2014年上半期251cc~車種別販売台数TOP10

第十位
ZX-14R/ZZR1400ABS(-Since2012-)
販売台数754台

ZX-14R

>>ZX/ZZRの系譜

第九位
CB1300SF/SB/ST(-Since2008-)
販売台数790台

CB1300

>>CB1300の系譜

第八位
CBR400R/CB400F/400X(-Since2013-)
販売台数973台

CBR400R/CB400F/400X

>>CBR400の系譜

第七位
CB1100 Type1/2(-Since2010-)
販売台数1012台

CB1100

>>CB1300の系譜

第六位
NC750X(-Since2014-)
販売台数1032台

NC750X

第五位
Ninja400(-Since2013-)
販売台数1085台

ニンジャ400

>>Ninja400の系譜

第四位
スポーツスター1200(-Since2013-)
販売台数1179台

XL1200

第三位
CB400SF/SB(-Since2008-)
販売台数1263台

CB400SF

>>CB400の系譜

第二位
ボルト/R(-Since2013-)
販売台数1320台

BOLT

第一位
MT-09/A(-Since2014-)
販売台数1646台

MT-09

>>MT-09の系譜

メーカー別販売台数シェア

一位
ホンダ  9504台 25.2%(前年比109.3%)

二位
カワサキ 6510台 17.3%(前年比105.2%) 

三位
ヤマハ  6059台 16.1%(前年比167.2%)

四位
スズキ  3395台 9.0% (前年比99.5%)

その他    12206台 32.4%(前年比105.2%)

参照:二輪車新聞

2013年度251cc~車種別販売台数TOP10

第十位
ZRX1200DAEG(-Since2009-)
販売台数1167台

ZRX1200DAEG

>>ZRX1200DAEGの系譜

第九位
CB1100タイプ1/2(-Since2010-)
販売台数1230台

CB1100

>>CB1300の系譜

第八位
グライド系(-Since2013-)
販売台数1349台

グライド

第七位
883シリーズ(-Since2013-)
販売台数1378台

883シリーズ

第六位
SR400(-Since2010-)
販売台数1517台

SR400

>>SR400の系譜

第五位
スポーツスター1200シリーズ(-Since2013-)
販売台数1605台

XL1200

第四位
Ninja400R/ER-4n ABS(-Since2010-)
販売台数1680台

ニンジャ400

>>Ninja400の系譜

第三位
CBR400R/CB400F/400X(-Since2013-)
販売台数2516台

CBR400R/CB400F/400X

>>CBR400の系譜

第二位
NC700X/ABS(-Since2012-)
販売台数2550台

NC700X

第一位
CB400SF/SB(-Since2008-)
販売台数2790台

CB400SF

>>CB400の系譜

参照:二輪車新聞

1980~1989年250cc販売台数ベスト3

1980年

第三位 CB250RS(MC02) 8,690台

CB250RS

第二位 XS250Spl(4E0) 販売台数8,827台

XS250SPl

第一位 Hawk(CB250N) 販売台数10,185台

HAWK

1981年

第三位 CB250RS-Z(MC02) 販売台数11,269台

CB250RS-Z

第二位 GSX250E/T/L(GJ51B) 販売台数13,349台

GSX250E

>>GSX250R/GSR250の系譜

第一位 RZ250(4L3) 販売台数18,214台

RZ250

>>TZR250Rの系譜

1982年

第三位 XL250R(MD03) 販売台数17,160台

XL250R

>>CRF250の系譜

第二位 RZ250(4L3) 販売台数17,605台

RZ250

>>TZR250Rの系譜

第一位 VT250F(MC08) 販売台数30,957台

VT250F

>>VTRの系譜

1983年(不明)

