LEAD/100(AF48/JF06) -since 1998-

JF05

2st最後のリードとなる三代目のLEAD(AF48)と10ccアップしたLEAD100(JF06)。

1998年製ながらマフラーに触媒を入れ、初めて排ガス規制をクリアしたバイクだったりする。

他にも前後連動ブレーキのコンビブレーキやイグニッション、メットイン、ハンドルロックの機能を一つのシリンダーに集約したり(後期のみ)、イモビアラームのOPを用意していたりと今でこそ比較的当たり前な装備を二周も三周も先取りしていた。

そのおかげかこの三代目も人気が出た・・・んだけど、ホンダのスクーター4st化計画と排ガス規制強化に伴って2003年で生産終了となりました。

主要諸元
全長/幅/高 1795/680/1060mm
シート高 660mm
車軸距離 1255mm
車体重量 91kg(装)
[99kg(装)]
燃料消費率 46.2km/L
[43.1km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 7.5L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
[101cc]
最高出力 5.9ps/6750rpm
[9.3ps/6750rpm]
最高トルク 0.65kg-m/6750rpm
[1.0kg-m/6750rpm]
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前後3.5-10(41J)
[前後100/90-10(56J) ]
バッテリー FT4L-BS
[FTX5L-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR6HSA
[BR6HSA-9]
推奨オイル Honda純正ウルトラ2スーパーファイン
オイル容量
スプロケ
Vベルト 23100-GCS-003
[23100-KFH-003]
車体価格 199,000円(税別)
[229,000円(税別)]
※[]内はリード100(JF06)
系譜図
JF011982年
LEAD50/80/125
(AF01~10/HF01~4/JF01)
AF201988年
LEAD/90
(AF20/HF05)
JF061998年
LEAD/100
(AF48/JF06)
JF192008年
LEAD/EX
(JF19)
JF452013年
LEAD125
(JF45)

VALKYRIE/TOURER(SC34) -since 1996-

Valkyrie

「SPIRIT OF THE PHOENIX」

ネイキッドモデルだったSTDがGL1500で無くなり早八年が過ぎた頃、突如登場したアメリカンスタイルのVALKYRIE。GL1500CまたはF6Cとも言われています。

F Flat
6 6Cylinder
C Custom

ちなみに読み方は英語読みのヴァルキリーではなくドイツ語読みのワルキューレ。

これも製造は北米ですが日本にも正規で入ってきました。下の写真はスクリーンやサイドパニアなどのOPを装備したVALKYRIE TOURER。

SC34カタログ

ところで

「SPIRIT OF THE PHOENIX」

ってSHADOWのコンセプトじゃなかったかなと思ったら、これはホンダのアメリカン(シャドウやマグナなど)全てに通ずるコンセプトだったようで、ワルキューレはその頂点に立つ旗艦という立ち位置だったようです。

f6cエンジン

さてこのワルキューレ、専用ボディにGL1500のエンジンを積んでるわけですが、実はGL1500よりも豪華だったりします。

GL1500ではスペースやメンテナンス性の問題から見送られた一気筒一キャブ、つまり3+3の6連キャブがワルキューレでは採用されているんです。

同調取るのが大変そうだけどアメリカンという事でそれを逆手に取ったということでしょうか。

更に驚きなことにバルブタイミングのオーバーラップ量を増やすことで低回転寄りにするどころか高回転寄り(97ps/5000rpmから100ps/6000rpmに)にして、スポーツ性を増すというセオリーに反するチューニング。

