名は体を現す ELIMINATOR750/900 (ZL750A/ZL900A) -since 1985-

エリミネーター900

「SUPER CRUISER FOR PURE MEN」

エリミネーターシリーズのトップエンドとなる輸出向けエリミネーター900と、国内向けのエリミネーター750。

僅か二年ほどしか発売されなかった事と、お世辞にも人気があったとは言えない車種なのに何故かリクエストが多数・・・まあ確かに強烈ですからね。

エリミネーター900カタログ写真

何が強烈かと言うとエンジンを見てもらうと分かります。

エリミネーター750/900は水冷直列四気筒を搭載しているわけですが、飛び抜けていたと言うか、開き直ったと言うべきか。

これただの水冷直列四気筒ではなく最速フラッグシップとして前年に登場した元祖NinjaことGPZ900/750の物なんです。

1985年エリミ900

現代で例えるなら世界最速ZX-14Rが登場した翌年に、そのエンジンをローロングボディに搭載した物が登場したようなもの。

「えぇ・・・」

と、思いますよね。

しかもわざわざエンジンを低回転寄りにチューニングし、シャフトドライブ化&ローギアード化までされている。

ZL750Aカタログ写真

だからスタートダッシュは世界最速のGPZより速い。完全な直線番長というかシグナルGPしか見てない様なバイク。

つまり(誤解している人が多いですが)エリミネーターはアメリカンでなくドラッガーです。

ZL900Aカタログ写真

低く構えるライディングポジションがそれをよく表しています。

ジャパニーズアメリカンのジャメリカンではなく、ジャパニーズドラッガーのジャラッガー・・・いやジャパッガーかな。

まあそれはさておき、何故これほどのインパクトを持ったエリミネーター750/900が不人気だったのかと言うとバッティングした事が大きいです。

後に『ヤマハの至宝』と言われるまでになった怒派手でVブーストによる怒涛の加速をする1200のアレ。

実はアレもエリミネーター900と同じ1985年なんです。しかも向こうが先に出ている。※1984年発表

ZL900A

いくら何でも分が悪いと言うか、ハッキリ言ってしまえば明らかに向こうの方がドラッガーバイクとしては一枚も二枚も上手だった。

エリミネーターも悪いバイクでは無かったんですよ。

ただちょっと飾りっ気や配慮が無いことや、燃費悪いのにタンク容量が11Lしかないという人によっては致命的とも言える部分があるだけ。

ELIMINATOR750

もう少し顧客や市場を鑑みる事が出来なかったのかと思うかも知れませんが、これが80年代カワサキなんです。

この頃のカワサキは本当に唯我独尊で

「コダワリがある」

とも言えるし

「配慮がない」

とも言える一か八かみたいなバイクだらけだった。

これはエンジニアが頑固者の集まりだった事があります。

「うちは技術主導で営業に口を挟ませない」

これはエリミネーター900の実質後継ZL1000にも使われる事となるエンジンを持ったGPZ1000RXでの開発者の発言。

他にも

「営業が市場リサーチを持って来るがそんな物は見ない。リサーチなんて集計した時点で過去の物だ。」

というBtoCにあるまじき発言まで。

ただそんな頑固とも硬派とも武骨とも言える姿勢を当時のカワサキユーザーが支持していたのも事実。

エリミ750カタログ写真

『男カワサキ』

っていうフレーズを見たり聞いたりした事はあると思います。

もうあまり聞かないうえに半分ネタのようなフレーズになっているけど、当時はメーカーもライダーもその事を心の底から誇っていました。

エリミ750カタログ写真

しかしそれで二輪事業が好調だったかというと必ずしもそうとは言えず、ついていけない人がほとんどだった。

だから当時の二輪事業は完全に川崎重工業のお荷物状態。そんな状況を何とかしないといけないと人事を始め組織が大きく変わり始めたのが1986年頃。

そしてZEPHYRの成功を皮切りに、W650やESTRELLAなど柔軟な姿勢に変わっていった。

エリミ750カタログ写真

『男カワサキ』

というフレーズを最近聞かなくなってきているのはカワサキが若者から非常に人気があるメーカーに生まれ変わったから。

ただしこれはエリミネーター750/900が出た後の話。

エリミネーターはそんな変革を迎える寸前の1985年に出されたバイク。だから当時の雑誌インタビューなどでもカワサキのベテラン開発ライダーの衣笠さんも当時こう仰っていました。

カワサキELIMINATOR900

「ウチはチャラチャラしたものは要らない」

その考えは少しチャラさが必要なドラッガーも例外ではなく”エリミネート(排除)”され誕生したのがエリミネーター750とエリミネーター900。

80年代の男カワサキを体現したような最初で最後のドラッガーです。

余談

エリミネーター900をはじめ多くの大型バイクの開発ライダーをしていた斎藤さんが個人的に好きだった、もっとやりたかったバイクはエリミネーター900との事。

※KBM1999/7より

主要諸元
全長/幅/高 2255/805/1085mm
[2240/810/1075mm]
シート高 755mm
[745mm]
車軸距離 1610mm
[1595mm]
車体重量 238kg(乾)
[238kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 748cc
[908cc]
最高出力 77ps/9000rpm
[105ps/9500rpm]
最高トルク 6.7kg-m/7000rpm
[8.7kg-m/8000rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-18(56H)
後160/80-15(74H)
バッテリー YB14L-A2
プラグ D8EA
または
X24ES-U
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40から20W-50
オイル容量 全容量3.7L
スプロケ
チェーン
車体価格 745,000円(税別)
※[]内はエリミ900(ZL900A)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

エコの裏で蠢くエゴ BURGMAN FCS (DR11A) -since 2017-

バーグマン フューエルセルスクーター

「フューエルセルスクーター」

国内唯一の燃料電池二輪車として登場したバーグマンFCS。

既にナンバーを付けて公道での実験走行が始まっており、2020年頃の一般発売を目指しています。

白バイバーグマンFCS

イギリスでは既に白バイとしても試験的ながら活躍中。

一度の補給で120km走る事が可能で最高速度は75km/hとの事。

※今回はバイクの話というよりもEV&FCVや国や企業の話が中心です。

バイクではまだまだメジャーではないので、恐らく自分を含め多くの人がEV(電気自動車)とFCV(燃料電池車)の違いが今ひとつ理解出来ていないと思います。

と言うか興味ない人が大半か・・・モーターショーでこのバーグマンFCSも試乗できたんですが人気なかったようで。

構わずに話を進めますが、まずEVについてはヤマハが出したEVバイクEC-03を例に紹介。

EC-03

電動バイクはバッテリー(電池)に蓄えられている電気でモーターを回して走る・・・まあ普通ですよね。

ただし電気自動車がモーターからシャフトを通してタイヤを駆動させるのに対し、バイクの場合はインホイールモーターといって文字通りホイールの中に直接モーターを仕込む構造が一般的。

インホイールモーター

「EVはトランスミッションが不要」

と言われているのを聞いたことがあると思いますが、それはモーターの場合トルクカーブ(パワーバンド)が無いに等しく、また回転数の幅も広いことから変速が要らないから。上の写真にも載っている遊星減速機一つで事足りるわけです。

ただしこれは厳密にいうと

「トランスミッションは無くても大丈夫」

と言った方が正しいかもしれません。

NSKインホイールモーター

ベアリングでお馴染みNSKが変速機能(LOW/HIGH)付きを2017年に開発しました。

何故こんな物を作ったのかというと、ホイールに収まる小さいモーターでも動かせる様にするため。

クルマは大きなモーターで、バイクのはそこまでのトルクは要らないから今のところ不要ないのが現状。

クルマは重いからインホイールモーターになったら変速機が必要になるかもね。

もちろんインホイールモーターではないEVバイク、ガソリンエンジンのスペースがバッテリーと大きなモーターになっていてチェーン駆動するタイプも既にあります。

エネルジカ

これはイタリアメーカーENERGICA(エネルジカ)が作っているEVバイク。

145馬力/6000rpmで、上で言ったように開け始めから最大トルクが出るのでスタートダッシュは200馬力のリッターSSよりも速いです。

製造元のエネルジカは2019年から始まるMotoGPのEVクラスMoto-eにも車両(ワンメイク)を用意する予定。

そんなEV車にとって欠かせないメカニズムがあります。

「回生ブレーキ」

というやつです。

モーターでタイヤを回すのではなくタイヤ(駆動)でモーターを回す制御に切り替えて発電するシステム。

化学反応

そうする事でモーターが発電機となりバッテリー充電するというわけです。ガソリン車でいうエンジンブレーキと近いですね。

ではFCV(燃料電池車)は何なのかというと、水素を燃やして走る・・・と勘違いしている人が多いですね。それは燃料電池車ではなく水素燃料車です。

ハイドロジェンRE

マツダがやっている「ハイドロジェンRE」がそれです。

何故にマツダのしかもロータリーなのかというと、吸気・圧縮・燃焼・排気を全て同じ燃焼室でやるレシプロエンジンと違い、それぞれ別の部屋になるロータリーの方が自然発火(ノッキング)を起こしやすい水素と相性が良いから。

水素ロータリー

ただマツダの研究レポートを読むにパワーがガソリン車の半分ほどしか稼げず、光化学スモッグや酸性雨を引き起こす有害物質のNox(窒素酸化物)が出てしまう事に手を焼いているようです。

これが完成すればマツダが天下を取る日が来るかもしれませんが・・・そう簡単には行かないようですね。

いま話題になっているFCV(燃料電池車)というのは水素を燃やして走るのではなく、蓄えている水素と空気中の酸素で化学反応を起こし、生じた電力でモーターを回し走る車のこと。

化学反応

だからトヨタなんかがFCVと言っているけど、FCEV(フューエルセル エレクトリックビーグル)とも言われていて、大まかな括りで言うと電気自動車(EV:エレクトリックビーグル)と一緒。

