1988年度251~400cc販売台数TOP10

第十位
FZ400R(-Since1988-)
販売台数2,337台

FZ400R

>>FZ400Rの系譜

第九位
VFR400R(-Since1986-)
販売台数3,411台

Bandit400

>>VFR400Rの系譜

第八位
GPX400R(-Since1987-)
販売台数4,099台

GPX400R

>>GPX400Rの系譜

第七位
XV400Virago(-Since1987-)
販売台数5,151台

GPZ400R

>>XV400Viragoの系譜

第六位
CBR400R(-Since1987-)
販売台数5,346台

CBR400R

>>CBR400Rの系譜

第五位
GSX-R400(-Since1988-)
販売台数5,322台

GSX-R400

>>GSX-R400の系譜

第四位
SRX400(-Since1987-)
販売台数8,297台

CBR400RR

>>SRXの系譜

第三位
GPZ400R(-Since1985-)
販売台数8,956台

CB-1

>>GPZ400Rの系譜

第二位
FZR400R(-Since1988-)
販売台数11,352台

ZEPHYR

>>FZR400Rの系譜

第一位
VFR400R(-Since1987-)
販売台数12,701台

VFR400R

>>VFR400Rの系譜

参照:当時の月刊オートバイより

本当の名前は ARTESIA (4DW) -since 1991-

4DW1

「コンチネンタルトレール」

ヤマハが1991年から1995年まで発売したアルティシア(XT400E)/4DW型。

TT250Rやランツァとかならまだしもアルティシアのリクエストが結構あってて何事かと思って調べたら名探偵コナンで登場したんですね。

名探偵コナンアルティシア

世良真純(せらますみ)という登場人物が乗ってるらしい・・・まんまセイラ(アルテイシア)さんネタだなって話なんですが、一応説明しておくとヤマハが出したアルティシアの名前の由来は違います。

これはフランス北部のアルトワ地方に住む自由奔放な人々を指す言葉で自由人という意味。そして細かい事を言うとアルティシアのイは小さいィです

アルティシアポスター

アルテイシア・ソム・ダイクンから取ったわけではないです。

それでこのバイクがどういうモデルか入ると、見て分かるように400トレールで一年先に出ていた欧州向けXT600Eの日本版。実質的な先代にあたるXT400とXT600(SRX4とSRX6)の関係から続いていた流れですね。

アルティシアポスター

中身を具体的にいうと

・SRX4譲りのバランサー&セル付きエンジン

・点火タイミングを変更しクランクマスを軽量化

・キャブを小径化などで非常に緩やかなトルクフィール

・前後ディスクブレーキ(フロントは大径267mmに2ポット)

・ハンドルガード

・ロングシート

・高剛性ダイヤモンドフレーム

・リンク式モノクロスサスペンション

・フロント21インチ

・フロント225mm/リア200mmnのロングストロークサス

・ハンドルが近くて高いオフロードスタイル

などなど分かりやすく言うと少し乱暴ですが400版セローという感じ。

コンチネンタルトレール

この頃ミドルアドベンチャーが欧州で人気を呼んでいて、その流れで日本国内でも400にスケールダウンしたモデルが各社からチラホラ出ていました。

アドベンチャーというと道なき道をゴリゴリ突き進むイメージが湧くかも知れませんが欧州でも基本的に高速道を含むオンロードが主体で、オフロード性能は舗装路と舗装路の間に稀にある砂利舗装などの軽微なグラベルをやり過ごせる程度でよかった。ここら辺は日本と同じですね。

だからオンとオフという両立できない要素の振り分けではどのメーカーも基本的にオンロードが主体でオフロードはおまけ程度なのが当たり前でした。防風性を考えたカウルが付いていたりするのがその象徴。

しかしそんな中でアルティシアだけは明らかに違った。

コンチネンタルトレール

上記したようにオンロードでの走行も考えてはいるもののオフへの振り幅が大きく、オンとオフが50:50に近かった。

これはオフロードライクな見た目からも分かるかと思います。

翌92年モデルでは

・サスペンションのセッティング変更

・アルミリムの採用

・可倒式ブレーキペダル

・機能重視キャリアやキックセット(OP)

などのマイナーチェンジも加わっています。ちなみに世良ファンのために説明するとモデルになってるのはこの1992年モデル(4DW2)です。

1992アルティシア

そんなオフを妥協しなかったアルティシアに対する反応がどうだったかというと、兄貴分にあたるXT600Eは欧州だけで10年間92,000台超の登録という爆発的な人気を記録。

しかし一方で国内では

『車検がある400ccのトレール』

という不人気クラスだった事もあり最初こそ話題になったもののロングセラーにはなりませんでした。

このクラスが売れない事はヤマハ自身も分かっていたと思うんですが、じゃあなんで出したのかという話というか考察。

アルティシアが出る少し前にあたる1980年代後半といえばレーサーレプリカブームですが、一方でそこまでではないもののオフロードの人気も今よりは高かった。

その皮切りとなったのはご存知セローなんですがヤマハはさらに畳み掛けるように

・DT50/125R

・TT250R

・TW200

・TDR250

など色んな角度のオフロードバイクを出すだけではなく、初心者にオフロードの楽しさを知ってもらうための体験イベントなども精力的に開催していました。

ヤマハYRS

正直ここまでの攻勢を仕掛けていたメーカーはヤマハくらい。

理由はもちろんトレールという言葉を生み出した事からも分かる通り、オフという楽しみを大衆に開拓した歴史を持つのがヤマハだから。

ただもう一つ重要な要素が当時ヤマハは

『レーサーレプリカの次に来るのはオフロード』

と捉えてる節があった事。

レーサーレプリカという競争に疲弊する人達が続出するのはどのメーカーも分かっていた。各社がレーレプブーム真っ只中に外したバイクを出したりしたのもそのためで、結果的にオールドスタイルのネイキッドが次のブームを担う存在になったのは周知の事実かと思います。

そんな中でヤマハは明らかにオフロード推しというか呼び寄せる気満々でした・・・だからニューモデルを次々と投入していったわけですが、そうした時に競争疲れを起こしたオンロードユーザーをいきなりオフの世界へ引っ張るのではなく、マイペースで入ってこれるように用意したのが舗装も未舗装も決して速くはないけど熟せるアルティシアだったのではないかと。

アルティシアのカタログ写真

XT400Eではなく

『ARTESIA(アルティシア)』

という名前を掲げた理由もここにあると思います。

XTというブランドネームは強みな一方でオフロード色が強く、先入観や固定概念を生んでしまう。これではオンもオフも捨てていないXT400Eの魅力を見えにくくしてしまう。

4DW2

だからこそXTという本当の名前ではなくアルティシアと、オンオフ縛られずまた競わない自由奔放を意味する名前を与えられたのではないかと。

主要諸元
全長/幅/高 2225/830/1240mm
シート高 860mm
車軸距離 1445mm
車体重量 155kg(乾)
燃料消費率 52km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 13.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 399cc
最高出力 31ps/7000rpm
最高トルク 3.3kg-m/6000rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前90/90-21(54S)
後120/90-17(64S)
バッテリー YTX9-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DPR8EA-9
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.6L
交換時2.5L
フィルター交換時2.6L
スプロケ 前15|後45
チェーン サイズ520|リンク106
車体価格 449,000円(税別)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

Twist and Shaft WING (GL400/500) -since 1978-

ウィングGL400

「Vツインの鼓動。個性の走り。」

ホンダが1978年に出した誰がどう見ても普通じゃない形をしているGL500と半年後に登場したGL400。

このバイクを知ってる人は少ないし、知っていても

「1981年に出たCX500TURBOのベース」

というイメージがあるかと思いますが、それ以外でもアメリカンやヨーロピアンなど色々なモデルが出ています。

GL400カスタム

最初にそこら辺のモデルチェンジ歴について書くと

1977年:GL500
1978年:GL400(400版)
1979年:GL400/500CUSTOM(アメリカン版)
1981年:CX500TURBO
1982年:CX-EURO(ヨーロピアン調にした400後継)
1983年:CX CUSTOM(アメリカン版)

という形になっています。

少しややこしいのが海外では最初からCXという名前だったこと。

海外向けGL500

これは向こうではGL1000 GOLDWINGのミドルスポーツ版という立ち位置だったから。

対して日本はナナハン規制でGLが無く、これに国内版GOLDWINGの役割も担わせる狙いがあったから最初はGLだったというわけ。

ホンダCX400

ただ1982年のヨーロピアン調とアメリカン調にモデルチェンジされた事を機に世界共通のCXに改められました。

話を巻き戻すとGOLDWINGの役割も担っていた事からGL400/500は

『WING(ウィング)』

というホンダを象徴する大層な和名を与えられており、またその名に恥じないホンダ初のVツインにふさわしいモデルでした。

GL500エンジンコンセプト

そう、実はホンダ初のVツイン(というかV型)なんですこのバイク。

このWINGが登場するまでホンダはFOURを除くと日本のライバルメーカーと同じくCB360TやCB500TそしてCB400Tホークなど並列二気筒がメインでした。もちろんV4(レーサーNR)もまだ開発中で公にされていない時期。