SC34カタログ写真

でも一番すごいのはやっぱりマフラー。

一見すると6to2に見えるけど、実は6to6で一切集合していない。

これは排気音を消すことが大事だったGL1500と違い、排気音で六気筒であることを強調しアピールするため。

6本出し

でも見た目は二本出しでスリムっていう何ともニクい演出。

つまりGL1500でタブーとされた事を敢えてやっているのがワルキューレ。

良い意味で

GL1500C

「グレたゴールドウィング」

と言えるかと。

主要諸元
全長/幅/高 2555/980/1185mm
[2555/980/1460mm]
シート高 740mm
車軸距離 1690mm
車体重量 333kg(装)
[359kg(装)]
燃料消費率 22.0km/L
[21.5km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 20L
エンジン 水冷4サイクルOHC2バルブ水平対向6気筒
総排気量 1520cc
最高出力 100ps/6000rpm
最高トルク 13.5kg-m/4500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前150/80R-17(72H)
後180/70R-16(77H)
バッテリー FTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR6EA-9/DPR7EA-9/DPR8EA-9
または
X20EPR-U9/X22EPR-U9/X24EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラU(SAE10W-30)
または
HondaウルトラGP(SEA10W-40/20W-50)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量4.3L
交換時3.5L
フィルター交換時3.7L
スプロケ
チェーン
車体価格 1,450,000円(税別)
[1,640,000円(税別)]
※[]内はワルキューレツアラー
系譜図
M11972年
M1
(A0K)
GL1000GW1974年
GL1000
GOLDWING
(GL1)
GOLDWING12001980年
GL1100
GOLDWING
(SC02)
GL1200

1984年
GL1200
GOLDWING
(SC14)

GOLDWING-SE1988年
GL1500
GOLDWING
(SC22)
GOLDWING-SE1996年
VALKYRIE/TOURER
(SC34)
SC472001年
GL1800
GOLDWING
(SC47)
SC472004年
VALKYRIE RUNE
/NRX1800
(SC53)
SC682011年
GL1800
GOLDWING
(SC68)
F6C2014年
GOLDWING
F6B/F6C
(SC68)
20182018年
GOLDWING/TOUR
(SC79)

FORESIGHT(MF04) -since 1997-

フォーサイト

「Comfortable City-Runabout」

1995年にヤマハから大容量メットイン機能を備えつつエアロフォルム&走りを意識したビッグスクーターMAJESTYが発売され非常に人気が出ました。

人気と言っても2000年代にあった若者のビグスクブームとは違って大人のセダンという感じでオッサ・・・オジ様に。それを見たホンダが対マジェスティとして出したのがこのフォーサイト。

フュージョンをヤマハがマグザムとして・・・と言ったけど、実はホンダもマジェスティに対してこういう事をやっていた。

フォーサイトフロントビュー

いやまあビグスクに限らず何のバイクでもそうなんだけどね。

表向きでは四社とも良い競争を感があるけど、こうやって歴史を紐解いていくと、フルラインナップメーカーの宿命でもあるんでしょうけどプライドもヘッタクレもない事をやってたりするわけですよ。

ちょっと話がソレましたね。

フォーサイトリアビュー

フォーサイトもチョコチョコとマイナーチェンジをしています。

最初にあったのが1999年で、排ガス規制とレザーシート、リアディスクブレーキ、メッキマフラーガードなどを採用したフォーサイトSEが出ました。

しかし人気は今ひとつだったようで2003年には装備そのままで7万円も値下げしたEXが登場。2004年の最終モデルではグリップヒーターを標準搭載しました。

フォーサイトカタログ写真

厳密に言うとフォルツァのエンジンはこのフォーサイトが始まりです。

主要諸元
全長/幅/高 2070/735/1410mm
シート高 725mm
車軸距離 1450mm
車体重量 162kg(装)
燃料消費率 41.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 水冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 21ps/7000rpm
最高トルク 2.4kg-m/5500rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前110/90-12(64J)
後130/70-12(59J)
[後130/70-12(56L)]
バッテリー FTX12-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP6EA9/DP7EA-9/DP7EA-9
または
X20EPR-U9/X22EPR-U9/X24EPR-U9
推奨オイル Honda純正ウルトラE1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.3L
交換時1.1L
スプロケ
Vベルト 23100-KFG-003
車体価格 479,000円(税別)
※[]内は98以降
系譜図
スペイシー250フリーウェイ1984年
SPACY250FREEWAY
(MF01/03)
フュージョン1986年
Fusion
(MF02)
フォーサイト1997年
FORESIGHT
(MF04)
初代2000年
FORZA/S
(MF06)
二代目2004年
FORZA/Z
(MF08)
三代目2007年
FORZA X/Z
(MF10)
フェイズ2009年
FAZE/S
(MF11)
タイ2013年
FORZA Si
(MF12)
MF132018年
FORZA
(MF13)

