SV400/S(VK53A)-since 1998-

SV400S

「新たな躍動をはじめたスポーツの感性。」

TL1000Sの流れを組んだ400版としてデビューしたSV400とハーフカウルを装着したSV400S。厳密に言うと丸目ネイキッドモデルは後からで最初はSのみ。

色々と言われるTL1000Sの兄弟という事で身構えてしまいそうですが、優等生ではないにしろ良く出来た末っ子でした。

SV400アルミトラスフレーム

最大の特徴は400ccとしては初となる楕円断面アルミトラスフレームを採用したという事。

おまけにスイングアームまでアルミという400とは思えない贅沢な骨格を持っています。これは翌年から発売される欧州向け車両SV650と共有化するから可能だった。

SV400/SV400S

アルミトラスフレームってサラッと言いましたが、一般的にトラスフレームというのは剛性値(重量に対する剛性)を高く出来る優れたフレームなんだけど、汎用性が乏しい事と溶接箇所が増える事から大量生産には向いてない。

日本メーカーがあまりトラスフレームを作らないのはこういった理由があるからなんですが、日本におけるSV400も欧州におけるSV650も知っての通り高級車というよりは大衆車。そんな車種なのにトラスフレームでしかもアルミというのは実はとても凄い事で、それがあったからこそSV400は乾燥重量159kgという驚異的な軽さを持てたわけです。

もう一役買ってるのが合理的な90°バンクのVツインエンジン。エンジンについてはいい加減しつこいので>>二気筒が七変化した理由を参照。

SV400

これも兄貴分であるSV650と共有のエンジンなものの、ただスケールダウンしただけではなくボアよりもストロークを大きく短くしてる。

そしてコレが結構やり過ぎで、ボア(内径72mm)×ストローク(行程49mm)という400ccの二気筒としてはかなり極端な比率。一昔前の二気筒スポーツを鼻で笑えるくらいのビッグボア。

この事からSV400は”4.2kg-m/8000rpm”という4st400ccでは最大となるトルクを叩き出すバイクに。

スズキSV400

「公道最速400はSV400」

と一部で言われてるのは別に贔屓目ではなくこういう根拠があってのこと。

SV400とSV400S

それなのに知名度が低いのは不人気だったから・・・ただこれはSV400が不人気だったというよりVツインが不人気と言ったほうが正しいかと。日本はどちらかというと等間隔燃焼の直四が好まれる傾向が強いから。

最初に言ったトラスフレームをあまり作ってこなかった事から来るトラスフレームに対する認知が弱かった事もあるでしょうね。

SV400カタログ写真

見た目も含めて日本人には未知の生物だったわけですね。

逆にツインやトラスフレームの文化が根付いていた(好まれる)欧州においてはSV650が大ヒットしたんですよ。向こうでスズキといえばSVと言われるくらいの大出世を遂げています。

SV400後期

だから650はモデルチェンジされ後継まで出てるんだけど、SV400は2002年にダブルディスクブレーキにマイナーチェンジされたのを最後に2007年の排ガス規制をもって生産終了となりました。

SV400/Sはお世辞にも売れたと言えないし乗ってる人も少ないんだけど、今でも惚れ込んで乗り続けるオーナーがいるのも事実。

その理由は”最速400ccだから”という理由ではないでしょう。

SV400壁紙

SV400はエンジンとフレームが素晴らしいという長所がある一方で、ヘッドライトが暗い、始動性が悪い、といった分かりやすい短所もあります。

何不自由なく乗りっぱなしに出来る400というよりかは少し手が掛かる400。

SV400ポスター

これの何処が魅力なのかというとアメリカのコンシューマリポート結果でも出ていましたが、人間不思議なもので手のかかる物ほど愛着が湧くんです。

つまりSV400が多くの人に好まれなかった反面、一部の人に強く好まれているのは、ただ速いだけではなくこういった少し抜けてるドジッ子のような”惜しさ”があったから。

主要諸元
全長/幅/高 2070/750/1060mm
[2040/740/1130mm]
シート高 785mm
車軸距離 1430mm
[1415mm]
車体重量 163kg(乾)
[167kg(乾)]
燃料消費率 37.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 399cc
最高出力 53ps/10500rpm
最高トルク 4.2kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17(55W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
または
U24ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.3L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 559,000円(税別)
[656,000円(税別)]
※[]内はSモデル
系譜図
SV400/S 1998年
SV400/S(VK53A)
2009年
GLADIUS400(VK58A)