バーグマンFCSの構造

そしてこれがこのページの主役である(ハズの)バーグマンFCSのチャート。燃料電池という所で水素と酸素の化学反応を起こし発電しています。

何故日本メーカーがこれほどまでにFCVに注力しているかというと、EVのデメリットを看過できないと判断したから。

「長い充電時間」

というデメリットです。

EV-NEO

スズキのEV原付であるe-Let’sは満充電に4時間かかります。

昨今の急速充電では30分前後で満充電に出来ますが、バッテリーに負担がかかるため寿命を縮めます。

しかも満充電で走れる距離はわずか30kmしかない。

水素充填

それが水素ならガソリンと変わらない充填速度。サッと入れてサッと出られる・・・と言うと

「バッテリーを交換式にすればいい」

と思う人も多いと思います。

e-Let'sのバッテリー

スズキもそう考えてe-Let’sは交換式バッテリーを採用しています・・・が、これはこれで問題がある。

脱着式にして手軽に交換可能にするには持てる重さにしないといけない。

電動アシスト自転車のバッテリー等を持ったことがある人なら分かると思いますが、リチウムイオン電池というのは意外と重い。

そして軽くするためには容量を減らすしか無い。でもそうすると今度は航続距離が伸びない。

リーフは400km

日産の電気自動車リーフは満充電でe-Let’sの約13倍となる400kmを走れます・・・が、これはe-Let’sの40倍近い約300kgものリチウムイオン電池を積んでいるから。

リーフのバッテリー

話題のテスラなどは600kg前後と更に倍近い量を積んでいます。おいそれと交換できる重さと量ではない。

問題はまだあります。

スマホやノートPCなど日常生活に欠かせない物になっている事から軽く考えている人が多いのですが、リチウムイオン電池というのは危険物です。

EV-NEO

衝撃や水が加わると簡単に、一瞬にして発火・爆発する危険性がある。伊達に空路輸送が制限されているわけではないです。

モバイルバッテリーのバッテリー

関係ないですが安物のモバイルバッテリーとかも危険ですよ。

そんな危険物とは知らずにコンクリートの上に誤って落とすなどの乱雑な扱いをしたり、走行中のクルマに踏まれて発火なんて洒落にならない。

簡単にアクセス出来るようにすればするほど、今度はそういった危険性が増す。だから電気自動車は一番安全なクルマの中心の底面に置くのが一般的。

リーフのバッテリーの場所

爆発起こしてメーカーに過失があるなんて言われたら会社が傾きます。

しかしEVで一番問題となるのは資源。

EVというのは今説明したようにリチウムイオン電池が大量に必要なので、リチウムやコバルトといったレアメタルを大量に使う。

ドライブバッテリー

もしも現在のガソリン車が全てEVになると枯渇すると言われており、そのため既に争奪戦が勃発中で価格は毎年上昇。

このレアメタルの代用品となりうる物が出来ない限りEVの普及には壁があるわけです。劣化もしますからね。

コバルト

だから今どのメーカーもリチウムイオンに変わる全固体などの新電池の開発に血眼です。

スマホやPCにとっても大きな躍進となるので、開発できたメーカーは世界一に上り詰める可能性だってある。

ではもしリチウムイオンに変わるバッテリーが誕生しレアメタル問題が解決したら大丈夫なのかというと・・・今度は電力不足問題が出る。

発電施設

全部がEV車になったら電力が全く足りない。

トヨタの人いわく、現在の電力では約20%ほどしか補えないそうです。

だから電力にもレアメタルにも依存しないFCVこそ新のクリーン・・・というのが日本の見解なわけですが、FCVにも大問題があります。

「水素ステーションを作らないといけない」

という問題です。

水素ステーション

ガソリンやガスが何十年も掛けて築いてきたインフラと同等の物を、電線から拝借するだけでいい充電ステーションと違い、水素ラインとして0から作っていかないといけない。

経済産業省主導で2020年度までに160か所、2025年度までに320か所の水素ステーション整備を目指すそうですが、それでもガソリンスタンドの3,500ヵ所には程遠い数。

ちなみに充電スタンドは既に20,000箇所にまで増えています。

水素ステーション協業

さて・・・恐らく多くの人が

「なぜ国はこれほど水素を推すのか」

と疑問に思っているハズ。

まずこれは最近トランプさんが脱退して話題となったパリ協定

「第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」

が根底にあります。

COP21

温室効果ガスを減らすための協定です。

最近になってEVやらFCVやらが話題になっているのは、ここでそういう取り決めが2015年に行われたから。

その中でのエネルギー政策の水素部門は・・・なんと日本が大幅リード。水素に賭けているんだから当たり前といえば当たり前ですが。

日本がなぜ水素に注力しているかというと

「化石エネルギーの依存度を下げたい」

と考えているから。

化石エネルギー依存度

日本が水素水素と言っている理由はこれ。

EVだと電力が必要になる。そして日本は発電にもガスや石油といった化石エネルギーを輸入してるのでEVでは依存度を下げられない。

かといって原発の増設は世論が許さない。

日本の企業もEVの充填時間に使用者が耐えられないと考えているので、水素推しに同調している。

せっかく手に入れた生活必需品という地位を利便性が下がる事で失いたくないですからね。

では他所の自動車先進国はどうかというと欧州はEVに全力です。

ヨーロッパ

これはEV先進国として主導権を取り、言葉が悪いですがEV利権を手に入れるため。

そのため2040年前後までにガソリン車の販売を禁止するという暴挙のような方針。あのドイツも最初は反対していたのに最後はEV派に・・・。

アメリカ

パリ協定脱退で揺れているアメリカはどっち付かず。

ただしアメリカの中でもカリフォルニア州はZEV規制というものを敷いています。

これは要するに

「EVやFCVを一定数売らないとガソリン車も一定数以上売っては駄目」

という厳しい規制。ただしこの規制にはもう一つ大事なルールがあります。

「ガソリン車枠は売買することが出来る」

というルール。これで利益を上げているメーカーがあります。

テスラモーターズ

いま話題のテスラモーターズです。

EVしか売っていないのでガソリン枠をすべてビッグ3やトヨタなどへ高値で売っている。

テスラモーターズはこの枠の売買で成り立っているとも言われています。

ちなみに意外に思うかもしれませんが、このCO2ゼロ車の急先鋒に居るのは自動車先進国の日欧米ではなく中国です。

中国

中国も2019年からNEV(ニューエナジービーグル)規制というカリフォルニア州と同じような規制を敷きます。

「なんで中国が」

と思うかもしれませんが、中国ももちろん日欧米と同じく環境保護だけが狙いでは無い。

中国には守るべき自国の自動車メーカーが居ない。だからEVという新たなスタートラインに強引にでもする事で自国の自動車産業を発展を促し、日欧米の自動車メーカーに対抗できうるメーカーを生み出すのが狙い。

ちなみに既に都市部ではガソリンバイクは走れません。インドも同じように考えこのNEV規制を導入する事が決まりました。

COP21

このようにエコについて手を携えている裏では、互いが互いを出し抜こうというエゴな思惑が蠢き合っているわけです。

人間という生き物はつくづくナントカカントカですね。

あんまり暗い話ばかりもアレなので、最後にスズキの話。

一体なぜホンダでもヤマハでもカワサキでもなくスズキが何処よりも早くFCVなんて次世代を担うかもしれないバイクを出したのかというと、スズキには苦い歴史があるから。

バーグマン125FCS

スズキは昔、車もバイクも2st一辺倒でした。

その為1980年頃に定められた排ガス規制のマスキー法をパスできるエンジンが無くなり、売れるものが無くなってしまった。

倒産の危機を迎えたスズキはトヨタに相談しダイハツからエンジンを供給してもらうことで一命を取り留めたという苦い過去があるんです。

詳しくは>>「トヨタも昔バイクを売っていた ~豊田家と鈴木家~」

この一件でスズキは開発体制を見直しました。

トヨタとスズキの技術提携

つまり最近スズキとトヨタが技術提供の道を進んでいる事、そしてこのバーグマンFCSが出てきた事は

「同じ過ちは二度としない」

というスズキの教訓が今もしっかり守られている事の現れというわけ。

HYDROGEN FUEL CELL BURGMAN

次世代の乗り物がどう進んでいくのかは誰も分からないのが現状。

でも一度失敗をして学んだスズキなら大丈夫でしょう。

それどころか、もしかしたら

クロスゲージ

「ワシらの頃はスズキと言ったら変なバイクばかりじゃった・・・」

なんて言っても信じてもらえないスズキの時代が来るかもしれない。

主要諸元
全長/幅/高 2055/725/1240mm
シート高
車軸距離
車体重量 約199kg(装)
燃料消費率
燃料容量
エンジン 強制空冷式交流同期電動機
総排気量
最高出力 6.1ps/7650rpm
最高トルク 2.3kg-m/1870rpm
変速機
タイヤサイズ
バッテリー
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
スプロケ
チェーン
車体価格
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

7と1でWE/R1 YZF-R7 (5FL) -since 1999-

5FL

「OW-02」

一年前に登場したYZF-R1にソックリな見た目のYZF-R7(5FL)

R1やR6と同じ開発責任者(三輪さん)、そして同じGENESIS思想のスーパースポーツということから、デルタボックスフレームに加え、主要三軸の三角形レイアウトによるエンジンのコンパクト化とロングスイングアーム化など作り(設計)も基本的にR1と似ています。

5FL

ただし、YZF-R7はR1と違い
・バックトルクリミッター(ヤマハ初)
・デュアルFI
・前後オーリンズ
・シングルシート仕様
・チタン製バルブ&コンロッド
・イモビライザー
などなどYZF-R1ですら最近になって採用された豪華装備の数々を10年以上も前の時点で装備。

