イントルーダーがブームに今ひとつ乗り切れてない事を受けて僅か二年でモデルチェンジというか追加でニューモデルを出したのがこのデスペラード400。
エンジンはイントルーダー400でボディはデスペラード800と同じでイントルーダー400より更にローロングなワイルド系。
ある意味ではスズキクルーザーとして一番知名度はあるかもしれない。
何故ならクルーザーなのに倒立フォークだから。
何でクルーザーなのに倒立フォーク・・・しかもリアもツインサスで駆動もチェーンドライブ。
まだ1980年代頃、日本メーカーがクルーザーをやり始めた頃はネイキッドベースでアップハンにしただけのような俗にいうナンチャッテアメリカンでした。
だから本物のクルーザーを知ってたり求める人達から「何も分かってない」と批判されメーカーもそれを反省。
そしてスティードやドラッグスターといったハーレーになぞる造りに変わり大ヒットしました。当然ながらイントルーダー400もその流れに沿いました。
それなのにこのデスペラード400ときたらそれらを無視して倒立フォーク。しかもチェーンドライブにツインショックにキャストホイールというクルーザーのセオリーを完全に無視したレイアウト。
走行性能の高いクルーザーとしてスズキは出したんだけど、結局ジャメリカンと揶揄されていた昔と同じ轍を踏んでしまうことに。
パフォーマンスにうるさいスポーツメーカーの血が騒いだのでしょうか・・・
ちなみにビキニカウルとアンダーカウルを付けたデスペラード400Xもありました。
さらに97年にはマイナーチェンジでクラストップの38馬力を記録しクルーザーにあるまじき速さを持つ事に。
45度Vツインでも可能な限り馬力を求めるとか流石スズキとしか言いようが無いんですが、そんなものを求めている人はあまり居ない事に気付いたのか1999年には俗にいうクラシックモデル的なワインダーが登場。外装にお金を掛けサスペンションは正立になりました。
といってもデスペラード400自体、発売から僅か4年後の2000年に国内販売は終わってたりする・・・人気は言わずもがな。海外では2002年まで売られてたんだけどね。
本当に異端なクルーザーだったんだけど何故か後にブルバードとして復活する。
ちなみにデスペラードとは「ならず者」という意味。もうちょっと何かなかったんだろうか・・・いやそれがいいのか?
主要諸元
全長/幅/高 |
2370/750/1115mm |
シート高 |
685mm |
車軸距離 |
1650mm |
車体重量 |
214kg(乾) |
燃料消費率 |
38.0km/L ※定地走行テスト値 |
燃料容量 |
13.0L |
エンジン |
水冷4サイクルSOHC二気筒 |
総排気量 |
399cc |
最高出力 |
33ps/8000rpm |
最高トルク |
3.4kg-m/6000rpm |
変速機 |
常時噛合式5速リターン |
タイヤサイズ |
前130/90-16(67H) 後150/90-15(74H) |
バッテリー |
FTX9-BS |
プラグ ※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価 |
DPR8EA-9 |
推奨オイル |
スズキ純正 エクスター |
オイル容量 ※ゲージ確認を忘れずに |
全容量2.5L 交換時1.7L フィルター2.1L |
スプロケ |
前15|後50 |
チェーン |
サイズ520|リンク118 |
車体価格 |
629,000円(税別) ※スペックはデスペラード400 |
系譜図