SV650/S(VP52A)-since 1999-

SV650S

「V-Twin Sportbike Technology, Engineering for Fun」

先に登場していたSV400の一年遅れで登場したSV650/S。

これは排気量を見てもらうとわかる通り欧州に向けて作られたバイク。とはいうものの国内仕様も販売されてました。(すぐカタログ落ちしちゃったけど)

まあ650ccというのは日本にとって微妙な排気量だし、当時はまだTL1000が居たからから仕方ないんですけどね。

SV650

では肝心の欧州で評価はどうだったのかといえば出た当初は笑いもの扱いでした。

なぜなら当時、欧州ではスーパースポーツしか作ってこなかったドゥカティが作ったネイキッドであるモンスターが大ヒットしていたから。

M900

フラッグシップモデル851のフレームに900SSの空冷2バルブエンジンを積んだネイキッド。

今でこそ見慣れてるけど、当時としてはアベコベな異端車。でもこれがウケてドゥカティ史上もっとも成功したバイクと言われるまでの大ヒットしたわけです。

だからSV650やTL1000Sが出たときは欧州はMONSTER一色、モンスターかモンスター以外だったから

SV650S

「スズキが出したプアマンズモンスター」

と馬鹿にされました・・・ところが、ところがです。

あまりにも優しい乗り味、そしてキレるハンドリングに評論家たちが舌を巻き絶賛。

初代SV650フレームエンジン

更には乾燥重量165kgという驚異的な軽さとスリムさで取り回しに長ける車体、低回転域から不足なく出る一方、上で弾ける70馬力のVツインエンジン。

街乗りにおいてSV650の右に出るバイクは居ないと言わしめるほど。

初代SV650

そして止めは米ドルで4999という破格の安さ。

SV650は瞬く間にに欧州においてスズキを代表する大ヒット車に。

SV650のカタログ写真

どれくらい凄かったかというと、2001年の欧州において堂々の販売台数トップ(24,738台)を獲得するほどです。

主要諸元
全長/幅/高 2070/750/1060mm
[2040/740/1130mm]
シート高 785mm
車軸距離 1430mm
[1420mm]
車体重量 165kg(乾)
[169kg(乾)]
燃料消費率 35.5km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 16.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC2気筒
総排気量 645cc
最高出力 70ps/8500rpm
最高トルク 6.3kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/60ZR17(55W)
後160/60ZR17(69W)
バッテリー YT12A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
または
U24ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.7L
交換時2.3L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 659,000円(税別)
[699,000円(税別)]
※[]内はSモデル
系譜図
SV650前期 1999年
SV650/S(VP52A前期)
SV650後期 2003年
SV650/S(VP52A後期)
グラディウス 2009年
SFV650GLADIUS(VP55A)
2016SV650 2016年
SV650(VP55B)
SV650X 2017年
SV650X(C733A)

TEMPTER(NK43A)-since 1997-

テンプター

「大人のスタンダード」

1997年に登場したテンプター/NK43A型。Savageが”獰猛なやつ”という意味だったのに対しこちらは

「Tempt(誘惑)+er(する人)=TEMPTER(誘惑する人)」

という意味。

ちなみにこれは通称名という一種のあだ名みたいなもので正式な機種名はST400Vといいます・・・そう、クラシックな見た目からも分かる通りST250のお兄さん的な立ち位置で登場したバイクなんですね。

ST400V

特徴としてはサベージと同じエンジンを王道のようなセミダブルクレードルフレームに搭載する形で他にも

・アルミバフ仕上げの二連メーター
・バフ仕上げのシリンダーヘッドカバーキャップ
・懐かしい円筒クロムメッキウィンカー
・スリムさを重視したタンクとシート
・パイプ状のグラブバー
・デュアルツーリーディングブレーキ
・アルミH型リムスポークホイール

などなどちょっとした細かい部品にクラシカルというかイギリス臭プンプンな拘りを散りばめたような形になっています。

テンプターの細部

そんな中でも面白いのが足回りブレーキで、このテンプターは相変わらず聳え立ってるエンジンも目立つんだけどこれが一番の特徴。

『機械式デュアルツーリーディングドラムブレーキ』

を採用しているんです。

テンプターブラックスタイル

デュアルツーリーディングっていうのは簡単に言うとトラックなどに多い強力なドラムブレーキのことで、例えるならWディスクブレーキならぬWドラムブレーキみたいな感じ。

ツーリーディングドラムブレーキ

なんでこれが特徴かと言うとこのブレーキシステムが使われていたのは遥か昔、まだディスクブレーキが普及してない頃に制動力をなんとかするために使われていたドラムブレーキだから。

ただしこれ正に二重苦で調整が非常に難しく、フィーリングも簡単にカックンブレーキになるからディスクブレーキの普及で廃れました。スズキが採用していたのも1972年の水牛ことGT750まで。