そのため限定400台で約400万円という有り得ない高額さでした。

YZF-R7

これはYZF-R7は世界市販車レースに出場し勝つためだけに作られたホモローゲーションモデルだから。

ZX-7Rの系譜でも言いましたがこういうグループのバイク。

ライバル車

YZF-R7は捺印だけ押された空白の請求書を手渡され

「WSB(市販車レース)に勝てるバイクを作れ」

と言われた事が始まりとされています。

だからYZF-R7はトラック特化な造り。

ハンドルのキレ角も全然ないし、ポジションもかなりキツい。

YZF-R7ポジション

R1ですらキツめなのに、それを上回るキツさでシートもペラペラ。

そんな中でも特徴的なのが、外せと言わんばかりのフェンダーとオマケ程度のテールライト。

YZF-R7テール

フェンダーを外せばウィンカーはもちろんテールライトまでも一緒に取れる完全割り切り仕様。

ところでYZF-R7はリクエストを幾つか頂いたので書いてるんですが、全てが

「YZF-R7について教えてください」

という内容でした・・・至って普通なんだけど、それがYZF-R7となると少しニュアンスが変わってくる。

YZF-R7

「R1となにが違うの」

恐らくこうでしょう。

これの答えはいま説明してきた通りWSB(世界市販車レース)で勝つために作られたホモローゲーションマシン。

でもこれだけで終わっては面白くないのでもう少し掘り下げてみます。

「何故R7だけ影が薄いのか」

という事について。

R125|R25|R3|R6|R1

ヤマハのスーパースポーツバイクとしてどれも有名なのに、R7だけは今ひとつ影が薄く話題に上がる事が少ない。何故でしょう。

YZF-R7八耐仕様

「結局世界チャンピオンを取れなかったから」

という事があります・・・が、R7の場合ドラマがあったので必ずしもそうとは言い切れない。

YZF-R7ワークス

芳賀さんが乗るYZF-R7は2000年にホンダ(VTR1000SP)と熾烈な優勝争いをしました。

最終ラウンドまで決着がつかないほどのデッドヒートだったんですが、よりにもよって最終ラウンドで風邪薬だか漢方薬だかに含まれていた成分がドーピングとして失格。

YZF-R7HAGA

雌雄を決すること無く世界チャンピオンを逃してしまうという出来事となりました。だからレースには勝てなかったけど強いイメージは残っているわけです。

ちなみに芳賀さんは以降も優勝まであと一歩という状況が続いたことから無冠の帝王と呼ばれるまでになりました。

じゃあ何故R7はこれほどまでに影が薄いのかと言えば答えは一つでしょう。

YZF-R1

「YZF-R1が居たから」

ですよ。

998cc/150馬力で約100万円だったR1、一方でチューニング前提という事から749cc/106馬力で約400万円だったR7。

国際レースするわけも無い多くの人がR1の方を向くのは自然なこと。実際R1は見た目も性能も懐の広さも凄かったですからね。

YZF-R71リア

でもこれは決して不幸なことじゃないんです。

ストリート向けSSであるYZF-R1が居たからこそトラック向けSSなR7が出せたわけであり、トラック向けSSのR7を出すからこそ、ストリート向けSSのR1が存在できた。

デザインも基本設計も同じながらストリートとトラックという両極端な二車。どちらも欠ける事を許されないGENESIS思想の陰と陽みたいな関係ということ。

ただそんな関係の転機が訪れたのが2004年。

YZF-R7

R7の舞台だった世界レースのルールが750ccから1000ccへ変更された事で両車は一つに。

神さまと融合してパワーアップしたピッコロみたい・・・古いか。そのためR7はモデルチェンジのされることなく生産終了となりました。

YZF-R7

でも今もYZF-R1のトラック面を担う半身としてあり続けている。

今のYZF-R1というバイクはR7が居た頃のR1とは違う。R7とR1の二つが一つになったのが今のYZF-R1。

そう考えると・・・ほら、R1と書いてあるのにR7と読めてくる。

R1のロゴ

R7と同じチタンコンロッドを採用し

「私達はR1」

と発したその言葉の意味は。

主要諸元
全長/幅/高 2060/720/1125mm
シート高 840mm
車軸距離 1400mm
車体重量 207kg(装)
燃料消費率
燃料容量 23.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 749cc
最高出力 106ps/11000rpm
最高トルク 7.4kg-m/9000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-ZR17(58W)
後180/55-ZR17(73W)
バッテリー GT9B-4
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
R0256R-10
推奨オイル ヤマルーブ
10W40~20W40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.6L
交換時2.6L
フィルター交換時2.8L
スプロケ 前17|後43
チェーン サイズ530|リンク118
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

2190万円の妥協と志向 RC213V-S (SC75) -since 2016-

RC213V-S

「操る楽しさ(Fun to Ride)」

一言で表すなら公道を走れるMotoGPマシンRC213VであるRC213V-S。

税込みで2190万円ながら世界で約200台強(シリアルレス含む)が作られ発売された模様。正式な生産台数は明らかになっていません。

ちなみにカラーリングはトリコロールと全塗装向けカーボンモデルの二種類。

RC213V-Sカラーリング

開発メンバーはRC212VやCBR1000RRW(ワークスのW)の開発責任者を務められた宇貫さんをトップに、同じようにRCVに携わって来た人達ばかり。

目標は至ってシンプル。

RC213V

「公道を走れるRC213Vを作る」

ということ。

同じV4スーパースポーツという事でRC30/45と同列に語られていたりしますが、生い立ちは全く違うバイクです。

RC30/45は市販車レースで勝つために作られたホモロゲーションモデル。VTR-SPなんかもそう。

ホンダ360度V4

対してRC213V-Sは二年連続MotoGP三冠達成を記念して作られたメモリアルモデル。だからどちらかといえばNRの方が近い。

ちなみに市販車レースには車体価格がレギュレーション(40,000ユーロ)を余裕でオーバーしているので出場できません。

RC213V-Sサイド

ところでRC213V-Sについて少し検索してみると

「2190万円」

「公道MotoGPマシン」

といった話題性のある言葉だけで何が凄いのか(需要ないからか)書かれていないのでまず

「RC213V-Sの凄い所」

を少しだけ書いてみます。

まずはもちろんエンジンから。

RC213V-Sピストン

ホンダレーサーの証である360度クランクV4、そして十八番であるカムギアトレインをVTR-SP以来となる十数年ぶりの採用。

ホンダが一般的な市販車でカムギアトレインを止めたのは騒音の問題もありますが

「高耐久&高精度&小型」

な歯車が何個も必要でチェーンの比ではないコストだから。

RC213V-Sカムギアトレイン

予算もヘッタクレも無いRC213V-Sでは採用して当然ですね。

まあそこら辺は如何にもホンダのV4スーパースポーツという感じなので特に驚くような事では無いかと。

しかしエンジンの外見を見てみると何やらそれまでの市販車とは違う歪さがある。

RC213V-Sエンジン

オイルパン(オイルを溜めるエンジン底面)が面白い形をしているのが分かると思います。

これはRC213V-Sがセミドライサンプという方式を取っているから。

RC213V-SとVFRのエンジン

オイル室がエンジン(クランク)の底あるのがウェットサンプ方式、別の部分に溜めるのがドライサンプです。

人間で言えばウェットサンプは足湯~掛け湯で、ドライサンプはシャワーだけみたいな感じ。若干違いますが。

ではRC213V-Sのセミドライサンプが何なのかというと、オイルは先ほど言ったファラオの顎飾りの様な細長い部分に溜められています。

RC213V-Sオイルパン

「じゃあウェットサンプじゃないか」

と思いますが、実はそのプールがあるのはエンジン(クランク)の下ではないんです。

RC213V-Sクランク

一つ後ろにあるミッション室の下の深い所でクランク室はギチギチ。

これはクランクの動きをオイルに邪魔させないため。

クランクの下に溜めるウェットサンプはシンプル構造でエンジンをコンパクトに出来る反面、状況によってはオイルプールが偏り、回っているクランクが沈んで(叩いて)しまうんです。

