速+ワイド気味の4~6速+クルーズ用の7速)な上に、変速ショックはもちろんメカノイズまで徹底して消すために専用ダンパーなどまで装備している豪華版。

実質ATなので靴が汚れる心配も無く、更にシティーユースでも使えるようになった。

でも感動ポイントはそこじゃない。本当に感動したのはこのDCTが後退駆動する方法。

バックギア

赤い矢印の部分がバックギアというかバック用のチェーンです。

これだけじゃ分かりにくいのでもうちょっと簡単に説明すると・・・

バックする仕組み

まず二重になっているメインシャフトのインナー(赤側)の一速を繋いでカウンターに伝える。

と同時にリバースチェーンでエンジンと繋がっていないもう一つのメイン(青側)に”正回転のまま”戻す。

そしてソコからもう一度、アウター(青側)の二速でカウンターに伝えることで通常とは反対方向に回転が出力されるというわけ。

通常が

「逆→正=正回転」

なのに対し

「逆→正→正(チェーン)→逆=逆回転」

でバックを可能にしている。

・・・そう、つまり後退のためだけのシャフトもギアも要らなくなったわけです。

「GL1500(SC22)の系譜」で話した豪腕エンジニア久米社長との課題を30年後の2018年にDCTという方法でクリアしたんです。

ゴールドウィングDCT

つまり

「技術的な問題を凡人が集まり創意工夫することで解決”した”エンジン」

を積んでいる。

これは軽くコンパクトに出来た要素の一つでしかなく、重量でいえば-48kgのうちの僅か1.3kgでしかない。

2018ゴールドウィング

でも

「創意工夫することで解決する」

というホンダの精神を旗艦として示すには十二分なウェイトを持つ要素かと。

主要諸元
全長/幅/高 2475/925/1340mm
[2575/925/1430mm]
{2575/905/1430mm}
シート高 745mm
車軸距離 1695mm
車体重量 365kg(装)
[379kg(装)]
{383kg(装)}
燃料消費率 17.7km/L
[18.2km/L]
※WMTCモード値
燃料容量 21L
エンジン 水冷4サイクルOHC水平対向6気筒
総排気量 1832cc
最高出力 126ps/5500rpm
最高トルク 17.3kg-m/4500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
{電子式7段変速DCT}
タイヤサイズ 前130/70R18(63H)
後200/55R16(77H)
バッテリー GYZ20L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
R6HSB-9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.4L
交換時3.5L
フィルター交換時3.7L
スプロケ
チェーン
車体価格 2,530,000円(税別)
[2,740,000円(税別)]
{3,070,000円(税別)}
※[]内はツアー
※{}内はツアーDCT
系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

GOLDWING F6B(SC68) -since 2013-

SC68

「街を颯爽とStyle & Impact The Honda Premium Cruiser」

国内受注生産に移管されたゴールドウイングSC68の二年遅れで登場したF6B。

F6Bって何だよって思うわけですがホンダは答えてませんが恐らく
F フラット(水平対向エンジン)
6 六気筒
B バガー

かと。

F6B

バガーっていうのは簡単にいえばツアラーを思い思いにカスタムしたスタイルの事。

公式が狙ったのはショートスクリーンやGLから15mmダウンしたシート高などを見ても、シティユースカスタムといった所でしょう。

F6Bデザイン

価格もゴールドウイングからバックレストなど装備を色々と省いてGOLDWINGより20万円ほど安い200万円。

省いたといってもABSやクルコンやオーディオなどは変わらず付いています。

F6Bフルオプション

ちなみにこれはフルオプション状態。渋いゴールドウィングみたいですね。

色々と省いているというとケチってるだけの様に聞こえるけど、そのおかげでゴールドウィングより32kgも軽い。

ゴールドウイングF6B

だからサスもそれに合わせて再セッティングされ軽快に走れるようスポーツ寄りに。

GL1800の様なゴテゴテ快適装備は要らないしタンデムもそんなにしないって人には良い・・・というか六気筒エンジンのバイクが税別ながら200万円切る価格ってかなりお買い得かと。