それをわざわざH型アルミリムと共に復刻させたんですね。当然ながらこの時代にこんなドラムブレーキが付いていたのはこのテンプターだけ。

デュアルツーリーディングブレーキ

なんで今更そんな大昔のホイール周りを復活させたのかというと

・当時ドラムブレーキによるレトロ化が流行っていた

・1950年代のイギリス車がこういうスタイルだった

という事からでしょう。

そんな昔風を通り越して本当に昔にするという加減を知らずのテンプターだったんですが、残念な事に2000年をもってモデルチェンジされることなくカタログ落ちとなりました。

スズキテンプター

理由はハッキリ言ってしまうとSR400の壁が厚すぎたから。

これなんとも因果な話で、前のページで話した通りサベージは主に北米などでエントリーであると同時にカスタムベースとしても人気が出てカスタムビルダーも参加した。

これによってカスタマイズ性の豊富さというアドバンテージ、言い換えるなら

「買った後も楽しめる付加価値であり参入障壁」

があったからロングセラーになった。

テンプター カタログ

一方でテンプターもサベージと同じように美しくもシンプルな形でカスタムにも持ってこいのポテンシャルは持っていた。

しかしそのポテンシャルを既に持っているライバルが居たことで、育ててくれる時間も環境も人も与えられなかったから短命に終わってしまったという話。

一番最初に市場に出ることで多大な利益を得る『先行者利益』という要素は親しい2つのモデルの評価をこれほどまでに変えてしまう力を持っているんですね。

しかもテンプターの場合さらに可哀想なことに上で紹介した通りホイール周りが完璧だった事からそれだけ取られて重宝されるという仕打ちまでうけました。

テンプター400カタログ写真

しかしそんなテンプターも最近はカスタムブームが落ち着いてきてレトロもパッケージングが求められる時代なったためか、当時が嘘のように再評価され中古が値上がりしているっていう。

もう少し早く出すか遅く出すかしていたらまた違った結果になっていたのではなかろうかと思うんですが、まあそれでこそのスズキとも言えるわけで。

主要諸元
全長/幅/高 2110/730/1040mm
シート高 780mm
車軸距離 1430mm
車体重量 159kg(乾)
燃料消費率 43.5km/L
※60km/hテスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 空冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 396cc
最高出力 27.0ps/7000rpm
最高トルク 3.0kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前100/90-18(56S)
後130/80-17(65S)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L
交換時1.8L
フィルター交換時2.4L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 469,000円(税別)
系譜図
サベージ 1986年
LS650/400
SAVAGE
(NP41A/NK41A)
テンプター 1997年
TEMPTER
(NK43A)

スカイウェイブ250 type1/2(CJ41A/CJ42A) -since 1998-

CJ41A

スカブの愛称で親しまれてるスカイウェイブの初代モデルに当たるCJ41A。

初代マジェスティにより端を発した第一次ビッグスクーターブームでホンダフォーサイトに続きデビュー。これで今も続く三社の三つ巴状態に突入。

スカブはホンダやヤマハといった規模の大きいところに対して遅れて登場したにも関わらず負けず劣らずなヒットを飛ばしました。

これは

「もう少し走行性能が良ければ完璧なんだけど」

っていうユーザーの声を見事に突いたから。

スズキはこのスカブの為だけにエンジンを新造。クラス唯一の4バルブエンジンでクラストップの23馬力をマークしてる。タイヤもライバルメーカーより大きい13インチ。スクーターでも走行性能にこだわる所がスズキらしいね。

もちろんA3アタッシュケースが収納可能な大型他トランク、いたずら防止のシャッター付きメインキー、足つき向上のためのフロアボードなどなど。装備や収納性といったビッグスクーターにおける大事な要素もキッチリ抑えててライバルをよく研究した作りをしてる。

1998スカブ

最初に発売されたのがtype1で、一ヶ月遅れでタンデムバックレスト、パーキングブレーキ、メッキミラーを標準装備したtype2が発売。

細かい変更点をいうと翌99年には排ガス規制への対応でスロットルポジションセンサーの追加とバッテリーが8Ahに容量アップ。一応これがCJ41A後期になるのかな。

エプシロン250

次のCJ42A型はシートの見直しでメットインスペースの拡大と足付き改善、パーキングブレーキの改良、コンビネーションランプなどの熟成を図ったモデル。

そして写真を見てもらうと分かる通りこのモデルからカワサキへのOEM(カワサキ名エプシロン250)が始まりました。

スズキからはこのスカブ250とアヴェニス125とDR-Z125が出され、カワサキからはバリオス2とD-TRACKER、KX65が出されることに。

OEM

なんでそんなことをする必要があるのか分からない人に簡単に説明すると、需要があるからといって新しく作るより他所から引っ張って来たほうが安上がりな上にリスクも無いからですね。更に工業製品というのは大量に作れば大量に作るほどコストが下がるので出す側にもメリットがあるわけです。スズキなんかは車の方でも積極的にOEM供給やってるので有名かな。

epsilon150

まさにWin-Winのような話ですが勿論デメリットもあります。(写真はエプシロン150)