RC213V-Sクランク

回っているクランクにとってはこれが抵抗(撹拌抵抗)となりレスポンスが悪くなってしまう。

「オイル量を減らすとレスポンスが上がる」

って聞いたことがあると思いますが、それもこの状況を防ぐため。下手したらエンジン壊れますけどね。

ちなみに0.1km/Lでも伸ばす事に血眼になっている最近の四輪エコカーが0w-20のサラサラオイルが標準となったのもこれが大きな理由です。

RC213V-Sオイルポンプ

その心配がドライサンプなら要らない。

何故ならクランクの下には最低限のオイルしか無いから。

オイルラインをわざわざ別に設けないといけなくなるのでコストは跳ね上がりますがRC213V-Sには関係ない話。

RC213V-Sオイル

更にセミドライサンプにはもう一つ狙いあります。それはクランク内圧というやつです。

クランク内圧

クランク室は真空ではなく空気が入ってます。

ここで問題となるのがピストンが膨張や吸気時など下がる時にクランク室を圧縮(圧迫)して高圧にしてしまう事。高圧になるとピストンの動きを妨げるのでロスになります。

そこでRC213V-Sはドライサンプを活かしたクランク内圧コントロールをしている。

RC213V-Sシリンダー

クランク室からのオイル回収ラインに一方通行のワンウェイリードバルブを設けているんです。

こうすることでクランク内圧を低く保つだけでなく、クランク底に落ちてきた回収待ちのオイルもピストンの圧を利用して効果的に回収できるという正に一石二鳥なシステム。

RC213V-Sエンジン

これらによってRC213V-Sは一般的な直四に対し、最大25%もポンピングロスを減らしています。

レスポンスが全然違うと言われているのはこれが大きな理由。ちなみにこれはロッシがブイブイ言わせていたV5時代のRC211Vによって生み出されたMotoGP技術。

お次はフレーム。

フレームの説明は至ってシンプル。

RC213V-Sフレーム

RC213Vとほぼ同じ材質を、同じ職人による手溶接(TIG)で作ったハンドメイド品。つまりRC213Vとほとんど同じ物ということ。

このスイングアーム(品番:52200-MJT-E00)だけでCBR1000RRが買えます。

RC213V-Sスイングアーム

約200万円です。

メインフレーム(品番:50010-MJT-E00)になると更に倍の約400万円です。

そういえばRC213V-Sが出た時には、このハンドルから生えているミラーも話題になりましたね。

RC213V-Sバックミラー

これは結局

「レーサーはカウルからミラーなんて生えていない」

という事からMotoGPで(接触による誤作動防止の為に)装備が義務付けられているレバーガードにミラー機能を持たせる事にしたわけ。

RC213Vレバーガード

MotoGPみたいでカッコ良いからこれだけ取り寄せようとするも・・・

RC213V-Sバックミラー

片方約25万円、両方で50万円という値段に閉口する人達・・・ミラーだけで50万もするなんて誰も思いませんよね。

でも驚く事はまだあります。

RC213V-Sカウリング

スペシャルモデルといえど消耗品は一般的なバイクと同じ。だけどやっぱり値段もスペシャル。

例えばエアフィルター

RC213V-Sエアフィルター

約4万円します・・・ただのフィルターが。

フィルターといえばもう一つ、オイル交換の二回に一回は交換するよう言われているオイルフィルターがありますね。

RC213V-Sは軽量化の為かカートリッジ式ではなくフィルター二層式を採用しています。

RC213V-Sオイルフィルター

2つ合わせて約8万円もする・・・しかもオイルクーラーとエキパイを外さないと交換できない整備性の悪さ。

RC213V-Sオイルエレメント

最後は点火プラグですが約3万円と良心的。

RC213V-S点火プラグ

・・・と思いきやV4なので×4で12万円。

恐らくNGKに作らせた専用のロングリーチレーシングプラグ。

RC213V-S公道

車体価格が桁違いだとランニングコストも桁違いということですね。

215馬力となるスポーツキット150万円がお買い得に思える。※価格はUSホンダより

スポーツキット

少し小話・・・というかやっと本題。

RC213V-SはRC213Vと同じかと言われると

RC213VとRC213V-S

「同じとも、全然違うとも言える」

が正直な所です。

というのも”肝心要の部分”がRC213V-SとRC213Vでは全く違うんです。MotoGPに詳しい方なら何が言いたいのか分かると思います。

RC213V-Sボディ

いい加減長くなりすぎているので巻き気味に説明しますが、違う部分は大きく分けて3つです。

一つ目は

「コイルスプリング式バルブ」

RC213V-Sエンジン透視図

バルブというのはバネの力で戻る(閉じる)構造になっています。これはカムチェーン方式でもカムギア方式でも同じ。

バルブスプリング

ではRC213Vがどういうバルブ駆動をしているのかというと

「ニューマチックバルブ」

というバルブ駆動方式を採用しています。簡単に言うとバネの力で戻すのではなく、気圧(窒素圧)でバルブを戻しているんです。

ニューマチックバルブ

これは回転数を上げていく中で、バルブを戻すバネがカムの速さに追いつけず正常に動作しなくなるバルブサージングという現象が問題となったから。

気圧(窒素圧)なら質量が無いに等しいのでそんな心配は要らない。硬さも自由自在です。

RC213V-Sエンジン

MotoGPでは当たり前の装備・・・でもそれがRC213V-Sには付いていない。

二つ目。

「ドッグクラッチ式ミッション」

RC213V-Sトランスミッション

ドッグクラッチ式というと聞きなれないかと思いますが、要するにRC213V-Sのミッションは普通のバイクと同じ常時噛合式ミッションです。常時噛合式の説明については>>VFR1200Xの系譜をどうぞ

常時噛合式

RC213Vはこれも違います。

RC213Vはシームレス式ミッションを積んでいます。

普通ギアチェンジをする時は、嵌っているドグを抜いて次のドグを嵌め込む。例えば下の図で言うと今は一速が入っている状態。

シームレス式の説明

ここから二速にしようと思ったら、先ず一速のドグ(黄色)を外して、二速(右下)のドグを入れるから

「1→N→2」

となる。

ところがシームレス式は一速のドグが噛んだまま、二速のドグも入れる。

シームレス式

普通のミッションでこれをやるとロックして吹っ飛んでしまうんだけど、シームレス式は先に入っていた方が空回りし始める仕組みになっている。

そうなってから一速側のドグを抜くから

「1→2」

とニュートラルを挟まなくなる。つまり駆動力が一切抜けないというわけ。

2015RC213V

詳しい仕組みは・・・知識不足とブラックボックスな事もあって分かりませんでしたスイマセン。

ちなみにDCTとは違います。シームレス式はMotoGPでDCTが禁止されていた事から生まれた技術です。

最後の三つ目。

「エンジンがセル始動」

RC213V-Sセルスイッチ

RC213Vはタイヤローラーという後輪を強制的に回す機械による押し掛けでしか始動出来ません。

対してRC213V-Sは重いセルモーターを付けてあるのでボタン一つで簡単に始動出来る・・・。

RC213V-Sリア

いやいやオフザケではなく真面目な話ですよ。

RC213V-SがRC213Vと肝心要の部分が違ってしまった理由はここにあるんです。

一つ目のニューマチックバルブは走行毎に窒素を充填しないと動きません。

二つ目のシームレス式ミッションは耐久性に難がある上にウン千万するユニットです。

三つ目のタイヤローラー始動は一人では出来ません。

RC213V-Sフェイス

「こんなのRC213Vのレプリカじゃない」

という声もよく分かります。

でもじゃあセル外して、ガラスのミッション載せて、充填が必要なバルブ駆動にした方が良かったのかというと、そうは思わないでしょう。

HRC RC213V

更に言うなればRC213Vはハンドルの切れ角が僅か15度しかないし、サイドスタンドもイグニッションキーも付いていない。細かい所を言えば他にもあります。

それで公道を走る事が出来るかと言えば絶対に出来ない。

レースに携わる人達が口を揃えて言う事があります。

RC213Vシリーズ

「市販車はレーサーになれないし、レーサーも市販車にはなれない」

SSやレプリカの資料でメーカー問わず何度も見聞しました。

少し前に書いたFZR400RRの開発者もYZRのレプリカを作る意気込みでワークスチームに相談したら、そう言い放たれショックを受けたと言っています。

ホンダRC213V-S

「じゃあRC213V-Sはただのプレミアバイクか」

というとそれは絶対に違います。

これ以上レーサーに近い市販車は存在しません。最もレーサーに近いバイクだからこそ敢えて厳しく現実を言っているんです。

RC213V-Sリアボディ

要するに我々の思うレーサーと本物のレーサーには大きな隔たりがあり、公道仕様にする以上は妥協しないといけない部分が必ず出る。

それはたとえ2190万円もするRC213V-Sとて例外ではないという話です。

RC213V-Sオーダー

「じゃあRC213V-Sは何を再現したのか」

って話ですが、もちろん再現したのはRC213Vです。

肝心要の構造は違う。でもなにも構造を真似る、模する事だけがレプリカではありません。

RC213V-Sへの系譜

「真に速いマシンは誰が乗っても扱いやすい」

これはホンダの、HRCの、RC213Vの考え。

実際RC213Vは拍子抜けするほど乗りやすいとよく言われている。

RC213V-Sが再現したかったのは見た目や構造ではなくこれです。

RC213V-Sコックピット

“真に速いマシンの極致であるRC213Vの操縦フィーリング”

です。

2190万円という高額になってしまったのも、挙げきれないほどの装備や技術も、それを再現する為。

RC213V-Sの壁紙

「操る楽しさ(Fun to Ride)」

この開発コンセプトの意味はそこにあるわけです。

主要諸元
全長/幅/高 2100/790/1120mm
[2100/770/1120mm]
シート高 830mm
車軸距離 1465mm
車体重量 170kg(乾)
[160kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 16.3L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 999cc
最高出力 70ps/6000rpm
{159ps/11000rpm}
[215ps以上/13000rpm]
最高トルク 8.8kg-m/5000rpm
{10.4kg-m/10500rpm}
[12.1kg-m以上/10500rpm]
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70-17
後190/55-17
バッテリー YTX5L-BS
プラグ R0486A-9
推奨オイル
オイル容量
スプロケ 前17|後42
チェーン サイズ520|リンク-
車体価格 21,900,000円(税込)
※{}内は欧州仕様
※[]内はレースKIT装着仕様
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

問題児レーサー ZX-7R/RR (ZX750P/N) -since 1996-

ZX750P

「レーステクノロジーの注入」

このバイクはZXR750(ZXR-7)の後継。要するに市販車レースの為のバイク、つまりSSです。

だから同じ立ち位置であるZX-10Rの系譜に付け加えても不思議じゃないんだけど何となくコチラへ。

NINJA ZX-7R

ショートストロークエンジンに新設計のアルミツインスパー(ペリメターフレーム)、ZXRの頃は片側だけだったラムエアダクトが両側に。

アーモンドアイ

そして可愛らしいアーモンドアイなのが特徴。

正確に言うとレース用のマシンはZX-7R(ZX750P)ではなく限定発売されたZX-7RR(ZX750N)の方。

ZX-7RR

ホイールベースを短縮した車体にシングルシート仕様、ステアやスイングアームのピボット軸位置も調節可能にしたもの。

ブレーキやサスペンションなどの足回りも違うし、キャブもビッグキャブを積んでる。ミッションもクロス化されています。

1999ZX-7R

・・・非常に言い難いのですが、ZX-7R/RRは恐らく同時期のスーパーバイク勢では知名度が低い方かと。

当時のライバル車としては

ライバル車

RVF/RC45、VTR1000SP、YZF-R7、GSX-R750、TL1000R、916/996などなど、どれも今でも話題になるバイクばかり。

何故ZX-7R/RRだけ知名度が低いのか。それはデザインや若干重いスペック等の個人差的な要素を除くと

カワサキZX-7R

“レースで結果を残せなかったから”