CX500エンジン

では何故ここに来て唐突にVツインを出したのかというと社内で次世代のミドルエンジンについて議論されたから。

1970年代に入ると今も続く騒音規制が世界中で設けられる様になったんですが、その事からホンダは

「大排気量バイクは廃れ中排気量が主流になる」

という結論に至り、じゃあ中排気量にとっての理想のエンジンは何か議論した末に

・並列二気筒(バランサー付き)

・V型二気筒

の2案に絞られ両方のエンジンを搭載したバイクを製作し皆で試乗。

CB200Vツイン

すると多くの人から

「Vツインには他にはない面白みと深みがある」

という声が上がった事からVツインの開発が始まったというわけ。

こうして完成したVツインなんですが実にホンダらしいというか何というか、お手本の様な形ではなく独創性の塊の的なエンジンでした。

ホンダウィングGGL400

見てもらうと分かる通り巨大なラジエーターが正面にドカンと鎮座し、両脇からシリンダーが突き出る様に伸びている縦型の形。

横ではなく縦を選んだ理由はシャフトドライブの採用が決められていたから。

GL500クレイモデル

開発にあたってアメリカで調査を行ったところ

「チェーンなら1万マイル(16000km)だがシャフトドライブなら8万マイル(128000km)もノーメンテで走れるから最高だ」

と向こうの雑誌の読者コーナーで絶賛されていたのを目にしてからシャフトドライブは必須となった。そしてその場合、駆動が縦を向く縦型の方が都合が良かったんですね。

動力の向き

もちろんそれ以外にも全高を抑えつつ真ん中のスペースを空けることが出来るのでエアクリーナーボックスを始めとした吸気系に余裕ができるメリットもあります。

ただし縦型にするとヘリコプターの車体がプロペラと反対方向に回ってしまうのと同じ横方向のトルクリアクション(反力)が発生する。

反力

だからWINGもアクセル開けると少し右に傾いちゃったりするんだけど、大質量のクラッチとドリブンギアを反対方向に回転させる事で気にならない程度に抑えてある。

もう一つ問題として全高は抑えられるものの全幅が広がるのでバンク角やニーグリップで干渉問題が出てくるわけですが、それを解決するためにホンダが取った方法がそれまた独創的で面白い。

上から見た図

まずエンジンのバンク角(シリンダーの開き角)を振動を抑えられる90度ではなく、振動がそれほど問題にならないギリギリの80度にし更にシリンダーヘッドを22度捻るという手法を採用したんです。

こうやって吸気~燃焼室~排気の流れをV字型にすることで直線のまま腹下をスリム化する事に成功。

インテーク

ただしこうするとガソリンを燃やしてグルグル回るエンジン下部のクランクから動力を拝借する必要がある上部のカム角度がズレてしまうのでチェーンやギヤで繋ぐのが非常に難しくなる。

22度エンジンヘッド

そこでホンダが取り入れたのがハーレーなどクラシックなバイクでお馴染みプッシュロッドと呼ばれる棒でバルブを小突く様に開け締めするOHV式。

バルブ開閉の精密さを上げるためOHVに代わるように生まれたSOHC、そしてそこから更に発展したDOHCが出回り始め称賛されていた時代にまさかの旧世代バルブ機構。

OHV

こうして完成したのが効率よりもスリムさを取った独創的な

『ツイステッドVツイン』

なんですがこう聞くとスポーツ性があまり高くないように思いますよね・・・でもそうじゃないのがWINGの凄い所。

当時は『リッター換算100馬力』がハイスペックの証でした。じゃあWINGはどうなのかというと

WINGパワーカーブ

『496cc/48馬力(396cc/40ps)』

なんとリッター換算100馬力のハイスペッククラス。

どう考えてもパワーを絞り出すには向いていないエンジンで何故これほどのパワーを出せたのかと言うと、一つは水冷化によって圧縮比をレギュラーガソリンながら10:1と非常に高く出来たから。

GL500エンジンカタログ

そしてもう一つは”超”を飛び越えて超々ショートストロークエンジンだったから。

GL500は【78.0×52.0】とスーパースポーツも裸足で逃げ出すほどのショートストロークなんです。奇しくもこれとほぼ一緒。

RA300

これだけでどれだけ異常か分かるかと。ちなみに400もスケールダウンしているものの圧倒的な超々ショートストローク。

そんなF1マシンから二気筒だけ切り取ってきたかの様なエンジンのヘッドを22°捻って疑似空冷フィンすら設けないゴリゴリの水冷化をし、ステータスだったDOHCではなくSOHCどころか一昔前のOHVバルブ駆動で12000rpmまで回りリッター100馬力を叩き出すシャフトドライブのバイクがこのWING。

ホンダGL400

「一体なにを考えて造ったの」

って話ですよね。

ちなみに高回転が苦手なはずのOHV機構で何故ここまで回せるのかというと、潜水艦に使われる特殊ステンレス鋼のプッシュロッドを採用して熱膨張によるクリアランス誤差を無くし精度を限界まで高めたから。

CX500のブローシャー

もちろんフライホイールマスを増して緩やかな回転にしているから7000rpmまでは意外とジェントルだし乾燥重量でも218kgだからビュンビュン走るバイクでない。

ただ高回転になると超々ショートストロークエンジンが本領を発揮し・・・当たり前のように20km/L切る。

そんなもんだからレーサーNS750のベースエンジンにも選ばれました。

NS750

GL500のエンジンを縦置きチェーンドライブ化したアメリカのダートトラックレーサーでライダーはかの有名なフレディ・スペンサー。

NS750エンジン

縦型ツイストVツインっていう・・・ちなみにここから発展した最終形がアフリカツインになります。

GLとアフツイの関係

GLとアフツイの意外な繋がりでした。

話を戻すと、いくら新世代ミドルとはいえ初っ端から飛ばし過ぎだろと思うんですがこれには最初に上げた

『次世代ミドル』

とは別にもう一つ並列する形で行われていた別の議論が関係しています。

それは

「コンベンショナル(枠に嵌った形)のままではバイクの未来は無い」

という議論。

この頃もう既に日本メーカーが世界に大躍進していたんですが、ホンダに限らずどのメーカーも並列エンジンを直線基調のボディに積んだいわゆるジャパニーズネイキッドばかりな状況だった。

確かにそれはそれで好評だったんですが一方で

「遠くから見ると全部同じに見える」

と揶揄する声も少なくなかった。この事にWINGの車体デザインする事になった宮智主任も危機感を抱いていた。

コンセプトスケッチ

そこで出てきた話が次世代ミドルとしてVツインを出すという話。

つまり

・新世代のVツインミドル

・没個性への危機感

この2つ要素が奇跡的に重なった事でWINGの開発(開発車名イーグル)が本格始動したんです。

GL500のデザインプロセス

『他にはない次世代の指標にもなれるセニア向けバイク』

というテーマのもと社内コンペを行いデザインコンセプトを決めた後も、角目から丸目への変更やバネ下重量軽減のためにリアをドラムに変更など3年もかけて何度も手直し。

その中でも象徴的なのがやはりエンジン。

GL500エンジンコンセプト

初期案の頃は疑似フィン付きでVバンクも浅いものでした。

これは当時まだ水冷もVツインもメジャーではなく市場から拒絶されていたから。だから空冷並列二気筒に見えるようにしたデザインしたんです。

しかしそういう現在の市場に媚びる形では次世代の指標にはなりえないという事で、水冷Vツインはありえないと言われていた時代にも関わらず

『水冷Vツインを恥じるどころか誇った姿』

にした。これこそがWINGのコンセプトを象徴するものであり魅力なんですね。

ウィング400

じゃあこれ売れたのかというと・・・実はかなり売れた。

モーサイの調査によるとGL400は29,492台で歴代400クラスで10番目と、車体価格が高かったにも関わらずなんとホークより売れた。海外でも(正確な台数は分かりませんが)特集などが組まれ好き嫌いがハッキリ分かれる話題性と人気があったよう。

