GL1000(GL1) -since 1974-

GL1000GOLDWING

「キング・オブ・モーターサイクル」

ホンダ初となるリッターバイクであり、ゴールドウイングの原点でもあるGL1000GOLDWING。

「北米向けバイクを常識に囚われず白紙から作れ」

とCB750FOURなどにも携わった野末さんが指名され導き出した答えが振動がほぼなく低重心に出来る

初代ゴールドウィング

『水平対向四気筒エンジンにシャフトドライブ』

の貴族バイクでした。どちらもホンダ初です。

もちろんただ水平対向を積んでるわけではありません。

水平対向エンジンというかクランクが縦になるエンジンの宿命として前後長が長くなってしまうデメリットがあります。

フラット4

これは車の物なので形が違うのですが、シャフトが縦を向いてしまう為に

『エンジン→ミッション→ドライブシャフト』

と数珠繋ぎになりエンジン長が長くなってしまう問題があるわけです。

エンジン長が長くなると必然的に全長が長くなり眠いバイクになってしまう・・・そこで考えられたのが二階建てエンジン。

GL1000エンジン

エンジンの後ろにミッションを持ってくるのではなく、エンジンの下にミッションを潜り込ませるように配置。

GL1000はこれで前後長を抑えているわけです。

GL1000GOLDWINGカタログ

「別にグランドツアラーなんだから伸びてもいいのでは」

と思うかもしれませんが、ゴールドウィングが目指したのはただ上品なだけの貴族バイクじゃないんです。

ゴールドウィング1000

「気品の中に燃えるスポーツ魂を持っているバイク」

というのが初代GOLDWINGのコンセプト。

だからわざわざオルタネーターをクランクと逆回転にしてトルクリアクションを相殺しコーナリングの邪魔をしない工夫までされている。

エンジン以外の部分でもこだわりは強く、例えばミッションを二階建てにしたことで空いたエンジン後方のスペースをガソリンタンクとすることで低重心に貢献。

ゴールドウイングカタログ

ダミータンクにはエアクリーナーや電装系に加え小物入れになっています。

そんなGL1000はデビューするやいなや北米で話題となり、和製クルーザーとして非常に大きな第一歩となりました。

ただ残念ながら1000ccなので(750cc上限規制で)日本では販売されず、入ってきているのは個人輸入モノだけ。

GL750

実は国内向けに(本田宗一郎の要望もあり)750ccの計画も並列して進んでいたようですが、パワーが足りないとして結局お蔵入りとなりました。

晩年の1979年にはコムスターホイールとタンクメーターを装備。

GL1000後期

でも恐らくGL1000は皆が思うゴールドウイング像と掛け離れていると思います。

それもそのはずでGL1000はグランドツアラーという肩書はあったものの、この時点では大型カウルを付けるという構想は無かった。

GL1000

ジャパニーズネイキッド然としていたからアメリカでも大ヒットしてたZ1と被って見えた上に倍近い$3000だったので、確かに評判は良かったもののセールスは好調とは言いがたい物もあったのも実情。

この事から

「GL1000はZ1キラーとして生み出された」

という誤解が生まれたんでしょうね。ちなみにそれはGL1000ではなくCBX1000です。

主要諸元
全長/幅/高 2305/875/1225mm
シート高 810mm
車軸距離 1545mm
車体重量 265kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 19L
エンジン 水冷4サイクルOHC2バルブ水平対向4気筒
総排気量 999cc
最高出力 80ps/7000rpm
最高トルク 8.3kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.50-19
後4.50-17A
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D7EA/D8EA/D9EA
または
X22ES-U/X24ES-U/X27ES-U
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

M1(A0K) -since 1972-

GOLDWING prototype

「プロジェクトM1」

CB750FOURでイケイケだったホンダがグランドツアラーの限界を探るために極秘裏に進めていたプロジェクトの車両。

初代ゴールドウィングであるGL1000が登場する3年前に製作されたモデルで水冷式水平対向六気筒で1470ccです。

M1試作機

実はこのエンジンは元々はこのバイクのために造られた物ではなく、有名な車であるシビックの為に開発された物です。

1973年に厳しい排ガス規制を初めてクリアしたCVCCシビックのエンジンになる予定(案の一つ)だった水平対向四気筒が元ネタ。

CVCCシビック

ただ最終的にシビックは直四でいくことに決まり、既に開発していた水平対向四気筒が宙ぶらりん状態に。

当時エンジン設計をしていた加藤さん曰くそれを見て

「せっかく造ったのに勿体無い(※別モ415)」

という話になりシリンダーを二つ足して六気筒化しバイクに積んでみたのがこのM1というわけ。

M1エンジン

ちなみにこの頃のホンダはまだシャフトドライブを持っていなかったのでドライブトレインはBMWの物をそのまま流用。

ゴールドウィングプロトタイプ

だからこれはゴールドウィングのプロトタイプというよりスタディモデルに近いんですが、六気筒案は直六として有名なCBXより前のこの段階から既に検証されていたという事ですね。