1984年

第三位 CBX250RS(MD03) 販売台数14,099台

CBX250RS

※派生モデルであるGB250クラブマンの間違いである可能性が高いです

第二位 RZ250RR(51L) 販売台数18,908台

RZ250RR

>>TZR250Rの系譜

第一位 VT250F(MC08) 販売台数37,186台

VT250F

>>VTRの系譜

1985年

第三位 RZ250RR(51L) 販売台数13,429台

RZ250RR

>>TZR250Rの系譜

第二位 FZ250PHAZER(1HX) 販売台数13,577台

FZ250

>>FZR250Rの系譜

第一位 VT250F(MC08後期) 販売台数27,805台

VT250F

>>VTRの系譜

1986年

第三位 CBR250FOUR(MC14) 販売台数12,103台

CBR250FOUR

>>CBR250RR/CB250Fの系譜

第二位 VT250F(MC08後期) 販売台数13,236台

VT250F

>>VTRの系譜

第一位 TZR250(1KT) 販売台数26,007台

TZR250

>>TZR250Rの系譜

1987年

第三位 VT250F(MC15) 販売台数15,789台

VT250F

>>VTRの系譜

第二位 CBR250R(MC17) 販売台数18,933台

CBR250R

>>CBR250RR/CB250Fの系譜

第一位 FZR250(2KR) 販売台数28,519台

FZR250

>>FZR250Rの系譜

1988年

第三位 FZR250R(3HX) 販売台数20,072台

FZR250R

>>FZR250Rの系譜

第二位 CBR250R(MC19) 販売台数20,619台

CBR250R MC19

>>CBR250RR/CB250Fの系譜

第一位 NSR250R(MC18) 販売台数22,707台

MC18

>>NSR250Rの系譜

1989年

第三位 FZR250R(3LN) 販売台数11,467台

FZR250R

>>FZR250Rの系譜

第二位 CBR250R(MC19) 販売台数16,313台

CBR250R MC19

>>CBR250RR/CB250Fの系譜

第一位 NSR250R(MC18) 販売台数16,409台

MC18

>>NSR250Rの系譜

参照:二輪車新聞

1989年度126~250cc車種別販売台数TOP10

第十位
XLR250R/BAJA(-Since1985-)
約6,000台

XLR250BAJA

>>CRF250の系譜

第九位
Serow225(-Since1989-)
約6,600台

セロー

>>SEROWの系譜

第八位
ZXR250(-Since1989-)
約7,300台

ZXR250

>>ZX250/BALIUSの系譜

第七位
KDX200SR(-Since1989-)
約7,400台

KDX250

第六位
RGV250Γ(-Since1988-)
約7,700台

セロー250

>>250ガンマの系譜

第五位
Spada250(-Since1988-)
約9,200台

CBR250R

>>VTRの系譜

第四位
TZR250(-Since1989-)
約9,500台

2014PCX150

>>TZR250の系譜

第三位
FZR250R(-Since1989-)
約11,500台

GSR250

>>FZR250Rの系譜

第二位
NSR250(-Since1987-)
約16,000台

NINJA250

>>NSR250Rの系譜

第一位
CBR250R(-Since1988-)
約16,500台

マジェスティS

>>CBR250の系譜

参照:二輪車新聞

1988年度126~250cc車種別販売台数TOP10

第十位
XT225SEROW(-Since1985-)
6,333台

SEROW225

>>SEROWの系譜

第九位
RZ250R/RR(-Since1984-) 
7,173台

RZ250RR

>>RZ250の系譜

第八位
XLR250R(-Since1986-)
約7,400台

MD20

>>XLR250R/BAJAの系譜

第七位
TZR250(-Since1985-)
9,143台

Z250

>>TZR250の系譜

第六位
GSX-R250(-Since1988-)
10,604台

GSX-R250

>>GSX-R250の系譜

第五位
GPX250R(-Since1987-)
12,000台

GPX250R

>>GPX250Rの系譜

第四位
NSR250R(-Since1988-)
15,204台

2014PCX150

>>NSR250Rの系譜

第三位
VT250F(-Since1986-)
15,789台

NINJA250

>>VT250Fの系譜

第二位
CBR250R(-Since1988-)
18,933台

CBR250R

>>CBR250Rの系譜

第一位
FZR250R(-Since1988-)
約28,159台

GSR250

>>FZR250Rの系譜

参照:当時の月刊オートバイより

単槍匹馬のラストDT LANZA (4TP) -since 1997-

ヤマハ ランツァ

「SUPER TRAIL」

1997年にヤマハから登場したDT230 LANZA/4TP型。

このモデルはDT200Rのエンジンをベースに新設計の鍛造ピストンとシリンダーにより224ccまで拡大したロングストロークなものを、軽量コンパクトなセミダブルクレードルフレームに搭載している2stオフローダーになります。

ランツァ赤

サスペンションもストローク量を前250mm/後240mmと少し短めにすることで乗車時のシート高が820mmと抑えていることに加え、ポジションも起き気味で楽ちん。

加えて多機能デジタルメーターだけでなく、なんとセルモーターまで付いてデザインも大人しめという2stオフらしからぬ優しさに包まれたモデルとなっているのが特徴。

コンセプトスケッチ

これはヤマハ内で

「足付きが良くてセルも付いた2st版セローを造れないか」

という話が持ち上がった事がキッカケにあります・・・と書いても当時の状況を知らないと何故そんな考えに至ったのか理解しづらいと思うので少し説明させてもらいます。

90年代のオフロードバイクはまだ2stと4stが混在していたんですが、1980年代後半から始まった林道ブームなどによる全盛期も終わりを迎えていた頃でどちらもかなり煮詰まったモデルになっていました。