ウィング400広告写真

ただし同時に人気も決して長くは続かなかった。

一つはホンダがGPレース復帰を表明し、同時に時代がレーサーレプリカブームに流れていった事。

そしてもう一つが何にも属さず媚びず、新しいのか古いのかさえ分からなくしてしまうほどの圧倒的な個性で定義(立ち位置)が難しく理解されにくかった事。

色んな姿かたちのバイクやジャンルが生まれては消えていった現代ならWINGがどういうバイクなのか定義づけるのは簡単なんだけどね。

GL400/GL500カタログ写真

WINGを定義づけるとしたらそれはもちろん・・・ロックでしょ。

参考文献:モトライダー1978/2

主要諸元
全長/幅/高 2185/865/1175mm
シート高
車軸距離 1455mm
車体重量 218kg(乾)
燃料消費率 30km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルOHV2気筒
総排気量 496cc
[396cc]
最高出力 48ps/9000rpm
[40ps/9500rpm]
最高トルク 4.1kg-m/7000rpm
[3.2kg-m/7500rpm]
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前3.25S19-4PR
後3.75S18-4PR
バッテリー YB14L-A2
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
D8EA
または
X24ES-U
推奨オイル SAE 10W/30~20W/40
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.0L
交換時2.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 448,000円(税別)
[438,000円(税別)]
※[]内はGL400
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

RでもFでもない RF400R/RV (GK78A) -since 1993-

スズキRF400R

「TOUR de FORCE」

1993年にスズキから登場したRF400R/GK78A型。

GSX-R400(Bandit400)をベースとした今でいうスポーツツアラーなんですが、あまりの不人気さからよく250のアクロスと混同されたりしていますね。

人気が出なかったのはネイキッドブームだった事が一番にありますが

『RF』

というピンと来ないスズキっぽくない名前も一因だったかと。

このモデルはもともと欧州向けスポーツツアラーのRF600Rが基軸にあります。

RF600R写真

車体も共有なので400ccとして大きめな事もあり

「バンディットにカウル被せたツアラー」

とか

「GSX-R400をツアラーにしたバイク」

と言われがちですが中身も結構変更されておりコンセプトからいっても単純にツアラーと片付けられるモデルではありません。

RF400R

Bandit400からの主な変更点は

・スプロケの丁数変更

・キャブの小径化

・カムやクランクマスの変更

などなどで中速を強化。

更にスズキ初の一体プレス成型で剛性を大きく上げつつ10%の軽量をした鮮やかなスチールフレームや、オイル容量アップの為にエキパイを左に寄せて備え付けられた専用オイルパン。

ディメンション

そして400として異例なラウンド(湾曲)型の水冷オイルクーラーなどかなり贅沢な装備の数々。

もちろん元々GSX-R400Rというバリバリのレーサーレプリカエンジンがベースなので当然ながら良く回るし速い。

見た目の方もサイドカウルに入ったスリットなどで見た目のパンチも十分。

サイドのエラ

「テスタロッサみたい」

とか言われていますね。

テスタロッサ

念のために断っておくとRF400Rのモチーフはテスタロッサではなく魚の『エイ』です。

「そう言われると確かにエイに見える」

と思うのではないでしょうか。

RF600R顔

ちなみにこのRF400Rはジブリの『耳をすませば』に登場したことで有名ですが、もう一つ実写で登場した作品があります。

その名も

カクレンジャーRF400R

『忍者戦隊カクレンジャー』

よりにもよってNinja・・・しかもエイなのにサメになってる。

各々のカラーに塗装されたカラフルなRF400Rが用意されブラック役に至ってはケイン・コスギさんだった模様。

なんてネタ話はこれくらいにして話を戻すと、1995年にはBanditに習って可変バルブを備えたVCエンジンモデルも登場しました。

カタログ写真

GSX-R400Rというお世辞にもツアラー向けとはいえない低速トルクがスカスカのエンジンがベースなので中低速を底上げする可変バルブのVC搭載は必然とも言えますね。

RFのエンジン

ただ単純にツアラーと片付ける事が出来ないと最初に言ったのは、この元気過ぎるGSX-R400R由来のエンジンを積んでいる事ではありません。

「ツアラーじゃないなら何なんだ」

と問われたら

「RFです」

と答えるのが正しいかと思います。これは決して馬鹿にしているわけではありません。

そもそもRF400Rが誕生するキッカケとなったのは社内の若手エンジニアたちが

「もう流行を追うのを止めよう」

と考えた事が発端にあります。

なぜそんな事を考えたのかというと開発当時(90年初頭)はレーサーレプリカ一辺倒が嘘のようにネイキッド一辺倒になった時代でした。本当に正に天地が引っくり返った様に市場の売れ筋が大きく変わった時代だったんです。

しかしそのネイキッドブームもレーサーレプリカと同じ様に長くは続かない、そしてそういう流行を追ったバイクを出しても長く付き合ってもらえるバイクには成りえない事が分かりきっていた。

だからレーサーレプリカでもネイキッドでもないバイクを

コンセプトデザイン

「長く愛される為に全てを熟せるバイクを」

と考えて造られたのがこのRF400Rなんです。

そしてそれを表しているのが他ならぬ『RF』というピンと来ない名前であり言葉。

名前の由来

このRFというのはスズキが誇るレーサーレプリカの

『GSX-“R”』

そして同じくスズキが誇るネイキッドの

『GS”F”(Bandit)』

から取っています。

つまりRFというバイクは

カタログ写真

「RでもあるしFでもある。でも決してRだけでもFだけでもないバイク」

という事。

このピンと来ない名前こそRF400Rがどんなバイクかを最も良く表した言葉なんです。

主要諸元
全長/幅/高 2115/720/1180mm
シート高 775mm
車軸距離 1430mm
車体重量 185kg(乾)
燃料消費率 36.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 17.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 53ps/11000rpm
最高トルク 3.8kg-m/9500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70R17(58H)
後160/60R17(69H)
バッテリー FTX9-BS
[FTX7A-BS]
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR7EK/CR8EK/CR9EK
または
U22ETR/U24ETR/U27ETR
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量3.7L
交換時2.9L
フィルター交換時3.2L
スプロケ 前14|後49
チェーン サイズ525|リンク110
車体価格 649,000円(税別)
[699,000円(税別)]
※[]内はRV
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

最初で最後のフルスペック DR-Z400S/SM (SK43A/SK44A) -since 2000-

SK43A

「GO TO THE TOP」

水冷400オフロードではスズキ唯一の車種となるDR-Z400S(SK43A)

このモデルは2stモトクロッサーRM250の4st版というコンセプトで作られた経緯があります。

RM250

そしてもう一つ大事なのは保安部品やセルが無いエンデューロレーサーDR-Z400(写真下:DK42A)との共同開発だった事。

DR-Z400

これは欧州を中心にして始まったエンデューロレースに合わせたもの。

・大口径バルブ
・鍛造ピストン
・メッキシリンダー
・マグエンジンカバー

を採用し40馬力を発揮する単気筒エンジンはもちろん、フレームもクロモリ鋼管製ダブルクレードルにアルミアーム。

他にも大径49mmで圧側14段・伸側18段調節可能な正立カートリッジタイプとアルミガードにアルミペダル等など本当に余念がない豪華な作り。

DR-Z400S

DR-Z400SはそんなDR-Zの公道版モデル。

だから400最速クラスであると同時に628,000円(税別)とクラス最高値の高級な部類でもありました。

DR-Z400S公式フォト

DR-Z400Sは油断すると簡単にウィリーするほど明らかにとてつもないパワーを持っていました・・・が、だからこそ手に余ると考る人達が続出した。

これはエンデューロレーサーレプリカだったからです。

レーシングポテンシャルDR-Z400S

タンクが10Lだったり、一部で三角木馬と揶揄されるほど固く薄く細いシートだったのもそういう事から。

ただシートに関しては足つきを考えて日本仕様はローシートを標準にしたのもあります。

DR-Z400S後期

一方、オフロード大国でガタイがいいアメリカやオーストラリアの人はナンバー付きのエンデュランスとして大歓迎。

向こうでは2017年時点で継続販売されており、オーストラリアに至っては陸軍にも採用されるほど。

ちなみに日本では発売されていませんが、向こうでは緑バージョンも存在しました。

KLX400R

カワサキへOEM供給されたDR-Z400Sその名もKLX400。2002年から2年間ほど売っていた様です。

しかし驚くのはまだ早い。

これのお返しとして用意されたのがLT-Z400というバイク・・・じゃなくてATV。

LT-Z400

若干傾斜していますが何処からどう見てもDR-Z400のエンジンですね。

ちなみにこっちはカワサキバージョンのKFX400。

KFX400

GSX250FX/BALIUS2やD-TRACKER/250SBといった一時期やっていたOEM提携ですが、海外でもこういう事をやっていたわけです。

DR-Z400のエンジンがタフだと言われる事や、ヨシムラがフルチューンしたのも頷ける話。

M450R

これはヨシムラが手掛けたスーパーモタード仕様のM450R。

限定13台で198.8万円(SPEC3)という超高級DR-Z400Sです。

話を戻すと・・・日本ではあまりのスペックから躊躇されたDR-Zですが、2004年から発売されたDR-Z400SM(SK44A)の方は有名じゃないかと思います。

DR-Z400SMカタログ

モトクロッサーRM用の大径倒立フォークに17インチスポークホイール。スイングアームも専用のアルミ製という相も変わらず贅沢な仕様。

DR-Z400Sがピカイチな速さを持っていた事は誰もが知っていたので、そのオンロード仕様ということで

「これなら自分でも乗れる」

と東京モーターショーで大反響を獲得しました。

DR-Z400SMz

これはブルーアルマイト加工されたホイールやハンドルバー、カシマコーティングされたフロントフォーク等を装備した限定300台の特別仕様DR-Z400SMzです。今となっては超希少・