シビックとゴールドウィングの意外な繋がりでした。

主要諸元

※プロトタイプのため不明

系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

スーパーカブ C50/70/90-since 1971-

スーパーカブC50DX

1971年からはデラックスグレードが追加。

これはシート下の燃料タンクがボディと一体型になっているモデルで、これから先ずっと続くことになるボディラインの始まりです。

他にもカモメの羽のような形をしていることからカモメハンドルと呼ばれる形のハンドルも特徴的。

ちなみにこのカモメハンドルと行灯というポイントを二つも備えたカブはこのスーパーカブDXだけで一部のカブマニアの間では非常に人気のモデルだったりします。

次に大きな変更点が加わったのが1978年。

スーパーカブC50DX

騒音規制をキッカケにモデルチェンジされたモデル。

行灯のようなポジションライトが廃止となり、モナカ合わせだったマフラーがメガホンタイプに変更。

更にミッションが1→N→2→3だったのがボトムニュートラルのN→1→2→3になりました。

昔のモデルはスポーツバイクと同じで二速にする場合は二回踏み込む必要があったんですよ。

さて、この頃からカブの仕事人仕様が本格的に始動します。

一つはニュースカブというモデル。

ニュースカブ

皆が知る新聞配達用のプレスカブの先駆け的なモデル。新聞協会からの要請によって作られました。

大型のバッグを装備し、スタンドとブレーキを強化、さらに夜間でも見やすいように黄色く塗って視認性を高めたモデル。

そしてもう一つが更にもっと皆が知るモデル。Mail DeliveryのMDシリーズです。

MDカブ

郵政省からの要請により開発されたモデルでフロントフォークがボトムリンク式ではなく、テレスコピック方式で14インチとなっているのが特徴。

チェーンをかけやすいようにフェンダークリアランスが大きめに取ってある割れない鉄フェンダー、グリップヒーター、ハイマウントヘッドライトなど細部まで丁寧に作られています。

ただでさえ高耐久なカブを更に高耐久にして足回りを強化したモデルだから払い下げ品が人気なのが有名ですね。もちろんMDはMDでマイナーチェンジを繰り返しています。

ここでまたちょっと脱線して役に立たない話を・・・

このMDシリーズはカブベースなのでカブと同じようにMD50-MD70-MD90とそれぞれありました。

MD50-70はそれぞれ50ccと70ccのカブエンジンをそのまま使っているため、改良なども足並みも揃えている。

それに対し何故かMD90だけはスーパーカブ90のエンジンが70ベースに新しくなっても、ずっと変わりませんでした。

CS90

つまりにホンダはCM90から始まったこのベンリィエンジンを1980年に市販車が無くなった後も、郵政カブMD90のためだけに2008年まで作り続けた事になる。

強化ミッションや強化クラッチなど専用部品を収まるように作っていたからなのか・・・郵政カブの謎。

主要諸元
全長/幅/高 1805/655/985mm
[1805/655/985mm]
{1820/655/990mm}
シート高
車軸距離 1175mm
[1175mm]
{1180mm}
車体重量 76kg(装)
[78kg(装) ]
{87kg(装) }
燃料消費率 85km/L
[60km/L]
{65km/L}
燃料容量 3.0L
[4.5L]
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[72cc]
{89cc}
最高出力 4.8ps/10000rpm
[6.2ps/9000rpm]
{7.5ps/9500rpm}
最高トルク 0.37kg-m/8200rpm
[0.67kg-m/7000rpm]
{0.67kg-m/6000rpm}
変速機 自動遠心式三速リターン
タイヤサイズ 前2.25-17
後2.25-17
[前2.25-17
後2.50-17-6PR]
バッテリー NP4-6
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
C5HSA
推奨オイル honda純正ウルトラオイル(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
0.7L
[0.7L]
{}
スプロケ
チェーン
車体価格 68,000円
[74,000円]
{84,000円}
※スペックはセル付きDX
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