どう煮詰まっていたのか簡単に言うと、2stのオフロードバイクはパワーと軽さを稼げる事からモトクロッサー(ナンバーが取れないレーサー)に負けないポテンシャルを持つ

『勝ちにこだわったオフロードバイク』

という立ち位置で一時代を築いていた。

一方で4stは低中速から粘りのあるパワーが出せる事を武器に林道から街乗りやツーリングまで使える

『使い勝手にこだわったオフロードバイク』

という立ち位置、ヤマハでいうところのトレール路線で一時代を築いていた。

だから同じオフロードモデルでも2stと4stには良くも悪くも大きな隔たりというか少し誇張して言うと”似て非なるもの”という常識があり

「色んな事に使いたいから4st」

「最強最速のオフが欲しいから2st」

「そこまで腕に自信がないから4st」

という感じでバイクもライダーも棲み分けのようなものが生まれていた。

2stと4stの壁

その趣向を示す最も分かりやすい部分がいま話したセルモーター。

2stは軽さを追求するため付いていないのが(キックスターが)当たり前で、反対に4stは利便性のために付いているのが当たり前だったわけです。

そして話を再びランツァへ戻すと

「足付きや優しいポテンシャルそしてセルを付けた2stオフ車」

・・・そう、ランツァはこの隔たりとも固定概念とも言える部分に向けて作り出されたモデルなんです。

ランツァの立ち位置

両極端な形になっていくオフロードバイクを見て林道向けがおざなりになっている

「林道などを気軽に楽しくスポーツ出来るモデルが無くなっている」

ということに気づいたというか危惧したんですね。

だからこそ2stが持つ軽さという武器を速さではなく、気軽さと楽しさに繋げる形でこのランツァを生み出した。

ランツァの広告

40馬力というスペックを見ると分かるように2stだからこそ出せるパワーはそのままに振り回せる楽しをとことん追求。

そのために採用されたのが時代的にもジャンル的にも非常に珍しかったトラクションコントロールシステム。

ランツァのトラクションコントロール

何故わざわざこんなものを付けたのかというと、単純に速く走るためや滑って怖い思いをしないためじゃない。

遅角制御によってスライドを消すのではなく穏やかに猶予を延ばすことで

「オフロードの醍醐味の一つであるカウンターステアによるバランス取りも気軽に楽しめるように」

という考え、要するにこれも気軽に振り回すために備え付けられた装備なんです。

そんな何よりも気軽に楽しめる事に重点を置いて開発された2stオフロードのランツァですが、わずか1年にはマイナーチェンジが入りました。

ランツァ後期モデル

オイル消費量を抑えるYCLSとアルミスイングアームという贅沢な変更。シルバーモデルに至ってはリムにブラックアルマイトのまで奢られました。

ランツァシルバーモデル

一般的に4TP2型または後期型と言われています。

ちなみに1997年の第32回東京モーターショーでは

『ランツァ スーパーバイカーズ』

というモデルも参考出品されていました。

ランツァスーパーバイカーズ

倒立フォークと17インチのオンロード仕様、さらにアップチャンバーにショートフェンダーなどイケイケなモタード。残念ながらこれが市販化される事はありませんでしたが、17インチホイールはオプションで用意されモタード仕様に出来るようになりました。

これらを見てもヤマハがランツァに力を入れていたのは明白なんです・・・が、残念ながらランツァは2年間しか販売されませんでした。

これはコンセプトが理解されなかったわけではなく、1998年に排ガス規制という今でこそ当たり前なものが初めて設けられることになったから。2stはこれにより販売することが厳しくなったんですが、それはランツァも例外ではなかったという話。

それにしてもトレールというジャンルを生み出したオフロードバイク界のパイオニア的な存在でありオフロードにも一番精力的だったヤマハが、迫りくる排ガス規制という名の2st終焉を迎える最後の最後に出した公道向け2stオフロードバイクがモトクロッサー顔負けの高性能モデルではなく

ニュースリリース

「オフロードを楽しむ事を最重視したモデルだった」

というのは本当にカッコいいし本当に相応しいと思います。

何故ならこのランツァのコンセプトはヤマハトレールの出発点であるDT-1が評価されていた要素

『絶対的な速さではなく絶対的な軽快さ』

を再び突き詰めた形だから。

ランツァのコメント

最後のDTであるDT230 LANZAが最初のDTであるDT-1を彷彿とさせるコンセプトっていうのはロマンとしか言いようがない。

でも更にカッコいいのはそんなDTというブランドネームを押し出さなかった事。

これは市場に蔓延っていた

「2stオフローダーは玄人向け」

「2stオフローダーは速さが全て」

という先入観や固定概念で判断して欲しくなかったからでしょう。

ランツァのカタログ写真

歴史あるブランドネームよりもオフロードスポーツの面白さ、振り回す楽しさを知ってほしいという思いが上回ったから

『ランツァ(スペイン語で槍)』

という名前になったんじゃないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2140/800/1200mm
シート高 865mm
車軸距離 1410mm
車体重量 130kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 11.0L
エンジン 水冷2サイクルクランク室リードバルブ単気筒
総排気量 224cc
最高出力 40ps/8500rpm
最高トルク 3.7kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前3.00-21(51P)
後4.60-18(63P)
バッテリー GT6B
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
BR9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.3L
スプロケ 前16|後55
チェーン サイズ428|リンク132
車体価格 435,000円(税別)
[449,000円(税別)]
※[]内は後期/4TP2
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

ツールドジェベル DJEBEL250/XC/GPS (SJ44A/SJ45A) -since 1992-

DJEBEL250/SJ44A

「進路は、自分で決める。」

スズキの4stオフ車の中でも有名な方というか人気があった1992年からのDJEBEL250/SJ44A型。

最初にDJEBELという名前の意味を説明すると、これはアラビア語で”山”を指す言葉。

DJEBELの由来

一時期ネタで言われていましたがドジェベルではなく”ジェベル”です。
※ネイティブ的にはジャベル

そんなジェベルですが、こはDR250Sというモデルがベースにあります。

DR250S

4st/250ccオフでスズキらしく一次バランサー付きの油冷OHC単気筒でメインフレームをオイルタンクにしたドライサンプもので、飛躍的な性能向上を果たしたモデル。

これはアル・ベイカーというMUGEN取扱&スーパークロスディレクターのアメリカ人(全米モトクロス界のレジェンド)とスタッフを引き抜いて開発に関わらせた事が要因だったりします。

アルベイカー

ちなみにこのDR250Sはそんなアルベイカーさんの遺作でもあります。というのも残念な事にアルベイカーさんはDR250Sの発売前に飛行機事故に見舞われ亡くなられてしまったからです。

意外なバックボーンだと思うんですが、話を戻すとそんなDR250Sをベースに

・正立フロントフォーク
・ガード付き丸目ヘッドライト
・ハンドガード
・フラット形リアキャリア
・ギア比をロングに
・キャスター角を27°から28°に

などなど少し落ち着きを持たせる変更を加える事でツーリング等にも使えるようし、併売という形で登場させたのがDJEBEL250/SJ44A型というわけ。

このDR250S/DJEBEL250(SJ44A型)といえばチラチラ見えている変な形をしたスイングアームが特徴的なんですが、これはボルトと接着剤で2つのパーツを結合してるから。

SJ44Aカタログ写真

強度と重量のバランスを考え鋳造のボディと鍛造のアームに分けて製造されているんです。決して飾りではありません。

しかし・・・恐らく多くの人はそれよりも

SJ44Aカタログ写真

「DJEBEL250ってこんな形だったっけ」

と思われているんじゃないかと思います。

皆が思うDJEBEL250は4年後の1996年に登場した次のモデルからになります。

DJEBEL250XC

『DJEBEL250XC/SJ45A』

先に紹介したDJEBEL250の元となっているDR250Sがクラストップのスペックを誇るDR250Rへとモデルチェンジした事で、それに引っ張られる形で新しくなったジェベル。