まず否が応でもシェアが下がります。更に問題なのは販売店の方でスズキワールドやカワサキプラザなどのメーカー専門店などからしてみると敵に塩を送る様なものなので歓迎されません。他にもブランド力の低下にも繋がりますね。

話をスカブに戻しましょう。

最後にスズキがこの初代スカブでやったちょっと面白い遊び心をご紹介。その遊び心はシート下にあります。

シート下

シート下にキャブレターのスペースを確保するために少し盛り上がってる部分があるんですが、ただ盛り上げるだけでなく耳や鼻を付けてカエルやクマのマークにあしらうという遊びっぷり。

こういう遊び心いいですよね。

主要諸元
全長/幅/高 2260/765/1365mm
シート高 695mm
車軸距離 1590mm
車体重量 162kg(乾)
燃料消費率 39.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 23ps/7000rpm
最高トルク 2.5kg-m/6000rpm
変速機 Vベルト
タイヤサイズ 前110/90-13(55P)
後130/70-13(57P)
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.3L
交換時1.9L
フィルター交換時2.0L
Vベルト 27601-14F11
車体価格 549,000円(税別)
※スペックは00以降モデル(CJ42A)
系譜図
初代1998年
SKYWAVE type1/2(CJ41A/CJ42A)
二代目2002年
SKYWAVE/SS(CJ43A)
三代目2006年
SKYWAVE S/LTD/M(CJ44A/CJ45A)
ジェンマ2008年
gemma(CJ47A)
四代2008年
SKYWAVE S/SS/LTD/M(CJ46A/CJ45A)

マローダ(NJ48A) -since 1998-

GZ250

クルーザーのGN250Eがボルティーへ進化したかと思ったらまた出してきたクルーザーのマローダー250。

もちろんエンジンもフレームも足廻りもボルティーそしてGN250Eとほぼ同じもの。実質的にGN250Eの後継でスズキとしては久しぶりに復活した250クルーザー。

最安のクルーザー(389,000円)でデビューしたけど、既にビラーゴやマグナやエリミネーターといった人気クルーザーが居たのでまあ人気は出ず。

ただこれもGN250と同じく欧州やオーストラリア、アメリカなんかではGZ250として2010年まで売られたロングセラーバイクだったりする。

マローダー250

ちなみにマローダーとは略奪者の意味。

イントルーダー(侵入者)、デスペラード(ならず者)、マローダー(略奪者)

あとバンディット(ごろつき)もだけど相変わらず凄いネーミング。

主要諸元
全長/幅/高 2160/815/1090mm
シート高 680mm
車軸距離 1375mm
車体重量 137kg(乾)
燃料消費率 55.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 20ps/7500rpm
最高トルク 2.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/90-16(59P)
後130/90-15(66P)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター1.4L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 384,000円(税別)
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

ボルティー(NJ47A) -since 1994-

NJ47A

SW-1の反省なのか同じエンジンを使っていながら半値以下の298000円という破格で登場したボルティー。

車名VOLTYの由来は馬術のVOLT(巻乗り)から。

巻乗りっていうのは馬を意のままに操る馬術でバイクで言えばジムカーナみたいなもんです(多分)

とことんコストパフォーマンスを突き詰めた事による298000円という破格の安さは価格破壊だと大きく話題になり、それまでのモデルとは打って変わって売れました。

NJ47A

いや本当に何かの間違いじゃないのかと思えるほどのインパクトですね。

ただ売れたのはもちろん値段が安かった事からカスタムベースとして人気が出たのも大きいんだけど、それだけではなくとても30万円のバイクには見えない見た目と乾燥重量125kgと非常に軽量なシングルライトウェイトスポーツだったから。

巻乗りという車名に違わぬ脚付きと素行の良さを持っていたからエントリー層や女性への人気もあった。

さて、この破格のミソとなったのは先に紹介したGN250E。

実はボルティーはほとんどがGN250Eの部品で作られている。

VoltyとGN250

構造的にはGN250とほぼ同じで言ってしまえばガワを変えただけのバイク。

でもその外装の変更がとても上手くて同じバイクとは思えませんね。

童夢

そんな渋カッコいいデザインを担当したのはなんと車のほうで有名な童夢です。

ちなみに左がType1で右がType2がベージュシートのType2。

ボルティーシリーズ

更に翌年後にはリアキャリアとセンタースタンドを装備しキャストホイールを履いたシングルシートのビジネス向けのTypeC(左下)、98年にはダブルシート版となるTypeTが登場。

