AddressV100/S(CE11A/13A)-since 1991-

アドレスV100

先に紹介したアドレスVチューンをベースに99ccまでボアアップしというたアドレスV100
「通勤快速」の異名を持つバイクとして有名ですね。

ベースは50のアドレスと同じだから原付二種として見るととっても軽量コンパクト。そんなボディに2st100ccのパワフルエンジンを積んでるので当然ながら速い。

値段も20万円を切る破格の安さ。まさに使い勝手に特化したお手本のような下駄車と言える。

10年売られたロングセラーバイクなんだけど、凄いのは年次改良を重ねていったにも関わらず値段はずっと据え置きだったこと。

主要諸元
全長/幅/高 1745/610/1015mm
シート高 720mm
車軸距離 1235mm
車体重量 90kg(装)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 99cc
最高出力 9.0ps/6000rpm
最高トルク 1.1kg-m/5000rpm
変速機 Vベルト
タイヤサイズ 前後3.50-10(51J)
バッテリー FTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BPR7HS
推奨オイル スズキ純正オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.8L
ベルト 27601-04C03
車体価格 199,000円(税別)
系譜図
アドレス501987年
Address50/チューン(CA1CA/B)
アドレスV501990年
Address V50/Vチューン(CA1FA)
アドレスV1001991年
Address V100/S(CE11A/CE13A)
アドレス110

1998年
Address110(CF11A)

アドレスV125/G規制前モデル2005年
Address V125/G(CF46A K5~K7)
アドレスV125規制後モデル2009年
Address V125/G(CF4EA K9~)
アドレスV125S2010年
Address V125/S/SS(CF4EA/CF4MA L0~)
2015アドレス1102015年
Address110(CE47A)
2017アドレス1252017年
Address125(DT11A)

AddressV50/Vチューン(CA1FA)-since 1990-

アドレスV50TUNE

不評だったゴツゴツ顔をやめてスタイリッシュになり車名にVが付いたアドレスV50

(厳密に言うと無印と併売された派生モデルがVの始まり)

V50といえば今でも続いてるけど初代は4stではなく2stのこのモデル。
今回はV125の系譜だからV50はちょっと省略させてもらうけど、V50はここからずっと今でも続いています。

そしてV125の系譜はこのモデルがスタートと言えると思う。
V50に一本化された後にVチューンというスポーツモデルが出たんだけど、ソッチばっかり売れるもんだから派生だったはずのVチューンのみの販売になっちゃった。

もともとアドレス50は50ccにしては車体が少し大きかった。振り返ってみるとこの50を作った87年の時点で「50の車体に100を積む」という荒業を考えていたんだね。

主要諸元
全長/幅/高 1730/635/1000mm
シート高
車軸距離 1205mm
車体重量 73kg(装)
燃料消費率
燃料容量 4.8L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 7.2ps/7000rpm
最高トルク 0.75kg-m/6500rpm
変速機 Vベルト
タイヤサイズ 前80/90-10
後90/90-10
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BPR5HS
推奨オイル スズキ純正オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量0.7L
ベルト 27601-25E00
車体価格 156,000円(税別)
※スペックはVチューン
系譜図
アドレス501987年
Address50/チューン(CA1CA/B)
アドレスV501990年
Address V50/Vチューン(CA1FA)
アドレスV1001991年
Address V100/S(CE11A/CE13A)
アドレス110

1998年
Address110(CF11A)

アドレスV125/G規制前モデル2005年
Address V125/G(CF46A K5~K7)
アドレスV125規制後モデル2009年
Address V125/G(CF4EA K9~)
アドレスV125S2010年
Address V125/S/SS(CF4EA/CF4MA L0~)
2015アドレス1102015年
Address110(CE47A)
2017アドレス1252017年
Address125(DT11A)

EX-4(EX400B) -since 1994-

EX400B

「Shake the City」

実質的にGPZ400Sの後継モデルとなるEX-4/EX400B型。海外ではNinjaという名前が与えられていましたが国内モデルにはつかず。

変更点としては

・カウルデザインの変更

・アンダーカウルの装着

・ホイールを17インチ化

・キャスター角の変更

などなどで、ロードスポーツという立ち位置は変わらず。

EX-4とXELVIS

よくホンダのゼルビスと間違われたりするモデルですが、EX-4の場合ツアラーとしてはZZR400があったしスーパースポーツとしてはZXR400があった。

ソコソコ好評だった海外向け500はまだしも、なんでわざわざ国内400に合わせての出したのかって話ですがRiders Club239によると、スポーツモデルにあたるZX-4~ZXR400が尖りすぎてGPZ400Sのコンセプトから大きく離れてしまったのが理由との事。

