KE125(KE125A) -since 1975-

KE125

「駆ける、翔ぶ―目的は2つ。」

低速寄りに変更され13馬力となったエンジンと、クラス初となる六速ミッションを装備したKE125。実質125TRの最終モデルなバイクです。

KE125後期

二本サスながらホイールサイズもフロントを21インチに上げることで走破性がアップなど手堅いモデルチェンジと80年にタンクが角タンクへと変更されたくらいで先代から数えて12年あまりのロングセラーとなった125最速トレールでした。

KE125赤タンク

ちなみに上の写真を見ると分かる通りこの頃のカワサキといえば”緑”というよりかは”赤”でした。

これが何故かと言うと、カワサキが一番初めにレースで成果を上げたのが1963年のモトクロス選手権だったんですが、この時のバイクが赤タンクだったんです。

その事からしばらくはロードレースなども”赤タンク”をセールスで広く採用。

赤タンク

「カワサキ=赤タンク」

というイメージで押していました。じゃあどうして赤を止めて緑にしたのかというと・・・

「赤=ホンダ」

が既に広く定着し被ってしまったから。

主要諸元
全長/幅/高 2075/870/1075mm
シート高
車軸距離 1350mm
車体重量 115kg(装)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 6.7L
エンジン 水冷2サイクル単気筒
総排気量 124cc
最高出力 13ps/6500rpm
最高トルク 1.5kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-21-4PR
後3.50-18-4PR
バッテリー 6N6-3B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8HS
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.3L
スプロケ 前14|後50
チェーン サイズ428|リンク126
車体価格 185,000円(税別)
系譜図
125TR

1970年
125TR
(F6)

KE125

1975年
KE125
(KE125A)

KMX125

1986年
KMX125
(MX125A)

KDX125SR

1990年
KDX125SR
(DX125A)

KLX125

2009年
KLX/D-TRACER125
(LX125C/D)

125TR(F6/F6B) -since 1970-

125TR

「躍動マシン BOBCAT」

カワサキのトレール四兄弟の三男坊として登場した125TR。このTRシリーズには動物の名前も一緒に付けられていて、この125は山猫(ボブキャット)でした。

ちなみに全部を並べると

カワサキトレールシリーズ

350TR=BIGHORN(オオツノヒツジ)、250TR=BISON(バイソン)、125TR=BOBCAT(ボブキャット)、90TR=TRAIL BOSS(牛または牛追い)

です。バイソンは商標登録の関係ですぐ無くなりましたが。

モトクロッサーMX125をベースにしつつ、前後18インチ(後に21インチ)や二本サスなことからも分かる通りガチガチのオフロードバイクというよりオフロードバイクへ寄っていっている途中のスクランブラー的なバイク。

カワサキトレールシリーズ

とはいうもののエンジンはロングストロークエンジンながら15馬力とクラストップの速さを持ち合わせていました。

ちなみに125-TRはマイナーチェンジや海外向けモデルで125MSとなったりKS125に変わったりと名前が結構コロコロ変わっています。

カワサキは1960年代からオフロードレースや市販車に参入し始めたのですが、この(とにかく馬力な)TRシリーズが市場で功を奏した事からパワー路線を全面に押し出す方向性で波に乗っていきます。

主要諸元
全長/幅/高 2000/850/975mm
シート高
車軸距離 1315mm
車体重量 115kg(装)
燃料消費率 49.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.0L
エンジン 水冷2サイクル単気筒
総排気量 124cc
最高出力 15ps/7500rpm
最高トルク 1.4kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後3.25-18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B8HS
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 153,000円(税別)
系譜図
125TR

1970年
125TR
(F6)

KE125

1975年
KE125
(KE125A)

KMX125

1986年
KMX125
(MX125A)

KDX125SR

1990年
KDX125SR
(DX125A)

KLX125

2009年
KLX/D-TRACER125
(LX125C/D)

KL250(KL250A/C) -since 1977-

KL250

カワサキ初となる4st250トレール車のKL250

エンジンはオンロードモデルのZ200の物をボアアップしたものだけど、フレームや足回りの開発には当時のKX(2st競技用モトクロッサー)メンバーが関わっていた事もあってオフロードの走破性は初代ながら目をみはるものがあった。