晩年にはそれらを無くして一本化。割愛しますが、グレード以外にも毎年細かな小変更が加わっています。

2004年にST250へバトンタッチする形で生産終了となったけど、人気があったためか再販を望む声を今でもチラホラ聞いたりする。

まあ安くてお洒落で素行が良かったんだから当然といえば当然な話。

主要諸元
全長/幅/高 2005/765/1075mm
シート高 750mm
車軸距離 1325mm
車体重量 125kg(乾)
[127kg(乾)]
燃料消費率 57.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 20ps/7500rpm
最高トルク 2.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18(47S)
後120/80-17(61S)
バッテリー FB10L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター1.4L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ520|リンク100
車体価格 298,000円(税別)
[329,000円(税別)]
※[]内はタイプII
系譜図
DR250S 1982年
DR250S
(SJ41A)
GN250E 1982年
GN250E
(NJ41A)
ボルティー 1994年
ボルティー
(NJ47A)
マローダー250 1998年
マローダ250
(NJ48A)
グラストラッカー 2000年
グラストラッカー/ビッグボーイ
(NJ47A/NJ4BA)
ST250 2003年
ST250/E
(NJ4AA)
ST250E 2008年
ST250E/グラストラッカー/ビックボーイ
(NJ4CA/NJ4DA)

DJEBEL200|DF200E(SH42A) -since 1993-

ジェベル200

SX200Rを元に作られたDJEBELの200ccバージョン。だから250が油冷なのに対して200は空冷。

「ふーん、どうせ売れなかったんだろ」

と思ったら大間違い。このクラスの割には結構売れた。

何故かといえば足つきの良さや大型ハロゲンライトといったDJEBELの代名詞であるハード志向もあったんだけど、一番はズバリ安かったから。

当時DJEBEL250が約44万円、セロー225が約37万円、それに対しDJEBEL200は何と33万円と他のどんなオフ車より安かった。これは安い。

だからセローやシェルパを買いに行ったつもりが、安さに釣られて気がついたらDJEBEL200を買ってた・・・とか何とか(多分)

1997年には派生モデルとして更にハード志向となったDF200Eが出ました。

DF200E

これはもともとアメリカなどの農業者や牧場者向けのアギ(AGI)バージョンってやつ。

大型リアキャリアにクリッパー付きライトガード、それにアンダーガード、果てはサイドスタンドが右にも付いている。

日本仕様はリアキャリアと右側サイドスタンドは付いてませんが、それでもお値段35万円は安い・・・安すぎる。

ちなみにDJEBEL200、そして先に紹介したSX200Rは何とアメリカでまだ売られていたりします。

DR200SE(和名DJEBEL200)

北米ジェベル200

そしてこっちが

DR200S(和名SX200R)

DR200S

当然ながらエンジンやフレームのベースはバンバンと一緒。

ST250シリーズも含めるととんでもない数の流用、流用のスズキここにありですね。

車体価格の安さは単純にコストカットしてるわけではなく流用による生産数のカサ増しという企業努力から来ているんですねえ。

主要諸元
全長/幅/高 2150/805/1150mm
シート高 810mm
車軸距離 14055mm
車体重量 108kg(乾)
燃料消費率 53.4km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 199cc
最高出力 20ps/8500rpm
最高トルク 1.8kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前70/100-21(44P)
後100/90-18(56P)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
または
X24ESR-U
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.1L
交換時0.8L
フィルター交換時0.9L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク112
車体価格 354,000円(税別)
※スペックはDJEBEL200
系譜図
バンバン50 1972年
VanVan
RVシリーズ
SX200R 1985年
SX200R
(SH41A)
djebel200 1993年
DJEBEL200/DF200E
(SH42A)
先代バンバン200 2002年
VanVan200
(NH41A)
バンバン200 2007年
VanVan200
(NH42A)

GSX1100S KATANA(SR)-since 1994-

1994年式GSX1100S

上限750cc規制が撤廃された事により発売された最初で最後の国内正規モデルであり実質的な最終モデルにあたる六型のSR型。

デザインやカラーリングは初代のSZ基調で希少度を除けば一番人気のモデルかと思われます。

何故一番人気かというと国内仕様という事で馬力は若干ダウンしているものの、ANDF(アンチノーズダイブフォーク)の廃止や別体タンク付きリアサスペンションなど足回りの強化が入ったから。