2014年にマイナーチェンジが入り、9馬力アップと省かれていた後退機能とクルーズコントロールが標準搭載されました。

GOLDWING F6C
(SC68)
-since 2014-

F6C

「Top End Performance Cruise」

合わせて紹介で申し訳ないですが、F6Bから一年遅れで登場した同じ派生モデルとなるF6C。

またまたF6Cって何だよって思うわけですが今度はホンダさんが発表会でちゃんと言ってました。

F フラット(水平対向エンジン)
6 六気筒
C カスタム

って、これワルキューレと一緒・・・と思ったらアメリカではGOLDWING VALKYRIEという名前でした。

F6C壁紙

クルーザーモデルの頂点という立ち位置なのを見ても派生というよりワルキューレの後継といった方が正しいのかな。

F6Cは見て分かる通り、F6B以上に装備を徹底的に取り払ったモデルだからゴールドウィングより75kgも軽い。

ゴールドウィングワルキューレ

テーマは見た目通り”マッスル”で、ポジションもデザインに合わせてワイドポジションに変更されています。

ちなみにGOLDWINGの系譜だけありツーリングオプションは変わらず豊富。

F6Cフルオプション

これが全部載せなんですが・・・なんか別のバイクみたいですね。

主要諸元
全長/幅/高 2605/945/1225mm
[2470/940/1150mm]
シート高 735mm
車軸距離 1690mm
[1705mm]
車体重量 385kg(装)
[342kg(装)]
燃料消費率 21.0km/L
[25.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 25L
[22L]
エンジン 水冷4サイクルOHC水平対向6気筒
総排気量 1832cc
最高出力 109ps/5500rpm
{[118ps/5500rpm]}
最高トルク 16.4kg-m/4000rpm
{[17.0/4000rpm]}
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/70R18(63H)
後180/60R16(74H)
バッテリー GYZ20L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BKR5E-11/BKR6E-11/BKR7E-11
または
K16PR-U11/K20PR-U11/K22PR-U11
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.7L
交換時3.8L
フィルター交換時3.9L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,995,000円
{2,214,000円}
[1,998,000円]
※{}内はF6B後期
※[]内はF6C
系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

GOLDWING(SC68) -since 2011-

2011ゴールドウィング

「Majestic Aggression」

アメリカでの金融危機による不況でGL1100から作り続けたオハイオ工場を四輪専用工場に再編し、二輪は熊本工場に集約。

ホンダオブアメリカ

この事から完全受注生産となり、型式もSC68となりました。

メイド・イン・アメリカからメイド・イン・ジャパンになった事で更に高級化するかと思いきや、何と80万円近く安くなって220万円(エアバッグ&ナビモデルは265万円)と大幅プライスダウン。

SC47とSC68の違い

上がSC68で下がSC47。パッと見そんなに変わっていないですが、分かりやすい違いとしては

・ラジエーターのサイドスリットを始め全体的にエアロデザイン強調
・シャフトドライブのサイドカバーを始め各部の樹脂化とメッキ抑制
・ヘッドライトがブラックアウト化

などなど。

更に先代では標準装備だったフォグ等のパーツをOP扱いにしたことでも値段を抑えてあります。

SC68インパネ周り

それでも十二分な装備だと思いますがね。

一方でオーディオ面ではiPodやAUXやUSBジャックといったデバイスに対応と使い勝手が向上。

SC68

ホンダは車体価格を下げると少し前に公言していたんですが、まさかトップエンドのゴールドウイングを下げてくるとは夢にも思いませんでしたね。

これはより多くの人にゴールドウイングを乗ってもらいたい為だそうです。

ゴールドウイング1800広告写真

これは先代SC47の時にもボソッと言われていたんけど、ゴールドウィングオーナー日本に限らず世界共通で高齢化が進み、降りる人が増えてきたから。

だから新たなユーザーを取り込む必要が出てきた。そこで価格を下げて取っ付きやすくして若返りを図ろうというわけ。

ゴールドウイング1800

公式の写真でもそれが見て取れますね。モデルが高齢ではなく爽やかな中年夫婦。

実際このSC68は先代でも話した通り、パッセンジャーシートはファーストクラス並で、車体はスーパースポーツかと思うような造り。

更には荷物まで乗るという欲張りバイクなわけで。

主要諸元
全長/幅/高 2630/945/1525mm
シート高 740mm
車軸距離 1690mm
車体重量 417kg(装)
[425kg(装)]
燃料消費率 20.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルOHC水平対向6気筒
総排気量 1832cc
最高出力 109ps/5500rpm
最高トルク 16.4kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前130/70R18(63H)
後180/60R16(74H)
バッテリー GYZ20L
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BKR5E-11/BKR6E-11/BKR7E-11
または
K16PR-U11/K20PR-U11/K22PR-U11
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(SAE10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.6L
交換時3.6L
フィルター交換時3.7L
スプロケ
チェーン
車体価格 2,289,000円
[2,782,500円]
※[]内はエアバッグ・ナビ
系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