KL250カタログ

目をみはるものっていうか最初期のトレール車はメーカー問わずだいたい二本サスなんだけど、その中でもKL250は頭ひとつ抜けてた。

ただ初期はバランサーを搭載してないので振動も凄まじく、パーツが振動でもげるのも珍しくないほど。

KL250C

80年にセミエアサスを採用し、晩年の82年に249ccまでボアアップされバランサーを装備しました。

主要諸元
全長/幅/高 2155/855/1160mm
シート高 855mm
車軸距離 1415mm
車体重量 125kg(装)
[126kg(装)]
燃料消費率 46.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.8L
エンジン 空冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 246cc
[249cc]
最高出力 21ps/8500rpm
[22ps/8500rpm]
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR
バッテリー 6N6-1D-2
[6N6-3B]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B7ES
[B8ES]
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前14|後40
チェーン サイズ520|リンク96
車体価格 278,000円(税別)
※[]内は後期C型
系譜図
KL250

1977年
KL250
(KL250A/C)

KLR

1984年
KL250R/KLR250
(KL250D)

ES|SR

1993年
KLX250ES/SR
(LX250E/F)

スーパーシェルパ

1997年
SUPER SHERPA
(KL250G/H)

H型、J型、M型

1998年
KLX250
D-TRACKER
(LX250H/J)

S/V型前期

2008年
KLX250
(LX250S)
D-TRACKER X
(LX250V)

Z250FT(KZ250A) -since 1979-

1979Z250FT

「走り鮮烈!」

Z400FXの弟分として登場したZ250FT。今もNinja250として続いている250パラツイン(並列二気筒)の始まり。

Z250FTカタログ写真

この当時250といえば400ベースにスケールダウンさせた250エンジンを積むのが一般的だった事もあり

「250は400のお下がり、400の廉価版」

というのが当たり前でした。

そんな中で出たZ250FTは専用設計で従来の車重負けとは無縁なスポーツ性、そして何より手抜きのない角Zデザインでそんな常識を打ち破った事わけです。

Z400FXとZ250FT

この専用設計250であるZ250FTの登場によって4st250ccロードスポーツは加熱し、いつしか専用設計が当たり前の時代に突入しました。

Z250FT後期

上の写真は後期モデルにあたる角目バージョンです。

主要諸元
全長/幅/高 2020/760/1085mm
シート高
車軸距離 1340mm
車体重量 153kg(乾)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.6L
エンジン 空冷4サイクルOHC2気筒
総排気量 248cc
最高出力 27ps/10000rpm
最高トルク 2.1kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00S18-4PR
後3.50S18-4PR
バッテリー YB10L-A2
プラグ D8EA
推奨オイル
オイル容量
スプロケ 前15|後35
チェーン サイズ530|リンク98
車体価格 318,000円(税別)
系譜図
Z250FT1979年
Z250FT
(KZ250A)
GPZ250BeltDrive1983年
GPz250BeltDrive
(EX250C)
GPZ250R1986年
GPZ250R
(EX250E)
gpx250r

1988年
GPX250R/R2
(EX250F/G)

ZZR250前期1990年

ZZR250
(EX250H前期)

ZZR250後期

2002年
ZZR250
(EX250H後期)

Ninja250R

2008年
Ninja250R
(EX250K)

2013Ninja250

2013年
Ninja250
(EX250L/M)

Z250

2013年
Z250
(ER250C/D)

2018Ninja2502018年
Ninja250
(EX250P)

750SS-MACH4(H2) -since 1972-

750SSマッハ4

先代のマッハ3の兄貴分として登場したマッハ4。

排気量を更に上げてナナハンになりましたが、先の500SSマッハ3で述べた通りクレイジーさは抑えられています。

750SSマッハ4

あくまでも”当時としては”ですが。

ただ残念ながらマッハ4は日本では二年だけの販売。メイン市場だった北米でも海外でも2stが問題視され始めた事から、大成功を収めた4stのZ1系で行くことになり短命に終わりました。