だから同じDJEBEL250といえど実はかなり別バイクというか、変更点も相まって性格は大きく違います。

DJEBEL250の系譜図

それを象徴するのが車名末尾に新たに付けられた

『XC(クロスカントリー)』

という記号で、これが非常に評価されたから根強い人気を獲得する事に成功。力を入れている割に今ひとつパッとしなかったスズキオフにおいて2008年まで発売され続けるというロングセラー車となりました。

じゃあ具体的にDJEBEL250XCの何が評価されたのかというのをザックリご紹介。

【1.驚異の17Lガソリンタンク】

17Lタンク

そこら辺のオンロードモデルを鼻で笑える驚異的な大容量ガソリンタンクを装備。

航続距離はカタログ読みで驚異の799km。もちろんスムーズな体重移動とニーグリップも考慮し、シート側は大きく絞られた形。

DR-Z400SとDJEBEL250XC

そしてそのシートも三角木馬(写真左)で定評があるスズキとは思えぬ柔らかさとフラットさで乗り心地もクラスにしては上々なものだった。

【2.もはやオーパーツ多機能デジタルメーター】

多機能デジタルメーター

一見するとただのデジタルメーターかと思いきや

・スピードメーター
・オドメーター
・時計
・トリップメーター
・ストップウォッチ
・減算タイマー機能

と、本来ならばこれはGSX-Rに付けるべきではないかと思うほど多機能なものを装備。

ジェベル250GPS

更にXCから2年後となる1998年には二輪史上初となるGPSを搭載したDJEBEL250GPSver.まで発売。

従来の多機能デジタルメーターの上に目的地までの方角(道順ではなく方角)とおおよその距離を示すGPSディスプレイを搭載。

17Lタンク

「逆に迷う」

「山に入ると見失う」

などなど大きな反響をよびました。

【3.大きすぎて特注になった200mmヘッドライト】

200mmヘッドライト

丸目ヘッドライト好きすら閉口してしまうほどの大きさを持ったアルミガード付きヘッドライトを装備。

バッテリーを吸い尽くすほどの大発光面積&大光量により暗いのが当たり前というオフロードの常識を払拭。

「これだけ大きいとハンドリングに悪影響が・・・」

と思いきや大きすぎて特注になってしまった超薄型樹脂レンズによりギリギリまで軽量化、更にハンドルにベタ付けするほど近づける事で操舵慣性モーメント(ハンドリングが鈍くなる)問題も解消。

【4.トコトコ系と思いきやビュンビュン系】

公式ジェベル250画像

ハード系であるDR250R譲りな事からも分かる通り、走行風に完全依存する空冷ほど熱にシビアではなく、水路と水が必要な水冷ほど重くならない油冷DOHCエンジンのおかげで31ps/8500rpmというパワフルさに加え、これだけのクロカン装備を兼ね備えて置きながら乾燥重量でわずか119kg。

足回りもカートリッジ式フロントフォークとリンク式リザーブタンク付きリアサスというオーバークオリティなものを備えていたので走りも良好。

などなど少しおふざけが入りましたが、要するにクロスカントリーらしく長距離走にも耐えられるようになっているのはもちろん、単純なポテンシャルも高かった事からストップアンドゴーの街乗りなどの短距離走もイケる性能も持っていたからDJEBEL250XCは人気になったという話。

ジェベル250XCカタログ写真

DJEBEL250XCがこれほどまでの完成度を誇っていたのはDR250Rという優秀なベースがあった面も当然あるんですが、こういうタイプのモデルはDJEBEL250が最初じゃないからという面もあります。

ブームと言えるほどではないものの90年代に入ってオフロード人気が再燃し始めたんですが、

「走破性を上げてナンボ」

という80年代初期のオフロードブームとは傾向が違い

「マルチに便利な乗り物として」

という傾向が生まれ強くなっていた。

分かりやすいのがセルモーター付きが当たり前になった事なんですが、その延長線上で

「苦手な長距離や夜間も走れるオフロード車」

としてビッグタンクや強化ヘッドライトなどラリーレイド感を出した派生モデルみたいなものが各社から出ていた。

200mmヘッドライト

DJEBEL250XCはそんなジャンルに向けて出されたどちらかというと後追いに近いモデル。でもだからこそここまでのモデルが造れたんだろうなとも思うわけです。

タンク、ヘッドライト、メーター、スペック、いま紹介してきたように様々な要素でクラストップや最大という言葉が並ぶ事が何よりの証拠で

「これくらいでいいだろう」

という要素が見て取れないどころか、やり過ぎのようにも感じるクロカン要素の最大化がオフロードの懸念点を分かりやすく払拭する形となった。

DJEBEL250XCが多くの人に認められた魅力というのはそういう

『加減を知らない安心感』

だったんじゃないかと。

SJ45Aカタログ写真

だからこそクラスとして2008年の最後まで唯一生き残ったモデルとなったし、復活を希望する声は今も聞こえてくる。

特に近年のキャンプブームを見るたびこのバイクを思い出す人は少なくないんじゃないかと思います。星空を探しに行くのに最高のバイクでしたからね。

主要諸元
全長/幅/高 2230/885/1250mm
[2230/890/1220mm]
(2205/890/1180mm)
シート高 880mm
<[885mm]>
(845mm)
車軸距離 1445mm
[1450mm]
(1435mm)
車体重量 116kg(乾)
[118kg(乾)]
<119kg(乾)>
燃料消費率 50.0km/L
<[47.0km/L]>
※定地走行燃費
燃料容量 9.0L
<[17.0L]>
エンジン 油冷4サイクルOHC単気筒
<[油冷4サイクルDOHC単気筒]>
総排気量 249cc
最高出力 29ps/8500rpm
<[31ps/8500rpm]>
最高トルク 2.5kg-m/7000rpm
<[2.8kg-m/7000rpm]>
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前80/10-21
後110/90-18
<[前3.00-21-51P
後4.60-18-63P]>
バッテリー YTX7L-BS
<[YTX5L-BS]>
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR9EA-9
<[CR9E]>
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.3L
交換時1.7L
フィルター交換時1.9L
<[全容量1.6L
交換時1.1L
フィルター交換時1.3L]>
スプロケ 前14|後42
チェーン サイズ520|リンク108
車体価格 439,000円(税別)
[499,000円(税別)]
<539,000円(税別)>
※[]内はXC
※()内は低車高仕様
※<>内はGPS
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