DIO/SR/ZX(AF34/AF35)-since 1994-

AF34

「生まれ変わった−Body & Heart。」

二代目にあたるスーパーディオ(素モデルのみ)と併売する形で登場した2st最後の世代となる三代目のライブディオことAF34型。

キャッチコピーにもあるようにこのモデルでディオは大きく生まれ変わりました。

変わった部分は先代に引き続きまたもやエンジンで、縦型だったエンジンが今も広く採用されている横型エンジンへと変更すると共にストレート吸気化で7馬力にアップ。

縦型と横型のスクーター

だからライブディオは横ディオとか言われたりもします。

なんで横型に変更したのかといえば上のやっつけイラストを見て察してもらえると助かるのですが一番は

「スペースを稼ぐため」

これによりモデルからタンク容量を+0.3L、オイル容量を+0.1L。そしてエンジンが立っている事からポッコリ出ていたメットイン底面がフラットになり更に使い勝手が向上しました。

ちなみメットインメットインと言っていますが正式にはシート下トランクで、メットインという言葉は実はホンダが生み出した造語。だから商標登録もホンダが持っていたります。

ZX/AF35

話を戻すとこのモデルからはディスクブレーキ化されたSR(写真上)、そして贅沢にもLEDブレーキランプ付きのハイマウントスポイラーのZX(写真下)も最初からラインナップ。

ZX/AF35

ZXの方は相変わらず専用チューニングが施されており0.2馬力UPした7.2馬力エンジン。

今回は更に90/90-10のワイドタイヤも採用しておりデザインも一番定評があるモデル。

TRF

ちなみにカタログにはZXではボーイミーツガールやイージードゥダンスでおなじみTRF。

ZXではない素モデルの方では広末涼子さんが起用されていました。

DIO 広末涼子

豪華過ぎるキャストですが、これはもちろんDIOが相変わらず若者に人気でホンダの一番人気原付だったから。

このライブディオは人気がピークだった世代で販売期間も長かった事から累計157万台とシリーズで一番売れたモデルでした。

モデルチェンジ歴をサラッとおさらいすると1996年(実質1997年モデル)には

・前後連動ブレーキ
・ディスクブレーキの標準化(SR廃止)
・大光量ハロゲンライト
・燃料タンクの6L化
・2ピースタイプのフロントフォーク(ZXのみ)

などの変更。

ZX後期

”規制前後期”といわれるモデルで何気に前期とはかなり部品が変わっていて別物化していたりします。

更に1999年半ばには排気ガス規制に対応するためキャブセッティングと触媒入りマフラーへの変更などが入り、ドラムブレーキの廉価グレードDIO Jも販売。

DIO J

”規制後後期”と呼ばれている世代です。

2001年のマイナーチェンジでイモビライザー(OP)に対応すると同時に素ディオと一本化されDIO Sへと改名されました。

以下ちょっと蛇足。

国産スクーター市場における最量産車モデル(ホンダ調べ)にまで上り詰めたディオなんですが、成功すると変なことを始めだすホンダの悪い癖と言いますかホンダらしさと言いますか、カゴ付きのチェスタやポップ調のフィットなど痒い所に手が届く派生モデルもあったんですが中にはこんな珍妙なモデルもありました。

DIO BAJA

『1995年 DIO BAJA/AF28』

XLR250やXR250でおなじみBAJAのアイコンである丸目二眼を取って付けたディオ。

補足しておくとBAJA(バハ)っていうのはメキシコにある半島をノンストップで駆け抜けるバハ1000というラリー。早い話が北米版パリダカみたいな感じでそれをイメージしたもの。

XLR250で出したらパンチが効いてて好評だったからモンキーと同じ様にディオでもパロったという話。

ディオバハ

ただこのBAJAモデルはディオらしく単純にパロっただけではなくもう一つ特徴があります。それはベースとなっているのがライブディオではなく先代のスーパーディオだという事。

先代の在庫処分なのか・・・それとも本当に過酷なエンデューロに必要不可欠な整備性の良さを取るためにわざわざ縦型エンジンにしたのかは謎。

ただこれだけでは終わりません。

1996年にはDIO STと呼ばれるモデルも販売。

ディオST

『1996年 DIO ST/AF35』

何やらフロントホイールの向こう側にチラリと見える事からダブルディスクかと思いきや、これは車速を測るためのセンサー。驚くことなかれ実はこれABSを採用しているんです。