EX-4

街乗りからサーキットまでオールマイティに使える正にスポーツと呼べるGPZ400Sで形にしたコンセプトこそが正しいという考えがあったわけですね。

実際このEX-4は突出したものは持っていなかったものの、下から上までストレスなくパワーが出る絶妙なスポーツモデルとしてオーナーからの評価は良かった。

EX-4カタログ写真

1998年に生産終了となった後にジワジワと再評価され、人気が高くなったのが何よりの証拠かと。

主要諸元
全長/幅/高 2085/710/1165mm
シート高 775mm
車軸距離 1435mm
車体重量 177kg(乾)
燃料消費率 39.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 50ps/10,500rpm
最高トルク 3.6kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後130/70-17(62H)
バッテリー YB14L-A2
プラグ DR8EA
または
X27ESR-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後42
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 499,000円(税別)
系譜図
GPZ400S1986年
GPZ400S
(EX400A)
EN4001985年
EN400-TWIN
(EN400A/B/C)
KLE4001991年
KLE400
(LE400A)
EX-41994年
EX-4
(EX400B)
R2010年
Ninja400R
(EX400C/D)
ER-4n
(ER400B/C)
2014年
Ninja400
(EX400E/F)
2018ニンジャ4002018年
Ninja400
(EX400G)

KLE400(LE400A)-since 1991-

LE400A

「TRANS-NATURE」

ドギツいカラーリングが話題となったKLE400。最初に紹介したGPZ400Sのトレールモデル。

二年後に登場する250のアネーロの兄貴分なんですが、こちらのモデルには”アネーロ”というペットネームは与えられず。

KLE400

トレールボディにビュンビュン系パラツイン、多少の悪路ならビクともしない万能快速ツアラー。

正に2010年代後半から流行りだしたマルチパーパスの典型だったんですが、当時はまだまだドマイナーなジャンルで振り向いてくれる人は少く・・・辛抱強く2006年まで生産したんですが。

KLE400カタログ写真

あともう少しで春が来たかもしれなかった。

主要諸元
全長/幅/高 2210/870/1215mm
シート高 850mm
車軸距離 1505mm
車体重量 185kg(乾)
燃料消費率 36.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 398cc
最高出力 42ps/9000rpm
最高トルク 3.4kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前90/90-21(54S)
後130/80-17(65S)
バッテリー YTX12-BS
プラグ DR8A
または
X24ESR-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量 全容量3.4L
交換時2.8L
フィルター交換時3.0L
スプロケ 前16|後44
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 509,000円(税別)
系譜図
GPZ400S1986年
GPZ400S
(EX400A)
EN4001985年
EN400-TWIN
(EN400A/B/C)
KLE4001991年
KLE400
(LE400A)
EX-41994年
EX-4
(EX400B)
R2010年
Ninja400R
(EX400C/D)
ER-4n
(ER400B/C)
2014年
Ninja400
(EX400E/F)
2018ニンジャ4002018年
Ninja400
(EX400G)

KSR-1/2(MX050B/80B)-since 1990-

KSR-2

AR、KSと苦汁をのまされたカワサキが打倒TDR50/80を掲げたかは定かじゃないけど本気で作り込んできたミニモタードのKSR-Ⅰ/Ⅱ

先代までのネガだった空冷エンジンを水冷化しTDR同様に低速寄りにリセッティング。そして原付なのに倒立サスや前後ディスクなど足回りの強化。

これが大ヒットとなり10年近くモデルチェンジすることなく売れ続けた。しかし残念ながら規制強化により2000年に生産終了。
翌年には後継がデビューするんだけど2stと4stという事で方向性が変わったので今でも2stのKSR-1/2は人気が高く値が落ちない。