アンチノーズダイブフォークというのは80年代に流行ったフロントフォークの事です。

アンチノーズダイブフロントフォーク

その名の通りブレーキングによるノーズダイブ(フロントの沈み込み)を抑える機能の付いたフロントフォークの事なのですが、これが働く時はハードブレーキング時のみ。

ブレーキ圧を利用しフォークオイルの通り道を狭くし沈みにくくする(減衰力を強める)機能なわけですが、人によっては突っ張った感があるとか違和感があるとか大好評というわけではなかった・・・ただカタナのは結構優秀だったという声もあります。

80年代の後半になるとフロントフォークの進化によりアンチノーズダイブ機能は消えていったんですが、ご存知のようにKATANAはモデルチェンジと無縁だったからいつまでもアンチノーズダイブが付いていた。

それが遂にこのSR型で改められた。

1994年式カタナカタログ

他にもオイルクーラーの標準装備、重いことで有名だったクラッチ負担を和らげるパワーアシストクラッチなど、基本的は変えず弱点だった部分だけ近代化させるというメーカー公認チューニングのようなモデルだったから人気が高いというわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2250/740/1195mm
シート高 775mm
車軸距離 1515mm
車体重量 232kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 20.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1075cc
最高出力 95ps/8500rpm
最高トルク 8.6kg-m/4000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.50-19(57V)
後4.50-17(67V)
バッテリー YB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ630|リンク96
車体価格 890,000円(税別)
系譜図
GSX1100E 1979年
GSX1100E
GSX1100SX 1981年
GSX1100S
KATANA Prototype
(SX)
GSX1100SZ

1982年
GSX1100S
KATANA
(SZ)

GSX1100SD

1983年
GSX1100S
KATANA
(SD/SE)

GSX1100SAE

1987年
GSX1100S
KATANA
(SAE/SBE)

GSX1100SL_SM 1990年
GSX1100S
KATANA/Anniversary
(SM/SL/SSL)
GSX1100SR

1994年
GSX1100S
KATANA
(SR)

GSX1100SY

2000年
GSX1100S
KATANA
FINAL EDITINON
(SY)

katana

2019年
GSX1000S
KATANA
(GT79B)

GSX1100S KATANA/Anniversary(SM/SL/SSL)-since 1990-

1990年式GSX1100SL

スズキ70周年を機に復活を遂げた五型となるアニバーサリーモデルのSMと通常モデルのSL。

先代(SAE型)にシートベルトを追加しサスペンションをリセッティングしたもので、これまた名目上は海外向けなものの実質日本向け。

ところでKATANAにお詳しい方ならご存知だと思いますが、このモデルには少しややこしい問題があります。

スズキ70周年アニバーサリー

めでたく復帰したカタナなんですが、まず発売されたのは70周年限定モデルでした。

・70thアニバーサリーステッカー

・シリアルナンバー入り純銀オーナメントキーホルダー

・限定1000台(1店1台まで)

でした。

にしても純銀ってすごいですね。

スズキ70周年アニバーサリー

当然ながらアッという間に完売。

ただし買えなかった人が続出したためか、中身はアニバーサリーと同じでステッカーとオーナメントのつかない素のモデルを通常モデルとして追うように発売となりました。

アニバーサリーのタンクステッカーは純正部品として取り寄せる事が出来たので、見た目の違いがない素のモデルにアニバのステッカーを貼って疑似アニバにする行為が横行したとか何とか。

それで本題。

このモデルの何が問題になっているのかというと疑似アニバが横行した事ではなく、アニバと素モデルの型式について。

「アニバーサリーはSLだ」

という人もいれば

「アニバーサリーはSMだ」

という人も居る。

一般的にはアニバーサリーはSMと言われていますが、ここで紹介したいのがアニバーサリーモデルを噂レベルの段階で予約し手に入れた”たけさん(仮名)”という方から頂いたアニバーサリーモデルの書類。

アニバーサリーの型式

『GSX1100SL』と書かれていますね。

という事はアニバーサリーがSLで素モデルがSM・・・いやでも雑誌にもWikipediaにもアニバーサリーはSMと書かれている。

「どっちが正解なんだ」

という話なんですが、調べてみるとバイク誌のバイカーズステーション/No.345の話と個人的にも広報に問い合わせてみた結果はこうです。

・元々SL(素モデル)は販売するつもりだった

・スズキ生誕70周年記念車にKATANAが選ばれた

・同じ型式のままでは営業が混乱するので”後から”アニバはSMと付けた

・91年にSLに統合した(SLとSMは混合している)