マッハ4

まさかそんなHの名前が43年の時を経て復活するとは・・・です。

主要諸元
全長/幅/高 2085/850/1145mm
シート高
車軸距離 1410mm
車体重量 192kg(乾)
燃料消費率 30.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 空冷2サイクル3気筒
総排気量 748cc
最高出力 74ps/6800rpm
最高トルク 7.9kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25-19
後4.00-18
バッテリー 12N5.5-4A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9HS
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.0L
スプロケ 前15|後47
チェーン サイズ530|リンク120
車体価格 385,000円(税別)
系譜図
マッハ31969年
500SS MACH3
(H1)
マッハ41972年
750SS MACH4
(H2)
H22015年
Ninja H2
(ZX1000N/X/ZX1002J)
H2R2015年
Ninja H2R
(ZX1000P/Y)
H2SX2018年
Ninja H2SX/SE
(ZX1002A/B/D)
zh22022年
Z H2/SE
(ZR1000K/L)

GS750/2/E/G/GL(GR72A) -since 1976-

GS750

スズキ初の直四バイクとなるGS750。

このGS750はスズキにとって非常に大きな転換期というかコレが生まれてなかった間違いなく今のスズキは無かったと断言できるバイクです。その事を中心にお話します。

キッカケはGS750が世に出る6年前の1970年、アメリカで制定されたマスキー法(厳しい排ガス規制)を発端に”排気ガス”という環境問題が重要視されるようになりました。この事を機に自動車メーカーもバイクメーカーも次々と4stに開発を切り替えていったわけですが、そんな中でスズキだけは2stに全力で4stは打ち切ることに・・・これが命取りになりました。

マスキー法

2stでもマスキー法をクリアできると踏んでみたはいいものの、当時の技術では厳しい排ガス規制をクリアすることが難しく難航。更に追い打ちを掛けるようにオイルショックによる原油価格高騰が起こり時代はエコ(低燃費)へ。

ここまで来ると流石に不味いとスズキも4stへシフトしていくことになったわけですが、2st一辺倒で4stの研究は止めていたのでエンジン開発が間に合わず売れる物が無くなってしまうという事態に。

実際スズキはマスキー法で自動車販売が出来なくなり倒産の危機を迎えました。それを救ったのはトヨタ(豊田家)。”トヨタとスズキが技術提携”というニュースが最近出ましたが、それにはこういう過去があったからです。

詳しくは「トヨタも昔バイクを売っていた ~豊田家と鈴木家~」をどうぞ

その一方で二輪は技術者達の死に物狂いの研究で何とか商品化に成功し誕生したのがGS750というわけ・・・なんですが、コレも実は一筋縄でいかなかったんです。

GSシリーズ

このGS750は最初はGX960として作られていました。当然ながら排気量は960ccです。何故なら当時アメリカで一世を風靡していたカワサキZ1(903cc)を超える事が至上命題だったから。

市場で好評を博していた2stトリプルのGT750が排ガス規制で販売できなくなる事が分かっていたのでそれに間に合わせる為に着々と製品化への道を進んでいました。

GT750

しかしここでも不測の事態が発生。それは免許制度の改定です。
当時は126~750cc(自主規制)まで自動二輪免許で乗れていました。しかしそれが75年から小型(~125cc)、中型(~400cc)、限定解除(400cc超)の三段階に別れる事が決定。

GS750エンジン

これがスズキのGX960計画を大きく狂わせました。何故なら400ccのバイクを新たに作る必要性が生まれたから。このことでせっかくのGX960計画は破綻。その代わりに立ち上がったのが750計画。

一体どうしてそうなったのかというと、設備の問題で直四750ccエンジンにすればその部品を半分に割って400ccパラツインを作れるから。ちなみにこれで生まれたのが同時発売となったGS400です。

もう売るものが無くなってしまう社運を賭けた時間との戦いなのにGX960ベースとはいえまた作り直し。

スズキGS750

それでも何とか製品化に成功し出てきたのがこのGS750というわけです。

ただGSが本当に凄いのは、そういった社運を賭けた二転三転劇があった事ではなく、二転三転劇があったにも関わらず、そして初の4st直四にも関わらず、チューニングの神様であるPOP吉村からオーバークオリティと言われるほどキッチリ作り上げてきたこと。これはスズキの社運を賭けた4stフラッグシップで絶対に失敗できないという事から従来の二倍以上の負荷テストを敷いていたからです。

GS750

結果として好評を得たGS750は1978年にはフロントダブルディスクとサスペンションが強化されたGS750ii、キャストホイールを履いたGS750E/Eiiにマイナーチェンジ。更に79年にはシャフトドライブのGS750G、そのアメリカンモデルのGLが追加されました。