KSRワンメイクレース

あとこれは余談だけど実はポンキッキーズのガチャピンがKSR80のワンメイクレースに出たりした。

更に言うとKSR-1はカワサキにとって今のところ最後の50ccバイクとなっている。

主要諸元
全長/幅/高 1660/720/960mm
シート高 715mm
車軸距離 1140mm
車体重量 77kg(乾)
燃料消費率 71.0km/L
[63.0km/L]
※定地走行テスト
燃料容量 8.0L
エンジン 水冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[79cc]
最高出力 7.2ps/8000rpm
[10.0ps/8000rpm]
最高トルク 0.65kg-m/7000rpm
[0.95kg-m/7000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前後100/90-12(48J)
バッテリー YB2.5L-C-4
プラグ BR8ES
[BPR8ES]
推奨オイル カワサキ純正2サイクルオイル
オイル容量 全容量1.0L
スプロケ 前13|後49
[前15|後40]
チェーン サイズ420|リンク112
[サイズ420|リンク108]
車体価格 233,000円(税別)
[248,000円(税別)]
※[]内はKS-II
系譜図
90SS/S1968年
90S/SS
(G8)
KH901977年
KH90
(KH90C)
AR50-801981年
AR50/80
(AR50/AR80)
KS-1/21987年
KS-1/2
(MX50A/80A)
KSR-1/21990年
KSR-1/2
(MX50B/80B)
KSR110国内モデル2002年
KSR110
(KL110A)
KSR110後期モデル2012年
KSR110
(KL110D)
KSR110プロ2014年
KSR PRO
(KL110E)
2016年
Z125/PRO
(BR125H)

VTR1000F(SC36前期)-since 1997-

SC36

「BIG V-TWIN SPORT」

プロトタイプの紆余曲折があって遂に形になったVTR1000F/SC36型。

長く掛けすぎたせいで実は発売時に一つアクシデントが発生します。それはこのVTR1000Fが出る数ヶ月前にスズキからTL1000Sというモロ被りバイクが登場した事。

これはホンダも寝耳に水だったらしく、慌ててプレスリリース日を(TL1000Rの約二ヶ月後に)一ヶ月ほど早めた経緯があったりします。

ちなみに下の写真のモデルは北米向けのSUPERHAWK996。

スーパーホーク996

まあそれよりVTR1000の話ですが、VTR1000というとどうしても話題になるのは後述するSPモデルの方ですが、個人的にはこのFモデルこそVTR1000だと思っています。

VTR1000Fの特徴といえばアルミピボットレスフレームとサイドラジエーター。

ピボットレスっていうのはスイングアームをフレームに繋ぐのではなくエンジンに直接つける手法。

VTR1000以外にもCBR954RRやVFRに使われた技術でしなやかさを生むわけですが、VTR1000Fの場合はホイールベースを縮めるという狙いが強くあります。