ABSシステム

しかもリアを握るだけでフロントも自動で掛かる前後連動式という現在多くのホンダ車に採用されているコンバインドABSに通ずるもの。

一般的なオートバイではなく不特定多数が乗るディオで先行搭載する度胸が凄い。

そして最後に紹介するのがこれ。

スケルトンZX

『2000 DIO ZX スケルトン/AF35』

中身が薄っすら見えるスケルトンボディのZX。ショーモデルとかではなく本当に限定5000台で2000年に販売しました。

「スケルトンとかダサいし意味がわからない」

と今なら言われそうですね・・・

スケルトンZXカタログ写真

当時を知る人なら分かると思いますがスケルトンが大流行していたんですよ。

もう本当に猫も杓子もスケルトンモデルを出してた。キッカケはiMacだったかな。

主要諸元
全長/幅/高 1675/615/995mm
[1675/630/995mm]
シート高 700mm
車軸距離 1145mm
車体重量 73kg(装)
[75kg(装)]
{76kg(装)}
燃料消費率 46.9km/L
{46.3km/L}
※定地走行テスト値
燃料容量 5.3L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 7.0ps/6500rpm
{7.2ps/6500rpm}
最高トルク 0.79kg-m/6250rpm
{0.81kg-m/6250rpm}
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後3.00-10-42J
{前後90/90-10-50J}
バッテリー YTR4A-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR6HSA
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
1.3L
Vベルト 23100-GG2-751
車体価格 144,000円
[156,000円]
{167,000円}
※[]内はSR/AF35
※{}内はZX/AF35
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)

DIO/SR/ZX(AF27/AF28)-since 1990-

スーパーディオ

「ザ ストリート スタンダード」

二代目となる本家ディオ改めスーパーディオ/AF27型。

何がスーパーになったのかというと

・5.4馬力→6.8馬力
・燃料タンク4L→5L
・オイルタンク0.8L→1.2L
・ツインフォーカスライト標準装備
・MFバッテリー標準装備
・プッシュキャンセルウィンカー

などなど。

ただし実はこのスーパーディオ、翌年に更なるスーパー化をします。

AF27アクセサリー

翌91年に先代でも好評だったディスクブレーキ装備のSR/AF28型が登場したから・・・ではありません。

実はこのSRが出て少しした頃にディオはエンジンに変更が加えられたんです。変更が加わった部分はストローク運動を受け止めて回転運動に変換する棒であるクランク軸。

クランクシャフト

91年モデルから(SRは出て数カ月後から)クランク軸が12mmから14mmへ一回り太くなったんです。

これが何をもたらすのかと言うとズバリ強度の向上。言い換えるならばチューニングキャパシティの増加。

これによってディオは

「速い、カッコイイ、そして弄れる」

と三拍子揃った原付へと進化。縦型エンジンのおかげで潜る必要がほぼ無いほどの整備性の良さも相まってディオマニア達の間では

『縦ディオ』

として今でも非常に人気があったりします。

そしてそして忘れてはならないのが1992年、原付小僧なら誰もが憧れたZX/AF28型が登場。

AF28

SRにテールスポイラーを付けただけかと思いきや

・シリンダー
・キャブレター
・マフラー

を新設計し更にワイドレシオ化。これにより30km/hを過ぎてから本領発揮するスポーツ性能を獲得。

ちなみに読み方はゼッペケとかゼットエックスとか言われていますが

「ジーエックス」

が公式の読み方です。

主要諸元
全長/幅/高 1640/615/995mm
{1640/625/995mm}
[1650/630/1005mm]
シート高 700mm
{700mm}
[715mm]
車軸距離 1145mm
{1145mm}
[1150mm]
車体重量 68kg(装)
{70kg(装)}
[71kg(装)]
燃料消費率 48.5km/L
{48.5km/L}
[46.9km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 5.0L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 6.8ps/7000rpm
{6.8ps/7000rpm}
[7.0ps/7000rpm]
最高トルク 0.73kg-m/6500rpm
[0.74kg-m/6750rpm]
変速機 無段階変速機(Vマチック)
タイヤサイズ 前後3.00-10-42J
バッテリー YT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR6HSA
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
1.2L
Vベルト 23100-GG2-750
車体価格 134,000円(税別)
{145,000円(税別)}
[159,000円(税別)]
※{}内はSR/AF28
※[]内はZX/AF28
系譜図
DJ-11985年
DJ-1/R/L/RR
(AF12/AF19)
AF181988年
DIO/SR
(AF18/AF25)
Gダッシュ1989年
G’
(AF23)
AF271990年
DIO/SR/ZX
(AF27/28)
AF341994年
DIO/SR/ZX/J/S
(AF34/AF35)
AF562001年
DIO/Z4/DX
(AF56/AF57/AF63)
AF622003年
DIO
(AF62/AF68)
JF312011年
DIO110
(JF31)
JF582015年
DIO
(JF58)