言い忘れていましたがDR-Z400は水冷400エンデュランスとして、DR-Z400SMは水冷400モタードとして国産車初であり最後でもあるモデル。

一体なぜ続かなかったのかというとレギュレーション(クラス上限)が450ccにアップされたから。

DR-Z400SMファイナル

上で紹介したM450Rが449cc化されているのもそのためで、要するに該当するクラスがすぐに無くなってしまった。

非常に残念な事でもあるんですが、これがDR-Z400S/SMを唯一無二に近い存在にしている事でもある。

DR-Z400S/SMはスペックが凄い・・・何故そうなのか。

DR-Z400SMファイナル

「日本の免許事情に奇跡的にマッチしたフルスペック400だから凄い」

という話。

だから、ある人はレース用の450ccモトクロッサーとの勝負に用い、またある人は排気量の規格がない無差別級なジムカーナでストリートファイター達との勝負に用いる。

それだけのポテンシャルを持っていたからこんな飛び級のような事が出来た。

SK44A

普通二輪で乗れるチャンピオンイエローに恥じぬ公道最速クラスの400。

「もう二度と出ないであろうフルスペック400」

それがDR-Z400/SMというモデルでした。

主要諸元
全長/幅/高 2310/875/1235mm
[2225/870/1195mm]
シート高 895mm
[870mm]
車軸距離 1475mm
[1460mm]
車体重量 129kg(乾)
[133kg(乾)]
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 10.0L
エンジン 水冷4サイクルDOHC単気筒
総排気量 398cc
最高出力 40ps/7500rpm
最高トルク 4.0kg-m/6500rpm
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ 前80/100-21(51P)
後120/90-18(65P)
[前120/70-17(58H)
後140/70-17(66H)]
バッテリー YT7B-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8E
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.9L
交換時1.7L
フィルター交換時1.8L
スプロケ 前15|後43
[前15|後41]
チェーン サイズ520|リンク110
車体価格 628,000円(税別)
[698,000円(税別)]
※[]内はDR-Z400SM

01年:各種ガード追加と小変更

03年:カムチェーンテンショナー見直し

04年:Sモデルのスプロケやマフラー形状の変更

06年:イグニッションスイッチやキーの変更、レンサルファットバーとアクスルスライダーを装備(SMのみ)

07年:フューエルコックの負圧化

08年:モデルをもって排ガス規制により生産終了

系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

決して多くない人たちへ SRX-6(1JK~) SRX-4(1JL~) -since 1985-

初代SRX-6

「Taste of the world」

今もなお一部のライダーから絶大な支持を得ているSRX。

このバイクは販売台数が低迷してきたSR400の後継機として開発がスタートした経緯があります。

1982XT400

エンジンはSRの物ではなくXT600/400のもの。

SR400の元がXT600/400のご先祖であるXT500だったことを考えると、SRXは従兄弟というか腹違いの兄弟の様なバイクですね。

SRXエンジン

いきなりですがSRXは特にこれと言って目立ったメカニズムがありません。

エンジンも振動を打ち消す一軸バランサーを装着している事くらい。

フレームも至ってシンプルなダブルクレードルフレームです・・・が、そう単純な話ではない。

SRXフレーム

当時はレーサーレプリカ全盛期で、次々と新装備や高いスペック、そして

“カウル付きにあらずんばバイクにあらず”

という時代だった。

SRXプロジェクト(SRの後継プロジェクト)はそんな風潮に納得がいかないエンジニアが自主的に集まったのが始まり。

決まりごとは一つ。

1988SRX-6

「必要なものにはコストを惜しまず、不必要なものは絶対につけない」

ということ。

「DOHCなんて飾り」

「カウルなんて整備しにくいだけ」

「セルなんて軟派な奴が使うモノ」

SRX-6カタログ写真

「同じ考えを持った決して多くない人たちに向けた本物のバイクを」

という事を至上命題に。売れる売れないは最初から頭になかった。

SRXは基本に忠実に磨き上げたような車体構造だから

「ここが凄いんだぜ」

と言えるようなメカニズムが無い。

SRXカタログ

その代わり乗れば如何にギミックを捨てて、基礎を磨き上げたバイクか分かります。

そしてそんなこだわりも持っていたのはエンジニアだけでなくデザイナーも同じ。

SRXラフデザイン

SRXは一条さんというGKデザインでVmaxなどを手がけられた方がデザイン。

この方もそれらのバイクを生み出しただけの事はあり、絶対にデザイン面で譲らなかった。

2NX

例えばこのエンジンを舐めるように囲っているフレーム。

本当はもう少しエンジンとフレームに余裕を持たせないと組む事が出来ない。でもそれではデザインが崩れるとして譲らず、アンダー部をボルトマウント(サブフレーム)に変更。

SRX-6ジャケット写真

他にも正面から見た時にフロントフォークからタンクがハミ出てるのが気に食わないとして、正月休みの間にクレイモデルを勝手に持って帰り、シレっと削るという暴挙に出てエンジニアと口論。

更には当時としては非常に珍しかったショートマフラーも肝心要だとして絶対に譲らなかった。

POTENTIAL SINGLE

だからこのマフラーは性能から導き出される本来のマフラーの作り方ではなく、この形を前提とした開発。

その努力の跡は素人目で見ても分かります。

SRXマフラー

ちなみにSRXとVmaxは同じ1985年に発売されたバイクでデザインは同時進行。

「洋(アメリカ)のVmax」

「和のSRX」

という表裏なテーマを持たせたそう。

他にも軽量化や質感の為にアルミを奢ったりしているわけですが、ここで少し話しておかないといけない事があります。

「ロードボンバー」

というバイクについてです。

ロードボンバー

「大事なのはパワーではなく操縦性」

という考えを持っていた島英彦さんという方がXT500のエンジンをベースに作り上げたシングルレーサー。

1978年の第一回鈴鹿8時間耐久ロードレースにこのバイクで出場したわけですが、四気筒1000ccが当たり前だった状況で単気筒500cc。

当然ながら誰もが無謀と思っていましたが、単気筒の武器である軽さや低燃費性など

「少ないリソースを最大限活かす」

という考えで見事8位入賞という快挙を成し遂げ一躍注目の的に。

BSA

既に開発中だったSR500/400はBSA系のデザインで行く予定だったのですが、このロードボンバーへの大反響が後押しする形でこうなった経緯があります。

初代SR400

しかしどちらかというとSRXの方がスポーツ志向でロードボンバーに近いことから

「SRXこそロードボンバーでは」

という声が広まりました・・・が、どうもSRXの開発に対しては島さんは初期に少し関わったのみで市販されたSRXとはほぼ無関係との事。

SRX-6銀

もちろんSRやSRXが生まれる事が出来たのはロードボンバーの追い風があったからなのは間違いないでしょうけどね。

話をSRXに戻します。

初代SRX-6

「俺達と同じように分かるやつだけ乗ってくれればいい」

という気兼ねで作られたSRXのモデルチェンジについてザックリ説明。

1987年
SRX-6(2NX)/SRX-4(2NY)

二代目SRX-6

・キャブやエンジン周りの見直し
・タンデムステップの移設
・18インチから17インチへ
・シングルディスク化
・4ポットキャリパー
・-2kgの軽量化

1988年
SRX-6(3GV)/SRX-4(3HU)

三代目SRX-6

・ラジアルタイヤ装備
・給排気系の見直し
チェーンを520から428にコンバート

1990年
SRX600(3SX)/
SRX400(3NV)

四代目SRX

フルモデルチェンジされた後期型モデル。

多くの人に日常の足としても親しまれる様になったことからセルを装備し、モノサス化とアルミスイングアームなどフレームの大幅な見直し。

デザインも上村国三郎さんに変更されガラッと雰囲気が変わって車名もSRX400とSRX600に改名(※海外では最初からコッチ)。

1991年
SRX600(3SX後期)
SRX400(3NV後期)