オシャレは我慢 SW-1 (NJ45A) -since 1992-

SW-1

「ヒューマンウェア」

スズキが1992年に発売した一風変わった見た目をしているSW-1/NJ45A型。

NJ45A

最初に名前の由来について話すと

『Water Design』

というデザイン会社(坂井直樹氏)とタッグを組んだことから

「”S”uzukiと”W”aterdesignの”1″号機」

という頭文字を取ってSW-1。

ちなみにWater Designは日産のクルマ(Be-1、PAO、Figaro、Rasheenなど)もデザインされた会社です。

ウォーターデザインのクルマ

言われてみれば通ずる所があるような・・・

そんなSW-1が始めて公の場に出たのは1989年の東京モーターショー。ここに出展されたのが始まりで反響が良かったことから市販化される事になりました。

SW-1コンセプト

ただ実際に市販化されたのは結構遅く、ショーから約3年後となる1992年の事。これはコンセプトモデルの時には本当に外見だけで市販化に向けた開発は一切していない状態だったから。

恐らくショー限定モデルとして用意したもののレトロブームも相まって反響があったから市販化にGOサインが出たというのが実情かと。

SW-1リア

つまりSW-1はマーケット需要から入る事が多いスズキとしては非常に珍しいデザイン先行モデルなんですね。

ではこのモデルに一体どのようなコンセプトや狙いが込められていたのかというと

『懐かしさと安らぎを感じるバイク』

・・・という見た目通りの話なんですが、それだけではアレなので具体的な話を少し。

SW-1は剥くと分かるように本来ならばベースにもなっているGN250やDR250などと同じシングルスポーツです。

SW-1ディメンション

しかし覆い隠すようなトランク付きカウルでそれを感じさせないようにしている。カウルを付けるために異様なほど伸ばしたシートフレームがデザイン最優先を物語っていますね。

走行性能に関する方も静音性に優れるベルトドライブや、靴を汚さないシーソー式(N-1-2-3-4-5-6)シフト。

SW-1のドライブユニット

エンジンもキャブレターを変更するなどしてかなり大人しめのセッティングにされている。

これはSW-1で大事にされたのがメカメカしさや走行性能といった非日常的な魅力ではなく、自分を高めてくれるファッションの一部として日常的に付き合ってもらえる様にと考えたから。

ヒューマンウェアというキャッチもここから来ており公式曰く

『ワードローブ(衣装ダンス)の一環』

という狙いがあったわけです。

これはコンセプトの段階からそうで、コンセプトモデルでは鏡面仕上げのKTC工具(ネプロスの前身だったミラーツール)を備え付けてアピールしていました。

SW-1の車載工具

実際に出たSW-1でもメッキ加工されたスパナやプライヤーや専用工具など、ここまで揃った車載工具は早々ないほど豪華なもの。

これも小物として日常での美を演出し守るため。

つまりSW-1はバイクが自分の中で一番にある人たちよりも、洋服やアクセサリーと同様に捉えるバイクの重要性が必ずしも高くない人に向けて造った潜在需要を掘り起こす為のモデルだったんです。

スズキSW-1

だから販売面でもバイク屋だけではなく西武百貨店などファッションに気を使ってる人たちが多い場所での販売もしていました。

簡単に言うと1980年前後にママチャリ奥様に向けてスーパーなどで売っていたファミバイ(原付)のリッチ版という話ですね。

ただし車載工具まで追求したのが祟ったのか688,000円とガンマよりも高い高額車となり、しかも普二輪が必要という敷居の高さから人気は出ず僅か2年ほどでカタログ落ちに・・・悲しいことですが。

出た時期がちょうどバブル崩壊という最悪のタイミングだった事もありました。何年も掛けて造ってやっと完成したと思ったらリーマンショックに直撃してしまったB-KINGに通ずる部分がありますね。

トランクボックス

これがSW-1の当時の経緯。

バイクというよりもファッションの一環として売り出したけど失敗したという話なんです・・・が、最近になってオシャレだと再評価の流れがありますね。

停まってる姿はもちろん走ってる人たちを見てもオシャレな人たちが多い。

スズキSW-1

じゃあどうしてSW-1がそんなオシャレに見えるのかという話ですが、これは形が特異だからという単純な理由では無い。

SW-1がオシャレに見えるのは

「色々と我慢しないといけないから」

です。

オーナーには大変失礼な話ですが、SW-1はデザイン最優先で造られているのでお世辞にも性能は良いとは言えません。

ポジション

リアヘビーなうえに小径ホイールを採用しているから間違ってもスポーツ走行なんて出来ないし、シフトチェンジもシーソー式でハンドルもアメリカンのようにワイドだから250なのに必然的にゆっくりした走りになるというかそう走らざる得ない面が強くある。