FORZA(MF13) -since 2018-

MF13

「NEW STYLISH SPORT」

初代と全く同じコンセプトで登場した六代目フォルツァのMF13型。

ビッグスクーターブームが完全に去った今になって何故こんなモデルを出したのか疑問に思いますが理由は主に二つ。

・グローバルモデル(海外向け300)になったこと

・FORZA125が欧州で好調なこと

です。

コンセプトスケッチ

見た目からも分かる通り小排気量ながら郊外から市街地まで幅広くカバーできる事で評価されてるフルスペック125のFORZA125をそのまま250にスライドした形で相変わらず装備も豪華。

・電動スクリーン

・フルLED灯火

・ABS&トラコン

・スマートキー

・グリップヒーター

などなど最新の大型ツアラーかと思うような装備の数々。遂にトラコンがビッグスクーターにも採用されるとは。

MF13メーター周り

メーター周りも凄くお金がかかっています。

更に中身の方もフルスペック化に合わせて大きく変わりました。

新設計となったフレームは実質的な先代にあたるSiと比較すると分かるのですが、アンダーボーン部を太くして剛性を上げてキビキビ系にしている意図が見て取れます。

MF13フレーム

一見すると重くなってるように感じるのですが、こう見えて20%の減量に成功。

エンジンの方も冷却周りを大きく変えてコンパクト化し、合わせて静寂性も向上させたもの。

MF13エンジン

オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどは先代から引き続き採用。

簡単に言うとPCX等に積まれているeSPエンジンの250cc版ですね。ただSiから馬力が1ps上がっています。

纏めるとMF13型は先代から大幅なダイエット(8kg減)をしている事やハンドル位置が少し下げられた事からも分かる通りスポーツ性に舵を切ったモデルとなりました。

欧州向けMF13

少し小言を言わせてもらうとフォルツァといえば2000年代半ばに起こったビッグスクーターブームの代表格で一時期は年間2万台以上も売れた車種です。

それに対しこのMF13型は初年度で約2400台と1/10程度・・・しかしブームが去ったジャンルでこの台数はかなり多い。

これはストリートカスタムという本来とは違う方向でブームによりボヤけてしまっていたコンセプトが落ち着いた事で鮮明に見えるようになったからではないかと。

フォルツァMF13

もともと90年代末に誕生したビッグスクーターの本来のコンセプトは

『スポーツサルーンのバイク版』

で、そしてそれが受け入れられたからヒットした。

つまりブームが去ったいまMF13が売れているのはその本来あるべきコンセプトに習ったビッグスクーターだから。

フォルツァ

「良識ある大人の為のスポーツサルーン」

という本来の立ち位置を20年の歳月の後にやっと手に入れたフォルツァのMF13型。

決して安くないコレを欲しいと思ってる人、そして実際に買って乗ってる人こそ本来のビッグスクーター層なんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2140/750/1355mm
シート高 780mm
車軸距離 1510mm
車体重量 184kg(装)
燃料消費率 33.3km/L
※WMTCモード値
燃料容量 11L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 24ps/7500rpm
最高トルク 2.4kg-m/6250rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前120/70-15(56P)
後140/70-14(62P)
バッテリー FTZ10S
または
YTZ10
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.2L
フィルター交換時1.4L
スプロケ
Vベルト
車体価格 599,000円(税別)
系譜図
スペイシー250フリーウェイ1984年
SPACY250FREEWAY
(MF01/03)
フュージョン1986年
Fusion
(MF02)
フォーサイト1997年
FORESIGHT
(MF04)
初代2000年
FORZA/S
(MF06)
二代目2004年
FORZA/Z
(MF08)
三代目2007年
FORZA X/Z
(MF10)
フェイズ2009年
FAZE/S
(MF11)
タイ2013年
FORZA Si
(MF12)
MF132018年
FORZA
(MF13)

FORZA Si(MF12) -since 2013-

FORZA Si

「JUST FIT! DYNAMIC ALMIGHTY COMMUTER」

タイで新たに作られたフォルツァ。日本においては三代目と併売しているので四代目と言っていいのか微妙なラインなんだけど。多分そのうちZも無くなってSi一本になるんだろうね。

タイで作られている事から分かる通りこのフォルツァは三代目と違ってグローバルモデル。海外ではFORZA300またはNSS300FORZAとして売られています。

フォルツァ300

海外モデルはキャリパーが赤塗装されてないのが特徴。欧米人からしたらこれがコマジェ(MAJESTY125)くらいになるんだろうね。

エンジンのベースは欧州でヒットを飛ばしているSHシリーズの長男SH300iのものを使ってる。

SH300

フレームも別だし基本的にそれまでのフォルツァとは名前以外に繋がりがない。

ただちゃんと住み分けされてて、このフォルツァSiはSマチック(擬似MT)とかキーレスとかの+α的な快適装備をほぼ全て無くして車体価格を抑えている。更に省いたおかげでZより10kg軽い。