XL500S/R(PD01) -since 1979-

XL500S

「THE MOST POWEFUL DUAL-PURPOSE」

XLシリーズの長男坊として誕生したXL500S。

免許制度の関係で日本では弟分であるXL400の方がメジャーですね。

ホンダXL500R

ただ海外ではプロリンクを採用したXL500Rまで登場しています。

「XLとアフリカツインに何の関係が?」

と思う人も多いかと・・・それはズバリ『パリダカ』です。

XR500R

ホンダはこのXL500のエンデューロモデルであるXR500Rでパリダカ(当時はオアシスラリー)に出場しました。

XR500R

これがその優勝した時の車両であるXR500R。

フランスホンダから要請されて朝霞研究所が設計、HRCがエンジンチューニングしたラリーマシンなんですが、これが見事に優勝を飾りました。

XL500Rパリダカ

これはそれを記念して発売されたビッグタンクのXL500Rパリダカモデル。

ホンダとパリダカの関係はここからはじまるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2185/890/1405mm
シート高
車軸距離 1405mm
車体重量 141kg(装)
燃料消費率 35.0km/L
※定地走行燃費
燃料容量 10L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 497cc
最高出力 31ps/6500rpm
最高トルク 3.8kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-23-4PR
後4.60-18-4PR
バッテリー 6N4-2A-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
交換時1.9L
スプロケ 前14|後39
[前15|後41]
チェーン サイズ520|リンク96
[サイズ520|リンク100<102>]
※<>内は82年以降モデル
車体価格 548,000円(税別)
※[]内はXL500R
系譜図
XL5001979年
XL500S/R
(PD01)
XL600Rファラオ1985年
XL600R PHARAOH
(PD03)
XLV750R1983年
XLV750R
(RD01)
RS750D1983年
RS750D/NS750
NXR7501986年
NXR750
トランザルプ1987年
TRANSALP
(PD06)
(RD10/11/13/15)
XRV600アフリカツイン1988年
Africa Twin
(RD03/04/07)
バラデロ1999年
VARADERO
(SD01/02)
CRF1000L2016年

CRF1000L
Africa Twin
(SD04)

CRF1000L2019年

CRF1100L
Africa Twin
(SD10)

XL250/S/R(MD03) -since 1975-

XL250

汚名返上のために再度作り上げたのがこのXL250。

ただ正確に言うとXL250はどちらかというとSL250Sのマイナーチェンジに近いモデルで、リベンジの為に作り上げられたオフロードは3年後の1978年に出たXL250Sというモデル。

XL250S

このXL250S最大の特徴は市販車初となるフロント23インチの特大フロントホイール。

このモデルはエンデューロモデルのXR250と同時開発なんだけど、凄いのは4stオフ最大の欠点であった車重を振動を抑えるミッション兼バランサー機能を備えつつ20kgも軽減してる事。

XL250Sカタログ

4st最大の課題だった車重という問題をクリアしたとき、4stだからこその燃費の良さや低域での粘りなどのいわゆる”扱いやすさ”という本来の武器が明快に出た。そのおかげでこのXL250Sは林道ブームを巻き起こすほどの大ヒットとなりました。

勢いそのままに1981年にはXL250Rへとモデルチェンジ。

XL250R

専用6速ミッションやプロリンクなどを装備し走破性を更に向上させたモデルで十八番の赤フレームまで採用。

XL-R

MXワールドチャンピオン記念車や、パリダカ初優勝記念としてタンクを21Lにまで増やしキャリアを装着したパリダカ仕様まで登場しました。

XL250はホンダのオフロードバイクとしては初の成功車だった事から印象に残ってる人も多いと思います。

XL壁紙

ホンダの公式待受にもサラッと登場してたり。

主要諸元
全長/幅/高 2175/880/1130mm
[2175/875/1185mm]
{2170/865/1230mm}
シート高
車軸距離 1410mm
[1390mm]
{1385mm}
車体重量 148kg(装)
[128(装)]
{131kg(装)}
燃料消費率 40.0km/L
[50.0km/L]
{55.0km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 9.5L
{9.0L}
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 20ps/8000rpm
[20ps/7500rpm]
{22ps/7500rpm}
最高トルク 1.9kg-m/6500rpm
[2.0kg-m/6000rpm]
{2.1lg-m/7000rpm}
変速機 常時噛合式5速リターン
{常時噛合式6速リターン}
タイヤサイズ 前3.00-21-4PR
後4.00-18-4PR
[前3.00-23-4PR
後4.60-18-4PR]
{前3.00-21-4PR
後4.60-17-4PR}
バッテリー YB3L-A
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
分解時1.8L
[分解時2.0L
交換時1.3L]
{分解時2.0L
交換時1.3L}
スプロケ 前14|後44
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 268,000円(税別)
[282,000円(税別)]
{338,000円(税別)}
※[]内はXL250S
※{}内はXL250R
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