スーパーカブ 50/90-since 1997-

スーパーカブ

これまた結構とんで1997年頃・・・といっても先に紹介したエコノパワーカブから大きな変更はなく、世代的に言うと前ページと同じでカブ史の中では20年以上続いた最長の世代。

そんな中で敢えて挙げるとするなら1996年から採用されたタフアップチューブというタイヤ。

IRCタフアップ

これはスーパーカブの唯一の欠点とも言えるパンクのしやすさを何とかしようとして開発されたチューブタイヤ。まあスーパーカブの欠点というよりチューブタイヤの欠点なんですが。

チューブタイヤというのは自転車と同じように空気が詰まったチューブが入っているタイプのもので、ご存知のように釘などを踏んで中のチューブに刺さるとアッという間に空気が抜けてしまう。

タフアップチューブ

そこで考えられたのがタフアップチューブ。

チューブを二重構造にし、中にパンク修理剤を封入することで万が一クギなどが刺さって穴が空いてもパンク修理剤が飛び出て塞ぐようにしている仕組み。

タフアップチューブの仕組み

これで長距離も安心・・・なハズなんですが、絶対に防げるかと言うとそうでもないのが現実。

例えば見て分かる通りパンク修理剤が入っているのは接地面だけで横には入っていない。

タフアップチューブのサイド

だから例えば路肩で擦るとか、空気圧不足によってリムで擦り潰してしまうなどのサイド起因によるパンクには無力だし、劣化してくるとパンクしていないのに修理剤の封が破れて溢れてくる。

そして何より構造が複雑な分ノーマルチューブに比べて重い上に値段が倍近い(それでも2000円)という事からあまり普及せず、またホンダも後に採用を取りやめたことで2016年頃をもって取り扱っていたIRCも生産を終了しました。

2002年式スーパーカブ

あとは挙げるとするなら70ccが1998年モデルを最後に廃止となり50と90の二台体制となった事と、1999年モデルから排ガス規制対応で0.5馬力下がった事くらい。