五代目SRX

最後のモデルチェンジになる91年モデルではサスペンションの見直し・・・等など。

ちなみに言い忘れていましたが400と600の違いはオイルクーラーが付いておらずシングルディスクなのが400。

※YSP限定は400もダブルディスク

SRX400

ただ後期400にはオイルクーラーが装着されています。

何故こんな細かなモデルチェンジを繰り返したのかというと、幸運なことにそんなエンジニアの想定を大きく超えるヒットとなったから。

ヤマハによるとSRX-6が世界累計で19,000台、SRX-4も国内だけで30,000台も生産されています。

そして売れたことで

SRX-6アメリカ

「必要なものに更にお金をかけることが可能となった」

との事。

結局、数を売ろうという考えは最後までありませんでした。

SRX400カタログ写真

しかし残念ながら91年モデルを最後にフェードアウトするように生産終了に。

その道のプロをも唸らせる作りと人気だったにも関わらず生産終了となってしまった理由・・・それは

「SRがいたから」

です。

SR400UK

もはやヤマハ史の生き証人となっていたSRを途絶えさてはいけないという判断が、よりもよって後継となるはずだったSRXの開発の終わり際に決定。

つまりSRXは世に出る前から消える事を運命づけられていた。

SRX400

なんとも悲しい話なんですが、SRを責めないでやってください。SRがいたからこそSRXのプロジェクトが始動したわけですから。

そもそもこれが市販化出来たのは、開発チームが自分が欲しかった事と

“同じ考えを持った決して多くない人たちに届けたい”

という強い思いがあったから。

絶対にプレゼンを通すために、等身大のデザインスケッチや、塗装ではなく質感を出すために本物のアルミを奢ったスペシャルモデルなどまで用意。

SRX1/1スケッチ

「そこまで言うなら・・・」

と上を物怖じさせるほど熱弁し訴えることで市販化に漕ぎ着けたわけです。

そして消える運命なのになかなか消えず、発売後も改良が続けられたのは

“同じ考えを持った決して多くない人たち”

が買い支えてくれたから。

SRX-6カタログ写真

SRの存在によって生み出され、SRの存在によって消えていった、SRとは似て非なる格調高きポテンシャルシングル。

それがSRXというバイクです。

主要諸元
全長/幅/高 2085/705/1055mm
2090/720/1045mm※3SX/3VN
シート高 760mm
車軸距離 1385mm
1425mm※3SX/3VN
車体重量 170kg(装)※1JK/3SX/3VN
166kg(装)※2NX/3GV
(168kg(装)※1JL)
(165kg(装)※2NY/3HU)
燃料消費率 40(51.0)km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 15.0L
エンジン 空冷4サイクルOHC単気筒
総排気量 608cc
(399cc)
最高出力 42ps/6500rpm
(33ps/7000rpm)
最高トルク 4.9kg-m/5500rpm
(3.4kg-m/6000rpm)
変速機 常時噛合式5速リターン
タイヤサイズ

前100/80-18(53S)|後120/80-18(62S)※1JK/1JL
前100/90-17(55S)|後120/80-18(62S)※2NX/2NY
前110/80-17(57H)|後120/80-18(62H)※3GV/3HU
前110/70-17(54H)|後140/70-17(66H)※3SX/3VN

バッテリー YB5L-B
YTX9-BS※3SX/3VN
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
DP7EA-9
DPR8EA-9※3SX/3VN
推奨オイル オートルーブ
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量2.4L|交換時2.0L|フィルター交換時2.1L
全容量2.8L|交換時2.4L|フィルター交換時2.5L※3SX/3VN
スプロケ 前15|後37※1JK
前19|後47※2NX/3GV/3SX
(前14|後41※1JL/2NY)
(前17|後50※3HU/3VN)
チェーン サイズ520|リンク104※1JK
サイズ520|リンク104※2NX
サイズ428|リンク132※3GV/3HU
サイズ428|リンク138※3SX/3VN
(サイズ520|リンク106※1JL/2NY)
車体価格 548,000円(税別)/SRX600(1JK)
498,000円(税別)/SRX400(1JL)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

チャンピオンの重み RG500/400Γ (HM31A/B/HK31A) -since 1985-

RG500ガンマ

「HYPER SPRINTER」

ビッグレプリカシリーズの最後になるRG500Γ。

仕様地によって型式が違う

『RG500Γ(HM31A/B:通称ゴガン)』

と国内向けの

『RG400Γ(HK31A:通称ヨンガン)』

がありました。

このバイクはその凄まじさから知名度は結構ある方かと思います。

何が凄まじいって中身がファクトリーレーサーRGΓ500のレプリカだったからなんですが・・・

RG500ガンマエンジン

排気量はもちろんのことエンジンの形式からボア・ストローク比、ロータリーディスクバルブ、アルミフレームに至るまでRGΓ500とほぼ同じ。

つまりレプリカを通り越してフルコピーとも言える作りだったんです。

RGΓ500のファクトリーライダーで1980年のWPGチャンピオンだったフランコ・ウンチーニですら

「本当にそのまま出すとは・・・」

と漏らすほど。

RG400センター

先に紹介したNS400RやRZV500Rを読んでいただいた方なら疑問に感じると思うのですが

「何故スズキだけファクトリーマシン直系な市販車を出せたのか」

という話ですよね。

これはスズキだから出せた事なんです。

RG400ガンマカタログ写真

スズキというのは中の人いわく

良く言うと

「自由で柵の無い環境」

悪く言うと

「何でもしないといけない環境」

という環境にある。

これがどういう事かというとRG500/400Γのプロジェクトリーダーはカタナを含むGSシリーズやGSX-R750等を生み出された横内悦夫さんというスズキマニアなら知らぬ人は居ないレジェンドな方だったのですが、そんな横内さんを始め開発メンバーは皆ファクトリーマシン開発に携わっていた方々なんです。

要するにファクトリーと市販の壁らしい壁が無かった。

その証拠にこのRG500/400Γを作るにあたって先ず最初にしたことは、元となるファクトリーマシンRGΓ500をテスト・分析する為に持ち出した事。

RG400ガンマカタログ写真

つまりファクトリーマシンで培ったノウハウを元に、公道版RGΓ500を造ったからほとんどRGΓ500なマシンが仕上がったというわけ。

ガンマの名を冠したフラッグシップモデルである以上、頭一つ抜きん出た95馬力(逆車)という高馬力は当たり前。

RG400ガンマフレーム

・接合点を減らし美しくかつ10kgを切るほど軽量化されたアルミフレームや、砂型鋳造アルマイト加工な上に栄光の証であるΓの刻印(赤丸)まで付いているコスト度外視なステアリングヘッド等などで乾燥重量156kgという圧倒的な軽さ。

レーサーと同じようにトップブリッジより下にマウントされたセパレートハンドルも日本ではこのガンマが初です。

RG400ガンマ透視図

8km/Lを切るほどの凶悪な燃費を除けばチャンピオンマシンレプリカとして恥ずかしくないマシンとなっているRG400/500Γ。

今では200万円というプレミア価格が付いていますが、発売当時は

『RG400Γ:65万9000円』

『RG500Γ:75万9000円』

と性能を考えるとかなり安かったので予約が殺到。

500が約9000台、400が約6000台と2stビッグレプリカとしては一番台数が出ました。

プロジェクトリーダーの横内さんも採算が取れてるのかという質問には笑って誤魔化す始末。

RGガンマ

スズキは1981~1982年にWGP500(今で言うMotoGP)でチャンピオンに輝きました。

RG500Γはそんなスズキロードレースの黄金期を象徴するレーサーのレプリカでもあるわけです・・・が、スズキは1983年のロードレースをもってワークスとしての活動を休止します。

スズキWGP500

年々戦闘力を増していった中での撤退なんですが、これ勝ち逃げじゃないんです。

これはHY戦争の巻き添え(薄利多売による市場の焦土化)を受けて業績が著しく悪化したから。業績が悪化すると真っ先に切られるのがモータースポーツ部門なのはどこも同じ。

ではどうして市販化したのかというと実は前例があるから。

RG500GAMMAカタログ写真

このRG500/400の元ネタとなっているファクトリーマシンはファクトリーレプリカRG500として販売された経緯があります。

ややこしいんですがファクトリーマシンと瓜二つ(細部が少し違うだけ)のレーサーを惜しまず売ったんです。これにレース界隈は度肝を抜かれました。本来ならば門外不出なテクノロジーの塊であるファクトリーマシンを売るわけですから。