Dream SL250S(SL250) -since 1972-

SL250S

ホンダの本格トレールとして出たSL250S。海外向けはXL250という名前で発売。

いきなりですが実はホンダはSL250Sの前にもいわゆる未舗装を走ることを考えられたバイクを作っていました。それは1962年に出たCL72 SCRAMBLERという文字通りスクランブラーのバイク。

SL250S

当時はまだ明確な「オフロードバイク」という定義がなく各社とも手探り状態の時代。そんな状況の中でいち早く出たCL72は”オフロード走行に対するホンダの答え”だったわけです。

オンロードモデルCB72をベースにアップハンドル&アップマフラー、そして専用のシングルクレードルフレームにクランク新造と必死に答え求めて考え抜いた形跡が垣間見えるバイク。

でも残念なことに正解ではなかった。当時まだ未知の問題のジャンルだった”オフロードバイク”に初めて正解したのはヤマハ。CL72 SCRAMBLERの6年後の1968年に出たトレールDT-1です。

dt-1

深いストローク量を持つサスペンションにブロックパターンタイヤ、エンジンガードを兼ねたアップマフラー、何より単気筒を武器に低速からトルクフルで圧倒的な軽さと細さを持っていた事から大ヒット。いち早く問題に取り組んだホンダだったけど先に答えを導き出されてしまったわけです。

CL72 SCRAMBLERが間違えていた部分は二気筒エンジン。4st二気筒からくる取り回しの重さがオフロードの先駆車になれなかった最大の理由。

当時ホンダはレースで培った高性能エンジンとして並列二気筒エンジンを全面に押し出していた。つまり皮肉なことに結果を残していた強すぎるオンロードの考えをそのままオフロードに持ってきてしまった事が仇となった。

SL250S

それでもホンダは他社を真似ない精神、オフロードの答えはまだDT-1と決まっていないと、71年にCL250という後継を出しCLシリーズとして展開していきました。

しかしDT-1ブーム(オフロードブーム)の勢いは凄まじく一向に衰える気配がない。

指を加えてみている事しかできなかった営業や卸の堪忍袋も限界で

「DT-01に対抗できるバイクを出せ」

と突き上げを食らい、とうとう折れて出したのが1972年に出たこのSL250Sというわけ。

SL250Sカタログ

アルミリム、マグネシウム合金クランクケースカバー、強制開閉式キャブと当時としては贅沢な作り。そしてなにより単気筒・・・が、やっぱり4st。

この頃は2st全盛期で4stは車重やパワー面での見劣りを否めなかった。ましてオフロード車となると尚のこと。

実際ホンダもこのSL250Sとほぼ同時期にエルシノアMT250という2stオフを出した。だから本来なら2stほどの需要が無い4stオフSL250Sは要らないハズ。それでもなお出し続け止めなかったのは4stへのこだわりというかプライドの現れでしょうね。

このようにホンダのオフロード部門というのは、実は最初から成功を収めたわけではなかったんですね。

主要諸元
全長/幅/高 2120/840/1125mm
シート高
車軸距離 1410mm
車体重量 136kg(乾)
燃料消費率 43.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 8.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 248cc
最高出力 22ps/8000rpm
最高トルク 2.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格 208,000円(税別)
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