これについては・・・少しVツインについて説明。

90度Vツイン

まずVTR1000FのVツインエンジンは挟み角が理想とされる90°なわけです。

90°にすれば互いが互いの運動の振動を打ち消し合って振動を0にできる。

振動が0なら振動を打ち消すバランサーが要らない。そしてバランサーが要らないという事はエンジンを軽く出来るし、馬力を稼げる。

ピストン

更にVツインは直列型と違いシリンダーを横に並べずに済むのでとってもスリムに出来る。

つまり90度Vツインはまさにバイクにうってつけの理想的なエンジン・・・と思いきや実は問題もあります。

挟み角

90度っていうのはつまり直角。

直角になるとそれだけエンジンの全長が長くなってしまう。

エンジンの全長が長くなればそれだけバイクの全長、ホイールベースも比例して長くなって(鈍重になって)しまう。

VTR1000Fのディメンション

それをなんとかするためのピボットレスフレームというわけ。

ただしVツインにはもう一つ問題がある。

それは前輪に干渉しないよう後ろの方に積む必要があること。

エンジンという重要物を後ろに持っていくと、前後の荷重分布が後輪寄りになってしまいハンドリングの安定性が確保できないという問題が出る。

エンジンを前に持っていくには・・・前にある物をどかせばいい。前にあるものそれはラジエーター。

デュアルサイドラジエーター

量販車初となるサイドラジエーターを採用した狙いはソコにある。

VTR1000FというバイクはVツインのデメリットをピボットレスフレームとサイドラジエーターで解消したバイク。

「創意工夫でなんとかする」

というホンダの信念を体現しているバイクなんです。

しかしラジエーターが横向きで本当に冷えるのか疑問に思う人もいるでしょう。

VTR1000透視図

実際のところVTR1000Fを始めとしたサイドラジエーター式は冷却性能があまりよろしくないです。

二個もラジエーターを付けたのもその為ですし、カウルで覆っているのも単に保護するためだけでなく気圧差や整流効果を出すため。

ちゃんと意味あるんですよこのカウル。

主要諸元
全長/幅/高 2050/710/1155mm
シート高 810mm
車軸距離 1430mm
車体重量 215kg(装)
燃料消費率 22.1km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 995cc
最高出力 93ps/8500rpm
[110ps/9000rpm]
最高トルク 8.7kg-m/7000rpm
[9.9kg-m/8500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17
後180/55-17
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EVX9
[DPR9EVX9]
推奨オイル ウルトラG2/G3(10W-40)
オイル容量 全容量4.5L
交換時3.7L
フィルター交換時3.9L
スプロケ 前16|後41
チェーン サイズ525|リンク102
車体価格 870,000円(税別)
※[]内はUS仕様
系譜図
VTR1000F前期1986年
VTR1000F
Prototype
VTR1000F前期1997年
VTR1000F
(SC36前期)
VTR1000F後期2001年
VTR1000F
(SC36後期)

VTR1000SP-12000年
VTR1000SP-1
(SC45前期)
VTR1000SP-22003年
VTR1000SP-2
(SC45後期)

VTR(BA-MC33前期) -since 1997-

MC33

「自由の価値。」

実質的にSPADAの後継となるV-Twin RoadsportsのVTR/MC33型。細かいですが『VTR』と言えばこの250ccモデル。

鳴かず飛ばずのゼルビスの反省を活かし小柄で軽量な車体。

初代VTR

これは

「常用域における良好な使い勝手と、気負わず走る楽しさ」

という事で40~60kmを重点に置いたから。

だから軽くスリムだから街中もスイスイ行ける取り回しの良さ。加えて低速からパワーのあるVツインだから街乗りでこのバイクの右に出る250は無いんじゃないかと。

VTR分布図VTRが出た頃というのはまだ250ccも直四が存続していました。

ただホンダ含め各社ともこぞって四気筒出すもんだから、四気筒が当たり前になり物珍しさやありがたみも無かった。そしてそんな蔓延していた四気筒特有の車重というか取り回しの重さにウンザリしている人たちも居た。

そんな中でVツインというボリュームで負けてしまう要素を逆手に取った250が出たんだから直四に飽きた人たちから歓迎された。

VTRカタログ写真

ボリューム負けを逆手に取っている事がよく現れているのが外見。

『パーツレスデザイン』

といって”一部品一機能”ではなく”一部品多機能”という削ぎ落とす事を第一としたコンセプト。

これのおかげでVTRはVTシリーズ最軽量となる乾燥重量139kgを達成し、大人気とまではいかなかったけど一定の人気を獲得する事になりました。

主要諸元
全長/幅/高 2040/720/1050mm
シート高 780mm
車軸距離 1410mm
車体重量 153kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 32ps/10500rpm
最高トルク 2.4kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/70-17(54H)
後140/70-17(66H)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH9(標準)/CR9EH9
または
U24FER9(標準)/U27FER9
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後41
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 429,000円(税別)
系譜図
VT250F1982年
VT250F
(MC08前期)
MC08後期1984年
VT250F/Z
(MC08後期)
MC151986年
VT250F/Z
(MC15)
MC201988年
VT250SPADA
(MC20)
MC251991年
XELVIS
(MC25)
BA-MC33前期1997年
VTR
(BA-MC33前期)
BA-MC33後期2002年
VTR
(BA-MC33後期)
JBK-MC33前期2009年
VTR
(JBK-MC33前期)
JBK-MC33後期2013年
VTR
(JBK-MC33後期)

XELVIS(MC25) -since 1991-

ゼルビス

「遊びに新しいレギュラー」

出る時代を間違えたVT二号のXELVIS/MC25型。

X=Extra(最高の)

EL=Elate(元気づける)

VIS=Visior(友)