マフラーガード無しが規制前、有が規制後モデルです。

それくらいですね・・・では何故ここで区切ったかというと、一貫して国内生産だったカブはこの世代までというのもあるんですが、もう一つは”アレ”が出た年だからです。

リトルカブ
(A-C50)
-since 1997-

リトルカブのカタログ写真

そう「リトルカブ」です。

郵政カブと同じ14インチホイールを履き全体的にコンパクト&カジュアルになった・・・けどカブのスタイルは崩していないお洒落バージョン。

その見た目通り若者が主なターゲットで

「カブ=仕事バイク」

というイメージを払しょくする狙い通り、見事に若い世代にウケました。1999年には排ガス規制に対応しセル付き四速ミッションのAA01型に。

リトルカブ

このリトルカブは

「ホンダ二輪総生産台数一億台目」

という記念すべき車種に選ばれたバイクでもあり、国産カブの大役をのちに担う事になるバイクでもあります。

リトルカブラ

・・・ちなみにリトルカブにもカブラはありました。

主要諸元
全長/幅/高 1800/660/1010mm
[1805/660/1015mm]
シート高 735mm
車軸距離 1175mm
車体重量 78kg(装)
[84kg(装) ]
燃料消費率 135km/L
[60km/L]
燃料容量 4.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 49cc
[85cc]
最高出力 4.5ps/7000rpm
[7.0ps/7000rpm]
最高トルク 0.52kg-m/4500rpm
[0.79kg-m/5500rpm]
変速機 自動遠心式三速リターン
※停止中のみロータリー
タイヤサイズ 前2.25-17(33L)
後2.25-17(33L)
[前2.50-17(38L)
後2.50-17-(43L)]
バッテリー FT4L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR6HSA
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ 前13|後40
チェーン サイズ420|リンク98
車体価格 155,000円
[177,000円]
※スペックはスタンダード
※[]内は90デラックス
系譜図
カブ号F型1952年
Cub F号
初代C1001958年~
SuperCub
C100
1964年式1966年~
SuperCub
C50/65/70/90
1971年式~1971年~
SuperCub
C50/70/90
1980年式~1980年~
SuperCub
50/70/90
2000年式1997年~
SuperCub
50/90
2008年式2008年~
SuperCub
(AA01/JA07)
2012年式50/1102012年~
SuperCub
(AA04/JA10)
2017年式50/1102017年~
SuperCub
(AA09/JA44)

XL1000V VARADERO(SD01/02)-since 1999-

バラデロ

「Change your VIEW」

実質的にトランザルプのリッター版として登場したXL1000Vバラデロ。

エンジンは日本でもお馴染みVTR1000Fの90°Vツインを使っているので、厳密に言うと系譜は繋がっていません・・・が、同じアドベンチャークラスという事で少しご紹介。

ちなみにバラデロっていうのはキューバ最大のリゾート地であるバラデロ半島から取ってます。
XL1000V

トランザルプの方を読んでもらってると分かる通り、このクラスのマルチパーパスというのは欧州で人気があります。

それはこのバラデロも例外ではなく、エンジン元であるVTR1000が2007年の排ガス規制を機に生産終了したのに対し、このバラデロはVTR1000Fを差し置いて2003年にFi化(SD02型)され継続販売。
VARADERO

スペインで2013年まで生産発売され根強い人気がありました。

元気なエンジンを積んだ楽ポジバイク・・・例えるなら”ストリートラリー”ですね。

主要諸元
全長/幅/高 2300/930/1465mm
シート高 838mm
車軸距離 1560mm
車体重量 265kg(装)
燃料消費率
燃料容量 25L
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 996cc
最高出力 94ps/7500rpm
最高トルク 10.1kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/80R19(59H)

後150/70R17(69H)

バッテリー 6N4-2A-4
プラグ

※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価

DPR8EVX-9

[IJR8B9]

推奨オイル
オイル容量

※ゲージ確認を忘れずに

交換時3.4L

フィルター交換時3.6L

スプロケ 前16|後47
チェーン サイズ525|リンク112
車体価格

※国内正規販売なしのため

※[]内はSD02

系譜図
XL5001979年
XL500S/R
(PD01)
XL600Rファラオ1985年
XL600R PHARAOH
(PD03)
XLV750R1983年
XLV750R
(RD01)
RS750D1983年
RS750D/NS750
NXR7501986年
NXR750
トランザルプ1987年
TRANSALP
(PD06)
(RD10/11/13/15)
XRV600アフリカツイン1988年
Africa Twin
(RD03/04/07)
バラデロ1999年
VARADERO
(SD01/02)
CRF1000L2016年

CRF1000L
Africa Twin
(SD04)

CRF1000L2019年

CRF1100L
Africa Twin
(SD10)

XR250/BAJA(MD30) -since 1995-

XR250前期

「乗り手が自由自在に操れ、ライダーのポテンシャルを最大限に引き出せるマシンの具現化」

XLR250Rの後継だけどフルモデルチェンジを機にレーサーのXRと同じ名前になったXR250。

少し補足するとホンダは昔からXR250Rという公道走行不可のエンデューロレーサーを出してました。そのレーサーの公道モデルがXLRやこのXRというわけです。

スーパーエンデューロレーサーXR250R

ちなみに海外向けレーサーのXR250Rでしたが、逆輸入という形で登録すると(250cc以下は書類のみと検査が甘いことから)ナンバーが取れちゃったりしてました。本当は駄目なんだけどね。

XR250RがエンデューロレーサーでXR250が公道向けです・・・ややこしいですよね。

ホンダの謳い文句によると先代XLRまではレーサーXR250Rに準拠する公道モデル”XRのオンロードミニマム”という立ち位置だったんだけど、このXR250からはソコから更に裾を広げた”何でも熟せるXR”というコンセプトに変わりました。