だから世界レースであるWGPではRG500が大人気だった。

RG500ウォルターウルフ

今回はそれの延長線上。それを市場でもやってのけたという話。

本当に気前がいいと言うか何というか・・・

もちろん根源にあるのはそんなWGPの姿を応援してくれた人たちに応えるため。

RG500Γ/RG400Γについて横内さんはこう仰っています。

チャンピオンマシン

「これはガンマを愛してくれる人のために作ったチャンピオンマシン。チャンピオンマシンであることを自覚して大事に乗ってほしい。」

補足:敵を減らすのではなく仲間を増やしたスズキ~マニュファクチャラー7連覇の栄光~

主要諸元
全長/幅/高 2100/695/1185mm
シート高 770mm
車軸距離 1425mm
車体重量 154kg(乾)
燃料消費率
燃料容量 22.0L
エンジン 水冷2サイクル4気筒
総排気量 498cc
{397cc}
最高出力 64ps/8500rpm
[95ps/9500rpm]
{59ps/9000rpm}
最高トルク 5.8kg-m/7500rpm
[7.3kg-m/9000rpm]
{4.9kg-m/8500rpm}
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前110/90V-16
後120/90V-17
{前100/90V-16
後120/90V-17}
バッテリー YTX5L-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
B9ES
推奨オイル
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量1.5L
スプロケ 前16|後40
{前15|後41}
チェーン サイズ530|リンク106
{サイズ525|リンク106}
車体価格 759,000円(税別)
{659,000円(税別)}
※[]内は輸出仕様
※{}内はRG400ガンマ
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

狂った時代が生んだ不幸 NS400R (NC19) -since 1984-

NS400R

「The Concept from GP Technology」

WGP500でいきなり15年ぶりの勝利をもたらし、翌年の1983年には世界チャンピオンにまでなったNS500のレプリカモデルと登場したのがこのNS400R(NC19)です。

NS500

これがそのチャンピオンマシンNS500。

開発者は福井さんで後に六代目ホンダ社長に就任されました。

NS400Rはそんなとんでもないマシンのレプリカということで

・2st水冷V型90度バンク三気筒
・三連フラットバルブ
・スラントキャブ
・アルミ一体成型NSシリンダー
・電子制御排気デバイス

それを積む車体も

・専用設計角型フレーム
・リモートアジャスター付きプロリンクサス
・各部にアルミてんこ盛り

などなど豪勢な作りでした。

NC19

馬力も59馬力(海外仕様は72馬力)と申し分ないものを持っていたのですが

「NSR250Rは知ってるけどNS400Rはあんまり聞いた事ない」

という人が多いのが正直な所かと思います。

そうなるのも無理もない話でこのNS400は今ひとつ人気が出ず、当時を振り返る企画などでもほとんど触れられないから。

理由は色々ありますが、一番あげられるのが一年前に出ていたMVX250Fという存在が大きいです。

NS400Rロスマンズカラー

MVX250FもNS400Rと同じV型2st三気筒を積んだスポーツバイクだったのですが、これが焼き付きを起こしやすいなどの問題から数ヶ月で生産終了。既に生産を開始し発売寸前だったMVX400Fも急遽お蔵入り。

そんな経緯の後に出てきたのがこのNS400R。再設計され問題は解決されていたとはいえMVXの焼き直しである事は明白で出る前からイメージが悪くマイナススタートだった。

NS400RがMVX400の焼き直しというイメージを持たれた理由はエンジンにあります。

確かにNS500はV型三気筒で世界を制しました。そしてNS400Rも世界を制した同じV型三気筒・・・なんだけど形が全く違うんです。NS500はバンク角を稼ぐため前1/後2というV型三気筒でした。それに対してNS400Rは前2/後1という正反対の形をしている。

NS500-NS400Rエンジン

これは保安部品の関係。

そしてこのレイアウトMVX250Fと同じレイアウトなんです。更にNS500は文字通り500なのにNS400Rは387ccと500ではないばかりか400というのもちょっと微妙な寸足らずな排気量。何処からどう見てもMVXにしか見えなかったというわけ。

加えて車体を見てもらうと分かりますが、アルミだらけという豪華さの中にもダブルシートやゴムラバー付きステップ、110という1クラス下の細いリアタイヤなどレプリカ路線とは少し離れた箇所が随所にあった。

NS400Rロスマンズカラー

それなのにNS400RをNS500のレプリカだと強く推すから尚のこと疑問に思う人が多かった。

もちろん400というモンスターパワーに気が引ける人が多かった事や、まだこの頃はレーサーレプリカの黎明期だったから仕方のない面もあるんですけどね。

そこで気になるのが

「何故こういう形になったのか」

という事。これは当時を振り返ったエンジニア達のインタビューを読むに、エンジニア達に戸惑いがあった事が最大の理由かと。

VF400F

当時ホンダのエンジニア達は本田宗一郎の信念に従って

『未来ある技術4st』

で戦っていました。CB50、XL250、VT250F、そして400でもVF400Fなどライバルが2stだろうが真正面から4stをぶつけていた。

確かにホンダの4stスポーツは爆発的なヒットとなった。しかし同時に2stスポーツの需要は伸びる一方で永遠のライバルであるヤマハのRZにはHY戦争を持ってしても潰すことが出来ず、営業からの圧力は凄まじいものがあったわけです。

これはレースでも同じ。

NS400Rの元である2stレーサーNS500は、楕円ピストンでお馴染み4stレーサーNRがあまりにも不甲斐ない戦績だったから作られた経緯があります。※詳しくはNRの系譜を参照

歴代NR

「まず勝て、道楽なら金の無駄だから辞めろ」

という圧力があったから生まれたマシンです。

これが見事チャンピオンに輝いたわけですが、同時期に市販車のフルカウルも国土交通省から認可されるようになった・・・となると営業は

「NS500の公道モデルを出せ」

となりますよね。

2stの売れ筋モデルが喉から手が出るほど欲しいとなった時、2stのチャンピオンマシンレプリカのアイディアが出るのはもはや必然。

ただ事はそう簡単じゃなかった。

HRC

というのもNS500はファクトリーマシンで作ったのはホンダの中でもHRC(Honda Racing Corporation)というレース部門。市販車部門とは全く別のところです。

「NS500の公道版作る」

と言ったところで触る事すら許されないほどHRCは門外不出の部門。

つまり

営業部門「NS500のレプリカが欲しい」

HRC部門「NS500技術は教えられない」

市販部門「ホンダは4st屋だろう」

こういう見事に噛み合ってない状況になってしまったんですね。

「2stが人気だからNS500の市販車を作れ」

と市販車部門に言った所でNS500を造ったわけではないし、HRCは何も教えてくれないという八方塞がり状態。

それでも何とか必死の思いで完成させたら今度は市場から

「何故もっとNS500ライクにしなかった」

と責めたてられてしまったというオチ。酷な話ですが部外者から見れば同じホンダが作ったバイクですからね。

噛み合っていない歯車が生んだNS400R。

でもこの一件があったから後に登場するNSR250RはHRCと市販という垣根を越えた試み(共同開発)がなされ大成功を収めた。

NC19表紙

NS400Rは人気もそれほどだし、お世辞にも褒められるバイクとは言い難いけど、同じホンダながら離れていく一方だった市販とHRCという関係を取り持つキッカケとなったバイク。

つまり決して名車では無いけど、決して無視は出来ないホンダ2stレプリカの礎みたいなモデルでもある。まあだからこうやって書いてるんですけどね。

主要諸元
全長/幅/高 2025/720/1125mm
シート高 780mm
車軸距離 1385mm
車体重量 183kg(装)
燃料消費率 29.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 19L
エンジン 水冷2サイクルピストンリードバルブ3気筒
総排気量 387cc
最高出力 59ps/8500rpm
最高トルク 5.1kg-m/8000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-16(54H)
後110/90-17(60H)
バッテリー FTX5L-BS
プラグ B8ES
推奨オイル ウルトラ2スーパー
オイル容量
スプロケ 前16|後40
チェーン サイズ530|リンク108
車体価格 629,000円(税別)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

踏みにじられたプライド GSX1400 (GY71A) -since 2001-

GSX1400

「The Pride」

ビッグネイキッドとしては最大となる1401ccの油冷エンジンを搭載して登場したGSX1400。

スズキは当時スポーツ性の高いバンディットというネイキッドはソコソコ好評だったものの、トラディショナルなスポーツネイキッドといえばオールド寄りなイナズマ1200だけで他社に大きく遅れをとっていた。そこで作られたのがGSX1400。

GSX1400カタログ写真

何を置いても語らないといけないのがやっぱり1401ccの油冷エンジン。

1985年のGSX-R750から続く伝統の油冷、Bandit1200に積まれていた物をベースに腰上を新設計とした最後の油冷エンジンです。

GSX1400

エンジンというのは排気量を上げれば上げるほどサイズが大きくなっていくのは分かると思いますが、特に幅は大きくなるほど人間工学的な扱い辛さが増します。

だからこのGSX1400もボアはシリンダーピッチをBandit1200のままでいけるギリギリに留め、ストローク量を長めに取ってるから幅は意外とコンパクト。そしてストローク量を多く取った事で12.8kg-m/5000rpmというオバケトルクにもなりました。