ドリームCB400FOUR(CB400F) -since 1974-

CB400FOUR

「4into1(フォーワン)の ひくく 静かな吐息」

大人しすぎるという事からボアを4mm拡大し408ccとなったドリームCB400FOUR。

「ヨンフォア」

という愛称が有名ですね。

コンセプトスケッチ

排気量を上げてパワーを稼いだだけでなく他にも若干のバックステップ化や、まだ珍しかった集合管を装備しカフェレーサー色を強める事に。

ちなみにこの流れるような取り回しになっているエキゾーストパイプは大きなオイルエレメントを避けつつ集合させる為にこうなった物だったりします。

それがトレードマークになったという何とも面白い話。

ところでヨンフォアのカタログは最初

「おお400。」

というキャッチコピーが表紙にあって中を開くと

「お前は風だ。」

お前は風だ

と書かれていたんですが、このフレーズが暴走族を助長させるという事から

「おお400。お前が好きだ」

というフレーズに変えた話が有名ですね。

その事からもわかるように当時は暴走族が社会問題と化していました。そこで1975年に行われたのが運転免許制度の改正です。

【~125cc|無制限】

という区分だった二輪免許を

【~125cc|~400cc|無制限】

と中型を新たに設ける形に。

408ccだった『ヨンフォア潰し』としか言えない改定で、ホンダも慌てて399ccまでボアダウンしたモデル(型式CB400F)を出すなどして対策する事に。

結果としてヨンフォアは全部で三種類が併売される形になりました。

CB400FOURシリーズ

408ccのCB400FOUR
398ccのCB400FOUR-I
398ccとアップハンドルのCB400FOUR-II
の三種類です。

そんな法まで変えてしまったCB400FOURだったんですが、実はそんな反響とは裏腹に僅か三年ほどで生産終了となり後継も出ませんでした。

CB400カタログ写真

その理由は

「コストがCB750FOURと変わらず採算が取れない」

という理由から。

実質的にCB750FOURと製造コストはほぼ変わらず排気量の関係から安くする必要があった事が問題だったんです。

だからモデルチェンジで大事にされたのは

『採算性の改善』

排気量を上げたのもパワーを底上げする狙いと同事に売値を上げる為だったんですが、今度は高価になりすぎた事で憧れで終わってしまう人が多く販売台数は伸びず。

まだ2stが全盛で同等以上の速さを持ちつつ半値ほどで買えるバイクがゴロゴロあった時代だった事も影響しています。

そんな状況を打開するため様々なバリエーションも検討されました。

CB400カフェデザインスケッチ

これはその一つのカフェレーサースタイル。

実際にプロトタイプも製作され市販化寸前まで来ていました。

CB400FOURカフェプロトタイプ

しかし当時はカウルが認められない時代だったので認可が貰えないとなり敢えなくボツに。

捉えようによっては40年前に造られたボルドールのプロトタイプですね。

結局この採算性の問題をクリアする事が出来ず八方塞がりとなってしまい、ホンダは二気筒のホークにバトンダッチする形で直四を止める事になりました。

中免を生んだ事からも分かる通りヨンフォアというバイクは良くも悪くも何もかもがイレギュラーなバイクでした。

おお400

時代を代表する名車は数あれど、時代を動かしたバイクはこのヨンフォアくらいではなかろうか。

主要諸元
全長/幅/高 2050/705/1040mm
{2050/705/1040mm}
[2050/780/108 0mm]
シート高
車軸距離 1355mm
車体重量 183kg(装)
{[184kg(装)]}
燃料消費率 36.0km/L
{[39km/L]}
※定地走行テスト値
燃料容量 14.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC4気筒
総排気量 408cc
{[398cc]}
最高出力 37ps/8500rpm
{[36ps/8500rpm]}
最高トルク 3.2kg-m/7500rpm
{[3.1kg-m/7500rpm]}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00S18-4PR
後3.50S18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 327,000円
[327,000円]
※{}内はI型
※[]内はII型
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

ドリーム CB350FOUR -since 1972-

ホンダCB350FOUR

「太陽と旅するFOUR」

CB750FOUR、CB500FOURに続いて発売されたCB350FOURはホンダにとってUnder400初のインラインフォーなんだけど恐ろしいほど認知度が低いモデル。

CB350FOUR

初代のミドル直四はCB400FOURだと思い込んでる人も多いのではないでしょうか。

このCB350FOURは先に出ていた元祖ナナハンことCB750FOURに本田宗一郎が乗ろうとしたところ部下に止められ

「じゃあ俺でも乗れるCB(直四)を作れ」

と言われた事から造られたバイクとも言われてます。

CB350FOURジャケット

だからCB350FOURは4気筒の割には大人しく従順な特性。ただ流石に4気筒なだけあって車重もあった事から

「ツイン(2気筒)よりも遅いフォア(4気筒)」

と言われ車体価格もワンクラス上だったから人気は今ひとつで僅か2年ほどしか造られませんでした。

「ミドル直四なら売れそうなのに」

と思いますが、この頃は免許区分が125までと大型の二種類で俗に言う中型という区分がまだ無かった事も災いしたんでしょうね。

主要諸元
全長/幅/高 2070/780/1090mm
シート高
車軸距離 1380mm
車体重量 184kg(装)
燃料消費率 36.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 14L
エンジン 空冷4サイクルOHC4気筒
総排気量 347cc
最高出力 34ps/9500rpm
最高トルク 2.7kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00S-18-4PR
後3.50S-18-4PR
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
 
スプロケ
チェーン
車体価格 265,000円(税別)
系譜図
CB350FOUR1972年
DREAM CB350FOUR
(CB350)
CB400FOUR1974年
DREAM CB400FOUR
(CB400/F)
CBX400F1981年
CBX400F
(NC07)
CB-11989年
CB-1
(NC27)
cb400sf1992年
CB400SF
(NC31)
CB400SF ver.R1995年
CB400 ver.R
(NC31)
CB400SF ver.S1996年
CB400SF ver.S
(NC31)
CB400FOUR1997年
CB400FOUR
(NC36)
CB400SF HYPER VTEC1999年
CB400SF
HYPER VTEC
(NC39前期)
CB400SF SPEC2