という事が大きいかと思われます。

最初に言いましたがZX-7R/RRは市販車世界レースであるSBKで勝つために出た経緯があります。

ZXR-7

同じ出生を持つ先代ZXR-7(ZXR750R)は1993年に世界チャンピオン&鈴鹿8耐初優勝という栄光をカワサキにもたらした輝かしいレースマシンです。

それに対しZX-7RRは残念ながらSBKでは最後まで結果を残せず、2002年からはこれをベースにMotoGPへシフト。SBKはZX-10Rに04年にバトンタッチする事で役目を終えました。

ZX-7RRチーム

少し擁護しておくと、全米では1996~1997年チャンピオン、2000年には全日本でもチャンピオンに輝いていますので、全く駄目だったというわけではありません。

それに当時の世界選手権は

「ホンダvsドゥカティ」

だったのも大きいです。

ZX-7Rカタログ写真

だからZX-7R/RRはレーサーの話ですらあまり話題に挙がらないし、情報も少ないから正直に言うと書くことが無くて辛い。

ちなみにリクエストが来たわけでもありません。

じゃあなんで書いているのかというと、一つ驚きな事があったから。

柳川さん

ご存知の方も多いと思いますミスターカワサキまたは鉄人ことTeam GREEN所属の柳川 明さん。

横におられるのが重美夫人でゼッケンナンバーは名字から取って#87。

知らない人の為に言うとSBKの海外サーキットで日本人として初めてトップチェッカーを受けた凄い方。ちなみにその時のバイクはもちろんZX-7RR。

ZX-7RRチーム

更にMotoGPマシンZX-RRやZX-10RRのテストライダーを担当し、今も全日本で活躍されています。

一方でそんな凄さを微塵も感じさせないユニークさも持ち合わせており、愛車はZX-12R(A型)とZRX1200DAEG。

柳川明

で、この人がどうかしたのかって話ですよね。

実は2012年の雑誌(RIDERS CLUB)企画で行われた宮城光さん(元ホンダワークスレーサー)との対談にて

「一番思い出深いレーサーはZX-7RR」

と答えていたんです。

数々のレーサーや開発に携わってきた中でのZX-7RR。

これだけでも驚きなんですが、更に驚きなのが自身が世界戦初勝利を挙げたバイクだからという理由”ではない事”です。

カワサキレーシングチーム

言葉を濁していましたが、ZX-7RRは完成度が高かったかというとお世辞にもそうは言えずトラブルだらけだった。

しかしその山積する問題に対し柳川さんを始めチーム全員が

「やりがいを感じていた」

と仰っていたんです。

ワールドスーパーバイクZX-7RR

「うちのチームは部品の寸法が違っても自分たちで工夫して付ける」

とも。

いやいや・・・と思いますが、恐らくこれはカワサキという事から他所よりも規模/予算が小さい事が関係していたと思います。

ニンジャZX-7Rカタログ

予算が無い規模の小さいチームというのは先ず人員が居ません。

人員が居ないということは一人あたりの仕事、責任が増える。でもそれは言い換えると権限が増える事でもある。

だから

「自分がしないといけない」

という強い責任感がチーム全員にあったんでしょう。他所から来た人ほどそう感じる傾向にあるそうです。

2013年SBKチャンピオン

カワサキは2013年にZX-7Rの後釜であるZX-10RにてSBK世界チャンピオンに返り咲きました。

ZX-7RRの先代である1993年のZXR-7以来となる20年ぶりの世界チャンピオンです。

1997ZX-7R

つまりZX-7R/RRは1993年から20年続く事となった暗黒期の始まりのバイク。

目立つ記録が無いから必然的にメディアに取り上げられる事も少なく、覚えている人や知っている人もあまり居ないNINJA。

NINJA ZX-7R

でもその分、携わったカワサキレーシングチームの人達にとっては今でも鮮明に覚えているNINJA。

問題児ほど可愛いというやつですね。

主要諸元
全長/幅/高 2090/740/1130mm
[2090/745/1130mm]
シート高 790mm
車軸距離 1420mm
車体重量 203kg(乾)
[200kg(乾)]
燃料消費率
燃料容量 18.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 748cc
最高出力 122ps/11800rpm
[122ps/12000rpm]
最高トルク 8.0kg-m/9300rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17
後190/50ZR17
バッテリー FTX9-BS
プラグ CR9E
または
U27ESR-N
推奨オイル カワサキ純正オイル
または
MA適合品SAE10W-40から20W-50
オイル容量 全容量3.6L
交換時3.0L
フィルター交換時3.1L
スプロケ 前16|後43
[前16|後42]
チェーン サイズ525|リンク110
[サイズ525|リンク108]
車体価格 ※[]内はZX-7RR(ZX750N)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

最初で最後のフルスペック DR-Z400S/SM (SK43A/SK44A) -since 2000-

SK43A

「GO TO THE TOP」

水冷400オフロードではスズキ唯一の車種となるDR-Z400S(SK43A)

このモデルは2stモトクロッサーRM250の4st版というコンセプトで作られた経緯があります。

RM250

そしてもう一つ大事なのは保安部品やセルが無いエンデューロレーサーDR-Z400(写真下:DK42A)との共同開発だった事。

DR-Z400

これは欧州を中心にして始まったエンデューロレースに合わせたもの。

・大口径バルブ
・鍛造ピストン
・メッキシリンダー
・マグエンジンカバー

を採用し40馬力を発揮する単気筒エンジンはもちろん、フレームもクロモリ鋼管製ダブルクレードルにアルミアーム。

他にも大径49mmで圧側14段・伸側18段調節可能な正立カートリッジタイプとアルミガードにアルミペダル等など本当に余念がない豪華な作り。

DR-Z400S

DR-Z400SはそんなDR-Zの公道版モデル。

だから400最速クラスであると同時に628,000円(税別)とクラス最高値の高級な部類でもありました。

DR-Z400S公式フォト

DR-Z400Sは油断すると簡単にウィリーするほど明らかにとてつもないパワーを持っていました・・・が、だからこそ手に余ると考る人達が続出した。

これはエンデューロレーサーレプリカだったからです。

レーシングポテンシャルDR-Z400S

タンクが10Lだったり、一部で三角木馬と揶揄されるほど固く薄く細いシートだったのもそういう事から。

ただシートに関しては足つきを考えて日本仕様はローシートを標準にしたのもあります。

DR-Z400S後期

一方、オフロード大国でガタイがいいアメリカやオーストラリアの人はナンバー付きのエンデュランスとして大歓迎。

向こうでは2017年時点で継続販売されており、オーストラリアに至っては陸軍にも採用されるほど。

ちなみに日本では発売されていませんが、向こうでは緑バージョンも存在しました。

KLX400R

カワサキへOEM供給されたDR-Z400Sその名もKLX400。2002年から2年間ほど売っていた様です。

しかし驚くのはまだ早い。

これのお返しとして用意されたのがLT-Z400というバイク・・・じゃなくてATV。

LT-Z400

若干傾斜していますが何処からどう見てもDR-Z400のエンジンですね。

ちなみにこっちはカワサキバージョンのKFX400。

KFX400

GSX250FX/BALIUS2やD-TRACKER/250SBといった一時期やっていたOEM提携ですが、海外でもこういう事をやっていたわけです。

DR-Z400のエンジンがタフだと言われる事や、ヨシムラがフルチューンしたのも頷ける話。

M450R

これはヨシムラが手掛けたスーパーモタード仕様のM450R。

限定13台で198.8万円(SPEC3)という超高級DR-Z400Sです。

話を戻すと・・・日本ではあまりのスペックから躊躇されたDR-Zですが、2004年から発売されたDR-Z400SM(SK44A)の方は有名じゃないかと思います。

DR-Z400SMカタログ

モトクロッサーRM用の大径倒立フォークに17インチスポークホイール。スイングアームも専用のアルミ製という相も変わらず贅沢な仕様。

DR-Z400Sがピカイチな速さを持っていた事は誰もが知っていたので、そのオンロード仕様ということで

「これなら自分でも乗れる」

と東京モーターショーで大反響を獲得しました。

DR-Z400SMz

これはブルーアルマイト加工されたホイールやハンドルバー、カシマコーティングされたフロントフォーク等を装備した限定300台の特別仕様DR-Z400SMzです。今となっては超希少・

言い忘れていましたがDR-Z400は水冷400エンデュランスとして、DR-Z400SMは水冷400モタードとして国産車初であり最後でもあるモデル。

一体なぜ続かなかったのかというとレギュレーション(クラス上限)が450ccにアップされたから。

DR-Z400SMファイナル

上で紹介したM450Rが449cc化されているのもそのためで、要するに該当するクラスがすぐに無くなってしまった。

非常に残念な事でもあるんですが、これがDR-Z400S/SMを唯一無二に近い存在にしている事でもある。

DR-Z400S/SMはスペックが凄い・・・何故そうなのか。

DR-Z400SMファイナル

「日本の免許事情に奇跡的にマッチしたフルスペック400だから凄い」

という話。

だから、ある人はレース用の450ccモトクロッサーとの勝負に用い、またある人は排気量の規格がない無差別級なジムカーナでストリートファイター達との勝負に用いる。

それだけのポテンシャルを持っていたからこんな飛び級のような事が出来た。

SK44A

普通二輪で乗れるチャンピオンイエローに恥じぬ公道最速クラスの400。

「もう二度と出ないであろうフルスペック400」

それがDR-Z400/SMというモデルでした。

主要諸元
全長/幅/高 2310/875/1235mm
[2225/870/1195mm]
シート高 895mm
[870mm]
車軸距離 1475mm
[1460mm]
車体重量 129kg(乾)
[133kg(乾)]
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 10.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 398cc
最高出力 40ps/7500rpm
最高トルク 4.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前80/100-21(51P)
後120/90-18(65P)
[前120/70-17(58H)
後140/70-17(66H)]
バッテリー YT7B-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.9L
交換時1.7L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後43
[前15|後41]
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 628,000円(税別)
[698,000円(税別)]
※[]内はDR-Z400SM