Si

プレミアムのZ、コスパのSiといった所でしょうか。実際Zより15万円以上安いっていう。Xより安くFAZE並にコンパクトだから両車が無なるのも無理もない話ですね。

実際このSiモデルですが日本では好評なようで、販売台数もビッグスクーターブームが去った現代においても唯一辛うじてランクインしているビッグスクーター。といってもビッグスクーターブーム時の1/10以下だけどね。

FORZA Si

言い忘れてましたがSiとはSports Internationalの頭文字から取ったそうです。

そうそう系譜とは関係ないですがFORZAといえば125も欧州で出ましたね。

フォルツァ125

PCXと同じESPエンジンを搭載しフロント15インチ。ウィンカーまでフルLEDのゴージャス仕様で他の125スクーターとは一線を画する125。

でもその分、値段もPCXの二倍近い60万円弱・・・。

主要諸元
全長/幅/高 2165/755/1185mm
シート高 715mm
車軸距離 1545mm
車体重量 192kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 23ps/7500rpm
最高トルク 2.3kg-m/6000rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前120/70-14(55P)
後140/70-13(61P)
バッテリー FTZ12S
または
YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
LMAR8A-9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.2L
フィルター交換時1.4L
スプロケ
Vベルト 23100-K04-931
車体価格 514,000円(税別)
※ABSは+3kg&47,000円
系譜図
スペイシー250フリーウェイ1984年
SPACY250FREEWAY
(MF01/03)
フュージョン1986年
Fusion
(MF02)
フォーサイト1997年
FORESIGHT
(MF04)
初代2000年
FORZA/S
(MF06)
二代目2004年
FORZA/Z
(MF08)
三代目2007年
FORZA X/Z
(MF10)
フェイズ2009年
FAZE/S
(MF11)
タイ2013年
FORZA Si
(MF12)
MF132018年
FORZA
(MF13)

DIO110(JF58)-since 2015-

JF58

「New Standard Commuter」

アジアで唯一DIO110が売れた国ともいえるベトナム(向こうではVISION110)への生産移転を機に大きく見直されるフルモデルチェンジが入ったDIO110/JF58型。

JF58のデザイン

エッジが効いた見た目に変更されているんですが、一番はホンダが開発したアイドリングストップ機能付きの新世代エンジンeSPになったこと。ローラーロッカーアームやオフセットシリンダーによってフリクションロスを徹底的に省いた超低燃費エンジンです。

JF58E

仕組みはPCXの方で話した気がするので置いておくとして、これによりパワーアップしつつクラス最高燃費(当時)となる55.6km/Lを達成。

DIO110のエンジン

ちなみにこれにはフレームも新たに設計し直し全体で3kgもの軽量化となった事も貢献しています。

つまりデザインもエンジンもフレームも新しくなってるので、ある意味では先代とは似て非なるモデルなんですね。サイドスタンドやシートオープナーまで標準装備になりましたし。そのぶん価格も少し上がりましたけどね。

DIO110SP

そんなディオ110なんですけどオーナーも自覚があると思われるので正直に言いますが人気無いですよね。

「どうせ乗るならPCXに」

という人が大半なんだろうと思います。

これは日本と同じく絶賛発売中の欧州なんかでもそうでPCXが大ヒットしている一方でディオの話は全然聞かない。

でもこれ良い面もあるんですよ・・・

イギリス版DIO110

「盗難やイタズラに強い」

という事に繋がるからです。だって人気が無いんだもの。

人目につく街などで真価を発揮する天下のホンダが造った確かな品質のコミューターでこの心配が減るって凄く大きいと思うんですよ。

DIO110ブラック

「イモビを鼻で笑える不人気という名の盗難防止機能」

という冗談半分だけど半分本当な装備を付けてる。

もちろん絶対に無いとは言い切れないけど間違いなくPCXより可能性が低いし、万が一そういう目にあっても比較的安い方だからダメージも小さい。

JF58壁紙

所有感やシグナルダッシュは確かに他の原付二種に負けるけどコミューターとして本来最も大事である

「如何に気を使わず付き合えるか」

という要素ではDIO110は完勝でしょう。

主要諸元
全長/幅/高 1870/690/1085mm
シート高 750mm
車軸距離 1255mm
車体重量 100kg(装)
燃料消費率 55.6km/L
※WMTCモード値
燃料容量 5.2L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 108cc
最高出力 9.0ps/7500rpm
最高トルク 0.95kg-m/5500rpm
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前80/90-14(40P)
後90/90-14(46P)
バッテリー GTZ6V
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
MR8C-9N
推奨オイル Honda純正ウルトラE1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
交換時0.7L
Vベルト 23100-K44-V01
車体価格 212,000円(税別)
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)