2002年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC2
(NC39中期)

CB400SF SPEC32003年
CB400SF
HYPER VTEC SPEC3
(NC39後期)
CB400Sb2005年
CB400SF/SUPER BOL D’OR
(NC39後々期)
NC422007年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42)
NC42後期2014年
CB400SF
CB400SB
HYPER VTEC Revo
(NC42後期)

CB750K/F(RC01/RC04)CB900F(SC01-09)-since 1979-

CB750F

「スーパー・スパルタン・スポーツ」

ホンダ初のDOHC4バルブ直列4気筒車となるCB750FとCB900F。

この頃になるとCB750FOURの登場によってスポーツバイクのハードルは大きく上がると同時に、強力なライバル達が次々と登場していました。

するとCB750は当然ながら苦戦、セールス面でも苦汁を飲まされる展開となっていたわけです。

特に顕著だったのが欧州で、デカくて重い(北米好みの)バイクばかりになっていたホンダはシェアを落としていった。

そこで久米専務(後の三代目社長)は

『ノルマンディ上陸作戦』

という方針を打ち立て、入念な情報収集と新機種の発売を計画しCB750FとCB900Fを発売・・・となるわけですが、その前に紹介しておきたいのがCB750K/RC01と呼ばれるモデル。

CB750FOUR-K

CB750FOUR-IIの後継として開発された新設計のDOHCエンジンを積んだモデル。

CB-Fというのは、この既定路線だったCB750Kがベースになります。

まずデザイナーの森岡さんがヨーロッパに籠もってヨーロッパで通用するデザインをスケッチ。

CBラフスケッチ

そしてこのデザインを元にCB750Kベースで造られたのがCB-Fなんです。

ただ事はそう単純でなく、CB-Fを造るために招集されたのが何を隠そうブラックバードで有名な山中さん。

山中さんは当時HERT(Honda Endurance Racing Team)という耐久レースチームに在籍していました。

hert

当時ホンダは一線から退いていたのですが、イギリスやフランスなどの法人が耐久レースで苦戦していた。

そこで川島副社長がWGP監督も務めた秋鹿さんに

「勝て」

とだけ命じ、結成されたチーム。

RCB1000

そうして1976年に造られたのがRCB1000。

CB750FOURをベースにDOHC化に加え、排気量も915cc(最終的に997cc)まで拡大された耐久レーサー。

RCB1000エンジン

当時はレギュレーションも緩かったので原型を留めていないので実質別マシン。

そんなRCB1000はデビュー年の1976年は8戦中7勝、翌年には9戦全勝という圧倒的な速さを誇り『無敵艦隊』と呼ばれるまでに。

そんなRCB1000の車体設計者だった山中さんをCB900F/CB750Fのプロジェクトリーダーとして呼び寄せた。

RC04カタログ

そう、つまり狙いはRCBの様な走行性能を持たせること、RCBレプリカを造ることだったんです。

CB750Kのフレームと森岡さんのデザインが前提という縛りの中でRCBみたいな走りのCBを造れという無理難題。

しかもヨーロッパ向けCB900Fと日米向けCB750Fの掛け持ち。そこでCB900Fを先行して開発しスケールダウンしてCB750Fを造ることに。

まず兎にも角にもパワーだということで限界ギリギリとなる901ccまで拡大し、負けないようにフレームも強化。

他にもチェックバルブ付きのFVQダンパー、ジュラルミン製セパハンやトリプルディスクブレーキなど装備も充実しRCBの技術を色濃く反映。

CB900Fリア

ただ一番話題になったのは何と言っても長いタンクとテールまで繋がっているストリームラインと少しインに曲がっているサイレンサー。

ちなみにこのストリームラインはデザイナーが死守したものなんですが、曲がっているサイレンサーは実は山中さんの独断。

こうして発売されたCB900Fは欧州がメインターゲットだった事もありトップクラスの性能も唯一無二のスタイリングも絶賛。そして少し遅れて日本でもCB750F/RC04が発売されました。