01年:各種ガード追加と小変更

03年:カムチェーンテンショナー見直し

04年:Sモデルのスプロケやマフラー形状の変更

06年:イグニッションスイッチやキーの変更、レンサルファットバーとアクスルスライダーを装備(SMのみ)

07年:フューエルコックの負圧化

08年:モデルをもって排ガス規制により生産終了

系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

決して多くない人たちへ SRX-6(1JK~) SRX-4(1JL~) -since 1985-

初代SRX-6

「Taste of the world」

今もなお一部のライダーから絶大な支持を得ているSRX。

このバイクは販売台数が低迷してきたSR400の後継機として開発がスタートした経緯があります。

1982XT400

エンジンはSRの物ではなくXT600/400のもの。

SR400の元がXT600/400のご先祖であるXT500だったことを考えると、SRXは従兄弟というか腹違いの兄弟の様なバイクですね。

SRXエンジン

いきなりですがSRXは特にこれと言って目立ったメカニズムがありません。

エンジンも振動を打ち消す一軸バランサーを装着している事くらい。

フレームも至ってシンプルなダブルクレードルフレームです・・・が、そう単純な話ではない。

SRXフレーム

当時はレーサーレプリカ全盛期で、次々と新装備や高いスペック、そして

“カウル付きにあらずんばバイクにあらず”

という時代だった。

SRXプロジェクト(SRの後継プロジェクト)はそんな風潮に納得がいかないエンジニアが自主的に集まったのが始まり。

決まりごとは一つ。

1988SRX-6

「必要なものにはコストを惜しまず、不必要なものは絶対につけない」

ということ。

「DOHCなんて飾り」

「カウルなんて整備しにくいだけ」

「セルなんて軟派な奴が使うモノ」

SRX-6カタログ写真

「同じ考えを持った決して多くない人たちに向けた本物のバイクを」

という事を至上命題に。売れる売れないは最初から頭になかった。

SRXは基本に忠実に磨き上げたような車体構造だから

「ここが凄いんだぜ」

と言えるようなメカニズムが無い。

SRXカタログ

その代わり乗れば如何にギミックを捨てて、基礎を磨き上げたバイクか分かります。

そしてそんなこだわりも持っていたのはエンジニアだけでなくデザイナーも同じ。

SRXラフデザイン

SRXは一条さんというGKデザインでVmaxなどを手がけられた方がデザイン。

この方もそれらのバイクを生み出しただけの事はあり、絶対にデザイン面で譲らなかった。

2NX

例えばこのエンジンを舐めるように囲っているフレーム。

本当はもう少しエンジンとフレームに余裕を持たせないと組む事が出来ない。でもそれではデザインが崩れるとして譲らず、アンダー部をボルトマウント(サブフレーム)に変更。

SRX-6ジャケット写真

他にも正面から見た時にフロントフォークからタンクがハミ出てるのが気に食わないとして、正月休みの間にクレイモデルを勝手に持って帰り、シレっと削るという暴挙に出てエンジニアと口論。

更には当時としては非常に珍しかったショートマフラーも肝心要だとして絶対に譲らなかった。

POTENTIAL SINGLE

だからこのマフラーは性能から導き出される本来のマフラーの作り方ではなく、この形を前提とした開発。

その努力の跡は素人目で見ても分かります。

SRXマフラー

ちなみにSRXとVmaxは同じ1985年に発売されたバイクでデザインは同時進行。

「洋(アメリカ)のVmax」

「和のSRX」

という表裏なテーマを持たせたそう。

他にも軽量化や質感の為にアルミを奢ったりしているわけですが、ここで少し話しておかないといけない事があります。

「ロードボンバー」

というバイクについてです。

ロードボンバー

「大事なのはパワーではなく操縦性」

という考えを持っていた島英彦さんという方がXT500のエンジンをベースに作り上げたシングルレーサー。

1978年の第一回鈴鹿8時間耐久ロードレースにこのバイクで出場したわけですが、四気筒1000ccが当たり前だった状況で単気筒500cc。

当然ながら誰もが無謀と思っていましたが、単気筒の武器である軽さや低燃費性など

「少ないリソースを最大限活かす」

という考えで見事8位入賞という快挙を成し遂げ一躍注目の的に。

BSA

既に開発中だったSR500/400はBSA系のデザインで行く予定だったのですが、このロードボンバーへの大反響が後押しする形でこうなった経緯があります。

初代SR400

しかしどちらかというとSRXの方がスポーツ志向でロードボンバーに近いことから

「SRXこそロードボンバーでは」

という声が広まりました・・・が、どうもSRXの開発に対しては島さんは初期に少し関わったのみで市販されたSRXとはほぼ無関係との事。

SRX-6銀

もちろんSRやSRXが生まれる事が出来たのはロードボンバーの追い風があったからなのは間違いないでしょうけどね。

話をSRXに戻します。

初代SRX-6

「俺達と同じように分かるやつだけ乗ってくれればいい」

という気兼ねで作られたSRXのモデルチェンジについてザックリ説明。

1987年
SRX-6(2NX)/SRX-4(2NY)

二代目SRX-6

・キャブやエンジン周りの見直し
・タンデムステップの移設
・18インチから17インチへ
・シングルディスク化
・4ポットキャリパー
・-2kgの軽量化

1988年
SRX-6(3GV)/SRX-4(3HU)

三代目SRX-6

・ラジアルタイヤ装備
・給排気系の見直し
チェーンを520から428にコンバート

1990年
SRX600(3SX)/
SRX400(3NV)

四代目SRX

フルモデルチェンジされた後期型モデル。

多くの人に日常の足としても親しまれる様になったことからセルを装備し、モノサス化とアルミスイングアームなどフレームの大幅な見直し。

デザインも上村国三郎さんに変更されガラッと雰囲気が変わって車名もSRX400とSRX600に改名(※海外では最初からコッチ)。

1991年
SRX600(3SX後期)
SRX400(3NV後期)

五代目SRX

最後のモデルチェンジになる91年モデルではサスペンションの見直し・・・等など。

ちなみに言い忘れていましたが400と600の違いはオイルクーラーが付いておらずシングルディスクなのが400。

※YSP限定は400もダブルディスク

SRX400

ただ後期400にはオイルクーラーが装着されています。

何故こんな細かなモデルチェンジを繰り返したのかというと、幸運なことにそんなエンジニアの想定を大きく超えるヒットとなったから。

ヤマハによるとSRX-6が世界累計で19,000台、SRX-4も国内だけで30,000台も生産されています。

そして売れたことで

SRX-6アメリカ

「必要なものに更にお金をかけることが可能となった」

との事。

結局、数を売ろうという考えは最後までありませんでした。

SRX400カタログ写真

しかし残念ながら91年モデルを最後にフェードアウトするように生産終了に。

その道のプロをも唸らせる作りと人気だったにも関わらず生産終了となってしまった理由・・・それは

「SRがいたから」

です。

SR400UK

もはやヤマハ史の生き証人となっていたSRを途絶えさてはいけないという判断が、よりもよって後継となるはずだったSRXの開発の終わり際に決定。

つまりSRXは世に出る前から消える事を運命づけられていた。

SRX400

なんとも悲しい話なんですが、SRを責めないでやってください。SRがいたからこそSRXのプロジェクトが始動したわけですから。

そもそもこれが市販化出来たのは、開発チームが自分が欲しかった事と

“同じ考えを持った決して多くない人たちに届けたい”

という強い思いがあったから。

絶対にプレゼンを通すために、等身大のデザインスケッチや、塗装ではなく質感を出すために本物のアルミを奢ったスペシャルモデルなどまで用意。

SRX1/1スケッチ

「そこまで言うなら・・・」

と上を物怖じさせるほど熱弁し訴えることで市販化に漕ぎ着けたわけです。

そして消える運命なのになかなか消えず、発売後も改良が続けられたのは

“同じ考えを持った決して多くない人たち”

が買い支えてくれたから。

SRX-6カタログ写真

SRの存在によって生み出され、SRの存在によって消えていった、SRとは似て非なる格調高きポテンシャルシングル。

それがSRXというバイクです。

主要諸元
全長/幅/高 2085/705/1055mm
2090/720/1045mm※3SX/3VN
シート高 760mm
車軸距離 1385mm
1425mm※3SX/3VN
車体重量 170kg(装)※1JK/3SX/3VN
166kg(装)※2NX/3GV
(168kg(装)※1JL)
(165kg(装)※2NY/3HU)
燃料消費率 40(51.0)km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 608cc
(399cc)
最高出力 42ps/6500rpm
(33ps/7000rpm)
最高トルク 4.9kg-m/5500rpm
(3.4kg-m/6000rpm)
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ

前100/80-18(53S)|後120/80-18(62S)※1JK/1JL
前100/90-17(55S)|後120/80-18(62S)※2NX/2NY
前110/80-17(57H)|後120/80-18(62H)※3GV/3HU
前110/70-17(54H)|後140/70-17(66H)※3SX/3VN