主要諸元
全長/幅/高 2225/855/1170mm
シート高
車軸距離 1490mm
車体重量 223kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 748cc
最高出力 68ps/8500rpm
最高トルク 6.0kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.50H19
後4.00H18
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B6ES
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.9L
交換時3.2L
フィルター交換時3.6L
スプロケ 前15|後41
チェーン サイズ630|リンク96
車体価格
系譜図
GR72A1976年
GS750/2/E/G/GL
(GR72A)
GSX750E1980年
GSX750E
(GR72A)
バンディット7501996年
GSF750
(GR7EA)
イナズマ7501998年
GSX750INAZUMA
(JS1AE)
GSR6002006年
GSR600
(GK7EA)
GSR7502011年
GSR750
(GR7NA)
00GSX-R7502017年
GSX-S750
(C533F)

KH90(KH90C) -since 1977-

KH90

「限りない可能性を持つキミにおくろう。ぜいたくな程のこの一台・・・」
このクラスとしては初となる前後油圧ディスクブレーキを採用した贅沢な一台。「ケッチ」の相性で親しまれたKHシリーズの末っ子。
兄貴分にKH125が居たけど向こうはドラムブレーキを採用となんだかよく分からないラインナップ。
この頃からカワサキは4ストはZ、2ストはKHと車名で区別するようになる。

KH-90

カタログから見ても分かる通りディスクブレーキを最大限にアピールしている。
ただ時代は50と大型の競争がヒートアップしていて、90という微妙な排気量の為に下火だったみたい。

主要諸元
全長/幅/高
シート高
車軸距離
車体重量 96kg(乾)
燃料消費率 -km/L
※定地走行テスト
燃料容量
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 89cc
最高出力 10.5ps/7500rpm
最高トルク 1.0kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 145,000円(税別)
系譜図
90SS/S1968年
90S/SS
(G8)
KH901977年
KH90
(KH90C)
AR50-801981年
AR50/80
(AR50/AR80)
KS-1/21987年
KS-1/2
(MX50A/80A)
KSR-1/21990年
KSR-1/2
(MX50B/80B)
KSR110国内モデル2002年
KSR110
(KL110A)
KSR110後期モデル2012年
KSR110
(KL110D)
KSR110プロ2014年
KSR PRO
(KL110E)
2016年
Z125/PRO
(BR125H)

MB50/MB-8(AC01/HC01) -since 1979-

MB-5

「衝撃のスーパースター」

ホンダ初の2stロードスポーツ原付となるMB50とMB-8。

前後18インチコムスターホイールにクロスしているオシャレなXフレームを始めとしたワンクラス上の車格。

そしてクラス初となる一軸一次バランサーを内蔵しながらもクラストップとなる7馬力のエンジンで最高時速は80km/hオーバーという圧倒的な速さ。

MB50エンジン

ホンダのロードスポーツ技術全部載せな非の打ち所のない原付な上に、不沈艦と呼ばれた耐久レーサーRCB1000のカラーリングも纏っていた事から当然の様に大ヒット。

当時を知る人でこれが人生初バイクだった方は多いかと思います。

MB50エンジン

ちなみにフラットハンドルのモデルをMB50、翌年から出たアップハンドルモデルをMB-5(シートに刻印)と言います。

そしてこれは78cc化されたMB-8。

MB-8

これから先のモデルにも基本的に言えるのですが、二種の方はハッキリ言うと人口が少ないこともあって一種の為(ゴニョゴニョする為)にあるドナーの様な存在という捉えられ方がメジャーでした。ちょっと可哀想な話だけどね。