他の250では当たり前に出来ることがSW-1では出来なかったりする・・・でもだからこそオシャレに見える。

SW-1がオシャレに見えるのは単純にオシャレな形に造っているからじゃない。

オシャレのために色んなものを犠牲にし、またそれを痩せ我慢して乗るからこそオシャレに見えるんです。

NJ45A

「オシャレは我慢」

というファッションの常識を本当にそっくりそのまま反映してる。だからこそオシャレに見えるダンディズムとも呼べるものを宿したバイクでした。

主要諸元
全長/幅/高 2105/840/1095mm
シート高 770mm
車軸距離 1380mm
車体重量 168kg(乾)
燃料消費率 50.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 10.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 249cc
最高出力 20ps/8000rpm
最高トルク 2.1kg-m/5500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前110/80-16(55S)
後140/70-15(64S)
バッテリー FTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DR8EA
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.2L
交換時1.5L
フィルター1.6L
ドライブベルト 27611-37D00-133
車体価格 688,000円(税別)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

氷河期 of Liberty V-TWIN MAGNA (MC29) -since 1994-

Vツインマグナ

「Do you want PARADISE?」

1994年に登場した250ccアメリカンを代表する車種であるV-TWIN MAGNA/MC29型。

このバイクは400ccクラスでスティードが成功しアメリカンブームが巻き起こった事から

「エントリー層向けの250も作ろう」

となって開発された経緯があります。

括りとしてはV4で登場していたマグナの始まりであるVF750MAGNA(V45 MAGNA)の250cc版という形で1993年の東京モーターショーに

『V25 MAGNA』

という名前で出品されたのが始まり。

コンセプトデザイン

ちなみにマグナと聞くとたくましいイメージがありますがラテン語で

「偉大(女性形)」

という女神的な意味だったりします。

そんなVツインマグナはカスタム(マッスル系)がテーマだったんですが、それに一役買っているのが最大の特徴でもあるディッシュリアホイール。

キャンディワインベリーレッド

名前の由来である”皿”感をものの見事に表現している完璧な一枚物。純正でこんなホイールを付けたバイクは早々なく国産車では初。

どうしてディッシュを何処もやらないのかというと、横風に煽られるからという事もありますがもう一つ問題となるのが引っ掛かる部分がないディッシュホイールにするとホイールバランスの為のウェイトを付けるのが難しくなるから。

だからマグナでも本当は採用を見送るハズだったんですが窪島デザイナーが

MC29コンセプト

「これだけは絶対」

と譲らなかったため切削精度をとことん上げて

『ウェイトが不要な高精度バランスのディッシュホイール』

にする事でなんとか実現させた250らしからぬ非常に手の込んだホイールだったりします。

Vツインマグナカタログ写真

そんなこだわりもありVツインマグナはデビューと同時に人気を呼び(ちゃんとした数字を覚えて無くて申し訳ないのですが)95年度には年間販売台数1万台オーバーでトップセールスを記録しました。

更に二年後の1996年には

・ハザードランプ

・アジャスター付きブレーキレバー

・荷掛けフック付きグラブバー

など使い勝手を向上させるマイナーチェンジと共にSモデルを追加。

VツインマグナS

・フロントもディッシュホイール化

・各部メッキパーツ

・立体エンブレム

などなどカスタム感を更に高めたモデルとなっています。

その後は1999年に排ガス/騒音規制に対応、2004年には強化キーシリンダーや直結防止でセキュリティ強化など小変更のみ。

Vツインマグナ最終モデル

生産終了となる2007年まで大きく形を変えることなく続いたモデルとなりました。

さてさて・・・重ねて言いますがこのVツインマグナはそれはそれは人気でした。

ではその人気の秘訣が何かといえば一つは最初に話した通りアメリカンブームが起こっていたことがあります。

ただそんな中でマグナが一番人気になれたの理由はもちろん

マグナ250カタログ写真

「カッコよかったから」

ですね。

・400並の専用設計ロー&ロングボディ

・ドッシリ座れる440mmの広いシート

・V45と同径の太いフロント

・大きく寝ている前後サスと唯一無二のディッシュホイール

などなど本当にアメリカンの本流デザイン。

マグナ250各部

・・・と思いきや実はそうでもない。

マグナはアメリカンとして基本は抑えつつも随所が少し本流から外れています。

例えば短くカチ上がったダブルショットガンタイプという非常に攻撃的な形をしたマフラー。いくらカスタム系とはいえ純正でこの形はかなり独創的なもの。

マグナ250のマフラー

ちなみにこれはデザイン性だけでなく厳しい騒音規制をクリアしつつも排気音をライダーに積極的に聞かせたいという狙いも含まれており、実際このノーマルマフラーは機能美として非常に好評でした。

もう一つ上げるとエンジン。

Vツインマグナエンジン

VツインマグナはVバンク(前後のシリンダーの開き)が90度と大きく開いてるVツインを搭載しています。

これはベースとなっているのがVT(正確にはXELVIS)のエンジンで、スポーツ性を上げる場合90度が振動面で有利だからなんですが、これがアメリカンとなると話が変わってくる。

アメリカンは振動を良しとされているし何より『塊感』を出すためにこの角度は可能な限り狭くするのが基本だから。

マグナ250のバンク角

だからスティードなんかでも52度と非常に狭くなってるわけですがVツインマグナでは兄貴分がそうだったように90度と大きく開いてて少し変わってる。

その代わりに中身的な事をいうと名車と名高いVT系のエンジンだから走りが良いし、そのままというわけではなくクランクを重くして中低速の厚みを持たせるなどの改良も施されています。

この様にVツインマグナは明らかに要所のデザインが本流から外れている・・・にも関わらず何の違和感も無い。

キャンディフェニックスブルー

奇跡かと思うほど何の違和感もなく纏まってる。

これこそが多くの人の心を掴んだVツインマグナの凄いところであり魅力なんですね。

ただ人気が出たのはそれだけではないと個人的には考えています。

マグナdesign

そもそもなんでアメリカンブームが巻き起こったのかという話。

俗にいうアメリカンという乗り物は名前や皮切りとなったイージーライダー、それにオリジナリティあふれるカスタムをしてナンボという文化からも分かる通り社会や権威への対抗や反抗を示す