ホンダCB750F/RC04

「ホンダが本気を出した」

と世界中で話題になり狙い取り爆発的なヒットに。

もちろん日本も例外ではなく、今ほど大型二輪がメジャーではない時代だったにも関わらず400に負けない販売台数(80年7747台、81年11841台)を記録。

CB750Fカタログ

ただコレだけで終わらないのがCB-F。

ここでも手を緩めること無く、CB750FOURに倣ってまたもやレースへ参戦。

既にRCBレプリカとして人気を博していたわけですが、一方で北米では最初に言った通りデカいが正義の国。

対してどちらかと言うと欧州向けのスーパースポーツだったCB-Fはライバルがリッターだったのに750でした。

「なぜ北米向けがCB900FではなくCB750Fなのか」

というと、当時750の市販車レースが人気でその需要があったから。

これがキッカケでAMAスーパーバイクも750になるわけですが、まあそれは置いといて750を北米でも売るためにホンダはアメリカのデイトナレースに参戦。

AHM CB750F

ベースはもちろんCB750F。

ただぶっちゃげるとコレはCB750FにスペシャルKITとスペシャルチューンの実質RS1000(当時のファクトリーレーサー)のような物。

要するにレプリカを通り越して本物だったわけで、当然のように圧倒的な速さでデイトナ100で表彰台を独占。

スペンサーカラーの元ネタとして(というかスペンサーが)有名かと思いますが、こうやって北米でもレースで活躍したことで

「CB750Fは凄い」

という評価を獲得し、日欧米すべての国で大成功を収める事となったわけです。

補足しておくと日本向けだったCB750Fは発売後も各部の見直しが毎年行われています。

【CB750FZ】

・初期型

【CB750FA】

・ハロゲンライト

・鍛造ステップ

・スイングアームピボット見直し

【CB750FB】

・圧縮比を変更し70馬力に

・フロントセミエアサス

・2ポットキャリパー

【CB750FC】

・フロント18インチ化

・リザーブ付きリアサス

・アンチノーズダイブフォーク

などの改良が入っています。

※900はCB900FC型からSC09

そしてCB-Fシリーズでもう一つ特徴的なのが多彩なバリーエーション。

CB750Fインテグラ

これは大型カウルを纏ったのがCB750FCインテグラ。

このモデルは海外向けであった『CB900F2 BOL D’OR』というモデルの国内仕様になります。

CB900F BOL D'OR

一応国内向けCB750Fでもボルドールというモデルはインテグラの前からあったのですが、大型カウルが付いていない状態でした。

CB900F BOL D'OR

これはまだ国がカウルを認めていなかったからで、後付OPとして用意する事で回避していたわけです。それが規制緩和でOKになったので翌年にインテグラとして発売したというのが経緯。

CBが持つ伝家の宝刀である赤フレームCBの始まりはここ。

ボルドール

そしてホンダがなぜCBにボルドールなんて名前を付けたかもこれで納得かと思います。

耐久レースの一つ(ボルドール24時間耐久レース)を三年連続優勝したRCBのレプリカだからですね。

それにしても何故これほど様々なバリーエーションを出したのかというと『ノルマンディ上陸作戦』は単純に新モデルで反撃というのが狙いではなく、バリエーション展開による採算性の向上も狙いの一つだったから。

CB750カスタム

だからCB750Kをベースに750/900が造られ、アメリカンタイプのCB750カスタムやCB750エクスクルーシブとかいう方向性が少し違うCB(全てRC04)が登場したんです。

しかしそんなノルマンディ上陸作戦も旗艦だったCBX1000がそうだったようにお世辞にも名車続出とはなりませんでした・・・というかまあハッキリ言ってしまえばCB-F以外がパッとしなかった。

ただ一方でCB-Fはそれを補って有り余るほどの大ヒットとなり作戦は成功。

・RCBカラー

・スペンサーカラー

・赤フレーム

・ボルドール

当時を知らない人ですら知っている要素を始めたCBがこのCB750F。

スーパースポーツCB750F

これだけでCB750Fが如何に凄いCBだったか、如何にCB史に影響を与えた名車だったかが分かるかと思います。

主要諸元
全長/幅/高 2190/795/1125mm
シート高 不明
車軸距離 1495mm
車体重量 228kg(乾)
[232kg](乾)
※[]内はCB900F
燃料消費率 32.0km/L
※定置走行テスト値
燃料容量 20L
エンジン 空冷4サイクルDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 748cc
[901cc]
最高出力 70ps/9000rpm
[95ps/8000rpm]
最高トルク 6.0kg-m/7500rpm
[7.9kg-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25H19-4PR
後4.00H18-4PR
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D7EA/D8EA
X22ES-U/X24ES-U
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前18|後43
チェーン サイズ530|リンク106
車体価格 538,000円(税別)
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)