そもそも何故こんな過激な原付が出たのかと言うと『ゼロハンブーム』と呼ばれる原付スポーツブームが起こりつつあったから。

各社から6馬力を超える速い原付が登場し人気を博していたんです。

MB50ボルドールスタイル

そんな中でホンダが対抗車として出したのがこの7馬力を誇るMB50。

このモデルでゼロハンブームが決定的なものになり、火蓋が切って落とされたというわけ。

主要諸元
全長/幅/高 1880/655/980mm
シート高
車軸距離 1215mm
[1220mm]
車体重量 87kg(装)
[91kg(乾)]
燃料消費率 65.0km/L
[60.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 9.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[78cc]
最高出力 7.0ps/9000rpm
[9.5ps/8000rpm]
最高トルク 0.56kg-m/8000rpm
[0.89kg-m/7500rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前2.50-18-4PR
後2.50-18-4PR
[前2.50-18-4PR
後2.50-18-6PR]
バッテリー 6N2-2A-8
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B6HS/B7HS/B8HS
または
W20FS/W22FS/W24FS
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパー
オイル容量 1.1L
推奨トランスミッションオイル ウルトラU(10W-30)
オイル容量 全容量1.0L
交換時0.9L
スプロケ
チェーン
車体価格 186,000円(税別)
[152,000円(税別)]
※[]内はMB-8
系譜図
MB501979年
MB50/MB-8
(AC01/HC01)
ラクーン1980年
RACCOON
(AD02)
MBX501982年
MBX50/80
(AC03/HC04)
MCX501982年
MCX50
(AC04)
NS50F1987年
NS50F
(AC08)
NSR501987年
NSR50/80
(AC10/HC06)
MC181991年
NS-1
(AC12)

モンキー(Z50Jz-I/A-Z50J)-since 1978-

6Vモンキー

「遊び心をかきたてる、粋なバイク」

恐らく多くの人がモンキーといえばコレだと思うであろうZ50Jz-I型。

この代までが6V電装な事から

『6Vモンキー』

と呼ばれています。

6ボルトモンキー

特徴は何と言ってもティアドロップ型5Lガソリンタンクに大きいシートなど、それまでのトレール系からアメリカン系へとイメージチェンジされた事。

他にもシートやキャリア、マフラーガード、ウインカー、ヘッドライト等などほぼ全面的に見直されています。

ちなみになんでアメリカンにしたのかというと当時の日本がアメリカンブームだったから。

Z50Jz-Iカタログ

それにあやかる形のモデルチェンジだったんですが奇跡の様なバランスでモンキーにベストマッチ。アメリカンという事でカスタムの幅も大きく広げる事となり非常に人気が出ました。

勢いが出たことでこの代では様々な亜種と呼べるモデルが誕生しました。

モンキーR

『モンキーR/A-AB22』

1987年に登場したツインチューブフレームにセパハンにテレスコサスとチューブレスタイヤとかなりの本格的な車体に加え、専用チューニングされた4.5馬力エンジンを搭載している最速モンキー。

モンキーRT

こちらはアップライトのハンドルとフェンダーを備えたRTモデル。

さぞや人気が出ただろうと思いますが、実はこれ全く売れませんでした。原因は同時期に通称Nチビでお馴染み7.2馬力もある本気の2st原付スポーツNSR50が出たから。