油冷システム

これらの事が出来たのは何を隠そうSACS(Suzuki Advanced Cooling System)つまり油冷システムだったからというのがあります。

そもそも油冷が生まれた理由は空冷の冷却性能に限界が来たから。今では水冷が当たり前ですが、油冷が生まれた頃には水冷も既にありました。

では何故スズキだけが水冷ではなく油冷を選んだのかというと、水冷は確かにエンジンを最も冷やせる(一定の温度に保てる)冷却システムです。ただしウォータージャケットといって熱を奪うクーラント(冷却水)が通る血管のような道をエンジンの動力部周辺に張り巡らせないといけない。

ウォータージャケット

そうするとどうしてもウォータージャケット分だけエンジンが大きく重くなってしまう。

スズキはそれを嫌い

「潤滑オイルに冷却もさせればウォータージャケットが要らないから軽くコンパクトに出来る」

と油冷を選択したわけ。

そのかわりエンジンヘッドなど熱くなる部分にオイルを噴射する装置を付けたりしているわけですが、基本的には空冷エンジンと変わらないシンプルな構造だから軽くコンパクト。

つまりGSX1400のエンジンが1401ccなのに意外とコンパクトな事や、乾燥重量228kgという見た目に反した軽さを持っているのは油冷だからという点が大きい。

GSX1400エンジンカットモデル

その代わりオイルの容量と負担が少し増えちゃう事と、基本が空冷と近い事もあって冷却フィンが必要になるわけですが、この冷却フィンもGSX1400が油冷エンジンとなった理由の一つ。

GSX1400は企画段階ではHAYABUSAの水冷エンジンを積む案もあったそうです。ただ水冷はご存知のように冷却フィンが必要なく、更にサイドカムチェーン(左右非対称)なので見た目がメカニカルで冷たい。それに対し油冷はセンターカムチェーンで左右対称、それに冷却フィンという温かい機能美もある。

GSX1400engine

それらの点を考えると油冷エンジンというのはビッグネイキッドと非常に相性が良い。

他にも二本出しマフラーとダブルクレードルフレームといったビッグネイキッドのツボは抑えつつもメジャーとは言い難かった時代にFI化し、ライダーのアクセル操作を演算し補助する二枚目の隠れたバルブが付いたSDTVというスポーツモデル向けの最新装備も装着。

GSX1400SDTV

更には前後フルアジャスタブルサスや6potキャリパー、入念に練られた軽快なハンドリングなど、1400という排気量とそれ伴うオバケトルクが話題になるけどこういった先端スポーツ装備もしてるわけです・・・その中でも忘れてはならないのが当時クラス唯一だった6速ミッション。

ビッグネイキッドは基本的に下から上までトルクフルな上にギアチェンジによる疲労を軽減するためワイドな5速が当たり前。ましてGSX1400はクラストップのトルクなので普通なら6速なんて一番いらないバイク。

だから開発段階では逆に4速も検討されたんだけど、それでは走りを楽しむスポーツ性が犠牲になるとしてオバケトルクの美味しい部分を常に使って走れるようクロス気味の5速と巡航用オーバードライブの6速という変則6速に決定。

上で説明したデュアルスロットルバルブのSDTVもそうですがGSX1400がスポーツ性を捨てなかったのは

GY71A

「峠でSSに勝てるビッグネイキッド」

という目標があったから。だからこその6速化。

他にも一軸二次バランサーを装着しエンジンの一部をリジットマウントにすることでダブルクレードルながらフレーム剛性を上げるような事もしています。

GSX1400カタログ

最大排気量ネイキッドという事からモッサリしたイメージが湧きがちだけど、ビッグネイキッド然としていながらも当時のスポーツバイクの装備を数多く装備しGSXを名乗るためのスポーツを詰め込んでいるんです。

そして熱い思いを込めていたのは開発側だけでなく営業側もそう。

GSX1400は初年度販売目標台数10000台とかなり強気な目標を掲げていました。他にもモーターショーや事業報告書でも表紙に選ばれるほどの熱の入れよう。

GSX1400後期

翌2003年には欧州でも売るために(盗難保険の兼ね合いから)イモビを装備、更に2005年にはマイナーチェンジでマッピング見直しと一本出しマフラーに変更したことで-2kg。センタースタンドにも変更が加わっています。

しかしこの時、既に年間販売台数目標は初年度の1/10である1000台に・・・GSX1400はビッグネイキッドのツボをキッチリ抑えていて言うほど悪くなかったんですが、何が駄目だったのか考えた時

スズキGSX1400

「スズキっぽさが見て取れない」

という点が大きいのかと思います。

バンディットはちょっと癖のあるフレームやモノサスだから見間違える事はないけど、GSX1400は他所の物と見間違えても不思議じゃないくらい典型的なビッグネイキッドの形。

となるとGSX1400のアピールポイントは”油冷エンジン”だけになる。

GSX1400スペシャルエディション

スズキがHAYABUSAの水冷エンジンではなく、わざわざ新たに作り直した油冷エンジンを積んだのは”油冷エンジンで勝負できる”と考えたからでしょう。

常に過酷な使い方をされるレースエンジンという第一線は退いたものの、ロードスポーツのエンジンとしては(上で言った通り)メリットがあるし、1985年から絶えず続けてきた歴史もある。

油冷エンジン

「油冷エンジンにはそれだけの価値がある」

という自信とプライドがスズキにはあった・・・ただ結果はそうじゃなかった。スズキの思いとは裏腹に油冷に価値を見出す人はそれほど居なかった。

もしもGSX1400の油冷エンジンに付加価値を見出す人がもっと多かったら08年の排ガス規制後も続いていたでしょう。しかし市場はあまりにも残酷だった。

GSX1400プライド

「油冷に付加価値は無い」

という現実をGSX1400でまざまざと見せつけられ1985年から続いたSACSという伝統(Pride)をスズキは捨てる決断をしたという事です。

主要諸元
全長/幅/高 2160/810/1140mm
シート高 775mm
車軸距離 1520mm
車体重量 228kg(乾)
[226kg(乾)]
燃料消費率 28.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 22.0L
エンジン 油冷4サイクルDOHC4気筒
総排気量 1401cc
最高出力 100ps/6500rpm
最高トルク 12.8kg-m/5000rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前120/70ZR17(58W)
後190/50ZR17(73W)
バッテリー YTX14-BS
プラグ
※2つの場合は手前が、3つの場合は中央が標準熱価
CR8EK
推奨オイル スズキ純正
エクスター
オイル容量
※ゲージ確認を忘れずに
全容量5.7L
交換時4.2L
フィルター交換時4.8L
スプロケ 前18|後41
チェーン サイズ530|リンク116
車体価格 998,000円(税別)
※[]内は後期モデル
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

30年経ってCBXと認められたアメリカン CBX400Custom (NC11) -since 1983-

YZF-R25

CBXと聞くと誰もが大ヒットし今も伝説のように語り継がれるCBX400F、またはCB750FOURの次世代を担うフラッグシップとして登場したCBX1000を思い浮かべるでしょう。

このCBX400CUSTOMはCBX400Fの二年後、CBX400INTEGRAに次いで登場したCBX400ベースでハンドルとシート変えただけのナンチャッテアメリカン・・・かと思いきやそうでもない。

CBX400Custom エンジン

このCBX400Fは兄貴分でこの400CUSTOMに勝るとも劣らない不人気さを誇ったCBX650がベース。一部の国ではナイトホークという名で売られていました。

CBX650

その650と基本的に同じだから背面ジェネレーター、油圧式バルブクリアランスオートアジャスタ、油圧クラッチ、シャフトドライブというCBX400Fとは名前こそ同じだけど造りは違うCUSTOM。そして驚きなのはCBX400Fよりもショートストロークという事。

だから馬力もFと同じ48馬力という申し分ないものを持ってるんだけど、スケールダウン版の宿命というべきか代償として非常に重くなった。CBX400Fに+11kgで大台の200kgに到達。更にルックスのためにティアドロップタンクにしたことでタンク容量も5L減って12Lしか入らない。

CBX400CUSTOMエンジン

足も硬いしシートも足付きを良くするため非常に硬く薄い。まあコレは見た目を優先したと思えば許せないこともない話なんだけど、ここに書いてる事から察して欲しいんだけど人気は出なかった。

CBX400カスタム

CBX400Fの方はCUSTOMが出た後もマイナーチェンジされたりしたんだけど、これは出たっきり。兄貴の650はまだ白バイや教習車に採用されたから救われてるんだけどね。