『自由を象徴する乗り物』

もっとストレートに言うと

『アウトロー』

という意味合いやイメージが強く、社会に対してそう考える人が増えるたびに人気となる他のバイクとは少し違う特殊な需要があります。

だからメーカーも

『シャドウ(ワイルド)』

『エリミネーター(排除)』

『サベージ(野蛮)』

『ドラッグスター(ドラッグレースカー)』

『レブル(反抗)』

『イントルーダー(侵入者)』

などなどそんなイメージを補強する攻めた名前を付ける。

ではアメリカンブームが巻き起こった90年代に社会で何があったのかといえば

バブルの崩壊

『バブル崩壊』

ですね。

それまで当たり前だったと思っていた社会が揺らぎ、就職すらままならず見捨てられ絶望する若者が続出した。

そんな時代に現れたのが自由を象徴する本格的なアメリカンでありながら個性的でもあったV-TWIN MAGNA。

マグナ250パンフレット写真

こんな社会から逃れて自由になりたいと思う一方で、そんなフリーダムは存在しない事も分かっていた多くの若者にとって

『郷に入るも郷にひれ伏していない自由な姿』

は250ccという身近なクラスでありながらも眩しいほどに大きく輝いて見え、これを所有し乗るという行為が自分が手にする事が出来る最大限の自由”リバティ”だと思えた。

MC29カタログ写真

多くの若者から絶大な人気と支持を得た理由はここにある。

社会から見捨てられた若者を照らした女神・・・それがV-TWIN MAGNAというバイクでした。

主要諸元
全長/幅/高 2315/845/1055mm
[2330/745/1065mm]
シート高 690mm
車軸距離 1620mm
車体重量 183kg(装)
[184kg(装)]
燃料消費率 34.0km/L
[36.0km/L]
※定地走行テスト値
燃料容量 11L
エンジン 水冷4サイクルDOHC二気筒
総排気量 249cc
最高出力 27ps/10000rpm
最高トルク 2.3kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5段リターン
タイヤサイズ 前120/80-17(61S)
後150/80-15M/C(70S)
バッテリー YTX7L-BS
プラグ CR8EH9(標準)/CR9EH9
または
U24FER9/U27FER9
推奨オイル ウルトラU(10W-30)
または
ウルトラSUPER8(10W-40)
オイル容量 全容量2.4L
交換時1.9L
フィルター交換時2.1L
スプロケ 前14|後38
チェーン サイズ520|リンク数110
車体価格 539,000円(税別)
[545,000円(税別)]
※[]内は99年以降モデル
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン 250-A1/SAMURAI -since 1967-

250A1SAMURAI

「世界最速の250cc」

『サムライ』というペットネームでもお馴染みのカワサキ2stスポーツの250-A1(北米名250SAMURAI)。

今ではすっかりお馴染みとなったライムグリーンが生まれるキッカケとなったバイクになります。

このバイクが登場した1967年というのはカワサキがメグロを吸収した頃、つまり有名なZもマッハもまだ存在しておらずメグロから引き継いだ650W1(通称ダブワン)がフラッグシップモデルだった時代。

旧エンブレム

カワサキは元々メイハツ(明石工業)というバイクメーカーを新たに造り、そこに川崎重工(当時は川崎航空機工業)製のエンジンを卸すという形で携わっていたのですが、1961年からその体制をやめ川崎重工の名でB7(125cc)という完成車を売り始めました。

125B7

しかしこれがフレームが折れるなどクレーム&返品の嵐で初っ端から撤退が検討される事態に。

そこで新たに川崎重工とメグロの技術で車体から全てを造ったB8/S(125cc/150cc)というモデルを開発し1962年から販売。しかし既にB7によって評判は最悪だったので払拭するためにも地元のモトクロス大会に出場。

B8兵庫杯レース

そこで1~6位を独占という快挙を達成。

そこから更に全国の大会で成績を残したことで

「カワサキというメーカーのバイクは凄い」

と口コミが広がり人気に。それどころか赤ヘルブームまで巻き起こすほどの人気となりました。

B8レーサー

なんで赤かというと当時のカワサキは赤いタンクと赤いヘルメットがファクトリーのイメージカラーだったから。

今では信じられない話ですが当時カワサキはまだ関東圏では無名だったので、その神出鬼没な感じもウケたんでしょうね。

カワサキはこの成功を足がかりに

「次は北米も意識したオンロードスポーツを」

となり開発されたのが250-A1(北米名250SAMURAI)になります。

250サムライ

既にライバルメーカーは世界(北米)に打って出て人気だった時代。

この差を詰める為にも同じ様に世界に打って出るのは必然だったわけですが、無名で後発なカワサキがそんな中に切り込んでいくにはライバルに勝る性能が必須なのはカワサキ自身もわかっていた。