つまりKATANA再販(SL型)は実は既に決まっており70周年モデル(SM型)は後から企画されたもの。

しかし型式がアニバと素モデルと同じでは営業が混乱するのでSMというコードを作りアニバーサリーは後からSM型としたわけです。

車体番号による区切りはやっていなかったという事なので、SLとSMが混在している可能性もあるとの事(上の書類でSLと書かれているのが正にそれ)で最終的にSLとSMは統合。

ちなみにこのSMやSLというのは国土交通省に届け出る型式ではなく関係者が区別するためのマーケットコードなので法的な義務はない。

先に出たアニバーサリーモデルのイヤーコードが何故Mで、後から出た素モデルがLと呼ばれるのか疑問(アルファベットではL→M→N)でしたがこれでスッキリですね。

ちなみに2年後の92年にはSSLとなり赤銀が復活しました。

※スズキ二輪広報様とアニバーサリーオーナーのたけさんのご協力をいただきました。ありがとうございました。

主要諸元
全長/幅/高 2260/715/1205mm
シート高 775mm
車軸距離 1520mm
車体重量 232kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 空冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 1075cc
最高出力 111ps/8500rpm
最高トルク 9.8kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.50-19(57V)
後4.50-17(67V)
バッテリー YB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.2L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前15|後42
チェーン サイズ630|リンク96
車体価格 1,190,0000円(税別)
※価格はアニバーサリーモデル
系譜図
GSX1100E 1979年
GSX1100E
GSX1100SX 1981年
GSX1100S
KATANA Prototype
(SX)
GSX1100SZ

1982年
GSX1100S
KATANA
(SZ)

GSX1100SD

1983年
GSX1100S
KATANA
(SD/SE)

GSX1100SAE

1987年
GSX1100S
KATANA
(SAE/SBE)

GSX1100SL_SM 1990年
GSX1100S
KATANA/Anniversary
(SM/SL/SSL)
GSX1100SR

1994年
GSX1100S
KATANA
(SR)

GSX1100SY

2000年
GSX1100S
KATANA
FINAL EDITINON
(SY)

katana

2019年
GSX1000S
KATANA
(GT79B)

GSX1300R HAYABUSA(GW71A)-since 1999-

SUZUKI GSX1300R HAYABUSA

「Ultimate Sport」

1.クラス最高の出力

2.操縦安定性に優れたバランスの良い車体

3.優れた空力特性

4.扱いやすさ

これらの追求により生まれたのが誰もが知る名車。市販車初の300km/hブレイカーとして有名ですね。

初代ハヤブサカタログ

面白い事にハヤブサの元々の狙いはCBR900RRやZX-9Rといったリッター未満のライトウェイトスポーツに対抗するバイクを作ることが始まりでした。

しかしそんなプロジェクトが始まるやいなや、一気にメガスポーツ熱を加熱させる事となったCBR1100XXブラックバードが出てきて大型バイクのメインは900からリッターオーバーに。

そんな中でスズキはGSX-R1100しかなく世代の差から苦戦。そこで開発を

“カテゴリ分け出来ないアルティメットスポーツ”

に変更し本格始動。

隼エンジン

GSX-R750(ファクトリーエンジン)ベースで耐久性と出力の限界いっぱいである1299ccに設定したエンジンが完成。1299cc/175馬力で最高時速312kmという文句なしの最速バイクが生まれたわけです。

ただそれも騒がれたけど、それを可能としたデザインも非常に騒がれました。

ハヤブサK6

何ともヌメヌメしてる不気味なデザイン。

これは開発者曰く

「HAYABUSAを開発するにあたって空気抵抗の低減に大変な時間を費やした結果」

という空力を追い求めていった結果こういう形になったとの事。

隼空力

厳密に言うと空力特化の顔を作ってボディ周りをそれに合わせて仕上げていったわけなんだけど、ハヤブサの場合それにもう一つ加えられました。それは空力に悪影響のない部分を膨らませる事。