理由は言うまでもないけどクルーザーというよりネイキッドな腰高ショートフレームだったこと、そしてもう一つは他所だけでなく身内にもライバルがいた事。

NV400カスタム

Vツインを積んだNV400Custom。CBX400カスタムの二年後に登場したVツインアメリカン。CBXよりも(まだ)クルーザーらしい見た目。まあコレもヒュンヒュン回るアメリカンらしからぬスポーツ性でそれほど人気は出なかったんだけどね。

結局第二次クルーザーブームのきっかけとなった1988年のスティードを出すまでホンダはCBX400CUSTOMとNV400CUSTOMで食い合い、ヤマハのビラーゴとカワサキのエリミネーターによって共倒れする事に。

ちょっと不幸ですよね。でもCBX400CUSTOMが不幸なのはそんな不幸要素が一つじゃないということ。

なんでCBX400CUSTOMなんて出したのかと言えば、このナンチャッテアメリカンタイプは(ホンダに限った話じゃないけど)欧米向けの400オーバーモデルとの二台体制。

言葉が悪いけどフレームもエンジンも基本は同じで、日本でもクルーザー人気が高まりつつあったからスケールダウンしてついでに売ってしまえという感じ。つまりホンダにとっても本命モデルではない。

CBX400Fカタログ

そして悲しい事にこのバイクのエンジンのベースとなった650は更にスケールアップしてCBX750(コッチも不人気っていう)と続いたのに対し、400の方はCBX400CUSTOMだけ。

理由は半年後にCBR400Fというド本命車が控えてたから。CBX400を10馬力も上回る58馬力を引き下げて登場したCBX400Fの後継車です。

CBR400F

こうなるともう”CBX”というネームバリューも無くなりホンダ400はCBR-Fの一色に。もう誰もCBXなんて気にも止めてませんでした。

今では考えられないけど当時はCBX400Fですら型落ち二束三文だったんですよ。

そしてもう一つの不幸要素はその”CBX”という名前。CBX400Fカタログ

CBX400Fが盗難率の高さ、車体価格の高騰により盗難保険への加入が大手保険会社において不可になったのは記憶に新しいと思いますが、何故かその加入不可車両の中にCBX400CUSTOMも含まれているんです。

現役時代には

「こんなのCBX400じゃない」

と言われ認められず

生産終了した今になって

「これもCBX400」

と認められた。

CBX400カスタム

これほど不幸なバイクは珍しいかと。

主要諸元
全長/幅/高 2150/830/1160mm
シート高 780mm
車軸距離 1440mm
車体重量 200kg(装)
燃料消費率 40.0km/L
※定地走行テスト値
燃料容量 12L
エンジン 水冷4サイクルDOHC四気筒
総排気量 398cc
最高出力 48ps/10500rpm
最高トルク 3.4kg-m/8500rpm
変速機 常時噛合式6速リターン
タイヤサイズ 前100/90-19(57S)
後130/90-16(67S)
バッテリー FB12AL-A
プラグ DP7EA-9/DP8EA-9/DP9EA-9
または
X22EP-U9/X24EP-U9/X27EP-U9
推奨オイル ウルトラ-U(10W-30)
オイル容量 全容量3.2L
交換時2.2L
フィルター交換時2.5L
スプロケ
チェーン
車体価格 525,000円(税別)
系譜の外側
DN-01

拒絶された渾身のATスポーツクルーザー
DN-01
(RC55)

gts1000

悪いのは人か技術か
GTS1000/A
(4BH/4FE)

750カタナ

カタナと名乗れなかったカタナ
GSX750S
(GS75X)

ザンザス

Zの亡霊と戦ったZ
XANTHUS
(ZR400D)

CBX400カスタム

30年経ってCBXと認められたアメリカン
CBX400CUSTOM
(NC11)

BT1100

イタリア魂が生んだもう一つのMT
BT1100 BULLDOG
(5JN)

GSX1300BK

本当の怪物は誰も求めていなかった
GSX1300BK B-KING
(GX71A)

ZR750F/H

死せるザッパー生ける仲間を走らす
ZR-7/S
(ZR750F/H)

ホンダCBX1000

大きすぎた赤い夢
CBX1000
(CB1/SC03/06)

GX750/XS750

ブランドは1台にしてならず
GX750
(1J7)

スズキGAG

SUZUKIのZUZUKI
GAG
(LA41A)

Z1300

独走のレジェンダリー6
Z1300/KZ1300
(KZ1300A/B/ZG1300A)

NM-4

アキラバイクという非常識
NM4-01/02
(RC82)

FZX750

大きな親切 大きなお世話
FZX750
(2AK/3XF)

GSX1400

踏みにじられたプライド
GSX1400
(GY71A)

750Turbo

タブーを犯したターボ
750Turbo
(ZX750E)

NR750

無冠のレーシングスピリット
NR
(RC40)

TRX850

現代パラツインスポーツのパイオニア
TRX850
(4NX)

GS1200SS

嘲笑される伝説
GS1200SS
(GV78A)

ゼファー1100

ZEPHYRがZEPHYRに
ZEPHYR1100/RS
(ZR1100A/B)

NS400R

狂った時代が生んだ不幸
NS400R
(NC19)

RZV500R

手負いの獅子の恐ろしさ
RZV500R
(51X/1GG)

RG500Γ

チャンピオンの重み
RG500/400Γ
(HM31A~B/HK31A)

AV50

なぜなにカワサキ
AV50
(AV050A)

ドリーム50

五十路の夢
DREAM50
(AC15)

フォーゲル

楽し危なし
POCKE/VOGEL
(4U1/7)

ストリートマジック

シンデレラスクーター
TR-50/TR-110
(CA1L/CF12)

Z750ツイン

鼓動と振動
Z750TWIN
(KZ750B)

フォルツァ125

市民権の象徴
FORZA125
(JF60)

SRX4/6

決して多くない人たちへ
SRX-6/SRX-4
(1JK/1JL~)

DR-Z400SM

最初で最後のフルスペック
DR-Z400S/SM
(SK43A/SK44A)

ZX-7R/RR

問題児レーサー
ZX-7R/RR
(ZX750P/N)

RC213V-S

2190万円の妥協と志向
RC213V-S
(SC75)

YZF-R7

7と1でWE/R1
YZF-R7
(5FL)

バーグマンFCS

エコの裏で蠢くエゴ
BURGMAN FCS
(DR11A)

エリミネーター750/900

名は体を現す
ELIMINATOR750/900
(ZL750A/ZL900A)

モトコンポ

こう見えて宗一郎のお墨付き
MOTOCOMPO
(AB12)

TDR250

聖地突貫ダブルレプリカ
TDR250
(2YK)

グース

決めつけられたシングルの正解
Goose250/350
(NJ46A/NK42A)

Z650

小さく見えるか大きく見えるか
Z650
(KZ650B)

X4

単気筒
X4
(SC38)

SDR200

軽く見られた軽いやつ
SDR
(2TV)

チョイノリ

59,800円に込められた思い
choinori
(CZ41A)

ゼファー750

復刻ではなく集大成
ZEPHYR750/RS
(ZR750C/D)

PS250

モトラリピート
PS250
(MF09)

DT-1

冒険という感動創造
トレール250DT1
(214/233)

Vストローム250

二度ある事は三度ある
V-STROM250
(DS11A)

エリミネーター250

周期再び
ELIMINATOR250/SE/LX
(EL250B/A/C)

CX500ターボ

打倒2ストのブースト
CX500/650TURBO
(PC03/RC16)

YA-1

原点進行形
YAMAHA125
(YA-1)

rf400r

RでもFでもない
RF400R/RV
(GK78A)

250-A1

半世紀を迎えた吉凶のライムグリーン
250-A1/SAMURAI

Vツインマグナ

氷河期 of Liberty
V-TWIN MAGNA(MC29)

TDR50

RALLYってしまった原付
TDR50/80(3FY/3GA)

SW-1

オシャレは我慢
SW-1(NJ45A)

ボイジャー1200

可愛い娘は旅をせよ
Voyger XII
(ZG1200A/B)

WING

Twist and Shaft
WING
(GL400/GL500)

ビーノ

その愛嬌は天然か計算か
VINO
(SA10J/SA26J/SA37J/SA54J/AY02)

DRビッグ

爪痕を残し飛び去った怪鳥
DR750S/DR800S
(SK43A/SR43A)

テンガイ

愛おぼえていますか
Tengai
(KL650B)

CB92

雪辱のSSその名はシービー
CB92

XT400E

本当の名前は
ARTESIA
(4DW)

ジェベル250

ツールドジェベル
DJEBEL250/XC/GPS
(SJ44A/SJ45A)

KV75

混ぜるなキケン
75MT/KV75
(KV075A)

ダックス

泥遊びなら任せろ
DAX
(ST50/ST70/AB26)

ランツァ

単槍匹馬のラストDT
LANZA
(4TP)

GT750

水牛であり闘牛である
GT750
(GT750J~N)

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