バッテリー YB5L-B
YTX9-BS※3SX/3VN
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP7EA-9
DPR8EA-9※3SX/3VN
推奨オイル オートルーブ
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L|交換時2.0L|フィルター交換時2.1L
全容量2.8L|交換時2.4L|フィルター交換時2.5L※3SX/3VN
スプロケ 前15|後37※1JK
前19|後47※2NX/3GV/3SX
(前14|後41※1JL/2NY)
(前17|後50※3HU/3VN)
チェーン サイズ520|リンク104※1JK
サイズ520|リンク104※2NX
サイズ428|リンク132※3GV/3HU
サイズ428|リンク138※3SX/3VN
(サイズ520|リンク106※1JL/2NY)
車体価格 548,000円(税別)/SRX600(1JK)
498,000円(税別)/SRX400(1JL)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

市民権の象徴 FORZA125 (JF60) -since 2015-

フォルツァ125

「More of everything」

フルスペック125スクーターとして登場したフォルツァシリーズの末っ子FORZA125。

FORZA125は開発設計は日本だけど製造はイタリア。だから日本では並列輸入のみで正規販売されていませんが、2015年の東京モーターショーでは出品されたので覚えている方も多いと思います。

キーレス

・前後ディスクブレーキABS
・6段階可変スクリーン
・フルLEDライト
・ヘルメットが二個入る48L大容量メットイン
・多機能LCD付きメーター
・120/70-15|140/70-14の太いタイヤ
・最高速度160km/h

もうこれ以上ないというほどの装備と性能。

フォルツァ125アクセサリー

プラスαで付けたいアクセサリーといえばグリップヒーターと防水スマホマウントケースくらい。

しかしそのゴージャス路線は留まる所を知らず、2017年モデル(JF69)からは各部の改良に加えキーレスまで装備。

キーレス

もはや125の装備じゃないを通り越してバイクの装備じゃないとも言えるような内容で、残っているのはSマチック(疑似MTモード)とトラコンくらいですね・・・要らない気もしますが。

見た目だけでなくエンジンも凄くて、PCXでも使われているeSPを4バルブ化した事によって、43.5km/L(WMTC値)という低燃費を誇りつつもクラス上限の15馬力を発揮します。

これだけのスペックと装備をしているだけあって車体価格も約5000ユーロ(日本円で65万円)とかなり高め。

フランス

65万もする125なので向こうでも

「高い」とか「これ買うなら300買う」

と言った声も結構ある。しかしそんな中で飛ぶように売れている国があります・・・それはメインターゲットであるフランスです。

FORZA125_fr

ホンダも大成功したと自信満々に言っていたので調べてみました。

バイク情報サイトscooter-station.comによると、フランスにおけるFORZA125(NSS125AD)の2015年度販売台数は9月(発売から5ヶ月)時点で4608台。PCXやX-MAXはもちろん王者TMAXをも抜き去る程のトップセールスで本当に大成功していた。

「何故65万円もする125ccスクーターをフランス人はそんなに買うのか」

という話ですが、一つは自動車の免許を取得し数年すると125cc/15馬力までのバイクに無条件(または簡単な実習)で乗れる容易さにあります。

フランス

日本で小型免許の取得簡略化の話が出てきているのは、排ガス規制や騒音規制と同じようにEU(国連)と足並みを揃えるためでもあるんですよ。

ちなみに緩和に対して”事故が増える”と否定的な意見を見たりしますが、90年中頃に緩和をしたドイツやフランスでも同じような意見がありました。

125cc緩和による事故率

しかしいざ実施してみると増えるどころか減っています。

この理由については後述するとして話を戻すと・・・フランス人がFORZA125を何に使っているかというと、日本と変わらず通勤など日常の足として。

ただ日本と大きく違う点として向こうはオートルート(フランス)やアウトバーン(ドイツ~スイス)等の日本でいうところの高速道路を125でも走ることが出来ます。

オートルートとアウトバーン

つまり向こうの人にとって125ccというのは維持費が安く、渋滞知らずで、高速も乗れるコストパフォーマンス抜群の乗り物というわけ。

でもこれはEEC(EUの道路交通法)に加盟しているEU全体で言えることで、フランスで人気がある事の答えになってませんよね。

フランス

フランスでFORZA125が人気な理由の一つはフランス人の生活、平均走行距離にあります。

ホンダはFORZA125の前にも日本でお馴染みPCXを出していました。日本と同じように欧州でもドッカンドッカン売れたんですが何故かフランスだけ今ひとつ人気が出ず。

何故なのかホンダが調査をしてみると

「長距離が辛そう」

という声が多かった。

更に調べてみるとフランス人は平均走行距離がEU諸国の中でも飛び抜けて高いことが分かった。

パリ

これはフランスが30年連続観光客第一位になるほどの観光大国なのが大きな理由です。

パリ、リヨン、マルセイユ、リール、主要都市が全て人気観光都市な国。そんな観光都市に住むのは大変です。賃貸で貸すよりも観光客に宿として貸した方が儲かるという理由から家賃が非常に高いからです。

パリで1DKを借りようと思ったら20万円/月はします。街外れに行くと安くなるけど、そうすると今度は治安がものすごく悪くなる。

その結果フランスは大きなドーナツ化現象を招いた。遠く離れた郊外から高速を乗って都市部へ長距離通勤する人ばかりになったというわけ。

そしてもう一つ。

観光都市という事で渋滞や歩行者の道路占領が本当に酷い。入るのも出るのも大変。車で移動していたら途方もない時間が掛かる。

シャンゼリゼ通り

だから通勤だけでなく街中の移動も125のスクーターという人が多い。

つまり郊外から都市部までの長距離と、都市部に入ってからの渋滞の両方を熟す必要があるフランス人にとってFORZA125のパワーとサイズはドンピシャというわけ。

でもこれ日本でも当てはまると思いませんか。ドーナツ化現象といい都市部の慢性的な渋滞といい。

しかし日本とフランスでは決定的に違う所があります。それは駐輪場です。

フランスの駐輪場

フランスは駐車場を追い出すほど駐輪場が充実しています。観光と取り合いになる駐車場より駐輪場を見つける方が簡単な程。だから皆125ccのスクーターで移動する。

これは国が渋滞緩和を目的として駐輪場を大量に設けた面もあります。バイク率が増えると一人あたりの道路占有面積が減るので。

駐輪場が無いにも関わらず駐禁取締でスクーター(コミューター)を死滅させてしまった日本とは大違いですね。

駐禁

話を戻すとコレはA2免許取得が必要な126cc~や、高速を走れない50でなく、自動車の付帯で乗れる125じゃないとダメなんです。

フランスの人にとって”125″というのはバイクではなく自動車乗りのツール。正にツール・ド・フラ….すいません。

だから65万円もしようと売れるわけ。

「65万出せるならもっと良いバイクがある」

という話ではないんです。そもそも層が違うから。

しかしこれが126cc以上のバイクに乗るライダーにとっても実に良い方向に働いています。

車乗りの多くが(簡単に乗れる事で)二輪を知るキッカケになったからです。

このおかげでフランスでは

「バイクは社会悪だ」

と目の敵にする人は少なく、その有用性や利便性を認めている”車乗り”が多い。

フランスの道路

日本のように

「バイクなんて禁止にしろ」

と知る機会が無いことから有用性を認めず目の敵にする人が少ない。本当にバイクを禁止にしたら必然的に車が増えるので渋滞がとんでもない事になるのに。

表参道

上で少し話した125cc免許の規制緩和をしたにも関わらず事故が減ったというのも

“車乗りのバイクに対する理解が広がった”

からです。

フォルツァ125リア

日本とフランスで大きく違うのは”車乗りのバイクに対する理解”が進んでいるか遅れているかという事。

でもまだ間に合う。

日本も駐輪場の充実と小型二輪免許の緩和によって、バイクに理解がある車乗りが増えれば、125で通勤する車乗りが増えれば事故も渋滞も減る。

フォルツァ125壁紙

そうやって125への理解が少しづつでも進み、市民権を得ることができれば、FORZA125が発売される日が必ず来る。

主要諸元
全長/幅/高 2140/755/1470mm
シート高 780mm
車軸距離 1470mm
車体重量 159kg(装)
燃料消費率
燃料容量 6.2L
エンジン 水冷4サイクルSOHC単気筒
総排気量 125cc
最高出力 15.0ps/8500rpm
最高トルク 1.28kg-m/8250rpm
変速機 Vマチック
タイヤサイズ 前120/70-15(56P)
後140/70-14(62P)
バッテリー YTZ8V
プラグ SILMAR8C9
推奨オイル ウルトラGP(10W-40)
オイル容量 全容量0.9L
交換時0.8L
フィルター交換時0.8L
スプロケ
チェーン
車体価格
※国内正規販売なしのため
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

鼓動と振動 Z750TWIN (KZ750B) -since 1976-

Z750TWIN

「Tボーンステーキ作戦」

Z2の登場から3年後の1976年に登場したZ750TWIN。その名の通り並列二気筒エンジンを積んでいます。

直列4気筒のZ2が既にあり人気だったにも関わらず何故このバイクを出したのかというと、トライアンフを始めとした対ブリティッシュツインに対抗するため。

Z750T

四気筒というのは確かに性能は良いけど、どうしても重いし幅もあるから取り回しに難がある。

そういった理由からZ1やZ650だけでは拾いきれない層をトライアンフやBSAに持って行かれていた。

W2

既にWというZ750TWINに近いツインのスポーツバイクを出していましたが、いかんせん設計が古すぎる事もあり苦戦していた。

そこでカワサキはZ1のニューヨークステーキ作戦に次ぎ、ブリティッシュツインとは一線を画するツインを作る作戦

「Tボーンステーキ作戦」

を打ち立てたわけです。カワサキはステーキが好きですね。

Z1とZ750ツイン

だから360度クランク二気筒というWと同タイプのエンジンを積んでいるわけだけど、W系ではなくZ系の見た目になっている。クランクが分からない人は「二気筒エンジンが七変化した理由-クランク角について-」をどうぞ