ドリームCB750FOUR-II/AERA-since 1975-

CB750F2

「SUPER SPORTS」

年次改良を続けていたCB750FOURでしたが、発売から6年が経って初めてモデルチェンジとも言える変貌を遂げました。

何が変わったのかといえばリアのディスク化もそうですが、何より一本出しマフラーになった事。

CB750Fスーパースポーツ

これは主要市場であるアメリカで集合管ブームが巻き起こった事が大きな要因。

その発端はヨシムラなんですが、まあ詳しい経緯は

『集合管マフラーは生みの親のヨシムラにとっても謎パーツだった|バイク豆知識』

をどうぞ。

そんな集合管に合わせてタンクやテールカウルも細くなっているので元からスリムだったのが非常にスリムになった・・・んですが、残念なことにあまり好評とは言えなかった。

ホンダとしては出来るだけ軽く細くすることで性能を磨いたわけですが

「ナナハンの割には迫力に欠ける」

と捉えられてしまったわけです。

CB750FOUR-Ⅱ

そこで2年後の1977年にはコムスターホイールを履かせてスポーツ性能に更に磨きを掛けたFOUR-IIとは別に、初代を彷彿とさせる四本出しマフラーとスポークホイールのKタイプを発売。

ドリーム
CB750FOUR-K
-since 1977-

CB750K7

「これでこそFOURよ」

と思う人がこの頃から既に多かったのかこっちは人気でした・・・が、実は同年にもう一台出ているんですよね。

EARA CB750A
-since 1977-

CB750EARA

なんとクラッチレスのATバージョンになるエアラ。

ホンダマチック(またはスターマチック)といって、シフトは下からN-Lと来て一番上は今でいうDにあたる☆マーク。

エアラカタログ写真

クラッチのある部分に今もメジャーなトルクコンバーターを突っ込んでAT化しています。

何故かドリームとはつかず『EARA CB750A』で、もちろん人気は出ませんでした。

一般的にCB750FOURと呼ばれる世代はここまでになります。

CB750FOUR-Kカタログ写真

フォアの始まりとして今も語られるCB750FOURですが、じゃあ皆さんCB750FOURの何処が凄いのかご存知でしょうか。

CB750FOURの凄い所は

『市販車初の直四だった事』

です・・・と言うと在り来たりに聞こえますが違います。

CB750FOUR-Kのエンジン

実はCB750FOURの四気筒というのは特段なにか凄い技術で造られたわけではありません。本当に二気筒の延長線上にある形だからコレと言って取り上げる部分は実は無いんです。

初代のテクニカルイラストレーションを用意されなかったのもそのためなんですが、でもこれもCB750FOURのコンセプトの一つ。

そのコンセプトを象徴するのが本田宗一郎がCB750FOURに対して行った指摘。

当初CB750FOURのオイルフィルター口は従来の場所ではなくエンジンの後方上部に付ける予定でした。

オイルフィルターの場所

しかし横目でそれを見ていた宗一郎が

「そんな所に付けたら交換し難いし汚れるだろ下側につけろ」

と指摘したことでエキゾーストパイプの裏になった。

直四に乗ってる人ならご存知の様に、今では当たり前の位置にあるオイルフィルターの始まりは宗一郎の指摘によって改善されたこのCB750FOURが最初なんです。

絶対に自分で一度組まないと気が済まない本田宗一郎だからこそ気付けた指摘ですね。

K0

そしてこれがCB750FOURのコンセプトであり凄い所。

前例や常識や配慮などが全く無かった時代にありながら、ただ目新しさや速さだけを追求したのではなく

『頑張れば買えて、乗れて、整備も出来る量販車初の直四バイク』

として登場したのがCB750FOURの凄い所なんです。

主要諸元
全長/幅/高 2215/860/1185mm
シート高 不明
車軸距離 1475mm
車体重量 244kg(装)
燃料消費率 不明
燃料容量 17L
エンジン 空冷4サイクルSOHC2バルブ並列4気筒
総排気量 736cc
最高出力 67ps/8500rpm
最高トルク 6.1kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25H19-4PR
後4.00H18-4PR
バッテリー FB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル 不明
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
不明
スプロケ 前18|後43
チェーン サイズ630|リンク90
車体価格 498,000円(税別)
※スペックはCB750FOUR-II-
系譜図
CB750FOUR1969年
Dream
CB750FOUR
CB750FOUR-Ⅱ-1975年
Dream
CB750FOUR-II
/K/AERA
cb750f1979年
CB750F(RC04)
CB900F(SC01/09)
CB1100R1981年
CB1100R/F
(SC05/08/11)
CBX750F1983年
CBX750F
/Horizon
/BOLD’OR
(RC17)
cb7501992年
CB750/T
(RC42/RC39)
cb1000sf1992年
CB1000SF
(SC30)
cb1300sf1998年
CB1300SF
(SC40)
sc542003年
CB1300SF/SB
(SC54)
ST2008年
CB1300SF/SB/ST
(SC54中期)
sc652010年
CB1100
(SC65)
SC65中期2014年
CB1100/EX/RS
(SC65後期)
sc54後期2014年
CB1300SF/SB
(SC54後期)