から

『XELVIS:心を揺さぶる最高の友人』

と名付けられました。

スーパースポーツのVT250Fがダメで、ストリートスポーツのSPADAもダメだった・・・じゃあもうツアラーしか道はない。

XELVIS

となったのかは分かりませんが、ロングホイールベースの大型ボディにハーフカウル。

更に二人乗りも余裕な優しいポジションに、SPADAから給排気を絞って中低速に厚みを持たせツアラー色が強いモデルに。

ただ当時はレーサーレプリカかジャパニーズネイキッドしか受け付けてくれない流れだったから鳴かず飛ばず。

MC25

最近になってちょっと人気が出てきたのは時代に流されてしまった

「何の気兼ねも遠慮も要らない腐れ縁のような友」

というコンセプトが理解される様になったからでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2095/720/1160mm
シート高 770mm
車軸距離 1430mm
車体重量 172kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 249cc
最高出力 36ps/11500rpm
最高トルク 2.6kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80-17(57S)
後130/80-17(65S)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル ウルトラG1(10W-30)
オイル容量 全容量2.5L
交換時1.8L
フィルター交換時2.0L
スプロケ 前14|後43
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 489,000円(税別)
系譜図
VT250F1982年
VT250F
(MC08前期)
MC08後期1984年
VT250F/Z
(MC08後期)
MC151986年
VT250F/Z
(MC15)
MC201988年
VT250SPADA
(MC20)
MC251991年
XELVIS
(MC25)
BA-MC33前期1997年
VTR
(BA-MC33前期)
BA-MC33後期2002年
VTR
(BA-MC33後期)
JBK-MC33前期2009年
VTR
(JBK-MC33前期)
JBK-MC33後期2013年
VTR
(JBK-MC33後期)

RVF(NC35) -since 1994-

NC35

「美しい、フォース。」

ミドルV4の最後を飾るRVF/NC35型。

エンジンこそ先代VFR400R(NC30)をベースにしているものの、ファクトリーレーサーであるRVFの名を冠するだけあり倒立フォークやそれに合わせた新設計フレーム、そして前後17インチ化によるハンドリングの向上など余念のない改良が施されています。

カタログ写真

ヘッドライトもそれまでの丸目からツインフォーカスヘッドライトに変更。

先代NC30が兄貴分のRC30のレプリカだったのに対し、NC35とRC45は共同開発(RVF DIRECT BROTHER)だったからそこまで似せなくてもいいという判断だったんでしょうね。アッチはRC30をそのまま大きくしたような丸目二眼です。

RVFレプリカの流れ

他にもブレーキやら何やら書ききれないほどの変更が入っていますが、それよりも書くべきことがあります。

このRVF/NC35はワークス直系でヘッドライトが暗いことを除けば文句なしのV4レーサーレプリカで78万円(当時)でした。これは決して高すぎる値段とは言えないどころか兄貴分のRVF750/RC45が200万円という事を考えれば破格の値段・・・でも売れなかった。

RVFジャケット写真

これが出た1994年にはレーサーレプリカブームがとっくに去っていたから。53馬力という自主規制もそれに拍車をかけたのもあると思います。

そしてTT-F3という400レプリカ競争を加熱させた400レースも人気低迷から91年に廃止。つまり世界選手権を睨んで作られたRVF750/RC45と違ってこのNC35は出れるレースが既に無かった状況だったんです。

RVFレプリカ

レースでも市場でも需要のないバイクを一体どういう意図でホンダが出したのか正確な回答はありませんが、恐らくTT-F3で培ったレース技術の市販車へのフィードバックというNR750から続くV4のコンセプトを忠実に遂行したんだと思われます。

そしてコレが最後のミドルV4レーサーになることも分かっていたから”RVF”というワークスの冠も付けたんじゃないかと。

RVF NC35

「RVF、この名がすべてだ。」

もう誰も見ていなかった4st400ccレーサーレプリカという舞台において、最後のウイニング・ランを飾ったのは間違いなくこのRVF/NC35。

主要諸元
全長/幅/高 1985/685/1065mm
シート高 765mm
車軸距離 1335mm
車体重量 183kg(装)
燃料消費率 30.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 399cc
最高出力 53ps/12500rpm
最高トルク 3.7kgf-m/10000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60-17(55H)
後150/60-17(66H)
バッテリー FTX7A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
ER9EH/ER10EH
または
Y27FER/Y31FER
推奨オイル ウルトラU(SAE10W-30)
または
ウルトラGP(SAE20W-50)
オイル容量 全容量3.0L
交換時2.4L
フィルター交換時2.5L
スプロケ 前15|後38
チェーン サイズ525|リンク102
車体価格 780,000円(税別)
系譜図
NC131982年
VF400F/INTEGRA
(NC13)
NC211986年
VFR400R/Z
(NC21)
NC241987年
VFR400R
(NC24)
NC301989年
VFR400R
(NC30)
RVF4001994年
RVF
(NC35)