そのせいかモンキーの中でもかなりのプレミア物。

そして忘れてはいけないのが6Vモンキー登場と同時に出たこれ。

ゴリラ

『GORILLA』

ですね。

逞しい9Lも入る大型タンクに加えて前後キャリーを装備。更にはマニュアルクラッチまで搭載装備とモンキーを更に自走寄りにしたモデル。

モンキーとゴリラ

自走傾向が強い事もあってかゴリラは非常に人気となり、1988年までモンキーと併売される事になりました。

話をモンキーに戻すと、この代からは様々な派生モデルに負けないようモンキー自身も限定モデルが登場した事でも有名ですね。

その記念すべき第一弾となるのが発売翌年1979年に出た初代シルバーモンキーことモンキーLTD。

モンキーリミテッド

普通ならドン引きされるようなほぼ全てが銀メッキのモンキー・・・価格は標準の3万円高の13万円。

シリーズ初となる4MTを採用したハンドクラッチ版に至っては3万8千円高だったにも関わらず大ウケしあっという間に完売。今や幻扱いを受けるほどです。

東京リミテッドモデル

非常に好評だった事から1981年には再び銀メッキの『東京リミテッドモンキー』を販売。

そして遂には1984年に発売されたこれ。

ゴールドモンキー

『ゴールドモンキー』

全身金メッキのド派手なモンキー。

見た目だけでなく2.6馬力から3.1馬力に上げられた新型エンジン(A-Z50J型/通称Gクランク)の先行タイプでもあり、お値段139,000円。

金モンキー

関東やショップ限定だった銀メッキモンキーとは違い、初の全国販売モデルで5000台限定が即完売。

今もプレミアが付いていますが実はこれ日本より海外の方がプレミア価値があったりするそう。

更に3.1馬力モデル(A-Z50J型)以降も88年にはホワイト基調の限定モデル。

ホワイトモンキー

『ホワイトモンキー』

を発売。

そして90年には反対にブラックで統一した

ブラックモンキー

『ブラックモンキー』

などが登場しました。

主要諸元
全長/幅/高 1,340/600/845[850]mm
シート高 不明
車軸距離 895mm
車体重量 63kg(装)
燃料消費率 65km/L
※定地走行テスト
燃料容量 4.0L
エンジン 空冷4ストローク
SOHC2バルブ単気筒
総排気量 49cc
最高出力 2.6ps/7000rpm
[3.1ps/7500rpm]
最高トルク 0.3kgf-m/5000rpm
[0.32kgf-m/6000rpm]
変速機 常時噛合式3速リターン
常時噛合式4速リターン(MT)
[常時噛合式4速リターン]
タイヤサイズ 前3.50-8 2PR|後3.50-8 2PR
バッテリー 6N2A-2C
[6N2A-2C-4]
{6N2A-2C-4}
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HA/U16FS-L
[C5HSA/C6HSA]
{CR6HSA}
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
規定量0.8L
スプロケ 前12|後37
{前12/後31}
チェーン サイズ420|リンク76
車体価格 79,000円(税別)
※74年モデル
[119,000円(税別)]
※[]内は85以降モデル
※{}内は88以降モデル
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125

モンキー(Z50Jz-I)-since 1974-

MONKEY Z50J

「小さなモンキー、中身は大物。」

モンキーというバイクを広く認知させるキッカケとなったと言える三代目モンキーことZ50J型。

『4Lモンキー』

という愛称からも分かる通り、4Lの台形タンク(通称おむすびタンク)が特徴です。

4Lモンキー

フレームもリジッドからSHOWAの二本サスを備えたスイングアーム式になりタイヤもブロックタイヤに変更など、先代にも増して車載を前提とした造りではなく自走を前提とした造りになりました。

他にもマフラーを変更しトルクをアップさせるなどスポーツ性も向上しています。

Z50Jカタログ

この頃になると日本国内でも高度経済成長のおかげでトレール(トレッキング)ブームに加えレジャーブームなどバイクを『遊びの道具』として捉える人が増えてきた事もあって人気が急上昇。

Z50Jディティール

ただそれでも実はこのモンキーもメインターゲットは北米だったりします。

当時北米では50ccのレースやキッズトレールなどが人気を呼んでいたんです。このZ50J型はそんな北米向けZ50A型の日本版という立ち位置。

Z50Jディティール

その狙いは見事に的中しアメリカで大ヒット。

それに加えて日本でもやっと、三代目にして遂にヒットしたことでモンキーは世界中で愛される50ccバイクとなりました。

ちなみにアメリカの大手バイク誌であるモーターサイクリストではモンキーの事を

「もっともバイク中毒者を出したモデル」

とか言われています。

主要諸元
全長/幅/高 1,325/615/855mm
シート高 不明
車軸距離 895mm
車体重量 61kg(装)
燃料消費率 65km/L
※定地走行テスト
燃料容量 4.0L
エンジン 空冷4ストローク
SOHC2バルブ単気筒
総排気量 49cc
最高出力 2.6ps/7000rpm
最高トルク 0.3kgf-m/5000rpm
変速機 常時噛合式3速リターン
タイヤサイズ 前3.50-8 2PR|後3.50-8 2PR
バッテリー 6N2A-2C
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HA/U16GS-L
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
規定量0.8L
スプロケ 前12|後37
チェーン サイズ420|リンク76
車体価格 79,000円(税別)
※74年モデル
系譜図
Z1001961年
MONKEY
(Z100)
輸出向けMONKEY1963年
MONKEY
(CZ100)
Z50M1967年
MONKEY
(Z50M)
通称:5インチ
Z50A1969年
MONKEY
(Z50A/Z)
通称:ビンテージ
4L1974年
MONKEY
(Z50J)
通称:4L
6V1978年
MONKEY
(Z50Jz-I/A-Z50J)
通称:6V
12V1992年
MONKEY
(A-Z50J後期/BA-AB27)
通称:12V
インジェクション2009年
MONKEY
(JBH-AB27)
通称:FI
125monkey2018年
MONKEY125
(JB02)
通称:125