そこで考えられたのが

「国内レース向けに開発していたバイクをそのまま公道仕様にすること」

1966A1R

そう、正にレーサーレプリカの発想。

カワサキは本格始動してレースマシンを造って走り出したかと思ったら直ぐにその公道向けレプリカを造ったんですね。

2st250ccとしては初となるファクトリーマシン譲りの並列二気筒エンジンでクラストップの31馬力。

サムライのフレーム

更にレーサー並の剛性を持った質実剛健なダブルクレードルフレーム。

圧倒的な速さと安定性を持っていたことから日本でも話題となりました。

250-A1のカタログ

ちなみにトリプルツインというのは

・2シリンダー

・2ロータリーディスクバルブ

・2キャブ

というW要素を3つ備えている事を表した言葉。

北米に至ってはもっとシンプルに

250A1のカタログ

『31ps/ゼロヨン15.1sec』

というタイムを大々的に打ち出し、さらにボンネビルアタックにも挑戦し

『ノーマルで最高時速154km/h』

という250ccクラス最速記録を叩き出す事でハッタリではない事を証明。

これに頭のネジが外れている人が多い北米で注目の的となりバイク誌も大絶賛。

1967年当時のロゴ

「日本で戦闘機を造っていたメーカーらしい」

という納得の事実と認識が広まりカワサキの北米進出計画の初陣は見事に成功を収めました。

ここで北米市場へ切り込む事が出来たカワサキはその後スクランブラータイプのA1SSや350cc版のA7などを相次いで投入。

A1/A1SS/A7

更にはマッハ3そしてZ1と大型バイク市場でも成功を収め世界のカワサキへと急成長していく事になります。

ちなみにこのA1も1970年からはマッハデザインに変更されています。

A1サムライ後期モデル

「いや赤じゃん、緑はいつ登場するんだよ」

って話ですが、250-A1で北米進出に成功したカワサキはさらなるアピールの場として鈴鹿8耐の北米版ともいえる

デイトナ200マイルレース

『デイトナ200マイル』

への参戦を計画。

A1ベースのファクトリーマシンを発売翌年の1968年から製作し始め、次の年にあたる1969年に完成させ出走。

その時の写真がこれ。

1969年デイトナ

緑を纏ったA1ベースのファクトリーマシンに乗るカワサキ軍団。

この1969年デイトナ200マイルがライムグリーンの発祥になります。

これがお披露目された時はザワザワしました。というのもこの緑というのは欧米では不吉な色とされているから。

1969A7RS

縁起を担ぐ事が多いロードレースにおいて、すこぶる縁起が悪い不謹慎とも言える行為。

これの狙いは宣伝の意味合いが強いデイトナ200で

「何処よりも目立つため」

です。

赤は既にホンダやBSAなどが使っており埋もれてしまうから絶対に被らない色として緑が選ばれたんですね。

しかしこれが意外と好評で話題になり、カラーリングの発案者だったアメリカの有名なペインターのモリーはバイク業界で引っ張りだこに。

ペイントバイモーリー

その結果3年後にあたる1972年にはケニーロバーツのバイクもデザイン・・・実はライムグリーン(正確には緑/白)とイエローストロボは同じ人が手掛けたものなんですね。

KR1000

ちなみにカワサキのロゴとしてお馴染み『フライングK』もここが始まりとされており、これにも関わっていた模様。

もう一つ補足すると日本ではA1Racerがライムグリーンの始まりとされていますが、北米カワサキではF21Mがライムグリーンの始まりとされています。

F21M

F21Mというのはカワサキ初の市販モトクロッサー。

どうして日本と違うのかというと日本では赤タンク仕様だけで緑は無かったから。

話を戻すと緑のインパクトは非常に強烈でそれと同時に怪物を連想させる色という事でカワサキのファクトリー軍団はいつしか

「グリーン・モンスター」

と呼ばれる様になりました・・・が、実はこのグリーンモンスターというのは

「緑色の凄いやつら」

という称賛だけの意味ではないんです。

カワサキは70年代頃からレースでも目覚ましい活躍をし始めたんですがレース結果はいつも

「優勝かリタイア」

だった。

ハマれば速いけど基本リタイアという大穴的な存在で、いつも何か起こす波の荒さも含めてグリーン・モンスターと言われていたんです。

KR1000

とはいえ戦績は素晴らしくWGP250/350部門で1975~1982年には緑色の怪物KR250/KR350により4連覇と2連覇。

1981~1983年には世界耐久選手権をKR1000でマニュファクチャラー3連覇。

KR1000

アメリカの方でもZRXでお馴染みKZ1000によりAMA(アメリカの市販車レース)を1981~1982年と2連覇を達成。

KZ1000SR

その後も全日本選手権やモトクロスまで様々なレースで緑色の怪物として暴れまわりました。

そんなライムグリーンが登場してちょうど半世紀になる2019年。

スーパーバイクや耐久レースで再び歴史に名を残す快挙を現在進行系で残しています。

2019鈴鹿8耐優勝

鈴鹿8耐も26年ぶりの優勝を飾りましたね。

そんな半世紀の活躍によって今では緑色のバイクを見ても誰も縁起の悪い色だなんて思わない。

KRTエディション

それどころか誰もがカワサキといえばライムグリーン、そしてファクトリーカラーであるKRT(Kawasaki Racing Team)をカッコいいと思ってる。

これ本当に凄いこと・・・冷静に考えてみてください。

ブリティッシュグリーンならまだしもこんな鮮やかなライムグリーンが人気なんて四輪を含め世界中探したってカワサキ以外は存在しない。

じゃあなんでカワサキだけ許されているのかといえば半世紀に渡って一貫して使い続け築き上げて来たから。だからこそ当たり前に使えて、当たり前に受け入れて、当たり前に町中を走ってる。

ライムグリーン

カワサキだけが凶ではなく吉として使える色。

それがライムグリーンであり、その始まりがこの250-A1/SAMUARAIという話でした。

主要諸元
全長/幅/高 1995/810/1075mm
シート高
車軸距離 1295mm
車体重量 145kg(装)
燃料消費率 42.0km/L
※50km/h走行時
燃料容量 13.5L
エンジン 空冷2サイクル二気筒
総排気量 247cc
最高出力 31.0ps/8000rpm
最高トルク 2.92kg-m/7500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.00-18-4PR
後3.25-18-4PR
バッテリー
プラグ B10HS
推奨オイル
オイル容量
スプロケ
チェーン
車体価格 187,000円(税別)
※スペックは250-A1
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

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