VFR(RC46前期) -since 1998-

VFR/RC46前期

「NEW BORN V4」

VFRという簡素な名前になったこれまた白バイ(RC49)でお馴染みRC46の前期モデル。これも今はもうCB1300にほとんど置き換えられちゃったけどね。

日本での販売が見送られた先代RC36がベースと言われているけど、サイドカムギアトレインやPGM-FIなどエンジンはRVF/RC45の作りを強く反映してる。

RC46透視図

排気量を781ccにまで上げ低速を厚くし、ピボットレス(スイングアームをエンジンに直付け)にしている点を見ても、公道仕様RVFという感じですね。

ただホンダも国内市場は諦めていたのか、売れなかったというより売る気がなかったというか・・・年間販売台数も500台前後とかなり少なかった。

白バイVFR

そのかわり白バイとして大量に卸されました。詳細な数字は公表されてないけど全国だから相当な数に及んだと思う。

当たり前だけどV4というのはコストが掛かるから尚のこと台数を出さないと高くなる。しかし次世代SSという当てが外れ、国内市場で人気が出なかったから官公市場という事だったんでしょう。

VFRカタログ写真

ちなみにこれは香港の白バイ。白バイ仕様ですら台数稼ぐために他の国でも売ったりしてた。

でもですね・・・このVFRは長く白バイに使われたわけですが、白バイ隊員からの評価が非常に高かった事で有名。

全国の腕に自信のある白バイ隊員達がテクニックを競い合う安全運転競技大会でも圧倒的にこのVFR率が高かった。何でかっていうと良く出来てるから。

具体的に言うと理由の一つに”寝かし込みや取り回しが軽くクイック”という事がありますが、これこそV4の武器なんです。

RC46前期エンジン

V4というのは簡単に言うと二気筒エンジンを90度傾けて繋げた様な形をしてる。つまり左右の幅が並列四気筒の半分になる。

こうすると何がメリットになるのかというとクランクの長さを抑えられる事からジャイロ効果が弱くなるんです。

ジャイロ効果というのは何処かでも書きましたが、コマが回り続ける限り倒れないアレの事。バイクで言うと水平なので起きようとする効果があります。アクセル開けると車体が起きようとしますよね。

それくらいのことかと思われるかもしれませんが、このクランクのジャイロはレース界などでは”第三の車輪”と言われるほどとても重要な要素。だからレースエンジンのクランクは同じジャイロ効果を発生させているタイヤと逆の回転をさせ馬力を犠牲にしてでもジャイロ効果を相殺させたりしています。

白バイ

このジャイロ効果は重ければ重いほど、長ければ長いほど効果が強まる。つまりクランクシャフトが一般的な並列四気筒よりも短いV4は起きようとする(寝ようとしない)効果が弱い。だから切り返しや寝かし込みがスムーズ。

もちろん他にも車体全体の幅を抑えられる事や、振動が少ない事などもありますが、それらもV4だから成せる事。

つまり白バイ隊員がVFRを好んだのはV4だからという理由が大きいんです。

RC46カタログ

自分のバイクでも、欲しいバイクでも、セールストークでもない、仕事道具として高い評価を獲得したバイク。

この事実以上にVFRを称えられる言葉はないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2095/735/1190mm
シート高 805mm
車軸距離 1440mm
車体重量 233kg(装)
燃料消費率 27.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 781cc
最高出力 80ps/9500rpm
[109ps/10500rpm]
最高トルク 6.9kg-m/7000rpm
[8.1kg-m/8750rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー YTZ12S
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
推奨オイル ホンダ純正ウルトラG1
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.8L
交換時2.9L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ525|リンク108
[サイズ530|リンク108]
車体価格 980,000円(税別)
※[]内は海外仕様
系譜図
VF750S/M1982年
VF750
SABRE/MAGNA
(RC07/RC09)
VF750F1982年
VF750F
(RC15)
VF1000R1984年
VF1000F/R
(SC16)
750F1986年
VFR750F
(RC24)
750R1987年
VFR750R
(RC30)
RC361990年
VFR750F
(RC36)
RVF1994年
RVF
(RC45)
前期1998年
VFR
(RC46前期)
8002002年
VFR
(RC46後期)
1200F2010年
VFR1200F
(SC63)
1200X2012年
VFR1200X
(SC70)
800F2014年
VFR800F/X
(RC79/RC80)