具体的に何が変わったのかというとまず挙げられるのがバッテリーが積まれセルスターターが付いた事。

XR250

そそてサスペンションも多目的に使えるように改良されキャブレーターもスムーズさを得るために強制リフト機構のCVキャブに変更。多機能デジタルメーターも付きました。あとはRモデルと共通なドライザンプ化によるエンジン重量の軽量化などです。

カタログスペックだけ見てRの方が高いから

「レーサーでもナンバーが取れるならRのほうが良いじゃん」

と思いがちだけど、そうとも言い切れないのが公道。MD30をME06/08の去勢モデルとかいう人が居るけど、そういうわけではなく多目的バイクのデュアルパーパスとして使い勝手を考えたのがMD30。まして日本は良くも悪くも舗装が何処までも行き届いてますからね。

XRバハ

そして再び登場するBAJAもXRに合わせてXR BAJAにモデルチェンジ。

トレードマークだった丸目二眼はフレームマウントに変更され大きくなりました。

XR250BAJAラフデザイン

何度も言いますがこの強烈な顔は癖になりますね。

ただXR BAJAが猛威を奮ったのは翌年の96年モデルから。

XR250BAJA

というのも一年絶たずにBAJAだけモデルチェンジされタンク容量が9Lから一気に14Lにまでアップしたから。使い勝手が更に向上したわけですね。 

二年後の1997年にはXR/BAJA共々フレームやサスペンションを変更するマイナーチェンジが行われ2000年には排気ガス規制強化に対応するためにエアインジェクションシステムの採用など細部の改良。

MD30カタログ写真

両車種とも非常に人気でオフの定番として長いこと愛されたバイクです。

主要諸元
全長/幅/高 2140/820/1205mm
{2140/820/1225mm}
シート高 880mm
車軸距離 1405mm
車体重量 128kg(装)
{130kg(装)}
燃料消費率 38.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 9.7L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 28ps/8000rpm
最高トルク 2.6kg-m/7000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 3.00-21(51P)
4.60-18(63P)
バッテリー YTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EH-9/CR8EH-9/CR9EH-9
または
U22FER9/U24FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.7L
交換時1.3L
フィルター交換時1.4L
スプロケ 前13|後39
チェーン サイズ520|リンク104
車体価格 479,000円(税別)
{499,000円(税別)}
※{}内はBAJA
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

XL Degree(MD26/MD31) -since 1991-

XLディグリー

「地球案内人:XLディグリー」

このディグリーは名前こそXLだけど分家のようなXLで街乗りや高速など如何なる状況でも安定してパワーを発揮する為の低速寄りにチューニングされたAX-1ベースの水冷エンジンを積んでます。

更にケッチンの心配が要らないセルスターターに790mm(XLR250Rは860mm)という驚異的な足つきの良さ。優しさ溢れるXLといった感じですね。

元となったAX-1(MD21)というバイクはこれ。いわゆるマルチパーパス250という立ち位置のバイク。

ホンダAX-1

AXの意味は「新しい軸(AXIS)」という言葉から取ってAX-1。残念ながら新しい流れを生み出せず押し返されました。

でもCRF250RALLYが出た今、そのオンロードモデルとして出たら人気が出そうですけどね。アメリカではCRF250RALLYじゃなくてCRF250L RALLYとなってるからCRF250M RALLYも無きにもあらずのような。

ちなみにこのAX-1/ディグリーはこう見えてレーサーのNS500で生み出された軽量かつ放熱性に優れ、過酷な状況下に強いNS(ニッケル・シリコンカーバイド)メッキシリンダーというちょっと贅沢なエンジン加工がされています。

ディグリーカタログ写真

だから初心者や女性向けの分家XL的な立ち位置という優しさの中にもスポーティさがある。

ディグリー分布図

下からモリモリトルクというエントリーらしさは持っているものの、元々が快速マルチパーパスのAX-1だった事もあり眠くないどころか結構元気。

XL250ディグリー

クラストップとなる足つき、各部ラバーマウント化、着色樹脂外装、9.3Lとそこそこ容量が多いタンク、荷掛けフックと多目的にこなせる取っ付きやすさを持つ一方で、元気なエンジンとフロント21:リア18インチというフルサイズホイール。