これの意図は不気味な形になった顔を更に不気味にするため。分かりやすいのが鼻先の膨らみやモッコリしたフロントフェンダーやウィンカーレンズ等。

初代ハヤブサのパンフレット写真

そして満を持してモーターショーで発表したものの評価は好きと嫌いが綺麗に真っ二つに。

普通ならそんな評価では市販化されるわけないんだけど、スズキはイケると踏んで出したわけですね。何故ならKATANAの時もそうだったから。

だから発売当時は

「形が気持ち悪い」とか「名前(漢字)がダサい」

とか凄く否定的な意見も多かった。でもそれもスズキにとっては覚悟していた事というか思惑通り。

その狙い通りハヤブサは日欧米で年を追う毎にジワジワ人気が出始めたかと思うと、あっという間に大ヒットし大型バイクを代表する車種にまで上り詰めたわけです。

ハヤブサUK

あまりの人気とあまりの速さで危険性が欧州で問題視されるようになったことで

・300km/h以上スピードを出るようにしてはいけない

・メーターに300km/hという数字を書いてはいけない

という300km/h規制(一応自主規制)が引かれる事となり、ハヤブサもわずか二年でメーターが350km/hから300km/hへと変更されました。

フルスケールメーター

この300km/h規制を生んだのは間違いなくHAYABUSAの功績・・・じゃなくて影響。

ただこのおかげというか、この一件で

「世界最速の市販車はHAYABUSA(312km/h)」

という勝ち逃げの様な終止符を打つ事にもなったわけです。

才色兼備ならぬ才毒兼備で、性能競争の激しいメガスポーツ部門において八年も大きなモデルチェンジをすることなく大ヒットという偉業を成し遂げました。

ただ大きなモデルチェンジこそ無いものの毎年のように年次改良は入っています。

1999年モデル

99年モデル:初期型340km/hフルスケールメーター

2000年モデル

00年モデル:キャタライザー(触媒)の装着(※EU仕様のみ)

2001年モデル

01年モデル:280kmメーター(300km/h規制)、シートレールをアルミからスチールに、タンク容量1L減、フューエルポンプの変更

2002年モデル

02年モデル:ECUを16bitから32bitへ変更、O2センサー装着(※EU仕様のみ)

2003年モデル

03年モデル:サスペンションのアウターをゴールド、インナーチタンコートに変更

2004年モデル

04年モデル:ハザード&パッシングスイッチ標準装備(※US仕様のみ)

2005年モデル

05年モデル:ウインカーをクリアに変更、タンクデカールをSUZUKIからSロゴに変更、始動時ヘッドライト自動消灯化

2006年モデル

06年モデル:エキゾーストパイプを変更し2kg軽量

2007年モデル

07年モデル:フレームをブラックに変更

スロットルボディの汚れによるアイドリングが低下するという持病(バイク豆知識:電子制御のFI 正確過ぎるが故にアイドリングが苦手)があるものの、致命的な故障は無い。

これはユーザーにとって未経験だった300km/hという世界が開発者にとっても未経験の世界だったから。

300km/hを目指すからには300km/hに耐える十二分な耐久性、300km/hを出した後もケロッとしてないといけないのが市販車。だからこの耐久性にも非常に時間を掛けて絶対に安心だといえるレベルになるまで何度もテストを重ねたそうです。

ターボを付けたり変な改造が当たり前のようにあるのも300km/hでもまだ余裕のあるタフさがあってこそ。

ただ散々ここでも書いた後で言うのも何だけど、HAYABUSAで褒めるべきは見た目や最高速だけではないです。アルティメットスポーツというのは開発者の方も言っているように何も最高速だけを言ってるわけじゃない。

GSX1300R透視図

造りを見てもらえば分かるんだけど、HAYABUSAの中身は基本的にGSX-Rつまりスーパースポーツに非常に近い造りでGSX-Rをローロングにした感じ。

フレームもGSX-R750を基本に考えられたツインスパーフレームだし、エンジンも軽量コンパクト化の為に最低限の一軸一次バランサーしか付いていない。

だから寝かし込みも軽い上にバンク角も大きい、こう見えてコーナリングもSSほどではないにしろ結構得意な部類で決して苦手じゃない。

K0ハヤブサ

直線速い、コーナーも速い、そのわりには扱いやすい・・・まさにアルティメットスポーツ。

主要諸元
全長/幅/高 2140/740/1155mm
シート高 805mm
車軸距離 1485mm
車体重量 217kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 21.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1299cc
最高出力 175ps/9800rpm
最高トルク 14.1kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.0L
交換時3.1L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前17|後40
チェーン サイズ530|リンク112
車体価格 1,298,000円(税別)
※K4モトマップ価格
系譜図
GSX-R1100G1986年
GSX-R1100(GU74A)
GSX-R1100K1989年
GSX-R1100(GV73A前期)
GSX-R1100M/N1991年
GSX-R1100(GV73A後期)
GSX-R1100P/R1993年
GSX-R1100W(GU75A)
99GSX1300R 1999年
GSX1300R
(GW71A)
081300R2008年
HAYABUSA1300(GX72A前期)
2013HAYBUSA1300R2013年
HAYABUSA(GX72A後期)
2014HAYBUSA1300R2014年
隼 (GX72B)
2014HAYBUSA1300R2021年
HAYABUSA(EJ11A)