もちろん見た目が違うだけではないです。当時としては中々ハイメカなエンジン。

Z750TWINポスター写真

というのもこのZ750TWINはエンジンのクランクが通常とは反対、つまり逆回転するようになっています。

なぜ逆回転クランクを採用したのかというと、振動を消すバランサーを二本も(二軸バランサー)を追加するため。

Z750B

二軸バランサーというのは余計なシャフトを二本も追加するわけなので、当然ながらエンジンが大きくなってしまう。

通常のバイクはタイヤと同じ方向に回り、メインシャフトが逆回転、それをカウンターシャフトが戻してチェーンを介しタイヤを回す正→逆→正の三軸となっています。Z1やZ2もこれです。

三軸

しかしこれではギア同士を噛み合わせないといけないので、クランクを挟むように配置する必要がある二軸バランサーを入れるスペースが無い。

そのスペースを設けるにはクランクからメイン(一次伝達)までの距離を稼げるチェーン方式(プライマリーチェーン方式)を採用する必要があった・・・ただそうすると問題が生じます。

逆方向

正→正→逆と回転方向が進行方向と反対になってしまうんです。

だからプライマリーチェーン方式の場合は基本的にこうなります。

チェーン

正→正→逆→正と正回転に戻すためにもう一つシャフトを追加する四軸構造となるわけです。

しかしながらこれに更にバランサーシャフト二本を加えようとなるとこうなる。

チェーンプライマリー二軸バランサー

これでは二気筒の武器であるコンパクトさが無くなってしまう。

そこでカワサキ閃きました。

「最初を逆回転させればいい」

チェーン

逆→逆→正。こうすれば正転用のシャフトが要らずバランサーを追加しつつ三軸に収める事が出来る。

逆回転クランクにはこういった狙いがあった・・・・わけですが、これが仇になりました。

当時二軸バランサーというのはまだまだ珍しく、ノウハウが乏しかった事もありエンジンの回転数に対しバランサーやチェーンの耐久性が追いついていなかった。

Z750B

ではどうするかといえばエンジンの回転数を落とすしかない。

Z750TはDOHCの大排気量にも関わらずエンジンのB/S比がスクエア(78mm×78mm)で、まるでハーレーかと思うほど圧倒的に下が太く、上が伸びないエンジンになった。

Z750TWINカタログ写真

だからといって決して遅いわけでもない上に、もともと360度ツインで高回転なんて不合理な話。それに二軸バランサーを組み込んだおかげで他にないシルキーなツインエンジンにも出来た。

しかしツインスポーツとして人気を得ることは出来ませんでした・・・何故なら弾けるようなパンチが無かったから。

カワサキが振動と捉え消していたのは、振動ではなく鼓動だったという話。

主要諸元
全長/幅/高 2180/815/1150mm
シート高 -mm
車軸距離 1450mm
車体重量 218kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 14.5L
エンジン 空冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 745cc
最高出力 55ps/7000rpm
最高トルク 6.0kg-m/3000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25H19-4PR
後4.00H18-4PR
バッテリー YB14L-A2
プラグ B8ES
[B6ES※78年以降モデル]
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

シンデレラスクーター TR-50/110 (CA1LA~B/CF12A) -since 1997-

ストマジ50

「THE POWER SCOOTER」

スズキが若者向けに出したストリートマジック略してストマジことTR-50とTR-110。若者向けということでトキオの長瀬智也さんをドラマとカタログのタイアップで起用するという力の入れっぷり。

長瀬智也とストリートマジック

せっかく決まっているのにキャッチがダジャレなのがちょっとアレですね。

ストマジは1997年から2006年までとモデルライフは意外と長く、少しややこしい事にバリエーションが色々ありました。

ストマジ50/S

最初に出たのはノーマル(CA1LA)とS(CA1LB)の2モデル。Sの方はアルミキャストホイールやリザーブタンク付きサスペンションといった豪華装備モデル。

更に半年後にはストリートマジック2(型式はSと同じ)が追加。

ストリートマジック2

コチラはSをベースに丸目ヘッドライトやアップハンドルやディスクブレーキカバー等を装備したオフロード感を出したモデル。2000年からはこの丸目のストリートマジック2だけになりました。

兄貴分の110(CF12A)は50の一年遅れで登場。

ストマジ110

エンジンは50がアドレスやセピア等の2st原付にも使われているものがベースだったのに対し、110は同一ボディながらマウント変更でAddress110ベースの物・・・そう、ストリートマジックはスクーターのエンジンを積んでいる異端モデルです。ちなみに110も一人乗り専用。

スクーターのエンジンというのはユニットスイング懸架方式といって、簡単に言うとエンジンとスイングアームが一体になっている。

スイングユニット式

我ながら分かりにくい絵ですが、要するにエンジンもスイングアームも一体なので全部が動くわけです。マフラーも動きますしキャブなんかも一緒に動きます。

エンジンがスクーターなので当然ながら駆動はVベルトによる無段階つまりATというかCVT。Vベルト無段変速っていうのはプーリー・・・って口で説明するよりWikipediaのgifを見たほうが早いですね。

スイングユニット式

エンジン(クランク)シャフトの端に付いているコマみたいな物の中にウェイトローラーという重石が入っていて、エンジン回転数が上がるとその重石が外に押しやられ幅が狭まりベルトが押し上げられるというわけです。すごくザックリした説明ですが。

で、スクーターというかユニットスイング式というのはフレームへはリンクを介してラバーマウントするのが基本です。これは一体型ゆえにエンジンの振動はもちろん、駆動の振動や路面の振動といったありとあらゆる振動が起こるから。

そしてラバーマウントするということは、一切フレーム剛性に関与しないということ。そのため原付スクーターに乗ったことがある方なら分かると思いますが基本的にフレーム剛性はヘロヘロです。

原付のフレーム

これにはアンダーボーンといってスペースを稼ぐために採用されているフレーム(赤部分)も大きく関係しています。

ちなみに図を見て何となくでも分かって欲しいんですが、こういったアンダーボーンフレームは前後の力に凄く弱いです。だから過走行や手荒な運転、追突などがあると簡単に曲がります。

原付のフレーム

少し大げさですが、こんな感じに曲がったりします。フロントを浮かせてフォークを掴み左右に振ってみればガタが来ているか大体分かります・・・ってそんな話がしたいわけではない。

じゃあストリートマジックがどうなっているのかというとこうなっています。

ストマジのフレーム

これがどういう形かというと剛性を求められるスーパースポーツに広く採用されているツインチューブ(ツインスパー)というフレームの形。

つまりストリートマジックはかなりヤル気な形をしたフレームを積んでいるわけですが、もう一つ注目してほしいのがステム(フロントフォーク)周り。

原付のフレーム

トップブリッジ~ステムシャフト~アンダーブラケットというスポーツモデル同様の三叉構造になっています。

フロントフォークを三叉でいう下だけで留めているスクータータイプと違い、上中下で留めると剛性が増します。ステム剛性が上がるという事は簡単に言うとハンドリングがクイックになります。ロードスポーツは基本的にこれ。

三叉フォーク

辛い絵が続きますが、左のスクータータイプと右のスポーツタイプどっちがガッチリしているかは一目瞭然かと思います。しかもストマジは更に倒立サスなので尚のことステアリング周りの剛性がガッチリキッチリ。

スクーターのエンジンを積んだスポーツバイク・・・と簡単に片付けられがちなストリートマジックだけど、これだけフレームを作り上げて来ているんです。後期モデルでは更に補強が入りました。

TR-50/TR-50S

ただスズキとしてはストリートマジックはスポーツバイクではなくスクーター。謳い文句も「THE POWER SCOOTER」だし、ラインナップ位置もスクーターの所でした。

これは移動手段としてバイクを見ている原付(特に一種)層に、一般的なロードスポーツと同じ骨格を持つストマジで楽だけでなく操る楽しさも知ってもらおうという意図があったのかなと。

既存バイク乗りの立場から見るとストリートマジックというのは本当に立派なフレームを持ったスクーター。スクーターのスポーツ性を突き詰めていくとストマジの形になると言っても過言ではないかと。

アドレス110

ところでベースとなっているスクーターの一つであるAddressの名前の由来は
「add(加える)+dress(ドレス ※メットインスペースの事)」
でアドレスなわけですが、どうもストリートマジックの方がアドレスという名前がピッタリな気がします。

ストリートマジック装備

アドレスは紛うことなきスズキの名スクーターですが、じゃあみんな可愛がっているかといえば暖気すらせず走り出す等の手荒な扱いをする人が大半かと思います。

ところがストマジとなると、アレやコレやと弄って可愛がるのはもちろん、終いにはストマジのワンメイクレースが開催されるまでに。

ストリートマジック50

なんでこんなにチヤホヤされたのかと言えば、いま説明してきたツインチューブフレームというドレスを着たからに他ならない。

ドレスを積むのではなく、ドレスを着ちゃったスクーターSTREET MAGIC。

主要諸元
全長/幅/高 1635/710/965mm
[1700/710/975mm]
シート高 710mm
車軸距離 1080mm
[1150mm]
車体重量 73kg(乾)
[85kg(乾)]
燃料消費率 47.0km/L
[40.1km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 6.4L
エンジン 空冷2サイクル単気筒
総排気量 49cc
最高出力 7.2ps/6750rpm
[10.0ps/6500rpm]
最高トルク 0.82kg-m/6000rpm
[1.2kg-m/6000rpm]
変速機 Vベルト
タイヤサイズ 前110/80-12(51J)
後120/80-12(54J)
[前120/70-12(44L)
後130/70-12(49L)]
バッテリー YT4B-BS
[YTX5L-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BPR6HS
推奨オイル スズキ純正CCISオイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.2L
Vベルト 27601-06F10
[27601-16F12]
車体価格 179,000円(税別)
[249,000円(税別)]
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)