伊達にXLの名前を付けてる訳じゃないという事かな。

MD26

95年にはフェイスマスクの変更に加え、リアブレーキまでもディスク化などで更に走りを磨きをかけたMD31にモデルチェンジしています。

ちなみにディグリーとは経度・緯度・温度計などの「度」の意味。

主要諸元
全長/幅/高 2100/815/1155mm
[2100/825/1135mm]
シート高 790mm
車軸距離 1360mm
[1355mm]
車体重量 129kg(装)
[131kg(装)]
燃料消費率 45.0km/L
[40.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 9.3L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 25ps/8000rpm
最高トルク 2.5kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前2.75-21(45P)
後4.60-18(63P)
バッテリー FTX7L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH9/CR7EH9/CR9EH9
または
U24FER9/U22FER9/U27FER9
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.6L
交換時1.3L
フィルター交換時1.32L
スプロケ 前13|後44
チェーン サイズ520|リンク102
車体価格 379,000円(税別)
[399,000円(税別)]
※[]内はMD31
系譜図
ホンダドリームSL250S1972年
DREAM SL250S
(SL250)
MD031975年
XL250/S/R
(MD03)
MD081983年
XLX250
(MD08)
MD16/20/221985年
XLR250R/BAJA
(MD16/20/22)
MD261991年
XL Degree
(MD26/MD31)
MD301995年
XR250/BAJA
(MD30)
MD30後期2003年
XR250/BAJA/Motard
(MD30後期)
MD362005年
XR230/Motard
(MD36)
MD382013年
CRF250L/M
(MD38)
ラリー2017年
CRF250RALLY/L/M
(MD44)

CBR600F(PC35前期) -since 1999-

honda cbr600f4

CBR600Fシリーズは初のフルモデルチェンジが行われナンバリングもF4となったPC35。

何もかも新しくなったわけだけど一番大きな変更点は遂にアルミフレームとなった事。これによって大幅な軽量化と高剛性を果たしました。

アルミになった為か初めてフレームが剥き出しになったFでもありますが、他にもエンジンを更にビッグボアショートストローク化することで馬力は再び上がって110馬力に。

110馬力/168kgなんて600SSと言っても差し支えない性能ですよね。

2000CBR600F4

こうなったのは実はCBR600Fが開拓したジャンルでライバル達との競争がすでに始まっていた。

そしてそのクラスに油を注ぐ事になったのが市販車レースの600ccクラスが出来たこと。こうなると競争の激しさが今まで以上に増すのは必然。

1999CBR600F4

ホンダもレースそしてライバルに対抗するために出したのが全面維新されのがこのF4というわけ。

でもアルミフレームやビッグボア化をする一方で一体型シートやグラブバー等、あくまでもオールマイティに使える勝手”Fコンセプト”は譲らなかったわけですね。

主要諸元
全長/幅/高 2060/685/1130mm
シート高 810mm
車軸距離 1400mm
車体重量 198kg(装)
燃料消費率 31.6km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 18L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4バルブ四気筒
総排気量 599cc
最高出力 69ps/10750rpm
[110ps/12500rpm]
最高トルク 5.3kg-m/7500rpm
[6.6kg-m/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後180/55ZR17(73W)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EH-9
または
VUH24D
推奨オイル Honda純正ウルトラG1(10W-30)
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時3.0L
フィルター交換時3.3L
スプロケ 前16|後43
チェーン サイズ525|リンク108
車体価格 798,000円(税込)
※[]内はUK仕様
系譜図
CBR600F Hurricane1987年
CBR600F Hurricane
(PC19/23)
CBR600F2(PC25)

1991年
CBR600F2
(PC25前期)

CBR600F3(PC25)1995年
CBR600F3
(PC25後期)
ホーネット6001998年
HORNET600
(PC34)
CBR600F4(PC35)1999年
CBR600F4
(PC35)
CBR600F4i(PC35)2001年
CBR600F4i
(PC35)
CB600F HORNET(PC36)2003年
CB600F HORNET
(PC36)
ホーネット600(PC41)2007年
CB600F HORNET
(PC41前期)
CB600F HORNET(PC41)2011年
CBR600F
CB600F HORNET
(PC41後期)
2014CBR600F(RC83)2014年
CBR650F
CB650F
(RC83)
2017CBR600F(RC83)2017年
CBR650F
CB650F
(RC83後期)
CBR650R2019年
CBR650R
CB650R
(RH03)